JPH04289761A - 渦電流式減速装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は大型車両に搭載されて摩
擦ブレーキを補助する渦電流式減速装置、特に磁石の洩
れ磁束を抑えて制動能力を高めた渦電流式減速装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】永久磁石を利用した車両用渦電流式減速
装置は特開平１−２９８９４８号公報に開示されている
。図６は制動・非制動の切換え動作が上記公報のものと
異なる車両用渦電流式減速装置の側面断面図である。変
速機の歯車箱２の端壁に軸受３により支持されかつ端壁
から突出する出力回転軸４に、取付フランジ５がスプラ
イン嵌合されかつ外れないようにナツト６により締結さ
れる。取付フランジ５に駐車ブレーキの制動ドラム７の
端壁と、減速装置の制動ドラム１３のボス部９と一体の
フランジ部９ａとが重ね合され、複数のボルト１０とナ
ツト１０ａにより締結される。

【０００３】制動ドラム１３はボス部９から放射方向に
延びる多数のスポーク１２に支持される。このため、ス
ポーク１２の先端は制動ドラム１３の基端部に溶接によ
り結合される。制動ドラム１３の外周壁に周方向等間隔
に、多数のフイン１３ａが備えられる。

【０００４】鉄などの電気導体からなる制動ドラム１３
の内側に、断面箱形の内空部を有する筒形の磁石案内枠
１８が配設される。磁石案内枠１８は歯車箱２の突壁２
ａに外嵌固定した枠板３１に、ボルト３２，３３により
固定される。磁石案内枠１８は外筒と内筒の両端に環状
の端壁板を結合して構成してもよいが、図示の磁石案内
枠１８は普通の鉄などからなる左半部の断面コ字形をな
す筒形の枠部分１８ａと、アルミニウムなどの非磁性体
からなる右半部の断面逆Ｌ字形をなす筒形の枠部分１８
ｂとを、多数のボルト１４により結合して構成される。

【０００５】制動ドラム１３の内面ないし制動面と対向
する磁石案内枠１８の外筒部すなわち枠部分１８ｂの周
壁に、周方向等間隔に多数の開口が設けられ、各開口に
強磁性板（ポールピース）２１が嵌合固定される。実際
には、強磁性板２１は枠部分１８ｂをアルミニウムから
鋳造する際に鋳ぐるまれる。

【０００６】補強リブ３１ａを有する枠板３１に、周方
向等間隔に複数のアクチユエータ（図示せず）が支持さ
れる。アクチユエータはシリンダに嵌合したピストンか
ら磁石案内枠１８の内空部へ突出するロツド１７の端部
に磁石支持環１９を結合される。磁石支持環１９は磁石
案内枠１８の内空部に軸方向移動可能に支持される。磁
石支持環１９の外周壁に、各強磁性板２１と対向する永
久磁石２０が、周方向に極性を交互に異にして結合され
る。

【０００７】制動作用時、磁石支持環１９は図示のよう
に、アクチユエータによりロツド１７を介して制動ドラ
ム１３の内部へ突出される。回転する制動ドラム１３が
永久磁石２０から強磁性板２１を透過して制動ドラム１
３の制動面へ及ぶ磁界を横切る時、制動ドラム１３に渦
電流が発生し、制動ドラム１３が制動トルクを受ける。 制動ドラム１３は渦電流により発熱し、直接またはフイ
ン１３ａで空気により冷却される。

【０００８】制動作用時、永久磁石２０と制動ドラム１
３との間に、図８に示すような磁気回路が形成される。 しかし、図７に示すように、永久磁石２０の両側縁部で
は制動ドラム１３に磁界を及ぼさない短絡的磁気洩れが
生じる。

【０００９】

【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は上述
の問題に鑑み、回転制動体に対向する永久磁石の両側縁
部での磁極間の磁気洩れを抑えて制動能力を増大する、
渦電流式減速装置を提供することにある。

【００１０】

【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、本発明の構成は導体からなる断面コ字形の回転制
動体の開放端側に非磁性体からなる磁石案内枠を配置し
、磁石案内枠に磁石支持環を回転制動体の内部へ突出・
引退可能に支持し、磁石支持環に多数の磁石を周方向等
間隔にかつ極性が交互に逆になるように支持し、各磁石
の両端の磁極を回転制動体の互いに平行をなす制動面に
対向させたものである。

【００１１】

【作用】本発明では、回転制動体を断面コ字形とし、環
状の磁石案内枠に支持した周方向等間隔に並ぶ多数の磁
石を、制動時回転制動体の内空部へ突出するものである
から、磁石が回転制動体の１対の制動面に垂直な磁気回
路を形成し、同時に磁石の一側縁部でも回転制動体の閉
鎖端壁を通る磁気回路を形成する。したがつて、従来の
渦電流式減速装置に比べて磁気洩れが半減され、制動能
力が増大する。

【００１２】

【発明の実施例】図１は本発明をドラム型の回転制動体
に適用した渦電流式減速装置の側面断面図、図２は図１
の線２Ａ−２Ａによる正面断面図である。渦電流式減速
装置は回転制動体としての断面コ字形をなす回転制動体
２３を備えている。すなわち、回転軸のボス部から延び
るスポークまたはフランジ１２ａに結合した環状の閉鎖
端壁２３ｃに、閉鎖端壁２３ｃから軸方向へ突出する内
外１対の制動ドラム２３ａ，２３ｂが一体に形成される
。制動ドラム２３ａ，２３ｂの開放端側に環状の磁石案
内枠１８が配設され、非磁性体からなる磁石支持環１９
が、図示してないアクチユエータのロツド１７により、
磁石案内枠１８に軸方向摺動可能に支持される。板状の
磁石支持環１９に強磁性体からなる筒体２４が結合され
、筒体２４の内外両面に周方向等間隔に多数の永久磁石
２０ａ，２０ｂが結合される。

【００１３】好ましくは、各永久磁石２０ａは制動ドラ
ム２３ａの内面ないし制動面に対向する端面に強磁性板
２１ａを結合され、各永久磁石２０ｂは制動ドラム２３
ｂの制動面に対向する端面に強磁性板２１ｂを結合され
る。また、各永久磁石２０ａ，２０ｂの両側縁部は非磁
性体からなる環状の枠板２５，２６により互いに結合さ
れる。こうして、多数の永久磁石２０ａ，２０ｂは周方
向に極性が交互に異なるように枠組みされる。

【００１４】制動作用時、図１に示すように、アクチユ
エータのロツド１７により磁石支持環１９を、断面コ字
形の回転制動体２３の内空部へ移動すると、強磁性板２
１ａ、永久磁石２０ａ、筒体２４、永久磁石２０ｂ、強
磁性板２１ｂは１つの永久磁石として、制動ドラム２３
ａ，２３ｂに逆の極性を示す。図２に示すように、相隣
接する１対の永久磁石２０ａ，２０ｂは制動ドラム２３
ａ，２３ｂとの間に磁気回路を形成し、各制動ドラム２
３ａ，２３ｂに渦電流を発生する。同時に、図１に示す
ように、各永久磁石２０ａ，２０ｂの一方の側縁部は回
転制動体２３の閉鎖端壁２３ｃとの間に磁気回路を形成
し、閉鎖端壁２３ｃに渦電流を発生するので、回転制動
体２３の制動力が増大される。

【００１５】非制動時、アクチユエータのロツド１７に
より磁石支持環１９を、断面コ字形の回転制動体２３の
内空部から引き出すと、永久磁石２０ａ，２０ｂは回転
制動体２３に磁界を及ぼさなくなり、回転制動体２３は
制動力を受けない。

【００１６】図３は本発明を円板型の回転制動体に適用
した渦電流式減速装置の側面断面図、図４は図３の線４
Ａ−４Ａによる正面断面図である。回転制動体４３は互
いに平行な制動面をもつ左右１対の環状の制動円板４３
ａ，４３ｂと両者の外周縁を接続する筒状の閉鎖端壁４
３ｃとにより断面コ字形に形成され、制動円板４３ｂが
スポーク１２を介して回転軸のボス部９に接続される。 各制動円板４３ａ，４３ｂと閉鎖端壁４３ｃの外面に、
周方向等間隔に多数のフイン４６が形成される。磁石案
内枠１８はボス部９と同軸の円筒体に、回転制動体４３
の内空部へ突出する厚い円形の枠板４７を一体に備える
。枠板４７の内部に周方向等間隔に多数の径方向の案内
溝４９が形成され、案内溝４９の内部にほぼ直方体をな
す永久磁石２０が摺動可能に支持される。

【００１７】磁石案内枠１８は回転制動体４３の内空部
へ突出する周縁部の板面に、案内溝４９に連通する開口
４７ａ，４７ｂを設けられ、開口４７ａ，４７ｂに永久
磁石２０の両端面を覆う強磁性板２１ａ，２１ｂが結合
される。永久磁石２０は適当な手段により図３に示す位
置と図４に鎖線で示す位置とに摺動可能とされる。

【００１８】図５は枠板４７の案内溝４９に沿つて永久
磁石２０を、回転制動体４３の内空部へ突出させまたは
内空部から引退させる磁石支持環５５の概略構成を示す
正面図である。磁石案内枠１８のボス部に磁石支持環５
５が回動可能に支持され、各永久磁石２０と磁石支持環
５５との間に、リンク５３がピン５２，５４により連結
される。非制動時、磁石支持環５５を矢印ｘ方向へ回動
すると、永久磁石２０がリンク５３に引かれて案内溝４
９に沿つて鎖線で示す位置へ移動し、回転制動体４３に
磁界を及ぼさなくなる。リンク５３の動作を妨げないよ
うに、枠板４７に案内溝４９から磁石支持環５５へ延び
る溝が設けられる。

【００１９】制動作用時、図３に示すように、永久磁石
２０が回転制動体４３の内空部へ突出されると、矢印で
示す磁気回路が形成され、回転制動体４３の制動円板４
３ａ，４３ｂと閉鎖端壁４３ｃに渦電流が発生し、回転
制動体４３が制動トルクを受ける。この時、永久磁石２
０の外周側縁部も閉鎖端壁４３ｃとの間に磁気回路を形
成するので、従来例に比べて磁気洩れが半減し、制動能
力が増大される。

【００２０】本発明は永久磁石に限らず、電磁石でも鉄
心の両端を断面コ字形の制動ドラムまたは制動円板の内
空部に配置することにより、電磁石の一側縁部での短絡
的な磁気洩れがなくなり、制動能力を増大できる。

【００２１】

【発明の効果】本発明は上述のように、導体からなる断
面コ字形の回転制動体の開放端側に非磁性体からなる磁
石案内枠を配置し、磁石案内枠に磁石支持環を回転制動
体の内部へ突出・引退可能に支持し、磁石支持環に多数
の磁石を周方向等間隔にかつ極性が交互に逆になるよう
に支持し、各磁石の両端の磁極を回転制動体の互いに平
行をなす制動面に対向させたものであり、磁石の一側縁
部も回転制動体の閉鎖端壁との間に、制動に有効な磁気
回路を形成するので、磁気漏れが半減し、制動能力を増
大できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る渦電流式減速装置の要部を示す側
面断面図である。

【図２】図１の線２Ａ−２Ａによる正面断面図である。

【図３】本発明の第２実施例に係る渦電流式減速装置の
要部を示す側面断面図である。

【図４】図３の線４Ａ−４Ａによる正面断面図である。

【図５】図３の渦電流式減速装置における磁石支持環の
概略構成図である。

【図６】従来の渦電流式減速装置の側面断面図である。

【図７】同渦電流式減速装置の要部を拡大して示す側面
断面図である。

【図８】同正面断面図である。

【符号の説明】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】導体からなる断面コ字形の回転制動体の開
   放端側に非磁性体からなる磁石案内枠を配置し、磁石案
   内枠に磁石支持環を回転制動体の内部へ突出・引退可能
   に支持し、磁石支持環に多数の磁石を周方向等間隔にか
   つ極性が交互に逆になるように支持し、各磁石の両端の
   磁極を回転制動体の互いに平行をなす制動面に対向させ
   たことを特徴とする、渦電流式減速装置。