JPH04235218A - 高強度高靱性鋼板の製造方法 - Google Patents
高強度高靱性鋼板の製造方法Info
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- JPH04235218A JPH04235218A JP215891A JP215891A JPH04235218A JP H04235218 A JPH04235218 A JP H04235218A JP 215891 A JP215891 A JP 215891A JP 215891 A JP215891 A JP 215891A JP H04235218 A JPH04235218 A JP H04235218A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度高靱性鋼板の製
造方法に関し、さらに詳しくは、溶接性を向上するため
に C量を低減し、高価な元素であるCuとNiを多量
に添加することなく、安価に降伏強度42kgf/mm
2 以上、引張強さ54kgf/mm2 以上、vTr
s −80℃以下の高強度高靱性鋼板の製造方法に関す
るものである。
造方法に関し、さらに詳しくは、溶接性を向上するため
に C量を低減し、高価な元素であるCuとNiを多量
に添加することなく、安価に降伏強度42kgf/mm
2 以上、引張強さ54kgf/mm2 以上、vTr
s −80℃以下の高強度高靱性鋼板の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から高強度で高靱性が得られる鋼板
の製造方法は数多く提案されており、これらの製造方法
の一つとして、V の添加とN 含有量を高くしものが
知られており、ASTM規格A633 グレードEお
よびA678 グレードDにその例をみることができ
る。
の製造方法は数多く提案されており、これらの製造方法
の一つとして、V の添加とN 含有量を高くしものが
知られており、ASTM規格A633 グレードEお
よびA678 グレードDにその例をみることができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ASTM規格
A633 グレードEは焼きならし鋼板で、ASTM
規格A678 グレードDは焼入れ焼きもどし鋼板で
、いずれもオフラインの熱処理を対象にしたものであり
、エネルギコストが嵩むとともに、高強度、高靱性化に
限界がある。
A633 グレードEは焼きならし鋼板で、ASTM
規格A678 グレードDは焼入れ焼きもどし鋼板で
、いずれもオフラインの熱処理を対象にしたものであり
、エネルギコストが嵩むとともに、高強度、高靱性化に
限界がある。
【0004】本発明は、制御圧延、制御冷却を駆使し、
単純にV の添加とN の含有量を高めるだけでなく、
他の化学成分の含有量も最適化することによって、低コ
ストの高強度高靱性鋼板の製造方法を提供することを目
的とする。
単純にV の添加とN の含有量を高めるだけでなく、
他の化学成分の含有量も最適化することによって、低コ
ストの高強度高靱性鋼板の製造方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、V−高N
の成分系を基本に、高強度高靱性鋼板を低コストで製
造する方法について、種々研究を重ねた結果、V−高N
の成分系に他の化学成分を調整し、加熱温度、圧延条
件、冷却条件等を適切に制御することによって、低コス
トで高強度高靱性鋼板の製造が可能であるという知見を
得て本発明に至ったものである。
の成分系を基本に、高強度高靱性鋼板を低コストで製
造する方法について、種々研究を重ねた結果、V−高N
の成分系に他の化学成分を調整し、加熱温度、圧延条
件、冷却条件等を適切に制御することによって、低コス
トで高強度高靱性鋼板の製造が可能であるという知見を
得て本発明に至ったものである。
【0006】第1発明は、C:0.01〜0.10%、
Si:0.05〜0.50%、 Mn:0.80〜2
.5 %、S:0.005 %以下、Al:0.005
〜0.040 %、Nb:0.005〜0.10%、
V:0.030〜0.150 %、Ti:0.005%
以下、N:0.0080〜0.0200%を含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を 950〜1
150℃の温度範囲に加熱後、 900℃〜Ar3 変
態点の温度範囲で全圧下率40%以上の圧延を行い、A
r3 変態点以上の温度で圧延を終了したのち、 2℃
/sec以上の冷却速度で 600〜400 ℃の温度
まで冷却し、それ以後空冷する高強度高靱性鋼板の製造
方法である。
Si:0.05〜0.50%、 Mn:0.80〜2
.5 %、S:0.005 %以下、Al:0.005
〜0.040 %、Nb:0.005〜0.10%、
V:0.030〜0.150 %、Ti:0.005%
以下、N:0.0080〜0.0200%を含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を 950〜1
150℃の温度範囲に加熱後、 900℃〜Ar3 変
態点の温度範囲で全圧下率40%以上の圧延を行い、A
r3 変態点以上の温度で圧延を終了したのち、 2℃
/sec以上の冷却速度で 600〜400 ℃の温度
まで冷却し、それ以後空冷する高強度高靱性鋼板の製造
方法である。
【0007】第2発明は、C:0.01〜0.10%、
Si:0.05〜0.50%、 Mn:0.80〜2
.5 %、S:0.005 %以下、Al:0.005
〜0.040 %、Nb:0.005〜0.10%、
V:0.030〜0.150 %、Ti:0.005%
以下、N:0.0080〜0.0200%を含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を 950〜1
150℃の温度範囲に加熱後、 900℃〜Ar3 変
態点の温度範囲で全圧下率40%以上の圧延を行い、A
r3 変態点以上の温度で圧延を終了したのち、 2℃
/sec以上の冷却速度で 600〜400 ℃の温度
まで冷却したのち、 550℃〜Ac1 変態点温度に
再加熱する高強度高靱性鋼板の製造方法である。
Si:0.05〜0.50%、 Mn:0.80〜2
.5 %、S:0.005 %以下、Al:0.005
〜0.040 %、Nb:0.005〜0.10%、
V:0.030〜0.150 %、Ti:0.005%
以下、N:0.0080〜0.0200%を含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を 950〜1
150℃の温度範囲に加熱後、 900℃〜Ar3 変
態点の温度範囲で全圧下率40%以上の圧延を行い、A
r3 変態点以上の温度で圧延を終了したのち、 2℃
/sec以上の冷却速度で 600〜400 ℃の温度
まで冷却したのち、 550℃〜Ac1 変態点温度に
再加熱する高強度高靱性鋼板の製造方法である。
【0008】第3発明は、C:0.01〜0.10%、
Si:0.05〜0.50%、 Mn:0.80〜2
.5 %、S:0.005 %以下、Al:0.005
〜0.040 %、Nb:0.005〜0.10%、
V:0.030〜0.150 %、Ti:0.005%
以下、N:0.0080〜0.0200%を含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を 950〜1
150℃の温度範囲に加熱後、 900℃〜Ar3 変
態点の温度範囲で全圧下率40%以上の圧延を行い、A
r3 変態点以上の温度で圧延を終了したのち、 2℃
/sec以上の冷却速度で 400℃以下の温度まで冷
却したのち、 550℃〜Ac1変態点温度に再加熱す
る高強度高靱性鋼板の製造方法である。
Si:0.05〜0.50%、 Mn:0.80〜2
.5 %、S:0.005 %以下、Al:0.005
〜0.040 %、Nb:0.005〜0.10%、
V:0.030〜0.150 %、Ti:0.005%
以下、N:0.0080〜0.0200%を含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を 950〜1
150℃の温度範囲に加熱後、 900℃〜Ar3 変
態点の温度範囲で全圧下率40%以上の圧延を行い、A
r3 変態点以上の温度で圧延を終了したのち、 2℃
/sec以上の冷却速度で 400℃以下の温度まで冷
却したのち、 550℃〜Ac1変態点温度に再加熱す
る高強度高靱性鋼板の製造方法である。
【0009】第4発明は、Cu:0.1〜1.0 %、
Ni:0.1〜1.0 %、 Cr:0.01〜0.5
0%、 Mo:0.01〜0.50%、 Ca:0.0
005〜0.0050%、REM:0.005〜0.0
50 %の内から選んだ一種または二種以上を含有する
請求項1、2または3記載の高強度高靱性鋼板の製造方
法である。
Ni:0.1〜1.0 %、 Cr:0.01〜0.5
0%、 Mo:0.01〜0.50%、 Ca:0.0
005〜0.0050%、REM:0.005〜0.0
50 %の内から選んだ一種または二種以上を含有する
請求項1、2または3記載の高強度高靱性鋼板の製造方
法である。
【0010】
【作用】以下に、本発明における化学成分の限定理由に
ついて説明する。C は、溶接性を害するため低い方が
望ましく、また、圧延前の鋼片加熱時に低温の加熱温度
においてもNbの固溶量を多くするためにも低い方が望
ましく、このため、上限を0.10%とした。しかし、
強度確保のためには、0.01%以上の添加が必要であ
る。したがって、 C添加量は0.01〜0.10%の
範囲とする。
ついて説明する。C は、溶接性を害するため低い方が
望ましく、また、圧延前の鋼片加熱時に低温の加熱温度
においてもNbの固溶量を多くするためにも低い方が望
ましく、このため、上限を0.10%とした。しかし、
強度確保のためには、0.01%以上の添加が必要であ
る。したがって、 C添加量は0.01〜0.10%の
範囲とする。
【0011】Siは、製鋼時の鋼の脱酸と鋼の強化に必
要な元素であり、そのためには、0.05%以上の添加
が必要である。しかし、0.50%を超えて過多に添加
すると溶接性および靱性を劣化させる。したがって、S
i添加量は0.05〜0.50%の範囲とする。
要な元素であり、そのためには、0.05%以上の添加
が必要である。しかし、0.50%を超えて過多に添加
すると溶接性および靱性を劣化させる。したがって、S
i添加量は0.05〜0.50%の範囲とする。
【0012】Mnは、強度確保のために少なくとも0.
80%の添加が必要であるが、 2.5%を超えて過多
に添加すると溶接性が劣化する。したがって、Mn添加
量は0.80〜2.5 %の範囲とする。
80%の添加が必要であるが、 2.5%を超えて過多
に添加すると溶接性が劣化する。したがって、Mn添加
量は0.80〜2.5 %の範囲とする。
【0013】S は、MnS 介在物の生成により、シ
ャルピ吸収エネルギを低下させる元素であるため、でき
るだけ低い方が望ましい。したがって、S 量は 0.
005%以下とする。
ャルピ吸収エネルギを低下させる元素であるため、でき
るだけ低い方が望ましい。したがって、S 量は 0.
005%以下とする。
【0014】Alは、脱酸元素であり、 0.005%
以上の添加が望ましいが、一方、N とAlは親和力が
強いため、Alの添加量が多いと、AlとN が優先的
に結合して、本発明の特徴であるV またはNbとN
との結合による析出強化作用が低減するため、Al添加
量はできるだけ少ない方がよい。したがって、Al添加
量は 0.005〜0.040 %の範囲とする。
以上の添加が望ましいが、一方、N とAlは親和力が
強いため、Alの添加量が多いと、AlとN が優先的
に結合して、本発明の特徴であるV またはNbとN
との結合による析出強化作用が低減するため、Al添加
量はできるだけ少ない方がよい。したがって、Al添加
量は 0.005〜0.040 %の範囲とする。
【0015】Nbは、本発明の特徴とする元素の一つで
あり、圧延時の結晶粒細粒化による靱性向上効果および
圧延冷却後の析出強化効果を示す元素である。特に、N
bを添加せず Vの添加のみでは圧延時の未再結晶域の
拡大作用が小さいため、未再結晶域での圧下が十分とれ
ず結果として、フェライト粒が細粒化せず高靱性を確保
することができない。つまり、高靱性を得るためには、
Nbの添加が必須である。しかし、0.10%を超える
添加は靱性を損なう。したがって、Nb添加量は 0.
005〜0.100 %の範囲とする。
あり、圧延時の結晶粒細粒化による靱性向上効果および
圧延冷却後の析出強化効果を示す元素である。特に、N
bを添加せず Vの添加のみでは圧延時の未再結晶域の
拡大作用が小さいため、未再結晶域での圧下が十分とれ
ず結果として、フェライト粒が細粒化せず高靱性を確保
することができない。つまり、高靱性を得るためには、
Nbの添加が必須である。しかし、0.10%を超える
添加は靱性を損なう。したがって、Nb添加量は 0.
005〜0.100 %の範囲とする。
【0016】Vは、本発明の特徴とする元素であり、特
に Nと結合させVNの微細析出物を多量にフェライト
中に分散させることにより、大幅な強度上昇が可能とな
る。 この効果を得るためには、 0.030%以上添加する
必要がある。しかし、0.150 %を超えて過多に添
加すると靱性を劣化させる。したがって、V 添加量は
0.030〜0.150 %の範囲とする。
に Nと結合させVNの微細析出物を多量にフェライト
中に分散させることにより、大幅な強度上昇が可能とな
る。 この効果を得るためには、 0.030%以上添加する
必要がある。しかし、0.150 %を超えて過多に添
加すると靱性を劣化させる。したがって、V 添加量は
0.030〜0.150 %の範囲とする。
【0017】Nは、本発明の最も特徴とする元素であり
、 VまたはNbと結合して微細析出物となり大幅な強
度上昇効果を示す。特に、V と結合したときには、極
めて大きな強度上昇となる。この強度上昇効果を得るた
めには、0.0080%以上の添加が必要であるが、0
.0200%を超えて添加すると靱性を劣化させる。し
たがって、N 添加量は 0.008〜0.0200%
の範囲とする。
、 VまたはNbと結合して微細析出物となり大幅な強
度上昇効果を示す。特に、V と結合したときには、極
めて大きな強度上昇となる。この強度上昇効果を得るた
めには、0.0080%以上の添加が必要であるが、0
.0200%を超えて添加すると靱性を劣化させる。し
たがって、N 添加量は 0.008〜0.0200%
の範囲とする。
【0018】Tiは、溶接熱影響部の靱性向上作用のた
めにしばしば用いられる元素であるが、N との親和力
が強く、N と優先的に結合するため、本発明の主眼と
するVNまたはNb(CN)等の析出強化作用を効果的
に活用するには、逆に害となる。したがって、Ti添加
量は 0.005%以下とする。
めにしばしば用いられる元素であるが、N との親和力
が強く、N と優先的に結合するため、本発明の主眼と
するVNまたはNb(CN)等の析出強化作用を効果的
に活用するには、逆に害となる。したがって、Ti添加
量は 0.005%以下とする。
【0019】Cu、Niは、靱性向上に有効な元素であ
り、この効果を得るためには 0.1%以上の添加が必
要である。しかし、これらの元素は高価であるため、で
きるだけ少量の添加が望ましく、上限を 1.0%とす
る。したがって、CuおよびNi添加量はそれぞれ 0
.1〜1.0 %の範囲とする。
り、この効果を得るためには 0.1%以上の添加が必
要である。しかし、これらの元素は高価であるため、で
きるだけ少量の添加が望ましく、上限を 1.0%とす
る。したがって、CuおよびNi添加量はそれぞれ 0
.1〜1.0 %の範囲とする。
【0020】Cr、Moは、強度上昇に有効な元素であ
り、この効果を得るためには0.01%以上の添加が必
要であるが、0.50%を超えて多量に添加すると溶接
性をそこなう。したがって、CrおよびMo添加量はそ
れぞれ0.01〜0.50%の範囲とする。
り、この効果を得るためには0.01%以上の添加が必
要であるが、0.50%を超えて多量に添加すると溶接
性をそこなう。したがって、CrおよびMo添加量はそ
れぞれ0.01〜0.50%の範囲とする。
【0021】Ca、REM は、介在物の形態制御によ
る異方性の改善に有効な元素であり、その効果を発揮さ
せるためには、0.0005%以上の添加が必要である
が、0.0050%を超えて過多に添加すると靱性を劣
化させる。したがって、CaおよびREM 添加量はそ
れぞれ0.0005〜0.0050%の範囲とする。
る異方性の改善に有効な元素であり、その効果を発揮さ
せるためには、0.0005%以上の添加が必要である
が、0.0050%を超えて過多に添加すると靱性を劣
化させる。したがって、CaおよびREM 添加量はそ
れぞれ0.0005〜0.0050%の範囲とする。
【0022】つぎに、本発明の製造条件の限定理由につ
いて説明する。
いて説明する。
【0023】鋼片の加熱温度は、オーステナイト結晶粒
の粗大化を防止するため、低温の方が望ましい。しかし
、Nb、V の析出強化効果作用を得るためにはこれら
の一部または全てを固溶させる必要があるため、ある程
度の加熱温度を確保しなければならない。したがって、
本発明では、鋼片の加熱温度は、 950〜1150℃
の範囲に限定する。
の粗大化を防止するため、低温の方が望ましい。しかし
、Nb、V の析出強化効果作用を得るためにはこれら
の一部または全てを固溶させる必要があるため、ある程
度の加熱温度を確保しなければならない。したがって、
本発明では、鋼片の加熱温度は、 950〜1150℃
の範囲に限定する。
【0024】フェライト結晶粒の微細化を図るためには
、変態前のオーステナイト結晶粒の微細化とフェライト
変態の核となる歪みの導入が必要であり、このためには
、 900℃以下 Ar3変態点以上の温度域で全圧下
率40%以上の圧延を行う必要がある。また、 Ar3
変態点未満の温度域で圧延を行うと、変態したフェライ
トが加工され靱性が大きく劣化する。したがって、圧延
終了温度は Ar3変態点以上に限定する。ここで、
Ar3変態点は次式で定められる。Ar3(℃)=91
0−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55N
i−80Mo+0.35(t−8)ただし、各元素は含
有量(%)で表す。t は板厚で(mm)で表す。
、変態前のオーステナイト結晶粒の微細化とフェライト
変態の核となる歪みの導入が必要であり、このためには
、 900℃以下 Ar3変態点以上の温度域で全圧下
率40%以上の圧延を行う必要がある。また、 Ar3
変態点未満の温度域で圧延を行うと、変態したフェライ
トが加工され靱性が大きく劣化する。したがって、圧延
終了温度は Ar3変態点以上に限定する。ここで、
Ar3変態点は次式で定められる。Ar3(℃)=91
0−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55N
i−80Mo+0.35(t−8)ただし、各元素は含
有量(%)で表す。t は板厚で(mm)で表す。
【0025】本発明の製造方法のもう一つの特徴は、
Ar3変態点以上の温度で圧延終了後、2℃/sec以
上の冷却速度で冷却(加速冷却または直接焼入れ)する
ことである。空冷する場合に比較して、 2℃/sec
以上の冷却速度で水冷した場合の効果は、まず、組織的
にはフェライト結晶粒が微細化することであり、これに
より靱性が向上する。また、析出強化作用を有効に活用
できることから、大幅な強度上昇が可能となる。すなわ
ち、特に、Nb、V は、Nb(C,N)、 V(C,
N)(炭窒化物)あるいはこれらの複合析出物を生成し
、冷却速度の増大により、これら析出物の粒子サイズが
微細化するとともに粒子間隔が近くなり、強度が上昇す
る。したがって、圧延後の冷却速度は 2℃/sec以
上に限定する。
Ar3変態点以上の温度で圧延終了後、2℃/sec以
上の冷却速度で冷却(加速冷却または直接焼入れ)する
ことである。空冷する場合に比較して、 2℃/sec
以上の冷却速度で水冷した場合の効果は、まず、組織的
にはフェライト結晶粒が微細化することであり、これに
より靱性が向上する。また、析出強化作用を有効に活用
できることから、大幅な強度上昇が可能となる。すなわ
ち、特に、Nb、V は、Nb(C,N)、 V(C,
N)(炭窒化物)あるいはこれらの複合析出物を生成し
、冷却速度の増大により、これら析出物の粒子サイズが
微細化するとともに粒子間隔が近くなり、強度が上昇す
る。したがって、圧延後の冷却速度は 2℃/sec以
上に限定する。
【0026】加速冷却の場合、冷却停止直後に微細なN
b(C,N)や V(C,N)等が析出して強度を上昇
させる。この効果を有効に得るためには、Nb(C,N
)や V(C,N)等が析出しやすい 600〜400
℃の温度域まで冷却し、それ以後空冷する必要がある
。
b(C,N)や V(C,N)等が析出して強度を上昇
させる。この効果を有効に得るためには、Nb(C,N
)や V(C,N)等が析出しやすい 600〜400
℃の温度域まで冷却し、それ以後空冷する必要がある
。
【0027】また、加速冷却後空冷した場合でも、上記
のように析出物による強度上昇はあるものの、全てが析
出しきれているわけではなく、まだ固溶したNbやV
が存在する。したがって、加速冷却後空冷したのち、さ
らに、再加熱することによって、未析出のNbやV を
炭窒化物として析出させ強度を上昇させることができる
。このためには、 550℃〜Ac1 変態点温度に再
加熱する必要がある。ここで、 Ac1変態点は次式で
定められる。 Ac1(℃)=723−14Mn+22Si−14.4
Ni+23.3Crただし、各元素は含有量(%)で表
す。
のように析出物による強度上昇はあるものの、全てが析
出しきれているわけではなく、まだ固溶したNbやV
が存在する。したがって、加速冷却後空冷したのち、さ
らに、再加熱することによって、未析出のNbやV を
炭窒化物として析出させ強度を上昇させることができる
。このためには、 550℃〜Ac1 変態点温度に再
加熱する必要がある。ここで、 Ac1変態点は次式で
定められる。 Ac1(℃)=723−14Mn+22Si−14.4
Ni+23.3Crただし、各元素は含有量(%)で表
す。
【0028】また、 400℃以下の温度まで 2℃/
sec以上の冷却速度で冷却するいわゆる直接焼入れを
行うと、冷却後硬化組織が導入されるとともに、大部分
のNb、V は炭窒化物として析出せず固溶したままと
なる。この固溶したままのNb、V を再加熱して、炭
窒化物として析出させ強度の上昇を図る。このために、
400℃以下の温度まで加速冷却したのち、 550
℃〜Ac1 変態点温度に再加熱する必要がある。
sec以上の冷却速度で冷却するいわゆる直接焼入れを
行うと、冷却後硬化組織が導入されるとともに、大部分
のNb、V は炭窒化物として析出せず固溶したままと
なる。この固溶したままのNb、V を再加熱して、炭
窒化物として析出させ強度の上昇を図る。このために、
400℃以下の温度まで加速冷却したのち、 550
℃〜Ac1 変態点温度に再加熱する必要がある。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0030】供試鋼板は表1および表2に示す化学成分
を含有する鋼を常法により溶製、鋳造して得られた鋼片
を、表3に示す製造条件にしたがって、板厚25〜50
mmに仕上げたものである。これらの鋼板から試験片を
採取し引張試験と衝撃試験を行った。その結果を表4に
示す。
を含有する鋼を常法により溶製、鋳造して得られた鋼片
を、表3に示す製造条件にしたがって、板厚25〜50
mmに仕上げたものである。これらの鋼板から試験片を
採取し引張試験と衝撃試験を行った。その結果を表4に
示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】表1および表2に化学成分を、表3に製造
条件を、表4に試験結果を示すが、本発明法による鋼板
No.1、5 、6 、7 、10、11、12、13
はいずれもYS(降伏強さ)42kgf/mm2 以上
、TS(引張強さ)54kgf/mm2 以上の高強度
を示すとともに、 −80℃での衝撃吸収エネルギ (
vE−80)が20kgf−m 以上、vTrs(遷移
温度)が−80 ℃以下と極めて良好な靱性を有してい
る。
条件を、表4に試験結果を示すが、本発明法による鋼板
No.1、5 、6 、7 、10、11、12、13
はいずれもYS(降伏強さ)42kgf/mm2 以上
、TS(引張強さ)54kgf/mm2 以上の高強度
を示すとともに、 −80℃での衝撃吸収エネルギ (
vE−80)が20kgf−m 以上、vTrs(遷移
温度)が−80 ℃以下と極めて良好な靱性を有してい
る。
【0036】これに対して、比較例No.2は、加熱温
度が高いため靱性が低下している。比較例No.3と8
は、圧延終了温度が低いため靱性が悪い。比較例No
.9は、 900℃以下の圧下率が小さいため靱性が悪
い。比較例No.4は、圧延終了後空冷しているため強
度が低く、靱性も低下している。比較例No.14 は
、Al含有量が多いため強度が低い。比較例No.15
は、Ti含有量が多いため強度が低く、靱性も悪い。 比較例No.16 は、N 含有量が少ないため靱性が
悪い。比較例No.17 は、Nb含有量が少ないため
靱性が悪い。比較例No.18 は、V 含有量が少な
いため強度が低い。以上の実施例の結果からも明らかな
ように、本発明に係わる鋼板の製造方法は、高強度で低
温靱性の優れた鋼板の製造に適したものである。
度が高いため靱性が低下している。比較例No.3と8
は、圧延終了温度が低いため靱性が悪い。比較例No
.9は、 900℃以下の圧下率が小さいため靱性が悪
い。比較例No.4は、圧延終了後空冷しているため強
度が低く、靱性も低下している。比較例No.14 は
、Al含有量が多いため強度が低い。比較例No.15
は、Ti含有量が多いため強度が低く、靱性も悪い。 比較例No.16 は、N 含有量が少ないため靱性が
悪い。比較例No.17 は、Nb含有量が少ないため
靱性が悪い。比較例No.18 は、V 含有量が少な
いため強度が低い。以上の実施例の結果からも明らかな
ように、本発明に係わる鋼板の製造方法は、高強度で低
温靱性の優れた鋼板の製造に適したものである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は化学成分
の限定と加熱、圧延、冷却条件の限定による複合効果に
よるNb、V の炭窒化物の析出強化とフェライト結晶
粒の微細化によって高強度、高靱性を有する鋼板を製造
するもので、本発明によればYS42kgf/mm2
以上、TS54kgf/mm2 以上の高強度と、vT
rs −80℃以下の高靱性を有する高強度高靱性鋼板
を、焼入れ焼きもどしまたは焼きならし処理を施すこと
なく低コストで製造が可能である。
の限定と加熱、圧延、冷却条件の限定による複合効果に
よるNb、V の炭窒化物の析出強化とフェライト結晶
粒の微細化によって高強度、高靱性を有する鋼板を製造
するもので、本発明によればYS42kgf/mm2
以上、TS54kgf/mm2 以上の高強度と、vT
rs −80℃以下の高靱性を有する高強度高靱性鋼板
を、焼入れ焼きもどしまたは焼きならし処理を施すこと
なく低コストで製造が可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.01〜0.10%、 Si:
0.05〜0.50%、 Mn:0.80〜2.5 %
、S:0.005 %以下、Al:0.005〜0.0
40 %、Nb:0.005〜0.10%、 V:0.
030〜0.150 %、Ti:0.005%以下、N
:0.0080〜0.0200%を含有し、残部Feお
よび不可避不純物からなる鋼片を 950〜1150℃
の温度範囲に加熱後、 900℃〜Ar3 変態点の温
度範囲で全圧下率40%以上の圧延を行い、Ar3 変
態点以上の温度で圧延を終了したのち、2℃/sec以
上の冷却速度で 600〜400 ℃の温度まで冷却し
、それ以後空冷することを特徴とする高強度高靱性鋼板
の製造方法。 - 【請求項2】 C:0.01〜0.10%、 Si:
0.05〜0.50%、 Mn:0.80〜2.5 %
、S:0.005 %以下、Al:0.005〜0.0
40 %、Nb:0.005〜0.10%、 V:0.
030〜0.150 %、Ti:0.005%以下、N
:0.0080〜0.0200%を含有し、残部Feお
よび不可避不純物からなる鋼片を 950〜1150℃
の温度範囲に加熱後、 900℃〜Ar3 変態点の温
度範囲で全圧下率40%以上の圧延を行い、Ar3 変
態点以上の温度で圧延を終了したのち、2℃/sec以
上の冷却速度で 600〜400 ℃の温度まで冷却し
たのち、 550℃〜Ac1 変態点温度に再加熱する
ことを特徴とす高強度高靱性鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 C:0.01〜0.10%、 Si:
0.05〜0.50%、 Mn:0.80〜2.5 %
、S:0.005 %以下、Al:0.005〜0.0
40 %、Nb:0.005〜0.10%、 V:0.
030〜0.150 %、Ti:0.005%以下、N
:0.0080〜0.0200%を含有し、残部Feお
よび不可避不純物からなる鋼片を 950〜1150℃
の温度範囲に加熱後、 900℃〜Ar3 変態点の温
度範囲で全圧下率40%以上の圧延を行い、Ar3 変
態点以上の温度で圧延を終了したのち、2℃/sec以
上の冷却速度で 400℃以下の温度まで冷却したのち
、 550℃〜Ac1 変態点温度に再加熱することを
特徴とす高強度高靱性鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 Cu:0.1〜1.0 %、Ni:0
.1〜1.0 %、 Cr:0.01〜0.50%、
Mo:0.01〜0.50%、 Ca:0.0005〜
0.0050%、 REM:0.005〜0.050
%の内から選んだ一種または二種以上を含有することを
特徴とする請求項1、2または3記載の高強度高靱性鋼
板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP215891A JPH04235218A (ja) | 1991-01-11 | 1991-01-11 | 高強度高靱性鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP215891A JPH04235218A (ja) | 1991-01-11 | 1991-01-11 | 高強度高靱性鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04235218A true JPH04235218A (ja) | 1992-08-24 |
Family
ID=11521551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP215891A Withdrawn JPH04235218A (ja) | 1991-01-11 | 1991-01-11 | 高強度高靱性鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04235218A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007119884A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Jfe Steel Kk | 中温域での強度に優れた高強度高靭性鋼材の製造方法 |
JP2007169747A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Jfe Steel Kk | 中温域での強度ならびに変形能に優れた高強度高靭性鋼板の製造方法 |
CN103361551A (zh) * | 2012-03-30 | 2013-10-23 | 鞍钢股份有限公司 | 一种基于v-n微合金化高强韧船板及其制造方法 |
-
1991
- 1991-01-11 JP JP215891A patent/JPH04235218A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007119884A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Jfe Steel Kk | 中温域での強度に優れた高強度高靭性鋼材の製造方法 |
JP2007169747A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Jfe Steel Kk | 中温域での強度ならびに変形能に優れた高強度高靭性鋼板の製造方法 |
CN103361551A (zh) * | 2012-03-30 | 2013-10-23 | 鞍钢股份有限公司 | 一种基于v-n微合金化高强韧船板及其制造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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