JPH04224846A - プロピレン系重合体組成物 - Google Patents

プロピレン系重合体組成物

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JPH04224846A
JPH04224846A JP41487990A JP41487990A JPH04224846A JP H04224846 A JPH04224846 A JP H04224846A JP 41487990 A JP41487990 A JP 41487990A JP 41487990 A JP41487990 A JP 41487990A JP H04224846 A JPH04224846 A JP H04224846A
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JP
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ethylene
weight
unsaturated carboxylic
propylene
composition
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JP41487990A
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Inventor
Takaaki Aoki
隆明 青木
Takashi Nakayama
隆 中山
Koichi Tajima
田島 功一
Hiroshi Kobayashi
博 小林
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプライマーを使用しなく
てもポリウレタン樹脂との密着性にすぐれたプロピレン
系重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン
系樹脂、ポリエチレン系樹脂)は周知のごとく、成形性
がすぐれているばかりでなく、機械的特性、耐熱性、耐
溶剤性、耐油性および耐薬品性のごとき特性が良好であ
るため、広く工業的に製造され、自動車、電機器具、電
子機器などの部品および包装材、各種容器、その他の日
用品として多方面にわたって利用されている。しかし、
分子内に極性基を有さない(いわゆる不活性である)た
めに各種の物質との密着性がよくない。これらのうち、
ポリウレタン樹脂との密着性について説明する。
【0003】現在、自動車のバンパー、バンパーコーナ
ーなどの外装部品は、近年、自動車の軽量化、コストダ
ウンの志向のためにプロピレンを主成分とするプロピレ
ン系重合体にエチレン−プロピレン共重合ゴムや無機充
填剤(主として、タルク)を配合した組成物を成形し、
成形物を電気的処理(たとえば、コロナ放電処理、プラ
ズマ処理)、機械的粗面化、火炎処理、酸素またはオゾ
ン処理のごとき表面処理を施し、プロピレン系重合体と
密着性が良好なプライマーを下塗りし、ポリウレタン系
塗料を塗布している。しかし、このプライマーを塗布す
る工程において、一般にはプライマーを塗布した後、プ
ライマーを完全に密着(焼付け)させている。この工程
に長時間(通常、約40〜80分)必要としている。し
かも二度塗布する工程を施すためにそれだけ多くの有機
溶媒(たとえば、トルエン)を用いなければならず、作
業環境および大気汚染の点が問題がある。
【0004】また、ポリウレタンフォームは、それが有
する断熱性、クッション性などをいかして、インストル
メントパネル、アームレスト、シートバックなどの自動
車の内装部品のクッション材として、さらに電気冷蔵庫
やクーラーなどの家庭電器製品や冷凍トラックなどの断
熱材として使用されている。このような分野にポリウレ
タンフォームを使用する場合、製品の基材または表面材
とポリウレタンフォームとが強固に密着していることが
必要である場合が多い。ところで、基材や表面材が金属
、木材およびABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン三元共重合樹脂)のごとく表面活性が高い
ものである場合には、ポリウレタンフォームとの密着性
がすぐれているため、ポリウレタンフォームの製造に行
なわれているような注入発泡のごとき方式で基材上など
でウレタンポリマーの生成反応と発泡とを同時に行なえ
ば、強固に密着した製品(積層物)を得ることができる
。しかし、前記のごとく不活性であるポリオレフィン系
樹脂を基材または表面材として使用してポリウレタンフ
ォームとの積層物を製造することは、密着性が極めて低
いために不可能である。そのためにポリオレフィン系樹
脂とポリウレタンフォームとを密着させる場合、ポリオ
レフィン系樹脂の成形物の表面に前記のごとくあらかじ
めプライマーを塗布しなければならない。
【0005】これらのことから、ポリオレフィン系樹脂
に分子中に少なくとも一個の二重結合を有し、かつヒド
ロキシル基を含有する有機化合物〔以下「ヒドロキシル
系化合物」と云う〕と少なくとも有機過酸化物を処理さ
せることによって得られる変性ポリオレフィン系樹脂〔
以下「変性物(A)」と云う〕が、ポリウレタン系塗料
やポリウレタンフォームとの密着性の改良について提案
されている(たとえば、特開昭58−154732号、
同58−191706号、同58−185344号、同
61−272417号)。また、ポリオレフィン系樹脂
のうち、プロピレン系重合体(ポリプロピレン系樹脂)
に前記と同様に処理することによって得られる変性物と
結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体、無定形
エチレン−プロピレン共重合体、無機充填剤などとの組
成物はプライマーを塗布しなくてもポリウレタンとの密
着性がすぐれているばかりでなく、曲げ弾性率および低
温における耐衝撃性についても良好であり、しかも加工
性および成形性についてもすぐれているため、成形加工
されてバンパーなどの自動車の外装品として適合するこ
とが以前に提案されている(たとえば、特開昭62−1
19243号、同62−209150号、同62−20
7344号、同62−257945号)。
【0006】さらに、前記変性物(A)と結晶性エチレ
ン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体などとの組成物は、プライマーを塗布しなく
てもクロロプレン系二液混合タイプ溶剤接着剤との室温
における接着性が良好であるばかりでなく、80℃の温
度においても接着性もすぐれており、しかも曲げ弾性率
や耐衝撃性にも良好であるために自動車の内装品(たと
えば、ドアーライナー)に適合することが、以前に提案
されている(特開昭664−29446号、同64−3
6636号、同64−45446号、同64−4884
2号、同64−72946号)。さらに、本発明者の一
部らは、「エチレン−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ
ル系化合物ならびに有機過酸化物、あるいはこれらと有
機すず化合物および/もしくは第三級アミン系化合物を
処理させることによって得られる変性エチレン系重合体
」〔以下「変性物(B)」と云う〕はポリウレタン系塗
料やポリウレタンフォームとの密着性がポリプロピレン
系樹脂などの無極性のポリオレフィン系樹脂を同様に処
理した場合に比較し、すぐれていることを見出し、以前
に提案した(特開平1−298941号および同1−3
15460号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記ポリプロピレン系
樹脂などのポリオレフィン系樹脂に少なくともヒドロキ
シル系化合物と有機過酸化物を処理することによって得
られる変性物(A)はポリウレタン系塗料やポリウレタ
ンフォームとの密着性を改良することができる。しかし
、実用上該密着性はかならずしも充分とはいえない。 とりわけ、該変性物(A)を前記のごときポリプロピレ
ン系樹脂(たとえば、プロピレン単独重合体、結晶性エ
チレン−プロピレンブロック共重合体)などとの組成物
を前記したごとく、自動車の外装品や内装品に成形し、
プライマーを塗布せずにポリウレタン系塗料やポリクロ
ロプレン系接着剤を塗布すると、これらとの密着性はか
ならずしも充分でなく、実用上問題がある。さらに、本
発明者の一部らが以前に提案した変性物(B)は、前記
変性物(A)やその組成物に比較し、前記したごとくポ
リウレタン系塗料やポリウレタンフォームとの密着性を
改良させることができる。しかし、該変性物(B)は、
剛性(曲げ弾性率)が使用上かならずしも充分なものと
は云えない。
【0008】これらのことから、本発明は、プライマー
を使用しなくてもポリウレタン系塗料やポリウレタンフ
ォームとの密着性が極めて良好であり、曲げ弾性率(剛
性)および耐衝撃性のごとき機械的特性が良好であり、
しかも成形性や加工性がすぐれているために前記の自動
車の外装品や内装品に適合する組成物を製造することが
目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの課題を
解決するためなされたもので、その要旨は(A)プロピ
レン単独重合体および/またはエチレンの共重合割合が
多くとも10重量%であるプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体(以下「プロピレン系重合体」と云う)、(
B)ヒドロキシル系化合物がグラフトしたエチレン−不
飽和カルボン酸エステル共重合体(以下「変性エチレン
−不飽和カルボン酸エステル重合体」と云う)からなる
組成物であり、変性エチレン−不飽和カルボン酸エステ
ル共重合体100重量部に対する該ヒドロキシル系化合
物の割合は0.01〜20重量部であり、組成物中に占
めるプロピレン系重合体の組成割合はそれらの合計量と
して50〜95重量%であるプロピレン系重合体組成物
、にある。以下、本発明を具体的に説明する。
【0010】(A)プロピレン系重合体本発明において
使われるプロピレン系重合体はプロピレン単独重合体お
よび少量のエチレンが共重合したプロピレン−エチレン
ランダム共重合体である。該プロピレン系重合体のMF
R(l)は2.0〜100g/10分であり、3.0〜
80g/10分が好ましく、特に5.0〜50g/10
分が好適である。MFRが2.0g/10分未満のプロ
ピレン系重合体を用いると、得られる組成物の成形性が
よくない。一方、100g/10分を超えると、得られ
る組成物の機械的特性(たとえば、耐衝撃性)がよくな
い。また、プロピレン−エチレンランダム共重合体のエ
チレンの共重合割合は多くとも10重量%であり、8.
0重量%以下が望ましく、とりわけ6.0重量%以下が
好適である。エチレンの共重合割合が10重量%を超え
たプロピレン−エチレンランダム共重合体を使用すると
、得られる組成物の曲げ弾性率が低い。
【0011】(B)変性エチレン−不飽和カルボン酸エ
ステル共重合体 この共重合体の製造に使われるエチレン−不飽和カルボ
ン酸エステル共重合体は少なくともエチレンと後記の不
飽和カルボン酸エステルとの共重合体(第三コモノマー
との多元共重合体も含む)である。該エチレン−不飽和
カルボン酸エステル共重合体中の不飽和カルボン酸エス
テルの共重合割合は3.0〜50重量%であり、4.0
〜45重量%が好ましく、特に5.0〜40重量%が好
適である。不飽和カルボン酸エステルの共重合割合が3
.0重量%未満のエチレン−不飽和カルボン酸エステル
共重合体を使用すれば、ポリウレタン系塗料やポリウレ
タンフォームとの密着性が低い、一方、50重量%を超
えたエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体を用
いた場合、その変性物や本発明の組成物の物性が低下す
る。該エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体の
メルトフローインデックス(JIS  K7210にし
たがい、表1の条件が4で測定、以下「MFR」と云う
)は、一般には、0.5〜300g/10分であり、0
.5〜200g/10分が望ましく、とりわけ0.5〜
150g/10分が好適である。MFRが0.5g/1
0分未満のエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合
体を用いるならば、混練性がよくないばかりでなく、得
られる変性物から本発明の組成物を製造するさい、混練
性や組成物の成形性がよくない。一方、300g/10
分を超えたエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合
体を使うならば、機械的強度がよくない。
【0012】該不飽和カルボン酸エステルの炭素数は通
常4〜40個であり、特に4〜20個のものが好ましい
。不飽和カルボン酸エステルの代表例としては、メチル
(メタ)アクリレートおよびエチル(メタ)アクリレー
トならびにアルコキシアルキル(メタ)アクリレートが
あげられる。該アルコキシアルキル(メタ)アクリレー
トのアルコキシ基の炭素数が1〜8個(好適には、1〜
4個)であり、かつアルキル基の炭素数が1〜8個(好
適には、1〜4個)のものが好ましい。好適なアルコキ
シアルキル(メタ)アクリレートの代表例としては、メ
トキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(
メタ)アクリレートおよびブトキシエチル(メタ)アク
リレートがあげられる。また、第三コモノマーとしては
、炭素数が多くとも20個(好適には、4〜16個)の
ものが望ましい。その代表例としては、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルピパレー
トなどがあげられる。該第三コモノマーの共重合割合は
、通常多くとも10重量%であり、5.0重量%以下が
好ましい。
【0013】(C)ヒドロキシル系化合物また、本発明
において用いられるヒドロキシル系化合物は一個の二重
結合を有し、かつヒドロキシル基を有する有機化合物で
ある。該ヒドロキシル系化合物の一般式は通常下式〔(
I)式〕で示されるものである。
【化1】 (I)式において、R1 は水素原子または炭素数が1
〜6個のアルキル基である。また、R2 は炭素数が1
〜20個のアルキレン基である。(I)式において、R
1 が水素原子または炭素数が1〜3個のアルキル基が
好ましく、特に水素原子、メチル基またはエチル基が好
適である。また、R2 が炭素数が1〜6個のアルキレ
ン基が望ましく、とりわけ炭素数が1〜4個のものが好
適である。好適なヒドロキシル系化合物としては、2−
ヒドロキシ−エチル−メタクリレート、2−ヒドロキシ
−エチル−アクリレート、2−ヒドロキシ−プロピル−
メタクリレートおよび2−ヒドロキシ−メチル−メタク
リレートがあげられる。
【0014】(D)有機過酸化物 さらに、本発明において使用される有機過酸化物は一般
にラジカル重合における開始剤および重合体の架橋剤と
して使われているものであり、1分間の半減期が100
℃以上のものが好ましく、とりわけ110℃以上のもの
が好適である。上記の温度が100℃未満のものでは、
その取り扱いが難しいばかりでなく、使用した効果もあ
まり認められないから望ましくない。好ましい有機過酸
化物の代表例としては、1,1−ビス−第三級−ブチル
パーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの
ごときケトンパーオキシド、ジクミルパーオキシドのご
ときジアルキルパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサ
ン−2,5−ハイドロパーオキシドのごときハイドロパ
ーオキシド、ベンゾイルパーオキシドのごときジアシル
パーオキシドおよび2,5−ジメチル−2,5−ジベン
ゾイルパーオキシヘキサンのごときパーオキシエステル
があげられる。
【0015】本発明における変性エチレン−不飽和カル
ボン酸エステル共重合体は、前記エチレン−不飽和カル
ボン酸エステル共重合体をヒドロキシル系化合物および
有機過酸化物で処理することができるけれども、これら
にさらに後記の有機すず化合物および/または第三級ア
ミン系化合物を加えて処理することにより反応性を向上
することができる。
【0016】(E)有機すず化合物 該有機すず化合物としては下式〔(II)式〕で示され
るものがあげられる。
【化2】     (II)式においてR3 、R4 、R5 およびR6
 は同一でも異種でもよく、炭素数が多くとも12個の
炭化水素基であり、Y1 およびY2 は同一でも異種
でもよく、炭素数が多くとも18個の一価または二価の
カルボン酸、該カルボン酸の誘導体(アルキルエステル
)、アルコール、メルカプタン、メルカプト酸である。 X1 は酸素原子、硫黄原子および炭素数が多くとも4
個の二重結合を有するカルボン酸基であり、lは0また
は1ないし20の整数である。この有機すず化合物の代
表例としては、モノブチル・すず・トリメチルマレート
、ジブチル・すず・ジラウレート、ジブチル・すず・ジ
マレートとジブチル・すず・ジメチルマレートとの混合
物、ジブチル・すず・ジオクチルマレートおよびトリベ
ンジル・すず・トリメチルマレートがあげられる。
【0017】(F)第三級アミン系化合物さらに、第三
級アミン系化合物は、いわゆるウレタンのポリオールと
イソシアネートの硬化反応のさいに触媒として使用され
ているものである。その代表例としては、ジメチルアミ
ノプロピルアミン、ジエチルアミノプリピルアミン、ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラグア
ニジン、N,N,−ジブチルエタノールアミン、N−メ
チル−N,N,−ジエタノールアミン、1,4−ジアザ
ビシクロ(2,2,2)オクタンおよび1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)−7ウンデセンがあげられる。
【0018】(G)使用割合 本発明における変性エチレン系重合体を製造するにあた
り、100重量部の前記エチレン−不飽和カルボン酸エ
ステル共重合体に対する前記ヒドロキシル系化合物、有
機過酸化物ならびに有機すず化合物および第三級アミン
系化合物の使用割合は下記の通りである。ヒドロキシル
系化合物の使用割合はエチレン−不飽和カルボン酸エス
テル共重合体100重量に対し、0.1〜20重量部で
あり、0.1〜15重量部が好ましく、特に0.2〜1
5重量部が好適である。ヒドロキシル系化合物の使用割
合が0.1重量部未満では、密着性の改良効果が不十分
である。一方、20重量部を超えると、使用量に応じた
密着性の改良効果が認められない。
【0019】また、有機過酸化物の使用割合はエチレン
−不飽和カルボン酸エステル共重合体100重量に対し
、0.01〜10重量部であり、0.02〜10重量部
が望ましく、とりわけ0.05〜7.0重量部が好適で
ある。有機過酸化物の使用割合が0.01重量部未満で
は、密着性の改良効果が低い。一方、10重量部を超え
て使用したとしても、さらに密着性を向上することがで
きないばかりか、エチレン−酢酸ビニル共重合体自体が
架橋などを生じることもあって好ましくない。さらに、
有機すず化合物および第三級アミン系化合物を使用する
場合、それらの混合割合は、それら単独又はそれらの合
計量としてエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合
体100重量に対し、多くとも10重量部であり、5.
0重量部以下が好ましく、特に0.05〜3重量部以下
が好適である。有機すず化合物および第三級アミン系化
合物の混合割合が合計量として10重量部を超えて添加
したとしても、効果は向上せず、逆にブリードなどの悪
影響を及ぼすことがある。
【0020】(H)処理方法 本発明における変性エチレン−不飽和カルボン酸エステ
ル共重合体を製造するには前記のエチレン−不飽和カル
ボン酸エステル共重合体、ヒドロキシル系化合物、有機
過酸化物、あるいはこれらと有機すず化合物および/ま
たは第三級アミン系化合物が前記の使用割合で通常の変
性オレフィン系重合体を製造するさい、一般に実施され
ている公知の方法(たとえば、溶液法、懸濁法、溶融法
)によるいずれかの方法を採用して処理することによっ
て達成することができる。これらの処理方法のうち、処
理時間が短いこと、および後処理(たとえば、有機溶媒
、水の除去)が不必要である溶融法が工業的に望ましい
【0021】溶融法で変性エチレン−不飽和カルボン酸
エステル共重合体を製造する場合、一般の合成樹脂の分
野において一般に使われているバンバリーミキサー、ニ
ーダー、ロールミルおよびスクリュー式押出機のごとき
混練機(とりわけ、スクリュー式押出機が簡易なため好
ましい)を用いて溶融混練することによって製造するこ
とができる。このさい、ヘンシェルミキサーのごとき混
合機を用いてあらかじめドライブレンドし、得られる混
合物をさらに溶融混練する方法および溶融混練を二回以
上実施する方法によって一層均一な変性エチレン−不飽
和カルボン酸エステル共重合体を製造することができる
。溶融混練するさい、使われる有機過酸化物が分解する
温度で実施しなければならない。しかし、用いられるエ
チレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体が劣化せず
、しかも処理がコントロールし得る温度で実施しなれば
ならないことはもちろんのことである。これらのことか
ら、処理温度は一般には100〜250℃であり、特に
120〜230℃が好ましい。
【0022】このようにして得られる変性エチレン−不
飽和カルボン酸エステル共重合体中には未反応(グラフ
トしていない)のヒドロキシル系化合物が残存すること
がある。このさい、該ヒドロキシル系化合物は除去する
ことなく後記の組成物の製造に使われる。さらに、グラ
フトしていないエチレン−不飽和カルボン酸エステル共
重合体が存在することがある。このさい、同様にグラフ
トしていないエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重
合体を除去することなく後記の組成物の製造に用いられ
る。
【0023】(J)組成割合 本発明の組成物中に占める前記プロピレン系重合体の組
成割合は50〜95重量%であり、50〜90重量%が
望ましく、とりわけ55〜90重量%が好適である。組
成物中に占めるプロピレン系重合体の組成割合が50重
量%未満では、得られる組成物の曲げ弾性率の低下が著
しい。一方、95重量%を超えると、ポリウレタン樹脂
との密着性の点で問題がある。また、変性エチレン−不
飽和カルボン酸エステル共重合体100重量部に対する
ヒドロキシル系化合物の割合は0.01〜20重量部で
あり、0.02〜15重量部が好ましく、特に0.1〜
10重量部が好適である。変性エチレン−不飽和カルボ
ン酸エステル共重合体100重量部に対するヒドロキシ
ル系化合物の割合が0.01重量部未満では、ポリウレ
タン樹脂との密着性がよくない。一方、20重量部を超
えたとしても割合に応じた密着性の改良効果が認められ
ない。
【0024】組成物中に占める変性エチレン−不飽和カ
ルボン酸エステル共重合体の組成割合は、5〜50重量
%であり、10〜45重量%が望ましく、15〜40重
量%が好適である。組成物中に占める変性エチレン−不
飽和カルボン酸エステル共重合体が、5重量%未満では
ポリウレタンとの密着性で問題がある。一方、50重量
%を超えると得られる組成物の曲げ弾性率の低下が著し
い。
【0025】(K)組成物の製造 本発明のプロピレン系重合体組成物は前記プロピレン系
重合体および変性エチレン−不飽和カルボン酸エステル
共重合体を前記の組成割合の範囲で均一に混合すること
によって製造することができる。本発明の組成物を製造
するさい、その使用目的に応じてポリオレフィン系樹脂
の分野において一般に用いられている酸素、熱および紫
外線に対する安定剤、金属劣化防止剤、難燃化剤、着色
剤、電気的特性改良剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、加
工性改良剤および粘着性改良剤のごとき添加剤を本発明
の変性エチレン系重合体が有する特性をそこなわない範
囲であるならば混合してもよい。
【0026】本発明の組成物を製造するには、ヘンシェ
ルミキサーのごとき混合機を使ってドライブレンドして
もよく、また、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール
ミルおよびスクリュー式押出機のごとき混合機を用いて
溶融混練してもよい。このさい、あらかじめドライブレ
ンドし、得られる混合物をさらに溶融混練する方法、ま
た溶融混練を二回以上実施する方法によって一層均一な
組成物を得ることができる。
【0027】(L)成形方法 以上のようにして得られるプロピレン系重合体組成物は
ポリオレフィン系樹脂の分野において一般に行なわれて
いる成形法で所望の成形体を製造することができる。成
形方法として射出成形法、押出成形法、中空成形法、ス
タンピング成形法、圧縮成形法、真空成形法があげられ
る。このようにして得られる成形体に一般に行なわれて
いる方法でポリウレタン系塗料を塗布することによって
表面にポリウレタンが塗布された成形体を得ることがで
きる。また、ポリウレタンフォームと密着するには、前
記のようにして得られる成形物の表面上にウレタンポリ
マーの生成反応と発泡とを同時に行なえばよい。
【0028】密着するにあたり、特殊な装置を必要とせ
ず、また特殊な方法で行なわなくてもよい。すなわち、
ポリウレタンフォームの製造分野において通常行なわれ
ている注入発泡法、モールド発泡法および吹付発泡法の
ごとき発泡法を適用すればよい。さらに、ポリウレタン
フォームの原料として使われるポリオール、イソシアネ
ート系化合物、発泡剤などは特別なものでなくてもよく
、いずれも一般に用いられているものであればどのよう
なものでもよく、なんら限定されない。
【0029】
【作用】本発明方法によって得られるプロピレン系重合
体組成物とポリウレタンとの密着性の発現のメカニズム
については明らかでないが、以下のような作用機構によ
るものと推定される。本発明方法によって得られるプロ
ピレン系重合体組成物中の変性エチレン−不飽和カルボ
ン酸エステル共重合体はエチレン−不飽和カルボン酸エ
ステル共重合体に前記の処理によってヒドロキシル系化
合物が結合し、その化合物が有するヒドロキシル基(−
OH)とポリウレタンのイソシアネート基が結合するこ
とにより、たとえばポリウレタン系塗料と変性エチレン
−不飽和カルボン酸エステル共重合体の成形物との間に
強力な密着力が発現する。
【0030】また、エチレン−不飽和カルボン酸エステ
ル共重合体は、たとえばポリエチレン樹脂やポリプロピ
レン樹脂のごとく極性基を有さないポリオレフィン系樹
脂に比較し、ぬれ性がすぐれているため、たとえばポリ
ウレタン系塗料中のイソシアナート基を持つ化合物が共
重合体の表面に近づきやすく、イソシアナート基とヒド
ロキシル基との反応する割合が増大するためにより強力
な密着力が発現する。さらに、有機すず化合物および/
または第三級アミンを変性エチレン−不飽和カルボン酸
エステル共重合体の製造に使った場合、それらは、いわ
ゆるポリウレタン樹脂のポリオールとイソシアネート系
化合物との硬化反応のさいの触媒として働き、さらに得
られる変性エチレン系重合体のヒドロキシル基とポリウ
レタン系塗料やポリウレタンフォーム中のイソシアナー
ト基との反応を促進しているため、一層強力な密着性が
発現すると考えられる。
【0031】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらにくわし
く説明する。なお、実施例および比較例において、塗膜
密着強度は成形した平板に1cm幅の筋を入れ、引張り
速度が50mm/分の条件下で塗膜の180℃剥離強度
を測定することによって求めた。また、アイゾット挟撃
強度はASTM  D256にしたがい、ノッチ付で−
20℃の温度において測定した。さらに、曲げ弾性率は
ASTM  D790にしたがって測定した。なお、実
施例および比較例において使用したプロピレン系重合体
ならびに変性エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重
合体の製造に使ったエチレン−不飽和カルボン酸エステ
ル共重合体、ヒドロキシル系化合物、有機過酸化物、有
機すず化合物および第三級アミンの物性などを下記に示
す。
【0032】〔(A)プロピレン系重合体〕プロピレン
系重合体として、MFR(l)が8.5g/10分であ
るプロピレン単独重合体〔以下「PP(a)」と云う〕
およびエチレンの共重合割合が4.0重量%であり、か
つMFR(l)が8.0g/10分であるプロピレン−
エチレンランダム共重合体〔以下「PP(b)」と云う
〕を使用した。
【0033】〔(B)変性エチレン−不飽和カルボン酸
エステル共重合体〕この共重合体を製造するためエチレ
ン−不飽和カルボン酸エステル共重合体として、エチル
アクリレートの共重合割合が11重量%であり、かつM
FRが20g/10分であるエチレン−エチルアクリレ
ート共重合体〔以下「EEA(l)」と云う〕、エチル
アクリレートの共重合割合が23重量%であり、かつM
FRが24g/10分であるエチレン−エチルアクリレ
ート共重合体〔以下「EEA(2)」と云う〕、メチル
メタクリレートの共重合割合が9.0重量%であり、か
つMFRが18g/10分であるエチレン−メチルメタ
クリレート共重合体〔以下「EMMA(a)」と云う〕
およびメチルメタクリレートの共重合割合が20重量%
であり、かつMFRが21g/10分であるエチレン−
メチルメタクリレート共重合体〔EMMA(b)」と云
う〕を用いた。
【0034】〔(C)ヒドロキシル系化合物〕さらに、
ヒドロキシル系化合物として2−ヒドロキシル−エチル
−メタクリレート〔以下「HEMA」と云う〕を使用し
た。〔(D)有機過酸化物〕また、有機過酸化物として
、ジクミルパーオキサイド〔以下「DCP」と云う〕を
使った。〔(E)有機すず化合物〕さらに、有機すず化
合物として、ジブチル・すず・マレート〔以下「化合物
(l)」と云う〕およびジブチル・すず・ラウレート〔
以下「化合物(2)」と云う〕を使った。
【0035】〔(F)第三級アミン系化合物〕また、第
三級アミン系化合物として、1,4−ジアザビシクロ〔
2,2,2〕オクタン〔以下「化合物(3)」と云う〕
を用いた。〔変性エチレン−不飽和カルボン酸エステル
共重合体の製造〕表1に樹脂分として種類が示されてい
るEEA、EMMA100重量部に、表1に配合量が示
されているHEMA、DCPおよび有機すず化合物また
は第三級アミン系化合物をそれぞれスーパーミキサーを
使ってそれぞれ10分間ドライブレンドを行なった。得
られた各混合物をベント付二軸押出機(径  40mm
)を用いて180℃において混練しながらペレット〔変
性エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体〕を製
造した。得られた変性EEA、変性EMMAの略称を表
1に示す。
【0036】表2に種類および配合量が示されているプ
ロピレン系重合体および変性EEA、変性EMMAまた
は変性していないEEA、EMMAをベント付二軸押出
機(径  30mm)を用いて樹脂温度が210℃にお
いて混練しながらペレット(組成物)を製造した。得ら
れたそれぞれのペレットを樹脂温度が210℃において
射出成形し、平板状の試片(厚さ  2mm、120×
120mm)ならびにアイゾット衝撃強度および曲げ弾
性率を測定するため試片を作成した。このようにして得
られた各試験片に二液型のポリウレタン系塗料(日本ピ
ーケミカル社製、商品名  R271、ピュアホワイト
)をスプレーガンを使用して均一になるように吹きつけ
た。ついで、60℃の温度で90分間加熱・乾燥を行な
った。このようにして得られた各試片の塗膜密着強度を
測定した。また、前記各試験片のアイゾット衝撃強度お
よび曲げ弾性率の測定を行なった。それらの結果を表2
に示す。
【0037】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明の方法によって得られるプロピレ
ン系重合体組成物はプライマーを使用しなくてもポリウ
レタン系塗料との密着性がすぐれており、そのほかにポ
リウレタン系接着剤やポリウレタンフォームとの密着性
についても良好である。その結果、得られる成形物にプ
ライマーの塗布、乾燥などの工程を省略して生産性を向
上させ、これらのポリウレタン系の塗料、接着剤および
フォームとの密着性を著しく向上することが考えられる
。本発明方法によって得られるプロピレン系重合体組成
物は以上のごとき効果を発揮するために多方面にわたっ
て利用することができる。代表的な用途して、自動車の
バンパー、パンパーコーナーなどの外装部品およびイン
ストルメントパネル、ドアーライナーなどの内装部品な
らびにフェンダーのごとき二輪車部品などがあげられる

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (A)プロピレン単独重合体および/
    またはエチレンの共重合割合が多くとも10重量%であ
    るプロピレン−エチレンランダム共重合体、(B)一個
    の二重結合を含有し、かつヒドロキシル基を含有する有
    機化合物がグラフトしたエチレン−不飽和カルボン酸エ
    ステル共重合体からなる組成物であり、前記有機化合物
    がグラフトしたエチレン−不飽和カルボン酸エステル共
    重合体100重量部に対する該有機化合物の割合は0.
    01〜20重量部であり、組成物中に占めるプロピレン
    単独重合体およびプロピレン−エチレンランダム共重合
    体の組成割合はそれらの合計量として50〜95重量%
    であるプロピレン系重合体組成物。
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