JPH0420259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、机における天板下方に配置する袖キ
ヤビネツトや、キヤビネツトの本体下端にキヤス
タ（脚輪）を備えて移動自在なキヤビネツトの構
造に関するものである。

〔従来の技術とその解決すべき課題〕

机の下方における床面に配置する袖キヤビネツ
トや、キヤスタにて移動自在なキヤビネツトの本
体内に抽斗を前後移動自在に配設する構成におい
て、各抽斗の左右両外側に抽斗レールを設ける一
方、キヤビネツトの本体左右両側板の内面には、
前記抽斗レールを支持するための支持レールを設
けるのが通常である。

この場合、実公昭39−23574号公報に関示され
ているように、各支持レールの側面を、キヤビネ
ツトの本体左右両側板の補強枠に対して係脱自在
に装着している場合には、支持レールの着脱作業
は容易である反面、支持レールと補強枠との結合
強度が大きくないので、キヤビネツトの本体自体
の強度、剛性を高めるには、補強枠を前記左右両
側板内面に強固に熔接する他なかつた。

また、支持レールの前端に抽斗の前抜け防止の
ストツパや抽斗支持のためのコロを設けた場合に
は、該ストツパに接当する抽斗側の接当片の高さ
位置との関係から、左右両側の支持レールを共通
の形状にすることができず、支持レールは一般に
抽斗の右用と左用とに別別に成形していたので、
部品の製作費用が嵩むという問題があつた。

本考案は、この従来の課題を解決することを目
的としたのである。

〔課題を解決するための手段〕

その目的達成のため本考案は、薄金属板製のキ
ヤビネツトの本体内に抽斗を、前後移動自在に配
設して成るキヤビネツトにおいて、前記本体の左
右両側板の内面には前補強枠と、後補強枠とを適
宜前後隔てて固着し、前記抽斗の左右両側に突設
した抽斗レールを支持するための左右一対の支持
レールを、断面略コ字型の上下対称状に形成し、
且つ該両支持レールを、その前端開放部が前方向
に行くに従つて上下に広がるように上下対称状に
屈曲形成し、該両支持レールの前端開放部を前記
前補強枠に、支持レールの適宜後部側面を後補強
枠に各々固着する一方、前補強枠には、前記支持
レールにおける前端開放部の下案内板の前方に、
支持回転コロと、抽斗前方抜け防止用のストツパ
とを設けた構成にしたものである。

〔考案の作用・効果〕

この構成によれば、キヤビネツトの本体左右両
側板内側の前後位置に、前補強と後補強枠とを固
着すると共に、この前後両補強枠に跨つて支持レ
ールを水平前後に配設して熔接等にて固着するの
であるから、支持レールを本体の強度向上及び剛
性向上のために寄与させることができ、支持レー
ルを補強枠に着脱自在に装着した場合に比べ、本
体の強度及び剛性は格段に向上するのである。

そして、支持レールの断面形状を断面略コ字型
に上下対称形状にすると共に、支持レールを、そ
の前端開放部が前方向に行くに従つて上下に広が
るように上下対称に屈曲形成し、しかも、抽斗前
方抜け防止用のストツパや、支持回転コロを支持
レールにとりつけず、前補強枠に取付けるので、
左右両側の支持レールをまつたく同一の形状にす
ることができ、キヤビネツトの本体の製作費用を
格段に低減させることができるという顕著な効果
を有するのである。

〔実施例〕

次に実施例について説明すると、第１図におけ
る符号１は金属板製等の机における机天板、２は
前記机天板１の下方に配置する袖キヤビネツト、
３は袖キヤビネツト２の本体で、符号４は本体３
の下面に設けた高さ調節自在な足体であるが、こ
れをコロ等のキヤスターに変更することもでき
る。

符号６は本体３の上框となる前上面板、符号７
は後上面板であり、本体３の左右両側板３ａ，３
ａと背板３ｂとは一枚の金属板を平面視コ字型に
屈曲して一体的に形成している。

符号８は前記本体３における後上面板７と背板
３ｂとの間を下向き段状に切欠いて形成した段部
で、この段部８における本体３の左右両側板３
ａ，３ａには、上向きＵ字状の切り溝を設け、該
両切り溝に跨るようにＵ字状断面の受樋１０を嵌
挿固着することにより、図示しない机の後端に配
置した受樋に連通可能な配線コードのための挿通
空間を形成するものである。

本体３の上面を覆う天板９は、その下面に突出
する前後左右４つの係止爪１１を、前記前上面板
６と後上面板７とに各々形成された係止孔１２に
抜け不能に嵌挿することにより固着するものであ
る。

キヤビネツト２の本体３における左右両側板３
ａ，３ａ内面には、その前端側に断面矩形状の前
補強枠１３をスポツト熔接等にて固着し、該前補
強枠１３より適宜隔てた後方には断面Ｚ字状等の
後補強枠１４をスポツト熔接等により固着する。

符号１５は、前記前補強枠１３と後補強枠１４
とに跨つてスポツト熔接などにより固着する支持
レールで、該左右一対の支持レール１５の箇所に
は高さの低い抽斗１６を前後移動自在に配設し、
下方のサスペンシヨン１８の箇所には高さの大き
い抽斗１９を配設するものである。

符号２０，２０は抽斗１６の鏡板２２後部箱体
の左右両側板１７，１７外面に前後長手方向に固
着した抽斗レールで、該各抽斗レール２０は、断
面略コ字型で、その垂直板２０ａの上下端に屈曲
形成された断面略円弧状の膨出部２０ｂを介して
左右両側板１７に取付き、支持レール１５内に前
後方向移動自在に嵌挿するものである（第５図参
照）。

符号２１は、抽斗１６や１９の左右両側板１７
の前端外面と鏡板２２裏面との間に取付く合成樹
脂製の横振れ防止兼用の緩衝体で、該緩衝体２１
は抽斗を本体３内に押し込むとき、前補強枠１３
と左右両側板１７，１７と抽斗の鏡板２２との間
に嵌ることにより、抽斗の位置規制と押し込み時
の衝撃を緩和する役割を果たす。

第７図に示す符号２３は、抽斗レール２０の後
部に取付く合成樹脂製のスライダで、該スライダ
２３は、断面コ字型の支持レール１５の垂直板１
５ａと、上下水平板１５ｂ，１５ｂとに各々接当
し得る接当面２３ａ，２３ｂ，２３ｂを有するも
のである。

支持レール１５は第２図、第７図、第８図及び
第９図に示すように、前端を除き垂直板１５ａ
と、上下水平板１５ｂ，１５ｂと、縁板１５ｃ，
１５ｃとから成る断面コ字型に形成され、前端開
放部では、前記上下水平板１５ｂ，１５ｂを前に
行くに従つて上下に開くように傾斜させて抽斗１
６の挿入時の案内板２４，２４を形成し、全体と
して上下対称形状に形成して成る。

符号２５は、前記支持レール１５の前端開放部
が固着した前補強枠１３箇所の前方に取付く抽斗
前方抜け防止用のストツパ、符号２６は支持回転
コロであり、支持回転コロ２６は抽斗レール２０
の下面を支持し、ストツパ２５は抽斗１６を引き
出すとき、抽斗レール２０の後部に取付く接当片
２７に接当して抽斗１６を前方に抜け出すのを防
止するものである。

この構成により、キヤビネツトの本体３の左右
両側板３ａ，３ａの内面の前後に適宜隔てて上下
に延びる前補強枠１３と後補強枠１４とを固着す
ると共に、該前後両補強枠１３，１４とに跨つて
水平方向の左右一対の支持レール１５，１５をス
ポツト熔接等により固着するのであるから、これ
らの部材が本体３の剛性を高めるために直接的に
寄与でき、本体３の板厚さが薄くても、本体全体
としての強度も向上するのである。

そして、前記抽斗１６の左右両側に突設した抽
斗レール２０を支持するための左右一対の支持レ
ール１５を、断面略コ字型の上下対称状に形成
し、且つ該両支持レール１５を、その前端開放部
が前方向に行くに従つて上下に広がるように側面
視上下対称状に屈曲形成してあると共に、支持回
転コロ２６とストツパ２５とは別にするのである
から、支持レールを上下逆にしても同一形状とな
り、従つて本体３の左右両側に設ける支持レール
１５を共通の部品とすることができるから、部品
の製作費用を節減できるという効果を有するので
ある。

なお、本考案のキヤビネツトは机天板の下面に
直接固定する形式のものであつても良いことは言
うまでもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は袖キヤ
ビネツトの斜視図、第２図は第１図の−視断
面図、第３図は要部斜視図、第４図は抽斗の側面
図、第５図は第４図の−視拡大断面図、第６
図は第４図の−視拡大断面図、第７図は第４
図の−視拡大視断面図、第８図は支持レール
前端開放部取付状態を示す一部切欠き側面図、第
９図は第８図の−視視断面図である。 １……机天板、２……袖キヤビネツト、３……
本体、３ａ，３ａ……左右両側板、４……足体、
６……前上面板、７……後上面板、１０……受
樋、１３……前補強枠、１４……後補強枠、１５
……支持レール、１５ａ……垂直板、１５ｂ……
水平板、１５ｃ……縁板、２４……案内板、１
６，１９……抽斗、１８……サスペンシヨン、２
０……抽斗レール、２３……スライダ、２５……
ストツパ、２６……支持回転コロ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄金属板製のキヤビネツトの本体内に抽斗を前
   後移動自在に配設して成るキヤビネツトにおい
   て、前記本体の左右両側板の内面には前補強枠
   と、後補強枠とを適宜前後隔てて固着し、前記抽
   斗の左右両側に突設した抽斗レールを支持するた
   めの左右一対の支持レールを、断面略コ字型の上
   下対称状に形成し、且つ該両支持レールを、その
   前端開放部が前方向に行くに従つて上下に広がる
   ように上下対称状に屈曲形成し、該両支持レール
   の前端開放部を前記前補強枠に、支持レールの適
   宜後部側面を後補強枠に各々固着する一方、前補
   強枠には、前記支持レールにおける前端開放部の
   下案内板の前方に、支持回転コロと、抽斗前方抜
   け防止用のストツパとを設けたことを特徴とする
   キヤビネツト。