JPH049367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、間仕切を利用して形成した収納装置
に関するものである。

〔従来の技術及びその問題点〕

オフイスや商店等において室を仕切るのに間仕
切が利用されているのは周知の通りである。

ところで、間仕切が平面視で一直線状に配設さ
れている場合には、間仕切はアジヤスター等の単
なる棒状の脚体によつては自立させることができ
ないので、間仕切の壁面と直交して延びる脚体に
て支持するようにしているが、これでは脚体が間
仕切の壁面から側方にはみ出るため、外観が悪化
すると共に人がつまずく事故が多発する問題があ
る。この問題を回避するためには、すなわち、単
なる棒状の脚体で間仕切を自立させるためには、
間仕切を平面視でＬ字状とかコ字状に連結するよ
うにしており、間仕切や他の家具のレイアウトが
制約を受けることになる。

一方、間仕切近傍部を物品収納部として利用す
ることも広く行われており、その場合従来は、間
仕切の壁面に沿つて別途キヤビネツトを配置する
とか、間仕切の支柱に係止したブラケツトを介し
て棚板を装架するとかしている。しかし、前者の
手段にあつては、間仕切とキヤビネツトとは無関
係に設置されているため、間仕切を自立させるに
際して前記の通りの問題が生じるのみならず、キ
ヤビネツトが不測にずれ動くと間仕切とキヤビネ
ツトとが非平行になつて外観が悪化する問題があ
る。また、後者の手段では、棚板に物品を載置す
るのに伴つて間仕切の安定性が悪くなるから、間
仕切を自立させるに際しての前記問題が一層顕著
に顕れることになる。

本考案は、間仕切を利用して収納部を形成する
ことにより、前記問題の解消を図つたものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち本考案では、床面に立設した間仕切
に、当該間仕切の壁面と直交して平行に延びる左
右一対のサブパネルを適宜間隔隔てて穿設し、該
左右両サブパネルの上端間に、左右側縁に下向き
折曲げ片を連接して成る天板を、その左右折曲げ
片がサブパネル内面に密着するように配設する一
方、前記左右両サブパネルの下端間には、左右側
板をサブパネル内面に密着させて成る地枠体を配
設し、前記両サブパネルの内面に沿つた前後部位
に、上端部が前記天板の折曲げ片に重合し下端部
が地枠体の側板に重合するようにした縦長の棚板
支持部材をそれぞれ前記適宜隔てて配設し、該各
棚板支持部材の上端部と天板の折曲げ片及び棚板
支持部材の下端部と地枠体の側板とを、それぞれ
サブパネルに対して一体的に螺着し、且つ、前記
各棚板支持部材を介して棚板を着脱自在に装架し
た構成にしたものである。

〔考案の作用・効果〕

このように構成すると、間仕切の前方に、左右
サブパネルと天板及び地枠体とで囲われた前面開
口の収納空間が形成され、左右サブパネル間に装
架した棚板を利用して物品を収納できることにな
り、しかも、間仕切にキヤビネツトを連結したか
のような状態になる。その場合、収納装置の背面
が間仕切によつて区画されているから、収納装置
の背面板を間仕切と共用した状態となると共に、
棚板支持部材と天板及び地枠体とを共締めしたか
ら、それら各部材の取付けが簡単になると共に取
付用ビスも節約できることになる。

そして、収納装置が間仕切と一体的に連結して
いるから、収納装置が間仕切と別途に動くことは
なく、その外観が悪化することもないのみなら
ず、間仕切が平面視で一直線状に延びている場合
であつても、間仕切はアジヤスター等の単なる棒
状の脚体で支持された状態で安定して自立できる
ことになる。特に、収納装置内に物品を収納する
ことによつてサブパネルの接地圧が強くなるか
ら、収納装置内に物品を収納すればするほど間仕
切の安定性は向上することになる。

従つて本考案によれば、収納装置が間仕切から
ずれることにより外観の悪化を確実に防止できる
と共に、間仕切が単なるアジヤスターのような棒
状の脚体で支持されている場合でも、間仕切を平
面視で一直線状に配設できるから、収納装置付き
の間仕切を設置するに際して、外観が悪化したり
脚体につまずいたりレイアウトに制約が加えられ
たりする不具合を確実に回避できる効果を有す
る。

また、収納装置は少ない部材でしかも簡単に組
立てできるから、収納装置を安価に製造できるこ
とになる。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、図において符号１は平面視で一直線状に配
設された間仕切、符号２は、前記間仕切１の壁面
前方に形成した収納装置をそれぞれ示し、前記間
仕切１は、左右適宜隔てて立設した支柱３間に表
裏一対のパネル４を装架して成り、支柱３下端に
螺合したアジヤスター５にて支持されている。

そして、間仕切１においてパネル４を装着する
に当つては、第２〜３図で示すように、隣接した
支柱３同士の互に対向した側面に断面凸状で縦長
の支持部材６を固着し、該支持部材６の側板６ａ
に穿設した逆だるま状の係合孔７に、パネル４の
左右側縁に後ろ向き突設した頭付き係止ピン８を
外側から落とし込むようにしている。この場合、
パネル４の左右側端面と支持部材６の基板６ｂと
の間に隙間を形成し、該隙間箇所において支持部
材６の側板６ａに上下適宜ピツチで係止溝孔９を
穿設する一方、パネル４の左右側縁には、軟質合
成樹脂等の軟質弾性体で形成した断面略コ字状の
縁部材１０を固着し、該縁部材１０の弾性に抗し
て前記係止溝孔９に差し込み係止したブラケツト
１１を介して棚部を装架できるように構成してい
る。

前記収納装置２は、前記左右隣接した支柱３か
ら前向き穿設した左右一対のサブパネル１２と、
前記左右両サブパネル１２間に配設した天板１３
と地枠体１４、及び左右サブパネル１２間に棚板
支持部材１５を介して装架した棚板１６にて構成
されている。以下に構成を詳述する。

前記各サブパネル１２を取付けるに当つては、
支柱３の前面係止溝孔９に連結金具を介する等し
て前記支持部材６を固着する一方、支柱３の前方
には前記支持部材６を立設し、これら前後一対の
支持部材６間に、前記パネル４を装着すると同様
の手段でサブパネル１２を装着するようにしてい
る。この場合、前記支持部材６を利用したので、
サブパネル１２と平行に外面パネル１７を装着
し、サブパネル１２と外面パネル１７との間を中
空に形成しているが、支持部材６を利用せずに、
サブパネル１２のみを１枚だけ穿設した構成にし
ても良いのである。

なお、収納装置２前端に位置する支持部材６
は、その前面開口部をカバー１８で覆つており、
また、この前端に位置する支持部材６はねじ式の
アジヤスター１９にて支持されている。

前記天板１３は、その四周を断面コ字状に折り
返すことによつて剛性を強化すると共に、左右の
水平状先端縁１３ｂに前後２箇所の切り開き部２
０を形成しており、左右側縁に連接した下向き折
曲げ片１３ａを各サブパネル１２内面（すなわち
収納部に臨んだ面）に密着させた状態で水平配設
しており、また、前記地枠体１４は、上面に棚板
１６を直接に載置できるように断面Ｌ字状に形成
されており、その左右水平片１４ａに、前記天板
１３の切り開き部２０と平面視で重複するように
した切り開き部２１を形成すると共に、その左右
側板１４ｂをサブパネル１２内面に密着させてい
る。

そして、各サブパネル１２の内面近傍部には、
上下適宜開口部で係止溝２２を穿設して成る断面
コ字状の棚板支持部材１５を配設し、該棚板支持
部材１５の上部取付片１５ａを前記切り開き部２
０を介して天板１３の折曲げ片１３ａに重ね合せ
る一方、棚板支持部材１５の下部取付片１５ｂ
を、前記切り開き部２１を介して地枠体１４の側
板１４ｂに重ね合せ、それら上部取付片１５ａと
天板１３の折曲げ片１３ａ及び下部取付片１５ｂ
と地枠体１４の側板１５ｂとを、それぞれビス２
３にてサブパネル１２に螺着している。

前記棚板１６は、棚板支持部材１５の係止溝２
２に係脱自在な係止体２５を介して支持するよう
にしているが、例えば、棚板支持部材１５に、収
納部方向に延びる係止片を切り起こし形成し、該
係止片に対して棚板を直接的に載置するようにす
る等、他の支持形態にしても良いのである。

なお、収納装置２の前面開口部は、蝶番（図示
せず）を介して支持部材６に枢着された観音開き
式の扉２５によつて開閉自在に覆われている。ま
た、前記地枠体１４に棚板１６を直接載置するこ
とによつて地板に構成している。

以上の構成において、棚板１６を利用して物品
が収納自在となるが、この場合、収納装置２の背
面板として間仕切１を共用できるから、それだけ
部材を節約でき、また、棚板支持部材１５と天板
１３及び地枠体１４とを共締めしたから、それら
各部材の取付けが簡単になると共に取付用ビスも
節約できることになる。

そして、収納装置２は間仕切１と一体的に連結
されているから、間仕切１がアジヤスター５等の
単なる棒状の脚体で支持されている場合であつて
も、平面視で一直線状に安定した状態に自立させ
ることができることになり、壁面から脚体が外向
きにはみ出ることがないから、外観が悪化すると
か脚体につまずくこともないのである。特に、収
納装置２に物品を収納すればするほど間仕切１の
安定性は向上することになる。

なお、サブパネル１２を装着するに当つて実施
例のような支持部材６を利用すると、サブパネル
１２を支持する前後支持部材６に対して収納装置
２の左右側方からブラケツト１１を係止すること
ができ、収納装置の左右外面に沿つて棚板を装架
でき、その内外を収納部に利用できる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は全体の
斜視図、第２図はパネルの取付手段を示す概略斜
視図、第３図は第１図の−視断面図、第４図
は第３図の−視断面図、第５図は第３図の
−視断面図、第６図は収納装置の分解斜視図、
第７図は棚板の斜視図、第８図は係止体の斜視図
である。 １……間仕切、２……収納装置、３……支柱、
４……パネル、６……支持部材、１２……サブパ
ネル、１３……天板、１３ａ……下向き折曲げ
片、１４……地枠体、１４……側板、１５……棚
板支持部材、１５ａ……上部取付片、１５ｂ……
下部取付片、１６……棚板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床面に立設した間仕切に、当該間仕切の壁面と
   直交して平行に延びる左右一対のサブパネルを適
   宜間隔隔てて穿設し、該左右両サブパネルの上端
   間に、左右側縁に下向き折曲げ片を連接して成る
   天板を、その左右折曲げ片がサブパネル内面に密
   着するように配設する一方、前記左右両サブパネ
   ルの下端間には、左右側板をサブパネル内面に密
   着させて成る地枠体を配設し、前記両サブパネル
   の内面に沿つた前後部位に、上端部が前記天板の
   折曲げ片に重合し下端部が地枠体の側板に重合す
   るようにした縦長の棚板支持部材をそれぞれ前後
   適宜隔てて配設し、該各棚板支持部材の上端部と
   天板の折曲げ片及び棚板支持部材の下端部と地枠
   体の側板とを、それぞれサブパネルに対して一体
   的に螺着し、且つ、前記各棚板支持部材を介して
   棚板を着脱自在に装架して成る間仕切における収
   納装置。