JPH0417149B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は紙の表裏両面多色刷り用輪転機に関
し、特に特許請求の範囲第１項記載に係る紙幣上
に安全は背景線画を多色刷りするためのものであ
る。

〔従来の技術〕

この形式の印刷機は欧州特許出願公報第
0133328号により公知となつており、単一の印刷
操作で同時に安全に異なる二つの印刷工程を利用
を可能にしている。何となれば多色刷りの線画を
オフセツト印刷工程により紙葉の一側面に印刷す
ると同時に他側面に多色刷りを集中印刷工程即ち
これはオーロフ（Orlof）方式と謂われている工
程により印刷される。この場合そのオフセツト線
画は重ね刷りされた色からなるものであるが、そ
の集中印刷工程によつて印刷した刷り物は相互に
隣り合つて配置される。この印刷機は特に紙幣の
印刷に適するが、これは異なる工程を経て得られ
た多色の安全背景を紙幣の画面に単一の操作で可
能にするためであり、かくして紙幣贋造に対する
安全性は高められる。

〔発明の概要〕

本発明の基本的目的はこの形式の印刷機におい
て、多色刷り印刷操作に対し出来得る限り種々な
組合せの印刷を可能にする印刷機を提供すること
である。本発明によれば、この目的は特許請求の
範囲第１項に記載した構成により達成される。ま
たこの印刷機械を操作する工程は特許請求の範囲
第３項に記載される。

本発明に係る印刷機の利点は、調整自在でかつ
変換可能な版胴によつて集中印刷又はオフセツト
印刷のいずれにおいても利用しうる多数の色は一
つの色だけ選択的に増大可能であり、かつ他方に
おいて集中印刷工程により印刷した紙面は数回に
亘るオフセツト印刷を付け加えることにより達成
される。結果として一方において印刷機の価格的
効率は異なる印刷組合せを必要とするために大と
なり、他方において銀行券印刷の場合には多色線
画が銀行券の一側の同一表面上に２個の異なる印
刷工程を経て刷り上げられるから紙幣贋造に対す
る安全保護が極めて大となる。

好しくは帯材供給型印刷機にすることができる
３個のゴム胴からなるこの機械の適切な配列は特
許請求の範囲第２項に記載されている。

〔好ましい実施例の説明〕

この帯材供給型印刷機は２個のゴム胴１，２を
具備し、これらのゴム胴は機械の主枠組内に互に
隣り合せて水平に設置されて相互に押し合いそれ
ら両ゴム胴表面間に紙帯材Ｐの咬込み口が形成さ
れている。今考案している例において、ゴム胴
１，２間を通過してゆく紙帯材Ｐは図示矢印方向
に垂直上方に向つて移送され案内部材と緊張ロー
ラ３によつて案内され緊張力をうけて印刷された
後は該紙材の両面上に作用する乾燥部を通過す
る。４個のオフセツト版胴５の各々はインキ装置
６によつて異なる色のインキを施されてゴム胴１
に相対して設置される。この図示の例において上
部３個の版胴５は乾いたオフセツト版を巻装され
ており、即ち活版印刷的な版であり、他方下部１
個の版胴はゴム胴１の各１回転毎に最終的に該ゴ
ム胴１上にインキを塗布し、緩衝装置７により緩
衝される緩衝用オフセツト版を担持している。こ
の緩衝オフセツト版は好ましくはグラビア版であ
る。

版胴８はゴム胴２に対面して保持され、集合印
刷版を担持している。これは数種類の色により塗
布される模様又は線画を有している。機械の主枠
組内にはもう一つのゴム胴９が前記版胴８に順次
接触し色調版とも謂われている選択的な色彩イン
ク胴を具えた３個の選択的色インキ塗布胴１０と
相互に係合し合つている。これらの選択的色イン
キ版は版胴８の集中印刷版の領域に対応する色調
をもつ切り出された浮彫を有し、上記版胴８は特
殊な色で塗布され、色インキ版１０自体はインキ
装置１１によつてそれぞれ別個の色が塗布され
る。上記選択的色インキ胴１０はまた切抜き胴と
も呼ばれる。インキ集中胴として作動するゴム胴
９は複数個の選択的色インキ胴１０から移された
個々のインクを集収して版胴８上の色刷り版にそ
れらのインキを転送する。多色インキ線画はこの
ようにしてインキを塗布した版胴８からゴム胴２
に転送され、ゴム胴２から更に紙葉の一側面上に
移される。

上述した配列装置によつて運転される作動工程
は一般に集中印刷工程又はオーロフ（Orlof）方
式とよばれるものであつて、色彩刷り線画を生ず
る。この方式において個々の色は相互に隣り合つ
て配置され、線画を彩る種々の色相互間の色彩整
合性は完全に保証される。選択的色インキは胴は
ゴム胴９の弾性的表面と接触状態にあるから、こ
れらの色インキ胴は硬質物質から作製される。そ
れ故これによれば非常に精巧な浮彫り区域を切出
すことが可能となり、その結果非常に精巧な色彩
区域例えば線又は点と形態をとつて切出される。

考察された上記例において、ゴム胴９はゴム胴
２の垂直上方に略配置されており、かつ垂直上方
向きに走行する紙帯材Ｐとは接触しないように横
方向へほんのわずかずらされている。この３個の
ゴム胴１，２，９の配列装置の利点は一方におい
て容易に立入り近接ができることであり、かつ他
方においてゴム胴２の周囲に沿いこのゴム胴２に
インキ塗布する版胴を更に多く配列される自由空
間が大きくできることである。考察されたこの例
においては、３個のオフセツト版胴１２が設置さ
れ、この各々はインキ装置１３によりインキ塗布
が行われる。そのうちの上部２個の版胴１２は乾
燥オフセツト版を担持し、下部１個の版胴１２は
順次緩衝オフセツト版好ましくは緩衝装置１４に
よつて緩衝作用をうけるグラビア版を担持してい
る。２個のゴム胴２と９との間には間隔を置いて
別の版胴１６が設けられており、この版胴１６は
転換可能であり並びに調節可能に主枠組内に設置
される。即ち第１作動位置においては図中実線で
示した位置にゴム胴２に対して接触状態に保持さ
れ、かつ第２作動位置においては点線で示した位
置に接触状態に保持される。上記第１作動位置の
場合には、上記版胴１６がゴム胴２と互に係合し
合うとき一つのオフセツト版を担持し、第２の場
合において上方のゴム胴９と互に係合し合うとき
選択的色インク版を担持する。第１、第２の両方
の場合に上記版胴１６はそれに割当てられたイン
キ装置１５により特種な色インキで塗布される。
３個のゴム胴１，２，９と同様に、凡ての版胴は
機械の主枠組内に設けられており、同時に版胴５
に割当てられたインキ装置６と緩衝装置７は一方
側部上の引込み移動可能なインキ伴送台車１８内
に収納され、かつ他の凡てインキ装置１１，１
３，１５と緩衝装置１４は他方側部上の引込み移
動可能なインキ伴送台車１７内に収納されてい
る。

考案された上記例においては四色オフセツト印
刷がゴム胴１により帯紙の一側面上に施されると
同時に七色刷り印刷がゴム胴２により帯紙の他側
面に刷られるものであるが、これは集中印刷とオ
フセツト印刷の複合された印刷物となる。

上記版胴１６がオフセツト印刷版を担持してゴ
ム胴２に対面して保持されるとき、三色の集中印
刷と四色のオフセツト印刷の組合せが得られる。
また他の場合において版胴１６が選択的色インク
版を担持しかつゴム胴９に対面して保持されると
きは四色刷りの集中印刷と三色のオフセツト印刷
の組合せが得られる。かくして調節可能でかつ転
換可能な版胴１６は極めて興味のある多色組合せ
印刷の可能性を実現せしめるものであり、これは
特に銀行券の印刷において重要である。

銀行券の印刷に関する場合、特に四色の安全背
景線画が一側面上に刷し出されかつ七色の安全背
景線画が他側面上に刷し出される場合には特に紙
幣贋造に対し安全なものとする、何故ならば七色
刷り線画は二つの完全に異なる印刷工程によつて
刷り出されるからである。他方において、左方の
最下部の版胴５並びに右方最下部の版胴１２上に
配置した前述のグラビア版は紙の各側面上に主た
る単色線画を印刷するために使用され、それと同
時に凡ての他の版胴は多色の安全背景線画を刷り
出すからである。それ故この場合には、上述した
印刷機は比較的価値の低い銀行券に対し特に適し
ているので、両側面上に完全な銀行券の印刷操作
を実施することができ、このときの主たる線画は
一般には単色である。多色の主たる線画を得るた
めには該紙はその後に更に別の一つの印刷ユニツ
ト殊にグラビア印刷装置によつて印刷すべきであ
る。

考案された上記の例において、ゴム胴１，２，
９の直径と版胴５，８，１０，１２，１６の各直
径比は３：１であり、従つて上記ゴム胴の周面上
には前述した多数の版胴群を配列保持せしめるた
めの空間が充分に確保されるのである。勿論、上
述した直径比は例えば２：１のように小さくする
こともできるし、或はまた４：１のように大きく
設定することも可能である。その場合に設置され
る版胴群の最大数はその場合に応じて変化する。
更にまた上記ゴム胴１，２，９の配列配置は上述
した態様と異なるようにすることも可能である。
最後に、上述した印刷機はまた一枚宛の枚葉紙印
刷機とすることも出来、その場合に適当な枚葉紙
案内部材並びに上記ゴム胴１又は２のいずれかに
公知の紙掴み具を設ける必要がある。

更にまたゴム胴１に対して集中印刷胴から成る
集中版胴ユニツトと、もう一つ別のゴム胴と該ゴ
ム胴にインクを塗布する選択的色インキ塗布胴と
上記版胴１６に類似な転換可能でかつ調節可能な
版胴を組合せることができ、かくして図示の左側
における部分は同様に集中印刷とオフセツト印刷
の組合せをもつことになる。特に該印刷機の左側
部はこの場合その右側に対して完全な対称性を有
する装置そして構成することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る印刷機の一実施例を単一図
面により図解的に示したもので、帯材供給型印刷
機の実施例を参照してその詳細を描く。 １，２……ゴム胴、Ｐ……紙帯材、３……緊張
ローラー、５……オフセツト版胴、６……インキ
装置、７……緩衝装置、８……版胴、９……ゴム
胴、１０……選択的色インク胴、１１……インキ
装置、１２……オフセツト版胴、１３……インク
装置、１４……緩衝装置、１６……転換版胴、１
７，１８……伴送台車。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 紙の両面同時印刷用特に銀行券の安全背景印
   刷のための多色刷り輪転機であつて、該輪転機は
   個個のインキ装置６によりインク塗りされる複数
   個のオフセツト版胴５群に接触する第１ゴム胴１
   と、個々のインキ装置１１によりインキ塗りされ
   る複数個の選択的色インク胴１０群に接触すると
   共に集中印刷版を担持する版胴８にも接触する第
   ２ゴム胴９と、前記第１ゴム胴１に対面して押圧
   されると共に前記集中印刷版を担持する版胴８に
   対面して接触状態に保持される第３ゴム胴２とを
   具備し、前記第１ゴム胴１と第３ゴム胴２は、両
   面が印刷されかつ第１及び第３のゴム胴１，２の
   間を通過する紙材Ｐの咬込み口を形成した輪転機
   において、 前記第３ゴム胴２もまた個々のインキ装置１３
   によりインク塗布をうける数個のオフセツト版胴
   １２と接触状態に保持され、かつ前記第２ゴム胴
   ９と第３ゴム胴２との間にはインキ装置１５によ
   り塗布されるもう一つの版胴１６が設置され、該
   版胴１６は異なる二つの作動位置に対して転換設
   定可能に設置され、第１の作動位置においては前
   記第２ゴム胴９から離れて前記第３ゴム胴２側に
   対面して接触保持されると共に第２の位置におい
   ては第３ゴム胴２から離されて第２ゴム胴９に対
   面して接触保持されるようにしたことを特徴とす
   る同時両面多色刷り輪転機。 ２ 前記第１と第３のゴム胴１，２は水平方向に
   相互に隣り合せて配列され、かつ前記第２版胴９
   は前記第３ゴム胴２の少くとも垂直上方に近似す
   る位置に配置されていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の同時両面刷り輪転機。 ３ 個々のインキ装置６によりインク塗りされる
   複数個のオフセツト版胴５群に接触する第１ゴム
   胴１と、個々のインキ装置１１によりインキ塗り
   される複数個の選択的色インク胴１０群に接触す
   ると共に集中印刷版を担持する版胴８にも接触す
   る第２ゴム胴９と、前記第１ゴム胴１に対面して
   押圧されると共に前記集中印刷版を担持する版胴
   ８に対面して接触状態に保持される第３ゴム胴２
   とを具備し、前記第１ゴム胴１と第３ゴム胴２
   は、両面が印刷されかつ第１及び第３のゴム胴
   １，２の間を通過する紙材Ｐの咬込み口を形成
   し、前記第３ゴム胴２もまた個々のインキ装置１
   ３によりインク塗布をうける数個のオフセツト版
   胴１２と接触状態に保持され、かつ前記第２ゴム
   胴９と第３ゴム胴２との間にはインキ装置１５に
   より塗布されるもう一つの版胴１６が設置され、
   該版胴１６は異なる二つの作動位置に対して転換
   設定可能に設置され、第１の作動位置においては
   前記第２ゴム胴９から離されて前記第３ゴム胴２
   側に対面して接触保持されると共に第２の位置に
   おいては第３ゴム胴２から離されて第２ゴム胴９
   に対面して接触保持されるようにした、紙の両面
   同時印刷用特に銀行券の安全背景印刷のための多
   色刷り輪転機の操作方法であつて、前記転換可能
   な版胴１６は前記第３ゴム胴２に対面して接触保
   持される作動位置においてはオフセツト印刷版を
   担持し、前記第２ゴム胴９に対面して接触保持さ
   れる位置においては選択的色インク版を担持する
   ことを特徴とする同時両面多色刷り輪転機の操作
   方法。