JPH0413072Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、所定の加工装置で加工されたワーク
を自動的に該加工装置から搬出する装置に関す
る。

（従来技術） デイフアレンシヤルギアケース等のワークの加
工を行う加工装置においては、一般にワーク受台
に設けられた上向きのピン部材にワークの孔部を
嵌合させてワークを支持し、加工後ワークを該ピ
ン部材から抜き取つてワーク受台から外しワーク
を加工装置から搬出するようになつている。

このような加工装置では、ワークを搬出するに
当たつて、加工後のワークを下方から押し上げる
押し上げ部材を備えており、この押し上げ部材に
よつてワークをワーク受台のピン部材から抜き取
り、押し上げ部材の上面に形成された傾斜面に沿
つてワークを搬出側に送り出すようにしている。

（解決しようとする問題点） 上述の従来のワーク搬出機構では、押し上げ部
材に形成された傾斜面に沿つてワークを搬出させ
るようにしている。しかし、この構造では、押し
上げ部材の上面が傾斜しているため、該押し上げ
部材がワークを押し上げる際傾斜面に直角方向の
分力がワークに作用する。この方向は、押し上げ
部材の移動方向、すなわちピン部材の軸方向とは
異なるため、ワークがピン部材から抜けるとき、
ワークは強くピン部材に押し付けられることとな
る。このため、このワーク搬出作業を行う際、ワ
ーク及びピン部材が傷付くという問題がある。

（問題を解決するための手段） 本考案は上記事情に鑑みて構成されたもので、
上記問題を解消して、加工後のワークをスムーズ
に加工装置から搬出することのできるワーク搬出
装置を提供することを目的としている。

本考案の装置は、上向きに設けられるピン部材
を有し所定の加工を行うために該ピン部材にワー
クの孔部を嵌合させてワークを支持するワーク受
台を備え、このワーク受台から加工後のワークを
押し上げて前記ピン部材から抜きとり、該ワーク
をワーク受台の側方に搬出する搬出装置であつ
て、ワークを押し上げる押し上げ部材と、該押し
上げ部材をピン支持し、少なくともワークが前記
ピン部材から抜ける位置よりさらに上方まで前記
押し上げ部材を押し上げる昇降駆動手段と、前記
押し上げ部材の支持点よりワークの搬出側に固定
して設けられ前記ワークが前記ピン部材から抜け
てさらに上昇するとき、上昇動する押し上げ部材
に係合して押し上げ部材をワークの搬出側に傾動
させる係合部材と、前記押し上げ部材に設けられ
上記傾動方向とは反対方向に押し上げ部材を付勢
する弾性部材とを備えたことを特徴とする。

本考案によれば、ワークの加工後において、ワ
ークは、押し上げ部材によつて上方に押し上げら
れ、ピン部材から抜き取られる。この場合、押し
上げ部材は昇降駆動手段によつてピン部材の軸方
向に移動する。これによつて、ワークもピン部材
の軸方向に沿つて真つ直ぐ上方に移動させられ、
ピン部材から開放される。

その後、押し上げ部材は、昇降駆動手段によつ
て継続して上方に押されるが、ワークがピン部材
から開放される位置よりも僅かに上方の位置にお
いて、ワークの搬出側に設けられた係合部材に係
合する。これによつて、押し上げ部材は、該係合
部材を支点とし回動し、好ましくは、搬出用に設
けられた傾斜台の傾斜と整合するまで傾斜する。
この結果、ワークは、自重により押し上げ部材の
上面に沿つて下方に移動することにより、傾斜台
を介して、加工装置から搬出される。

（考案の効果） 本考案によれば、ワークはピン部材から抜き取
られる際、押し上げ部材によつて真つ直ぐ上方に
移動させられるので、ワークとピン部材との間に
は、押し上げ部材の作用に起因する応力が発生す
ることはない。その後、押し上げ部材の回動によ
つて形成される傾斜面を通じて、ピン部材から開
放されたワークを、スムーズに加工装置から搬出
することができる。

したがつて、本考案によれば、加工後のワーク
の搬出作業において、ワーク及びピン部材が傷付
くといつた問題は生じない。

（実施例の説明） 以下図面を参照しつつ、本考案の実施例につき
説明する。

第１図及び第２図を参照すると、本例の加工装
置１は、デイフアレンシヤルギアケースをワーク
２として、その両端部の加工を行うようになつて
いる。加工装置１は、ワーク２を加工のために載
置するワーク受台３を備えている。該ワーク受台
３は、ワーク２の両端部を支持するＶ字状溝を有
する一対の支持部材４と、該支持部材４の中央部
に配置され、ワーク２の孔部２ａに嵌合するピン
部材５とを備えている。

さらに、本例の加工装置１は、上記支持部材４
とピン部材５とによつてワーク受台３に固定され
たワーク２に対して上方から、所定の加工処理を
行う加工工具６を備えている。

また、加工装置１は、加工後のワーク２を押し
上げ、ワーク受台３から搬出するための一対の押
し上げ部材７を支持部材４の内側に備えている。
一対の押し上げ部材７は連結ロツド８によつて相
互に連結されている。

この連結ロツド８は該ロツド８に回動自在に係
合しているアーム９を介して駆動シリンダ装置１
０に接続されている。駆動シリンダ装置１０は内
部上下に往復動するピストンロツド１１を備えて
おり、該ピストンロツド１１は駆動シリンダ装置
１０の下部に設けられた空気導入口１２から駆動
シリンダ装置１０に空気圧が導入されたとき、上
方に移動させられるようになつている。

ピストンの上方には、バネ１３が縮装されてお
り、シリンダ装置１０内の空気圧が除去されたと
き、該バネ１３は弾性力により、ピストンロツド
１１を下方に押し下げるようになつている。そし
て、ピストンロツド１１の上端部にはアーム９の
一端が固定されており、これによつて、ピストン
ロツド１１の上下動に応じて押し上げ部材７が上
下に移動させられるようになつている。

また、押し上げ部材７はバネ１４によつて、ア
ーム９に結合されているとともに、押し上げ部材
７の下方への動きはアーム９に設けられたストツ
パー部材１５によつて制限されるようになつてい
る。これによつて、駆動シリンダ装置１０によつ
て、押し上げ部材７を真つ直ぐ上方に移動させる
ことができる。

さらに、押し上げ部材の上端部の搬出側には切
り欠き１８が形成されており、押し上げ部材７が
駆動シリンダ装置１０の作動により所定位置ま
で、上昇させられたとき、この切り欠き１８が支
持部材４に設けられたピン１９に係合しするよう
になつている。そして、切り欠き１８がピン１９
に係合したのち、さらに駆動シリンダ装置１０の
ピストンロツド１１が上昇すると、押し上げ部材
７はバネ１４の弾性力に抗してピン１９のまわり
に回動するようになつている。

また、本例の加工装置１は、ワーク受台３に隣
接して傾斜面２０を有する搬出台２１を備えてい
る。

本例の装置の作動について説明すると、ワーク
２は、支持部材４のＶ字状の溝に支持されるとと
もに、ワーク２の孔部２ａにピン部材５が嵌合す
ることによつてワーク受台３に固定され、加工工
具６によつて所定の加工が行われる。

つぎに、加工が完了すると駆動シリンダ装置１
０の空気導入口１２に空気圧が導入されて、ピス
トンロツド１１が上方に移動させられる。

これによつて、押し上げ部材７は、バネ１４の
付勢力のため下部においてストツパー部材１５に
当接した状態で上方に移動する。この状態では押
し上げ部材７の上面は水平になつており、したが
つて、ワーク２をピン部材５の軸方向に沿つてす
なわち真つ直ぐ上方に押し上げる。これによつて
ワーク２は所定位置まで押し上げられたとき、ピ
ン部材５の先端から開放される。

押し上げ部材７は、ワーク２がピン部材５から
開放された直後において、支持部材４のピン１９
に切り欠き１８が当接する。一方、駆動シリンダ
装置１０は継続して上方に移動している。この結
果、押し上げ部材７は、ワーク２の搬出側におい
て上方への動きが拘束されるので、押し上げ部材
７は、バネ１４の弾性力に抗してピン１９の廻り
に回動する。これによつて、押し上げ部材７は傾
斜し、その上面は搬出台２１の傾斜面２０と整合
する傾斜面を形成する。この結果、ワーク２はそ
の自重により押し上げ部材７から搬出台２１の方
に移動して、加工装置１から搬出される。

以上のように、本例によれば、ワーク２を加工
装置１からスムーズに搬出することができるので
ワーク２の搬出にあたつて、ワーク２とワーク受
台３のピン部材５との接触によつて、ワーク２あ
るいは、ピン部材５が傷付くといつた問題を解消
することができる。

なお、本例では、支持部材４にピンを設け、押
し上げ部材７に切り欠き１８を設けているが、こ
の構成に限られるものではなく、押し上げ部材７
にピンを、支持部材４にこのピンと係合する一定
の凹部を設けるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の１実施例にかかるワーク搬
出装置の断面図、第２図は、第１図のワーク搬出
装置のＡ−Ａ矢視図である。 １……加工装置、２……ワーク、３……ワーク
受台、４……支持部材、５……ピン部材、６……
加工工具、７……押し上げ部材、３……連結ロツ
ド、９……アーム、１０……駆動シリンダ装置、
１１……ピストンロツド、１２……空気導入口、
１３，１４……バネ、１５……ストツパー部材、
１８……切り欠き、１９……ピン、２０……傾斜
面、２１……搬出台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上向きに設けられるピン部材を有し所定の加工
   を行うために該ピン部材にワークの孔部を嵌合さ
   せてワークを支持するワーク受台を備え、このワ
   ーク受台から加工後のワークを押し上げて前記ピ
   ン部材から抜きとり、該ワークをワーク受台の側
   方に搬出する搬出装置であつて、ワークを押し上
   げる押し上げ部材と、該押し上げ部材をピン支持
   し、少なくともワークが前記ピン部材から抜ける
   位置よりさらに上方まで前記押し上げ部材を押し
   上げる昇降駆動手段と、前記押し上げ部材の支持
   点よりワークの搬出側に固定して設けられ前記ワ
   ークが前記ピン部材から抜けてさらに上昇すると
   き、上昇動する押し上げ部材に係合して押し上げ
   部材をワークの搬出側に傾動させる係合部材と、
   前記押し上げ部材に設けられ上記傾動方向とは反
   対方向に押し上げ部材を付勢する弾性部材とを備
   えたことを特徴とするワーク搬出装置。