JPH0362727B2 - - Google Patents

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JPH0362727B2
JPH0362727B2 JP58026897A JP2689783A JPH0362727B2 JP H0362727 B2 JPH0362727 B2 JP H0362727B2 JP 58026897 A JP58026897 A JP 58026897A JP 2689783 A JP2689783 A JP 2689783A JP H0362727 B2 JPH0362727 B2 JP H0362727B2
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JP
Japan
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acid
mol
melt
hydroquinone
temperature
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JP58026897A
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JPS5978232A (ja
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Wataru Funakoshi
Takanori Urasaki
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
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Publication of JPS5978232A publication Critical patent/JPS5978232A/ja
Publication of JPH0362727B2 publication Critical patent/JPH0362727B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は溶融異方性全芳香族ポリエステルに関
する。さらに詳しくは、本発明は特定の置換基で
核置換されたモノ置換ハイドロキノンに由来する
単位を含有する溶融異方性全芳香族ポリエステル
に関する。該新規な溶融異方性全芳香族ポリエス
テルは溶融異方性を示すにもかかわらず、その光
学的異方性溶融物から容易に溶融成形することが
でき、機械的性質の優れた成形品、例えば繊維ま
たはフイルムを与える。 [従来技術] 従来から、ポリエチレンテレフタレートは優れ
た機械的強度を有し、また耐熱性、耐薬品性等に
優れていることから、繊維、フイルム、プラスチ
ツク等の素材として広く使用されている。しかし
ながら、例えばポリエチレンテレフタレート繊維
は工業用途(例えばタイヤコード等)のような高
強度、高ヤング率を要求される用途においては未
だ十分なものであるとは言い難い。 一方、極めて高いヤング率、強度等を与える繊
維素材として、ポリp−フエニレンテレフタラミ
ド、ポリp−ベンザミド等の芳香族ポリアミドが
知られている。しかし、これら芳香族ポリアミド
は、ポリエチレンテレフタレートが溶融紡糸によ
り容易に繊維化できるのに対し、溶融紡糸が難し
く、実際に溶液紡糸(乾式あるいは湿式紡糸)に
よつて繊維化せざるを得ない状況にある。それ
故、溶剤の回収等が必要である他、得られる製品
の形状もその成形方法によつて制限を受け、例え
ば繊維等に限られ、工業的には未だ不利な点を
多々有している。 これらの欠点を改良する目的で、芳香族オキシ
カルボン酸、芳香族ジヒドロキシ化合物およびテ
レフタル酸、イソフタル酸の如き芳香族ジカルボ
ン酸成分よりなる全芳香族コポリエステルおよび
その繊維が提案されている(特開昭50−43223号
公報)。しかし、この場合にも、ジカルボン酸成
分として例えばp−配向性であるテレフタル酸を
用いた全芳香族ポリエステルは極めて高融点とな
る。従つて高重合度のポリマーを製造し得たとし
ても溶融成形、例えば溶融紡糸によつて成形する
こと自体が困難であり、また、そのため高強度、
高ヤング率を有する成形品、例えば繊維を工業的
に、かつ効率的に製造することは困難である。 一方、ジカルボン酸成分としてp−配向性でな
い例えばイソフタル酸を用いた全芳香族ポリエス
テルは、溶融粘度がテレフタル酸を用いた上記の
如き全芳香族ポリエステルに比して大幅に低く、
かつ溶融成形できる利点を有するが、反面、溶融
異方性を有しないことから、溶融成形のみによつ
て機械的性質、例えばヤング率等の優れた成形
品、例えば繊維、フイルムを製造できないという
欠点を有している。 上記明細書には芳香族ジヒドロキシ化合物とし
て、ブチルハイドロキノンが開示されているが、
ブチルハイドロキノンを用いた全芳香族ポリエス
テルのみならず、その製法は記載も示唆もされて
いない。 また、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ま
たは2,6−ナフタレンジカルボン酸を用い、芳
香族ジヒドロキシ化合物として未置換フエニルハ
イドロキノンまたは置換フエニルハイドロキノン
を用いた光学異方性全芳香族ポリエステルが知ら
れている(米国特許第4159365号および4153779号
明細書参照)。未置換フエニルハイドロキノンを
用いて得られた全芳香族ポリエステルからの繊維
は高温における強度保持率が高い特長を有するこ
とが米国特許第4159365号明細書に開示されてい
る。 また、特開昭56−84718号明細書には主たる芳
香族ジヒドロキシ化合物として未置換フエニルハ
イドロキノンとともにハイドロキノンを用いた全
芳香族ポリエステルが開示されている。これらの
全芳香族ポリエステルはハイドロキノンを全ヒド
ロキシ成分に対し50〜30モル%と比較的多量に用
いているにもかかわらず比較的高い融点を有して
いる点で特徴的であり、また、有機溶媒に溶解し
難い性質を有している。 [発明の目的] 本発明の目的は、新規な溶融異方性を示す全芳
香族ポリエステルを提供することにある。 本発明の他の目的は、溶融異方性を示すにもか
かわらず比較的融点および流動開始温度が低く、
光学的異方性溶融物から容易に溶融成形すること
ができる、新規な溶融異方性全芳香族ポリエステ
ルを提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、溶融成形のみなら
ず溶液成形が可能な有機溶媒に対し、優れた溶解
性を示す全芳香性ポリエステルであり、それ故、
成形法の相違に基づく性能の制御を行うことの可
能な成形性の優れた全芳香族ポリエステルを提供
することにある。 本発明のさらに他の目的は、他方では、溶融成
形が容易であり、しかも有機溶媒または無機溶媒
に対して優れた耐溶剤性を示す全芳香族ポリエス
テルを提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、溶融成形によつて
優れた機械的性質、例えば強度、ヤング率等を示
す成形品を与えることのできる、新規な全芳香族
ポリエステルを提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、高温における機械
的性質の保持率の高い成形品を与える、熱安定性
の優れた全芳香族ポリエステルを提供することに
ある。 本発明のさらに他の目的は、比較的融点および
流れ開始温度が低く、それ故溶融成形温度を比較
的低くすることができ、成形時の加熱による熱劣
化あるいは酸化劣化を極力抑制して優れた性能を
備えた成形品を与える、全芳香族ポリエステルを
提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、比較的融点および
流れ開始温度が低く、それ故重合体を製造する際
の重合温度を比較的低くすることができ、重合体
製造時の熱劣化あるいは酸化劣化を極力抑制した
高重合体の全芳香族ポリエステルを提供すること
にある。 本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明
らかとなろう。 [発明の構成、効果] 本発明のかかる目的および利点は、本発明によ
れば、ポリエステルの構成単位が実質的に下記
[]と[]、または下記[]と[]と
[]とからなる芳香族ポリエステルであつて、 −CO−Ar′−CO− ……[] [ここでAr′はP−配向性のベンゼンまたはナフ
タレンである。] [ここで、Xは
【式】で示される 炭素数7〜10のアラルキル基であり、Rは水素ま
たは炭素数1〜3のアルキル基である。] [ここで、Yは炭素数1〜4のアルキル基または
ハロゲン原子であり、nは0または1である。] かつ全酸成分中における上記[]の割合が約90
モル%以上であり、 かつ全ジオール成分中における上記[]の割合
で約80モル%以上であり、 そして、全構成単位中の上記[]が含まれる場
合は全オキシカルボン酸成分中の約70モル%以上
が上記[]であり、かつ上記[]と[]は
いずれも全構成単位の少なくとも約9モル%以上
であり、該ポリマーの固有粘度が0.8以上である
ことを特徴とする 繊維またはフイルム形成性の溶融異方性全芳香族
ポリエステルによつて達成される。 ここで上記[],[],[]はそれぞれ芳香
族ジカルボン酸に由来する単位(a)、芳香族ジヒド
ロキシ化合物に由来する単位(b)、P−配向性芳香
族オキシカルボン酸に由来する単位(c)である。全
構成単位中に上記[]が含まれる全芳香族ポリ
エステルは、上記[]を主たる構成単位として
含有している点で上記[]の全芳香族ポリエス
テルと異なつているが、いずれの全芳香族ポリエ
ステルも上記[]および[]の単位特に本発
明の特徴の一つである。
【式】(ここで、Rは水素または 炭素数1〜3のアルキル基である)で示される炭
素数7〜10のアラルキル基で核置換されたモノ置
換ハイドロキノンに由来する単位を含有する点で
共通しており、また、いずれの全芳香族ポリエス
テルの分子鎖が直線性に優れ、光学異方性溶融物
を与える点においても共通している。 本発明の全芳香族ポリエステルを形成する芳香
族ジカルボン酸に由来する単位(a)は、p−配向性
芳香族ジカルボン酸に由来する単位によつてその
約90モル%以上を占められている。ここでp−配
向性芳香族ジカルボン酸とは、芳香核に結合して
いる2個のカルボキシル基が1,4−フエニレ
ン、1,4−ナフチレンの如く芳香核上に同軸的
に反対位置に配置しているか、または1,5−ナ
フチレン、2,6−ナフチレンの如く複数のベン
ゼン環が直接縮合または結合している該複数のベ
ンゼン環からなる芳香核上に平行軸的に反対位置
または対称位置に配置している芳香族ジカルボン
酸をいう。 p−配向性芳香族ジカルボン酸としては、例え
ばテレフタル酸、クロルテレフタル酸、ブロムテ
レフタル酸、2,5−ジブロムテレフタル酸、メ
チルテレフタル酸の如きテレフタル酸類;1,4
−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
の如きナフタレンジカルボン酸類を挙げることが
できる。これらは1種または2種以上一緒に用い
られる。これらのうち、テレフタル酸類、特にテ
レフタル酸が好ましい。 本発明の全芳香族ポリエステルを形成する芳香
族ジヒドロキシ化合物に由来する単位(b)は、
【式】(ここで、Rは水素または 炭素数1〜3のアルキル基である)で示される炭
素数7〜10のアラルキル基で核置換されたモノ置
換ハイドロキノンに由来する単位を約80モル%以
上で含有する。 Rの炭素数1〜3のアルキル基としては、例え
ばメチル、エチル、プロピル等を挙げることがで
きる。 かかるモノ置換ハイドロキノンは、ハイドロキ
ノンと相当するアルコールまたはビニル性二重結
合を有する不飽和化合物とを、リン酸または硫酸
等の酸性触媒の存在下、芳香族炭化水素、例えば
ベンゼン中で加熱反応せしめる、それ自体公知の
方法によつて製造することができる。 上記芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する単位
(b)は、モノ置換ハイドロキノンに由来する単位以
外の置換ハイドロキノンを約20モル%以上で含有
していてもよい。かかるその他の置換ハイドロキ
ノンは、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、
例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、
デシル等、あるいは炭素数9〜10の第3級アラル
キル基、例えば2−フエニルプロプ−2−イル、
2−(p,m−またはo−クロロフエニル)プロ
プ−2−イル、2−(p−,m−またはo−フル
オロフエニル)プロプ−2−イル、2−(p−ブ
ロモフエニル)プロプ−2−イル、2−(p−ヨ
ードフエニル)プロプ−2−イル等、あるいは炭
素数11以上のアラルキル基、例えば2−(ナフト
−1−または−2−イル)プロプ−2−イル、2
−[4−,3−または2−(2−C1〜3アルキル−プ
ロプ−2−イル)フエニル]−プロプ−2−イル
等、あるいはハロゲン原子、例えばクロロまたは
ブロモによつて置換されたハイドロキノンであ
る。 かかる置換ハイドロキノンとしては、例えばメ
チルハイドロキノン、エチルハイドロキノン、t
−ブチルハイドロキノン、クロロハイドロキノ
ン、ブロモハイドロキノン、2−t−アミルハイ
ドロキノン、2−t−ヘキシルハイドロキノン、
2−t−ヘプチルハイドロキノン、2−t−オク
チルハイドロキノン、2−t−ノニルハイドロキ
ノン、2−t−デシルハイドロキノン、2−(2,
5,5−トリメチルヘキシル−2−イル)ハイド
ロキノン、2−(2,6,6−トリメチルヘプチ
ル−2−イル)ハイドロキノン、2−sec−アミ
ルハイドロキノン、2−sec−ヘキシルハイドロ
キノン、2−sec−ヘプチルハイドロキノン、2
−sec−オクチルハイドロキノン、2−(6,6−
ジメチルヘプト−2−イル)ハイドロキノン;2
−(2−フエニルプロプ−2−イル)ハイドロキ
ノン、2−[2−(4−メチルフエニル)プロプ−
2−イル]ハイドロキノン、(ジフエニルメチル)
ハイドロキノン、(フエニル4−トリメチル)ハ
イドロキノン、(フエニル2−ブチルフエニルメ
チル)ハイドロキノン、(1−ナフチルメチル)
ハイドロキノン、(2−ナフチルメチル)ハイド
ロキノン、(トリフエニルメチル)ハイドロキノ
ン、(α,α−ジフエニルエチル)ハイドロキノ
ン、(α,α−ジフエニル−n−プロピル)ハイ
ドロキノン、(α−1−ナフチルエチル)ハイド
ロキノン、(α−2−ナフチルエチル)ハイドロ
キノン、シクロペンチルハイドロキノン、(1−
エチルシクロペンチル)ハイドロキノン、シクロ
ヘキシルハイドロキノン、(1−メチルシクロヘ
キシル)ハイドロキノン、(1−ブチルシクロヘ
キシル)ハイドロキノン、(4−ブチルシクロヘ
キシル)ハイドロキノン等を挙げることができ
る。 上記置換ハイドロキノンは置換アルキル基また
はアラルキル基がハイドロキノン骨格に3級炭素
原子によつて結合しているものがより好ましい。 3級炭素原子によつてハイドロキノン骨格に結
合している、かかる置換基を持つモノ置換ハイド
ロキノンに由来する単位を有する本発明の全芳香
族ポリエステルは、高温度における酸化安定性お
よび耐溶剤性に優れている。 上記(b)の単位は前述の如くモノ置換ハイドロキ
ノンに由来する単位が約80モル%以上を占める
が、またはモノ置換ハイドロキノンおよびモノ置
換ハイドロキノン以外の置換ハイドロキノンに由
来する単位の合計量が約80モル%以上を占めるこ
とが必要である。上記(b)単位の約20モル%以下
は、それ故未置換ハイドロキノン以外のその他の
芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する単位が占め
ることができる。 かかるその他の芳香族ジヒドロキシ化合物とし
ては、例えば、レゾルシン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフエニル)プロパン、ビス(4−ヒド
ロキシフエニル)スルホン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフエニル)シクロヘキサン、4,4′−
ジヒドロキシジフエニル、4,4′−ジヒドロキシ
ジフエニルエーテル、4−t−ブチルレゾルシン
等を挙げることができる。 上記芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する単位
(b)は、本発明によれば、上記モノ置換ハイドロキ
ノンに由来する単位から実質的に成るか、または
上記モノ置換ハイドロキノンに由来する単位と上
記モノ置換ハイドロキノン以外の置換ハイドロキ
ノンに由来する単位とから実質的に成るのが好ま
しい。 本発明の全芳香族ポリエステルを形成するp−
配向性芳香族オキシカルボン酸に由来する単位(c)
は、p−ヒドロキシ安息香酸および/またはモノ
置換p−ヒドロキシ安息香酸に由来する単位を約
70モル%以上で含有する。 置換p−ヒドロキシ安息香酸としては、例えば
炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、ブチルあるいはハロゲン原子、例
えばクロロ、ブロモ等によつて置換されたp−ヒ
ドロキシ安息香酸が好ましく用いられる。例え
ば、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−
ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジク
ロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メチル−4
−ヒドロキシ安息香酸、3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ安息香酸等を挙げることができる。 上記70モル%以上で含有される単位としては、
p−ヒドロキシ安息香酸に由来する単位がより望
ましい。 p−ヒドロキシ安息香酸および/またはモノ置
換p−ヒドロキシ安息香酸に由来する単位は、好
ましくは、単位(c)の約80モル%以上、より好まし
くは約90モル%以上を占める。 また、上記単位(c)は、p−ヒドロキシ安息香酸
および/またはモノ置換p−ヒドロキシ安息香酸
に由来する単位から実質的に成るのが特に好まし
い。 上記単位(c)は、約30モル%以下でp−ヒドロキ
シ安息香酸および/またはモノ置換p−ヒドロキ
シ安息香酸に由来する単位以外のp−配向性芳香
族オキシカルボン酸に由来する単位を含有するこ
とができる。 ここで、p−配向性芳香族オキシカルボン酸と
は、芳香族に結合しているヒドロキシル基または
そのヒドロキシル基から誘導された基とカルボキ
シル基との関係が、先にp−配向性芳香族ジカル
ボン酸について記述した2個のカルボキシル基の
関係と同様であるものをいう。その他のp−配向
性芳香族オキシカルボン酸としては、例えばp−
(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、p−(4−
ヒドロキシフエノキシ)安息香酸、4−ヒドロキ
シ−1−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸、p−(4−ヒドロキシフエニル)安息香
酸等を挙げることができる。 本発明の溶融異方性全芳香族ポリエステルは、
上記(a)および(b)の単位から実質的に成るか、また
は上記(a),(b)および(c)の単位から実質的に成る。
(c)の単位を含む後者の全芳香族ポリエステルは、
前記したp−配向性芳香族ジカルボン酸に由来す
る単位および
【式】(ここで、Rは前記定義と 同じ)で示される炭素数7〜10のアラルキル基で
置換されたモノ置換ハイドロキノンに由来する単
位をいずれも全構成単位の少なくとも約9モル
%、好ましくは約20モル%、より好ましくは約30
モル%を含有する。 本発明の全芳香族ポリエステルは、当該技術分
野でよく知られているように、等当量のヒドロキ
シル基とカルボキシル基とが反応して主鎖を形成
するエステル結合を生成したものであるから、実
質的に上記(a)単位と上記(b)単位とを等当量で含有
している。 従つて、例えばテレフタル酸10モル、2−α−
フエネチルハイドロキノン10モルおよびp−オキ
シ安息香酸90モルとから形成された、上記(c)単位
を含む全芳香族ポリエステルは、テレフタル酸に
由来する単位(a)および2−α−フエネチルハイド
ロキノンに由来する単位(b)をいずれも全構成単位
(110モル)に対し約9モル%で含有することにな
る。 本発明の全芳香族ポリエステルは、上記の如き
構成成分から理解されるとおり、分子鎖は直線性
に優れ、その溶融物は光学的異方性を有する。本
発明の全芳香族ポリエステルは、それにもかかわ
らず比較的低い融点と後に定義する流れ開始温
度、例えば約250〜約360℃とを有しており、それ
故溶融成形性に優れ、かつ溶融成形時に酸化分解
や熱分解による劣化から大きく保護され、優れた
種々の成形品を与えることができる。 特に本発明の全芳香族ポリエステルは有機溶
媒、例えばクロロフエノール、フエノールとテト
ラクロロエタンの混合液、p−クロロフエノール
とテトラクロロエタンの混合液、トリフルオロ酢
酸とクロロホルムの混合液およびトリフルオロ酢
酸とテトラクロロエタンの混合液等に対して溶解
性を示す。また、このような全芳香族ポリエステ
ルは、有機溶媒に対して溶解性を示すように、例
えば種々のビニル性化合物に対して親和性を示
し、それ故その成形品をビニル性化合物で処理す
ることにより成形品中にビニル化合物を導入する
ことができる。このことは、本発明の全芳香族ポ
リエステルに対し、後加工によつて、さらに種々
の所望の性質、例えば寸法安定性、耐酸化性、化
学抵抗等を付与できることを意味している。 本発明の全芳香族ポリエステルは、後に定義す
る方法に従つてp−クロロフエノールとテトラク
ロロエタンの混合溶媒中の溶液として測定した固
有粘度が、好ましくは0.8以上であり、より好ま
しくは2.0以上、特に好ましくは3.0以上である。 本発明における“溶融異方性”とは、ポリマー
が溶融状態にあつても光学的に異方性を示すこと
を意味する。例えば、特開昭53−109598号公報に
は溶融異方性を示す全芳香族ポリエステルの特性
が詳述してある。 本発明の溶融異方性全芳香族ポリエステルは、
実際種々の方法で製造することができる。例え
ば、アリールカーボネートの存在下で所定の成分
を加熱重縮合せしめる方法、芳香族ジカルボン
酸、芳香族ジヒドロキシ化合物およびp−配向性
芳香族オキシカルボン酸の少なくともいずれか一
つをエステルとして用い、所定の成分を加熱重縮
合せしめる方法等が挙げられる。 これらの方法に包含される好ましい実施態様
を、説明の便のため、テレフタル酸、2−α−フ
エネチルハイドロキノンおよびp−オキシ安息香
酸に由来する単位からなる本発明の全芳香族ポリ
エステルを製造する場合について以下に説明す
る。 (1) テレフタル酸とp−オキシ安息香酸にジフエ
ニルカーボネートの如きアリールカーボネート
を加え、加熱、エステル化反応を行なわせたの
ち、2−α−フエネチルハイドロキノンを加え
て加熱重縮合させる方法(以下、第1の方法と
いう) (2) p−オキシ安息香酸フエニル、テレフタル酸
ジフエニルおよび2−α−フエネチルハイドロ
キノンの混合物を加熱、重縮合させる方法(以
下第2の方法という) 第1の方法について先ず説明する。 アリールカーボネートとしては、例えばジフエ
ニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ジp
−クロルフエニルカーボネート、フエニルトリル
カーボネートおよびポリ2−α−フエネチルフエ
ニレンカーボネートの如きポリカーボネートを挙
げることができる。これらのうちジフエニルカー
ボネートが品質の安定性、純度、反応性等の点よ
り好ましく用いられる。このアリールカーボネー
トの使用量は、テレフタル酸およびp−オキシ安
息香酸の遊離カルボキシル基1当量当りカーボネ
ート結合換算値で0.9〜1.1倍当量、特にほぼ1倍
当量であることが好ましい。 反応は通常200〜300℃、好ましくは200〜280℃
の温度にて、反応によつて生成する炭酸ガスの発
生が実質的に停止するまで行なう。この反応は1
〜6時間が適当であり、好ましくは触媒の存在下
で行なう。この触媒としては、チタン化合物、例
えばチタンテトラブトキシド、シユウ酸チタニ
ル、酢酸チタン等;スズ化合物、例えば酢酸第1
スズ;その他炭酸亜鉛、酸化鉛、三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモン、三酸化ビスマス、酢酸セ
リウム、酸化ランタン、酸化リチウム、安息香酸
カリ、酢酸カルシウム、酸化マグネシウム、酢酸
マグネシウムなどの如き鉛、アンチモン、ビスマ
ス、セリウム、ランタン、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム
等の金属を含む化合物を例示することができる。
これらのうちチタン、スズおよびアンチモンを含
む化合物が、次の重縮合反応と共通して用いるこ
とができるので好ましい。触媒の使用量はテレフ
タル酸に対し0.005〜0.5モル%、さらには0.01〜
0.1モル%であることが好ましい。 このようにしてテレフタル酸とアリールカーボ
ネートの反応が終結すると、反応系内の温度を
200〜280℃に保ちつつ、テレフタル酸成分1モル
当り1.0〜1.3モル、より好ましくは1.01〜1.2モル
の2−α−フエネチルハイドロキノンを添加し、
次の重縮合反応を行なう。 重縮合反応は、実質的に無触媒でも進行する
が、従来公知のエステル交換触媒を用いて行なう
のが好ましい。このエステル交換触媒のうち好適
なものとしてカルシウム、マグネシウム、ストロ
ンチウム、バリウム、ランタン、セリウム、マン
ガン、コバルト、亜鉛、ゲルマニウム、スズ、
鉛、アンチモン、ビスマスなどの金属を含む化合
物を例示でき、さらにその具体例として酢酸マグ
ネシウム、安息香酸カルシウム、酢酸ストロンチ
ウム、プロピオン酸バリウム、炭酸ランタム、酸
化セリウム、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸
亜鉛、酸化ゲルマニウム、酢酸第1スズ、酸化
鉛、三酸化アンチモン、三酸化ビスマスなどを例
示できる。 これらのエステル交換(重縮合)触媒とともに
安定剤を使用することも好ましい。好ましい安定
剤の例は、従来公知の3価もしくは5価のリン化
合物またはそのエステル類であり、例えば亜リン
酸、リン酸、フエニルホスホン酸、メチルホスホ
ン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、
ブチルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、トリメ
チルホスフアイト、トリメチルホスフエート、ト
リエチルホスフエート、トリブチルホスフエー
ト、トリフエニルホスフアイト、トリフエニルホ
スフエート、ジエチルフエニルホスホネート、ジ
メチル−(メチル)ホスホネート、ジメチル−(エ
チル)ホスホネート、ジメチル(ベンジル)ホス
ホネートなどを挙げることができる。かかる安定
剤は、ポリマーの溶融安定性、色調を改良する
が、触媒の種類によつては該重縮合触媒を不活性
化する。しかして触媒を不活性化する場合には、
安定剤は重縮合反応終了後に加えることが好まし
い。アンチモンまたはゲルマニウムを含む重縮合
触媒は安定剤によつて不活性化されないので、該
触媒を用いる場合には安定剤は重縮合反応の最初
から加えることができる。 これらエステル交換(重縮合)触媒の使用量
は、テレフタル酸とp−オキシ安息香酸の合計モ
ル数の0.005〜0.5モル%、さらには0.01〜0.1モル
%であることが好ましい。また安定剤の量(p)は上
記重縮合触媒の使用量(Nモル)に対し、0.8<
P/N<1.5(但し、P:安定剤のモル)使用する
のが好ましい。 かかる量の触媒、場合によつては安定剤および
2−α−フエネチルハイドロキノンを反応系に添
加したのち、反応系を例えば250〜300℃として常
圧下反応を行ない、生成するモノヒドロキシ芳香
族化合物、例えばフエノールを系外に溜出せしめ
て重縮合を進行せしめる。重縮合反応は生成する
モノヒドロキシ芳香族化合物を系外に溜出せしめ
つつ、最初は常圧下、次いで減圧下で行なう。 常圧下の反応は反応温度を逐次上昇せしめて実
施するのが好ましい。かかる常圧下の反応は芳香
族モノヒドロキシ化合物を溜出させうる限り、で
きるだけ低い反応温度で進行せしめるのが好まし
い。例えば、250℃以下の温度でも重縮合反応は
ゆつくりと進行するが、このような温度では生成
する芳香族モノヒドロキシ化合物がほとんど反応
系外に溜出しないので、重縮合反応はまもなく平
衡に達してしまう。 従つて、実際的には260℃程度の反応温度から
重縮合反応を始めて次第に昇温し、芳香族モノヒ
ドロキシ化合物の理論溜出量の約35〜60%に達し
た時点で290℃程度の反応温度とするのが好まし
い。反応温度を最初より290℃あるいはそれ以上
の高温に設定して反応を進行せしめると、ゲル化
等の好ましくない副反応を引き起こすことがあ
る。かかる量の芳香族モノヒドロキシ化合物が系
外に溜出した後、次いで反応系を減圧にし、さら
に生成する芳香族モノヒドロキシ化合物を系外に
溜出せしめつつ、次第に減圧度および反応温度を
高め最終的に1mmHg程度あるいはそれ以下の圧
力下、320〜370℃の反応温度で反応せしめて所定
の重合度のポリマーを生成せしめることが好まし
い。 次に第2の方法について説明する。 p−オキシ安息香酸フエニルおよびテレフタル
酸ジフエニルは、例えばp−オキシ安息香酸また
はテレフタル酸をジフエニルカーボネートまたは
フエノールとそれ自体公知の方法に従つて反応せ
しめることにより製造することができる。 p−オキシ安息香酸フエニルおよびテレフタル
酸ジフエニルと2−α−フエネチルハイドロキノ
ンとの混合物を、加熱重縮合せしめる方法は、上
記第1の方法において記載した重縮合反応条件と
全く同様の条件下で実施することができる。 この第2の方法によれば、p−オキシ安息香酸
フエニルおよびテレフタル酸ジフエニルを高純度
の状態で2−α−フエネチルハイドロキノンと反
応せしめることができるので、得られる全芳香族
ポリエステルの品質はより向上する。第2の方法
はかかる意味において上記第1の方法よりも好ま
しい。 かくして得られた本発明の全芳香族ポリエステ
ルは、上記したとおり、溶融異方性を示すにもか
かわらず、比較的融点および流動開始温度が低
く、従つて光学的異方性溶融物から容易に溶融形
成し得る特徴を有している。 それ故、本発明によれば、本発明の溶融異方性
全芳香族ポリエステルを熱溶融せしめて光学的異
方性溶融物を形成し、該溶融物をそれ自体公知の
溶融成形法に従つてフイルムまたは繊維に変換す
ることを特徴とする、溶融異方性全芳香族ポリエ
ステルのフイルムまたは繊維を製造する方法が同
様に提供される。 従来公知の溶融異方性全芳香族ポリエステルは
一般に比較的融点および流動開始温度が高く、そ
れ故、該ポリエステルの熱分解温度を避けて安定
な溶融物を形成できる温度範囲が非常に狭く、ま
た比較的高い溶融粘度を示す溶融物を与えるた
め、溶融成形法に従つて優れた機械的性質を示す
成形品を与えることは困難であるか不可能であつ
た。 本発明によれば、全芳香族ポリエステルは融点
と分解温度の間の温度に加熱されて光学的異方性
溶融物を形成する。一般に、加熱温度は全芳香族
ポリエステルの流れ開始温度と融点より約50℃高
い温度との間とするのが好ましい。 本発明の全芳香族ポリエステルは、好ましくは
流れ開始温度が約250〜約360℃の間にあるから、
例えばかかる全芳香族ポリエステルは、例えば約
400℃より低い温度で実施できる。一般には、約
300℃〜約400℃の温度が好ましく採用される。 本発明方法によれば、本発明の全芳香族ポリエ
ステルから種々の形態の成形品を製造することが
できる。より具体的に説明すれば、例えば繊維は
全芳香族ポリエステルを例えば300〜400℃で溶融
し、紡糸口金より押出してドラフト率5〜500、
巻取速度10〜500m/minで巻取ることにより得
ることができる。得られたポリエステル繊維は、
必ずしも延伸、熱処理に付す必要はない。溶融紡
糸し巻取るだけで、例えば強度5g/de以上、
ヤングr率2500Kg/mm2以上の高強度、高ヤング率
の繊維を得ることができる。この繊維を繊維の形
態を保持して、例えば200〜300℃で約10時間熱処
理すれば、強度をさらに数倍の値にまで高めるこ
とができる。この繊維はタイヤコード、ゴム補強
材、フイラー、その他耐熱性工業資材等に有利に
用いることができる。 また、フイルムは例えば300〜400℃でダイより
溶融押出し、ドラムに巻取ることによつて得るこ
とができる。フイルム成形機は、従来公知の装置
を使用することができる。押出時のドラフトは1
〜50、好ましくは1〜10である。ドラム上に押し
出されたフイルムは常温で放冷してもよく、また
水中で急冷してもよい。かくして得られたポリエ
ステルフイルムは、次いで必要により二軸延伸す
ることができる。二軸延伸はそれ自体公知の方法
および装置を用いて行なうことができる。通常、
二軸延伸は機械軸方向およびそれと直角方向にい
ずれも約1.1〜約5倍に延伸することにより実施
できる。延伸は約150〜約250の温度で実施するこ
とができる。 本発明方法により得られたフイルムは、未延伸
フイルムでさえ、例えば約30Kg/mm2以上の強度、
約700Kg/mm2以上のヤング率を示す。 高い強度、ヤング率を示すかかる本発明のフイ
ルムは、それらの優れた機械的性質を利用して、
例えば磁気テープ用フイルム、金属蒸着用フイル
ム、フレキシブルプリント配線用フイルム、電気
絶縁用フイルム等として用いることができる。 本発明の全芳香族ポリエステル、就中ハイドロ
キノン骨格に1級または2級の炭素原子で結合し
ている置換基を有しているモノ置換ハイドロキノ
ンに由来する単位を含有する全芳香族ポリエステ
ルは、前記のとおり、有機溶媒に溶解性を示すの
で、有機溶媒中のドープを調製し、それ自体公知
の例えば流延法に従つてフイルムに変換すること
もできる。 このようにして製造したフイルムもまた上記溶
融成形法によつて得られたフイルムと同様に、高
い強度とヤング率とを有している。 [実施例] 以下、実施例によつて本発明を説明する。なお
実施例中「部」とあるのはすべて「重量部」であ
る。また、本発明における固有粘度は全芳香族ポ
リエステル10mgを10mlの混合溶媒(p−クロロフ
エノール/テトラクロロエタン=1/1vol/vol
混合物)に溶解し、50℃で相対粘度(ηr)をオス
トワルド粘度計により求め、下記式で求めた。 固有粘度=ln ηr/0.1 また、流れ開始温度は全芳香族ポリエステルを
口径0.5mm、長さ4mmの口金を備えた高化式フロ
ーテスターに入れ、60Kg/cm2の加圧下に毎分約2
℃で昇温し、該ポリエステルが口金より流出を開
始する温度として求めた。 さらにまた、比重は、ポリマーを200℃で3時
間加熱処理して結晶化させ、四塩化炭素−n−ヘ
キサン混合溶媒を用いて比重瓶で測定した。 さらに、耐加水分解性は、ポリマー1.0gを240
℃の温度で15時間熱処理して結晶化させたのち、
10mlの蒸留水とともに封管し、次いで120℃の温
度で48時間熱処理し、該加熱処理前の固有粘度
(ηinh)。と処理後の固有粘度(ηinh)を求め下記
式より求めた。 耐加水分解性(%)={(ηinh)/(ηinh)0
×100 実施例 1 テレフタル酸ジフエニル 318部 モノメチルベンジルハイドロキノン 225部 三酸化アンチモン 0.1部 を常圧下260℃で30分、270℃で30分、さらに290
℃で30分フエノールを留去しつつ反応せしめた。
次いで次第に昇温しつつ、かつ20分間に100mmHg
ずつ減圧度を高めつつフエノールを留去して重縮
合反応を行ない、最後に約1mmHgの高真空下360
℃で20分重縮合を行なわせた。 得られたポリエステルの流れ開始温度は345℃、
固有粘度は3.55であつた。 このポリエステルを380℃で溶融し、口径0.3mm
の口金を持つ紡糸機を用いて押出し、毎分50mの
速度でドラフト20で巻取つた。得られた繊維の繊
度は40デニール、強度6.2g/de、ヤング率5000
Kg/mm、伸度2.4%であつた。また、ポリエステ
ルの比重は1.200、耐加水分解性は95%であつた。 また、このポリエステルを370℃で溶融成形し
た成形品の熱変形温度(熱変形温度の測定は
ASTMNO D−648)は300℃以上であり、極め
て高い熱変形温度を有する。 実施例 2〜4 第1表に示す組成の原料を使用し、実施例1と
同様にしてポリエステルを製造し、さらに溶融紡
糸、成形した。
【表】 得られたポリエステル成形品の熱変形温度、粘
度および糸物性は第2表の如くであつた。
【表】 実施例 5〜7 第3表に示す組成の原料を使用し、実施例1と
同様にしてポリエステルを製造した。
【表】 得られたポリエステルの粘度、成形品の熱変形
温度および糸物性は第4表の如くであつた。
【表】 実施例 8〜10 約1mmHgの高真空下で温度を330℃とする以外
は実施例1と同様に行なつて、第5表に示すポリ
エステルを得た。
【表】
【表】 註)表中の実施例のポリエステルは、それぞれ表中
に記載された各構成単位を等モル量で
含有している。
実施例 11 実施例9で得られた固有粘度1.9のポリエステ
ルを約10〜16メツシユに粉砕し、200℃から290℃
まで5時間を要して徐々に昇温し、かつ290℃で
5時間加熱して窒素気流中で固相重合せしめ、固
有粘度6.4のポリマーを得た。 このポリマーをp−クロロフエノール対1,
1,2,2−テトラクロロエタンが6対4(重量
比)の混合溶媒中に140℃で溶解し、ポリマーに
ついて3重量%のドープを調製した。 このドープをガラス板上に流延し、そのまま多
量のアセトン中に浸漬して溶媒の大部分を除去
し、自立性のあるフイルム状物とした。次いで、
このものを金枠で固定し、真空下、60℃で5時
間、100℃で5時間、さらに150℃で5時間乾燥、
熱処理し、厚さ約30μのフイルムを得た。 得られたポリエステルフイルムの物性を第6表
に示す。
【表】 実施例 12 テレフタル酸ジフエニル 318部 ベンジルハイドロキノン 220部 三酸化アンチモン 0.1部 を常圧下、260℃で30分、270℃で30分、さらに
290℃で30分フエノールを留去しつつ反応せしめ
た。次いで次第に昇温しつつ、かつ20分間に100
mmHgずつ減圧度を高めつつ、フエノールを留去
して重縮合反応を行ない、最後に約1mmHgの高
真空下330℃で20分重縮合を行なわせた。 得られたポリエステルを約10〜16メツシユに粉
砕し、200℃から290℃まで5時間を要して徐々に
昇温し、かつ290℃で5時間加熱して窒素気流中
で固相重合せしめ、固有粘度7.1のポリマーを得
た。 このポリマーを用いて実施例11と同様にしてド
ープを調整し、さらにフイルムを得た。 得られたポリエステルフイルムの物性を第7表
に示す。
【表】 実施例 13 2−α−フエネチルハイドロキノン 218部 ジフエニル2,6−ナフタレンジカルボン酸
368部 三酸化アンチモン 0.1部 を常圧下260℃/30分、次いで270℃/30分、さら
に290℃/30分間フエノールを系外に留去させつ
つ反応せしめ、次いで温度を340℃まで徐々に上
げつつ、系内を減圧とし、30分後には1mmHgの
減圧とし、さらに20分反応させた。 得られたポリエステルの流れ開始温度は335℃、
固有粘度は1.6であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリエステルの構成単位が実質的に下記
    []と[]、または下記[]と[]と
    []とからなる芳香族ポリエステルであつて、 −CO−Ar′−CO− ……[] [ここでAr′はP−配向性のベンゼンまたはナフ
    タレンである。] [ここで、Xは【式】で示される 炭素数7〜10のアラルキル基であり、Rは水素ま
    たは炭素数1〜3のアルキル基である。] [ここで、Yは炭素数1〜4のアルキル基または
    ハロゲン原子であり、nは0または1である。] かつ全酸成分中における上記[]の割合が約90
    モル%以上であり、 かつ全ジオール成分中における上記[]の割合
    で約80モル%以上であり、 そして、全構成単位中の上記[]が含まれる場
    合は全オキシカルボン酸成分中の約70モル%以上
    が上記[]であり、かつ上記[]と[]は
    いずれも全構成単位の少なくとも約9モル%以上
    であり、該ポリマーの固有粘度が0.8以上である
    ことを特徴とする 繊維またはフイルム形成性の溶融異方性全芳香族
    ポリエステル。
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