JPH0359404B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、焦点可変カメラ，ズームレンズな
どレンズ間隔を可変にできるレンズ系のレンズ繰
り出し装置に関するものである。

従来の技術 従来よりレンズ繰り出しには、ヘリコイドネジ
の噛み合わせや、カム孔による案内で、鏡胴の軸
方向の回転動作を光軸方向の動作に変えて行なう
方法がある。とりわけ、カムを用いる方法はカム
筒の回転角とレンズの繰り出し量を任意に選べる
ことから、複雑な動作を要求されるズーム系によ
く用いられる。第３図は一般的はズームレンズ系
のレンズ繰り出し機構を簡略化して分解斜視図に
より示したものである。本体１は側面に切り欠き
穴２をする筒でカメラ本体（図示せず）に固定さ
れるものであり、本体の内側には、カム孔３を有
するカム筒４が嵌合されるとともに、カム筒の内
側を通つてガイドポール５ａ，５ｂの一端が固定
される。一方のガイドポール５ａはレンズ枠６の
スリーブ７の穴８と嵌合し、他方のガイドポール
５ｂはレンズ枠６の切り欠き９と係合して、レン
ズ枠６を光軸方向に移動可能に支持して、ガイド
ポール支持板１０の穴１１ａ，１１ｂに嵌合し、
ナツト１２ａ，１２ｂにより締結される。ガイド
ポール支持板１０は別の手段により本体１に固定
される。１３はレンズ枠６に固定されるべきレン
ズである。ガイドポール５ａ，５ｂに支持された
レンズ枠には、カムホロア取付穴１４が形成され
ている。このカムホロア取付穴１４には、カム孔
３と一致する位置で、カム孔３に係合するカムホ
ロア１５がネジ１６により固定されており、これ
によりレンズ枠６とカム筒４とは力学的な接続を
得る。カム筒４は、本体１の切り欠き穴２と一致
する位置に設けられた取付穴１７に、切り欠き穴
２と係合するホロア（図示せず）を固定すること
により本体と光軸方向の動きが規制され、光軸を
中心とした回転を所定の範囲内で可能にする。

上記構成により、カム筒４を回動すると、カム
ホロア１５に動力が伝わり、レンズ枠６にも回動
しようとする力が作用するが、ガイドポール５
ａ，５ｂが本体と締結されているため、レンズ枠
６は回転しない。この時、カム筒４のカム孔３の
カム面１８に対してもカムホロア１５が押圧され
る。その結果、カム孔３の傾斜により、光軸方向
の分力が発生し、レンズ枠６は光軸方向に付勢さ
れる。その時にレンズ枠６のスリーブ７の穴８と
ガイドポール５ａの押圧状態における摩擦力と、
切り欠き９とガイドポール５ｂの押圧状態におけ
る摩擦力とを加えた力より、レンズ枠６を光軸方
向に付勢する力が大きければレンズ枠６が光軸方
向に繰り出される。

一般的にズーム系のレンズ群は二つに別かれて
それぞれ異なる動きをするので、ガイドポールを
更に一本増し、カム孔とレンズ枠も一つ増して、
カム筒の回転により同時に二つのレンズ枠を駆動
するが、原理的に同じであるので一方を省略し
た。

発明が解決しようとする問題点 上記構成においては次のような問題点がある。

レンズ枠に、スリーブや、切り欠きを設ける
必要があるので、レンズ枠の大きさに比べ、か
なり小さいレンズしか収めることができない。
従つてレンズ繰り出し機構全体が大きくなる。

レンズ枠を案内するガイドポールは、レンズ
枠、ならびにガイドポール支持板を組み立てた
後でなければしつかりと固定できないので、レ
ンズ枠を組立る時はガイドポールの先端の位置
が定まりにくく、従つてレンズ枠の組み立てが
難しい。

そこで、本発明は、コンパクトで組み立てが容
易なレンズ繰り出し装置を提供することを目的と
するものである。

問題点を解決するための手段 そして上記問題を解決するための技術的手段
は、光軸方向に案内溝を有する案内筒と、案内筒
と円周方向に回転自在に嵌合しかつカム孔を有す
るカム筒と、カム筒と光軸方向に移動可能に嵌合
してレンズを係止するレンズ枠と、前記案内溝と
カム孔に係合する球状のカムホロアよりなり、前
記レンズ枠の外周に、前記球状のカムホロアの係
合する凹部を設けたことを特徴とするものであ
る。

作 用 球体のカムホロアは案内溝，カム孔，レンズ枠
の凹部により支持されているので、カム筒が案内
筒に対して回動すると、案内溝とカム孔が一致す
る位置に球状のカムホロアが常に駆動される。案
内溝は光軸方向に設けられている案内筒に対し球
状のカムホロアは光軸方向にのみ移動可能であ
る。一方、レンズ枠はカム筒と光軸方向に移動可
能に嵌合しているので、球状のカムホロアが光軸
方向に移動することによりレンズ枠が光軸方向に
繰り出される。

実施例 以下本発明の一実施例を示す添付図面に基いて
説明する。分解斜視図で示した第１図において、
１９はカメラ本体や他のレンズユニツト（ともに
図示せず）に装着されるべき案内筒であり、側面
に光軸Ａ−A′に沿つた案内溝２０と、円周方向
にのびる長孔２１を有している。カム筒２２は案
内筒１９の内側に嵌合し、長孔２１とネジ穴２３
が一致する位置でネジ３４が前記ネジ穴２３に係
止され、カム筒２２は案内筒１９に対して円周方
向に長孔２１の範囲で回転自在であるが、光軸方
向にはネジ３４が長孔２１としつくり嵌合してい
るため規制される。カム筒２２にはカム孔２４が
設けられている。レンズ枠２５には内面の段差部
２６とＣクリツプ２７とで狭んでレンズ２８が取
り付けられるものであり、レンズ枠２５の外周に
は小さな凹部２９が光軸方向に離れて２ケ所、円
周方向を３等分した位置に合計６ケ所設けられて
おり、大きな凹部３０が中央部に１ケ所設けられ
ている。小さな凹部２９には、カム筒２２の内面
とレンズ枠２５を摺動自在に嵌合させるための球
３１が収められる。またレンズ枠２５の大きな凹
部３０とカム孔２４と案内溝２０の３者が一致し
た位置に、球状のカムホロア３２が嵌合してい
る。第２図は第１図に示す各要素が組み立てられ
た状態での光軸に垂直な断面の断面図である。案
内筒１９の案内溝２０は球状のカムホロア３２の
曲率と概ね一致した曲率の円弧の断面形状を有し
ており、同様にレンズ枠２５の大きな凹部３０は
球状のカムホロア３２の曲率と概ね一致した曲率
の球面で形成されている。従つて案内筒１９，カ
ム筒２２及びレンズ枠２５の寸法を正しく選ぶこ
とにより球状のカムホロア３２と案内溝２０と大
きな凹部３０はしつくりと係合する。またレンズ
枠２５に設けられた小さな凹部２９は、球３１と
概ね同じ曲率であり、カム筒２２の内径とレンズ
枠２５の寸法を正しく選ぶことにより、レンズ枠
２５はカム筒に２２にしつくりと嵌合する。また
カム孔２４の溝巾は球状のカムホロア３２の直径
と概ね同じであり、球状のカムホロア３２の中央
部でカム孔２４が係合しているのでしつくりと係
合する。３３はレンズを通る光が通過すべき空間
である。

上記構成において、案内筒１９に対してカム筒
２２を回転させる場合、即ち外部より前記ネジ３
４を円周方向に回動させる場合には、球状のカム
ホロア３２は、カム孔２４と案内溝２０が一致す
る位置に動かされる。同時に球状のカムホロア３
２と係合しているレンズ枠２５も動かされる。案
内溝２０は光軸方向に設けられているので、球状
のカムホロア３２およびレンズ枠２５は案内溝２
０に沿つて光軸方向に動くことになる。従つて、
カム筒２２を回転するとレンズ２８が繰り出され
る構造が得られていることが理解できよう。

発明の効果 本発明は、上記構成を有するので、従来例に必
要であつたガイドポール，ガイドポール支持板，
レンズ枠に形成されるスリーブ，切り欠きなどが
不要であるので、コスト的に有利であるばかりで
なく、ペースト的にも有利であり、同じレンズ径
であれば、カム筒，案内筒の径が少さくできるの
でカメラの小型化に有利である。

更には、ガイドポールのように組立時において
先端の位置が定まらないものに対してレンズ枠を
取りつけることがなく、レンズ枠をカム筒に挿入
するだけで組み立てが可能であるのでレンズ系の
生産性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のレンズユニツトの
一部分の分解斜視図、第２図は第１図のレンズユ
ニツトの組立状態における断面図、第３図は従来
のズームレンズ系の一部分の分解斜視図である。 １９……案内筒、２０……案内溝、２２……カ
ム筒、２４……カム孔、２５……レンズ枠、２８
……レンズ、３０……凹部、３２……球状のカム
ホロア。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 光軸方向に案内溝を有する案内筒と、案内筒
   と円周方向に回転自在に嵌合し、かつカム孔を有
   するカム筒と、カム筒と光軸方向に移動可能に嵌
   合してレンズを係止するレンズ枠と、前記案内溝
   とカム孔に係合する球状のカムホロアよりなり、
   前記レンズ枠の外周に、前記球状のカムホロアの
   係合する凹部を設けてなるレンズ繰り出し装置。