JPH0352204Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈考案の分野〉 この考案は、ドアトリム、リアコーナ等自動車
用内装部品に係り、特に軽量かつ意匠性の優れた
自動車用内装部品に関する。

〈従来技術とその問題点〉 周知のように、自動車室内には、各種内装部品
が装着されているが、これら内装部品の構成とし
ては、フラツトなボード芯材等の表面にパツド材
ならびに表皮材を被覆したフラツト形状の製品が
多く、外観意匠をそれ程考慮したものではなかつ
た。

ところで、最近では意匠性を考慮して、立体感
を乗員に与えるように、合成樹脂材もしくは複合
樹脂材を立体形状に成形した内装部品が多用され
ており、例えば第４図ならびに第５図でドアトリ
ムを例にとり説明すると、まずこのドアトリム１
は、複合樹脂材を所望形状に成形した芯材２と、
この芯材２表面に一体的に貼着され、クツシヨン
層を裏打ちした表皮材３とからドアトリム本体４
を構成し、このドアトリム本体４に、さらに装飾
性を向上させるために、ほぼ中央部に中接部材５
を、また下側にカーペツト６をそれぞれ装着する
ようにしている。

そしてこの中接部材５はフラツトな鉄板芯材７
の表面にクロス材８を被覆して、このクロス材８
の周縁端末を鉄板芯材７の裏面側に折返し、接着
止め、あるいは機械止めを行ない、この中接部材
５をドアトリム本体４に取着するにあたつては、
鉄板芯材７の適宜箇所に切起こされた係止爪７ａ
をドアトリム本体４側の対応箇所に設けられた取
付孔９内に挿入した後、この係止爪７ａを折曲固
定することにより、中接部材５をドアトリム本体
４に装着するようにしている。

しかしながら、このようなドアトリム１にあつ
ては、まず中接部材５の構成が鉄板芯材７とクロ
ス材８を用いるため、中接部材５の重量が増し、
製品の軽量化という点では問題があつた。

さらに、この中接部材５の製作工程ならびにド
アトリム本体４への取付作業が面倒であり、コス
トアツプを招来する要因となつており、また中接
部材５に使用する鉄板芯材７のために、ドアトリ
ム本体４の表皮材３のクツシヨン機能が損われ、
緩衝性の悪い製品となつてしまう等の欠点が指摘
されていた。

〈考案の目的〉 この考案は、上述の事情に鑑みてなされたもの
で、本考案の目的とするところは、軽量でかつ装
飾性が優れ、加えて内装部品本体の緩衝機能を損
うことがない自動車用内装部品を提供することに
ある。

〈考案の構成と効果〉 上記目的を達成するために、本考案は、合成樹
脂材料を所望形状に成形するか、あるいは所望形
状に成形された樹脂製芯材の表面に表皮材を被覆
してなる内装部品本体の表面所望箇所に中接部材
を装着してなる自動車用内装部品において、 前記中接部材は、中接用表皮材と、この表皮材
裏面に裏打ちされ、保形性を有するバツキング材
とから構成され、内装部品本体の形状に合わせて
予備成形されているとともに、 上記内装部品本体には上記中接部材の周縁に対
応する箇所に溝部が形成され、この溝部内に中接
部材の周縁端末が挿入固定されていることを特徴
とする。

すなわち、本考案によれば、内装部品本体に装
着される中接部材として、中接用表皮材と、この
表皮材に裏打ちされるバツキング材（OVCゾル
コーテイング材、PEバツキング材、半硬質PVC
シート材、ABS樹脂シート、等の樹脂バツキン
グ材）とから構成されているものであるから、従
来の鉄板芯材、クロス材の組み合せ品を用いたも
のに比べ、著しい軽量化を図ることができる。

さらに本願にあつては、予備成形されたバツキ
ング材により中接部材は、所望形状（内装部品の
装着箇所の形状に対応する形状）にその形状が保
持されているため、このバツキング材により、形
状保持された中接部材を内装部品本体に容易に接
着固定することが可能となり、従来の中接部材の
製作工程ならびに内装部品本体への装着工程を考
えれば、極めて簡易に中接部材を装着することが
でき、大幅なコストダウンを招来するという利点
がある。

また、中接部材のバツキング材は、形状保持性
はあるものの、当然樹脂シートの持つ弾性は備え
ているため、従来の鉄板芯材のように内装部品本
体のパツド材の緩衝機能を損うことがなく、内装
部品の緩衝性は良好なものとなる。

加えて、中接部材の周縁端末は、内装部品本体
の溝部内に挿入されることにより、その端末処理
がなされ、体裁上も好ましい。

〈実施例の説明〉 以下、本考案に係る自動車用内装部品について
添付図面を参照しながら詳細に説明する。

第１図は本考案を適用して得た自動車用ドアト
リムを示す一部破断斜視図、第２図、第３図は同
じく本考案を適用した自動車用ドアトリムを示す
ものであるが、上記実施例とは別の実施例を示す
要部断面図である。

第１図において、自動車用ドアトリム１０は、
ドアトリム本体１１と、このドアトリム本体１１
の表面適宜箇所に装着される中接部材１２ならび
にカーペツト１３とから構成されている。

さらに詳細には、上記ドアトリム本体１１はポ
リプロピレン樹脂と木粉とを適宜配合比で混合撹
拌したものをＴダイ押出し成形機によりシート状
に押出し、このシートを加熱軟化させた後、コー
ルドプレス成形することにより所望の立体形状に
成形した芯材１４と、この芯材１４の表面に真空
成形等によつて一体的に貼着された表皮材１５と
から構成されている。

上記表皮材１５は適度のクツシヨン効果を得る
ため、裏面にポリエチレンフオーム等の発泡材を
裏打ちした樹脂シートから構成される。

次に、上記中接部材１２は、クロス材、カーペ
ツト等の布材からなる中接用表皮材１６と、この
中接用表皮材１６の裏面に裏打ちされたバツキン
グ材１７とから構成され、このバツキング材１７
は、PVCゾルコート、PEバツキング材、半硬質
PVCシート材、ABS樹脂シート材等から適宜選
択されて良いが、中接部材１２はドアトリム本体
１１の取付箇所に装着する前に、ドアトリム本体
１１の形状に沿つて予備成形されており、その形
状を保持する適度の保形性を上記バツキング部材
１７が備えていることが条件である。

そして、この中接部材１２をドアトリム本体１
１に取着するにあたつては、中接部材１２の裏面
側すなわちバツキング材１７の裏面に接着剤がコ
ーテイングされ、この接着剤を介してドアトリム
本体１１の接着固定がなされれば良い。

さらに、中接部材１２の周縁端末は、高周波溶
着加工、超音波溶着加工、電磁誘導加工等によ
り、その周縁に沿つてドアトリム本体１１側に押
圧固定しておけば、中接部材１２の中接用表皮材
１６の周縁がほつれるのを防止できる。

このように中接部材１２として、布材からなる
表皮材１６と、この表皮材１６の裏面に裏打ちさ
れたバツキング材１７とにより構成しているた
め、軽量化が図れるとともに、ドアトリム本体１
１の表皮材１５のクツシヨン機能を損うことがな
い等の利点がある。

更に、第２図に示すように、ドアトリム本体１
１に中接部材１２の周縁形状に沿つた箇所に溝部
１８が設けられており、この溝部１８内に中接部
材１２の周縁端末１２ａを挿入して、上述したよ
うに高周波溶着加工、超音波溶着加工、電磁誘導
加熱加工等により溶着固定する。

したがつて、特に中接部材１２の中接用表皮材
１６の周縁端末に見られる微小な凹凸やほつれ等
をこの溝部１８により隠すことができるため、特
に中接部材１２の端末処理を体裁良く行なうこと
ができるため、意匠性の優れた製品を提供するこ
とができる。

次に、第３図に示すように、ドアトリム本体１
１を合成樹脂等の射出成形体からなる単体物で形
成しても良く、この場合ドアトリム本体１１′の
表面は比較的感触が冷たい感じがするので、中接
部材１２´の占有スペースを比較的大きく設定す
れば良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を自動車用ドアトリムにて適用
した実施例を示す一部破断斜視図、第２図は第１
図同様本願を自動車用ドアトリムに適用した実施
例を示す要部断面図、第３図も同様本願を自動車
用ドアトリムに適用した第２実施例を示す要部断
面図、第４図は従来の自動車用ドアトリムの正面
図、第５図は第４図中Ｖ−Ｖ線断面図である。 １０……自動車用ドアトリム、１１……ドアト
リム本体、１２……中接部材、１４……芯材、１
５……表皮材、１６……中接用表皮材、１７……
バツキング材、１８……溝部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 合成樹脂材料を所望形状に成形するか、あるい
   は所望形状に成形された樹脂製芯材の表面に表皮
   材を被覆してなる内装部品本体の表面所望箇所に
   中接部材を装着してなる自動車用内装部品におい
   て、 前記中接部材は、中接用表皮材と、この表皮材
   裏面に裏打ちされ、保形性を有するバツキング材
   とから構成され、内装部品本体の形状に合わせて
   予備成形されているとともに、 上記内装部品本体には上記中接部材の周縁に対
   応する箇所に溝部が形成され、この溝部内に中接
   部材の周縁端末が挿入固定されていることを特徴
   とする自動車用内装部品。