JPH0347942Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は車体後部に設けられた開口部周縁に
嵌着されたウエザーストリツプの抜け止めを防止
する抜け止め防止構造に関する。

（従来の技術） 従来の自動車の車体後部に設けられた開口部の
周縁には、第４図に示すようにウエザーストリツ
プ３１が嵌着されており、開口部に設けたドア９
を閉じた際、ドア９の内側段部９ａに当接してシ
ールするようになつていた。併し、従来のウエザ
ーストリツプ３１はその内側リツプ３１ａの先端
が開口部２側に張り出したままになつていた。こ
のため、車体１の荷物室１ａに積まれた荷物１０
を取り出す際等に、荷物１０の荷物室１ａ側の角
部１０ａがリツプ３１ａ先端に当接して、このリ
ツプ３１ａを押圧して開くことがあり、このため
ウエザーストリツプ３１が開口部２の周縁から外
れるという問題があつた。

（考案が解決しようとする問題点） この考案はこのような従来の問題点に着目して
なされたもので、従来技術における問題を解決し
た自動車のウエザーストリツプの抜け止め防止構
造の提供を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、この考案の自動車
のウエザーストリツプの抜け止め防止構造は、車
体後部に設けられバツクドアの開閉により開閉さ
れる開口部のパネル接合部が後方へ突出して形成
され、かつこの接合部に縦溝を介して嵌着された
ウエザーストリツプを備えた自動車において、前
記ウエザーストリツプの縦溝内には、傾斜したと
げ状のリブ溝が側面に形成され内側端に縦溝から
直角方向に延びる係止部が形成されているととも
に、前記リブ溝に係合する抜け止めリブと前記係
止部に係合する係止部を有し前記パネル接合部に
当接状に前記ウエザーストリツプの縦溝内に装着
される挿入部と、装着された時にウエザーストリ
ツプの前記開口部側へ露出したリツプ先端部を覆
蓋する前記挿入部側へ湾曲し先端が薄肉状で弾性
のある湾曲部とを備えたプロテクターを設けたこ
とである。

（実施例） つぎに、この考案を実施例を示す図面に基づい
て説明する。

第１図、第２図において、自動車の車体１には
その後部に開口部２が設けられており、この開口
部２を形成するインナパネル３及びアウタパネル
４の各端部は略90度折曲されて後方へ突出し、一
体として固着されたフランジ部３ａ及び４ａにな
つている。そして、このフランジ部３ａ及び４ａ
部に嵌着されるウエザーストリツプ５は従来と同
様に断面が略卵形をなし、その縦の中央部には縦
溝５ａが切られて、内側リツプ５ｂと外側リツプ
５ｃが形成されている。この縦溝５ａは第４図に
示す従来のウエザーストリツプ３１と異なり、フ
ランジ部３ａ及び４ａを嵌挿するだけでなく、後
述するプロテクター６の挿入部７を嵌挿するため
に、幅が広くなつている。又、縦溝５ａはその側
面にプロテクター６の抜け止めリブ７ａの嵌着さ
れるとげ状のリブ溝５ｄが前方へ傾斜して適数設
けられている。さらに、縦溝５ａの内側端にはこ
の縦溝５ａから直角方向に伸びる係止部５ｅが設
けられている。プロテクター６はその断面が逆Ｌ
字形をした挿入部７と、この挿入部７の端部に形
成されたカバー部８とからなつている。そして、
挿入部７には前述のように抜け止めリブ７ａが形
成されており、又そのカバー部８と反対側端部は
係止部７ｂになつている。カバー部８は、第３図
に示すように、挿入部７より左方は挿入部７に対
して略直角な水平部８ａになつており、又挿入部
７より右方は挿入部７に近づく方向に湾曲した湾
曲部８ｂとなつている。そして、水平部８ａ及び
湾曲部８ｂの各先端は薄肉になつている。なお、
このプロテクター６は合成樹脂等の弾性部材によ
り製作されている。

上記の構成を有するプロテクター６を車体１の
開口部２に取りつけるには、開口部２のインナパ
ネル３のフランジ部３ａに対してプロテクター６
の挿入部７を当接させ、両フランジ部３ａ及び４
ａの端部を係止部７ｂの内側面に当接させるとと
もに、カバー部８の水平部８ａの下面をインナパ
ネル３の内側面（開口部２の内側面）に当接させ
る。

ついで、ウエザーストリツプ５をプロテクター
６の挿入部７を取りつけた両フランジ部３ａ及び
４ａに取りつける。この際、ウエザーストリツプ
５の縦溝５ａに、挿入部７及び両フランジ部３ａ
及び４ａを嵌着する。この時、プロテクター６の
挿入部７に設けた各抜け止めリブ７ａがウエザー
ストリツプ５のそれぞれのリブ溝５ｄに係合する
ので、ウエザーストリツプ５はこの部に確実に固
定される。このようにして、フランジ部３ａ及び
４ａ部に取りつけられたウエザーストリツプ５は
その外側リツプ５ｃが、プロテクター６のカバー
部８の湾曲部８ｂの内面に密接した状態で湾曲部
８ｂにより覆われるので、車室１ａ側に露出して
いない。又、プロテクター６はその挿入部７とカ
バー部８により、ウエザーストリツプ５を両フラ
ンジ３ａ及び４ａ側に確実に固定する。

上記の構成において、車室１ａに積載された荷
物１０を第２図の矢印Ａ方向に移動して開口部２
から取り出す際、荷物１０の角１０ａがプロテク
ター６の表面に当接しても、このプロテクター６
により覆われたウエザーストリツプ５の外側リツ
プ５ｃには当接しない。すなわち、荷物１０の角
１０ａがカバー部８の水平部８ａに当接した場
合、角１０ａの矢印Ａ方向の力は水平部８ａの外
側にあるインナパネル３及びアウタパネル４によ
り支持される。又、荷物１０の角１０ａが湾曲部
８ｂに当接した場合、角１０ａの矢印Ａ方向の力
は湾曲部８ｂを湾曲させる方向に作用するだけで
あり、ウエザーストリツプ５の外側リツプ５ｃを
フランジ部３ａ及び４ａから押し出す方向に作用
しない。従つて、ウエザーストリツプ５はフラン
ジ部３ａ及び４ａから押し出されることはない。

なお、上記実施例において、プロテクター６は
その挿入部７をウエザーストリツプ５の縦溝５ａ
に挿入し易くするため、カバー部８より硬質にし
てもよい。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、この考案は自
動車の車体後部に設けられた開口部に嵌着された
ウエザーストリツプのリツプ先端をカバーすると
ともにウエザーストリツプを開口部に固定するプ
ロテクターを設けることとしたので、車室から積
載物を取り出す際、積載物はプロテクターにカバ
ーされたウエザーストリツプに当ることがないの
で、開口部からウエザーストリツプの抜け出すの
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の対象となる自動車の後部
開口部の正面図、第２図は第１図の−線断面
図、第３図は第２図のプロテクターの拡大図であ
る。第４図は従来の自動車の後部開口部に取りつ
けられたウエザーストリツプを示す説明図であ
る。 １……車体、２……開口部、３……インナパネ
ル、３ａ……フランジ部（開口内周部）、４……
アウタパネル、４ａ……フランジ部（開口内周
部）、５……ウエザーストリツプ、５ｄ……リブ
溝、５ｅ……係止部、５ｃ……外側リツプ、６…
…プロテクター、７……挿入部、７……抜け止め
リブ、７ｂ……係止部、８……カバー部、８ｂ…
…湾曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体後部に設けられバツクドアの開閉により開
   閉される開口部のパネル接合部が後方へ突出して
   形成され、かつこの接合部に縦溝を介して嵌着さ
   れたウエザーストリツプを備えた自動車におい
   て、前記ウエザーストリツプの縦溝内には、傾斜
   したとげ状のリブ溝が側面に形成され内側端に縦
   溝から直角方向に延びる係止部が形成されている
   とともに、前記リブ溝に係合する抜け止めリブと
   前記係止部に係合する係止部を有し前記パネル接
   合部に当接状に前記ウエザーストリツプの縦溝内
   に装着される挿入部と、装着された時にウエザー
   ストリツプの前記開口部側へ露出したリツプ先端
   部を覆蓋する前記挿入部側へ湾曲し先端が薄肉状
   で弾性のある湾曲部とを備えたプロテクターを設
   けたことを特徴とする自動車のウエザーストリツ
   プの抜け止め防止構造。