JPH0332237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、住宅等の建造物の壁に設けられる上
下開閉式窓構造に関する。

（従来の技術） 従来の上下開閉式窓構造としては、例えば、第
５図に記載されているようなものが知られてい
る。

この従来の上下開閉式窓構造は、壁の開口縁に
固着される窓枠０１と、該窓枠０１に引き違いに
嵌め込まれる窓０２，０２と、該窓０２，０２を
上下滑動させる滑動手段０３と、を備え、該滑動
手段０３が外壁材０４と内壁材０５との間隙に設
けられ、かつ、引き違い窓０２，０２を連結する
チエーン０６と、該チエーン０６を誘導する吊車
０７と、により構成されていた。

尚、窓を一枚物にする場合には、滑動手段とし
て、チエーン、吊車に追加して、開閉時の窓の重
量を軽減するためのウエートを設けなければなら
ず、ウエートが上下滑動するレール等の設置のた
めに、引き違い窓の場合と比較して設置場所に奥
行きを要する。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来の上下開閉式窓
構造にあつては、滑動手段０３が外壁材０４と内
壁材０５との間隙に設けられていたために、滑動
手段０３の修理あるいは交換を行なう際には、新
たに内壁材０５の滑動手段設置部分を開口しなけ
ればならず、滑動手段０３の修理及び交換を行な
うのが困難であつた。

また、壁厚が薄く、滑動手段０３が外壁材０４
と内壁材０５との間隙に設置できない場合、特に
一枚物の窓を設置しようとした場合には、間隙を
拡げるために、内壁材０５を室内側に突出させな
ければならず、手間がかかると共に室内の美観が
損なわれるという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上述のような問題点を解決すること
を目的として成されたもので、この目的達成のた
めに本考案では、壁の開口縁に固着される窓枠
と、該窓枠に嵌め込まれる窓と、該窓を上下滑動
させる滑動手段と、を備え、該滑動手段が前記窓
の上方位置に配置されると共に外壁材と内壁材と
の間隙に設けられ、前記外壁材の滑動手段設置部
分に切除部が形成され、該切除部を覆う位置に庇
が設けられ、該庇の軒天部分が開閉可能である上
下開閉式窓構造とした。

（作用） 従つて、本考案の上下開閉式窓構造では、上述
のように、外壁材の滑動手段設置部分に切除部を
形成し、該切除部を覆う位置に庇を設け、該庇の
軒天部分を開閉可能にしたことにより、庇の軒天
部分を開放し、その軒天部分から手を入れて滑動
手段の修理及び交換を行なうことができる。

また、壁厚が薄く外壁材と内壁材との間隙が滑
動手段を設置するのに十分でなくても、滑動手段
を部分的に切除部より庇側に出張らせて設置する
ことができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。

まず、第１図〜第４図に示す実施例についてそ
の構成を説明する。

Ａは上下開閉式窓構造であつて、窓枠１０と、
ガラス窓２０と、滑動手段３０と、庇４０と、窓
台５０と、を備えている。

前記窓枠１０は、アルミニウムを素材とし形成
された左右一対の竪枠１１，１２と上枠１３，下
枠１４及び中間枠１５を方形状に枠組みすること
により構成され、壁の開口縁に固着されている。
尚、前記竪枠１１，１２は、角筒状に形成されて
おり、内縁には、全長に亘つてレール１６が設け
られている。

前記ガラス窓２０は、前記窓枠１０に嵌め込ま
れ、閉状態で開口の中間枠１５より下方部分全体
を閉鎖する。

尚、開口の中間枠１５より上方部分は、内壁材
６０によつて閉鎖されており、外壁材６１のその
内壁材閉鎖部分には切除部６２が形成されてい
る。

前記滑動手段３０は、前記ガラス窓２０を上下
滑動させるもので、この滑動手段３０は、ガラス
窓２０の上方位置に配置されると共に、外壁材６
１の切除部６２と内壁材６０との間隙に設けら
れ、ウエート３１とチエーン３２と吊車３３とを
備えている。

前記ウエート３１は、開閉時、ガラス窓２０の
重量を軽減するもので、このウエート３１は、竪
枠１１，１２内部に設けられており、開閉時、上
下滑動する。

前記チエーン３２は、ウエート３１とガラス窓
２０とを連結するものである。

また、前記吊車３３は、チエーン３２を誘導す
るもので、竪枠１１，１２の上端に設置されてい
る。

前記庇４０は、外壁材６１の切除部６２を覆う
位置に設けられると共に上端が上枠１３、下端が
中間枠１５に固定されており、軒天部分には取り
外し可能な天板４１が設けられている。

尚、この庇４０は、壁面に対し断面が略縦長三
角形となる形状に形成されている。

前記窓台５０はガラス窓２０の下方位置に配置
されると共に外壁材６１に固着されており、周縁
には手摺５１が立設されている。

従つて、本考案実施例の上下開閉式窓構造Ａに
あつては、吊車３３、チエーン３２等の滑動手段
３０を修理あるいは交換する際には、庇４０の天
板４１を取り外し、軒天部分から手を入れて行な
うことができる。

また、壁厚が薄く外壁材６１と内壁材６０との
間隙が滑動手段３０を設置するのに十分でなくて
も、滑動手段３０を部分的に切除部６２より庇４
０側に出張らせて配置することにより、手間をか
けたり美観を損なつたりすることなく設置するこ
とができる。

以上、本考案の実施例を図面により詳述してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計変更等があつても本考案に含まれる。

例えば、庇の軒天部分の開閉を実施例では天板
の取り外しにより行なつたが、開閉扉を設けて行
なつてもよい。

（考案の効果） 以上説明してきたように、本考案の上下開閉式
窓構造にあつては、外壁材の滑動手段設置部分に
切除部を形成し、該切除部を覆う位置に庇を設
け、該庇の軒天部分を開閉可能にしたために、滑
動手段の修理及び交換を容易に行なうことができ
る。

また、壁厚が薄く外壁材と内壁材との間隙が滑
動手段を設置するのに十分でなくても、手間をか
けたり美観を損なつたりすることなく滑動手段を
設置することができる。

また、実施例にあつては上述の効果に加えて滑
動手段のウエートを窓枠の竪枠内を上下するよう
に設けたために全体をすつきりと無駄のない構造
にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の上下開閉式窓構造を示
す斜視図、第２図は実施例構造を示す正面図、第
３図は第２図の−線における断面図、第４図
は第２図の−線における断面図、第５図は従
来の上下縁開閉式窓構造を示す縦断面図である。 １０……窓枠、２０……ガラス窓（窓）、３０
……滑動手段、４０……庇、４１……天板（軒天
部分）、６０……内壁材、６１……外壁材、６２
……切除部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁の開口縁に固着される窓枠と、該窓枠に嵌め
   込まれる窓と、該窓を上下滑動させる滑動手段
   と、を備え、該滑動手段が前記窓の上方位置に配
   置されると共に外壁材と内壁材との間隙に設けら
   れ、前記外壁材の滑動手段設置部分に切除部が形
   成され、該切除部を覆う位置に庇が設けられ、該
   庇の軒天部分が開閉可能であることを特徴とする
   上下開閉式窓構造。