JPH0262902B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、第１方向への再生機能及び該第１方
向の反対方向である第２方向への再生機能を有す
る往復型テープレコーダーに関し、特に再生方向
切換装置に係る。

(ロ) 従来技術 最近ヘツドフオンによつて磁気テープの再生音
を聴取するヘツドフオンステレオと呼ばれる音響
装置が普及している。斯かる音響装置に組込まれ
ているテープレコーダーは、長時間再生動作が行
なわれるように第１方向への再生機能だけでなく
該第１方向の反対方向である第２方向への再生機
能を有する往復型のテープレコーダーが一般的で
ある。斯かる往復型テープレコーダーにおける再
生方向の切換装置としては手動による操作力を利
用するもの、プランジヤーの吸引力を利用するも
の、そして伝動機の回転力を利用するものがあ
る。

(ハ) 発明の目的 本発明は、電動機の回転力を利用して再生方向
を切換えるようにした装置を提供しようとするも
のである。

(ニ) 発明の構成 本発明は第１方向への再生機能及び該第１方向
の反対方向である第２方向への再生機能を有する
往復型テープレコーダーにおいて、テープレコー
ダーを再生状態にする再生用操作摘子と、テープ
レコーダーが停止状態にあるとき停止位置にある
と共に第１方向及び第２方向への再生動作時夫々
第１位置及び第２位置にある再生方向切換用操作
摘子と、該再生方向切換用操作摘子と共に変位し
駆動機構を第１方向から第２方向へ、また第２方
向から第１方向へ切換える再生方向切換部材と、
前記再生用操作摘子が動作位置にあるとき電動機
の回転が伝達されて回転する駆動歯車と、前記再
生方向切換部材の変位動作時ロツク位置よりトリ
ガー位置に変位するトリガー部材と、該トリガー
部材がトリガー位置に変位せしめられると前記駆
動歯車と噛合い半回転せしめられると共に制御ピ
ンが形成されている切換歯車とより成り、前記切
換歯車の半回転に伴なう前記制御ピンの変位によ
り前記再生方向切換部材を変位せしめるようにし
たものである。

(ホ) 実施例 図面は、加れも本発明に関し、第１図は停止状
態を示す要部の平面図、第２図は再生状態を示す
要部の平面図、第３図は要部の側面図である。図
において、１は再生用操作摘子、２は固定基板
（図示せず）に摺動可能に取付けられていると共
に前記再生用操作摘子１の押圧操作により矢印Ａ
方向へ変位せしめられる摺動基板であり、スプリ
ング３によつて矢印Ｂ方向へ付勢されている。４
は、固定基板に軸５によつて回転可能に取付けら
れている切換レバーであり、再生方向切換用操作
摘子６が設けられている。７は固定基板に矢印Ｃ
及びＤ方向への変位を可能に取付けられている再
生方向切換部材であり、矢印Ｃ方向へ変位した第
１位置にあるとき磁気テープを第１方向へ駆動せ
しめ、矢印Ｄ方向へ変位した第２位置にあるとき
磁気テープを第１方向の反対方向である第２方向
へ駆動せしめる作用を有している。また前記再生
方向切換部材７の端部には前記切換レバー４に形
成されている係合孔４ａと係合する係合片７ａが
形成されており、該切換レバー４と再生方向切換
部材７とは一体的に変位するように関係付けられ
ている。斯かる構成において、前記切換レバー４
及び再生方向切換部材７は、停止状態にあるとき
第１図に示した停止位置即ち第１位置と第２位置
との中間位置にある。また前記再生方向切換部材
７には制御突部８及び制御孔９が形成されてい
る。１０は軸１１によつて回転可能に取付けられ
ていると共に前記再生方向切換部材７に設けられ
ている制御突部８と係合動作する係合ピン１０ａ
及びロツク部１０ｂが形成されているトリガー部
材であり、前記再生方向切換部材７が第１位置及
び第２位置にあるときロツク位置にあり、停止位
置にあるとき第１図に示したトリガー位置に変位
せしめられる。１２は軸１３によつて回転可能に
取付けられていると共に第１及び第２の欠歯部１
４，１５が形成されている切換歯車であり、前記
再生方向切換部材７に形成されている制御孔９内
に挿入され該切換歯車１２の回転により該再生方
向切換部材７を第１位置又は第２位置へ変位せし
める制御ピン１６が形成されている。１７及び１
８は前記切換歯車１２の前記制御ピン１６が形成
されている面の反対側の面に形成されている第１
及び第２のカムであり、第３図に示したように第
１カム１７の方が第２カム１８よりも切換歯車１
２の面からの高さが高くなるようにされている。
１９は前記第１カム１７又は第２カム１８に当接
し、切換歯車１２を軸１３を中心として時計方向
へ付勢するスプリングである。２ａは前記摺動基
板２に形成されている当接片であり、該摺動基板
２が動作位置より非動作位置即ち矢印Ｂ方向へ変
位するとき第１カム１７と当接し、該第１カム１
７が形成されている切換歯車１２を反時計方向へ
回転せしめる作用を成すものである。２０は電動
機（図示せず）の回転が伝達されて回転する伝達
歯車、２１は軸２２によつて回動可能に取付けら
れていると共にスプリング２３によつて時計方向
に回動付勢されている回動レバーであり、前記伝
達歯車２０及び切換歯車１２と噛合い該伝達歯車
２０の回転を切換歯車１２に伝達する駆動歯車２
４が軸２５によつて回転可能に取付けられてい
る。２ｂ及び２ｃは前記摺動基板２に形成されて
いる第１及び第２の制御部であり、該摺動基板２
が非動作位置及び動作位置にあるとき前記軸２５
と当接し、前記回転レバー２１の位置を規制する
作用を有している。以上の如く、本発明は構成さ
れているが、前記切換歯車１２に形成されている
制御ピン１６、第１カム１７及び第２カム１８の
位置関係は、再生方向切換部材７が第１方向への
再生位置である第１位置にあるとき制御ピン１６
は該再生方向切換部材７を第１位置に変位せしめ
た位置にあり、第１カム１７は摺動基板２に形成
されている当接片２ａと当接する位置関係にあ
る。

以上の如く本発明の再生方向切換装置は構成さ
れており、次に動作について説明する。第１図に
示した状態は停止状態であり、摺動基板２は非動
作位置に、また切換レバー４及び再生方向切換部
材７は停止位置にある。従つて駆動歯車２４は伝
達歯車２０より離間した位置にあり、トリガー部
材１０は制御突部８と係合ピン１０ａとの係合に
よりトリガー位置に変位せしめられた状態にあ
る。そして斯かる状態では切換歯車１２と駆動歯
車２４とは噛合つた状態にある。斯かる状態にお
いて再生用操作摘子１を押圧すると摺動基板２が
スプリング３の付勢力に抗して矢印Ａ方向へ変位
し動作位置にロツクされる。前記摺動基板２が動
作位置に変位すると軸２５が摺動基板２の第２制
御部２ｃと当接するため回動レバー２１が時計方
向に回動変位し、駆動歯車２４が切換歯車１２及
び伝達歯車２０に噛合う。そして、斯かる再生操
作が行なわれると電動機（図示せず）に電源が供
給されて回転を開始する結果伝達歯車２０は時計
方向へ回転せしめられる。該伝達歯車２０が時計
方向に回転すると駆動歯車２４が反時計方向に回
転せしめられ、その結果切換歯車１２は時計方向
に回転せしめられる。このようにして切換歯車１
２は時計方向に回転せしめられるが、所定の位置
即ち該切換歯車１２に形成されている第１欠歯部
１４が駆動歯車２４に対応する位置まで回転する
と切換歯車１２と駆動歯車２４との噛合いが断た
れる。そして、切換歯車１２が第１図に示した位
置より第２図に示した位置まで回転すると該切換
歯車１２に形成されている制御ピン１６が再生方
向切換部材７に形成されている制御孔９の縁９ａ
に当接し該再生方向切換部材７を矢印Ｃ方向即ち
第１位置へ変位せしめる。該再生方向切換部材７
が第１位置に変位するとトリガー位置にあつたト
リガー部材１０がロツク位置に回動変位するた
め、そのロツク部１０ｂが切換歯車１２の第１当
接部１２ａに当接し、該切換歯車１２のそれ以上
の回転を阻止する。また前記再生方向切換部材７
が第１位置に変位するとその変位に伴なつて切換
レバー４は軸５を中心として時計方向である第１
位置に回動変位せしめられる。第２図は斯かる動
作が行なわれた状態を示すものであり、斯かる状
態のままで第１方向への再生動作が行なわれるこ
とになる。

このように停止状態から再生動作状態への切換
は行なわれるが次に再生方向の切換動作について
説明する。斯かる再生方向の切換動作は、再生方
向切換用操作摘子６を操作することによつて行な
われる。第２図に示した第１方向への再生動作状
態にあるときに再生方向切換用操作摘子６を操作
し、切換レバー４を反時計方向へ回動変位せしめ
ると再生方向切換部材７が矢印Ｄ方向へ変位せし
められる。該再生方向切換部材７が矢印Ｄ方向へ
変位し、停止位置まで変位せしめられると制御突
部８と係合ピン１０ａとの係合によりトリガー部
材１０がトリガー位置に回動せしめられる。該ト
リガー部材１０がトリガー位置に回動変位すると
ロツク部１０ｂによる切換歯車１２の回転阻止動
作が解除される。その結果、該切換歯車１２は第
２カム１８へのスプリング１９の押圧力によつて
時計方向に少くし回転せしめられ、該切換歯車１
２は駆動歯車２４と噛合う。斯かる噛合い動作が
行なわれる結果、切換歯車１２は再度時計方向へ
回転せしめられる。このようにして切換歯車１２
は時計方向に回転せしめられるが、所定の位置即
ち該切換歯車１２に形成されている第２欠歯部１
５が駆動歯車２４に対応する位置まで回転すると
切換歯車１２と駆動歯車２４との噛合いが断たれ
る。このように切換歯車１２が回転すると該切換
歯車１２に形成されている制御ピン１６が再生方
向切換部材７に形成されている制御孔９の縁９ｂ
に当接し、該再生方向切換部材７を矢印Ｄ方口即
ち第２位置へ変位せしめる。該再生方向切換部材
７が第２位置に変位するとトリガー位置に変位せ
しめられていたトリガー部材１０がロツク位置に
回動復帰するため、そのロツク部１０ｂが切換歯
車１２の第２当接部１２ｂに当接し、該切換歯車
１２のそれ以上の回転を阻止する。またこのよう
にして再生方向切換部材７が第２位置に変位する
とその変位に伴なつて切換レバー４は軸５を中心
として反時計方向である第２位置に回動変位せし
められる。斯かる動作によつて再生方向切換部材
７及び切換レバー４が第２位置に変位せしめられ
る結果、テープレコーダーは第２方向への再生動
作状態になる、前述した如く第１方向への再生状
態より第２方向への再生状態への切換動作は行な
われるが第２方向から第１方向への切換動作は同
様の動作によつて行なわれるのでその説明は省略
する。

以上に説明したように本発明装置における再生
動作状態への切換及びその再生方向の切換動作は
行なわれるが次に再生動作状態からの停止動作に
ついて説明する。まずテープレコーダーが第２図
に示した第１方向への再生動作状態にあるときに
停止操作を行なつた場合について説明する。テー
プレコーダーが第１方向への再生動作状態にある
ときに停止用操作釦（図示せず）を操作すると再
生用操作摘子１の動作位置におけるロツクが解除
されると共に再生方向切換部材７が第１図に示し
た停止位置に変位せしめられる。前記再生用操作
摘子１のロツクが解除されると該操作摘子１が取
付けられている摺動基板２がスプリング３の付勢
力によつて矢印Ｂ方向である非動作位置に復帰せ
しめられる。前記摺動基板２が矢印Ｂ方向へ変位
すると軸２５が該摺動基板２に形成されている第
１制御部２ｂと当接するため回動レバー２１はス
プリング２３の付勢力に抗して反時計方向に回動
変位せしめられる。該回動レバー４が反時計方向
へ回動変位すると伝達歯車２０と駆動歯車２４と
の噛合いが解除される。また前記摺動基板２が動
作位置より矢印Ｂ方向へ変位すると該摺動基板２
に形成されている当接片２ａが第１カム１７に当
接し、該第１カム１７が形成されている切換歯車
１２を反時計方向へ回転せしめる。該切換歯車１
２が反時計方向へ回転すると前述した動作によつ
て伝達歯車２０との噛合いが解除され回転が自由
の状態にある駆動歯車２４と噛合い第１図に示し
た状態になる。また第１図に示した停止状態では
再生方向切換部材７の停止位置への変位に伴なつ
て切換レバー４も停止位置に変位せしめられ、そ
してトリガー部材１０はトリガー位置に変位せし
められた状態にある。

このようにテープレコーダーが第１方向への再
生動作状態にあるとき停止操作を行なつた場合の
動作は行なわれるが次に第２方向への再生動作状
態にあるときに停止操作を行なつた場合の動作に
ついて説明する。テープレコーダーが第２方向へ
の再生特動状態にあるときには、図示していない
が切換歯車１２は第２図に対して180゜回転した位
置即ち第２欠歯部１５が駆動歯車２４に対向した
位置にある。テープレコーダーが斯かる第２方向
への再生動作状態にあるときに停止操作を行なう
と前述した各動作が行なわれるが摺動基板２に形
成されている当接片２ａは第２カム１８に当接す
ることはないので切換歯車１２が反時計方向に回
転せしめられることはない。このようにしてテー
プレコーダーは停止状態に復帰せしめられるが、
停止状態ではトリガー部材１０がトリガー位置に
あるため切換歯車１２はスプリング１９の付勢力
によつて時計方向に回転せしめられ第２欠歯部１
５に続く噛合部１２ｃが駆動歯車２４に噛合つた
状態になる。斯かる状態は、第１方向への再生状
態より停止操作を行なつた第１図に示した停止状
態と略同一の状態である。

以上に説明したようにテープレコーダーが第１
方向又は第２方向の何れの方向の再生動作状態に
あつても停止操作を行なうと第１図に示した停止
状態になるため、次に再生操作を行なえば必ず第
１方向への再生動作が開始されることになる。

(ヘ) 発明の効果 本発明の再生方向切換装置は、電動機の回転力
を利用して再生方向を切換えるようにしたので小
さな操作力によつて走行方向を切換えることが出
来、極めて便利なものである。また切換歯車の半
回転に伴なう制御ピンの変位によつて再生方向切
換部材を変位せしめて再生方向を切換えるように
したので従来の一往復動作によつて再生方向を切
換える方式に比較して構成が簡単になるという利
点を本発明は有している。

【図面の簡単な説明】

図面は、何れも本発明に関し、第１図は停止状
態を示す要部の平面図、第２図は再生状態を示す
要部の平面図、第３図は要部の側面図である。 主な図番の説明、１……再生用操作摘子、２…
…摺動基板、４……切換レバー、６……再生方向
切換用操作摘子、７……再生方向切換部材、８…
…制御突部、９……制御孔、１０……トリガー部
材、１２……切換歯車、１４……第１欠歯部、１
５……第２欠歯部、１６……制御ピン、１７……
第１カム、１８……第２カム、２０……伝達歯
車、２０……回動レバー、２４……駆動歯車。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 第１方向への再生機能及び該第１方向の反対
   方向である第２方向への再生機能を有する往復型
   テープレコーダーにおいて、テープレコーダーを
   再生状態にする再生用操作摘子と、テープレコー
   ダーが停止状態にあるとき停止位置にあると共に
   第１方向及び第２方向への再生動作時夫々第１位
   置及び第２位置にある再生方向切換用操作摘子
   と、該再生方向切換用操作摘子と共に変位し駆動
   機構を第１方向から第２方向へ、また第２方向か
   ら第１方向へ切換える再生方向切換部材と、前記
   再生用操作摘子が動作位置にあるとき電動機の回
   転が伝達されて回転する駆動歯車と、前記再生方
   向切換部材の変位動作時ロツク位置よりトリガー
   位置に変位するトリガー部材と、該トリガー部材
   がトリガー位置に変位せしめられると前記駆動歯
   車と噛合い半回転せしめられると共に制御ピンが
   形成されている切換歯車とより成り、前記切換歯
   車の半回転に伴なう前記制御ピンの変位により前
   記再生方向切換部材を変位せしめるようにしたこ
   とを特徴とする往復型テープレコーダーの再生方
   向切換装置。