JPH043581B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はテープレコーダーに関し、特に電動機
の回転力を利用して動作切換を行なうように構成
されたテープレコーダーの動作切換装置に係る。

(ロ) 従来技術 テープレコーダーの動作切換装置は切換操作釦
への押圧力によつて駆動機構を切換えるようにし
た機械式のものとプランジヤーの吸引力によつて
切換えるようにした電子式のものとが一般的であ
るが最近では電動機の回転力を利用して切換える
ようにしたものが普及している。斯かる電動機の
回転力を利用して動作切換を行なう従来技術とし
ては実開昭58−62461号公報に開示されている。
斯かる技術は動作切換操作時電動機の回転が伝達
されて回転する駆動歯車に動作切換を行なう切換
歯車を噛合わせることによつて動作切換を行なう
ように構成されているが斯かる歯車の噛合わせ動
作即ちトリガー動作は操作釦への押圧力によつて
行なわれる。操作釦への押圧力によつてトリガー
動作を行なう方式は押圧操作力が前述した機械式
に比較して小さくなるものの操作性はあまり良く
なかつた。また斯かる動作切換装置において、ト
リガー動作をプランジヤーの吸引動作を利用して
行なう技術としては実開昭58−69351号公報に開
示されているが、斯かる構成ではプランジヤーの
吸引力によつてトリガー動作を行なうためプラン
ジヤーの形状が大きくなりテープレコーダーの小
型化には適していなかつた。

(ハ) 発明の目的 本発明は、電動機の回転力を利用して動作切換
を行なうと共に小型のテープレコーダーに適した
動作切換装置を提供しようとするものである。

(ニ) 発明の構成 本発明は、電動機の回転がベルト等により伝達
されて回転する駆動歯車と、再生操作に伴なうト
リガー動作時非トリガー位置よりトリガー位置に
変位するトリガー部材と、該トリガー部材のトリ
ガー位置への変位時前記駆動歯車と噛合うと共に
該駆動歯車の回転が伝達されて所定回転する切換
歯車と、該切換歯車と共に回転する切換用カム及
び復帰用カムと、前記切換用カムの回転により動
作位置に変位すると共に駆動機構及び磁気ヘツド
を再生動作状態にせしめる切換摺動板とより構成
されている。

(ホ) 実施例 図面は、何れも本発明の動作切換装置に関し、
第１図は停止状態を示す平面図、第２図は再生操
作開始時を示す要部の平面図、第３図は再生動作
状態への切換の途中の状態を示す要部の平面図、
第４図は再生動作状態を示す要部の平面図であ
る。図において、１は固定基板に軸２によつて停
止位置と再生動作位置との間を回動変位可能に取
付けられていると共に、スプリング３によつて停
止位置方向即ち反時計方向に付勢されている回動
板であり、磁気ヘツド（図示せず）が取付けられ
ていると共に下面に係合ピン４が形成されてい
る。５は前記回動板１の位置決めピンである。６
は前記回動板１上に軸７によつて回動可能に取付
けられているピンチローラーアームであり、ピン
チローラー８が回転可能に取付けられている。９
は電動機（図示せず）の回転がベルトによつて伝
達されるキヤプスタン軸、１０は該キヤプスタン
軸９と共に回転するべく取付けられている駆動歯
車、１１は該キヤプスタン軸９と共に回転するべ
く取付けられている駆動ローラー、１２は再生動
作状態への切換時前記駆動歯車１０に噛合つて回
転駆動されると共にテープレコーダーを再生状態
に切換える切換歯車であり、その歯の一部には欠
歯部１３が設けられている。前記切換歯車１２の
上面には切換用カム１４、制御カム１５及び阻止
片１６が形成され、下面には復帰用カム１７が形
成されている。１８は永久磁石が組込まれている
と共に通電されると該永久磁石が有する吸着力を
弱める方向への磁束を発生する第１電磁石であ
り、再生操作が行なわれると短時間駆動電流が供
給されるように構成されている。１９は固定基板
に軸２０によつて回動可能に取付けられている第
１トリガー部材であり、前記第１電磁石１８によ
つて吸着される吸着部２１が形成されていると共
にスプリング２２によつて反時計方向に回動付勢
されている。前記スプリング２２の付勢力は、第
１トリガー部材１９が非トリガー位置即ち吸着部
２１が第１電磁石１８に組込まれている永久磁石
によつて吸着された状態にあるとき該第１トリガ
ー部材１９を回動変位せしめることが出来ないよ
うに設定されていると共に該第１電磁石１８に通
電されると回動変位せしめるように設定されてい
る。２３は固定基板に軸２４によつて回動可能に
取付けられていると共に前記第１トリガー部材１
９と連動して回動変位するべく第１連結ピン２５
によつて連結されている第２トリガー部材であ
り、前記切換歯車１２に形成されている復帰用カ
ム１７と協働する第１制御アーム２６及び阻止片
１６と協働する第２制御アーム２７が形成されて
いる。２８は前記軸２４によつて一端が固定され
ていると共に前記切換歯車１２に形成されている
制御カム１５に当接し該切換歯車１２を前記駆動
歯車１０に噛合わせる方向に回動付勢せしめるス
プリングである。２９は供給リール軸、３０は巻
取りリール軸、３１は該巻取リール軸３０と同軸
にて回転可能に取付けられている巻取り用ローラ
ーであり、その回転がクラツチ（図示せず）を介
して前記巻取りリール軸３０に伝達されるように
構成されている。３２はガイドピン３３，３４に
よつてガイドされながら矢印Ａ，Ｂ方向へ変位可
能に取付けられていると共に前記第２トリガー部
材２３の回動変位に伴なつて変位するように第２
連結ピン３５によつて連結されている動作制御板
であり、矢印Ａ方向へ変位した状態にあるとき巻
取りリール軸３０及び供給リール軸２９への早送
り及び巻戻しのための駆動機構の作動を阻止する
作用を有している。３６はガイドピン３７等によ
つて矢印Ａ，Ｂ方向へ変位可能に取付けられてい
る切換摺動板、３８は該切換摺動板３６に形成さ
れている制御ピンであり、前記切換歯車１２に形
成されている切換用カム１４との協働により前記
切換摺動板３６を矢印Ａ方向へ変位せしめる作用
を有している。３９は前記切換摺動板３６に形成
されていると共に前記回動板１に形成されている
係合ピン４と係合する係合孔であり、該切換摺動
板３６の矢印Ａ方向への変位時前記回動板１を再
生動作位置である時計方向に回動変位せしめる作
用を有している。４０は前記切換摺動板３６に形
成されているロツクピン、４１は固定基板に軸４
２によつて回動可能に取付けられていると共にス
プリング４３によつて反時計方向に付勢されてい
るロツク部材であり、前記ロツクピン４０と係合
するロツク部４４及び吸着部４５が設けられてい
る。４６は再生操作が行なわれると電源が供給さ
れると共に再生動作状態にある間電源が供給され
た状態にある第２電磁石である。斯かる構成にお
いて、スプリング４３の付勢力だけでは切換摺動
板３６を動作位置即ち矢印Ａ方向へ変位した位置
にロツク保持することが出来ないように構成され
ている。４７は前記切換摺動板３６に形成されて
いる制御部、４８は該制御部４７に当接する当接
ピン４９が設けられていると共に前記切換摺動板
３６の変位によりその変位位置が規制される変位
板であり、該切換摺動板３６が動作位置にあると
き前記駆動ローラー１１及び巻取り用ローラー３
１に圧接される伝達ローラー５０が回転可能に取
付けられている。斯かる構成において、前記切換
摺動板３６が動作位置にあるとき巻取りリール軸
３０及び供給リール軸２９への早送り及び巻戻し
のための駆動機構の作動を阻止するように構成さ
れている。以上の如く本発明の動作切換装置は構
成されており、次に動作について説明する。

第１図に示した停止状態では、第１トリガー部
材１９はその吸着部２１が第１電磁石１８に組込
まれている永久磁石によつて吸着された非トリガ
ー位置にある。従つて該第１トリガー部材１９と
連結されている第２トリガー部材２３も非トリガ
ー位置にあり、該第２トリガー部材２３に形成さ
れている第２制御アーム２７が切換歯車１２に形
成されている阻止片１６と当接し、該切換歯車１
２の駆動歯車１０との噛合いを阻止する状態にあ
る。また回動板１はスプリング３の付勢力によつ
て停止位置に変位保持された状態にある。そして
切換摺動板３６は前記回動板１に形成されている
係合ピン４より受ける付勢力により非動作位置で
ある矢印Ｂ方向へ変位保持された状態にある。斯
かる停止状態にあるときに使用者が再生操作をす
ると電動機に電源が供給されると共に第１電磁石
１８に短時間電源が供給され、また第２電磁石４
６に電源が供給される。第１電磁石１８に電源が
短時間供給されると該第１電磁石１８に組込まれ
ている永久磁石にる吸着力が弱められ、その結果
第１トリガー部材１９はスプリング２２の付勢力
によつてトリガー位置に回動変位せしめられる。
該第１トリガー部材１９がトリガー位置に回動変
位すると該第１トリガー部材１９と連結されてい
る第２トリガー部材２３もトリガー位置である時
計方向に回動変位せしめられる。該第２トリガー
部材２３がトリガー位置に回動変位すると該第２
トリガー部材２３と連結されている動作制御板３
２が矢印Ａ方向へ変位せしめられリール軸への駆
動機構の作動を阻止する状態になる。前記第２ト
リガー部材２３がトリガー位置に回動変位すると
第２制御アーム２７と切換歯車１２に形成されて
いる阻止片１６との当接が解かれる。その結果切
換歯車１２がスプリング２８の付勢力によつて少
しく時計方向に回転せしめられ電動機への電源供
給により回転駆動せしめられている駆動歯車１０
に噛合う。第２図は、再生操作に伴なう前述した
動作が行なわれた状態を示すものである。このよ
うにして切換歯車１２が駆動歯車１０に噛合うと
該駆動歯車１０の回転が切換歯車１２に伝達さ
れ、該切換歯車１２は時計方向に回転せしめられ
る。前記切換歯車１２が時計方向に回転すると該
切換歯車１２に形成されている切換用カム１４も
回転するので、その回転に伴なつて制御ピン３８
は矢印Ａ方向への変位力を受けて変位せしめられ
る。また切換歯車１２が時計方向に回転すると復
帰用カム１７が回転し、第２トリガー部材２３の
第１制御アーム２６と当接し該第２トリガー部材
２３を反時計方向へ押圧変位せしめる。第３図は
斯かる動作が行なわれた状態を示すものである。
斯かる状態より切換歯車１２が更に時計方向に回
転すると制御ピン３８が更に矢印Ａ方向へ変位せ
しめられると共に第２トリガー部材２３が更に反
時計方向に回動変位せしめられる。該第２トリガ
ー部材２３が反時計方向に回転すると該第２トリ
ガー部材２３と連結されている動作制御板３２が
矢印Ｂ方向へ変位せしめられると共に第１トリガ
ー部材１９が時計方向に回動変位せしめられる。
該第１トリガー部材１９が所定の位置まで回動変
位すると該第１トリガー部材１９に形成されてい
る吸着部２１が第１電磁石１８に組込まれている
永久磁石によつて吸着され該第１トリガー部材１
９は非トリガー位置に保持されることになる。従
つて第１トリガー部材１９に連結されている第２
トリガー部材２３も非トリガー位置に保持せしめ
られる。その結果切換歯車１２が前記駆動歯車１
０との噛合いによつて一回転すると該切換歯車１
２に形成されている阻止片１６と第２トリガー部
材２３に形成されている第２制御アーム２７とが
当接するため、該切換歯車１２の駆動歯車１０と
の欠歯部１３による噛合解除後の再度の噛合い動
作が阻止される。このようにして切換歯車１２が
一回転すると該切換歯車１２に形成されている切
換用カム１４も一回転し、その回転に伴なつて制
御ピン３８が矢印Ａ方向へ押圧されるので該制御
ピン３８が形成されている切換摺動板３６が矢印
Ａ方向である動作位置に変位せしめられる。該切
換摺動板３６が動作位置に変位すると該切換摺動
板３６に形成されているロツクピン４０がロツク
部材４１のロツク部４４と係合する。そして斯か
る状態では第２電磁石４６に電源が供給されてい
るのでロツク部材４１のロツク部４４によるロツ
クピン４０のロツク保持が行なわれることにな
り、前記切換摺動板３６は第４図に示した動作位
置に保持される。このようにして切換摺動板３６
が動作位置に変位すると該切換摺動板３６に形成
されている係合孔３９の縁が回動板１に形成され
ている係合ピン４を矢印Ａ方向に変位せしめる結
果、回動板１が時計方向に回動変位し再生動作位
置に変位保持される。該回動板１が再生動作位置
に保持された状態では磁気ヘツドが磁気テープに
当接すると共にピンチローラー８がキヤプスタン
軸９に圧着された状態になる。また切換摺動板３
６が動作位置に変位すると制御部４７と当接ピン
４９との関係から変位板４８が動作位置に変位
し、伝達ローラー５０が駆動ローラー１１及び巻
取り用ローラー３１に圧接される。第４図に斯か
る切換動作により構成された再生動作状態であ
る。

以上の如く再生動作状態への切換は行なわれる
が、次に斯かる再生動作状態より停止操作を行な
つた場合の動作について説明する。テープレコー
ダーが再生動作状態にあるときに停止操作を行な
うと第２電磁石４６への電源供給が断たれる。該
第２電磁石４６への電源供給が断たれるとロツク
部材４１によるロツクピン４０のロツク保持力が
不足し、切換摺動板３６はスプリング３の付勢力
によつて矢印Ｂ方向へ変位せしめられる。また回
動板１も該スプリング３の付勢力により再生動作
位置より停止位置に回動変位せしめられる。そし
て前記切換摺動板３６の矢印Ｂ方向への変位に伴
なつて変位板４８が非動作位置に変位する結果、
伝達ローラー５０が駆動ローラー１１及び巻取り
用ローラー３１より離間する。第４図に示した再
生動作状態より停止操作を行なうと前述した動作
が行なわれてテープレコーダーは第１図に示した
停止状態になる。

(ヘ) 発明の効果 本発明の動作切換装置は、永久磁石が組込まれ
ていると共に通電されると該永久磁石の吸着力を
弱める方向への磁束を発生するべく構成されてい
る電磁石に組込まれている永久磁石の吸着力によ
りトリガー部材を非トリガー位置に保持すると共
に再生操作に伴うトリガー動作時前記電磁石への
通電による吸着力の低下により該トリガー部材を
トリガー位置に変位せしめて再生動作状態への切
換えを行う切換歯車と駆動歯車との噛合い動作を
行わせ、また該切換歯車に形成されている復帰用
カムの働によつてトリガー位置にあるトリガー部
材を前記電磁石に組込まれている永久磁石により
吸着保持される非トリガー位置に復帰せしめるよ
うにしたので、即ち電動機の回転力を利用してト
リガー部材の非トリガー位置への復帰動作を行う
ようにしたので、該トリガー部材の非トリガー位
置への復帰動作をスプリングの付勢力によつて行
うように構成された技術と比較すると該スプリン
グの付勢力である反力が無いため、トリガー動作
を行うための力が小さくて済むという利点を有し
ている。従つて、トリガー動作を行うための手段
として使用されるプランジヤー等の装置を小さく
することが出来、本発明はテープレコーダーの小
型化に対して非常に大きな効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、何れも本発明の動作切換装置に関し、
第１図は停止状態を示す平面図、第２図は再生操
作開始時を示す要部の平面図、第３図は再生動作
状態への切換の途中の状態を示す要部の平面図、
第４図は再生動作状態を示す要部の平面図であ
る。 主な図番の説明、１……回動板、８……ピンチ
ローラー、９……キヤプスタン軸、１０……駆動
歯車、１１……駆動ローラー、１２……切換歯
車、１４……切換用カム、１６……阻止片、１７
…復帰用カム、１８……第１電磁石、１９……第
１トリガー部材、２３……第２トリガー部材、２
６……第１制御アーム、２７……第２制御アー
ム、３６……切換摺動板、３８……制御ピン、４
０……ロツクピン、４１……ロツク部材、４６…
…第２電磁石。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電動機の回転がベルト等により伝達されて回
   転する駆動歯車と、永久磁石が組込まれていると
   共に通電されると該永久磁石の吸着力を弱める方
   向への磁束を発生するべく構成されている電磁石
   と、非トリガー位置にあるとき前記電磁石に組込
   まれている永久磁石の吸着力により該非トリガー
   位置に保持されると共に再生操作に伴うトリガー
   動作時前記電磁石への通電による吸着力の低下に
   よりトリガー位置に変位せしめられるトリガー部
   材と、該トリガー部材のトリガー位置への変位時
   前記駆動歯車と噛合うと共に該駆動歯車の回転が
   伝達されて所定回転する切換歯車と、該切換歯車
   と共に回転するべく該切換歯車に形成されている
   切換用カム及び復帰用カムと、前記切換用カムの
   回転により動作位置に変位せしめられると共に駆
   動機構及び磁気ヘツドを再生動作状態にせしめる
   切換摺動板とより成り、再生操作に伴うトリガー
   動作時前記切換用カムの回転により前記切換摺動
   板を動作位置に変位せしめると共に前記復帰用カ
   ムの回転によりトリガー位置にあるトリガー部材
   を前記電磁石に組込まれている永久磁石により吸
   着保持される非トリガー位置に復帰せしめるよう
   にしたことを特徴とするテープレコーダーの動作
   切換装置。