JPH0247240Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は内燃機関の吸気装置に関する。

従来の技術 機関低負荷運転時に強力な旋回流を燃焼室内に
発生せしめつつ機関高負荷運転時に高い充填効率
を得るために吸気ポートを隔壁によつてストレー
トポートとヘリカル型ポートに２分割し、機関高
負荷運転時に開弁する吸気制御弁をストレートポ
ート内に設け、吸気制御弁下流のストレートポー
トからバイパス通路を分岐してこのバイパス通路
をヘリカル型ポートの渦巻終端部に連結した内燃
機関が特開昭58−48715号公報に記載されている
ように公知である。この内燃機関は機関低負荷運
転時に吸気制御弁を閉弁することにより全吸入空
気をヘリカル型吸気ポート内に送り込んで燃焼室
内に強力な旋回流を発生せしめ、機関高負荷運転
時に吸気制御弁を開弁することにより吸気ポート
の流路面積を増大させると共にバイパス通路から
ヘリカル型ポートの渦巻終端部に流入する吸入空
気流によりヘリカル型ポート内に発生する旋回流
を弱め、それによつて高い充填効率を得ることを
意図している。

考案が解決しようとする問題点 しかしながらこの内燃機関では吸気制御弁が閉
弁したときに吸気制御弁下流のストレートポート
内の負圧がヘリカル型ポート内の負圧よりも大き
くなるためにヘリカル型ポートの渦巻部内を旋回
する吸入空気流の一部がバイパス通路を介してス
トレートポート内に流入し、その結果旋回流が弱
められるために機関低負荷運転時に十分に強力な
旋回流を発生せしめることが困難であるという問
題がある。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本考案によれば吸
気ポートを隔壁によつてストレートポートとヘリ
カル型ポートに２分割してストレートポートおよ
びヘリカル型ポートを夫々機関の運転状態にかか
わらずに開閉制御される吸気弁を介して燃焼室内
に連結し、機関高負荷運転時に開弁する吸気制御
弁をストレートポート内に設け、吸気制御弁下流
のストレートポートからバイパス通路を分岐して
バイパス通路をヘリカル型ポートの渦巻終端部に
連結した内燃機関において、吸気制御弁をその弁
軸がストレートポートの中心部を貫通するバタフ
ライ弁からら形成し、ストレートポート内に開口
するるバイパス通路流入口を吸気制御弁閉弁時に
吸気制御弁によつて閉鎖可能に配置している。

実施例 第１図および第２図を参照すると、１はシリン
ダブロツク、２はシリンダブロツク１内で往復動
するピストン、３はシリンダブロツク１上に固締
されたシリンダヘツド、４は燃焼室、５は第１吸
気弁、６は第２吸気弁、７は排気弁、８は点火
栓、９はシリンダヘツド３内に形成された吸気ポ
ート、１０は吸気マニホルドを夫々示し、第１吸
気弁５および第２吸気弁６は機関の運転状態にか
かわらず開閉制御される。

吸気ポート９は吸気ポート９内を第１吸気弁５
および第２吸気弁６の間から吸気マニホルド１０
に向つて延びる隔壁１１によつてヘリカル型ポー
ト１２とストレートポート１３に２分割される。
ストレートポート１３の入口部には吸気制御弁１
４が配置され、吸気制御弁１４の弁軸１５に固着
されたアーム１６の先端部は制御ロツド１７を介
して負圧アクチユエータ１８のダイアフラム１９
に連結される。第２図からわかるようにこの吸気
制御弁１４はその弁軸１５ががストレートポート
１３の中心部を貫通するバタフライ弁から形成さ
れる。

負圧アクチユエータ１８の負圧室２０内にはダイ
ヤフラム押圧用圧縮ばね２１が挿入され、負圧室
２０は負圧導管２２を介して吸気マニホルド１０
内に連結される。機関低負荷運転時には吸気マニ
ホルド１０内の負圧が大きくなるためにダイヤフ
ルム１９は負圧室２０側に移動し、第２図におい
て実線で示すように吸気制御弁１４はストレート
ポート１３の入口部を閉鎖する。一方、機関高負
荷運転時には吸気マニホルド１０内の負圧がが小
さくなるためにダイヤフラム１９は吸気制御弁１
４側に移動し、第２図において破線で示すように
吸気制御弁１４はストレートポート１３の入口部
を全開する。

第１図および第２図に示されるように隔壁１１
内には隔壁１１に沿つて延びるバイパス通路２３
が形成され、このバイパス通路２３の流出口２４
はヘリカル型ポート１２の渦巻終端部２５上壁面
近傍において渦巻部終端部２５内に開口する。一
方、バイパス通路２３の流入口２６はストレート
ポート１３の入口部においてストレートポート１
３内に開口し、しかもこの流入口２６は吸気制御
弁１４閉弁時に吸気制御弁１４によつて閉鎖可能
な位置に形成される。即ち、隔壁１１の上流端に
は吸気ポート９の軸線に対して直角方向に延びか
つ吸気制御弁１４の周縁部背面が着座する平坦壁
面部２７を有し、この平坦壁面部２７上にバイパ
ス通路流入口２６が形成される。

機関低負荷運転時には吸気制御弁１４は第２図
の実線で示すように全閉し、バイパス通路流入口
２６吸気制御弁１４によつて閉鎖される。このと
き第１吸気弁５および第２吸気弁６が開弁すると
ストレートポート１３内の負圧の方がヘリカル型
ポート１２の渦巻終端部２５内の負圧よりも大き
くなるがバイパス通路流入口２６は吸気制御弁１
４によつて完全に閉鎖されるので渦巻終端部２５
からバイパス通路２３を介してストレートポート
１３内に吸入空気が流入することはない。従つて
機関低負荷運転時には全吸入空気はヘリカル型ポ
ート１２の渦巻部において旋回せしめられた後に
燃焼室４内に供給されるので燃焼室４内には強力
な旋回流が発生せしめられる。

一方、機関高負荷運転時には吸気制御弁１４が
全開するので吸入空気の一部がバイパス通路２３
を介して渦巻終端部２５内に流入する。その結
果、ヘリカル型ポート１２の渦巻部内を旋回する
旋回流にバイパス通路流出口２４から流出した吸
入空気が正面衝突するために旋回流が弱められ
る。このように機関高負荷運転時には吸気制御弁
１４が全開することによつて吸気ポート９の流れ
断面がが増大し、しかも上述したように旋回流が
弱められるので高い充填効率を得ることができ
る。また、機関低負荷運転時に吸気制御弁１４が
閉弁すると第２吸気弁６が開弁したときにストレ
ートポート１３内の負圧は燃焼室４内の負圧にほ
ぼ等しくなる。これに対して吸気制御弁１４上流
の吸気ポート９内の負圧は燃焼室４内の負圧より
も小さくなつており、従つて吸気制御弁１４が閉
弁しているときには吸気制御弁１４の両側で圧力
差を生じる。ところがこのような圧力差がが生じ
ても吸気制御弁１４はバタフライ弁の形をしてい
るので吸気制御弁１４に回転力がほとんど作用せ
ず、、斯くして吸気制御弁１４を容易に開弁せし
めることができる。その結果、吸気制御弁１４を
開弁する際の応答性を高めることができると共に
負圧アクチユエータ１８を小型化することができ
る。

考案の効果 機関低負荷運転時にはバイパス通路流入口が吸
気制御弁によつて閉鎖されるために全吸入空気が
旋回しつつ燃焼室内に流入し、斯くして燃焼室内
に強力な旋回流を発生せしめることができるので
安定した低負荷運転を確保することができる。ま
た、吸気制御弁をバタフライ弁から形成すること
によつて吸気制御弁を容易に開弁せしめることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は内燃機関の側面断面図、第２図は第１
図の平面断面図である。 ５…第１吸気弁、６…第２吸気弁、９…吸気ポ
ート、１１…隔壁、１２…ヘリカル型ポート、１
３…ストレートポート、１４…吸気制御弁、２３
…バイパス通路、２５…渦巻終端部、２６…流入
口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気ポートを隔壁によつてストレートポートと
   ヘリカル型ポートに２分割して該ストレートポー
   トおよびヘリカル型ポートを夫々機関の運転状態
   にかかわらずに開閉制御される吸気弁を介して燃
   焼室内に連結し、機関高負荷運転時に開弁する吸
   気制御弁をストレートポート内に設け、該吸気制
   御弁下流のストレートポートからバイパス通路を
   分岐して該バイパス通路をヘリカル型ポートの渦
   巻終端部に連結した内燃機関において、上記吸気
   制御弁をその弁軸ががストレートポートの中心部
   を貫通するバタフライ弁から形成し、ストレート
   ポート内に開口するバイパス通路流入口を吸気制
   御弁閉弁時に吸気制御弁によつて閉鎖可能に配置
   した内燃機関の吸気装置。