JPH0236077Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は大容量の穀物といえども流動ムラや乾
燥ムラを発生させることなく、均質に効率よく乾
燥させることができる穀物乾燥機に関する。

従来技術 従来、大容量の穀物といえども背丈の低い乾燥
機により均等に撹拌混合しながら、均質に乾燥さ
せる目的を容易に達成させるために、その構成を
特に、外形を共に直方体状に形成した通風乾燥部
と搬出部とを上下に配置してなる下部構成体を複
数個横方向に近接配置し、各構成体の上部に、こ
れらの平面面積の和に略等しい平面面積を有し、
かつ複数枚の板体を組合せた１個の直方体状の共
通貯留部と該共通貯留部の上部に設けた均分落下
装置とからなる上部構成体を着脱可能に接続し、
各下部構成体の各搬出部をいずれか１個の搬出部
に集合するとともに、該１個の搬出部と均分落下
装置とを１個の揚穀機を介して接続し、さらに各
通風乾燥部の各熱風路は熱風発生器に並列接続し
てなる循環形穀物通風乾燥機は本出願前例えば、
実公昭58−46376号公報に記載されていて公知で
ある。

考案が解決しようとする問題点 ところで、従前のこの種穀物通風乾燥機におい
ては、複数の通風乾燥部を通過した以後の乾燥穀
物は夫々の搬出部より一体の集合スクリユーコン
ベアに搬出された後、一本の揚穀機を介して均分
落下装置に供給せしめ、共通貯留部に循環返流せ
しめていたものである。

しかしながら、上記のような循環搬送手段によ
れば、夫々の搬出部より搬出された穀物は均等量
宛一本の集合スクリユーに搬出させることができ
ず、どうしても不均等状態となつて、穀物の一部
に搬送遅れが生じ、その結果、穀物の流動ムラや
乾燥ムラが発生し、総ての穀物を均質な状態に乾
燥させることができない問題が生じた。

そこで本考案は、夫々の通風乾燥ユニツトより
搬出装置を介して搬出された穀物に搬送遅れが生
じないように夫々専用で、しかも循環用の昇降機
により正確に搬送せしめると共に、これら複数の
昇降機により搬送された穀物は供給樋および集合
樋を経て集合せしめた後、混合配穀装置より共通
調質槽へ供給せしめるようにして、大容量の穀物
といえども背丈の低い一機からなる乾燥機により
乾燥せしめた場合にあつても、穀物の流動ムラや
乾燥ムラを発生させることなく均質に乾燥させる
ことができる目的をもつた穀物乾燥機を提供して
上記の問題を解決したものである。

問題を解決するための手段 したがつて、本考案の技術的課題は、大容量の
穀物を背丈の低い一機からなる乾燥機により乾燥
せしめた場合にあつても、穀物の搬送遅れが生じ
ないように均等に搬送せしめ、もつて穀物の流動
ムラや乾燥ムラを発生させず、均質に乾燥させる
ことにある。

この技術的課題を解決するため、その構成を特
に、夫々の取出し槽に設けた搬出装置の搬出側を
通風乾燥ユニツトと同数並設した昇降機の下部に
接続せしめると共に、夫々の昇降機の排出樋に上
端を接続した供給樋の下端を集合樋を経て共通調
質槽内に配設した混合配穀装置に臨ませたことを
特徴とする穀物乾燥機としたものである。

作 用 次に本考案の技術的手段は次のように作用する
（図面参照）。

今、大容量の穀物を均質に、しかも一機の乾燥
機により乾燥させたい時には、先ず、複数台の昇
降機１３，１３……を運転し、穀物を供給すれ
ば、該穀物は夫々の昇降機１３，１３……により
揚穀され、排出樋１４、供給樋１５、および集合
樋１６を経て混合配穀装置１７に供給され、完全
に混合状態のもとに一個の共通調質槽２内に配穀
される。以上のようにして所定量の穀物が共通調
質槽２および複数の通風乾燥部４，４……に充填
されたら、穀物の搬入操作を停止せしめると共に
通風乾燥作業に必要な各作動部材を運転させる。
さすれば、１個の共通調質槽２より複数個の通風
乾燥ユニツト３，３……に分岐供給された穀物は
通風乾燥部４，４……を通過する際に、流通する
乾燥熱風を浴びて乾燥され、取出し槽５，５……
に排出され、搬出装置１２，１２……で昇降機１
３，１３……に移送された後、昇降機１３，１３
……で揚穀され、排出樋１４、供給樋１５、およ
び集合樋１６を経て混合配穀装置１７に供給さ
れ、均等量宛撹拌混合されながら１個の共通調質
槽２内に返流配穀される。

従つて、１個の共通調質槽２より夫々の通風乾
燥ユニツト３，３……に分岐供給された穀物は各
通風乾燥部４，４……において通風乾燥された
後、搬出装置１２，１２……および専用で、しか
も循環用の各昇降機１３，１３……により各別に
揚穀されると共に、各昇降機１３，１３……の排
出樋１４，１４……に排出された穀物は供給樋１
５，１５……を経て１個の集合樋１６に集合され
た後、混合配穀装置１７を介し配穀されるため、
各通風乾燥ユニツト３，３……を通過した以後の
各穀物に搬送遅れが生ずることなく均一に搬送さ
れ、完全な混合状態のもとに１個の共通調質槽２
に均平に配穀されるものである。

それ故、如何に大容量の穀物といえども各通風
乾燥ユニツト３，３……中を均等量の穀物が通過
するため、穀物の流動ムラや乾燥ムラを発生させ
ず、穀物を均質に乾燥させることができる。

実施例 本考案に係る穀物乾燥機の構成を添附図面に示
された実施例に基づき説明する。

第１図ないし第４図において、１は大容量の穀
物を背丈の低い１機からなる乾燥機により流動ム
ラや乾燥ムラを発生させることなく均質に乾燥さ
せることができる穀物乾燥機であつて、該穀物乾
燥機１は内部を空胴状に形成し、しかも底部側を
開放した横長角筒状からなる１個の共通調質槽２
と、上段に通風乾燥部４を、又、下段に略密閉状
の取出し槽５を順次立体的に配設して構成した横
長角筒状を呈する複数個の通風乾燥ユニツト３，
３……とにより形成されており、しかも、前記複
数個の通風乾燥ユニツト３，３……を並列状態に
配設した上部には複数個の通風乾燥ユニツト３，
３の平面面積の和に略等しい平面面積を有する１
個の共通調質槽２が取外し自在に架設されてい
る。

前述した通風乾燥部４は、通風乾燥ユニツト３
の前面側に装備された熱気発勢装置６と連通なら
しめた熱風室７と、下側が前述した取出し槽５と
連通状ならしめた排風室８とを熱風室７と排風室
８との間に同一幅の穀物流路９……が形成せられ
るよう交互に縦設せしめて構成すると共に、上端
側が１個の共通調質槽２内部に連通せしめた穀物
流路９……の下部は繰出しロール１０……を介し
て取出し槽５に接続せしめてある。

前記、取出し槽５の一側には適当な吸引力を有
する吸引排風機１１が連通状となるように装備さ
れ、又取出し槽５の底部には搬出側が通風乾燥ユ
ニツト３の一側に付設された昇降機１３の下部に
接続した搬出スクリユーからなる搬出装置１２が
配設されている。

複数個の通風乾燥ユニツト３，３……に夫々付
設された循環用の昇降機１３，１３……の上部一
側には排出樋１４，１４……が夫々設けられてお
り、これが排出樋１４，１４……の下端には供給
樋１５，１５……の上端側を接続せしめると共
に、夫々の供給樋１５，１５……の下端側は集合
樋１６に接続せしめてある。

１７は共通調質槽２の上部位置に配設した混合
配穀装置であつて、該混合配穀装置１７には集合
樋１６の下端を臨ませてある。上記混合配穀装置
１７は取付台１８に装着された駆動モータ１９
と、駆動モータ１９の回転軸２０に装着された前
低後高状を呈する上向きコ字状の混合配穀板２１
とにより構成されていて、駆動モータ１９により
回転される混合配穀板２１の振出し作用で、供給
された穀物を均等量宛混合しながら１個の共通調
質槽２へ配穀せしめる。

なお上記の混合配穀装置１７は、通風乾燥ユニ
ツト３が２個の場合には１個を共通調質槽２の中
央位置に配設し、又通風乾燥ユニツト３が３個或
はそれ以上の数となつたら、通風乾燥ユニツト３
の数より１を減じた数の混合配穀装置１７を均等
間隔をおいて共通調質槽１７内に設置すればよ
い。又上述した混合配穀装置１７はその構成が実
施例のものに限定されるものではなく、他の構成
からなる混合配穀装置であつてもよい許りか、通
風乾燥ユニツト３内に縦設された穀物通路９の数
も任意とすることができる。

考案の効果 要するに本考案は、前述した如き技術的段およ
び作用を有するものであるから、例え大容量の穀
物といえども通風乾燥部４と取出し槽５とを上下
に配設した複数個の通風乾燥ユニツト３，３……
の上部に１個の共通調質槽２を取外し自在に架設
したことにより全体の背丈を低くできた穀物乾燥
機１により能率的に乾燥させることができる許り
か、各通風乾燥ユニツト３，３……により乾燥さ
れた以後の穀物は、その総てを取出し槽５より搬
出装置１２を経て通風乾燥ユニツト３と同数立設
された専用で、しかも循環用の昇降機１３，１３
……により別個に搬送せしめて、搬送遅れが生ず
ることなく正確に搬送せしめることができると共
に夫々の昇降機１３，１３……により搬送された
穀物は排出樋１４、供給樋１５を介し集合樋１６
において確実に混合集合させた後、混合配穀装置
１７によつて均等量宛均平状態となるよう１個の
共通調質槽２に循環返流せしめることができるの
で、この種穀物乾燥機において発生しがちな穀物
の流動ムラや乾燥ムラの発生をなくし、大容量の
穀物を均質の状態のもとに効率的に乾燥させるこ
とができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀物乾燥機の実施例を示す
ものであつて、第１図は共通調質槽の一部を破断
した正面図、第２図は通風乾燥ユニツトの拡大縦
断正面図、第３図は通風乾燥ユニツトの拡大縦断
側面図、第４図は混合配穀装置の拡大全体斜視
図、第５図は通風乾燥ユニツトを３個並設した場
合における一部破断した穀物乾燥機の他例を示す
正面図である。 １……穀物乾燥機、２……共通調質槽、３……
通風乾燥ユニツト、４……通風乾燥部、５……取
出し槽、１２……搬出装置、１３……昇降機、１
４……排出樋、１５……供給樋、１６……集合
樋、１７……混合配穀装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通風乾燥部と取出し槽とを上下に配設した通風
   乾燥ユニツトを複数個並設し、該並設された複数
   個の通風乾燥ユニツトの上部には、通風乾燥ユニ
   ツトの平面面積の和に略等しい平面面積を有する
   一個の共通調質槽を着脱自在に架設したものにお
   いて、前記夫々の取出し槽に設けた搬出装置の搬
   出側を通風乾燥ユニツトと同数立設した循環用の
   昇降機の下部に接続せしめると共に、夫々の昇降
   機の排出樋に上端を接続した供給樋の下端を、集
   合樋を経て共通調質槽内に配設した混合配穀装置
   に臨ませたことを特徴とする穀物乾燥機。