JPH0218993Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は施肥装置を装備した乗用田植機に関す
るもので、該施肥装置における肥料タンクを植付
作業機における苗のせ台の上部背面に固設すると
共に、上記タンクへの肥料補給作業を容易に行わ
しめることにより、スペースの有効利用及び肥料
供給の円滑化等を図るものである。

ところで、田植機に施肥装置を装備することに
より、苗の植付作業と同時に施肥作業を行い得る
ようにすることが行われるが、乗用形機体の後部
に植付作業機を連結した構造の田植機にあつて
は、上記施肥装置における肥料タンクが機体側
に、該装置における肥料埋込み器が植付作業機側
に夫々取り付けられるのが通例であり、そのため
機体においては操縦席の周辺が窮屈になつて作業
性が悪化すると共に、上記タンクと埋込み器を接
続するホースが長くなつて該ホース内における肥
料の詰り等を生じ、また非植作業時において作業
機をリフトアツプさせた際に、上記ホースが無理
に屈曲せしめられて該ホースの破損の原因となる
等の問題を生じるのである。

本考案は施肥装置付き田植機における上記のよ
うな問題に対処するもので、該施肥装置における
肥料タンクを植付作業機における苗のせ台の上部
背面に固設し、かつ該肥料タンクの上部に設けた
口部からの肥料補給を容易化させることにより、
従来放置されていたスペースを有効利用して、機
体の操縦席周辺を窮屈にする等の幣害を防止する
と共に、該タンクと肥料埋込み器の距離を短かく
してホース内を肥料が円滑に流下するようにな
し、且つ植付作業機のリフトアツプ時にも上記ホ
ースが無理に屈曲されることがないようにしたも
のである。

以下、これを図に示す実施例により説明する
と、第１図において１は田植機における乗用形の
機体で、走行装置として左右一対の前輪２及び後
輪３を有すると共に、該機体の上部は操縦部とさ
れて座席４、ハンドル５、各種のレバー６等が配
備され、また該機体の前部にはエンジン７が搭載
されている。８は該機体１の後部に昇降用リンク
機構９を介して連結された植付作業機で、油圧シ
リンダ１０により上記リンク機構を介して図示の
植付位置からリフトアツプ可能とされており、且
つ該作業機には機体側から入力軸１１を介して動
力が導入される駆動装置１２、該装置により横方
向に往復動せしめられる苗のせ台１３、及び該装
置により駆動される植付爪機構１４等が配備され
ており、また該作業機を植付泥面上に保持するフ
ロート１５が具備されている。１６は該植付作業
機８に装備された施肥装置で、該装置は肥料タン
ク１７、肥料埋込み器１８、その両者を接続する
ホース１９、及び伝動部材２０を介して上記駆動
装置１２により作動せしめられる肥料送り出し器
２１により構成され、上記埋込み器１８がフロー
ト１５の前方に取り付けられていると共に、肥料
タンク１７が上記苗のせ台１３の上部背面に固設
されている。ここで、肥料タンク１７は苗のせ台
１３と共に駆動装置１２に対して相対的に横方向
に移動するので、該実施例においては、上記肥料
送り出し器２１が駆動装置に対して横方向に相対
的に移動しない肥料埋込み器１８側に取り付けら
れている。

２２は苗のせ台１３の背面との間に開放部イを
形成しうるよう、上記肥料タンク１７の上部に設
けた口部１７ａがわ前方部において上方へ傾斜状
に突出させた支持枠で、開放部イの上方から差入
れるようにした肥料補助タンク２３の下方部を保
持しうるようになされている。２４は口部１７ａ
に施こした蓋を示す。なお、上記補助タンク２３
は、その口部２３ａを苗のせ台１３の上部背面に
固設された肥料タンク１７の口部１７ａに対向さ
せるようにして支持枠２２による開放部イ内へ上
記補助タンク２３を嵌合させると、肥料タンクの
口部１７ａの上縁に設けられた歯１７ｂにより、
補助タンク２３の接続時に該タンクの口部２３ａ
を封鎖している封膜２３ｂが切除され、これによ
り補助タンク２３内の肥料を下方のタンク１７に
補給しうるようになされているのである。

上記の構成によれば、苗の植付作業時に、施肥
装置１６における肥料タンク１７内に貯留された
肥料がホース１９及び送り出し器２１を経て埋込
み器１８に供給されると共に、該埋込み器により
苗の植付位置の近傍に埋込まれて行くのであり、
これにより苗の植付作業と同時に施肥作業が行わ
れることになるのであるが、その場合に上記タン
ク１７は植付作業機８における苗のせ台１３の上
部背面に固設されているから、従来余剰スペース
として放置されていた苗のせ台の上部前方の空間
が有効に利用されることになると共に、該タンク
がフロート１５の前方に取り付けられた埋込み器
１８の上方に位置することになつて、該タンクと
埋込み器を接続するホース１９の寸法が短縮され
且つ略上下方向に配設されることになり、これに
より肥料がホース内を円滑に流下することにな
り、また該タンク、埋込み器等により構成される
施肥装置１６の全体が植付作業機８に装備されて
いることにより、非植付作業時において該作業機
をリフトアツプさせた場合にも、上記ホースが無
理に屈曲せしめられる等の問題を生じないのであ
る。然して上記肥料タンク１７内の肥料が減少す
ると、苗のせ台１３と支持枠２２との間の開放部
イ内へ第２図に示すよう補助タンク２３を差しこ
むと該タンクと肥料タンク１７の両口部２３ａ，
１７ａを通じて内部の肥料が肥料タンク内に補給
されることになるのである。なお、前記肥料タン
ク１７は苗のせ台１３の上部背面に一体形成して
もよく、また別途形成したタンクを苗のせ台に固
着するようにしてもよい。

以上のように本考案は、乗用形機体の後部に植
付作業機を連結した構造の田植機において、該作
業機に施肥装置を装備すると共に、特に該装置に
おける肥料タンクを植付作業機における苗のせ台
の上部背面に固設し、かつこの肥料タンクの上方
部前面に支持枠をとりつけることにより該支持枠
と上記苗のせ台の上部背面との間に肥料補助タン
クを差入れるための開放部を形成する構成とした
から、従来、徒らに放置されていた苗のせ台の上
部前方の空間が有効に利用されることになつて、
該タンクを機体側に装備する場合の操縦席周辺を
窮屈にする等の幣害が防止されると共に、該タン
クから肥料埋込み器への肥料の流下が円滑化され
てホース内における肥料の詰りが防止され、また
非植付作業時において植付作業機をリフトアツプ
させた場合にも上記ホースが無理に屈曲せしめら
れることがなくなつて、該ホースの破損が防止さ
れることになり、しかも取付空間のせまい上記苗
のせ台の背部に位置する肥料タンク内への肥料の
補給を容易に、しかも能率よく行わせうる効果を
奏するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す田植機の側面
図、第２図は他の実施例を示す要部拡大側面図で
ある。 １……機体、８……植付作業機、１３，１３′
……苗のせ台、１６……施肥装置、１７，１７′
……肥料タンク、２２′……補助肥料タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗用形機体の後部に植付作業機を連結した構成
   において、該作業機に装備した施肥装置における
   肥料タンクを上記作業機における苗のせ台の上部
   背面に固設すると共に、該肥料タンクの口部近く
   の前面に該口部上を開放させた肥料補助タンク保
   持用の支持枠を設けしめたことを特徴とする施肥
   装置付き乗用田植機。