JPH0211311Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願は、多層クラフト紙袋に関し、更に詳しく
は、ポリチユーブ同時製袋により製袋される、所
謂、最内層に合成樹脂管状フイルムよりなる内袋
を有する多層クラフト紙袋に係る。

従来の技術 従来、防湿の目的をもつて、ポリチユーブ同時
製袋により製袋される、所謂、最内層に合成樹脂
管状フイルムよりなる内袋を有する多層クラフト
紙袋が広く開発されている。即ち、この種の多層
クラフト紙袋は内袋を構成する最内層の合成樹脂
管状フイルムの流れの途中にヒートシールを施し
底部を形成しているものである。

考案が解決しようとする問題点 然るに従来、開発されている上記、最内層に合
成樹脂管状フイルムよりなる内袋を有する多層ク
ラフト紙袋の構成は外層のクラフト紙袋と内層の
合成樹脂管状フイルムよりなる内袋とを別々に製
作しておき、人手により極めて手数をかけて製袋
するものでなく、最内層に合成樹脂管状フイルム
を有する扁平状多層筒体を製袋機により打出し、
次いで底貼機に移動し、その最内層に介在してあ
る合成樹脂フイルムの下部端縁近くを多層クラフ
ト紙の表面からヒートシールして合成樹脂内袋を
形成するものである。従つて、ヒートシールの際
の熱温度調整、多層クラフト紙の紙の厚み、層数
などの諸条件により、ヒートシールが完ぺきに行
われず袋底部のヒートシールに不良部が形成され
内容物の充填後、搬送、保管中などに、この不良
部の個所から内容物が漏れる欠陥のあるものが多
く、今末満足の行くものがないのが現状である。
本考案は従来のこれらの問題に鑑み開発された全
く新規な技術に関するものである。

問題点を解決するための手段 上述の問題点を解決した本考案は、底部にヒー
トシール部を施した合成樹脂管状フイルムよりな
る内袋と、底部の層間を横方向に点貼叉は線貼し
た多層クラフト紙でなる外袋とからなる防湿の目
的をもつ最内層に合成樹脂管状フイルムを有する
多層クラフト紙袋の底部端縁にまたがつて微細孔
を有する当て素材を貼着したことを特徴とする袋
に係るものである。

作 用 本考案に係る最内層に合成樹脂管状フイルムを
有する多層クラフト紙袋は上記の如く構成するも
のであるから、例えば合成樹脂フイルムよりなる
内袋の底部を形成するヒートシールが完ぺきに行
われておらずヒートシールに不良部が形成されて
いれば内容物を充填した際、当て素材の微細孔よ
り内容物が外袋の外方に飛散することになる。従
つて同時製袋によつてヒートシールを施した最内
層の合成樹脂管状フイルムのヒートシール部が完
全にシールされているかどうか内容物を収納して
から確認出来得る袋を提供するものである。

以下、図面に基いて一実施態様を具体的に説明
する。本考案の多層袋は袋本体１と袋底部に馬乗
りに貼着する微細孔２を有する当て素材３とから
なる。

袋本体１は合成樹脂管状フイルムの底部端縁近
くを全幅にわたつてヒートシール４した合成樹脂
内袋５の外側にクラフト紙３層６，７，８の底部
端縁近くを点貼叉は線貼９したクラフト紙外袋を
組合せた筒状体とし、該筒状体の底部に複数個所
に微細孔２，２，２…等を有する当て素材を馬乗
り状に接着剤１０によつて貼着して構成する。
尚、合成樹脂管状フイルムとしてはポリエチレン
叉はポリプロピレンなどのポリオレフイン系合成
樹脂を素材としたものが最適である。叉当て素材
としては合成樹脂複合フイルム（日石樹脂（株）
製）商品名「ワリフ」にクラフト紙をラミネート
した特殊紙を用い、接着剤としては（積水化学
（株）製）商品名「エスダイン」が最適である。
当て素材としては強度を満足できれば材質を選ぶ
必要はなく、微細孔２を有する多層クラフト紙や
微細孔２を有する可伸長紙を使用してもよい。

本考案は上記の如くの構成であるからこの袋の
内容物の充填に当つては袋本体１の口部を開いて
内容物を入れ、口部を最外層クラフト紙６の上か
らヒートシール４′し、その上部端縁側で合成樹
脂内袋５とクラフト紙６，７，８を一体にしてミ
シン縫１２する。逆に内容物の取出しに当つて
は、前記ミシン縫１２をほどくかミシン縫１２と
ヒートシール４′の中間１３叉はヒートシール部
４′の下部を切断して合成樹脂内袋を第４図ａ叉
はｂの状態で極めて容易に取り出すことができ
る。

本考案の多層袋の製造に当つては常法に従つて
合成樹脂管状フイルム１５を最内層とし、多層ク
ラフト紙６，７，８を外層とし、且多層クラフト
紙間を所要袋長間隔をもたせた点貼９した連続多
層筒状体を形成し該連続筒状体を所要袋長に切断
して扁平状多層筒体とする。次いで該扁平状多層
筒体を底貼機に移動し最内層合成樹脂フイルム１
５の下部端縁近くを多層クラフト紙の表面からヒ
ートシールして合成樹脂内袋５を形成し、クラフ
ト紙６，７，８の下部端縁の全幅にわたつて連続
帯状の複数個所に微細孔２を有する当て素材３を
馬乗り状に接着剤１０で貼着叉は熱接着して当て
素材３を一袋毎に切断して製袋工程を完了し本考
案の多層袋を得る。

効 果 以上説明したように本考案の多層袋は合成樹脂
内袋を極めて容易に取り出すことができるので、
外袋表面の異物が内袋に混入することがない。例
えば合成樹脂内袋５のヒートシール４に不良部１
４が形成されている場合、袋底部に馬乗りに微細
孔２を有する当て素材が貼着されているので、内
容物は、内袋のこの不良部１４より外層袋内に漏
れ、搬送、保管中などに、この微細孔２より内袋
の不良部から漏れている内容物が更に外袋の外方
に飛散する。従つて、この場合は袋底部のヒート
シール４が完ぺきに行われておらずヒートシール
に不良部が発生していることが明らかに判明出来
る。叉逆に内容物が飛散してなければ袋底部のヒ
ートシール４は完ぺきにシールされておりヒート
シールに不良部が無いことを証明出来る。

即ち、本考案の多層袋は当て素材に形成されて
いる微細孔より内容物が飛散したならば、この時
点でこの多層袋の搬送を中止し、その後に使用す
るユーザーに対して迷惑をかけることがない等、
量産が可能でしかも著しく有効な効果を有する実
用価値大なる多層袋を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る多層袋の平面図、第２図
は第１図のＡ−Ａ線断面拡大図、第３図は内容物
を収納して口部を封止した状態の説明図、第４図
ａ，ｂは合成樹脂内袋を取り出した状態の説明
図、第５図は当て素材３のＢ−Ｂ線横断面図でヒ
ートシール不良部１４が形成されている説明図、
第６図は連続多層筒状体形成直前のクラフト紙と
合成樹脂管状フイルムの重合状態を示す説明図で
ある。尚図中各符号は１は袋本体、２は微細孔、
３は当て素材、４，４′はヒートシール、５は合
成樹脂内袋、６，７，８はクラフト紙、９は点貼
叉は線貼、１０は接着剤、１１は内容物、１２は
ミシン縫、１３は中間、１４はヒートシール不良
部、１５は合成樹脂管状フイルムを夫々示すもの
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部にヒートシール部を施した合成樹脂管状フ
   イルムでなる内袋と、底部の紙層間を横方向に点
   貼叉は線貼し、底部端縁にまたがつて微細孔を有
   する当て素材を貼着した多層クラフト紙でなる外
   袋とからなり、口部は前記合成樹脂管状フイルム
   と前記多層クラフト紙袋とを一体にしてミシン縫
   合し得る如くしたことを特徴とする最内層に合成
   樹脂管状フイルムを有する多層クラフト紙袋。