JPH018759Y2 - - Google Patents
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- JPH018759Y2 JPH018759Y2 JP15466884U JP15466884U JPH018759Y2 JP H018759 Y2 JPH018759 Y2 JP H018759Y2 JP 15466884 U JP15466884 U JP 15466884U JP 15466884 U JP15466884 U JP 15466884U JP H018759 Y2 JPH018759 Y2 JP H018759Y2
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Description
【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本考案は、歯部が歯付プーリの溝部と噛合つた
ときに、該溝部の溝面に圧接する歯付ベルトに関
するものである。
ときに、該溝部の溝面に圧接する歯付ベルトに関
するものである。
(従来技術)
一般に、歯付ベルトにおいて、その歯部が歯付
プーリの溝部と噛合つたときに、該溝部の溝面に
圧接し、圧縮力を受けるものは知られている。
プーリの溝部と噛合つたときに、該溝部の溝面に
圧接し、圧縮力を受けるものは知られている。
そのような歯付ベルトとしては、従来、例えば
特公昭56−29141号公報に記載されるように、張
力部材によつて補強された、天然ゴム又は合成ゴ
ム等の如き高分子材料製の動力伝達ベルトと、少
なくとも一対のプーリーとを有し、前記ベルトの
交互に配置された歯及び溝が前記プーリーの交互
に配置された歯及び溝に噛み合うよう構成された
可撓性歯付きベルト駆動装置において、前記ベル
トは前記プーリーに圧縮係合するようにされ、即
ち、前記一対のプーリー間の前記ベルトの長手方
向範囲内での該ベルトの歯の高さが、前記プーリ
ーの溝の深さよりも大きく、また、前記ベルトが
前記プーリーのまわりを走行する際該プーリーに
対向している前記ベルトの歯の半径方向内側端部
分が該プーリーの溝の底部を画定する該プーリー
の歯間の部分に接触し、同時に前記ベルトの歯は
圧縮されてそれらの高さを減じ、もつて前記プー
リーの歯の半径方向外側に面した最外端部分が前
記ベルトの溝の底部を画定する該ベルトの歯間の
部分に接触するよう構成し、歯付ベルトに円運動
を行わせて、騒音の低減、耐屈曲疲労性の向上等
を図るものが知られている。
特公昭56−29141号公報に記載されるように、張
力部材によつて補強された、天然ゴム又は合成ゴ
ム等の如き高分子材料製の動力伝達ベルトと、少
なくとも一対のプーリーとを有し、前記ベルトの
交互に配置された歯及び溝が前記プーリーの交互
に配置された歯及び溝に噛み合うよう構成された
可撓性歯付きベルト駆動装置において、前記ベル
トは前記プーリーに圧縮係合するようにされ、即
ち、前記一対のプーリー間の前記ベルトの長手方
向範囲内での該ベルトの歯の高さが、前記プーリ
ーの溝の深さよりも大きく、また、前記ベルトが
前記プーリーのまわりを走行する際該プーリーに
対向している前記ベルトの歯の半径方向内側端部
分が該プーリーの溝の底部を画定する該プーリー
の歯間の部分に接触し、同時に前記ベルトの歯は
圧縮されてそれらの高さを減じ、もつて前記プー
リーの歯の半径方向外側に面した最外端部分が前
記ベルトの溝の底部を画定する該ベルトの歯間の
部分に接触するよう構成し、歯付ベルトに円運動
を行わせて、騒音の低減、耐屈曲疲労性の向上等
を図るものが知られている。
ところが、このような歯付ベルトでは、その歯
部は歯部高さ方向に1〜20%程度弾性圧縮される
ので、使用により永久圧縮歪が生成され、それに
よつて歯付ベルトが円運動を行わなくなり、上述
した効果が消滅し、また、隣合う歯部の間の歯谷
部に過大な圧力が作用し、早期に摩耗してクラツ
クが発生し、ベルト寿命が短いという不具合があ
る。このような不具合は、特に自動車等の高温雰
囲気条件下において促進されるので問題である。
部は歯部高さ方向に1〜20%程度弾性圧縮される
ので、使用により永久圧縮歪が生成され、それに
よつて歯付ベルトが円運動を行わなくなり、上述
した効果が消滅し、また、隣合う歯部の間の歯谷
部に過大な圧力が作用し、早期に摩耗してクラツ
クが発生し、ベルト寿命が短いという不具合があ
る。このような不具合は、特に自動車等の高温雰
囲気条件下において促進されるので問題である。
ところで、歯付ベルトにおいて、補強のために
短繊維を利用することは知られている。例えば、
実開昭53−162256号公報には、低伸度高強力の抗
張体の上面に主体ゴムを密着し、抗張体の下面に
は歯形ゴムを一定ピツチで設けると共に、抗張体
の下面ならびに歯形ゴムの外面にベルト幅方向に
短繊維を配向した保護層を貼着し、更にその外面
をゴムを附着せしめた帆布で被覆している歯付伝
動ベルトが開示されている。特開昭55−68735号
公報には、上記帆布に代えて不織布を用い、歯部
表面に短繊維を混在させた歯付ベルトが記載され
ている。また、特開昭55−57741号公報には、抗
張体の一面に設けられた硬質弾性材から成る歯体
と前記抗張体の他面に設けられた弾性材から成る
裏打層とから成り、前記硬質弾性材と裏打層が前
記抗張体を中心とする波状の界面をなして接し、
前記歯体の表面が隣接する歯体間の谷部分を含め
て織布層で被われ、前記硬質弾性材が補強繊維を
含有する歯付ベルトが記載され、米国特許第
4235119号明細書には、歯部表面を被覆する帆布
の内側にベルト長手方向に配向された短繊維が設
けられた歯付ベルトが記載されている。
短繊維を利用することは知られている。例えば、
実開昭53−162256号公報には、低伸度高強力の抗
張体の上面に主体ゴムを密着し、抗張体の下面に
は歯形ゴムを一定ピツチで設けると共に、抗張体
の下面ならびに歯形ゴムの外面にベルト幅方向に
短繊維を配向した保護層を貼着し、更にその外面
をゴムを附着せしめた帆布で被覆している歯付伝
動ベルトが開示されている。特開昭55−68735号
公報には、上記帆布に代えて不織布を用い、歯部
表面に短繊維を混在させた歯付ベルトが記載され
ている。また、特開昭55−57741号公報には、抗
張体の一面に設けられた硬質弾性材から成る歯体
と前記抗張体の他面に設けられた弾性材から成る
裏打層とから成り、前記硬質弾性材と裏打層が前
記抗張体を中心とする波状の界面をなして接し、
前記歯体の表面が隣接する歯体間の谷部分を含め
て織布層で被われ、前記硬質弾性材が補強繊維を
含有する歯付ベルトが記載され、米国特許第
4235119号明細書には、歯部表面を被覆する帆布
の内側にベルト長手方向に配向された短繊維が設
けられた歯付ベルトが記載されている。
しかしながら、上記ベルトは何れも歯部の剛性
は向上するが、歯部高さ方向の補強は十分でない
ため、前述した如き歯部を歯部高さ方向に弾性圧
縮させて用いる場合には、早期にベルト寿命に至
るという問題がある。
は向上するが、歯部高さ方向の補強は十分でない
ため、前述した如き歯部を歯部高さ方向に弾性圧
縮させて用いる場合には、早期にベルト寿命に至
るという問題がある。
また、実開昭54−150052号公報には、ゴム状弾
性基材に短繊維材料を均一に混入し、これらに低
伸度高強力の撚成ロープを抗張体としてベルトの
長手方向に並列埋設し成形加工してなる歯付ベル
トが記載され、実開昭55−68735号公報には、耐
熱性ゴム基材に抗張体を並列埋設すると共に、歯
部のみの前記ゴム基材中に耐熱性短繊維材料を混
入し、歯部表面に耐熱耐摩耗性帆布を貼着し成形
加工した歯付ベルトが記載され、さらに米国特許
第3535946号明細書には、歯部に短繊維を無規則
に混入した歯付ベルトが記載されている。
性基材に短繊維材料を均一に混入し、これらに低
伸度高強力の撚成ロープを抗張体としてベルトの
長手方向に並列埋設し成形加工してなる歯付ベル
トが記載され、実開昭55−68735号公報には、耐
熱性ゴム基材に抗張体を並列埋設すると共に、歯
部のみの前記ゴム基材中に耐熱性短繊維材料を混
入し、歯部表面に耐熱耐摩耗性帆布を貼着し成形
加工した歯付ベルトが記載され、さらに米国特許
第3535946号明細書には、歯部に短繊維を無規則
に混入した歯付ベルトが記載されている。
ところが、上記ベルトは前述した如き歯部を歯
部高さ方向に弾性圧縮させて用いた場合ある程度
の剛性を示すと考えられるが、短繊維を無規則に
均一に分散させることは現実には不可能で、部分
的に塊が形成され圧縮歪が不均一となり、クラツ
クが発生し、やはり早期にベルト寿命に至るとい
う問題がある。
部高さ方向に弾性圧縮させて用いた場合ある程度
の剛性を示すと考えられるが、短繊維を無規則に
均一に分散させることは現実には不可能で、部分
的に塊が形成され圧縮歪が不均一となり、クラツ
クが発生し、やはり早期にベルト寿命に至るとい
う問題がある。
(考案の目的)
本考案は、上述した如き歯付ベルトにおいて、
歯部の弾性圧縮変形による永久歪の発生を抑制
し、ベルト寿命の向上を図ることを主目的とする
ものである。
歯部の弾性圧縮変形による永久歪の発生を抑制
し、ベルト寿命の向上を図ることを主目的とする
ものである。
(考案の構成)
本考案は、上述した如き歯付ベルトにおいて、
歯部には、該歯部が圧接される歯付プーリの溝部
の溝面より力を受ける方向にすなわち最も圧縮力
を受ける方向に短繊維が配列されていることを特
徴とするものである。
歯部には、該歯部が圧接される歯付プーリの溝部
の溝面より力を受ける方向にすなわち最も圧縮力
を受ける方向に短繊維が配列されていることを特
徴とするものである。
(実施例)
以下、本考案の実施例を図面に沿つて説明す
る。
る。
第1図に示す歯部1aを有し歯先面1bが歯付
プーリの溝部の下部溝面に弾性的に圧接される歯
付ベルト1において、2は伝動を受け持つグラ
ス、スチール、芳香族ポリアミド等の低伸度の材
料からなる抗張体であるコード、3及び4はベル
ト形状を形成するネオプレンゴム等のような弾性
材料を用いた上部ゴム層及び歯部ゴム層、5は歯
部表面を保護するナイロン等の低摩擦係数の帆布
からなる補強帆布層である。
プーリの溝部の下部溝面に弾性的に圧接される歯
付ベルト1において、2は伝動を受け持つグラ
ス、スチール、芳香族ポリアミド等の低伸度の材
料からなる抗張体であるコード、3及び4はベル
ト形状を形成するネオプレンゴム等のような弾性
材料を用いた上部ゴム層及び歯部ゴム層、5は歯
部表面を保護するナイロン等の低摩擦係数の帆布
からなる補強帆布層である。
上部ゴム層3及び歯部ゴム層4には、綿、ポリ
エステル、ポリアミド、アラミツド等からなり1
〜10mmの範囲にカツトされた短繊維6がゴム成分
100重量部に対し5〜50重量部だけ混入されてい
る。上記短繊維6は、上部ゴム層3では略ベルト
幅方向S1に、歯部ゴム層4では略歯部高さ方向S2
に配列されている。
エステル、ポリアミド、アラミツド等からなり1
〜10mmの範囲にカツトされた短繊維6がゴム成分
100重量部に対し5〜50重量部だけ混入されてい
る。上記短繊維6は、上部ゴム層3では略ベルト
幅方向S1に、歯部ゴム層4では略歯部高さ方向S2
に配列されている。
また、第2図に示す歯部11aを有し歯先面1
1bが歯付プーリの溝部の下部溝面に圧接される
歯付ベルト11は、上部ゴム層12に短繊維が混
入されておらず、この上部ゴム層12を用途に応
じて耐熱性、耐寒性、耐オゾン性等の優れた均一
エラストマー材としたものである。この歯付ベル
ト11は、第1図に示す歯付ベルト1と同様の歯
部ゴム層4で伝動能力の向上とそれの維持を、上
部ゴム層12で用途に応じた耐環境特性の向上を
それぞれ図つている。
1bが歯付プーリの溝部の下部溝面に圧接される
歯付ベルト11は、上部ゴム層12に短繊維が混
入されておらず、この上部ゴム層12を用途に応
じて耐熱性、耐寒性、耐オゾン性等の優れた均一
エラストマー材としたものである。この歯付ベル
ト11は、第1図に示す歯付ベルト1と同様の歯
部ゴム層4で伝動能力の向上とそれの維持を、上
部ゴム層12で用途に応じた耐環境特性の向上を
それぞれ図つている。
次いで、第1図に示す歯付ベルト11の製造方
法の一例を、第3図に基づいて説明する。
法の一例を、第3図に基づいて説明する。
先ず、外表面に一様断面形状の溝21aを軸方
向に有する円筒状金型21に、周方向において伸
縮性を有し予め接着処理を施した少なくとも1層
以上の円筒状の帆布22を外嵌する。
向に有する円筒状金型21に、周方向において伸
縮性を有し予め接着処理を施した少なくとも1層
以上の円筒状の帆布22を外嵌する。
その上に、抗張体となるグラス、スチール、芳
香族ポリアミド等の伸度の低い材料で構成された
コード2をスパイラル状に巻付け、それから、歯
部ゴム層4を形成する未加硫ゴムシート23を所
定厚さだけ巻付ける。なお、このゴムシート23
は、周知のゴム配合物例えばネオプレンゴム100
重量部に対し、接着処理が必要に応じて施された
短繊維6(1〜10mm)5〜50重量部が混入されて
いる。
香族ポリアミド等の伸度の低い材料で構成された
コード2をスパイラル状に巻付け、それから、歯
部ゴム層4を形成する未加硫ゴムシート23を所
定厚さだけ巻付ける。なお、このゴムシート23
は、周知のゴム配合物例えばネオプレンゴム100
重量部に対し、接着処理が必要に応じて施された
短繊維6(1〜10mm)5〜50重量部が混入されて
いる。
上記ゴムシート23を巻付けた後、周知の加硫器
で加圧加硫する。加硫完了後、金型21より、内
周に歯部が形成された円筒状加硫物を取外し、こ
れを用途に応じて所定幅に切断すると、所定の歯
付ベルトが得られる。なお、加硫中において、ゴ
ムがコード2間を通じて金型21の溝21a内へ
流入する際、その流入によつて短繊維6が歯部高
さ方向に再配列される。
で加圧加硫する。加硫完了後、金型21より、内
周に歯部が形成された円筒状加硫物を取外し、こ
れを用途に応じて所定幅に切断すると、所定の歯
付ベルトが得られる。なお、加硫中において、ゴ
ムがコード2間を通じて金型21の溝21a内へ
流入する際、その流入によつて短繊維6が歯部高
さ方向に再配列される。
上記歯付ベルト1,11では、短繊維6が歯部
高さ方向S2に配列され、該方向の耐圧縮性を高め
ているので、歯付プーリとの噛合時に歯付ベルト
1,11の歯部1a,11aが歯部高さ方向S2に
圧縮されても、変形の絶対量が少なくなり、歯部
1a,11aの歯先付近における永久歪の発生を
抑制することができる。その結果、歯部1a,1
1aが長期に亘つて弾性的に圧縮変形することと
なり、 走行音が低く、 コード2の屈曲疲労が少なく、 耐寒、耐熱、耐オゾン特性が高まり、上部ゴ
ム層3,12にクラツクが発生しにくく、 歯部剪断抵抗力が高まり、 隣合う歯部1a又は11aの間の歯谷部(以
下ランド部という)の摩耗が少なくなる などの優れた特性を示す。
高さ方向S2に配列され、該方向の耐圧縮性を高め
ているので、歯付プーリとの噛合時に歯付ベルト
1,11の歯部1a,11aが歯部高さ方向S2に
圧縮されても、変形の絶対量が少なくなり、歯部
1a,11aの歯先付近における永久歪の発生を
抑制することができる。その結果、歯部1a,1
1aが長期に亘つて弾性的に圧縮変形することと
なり、 走行音が低く、 コード2の屈曲疲労が少なく、 耐寒、耐熱、耐オゾン特性が高まり、上部ゴ
ム層3,12にクラツクが発生しにくく、 歯部剪断抵抗力が高まり、 隣合う歯部1a又は11aの間の歯谷部(以
下ランド部という)の摩耗が少なくなる などの優れた特性を示す。
続いて、第2図に示す本考案形の歯付ベルト
(ベルト呼称 190S8M896、周長896mm、幅19mm
歯数112)と、従来形の歯付ベルト(短繊維が歯
部に混入されていない点を除けば、本考案形と同
一)とについて行つた比較試験の結果について説
明する。
(ベルト呼称 190S8M896、周長896mm、幅19mm
歯数112)と、従来形の歯付ベルト(短繊維が歯
部に混入されていない点を除けば、本考案形と同
一)とについて行つた比較試験の結果について説
明する。
試 料
本考案形の歯付ベルトの歯部は、ネオプレンゴ
ム配合物100重量部に対し、RFL処理された短繊
維(3デニールの66ナイロンを2mmに切断したも
の)8重量部を混入してなる。短繊維6の配向角
度は、歯部の中央付近で、歯部高さ方向に対しベ
ルト幅方向の角度α、ベルト長さ方向の角度βが
5度以内となるように設定されている(第4図及
び第5図参照)。なお、l1は鉛直線、l2は短繊維6
の配列方向と一致した線である。
ム配合物100重量部に対し、RFL処理された短繊
維(3デニールの66ナイロンを2mmに切断したも
の)8重量部を混入してなる。短繊維6の配向角
度は、歯部の中央付近で、歯部高さ方向に対しベ
ルト幅方向の角度α、ベルト長さ方向の角度βが
5度以内となるように設定されている(第4図及
び第5図参照)。なお、l1は鉛直線、l2は短繊維6
の配列方向と一致した線である。
試験方法
試料ベルト31を、第6図に示す自動車のカム
シヤフトドライブのシユミレータを用いて、走行
試験した。すなわち、クランクシヤフトプーリ3
2(24歯、6000rpm)と、カムシヤフトプーリ3
3(48歯)との間に試料ベルト31を巻回し、テ
ンシヨンプーリ34(直径60mm)で押圧し、室温
80℃の条件下で走行試験を行つた。
シヤフトドライブのシユミレータを用いて、走行
試験した。すなわち、クランクシヤフトプーリ3
2(24歯、6000rpm)と、カムシヤフトプーリ3
3(48歯)との間に試料ベルト31を巻回し、テ
ンシヨンプーリ34(直径60mm)で押圧し、室温
80℃の条件下で走行試験を行つた。
評価方法
歯部永久圧縮歪は、第7図に示すように、歯
部11aの歯先の永久圧縮歪量△t1で評価し
た。
部11aの歯先の永久圧縮歪量△t1で評価し
た。
ランド部摩耗は、第8図に示すように、ラン
ド部の摩耗深さ△t2で評価した。
ド部の摩耗深さ△t2で評価した。
抗張体の耐屈曲疲労性は、走行前の従来形
(又は本考案形)の抗張力を100とした抗張力保
持率でもつて評価した。
(又は本考案形)の抗張力を100とした抗張力保
持率でもつて評価した。
歯部の耐剪断疲労性は、走行前の従来形(又
は本考案形)の歯部剪断力を100をした歯部剪
断力保持率でもつて評価した。
は本考案形)の歯部剪断力を100をした歯部剪
断力保持率でもつて評価した。
走行音は、カムシヤフトプーリ33より10mm
離隔した位置にマイクロホンを配置して近接騒
音を測定し、それでもつて評価した。
離隔した位置にマイクロホンを配置して近接騒
音を測定し、それでもつて評価した。
試験結果
第9図乃至第13図に示す通りである。すなわ
ち、本考案形は、従来形よりも、歯部永久圧縮歪
の発生量が少なく(第9図参照)、ランド部の摩
耗量が少なく(第10図参照)、抗張体であるコ
ードの耐屈曲疲労性に優れ(第11図参照)、歯
部の耐剪断疲労性にも優れている(第12図参
照)ことが判り、ベルト寿命が向上している。そ
れに加えて、本考案形は、従来形よりも、走行音
が小さく(第13図参照)、騒音の点においても
優れる。
ち、本考案形は、従来形よりも、歯部永久圧縮歪
の発生量が少なく(第9図参照)、ランド部の摩
耗量が少なく(第10図参照)、抗張体であるコ
ードの耐屈曲疲労性に優れ(第11図参照)、歯
部の耐剪断疲労性にも優れている(第12図参
照)ことが判り、ベルト寿命が向上している。そ
れに加えて、本考案形は、従来形よりも、走行音
が小さく(第13図参照)、騒音の点においても
優れる。
上記実施例のほか、第14図及び第15図に示
すように、歯付ベルト31の台形歯形の歯部31
aのフランク面31bが歯付プーリ32の溝部3
2aの側部溝面32bに圧接され、圧縮力を受け
る歯付ベルト31の場合には、短繊維33を、歯
部31aにおいて最も大きい剪断力が作用する歯
部31aのフランク面31bに対し略直交する方
向に配列することにより、上記実施例と同様に、
歯部の変形、永久圧縮歪の発生を抑制できる。
すように、歯付ベルト31の台形歯形の歯部31
aのフランク面31bが歯付プーリ32の溝部3
2aの側部溝面32bに圧接され、圧縮力を受け
る歯付ベルト31の場合には、短繊維33を、歯
部31aにおいて最も大きい剪断力が作用する歯
部31aのフランク面31bに対し略直交する方
向に配列することにより、上記実施例と同様に、
歯部の変形、永久圧縮歪の発生を抑制できる。
上記歯付ベルト31を製造するには、先ず、外
表面に一様断面形状の溝を軸方向に有する円筒状
金型に、予め接着処理又はゴム被覆処理された織
布を上記溝に合致するように型付けしつつ、周方
向に一層以上巻付ける。それから、上記金型の各
溝空隙部に、短繊維が混入された棒状ゴムを該短
繊維が歯部フランク面に略直交するように充填す
る。充填終了後、その上に、薄い未加硫の接着ゴ
ムシートを1層巻付け、次いで抗張体となるコー
ドをスパイラル状に巻付ける。それから、必要に
応じて未加硫の接着ゴムシートを巻き、その上に
上部ゴム層となる未加硫ゴムシートを巻付け、そ
の後加硫用スリーブを外嵌し、周知の加硫器で加
圧加硫し、前述した実施例の場合と同様にして、
所定の歯付ベルトを得る。
表面に一様断面形状の溝を軸方向に有する円筒状
金型に、予め接着処理又はゴム被覆処理された織
布を上記溝に合致するように型付けしつつ、周方
向に一層以上巻付ける。それから、上記金型の各
溝空隙部に、短繊維が混入された棒状ゴムを該短
繊維が歯部フランク面に略直交するように充填す
る。充填終了後、その上に、薄い未加硫の接着ゴ
ムシートを1層巻付け、次いで抗張体となるコー
ドをスパイラル状に巻付ける。それから、必要に
応じて未加硫の接着ゴムシートを巻き、その上に
上部ゴム層となる未加硫ゴムシートを巻付け、そ
の後加硫用スリーブを外嵌し、周知の加硫器で加
圧加硫し、前述した実施例の場合と同様にして、
所定の歯付ベルトを得る。
さらに、台形歯形のベルトに適用した例とし
て、前述の短繊維を略鉛直方向に配列することに
より得られる歯部剪断力の向上の効果も合せて得
ることができるように、第16図に示す構造の歯
付ベルト41とすることもできる。すなわち、歯
部41aにおいては短繊維42をフランク面41
bに対し略直交する方向に配列し、抗張体である
コード43の上下において短繊維44を略歯部高
さ方向に配列している。
て、前述の短繊維を略鉛直方向に配列することに
より得られる歯部剪断力の向上の効果も合せて得
ることができるように、第16図に示す構造の歯
付ベルト41とすることもできる。すなわち、歯
部41aにおいては短繊維42をフランク面41
bに対し略直交する方向に配列し、抗張体である
コード43の上下において短繊維44を略歯部高
さ方向に配列している。
(考案の効果)
本考案は上記のように構成したから、歯部にお
ける永久圧縮歪の生成が抑制され、ベルト寿命が
延びるとともにその他の種々の優れた効果を有す
る。
ける永久圧縮歪の生成が抑制され、ベルト寿命が
延びるとともにその他の種々の優れた効果を有す
る。
図面は本考案の実施例を示し、第1図は一実施
例である歯付ベルトの斜視図、第2図は他の実施
例の斜視図、第3図は第1図の歯付ベルトの製造
方法の説明図、第4図及び第5図は歯部における
短繊維の配向角度の説明図、第6図は試験システ
ムの概略構成図、第7図及び第8図は試験におけ
る評価方法の説明図、第9図乃至第13図は試験
結果を示すグラフ、第14図乃至第16図は変形
例の説明図である。 1,11……歯付ベルト、1a,11a……歯
部、6……短繊維、31……歯付ベルト、31a
……歯部、31b……フランク面、33……短繊
維。
例である歯付ベルトの斜視図、第2図は他の実施
例の斜視図、第3図は第1図の歯付ベルトの製造
方法の説明図、第4図及び第5図は歯部における
短繊維の配向角度の説明図、第6図は試験システ
ムの概略構成図、第7図及び第8図は試験におけ
る評価方法の説明図、第9図乃至第13図は試験
結果を示すグラフ、第14図乃至第16図は変形
例の説明図である。 1,11……歯付ベルト、1a,11a……歯
部、6……短繊維、31……歯付ベルト、31a
……歯部、31b……フランク面、33……短繊
維。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 歯部が歯付プーリの溝部と噛合つたときに該
溝部の溝面に圧接する歯付ベルトであつて、前
記歯部は前記圧接する溝部の溝面より力を受け
る方向に短繊維が配列されていることを特徴と
する歯付ベルト。 (2) 歯部は、歯先面が歯付プーリの溝部の下部溝
面に圧接し、略歯部高さ方向に短繊維が配列さ
れているところの実用新案登録請求の範囲第1
項記載の歯付ベルト。 (3) 歯部は、台形歯形で、フランク面が歯付プー
リの溝部の側部溝面に圧接し、該フランク面に
対し略直交する方向に短繊維が配列されている
ところの実用新案登録請求の範囲第1項記載の
歯付ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15466884U JPH018759Y2 (ja) | 1984-10-12 | 1984-10-12 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15466884U JPH018759Y2 (ja) | 1984-10-12 | 1984-10-12 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6169542U JPS6169542U (ja) | 1986-05-13 |
JPH018759Y2 true JPH018759Y2 (ja) | 1989-03-09 |
Family
ID=30712660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15466884U Expired JPH018759Y2 (ja) | 1984-10-12 | 1984-10-12 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH018759Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005125742A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-05-19 | Mitsuboshi Belting Ltd | Vリブドベルトの製造方法およびvリブドベルト |
-
1984
- 1984-10-12 JP JP15466884U patent/JPH018759Y2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6169542U (ja) | 1986-05-13 |
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