JP3468270B2 - 歯付きベルト - Google Patents

歯付きベルト

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JP3468270B2
JP3468270B2 JP17900497A JP17900497A JP3468270B2 JP 3468270 B2 JP3468270 B2 JP 3468270B2 JP 17900497 A JP17900497 A JP 17900497A JP 17900497 A JP17900497 A JP 17900497A JP 3468270 B2 JP3468270 B2 JP 3468270B2
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tooth
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rubber
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重洋 一色
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイミングベルトあ
るいは同期ベルトとして使用される歯付きベルトに関
し、特に自動車等の乗物の原動機でクランク軸からカム
軸、バランサー軸、燃料噴射ポンプの駆動軸等に回転駆
動力を伝達するための動力伝達ベルトとして用いられる
歯付きベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、歯付きベルトは一般的には歯ゴム
層を備え、この歯ゴム層の一方の面には歯部及び歯底部
が交互に形成される。歯ゴム層の他方の面には背ゴム層
が一体的に適用され、歯ゴム層と背ゴム層の境界面には
心線が埋設される。近年、自動車等の乗物の原動機の性
能が向上するにつれてクランク軸の回転数が上がり、カ
ム軸、インジェクションポンプ軸等の補機軸を回転駆動
させるために使用される歯付きベルトには一層大きな負
荷が掛かることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】負荷の増大に伴い、歯
付きベルトにおける歯部の歯欠けが早まっている。この
早期歯欠けを防止する方策としてベルト幅を広くするこ
とが考えられるが、しかし自動車等の乗物の原動機の搭
載条件により歯付きベルトのベルト幅は制限されている
ので、ベルト幅をむやみに広げたりすることはできな
い。したがって、上述したような歯部の早期欠損問題を
歯付きベルトのベルト幅を広げることで対処することは
できない。
【0004】本発明の目的は上述したようなタイプの歯
付きベルトであって、ベルト幅を広げることなく歯部の
早期欠損問題を解決し得るように構成された歯付きベル
トを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による歯付きベル
トは歯ゴム層を具備し、この歯ゴム層はその一方の面に
交互に形成された歯部及び歯底部をする。歯ゴム層の歯
部及び歯底部には帆布が覆われるように設けられ、歯ゴ
ム層の他方の面に一体的に背ゴム層が一体的に適用され
る。歯ゴム層と背ゴム層の境界面には複数の心線要素が
介在させられ、これら心線要素は歯付きベルトの長さ方
向に沿って延在すると共にその幅方向に沿って配列され
る。本発明によれば、そのような歯付きベルトにおい
て、歯ゴム層には多数の短繊維がその全体にわたって混
入させられて規則的に配向させられることが特徴とされ
る。
【0006】好ましくは、短繊維は歯付きベルトの長手
方向に配向させられる。この場合、短繊維は歯ゴム層の
歯部及び歯底部の交互の輪郭面に接近した領域では該輪
郭面に沿って配向させられ、このとき歯ゴム層の歯部の
中央領域では短繊維が背ゴム層の面に対してほぼ直角に
配向させられ得る。一方、短繊維は歯付きベルトの幅方
向に配向させられてもよい。
【0007】本発明において、短繊維は好ましくはアラ
ミド短繊維とされ、このときアラミド短繊維はメタ系ア
ラミド短繊維及びパラ系アラミド短繊維のいずれであっ
てもよい。短繊維の長さについては約1 ないし約6 mmで
あってよく、好ましくは約3mmとされる。また、歯ゴム
層の原料ゴムの100 重量部に対して約3 ないし約30重量
部の短繊維が混入され得るが、好ましくは、約6.5 重量
部の短繊維が混入される。
【0008】本発明において、歯ゴム層及び背ゴム層に
使用される原料ゴムとしては、水素添加率91%以上の水
素添加ニトリルゴムが用いられ、その原料ゴムには過酸
化物系加硫剤を添加してもよく、あるいはイオウ系加硫
剤及び加硫促進剤を添加してもよい。
【0009】本発明において、好ましくは、帆布は予成
形され、このとき帆布が伸長されて破断する際のその伸
びが元の長さの約30ないし約80%とされる。また、帆布
は歯付きベルトの長手方向に沿って延在する伸縮性の複
合糸と、歯付きベルトの幅方向に沿って延在する非伸縮
性糸とにより構成され得る。更に、帆布はレゾルシノー
ル・ホルムアルデヒド・ラテックス溶液で処理され得
る。
【0010】本発明において、心線要素は高強度ガラス
繊維から形成されてよく、このとき心線要素は約0.17な
いし約0.28mmの隙間で配列され得る。また、心線要素は
アラミド繊維からも形成されてよく、このとき心線要素
は約0.25ないし約0.36の隙間で配列され得る。好ましく
は、心線要素はレゾルシノール・ホルムアルデヒド・ラ
テックス溶液で処理され、更に心線要素上にゴムのり溶
液によるオーバーコート層が形成されて、該オーバコー
ト層上には好ましくはカシュー変性フェノール樹脂層が
形成され得る。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して、本発
明による歯付きベルトの実施形態について説明する。
【0012】先ず、図1を参照すると、本発明による歯
付きベルトの第1の実施形態が参照番号10で全体的に
示され、同図には歯付きベルト10から切り取られた一
部が斜視図として図示されている。歯付きベルト10は
歯ゴム層12を具備し、この歯ゴム層12の一方の面に
は歯部14及び歯底部15が交互に一体的に形成され
る。また、歯付きベルト10は歯ゴム層12の他方の面
に一体的に適用された背ゴム層16と、歯ゴム層12と
背ゴム層16との間の境界面に埋設された複数の心線要
素18とを具備する。このような多数の心線要素18は
例えば一対の心線コードを歯付きベルト10の長さ方向
に沿って螺旋状に巻回することにより得られる。なお、
好ましくは、一対の心線コードの一方はS撚り心線コー
ドとされ、その他方の心線コードはZ撚り心線コードさ
れる。歯付きベルト10は更に歯ゴム層12の歯部14
及び歯底部15の面に適用された帆布20を具備し、こ
の帆布20は好ましくは後で詳しく説明するようにアラ
ミド繊維及びナイロン繊維から成る織り布として形成さ
れる。
【0013】図1に示すように、歯ゴム層12にはその
全体にわたって多数の短繊維22がほぼ均等に混入さ
れ、しかも短繊維22は歯ゴム層12内に規則的に分布
させられる。即ち、図1に示す実施形態にあっては、短
繊維22は歯ゴム層12の歯部14及び歯底部15の表
面に接近した領域では歯付きベルト10の長さ方向に沿
って配向され、また各歯部14の中心領域では短繊維2
2は背ゴム層16の面に対して直角となるように配向さ
せられる。いずれにしても、図1に示す第1の実施形態
では、短繊維22は歯ゴム層12の歯部14及び歯底部
15の輪郭面を形成する母線に対して直角方向に配向さ
れる。
【0014】図2には図1に示す歯底部15の切断面が
拡大されて図示される。同図に示すように、各歯底部1
5では、心線要素18は帆布20と接触した状態で図示
されているけれども、実際には、心線要素18と帆布2
0との間には歯ゴム層12の一部となる薄いゴム層が介
在する。既に述べたように、心線要素18は歯ゴム層1
2と背ゴム層16との間の境界面に埋設されるが、この
とき各心線要素18の一部分は短繊維22を含む歯ゴム
層側に埋め込まれ、各心線要素18の他方の部分は背ゴ
ム層16側に埋め込まれる。本実施形態では、歯ゴム層
12側に対する各心線要素18の埋込み深さJはその直
径dのほぼ3分の1とされ、背ゴム層16側に対する各
心線要素18の埋込み深さLはその直径dのほぼ3分の
2とされる。要するに、互いに隣接する心線要素18間
の隙間には歯ゴム層12の一部、即ち短繊維を混入した
ゴムが部分的に侵入させられる。
【0015】図2に示すように、複数の心線要素18は
互いに所定の隙間gを置くように配列され、その隙間g
については心線要素18の材料に応じて適宜変えられ
る。例えば、心線要素18が高強度ガラス繊維から形成
される場合には、複数の心線要素18間の隙間gは約0.
17ないし約0.28mmの範囲内とされ、また心線要素18が
アラミド繊維から形成される場合には、複数の心線要素
18間の隙間gは約0.25ないし約0.36mmの範囲内とされ
る。
【0016】図3を参照すると、本発明による歯付きベ
ルトの第2の実施形態が示され、同図では、図1に示し
た歯付きベルトの構成要素に対応する構成要素について
は同じ参照番号を用いて示されている。第2の実施形態
では、歯ゴム層12内の短繊維22が第1の実施形態と
は異なった向きに配向されている点を除けば、第2の実
施形態は第1の実施形態と実質的に同じものである。要
するに、第2の実施形態にあっては、短繊維22は歯付
きベルト10の幅方向に沿って配向させられ、このため
短繊維22の配向は歯ゴム層12の歯部14及び歯底部
15の輪郭面を形成する母線に対して平行となる。
【0017】ここで、説明の便宜上、以下の記載では、
歯ゴム層12内の短繊維22の配向が歯付きベルト10
の長さ方向に沿う場合(第1の実施形態)にはそれをベ
ルト長さ方向配向として、また歯ゴム層12内の短繊維
22の配向が歯付きベルト10の幅方向に沿う場合(第
2の実施形態)にはそれをベルト幅方向配向として言及
することにする。
【0018】第1及び第2の実施形態のいずれの場合で
も、短繊維22は好ましくはアラミド繊維から成り、こ
のアラミド短繊維はメタ系アラミド繊維あるいはパラ系
アラミド繊維のいずれであってもよい。歯ゴム層12へ
の短繊維22の混入量については原料ゴム100 部(phr:
parts per hundred parts rubber) に対して約3ないし
約30部(phr) の割合とされ、好ましくは約6.3 部(phr)
の割合とされる。また、原料ゴムとしては、好ましくは
水素添加ニトリルゴムが用いられ、この水素添加ニトリ
ルゴムの加硫については特に制限されないが、有機過酸
化物による加硫あるいは硫黄等による加硫が好ましい。
【0019】一般的に、水素添加ニトリルゴムに短繊維
を混入して加硫した場合、その弾性が失われてその硬度
が増すことが知られている。一方、水素添加ニトリルゴ
ムにカーボンブラックを添加して加硫した場合には、そ
の弾性が富むことが知られている。従って、歯ゴム層1
2に対して所定量の短繊維22を混入させた際に所望の
弾性あるいは硬度を得ようとする場合には、カーボンブ
ラックの添加量を調節すればよい。なお、歯付きベルト
10の走行時での内部発熱は歯ゴム層12の弾性率に深
く関係するので、カーボンブラックは歯付きベルト10
の走行中の内部発熱を抑える調整剤としても機能し得
る。
【0020】第1及び第2の実施形態では、帆布20は
歯付きベルト10の長さ方向に沿う複合糸と歯付きベル
ト10の幅方向に沿う非伸縮性糸とで綾織された織り布
から形成されるが、しかしその他の織り布例えば朱子
織、平織あるいは種々の変性織により得られる織り布に
よっても形成され得る。
【0021】帆布20の複合糸は例えば芯糸と、この芯
糸の周囲に巻き付いている紡績糸と、更にその外側に紡
績糸の巻きと逆方向に巻き付いている捲縮糸とで構成さ
れ得る。芯糸としては、ポリウレタン系の弾性糸を、紡
績糸としては、耐熱性に優れたアラミド繊維を、捲縮糸
としては、耐磨耗性に優れた脂肪族系合成繊維のナイロ
ン繊維を好適に用いることができる。一方、帆布20の
非伸縮性糸は剛性および耐熱性に優れたものが好まし
く、例えばナイロン繊維のフィラメント糸等が適してい
る。
【0022】このように帆布20では、歯付きベルト1
0の長さ方向に沿って伸縮性のある複合糸が用いられ、
一方歯付きベルト10の幅方向に沿って非伸縮性糸が使
用される。従って、帆布20には歯付きベルト10の長
さ方向に沿う伸縮性が与えられる。
【0023】次に、図4ないし図7を参照して、歯付き
ベルト10の製造方法について説明する。
【0024】先ず、図4に示すように、予成形歯付きド
ラム24が用意され、その周囲には歯部26が設けられ
る。また、予成形歯付きドラム24には歯付きローラ2
8が係合させられ、この歯付きローラ28には予成形歯
付きドラム24の歯部26と協働する歯部30が設けら
れる。予成形歯付きドラム24及び歯付きローラ28は
それぞれ矢印A及びBに示す方向に回転させられる。
【0025】帆布材料20′は予成形ドラム24の周囲
の一部を取り巻くように該予成形ドラム24に供給され
て歯付きローラ28との係合領域に導入され、このとき
帆布材料20′は双方の歯部26及び30の協働作用に
よりコルゲート状に予成形される。帆布材料20′は上
述した帆布20と同じ織り布組織を有し、最終的には歯
付きベルト10の帆布20となるものである。予成形歯
付きドラム24への帆布材料20′の供給についてはそ
の伸縮性複合糸が予成形歯付きドラム24の回転軸線に
対して直角方向となるように行われる。
【0026】図5に示すように、予成形歯付きドラム2
4の周囲の一部にはスチールベルト32が適当な押圧力
で適用されて予成形歯付きドラム24の周速度と同じ速
度で走行させられる。予成形歯付きドラム24とスチー
ルベルト32との間には配合ゴムシート12′が供給さ
れ、これにより予成形後の帆布材料20′と配合ゴムシ
ート12′が一体化される。即ち、配合ゴムシート1
2′はスチールベルト32によって押圧されて予成形後
の帆布材料20′の形状に応じて予成形される。要する
に、予成形された帆布材料20′とその予成形に応じて
予成形された配合ゴムシート12′とが一体化された中
間製品が得られることになる。
【0027】予成形された配合ゴムシート12′には歯
部14′と歯底部15′とが交互に形成され、これら歯
部14′及び歯底部15′は仕上げ歯付きベルト10の
歯部14及び歯底部15から成る歯ゴム層12となるも
のである。予成形前の配合ゴムシート12′には多数の
短繊維が全体的に混入させられて分布させられ、しかも
短繊維の全体は実質的に一方向に配向させられる。
【0028】配合ゴムシート12′内の短繊維が予成形
歯付きドラム24の回転軸線に対してほぼ90度の角度を
成すような態様で予成形歯付きドラム24に対して配合
ゴムシート12′が導入された場合、その中間製品は図
1及び図2に示すような歯付きベルト10、即ち短繊維
22の配向がベルト長さ方向配向となった歯付きベルト
10(第1の実施形態)の製造に用いられる。
【0029】一方、配合ゴムシート12′内の短繊維が
予成形歯付きドラム24の回転軸線に対してほぼ平行と
なるような態様で予成形歯付きドラム24に対して配合
ゴムシート12′が導入された場合、その中間製品は図
3に示すような歯付きベルト10、即ち短繊維22の配
向がベルト幅方向配向となった歯付きベルト10(第2
の実施形態)の製造に用いられる。
【0030】上述した中間製品は所定長さに順次切断さ
れた後、その切断中間製品は図6に示すように歯付きベ
ルト成形ドラム34の周囲に巻き付けられ、このとき切
断縁辺は互いに当接させられる。歯付きベルト成形ドラ
ム34には歯部36及び歯底部38が交互に形成され、
歯部36の輪郭形状は仕上げ歯付きベルト10の歯底部
15の輪郭形状に一致し、また歯底部38の輪郭形状は
仕上げ歯付きベルト10の歯部14の輪郭形状に一致す
る。
【0031】続いて、一対の心線コード18′が図6に
示すように歯付きベルト成形ドラム34に巻き付けられ
た切断中間製品に対して螺旋状に巻き付けられ、このと
き一対の心線コード18′の一方はS撚り心線コードと
され、その他方の心線コードはZ撚り心線コードされ
る。一対の心線コード18′は所定の隙間を置くように
配列され、その隙間は心線コード18′の材料に応じて
適宜変えられる。例えば、心線コード18′が高強度ガ
ラス繊維から形成される場合には、心線コード18′は
約0.17ないし約0.28mmの隙間を置くように巻き付けら
れ、また心線コード18′がアラミド繊維から形成され
る場合には、心線コード18′は約0.25ないし約0.36mm
の範囲の隙間を置くように巻き付けられる。一対の心線
コード18′は最終的には仕上げ歯付きベルト10では
複数の心線要素18となる。
【0032】一対の心線コード18′の巻付けの後、配
合ゴムシート16′が更に該心線コード上に巻き付けら
れ、この配合ゴムシート16′は最終的には仕上げ歯付
きベルト10の背ゴム層16となるものである。
【0033】その後、ベルト構成部品12′、16′、
18′及び20′を持つ歯付きベルト成形ドラム34は
図示されない加硫オーブンに入れられ、そこで所定の温
度及び圧力下で加硫処理を受ける。図6に示すように、
ベルト構成部品12′、16′、18′及び20′間に
は多数の隙間があるが、それら隙間は加硫処理中に排除
される。
【0034】加硫処理後、図7に示すように、歯付きベ
ルト成形ドラム34の周囲には円筒形となった歯付きベ
ルトスラブ10′が加硫成形される。その後、歯付きベ
ルト成形ドラム34は加硫オーブンから取り出されて、
そこから歯付きベルトスラブ10′が抜き出される。歯
付きベルトスラブ10′をグラインダ等で研磨処理した
後、適当な幅に輪切り状に切断することにより、所望の
ベルト幅の歯付きベルト10が得られることになる。な
お、図7では、歯付きベルトスラブ10′のそれぞれの
構成部品については、仕上げ歯付きベルト10のそれぞ
れの構成部品と同じ参照番号が付されている。
【0035】上述の記載から明らかなように、仕上げ歯
付きベルト10においては、帆布20の伸縮性の複合糸
は歯付きベルト10の長さ方向に沿って延在し、また帆
布20の非伸縮性の糸は歯付きベルト10の幅方向に沿
って延在することになる。換言すれば、図4ないし図7
に示すような歯付きベルト10の製造方法によれば、帆
布材料20′には予成形歯付きドラム24の周囲方向に
沿ってのみ伸縮性が与えられて仕上げ歯付きベルト10
の歯形に沿った形状に予形成されるので、帆布材料2
0′に必要以上の伸縮性を与える必要はない。例えば、
帆布材料20′については、帆布が伸長されて破断する
際の伸びが元の長さの30ないし80%になるように低伸縮
性が与えられる。なお、従来では、帆布材料は予成形さ
れずに歯付きベルト形成ドラム34に巻き付けられるの
で、該帆布材料には大きな伸縮性が必要とされる。
【0036】仕上げ歯付きベルト10の評価については
成形性MBとして評価され、それは仕上げ歯付きベルト
10の互いに隣接する歯部14と歯底部15との輪郭形
状が歯付きベルト成形ドラム34の互いに隣接する歯底
部38及び歯部36との輪郭形状が所定の許容範囲内で
一致しているか否かで判断される。詳述すると、先ず、
図8に示すように、歯付きベルト成形ドラム34の交互
に設けられた歯部36及び歯底部38の輪郭形状に沿っ
て一ピッチ当たりの距離BPが測定され、次いで、図9
に示すように、仕上げ歯付きベルト10の交互に設けら
れた歯部14及び歯底部15の輪郭形状に沿って一ピッ
チ当たりの距離TPが測定される。成形性MBは以下の
式で示すように距離BPに対する距離TPの百分率とし
て定義される。 MB=TP/BP×100
【0037】もし成形性MBが93%以上であれば、その
仕上げ歯付きベルト10は良好であると評価され、成形
性MBが93%未満の場合には、その仕上げ歯付きベルト
10は不良として評価される。
【0038】以下の表1に示すように、歯付きベルトの
製造に使用されるべき5種類の配合ゴム材料AないしE
が調製された。
【表1】
【0039】上記表1において、※1ないし※9は以下
の事項を表す。 ※1:水素添加率は百分率(%) ※2:ヨウ素価値は無名数 ※3:配合材料の種類及びゴム原料100 重量部に対する
配合材料の重量部(単位はphr) ※4:4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェ
ニルアミン(これはユニロイヤル化学からNAUGAR
D445として入手可能) ※5:N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニ
レンジアミンの略 ※6:ジクミルペルオキシドと1,3−ビス(t−ブチ
ルペロキシ−イソプロピル)ベンゼンとから成る過酸化
物系加硫剤(前者はハーキュリーズ社からダイカップ4
0Cとして入手可能であり、後者は日本油脂株式会社か
らペロキシモンF40として入手可能)、 ※7:トリメチロールプロパン・トリメタクリレートの
略 ※8:テトラメチルチラウム・ジスルフィドと、ジペン
タメチレンチラウム・テトラスルフィドと、N−シクロ
ヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミドとか
ら成るイオウ系加硫促進剤 ※9:ジエチル・ジチオカルバミン酸テルルの略 なお、表中、“***”は未配合を示す。
【0040】表1から明らかなように、配合ゴム材料A
はゴム原料として水素添加率96%、ヨウ素価値11でしか
もムーニー粘度120 以上の水素添加ニトリルゴムの100
重量部に対して、20重量部のカーボンブラックと、10重
量部のトリメリテートイソノリルと、1.0 重量部のステ
アリン酸と、1.5 重量部のNAUGARD445と、25
重量部のメタクリル酸亜鉛と、10重量部の亜鉛華と、18
重量部の過酸化物系加硫剤(ダイカップ40C+ペロキ
シモンF40)と、6 重量部のTMPとを加えたもので
ある。この配合ゴム材料Aから配合ゴムシート(A)を
押出成形により得た。次いで、配合ゴムシート(A)か
ら低伸長域モジュラス試験用の試料片及び圧縮応力試験
用の試料片を作成した後、それら試料片を加硫した。
【0041】配合ゴム材料Bは配合ゴム材料Aに更に繊
維長さ3 mmのメタ系アラミド短繊維を6.5 重量部だけ混
入したものである。この配合ゴム材料Bからも配合ゴム
シート(B)が押出成形により得たが、このとき配合ゴ
ム材料Bに混入されている短繊維は押出方向に配向され
ている。次いで、配合ゴムシート(B)からも低伸長域
モジュラス試験用の試料片及び圧縮応力試験用の試料片
を作成した後、それら試料片を加硫した。配合ゴムシー
ト(B)の場合には、低伸長モジュラス試験用の試料片
については、2種類のものが用意され、一方の種類の試
料片では、その引張り方向に対して短繊維が平行に配向
され、他方の種類の試料片では、その引張り方向に対し
て短繊維が直角方向に配向される。また。圧縮応力試験
用の試料片についても、2種類のものが用意され、一方
の種類の試料片では、その圧縮方向に対して短繊維が平
行に配向され、他方の種類の試料片では、その圧縮方向
に対して短繊維が直角方向に配向される。
【0042】配合ゴム材料Cはゴム原料として水素添加
率92.8%、ヨウ素価値21でしかもムーニー粘度約78の水
素添加ニトリルゴムの100 重量部に対して、60重量部の
カーボンブラックと、10重量部のトリメリテートイソノ
リルと、1.0 重量部のステアリン酸と、1.0 重量部のI
PPDと、5.0 重量部の亜鉛華と、0.8 重量部のイオウ
と、2.7 重量部のイオウ系加硫促進剤と、1.0 重量部の
Te−EDCとを加えて成るものである。この配合ゴム
材料Cからも配合ゴムシート(C)を押出成形により得
た。また、配合ゴムシート(C)からも低伸長域モジュ
ラス試験用の試料片及び圧縮応力試験用の試料片を作成
した後、それら試料片を加硫した。
【0043】配合ゴム材料Dは配合ゴム材料Cと同じゴ
ム原料に対して、40重量部のカーボンブラックと、10重
量部のトリメリテートイソノリルと、1.0 重量部のステ
アリン酸と、1.0 重量部のIPPDと、5.0 重量部の亜
鉛華と、0.8 重量部のイオウと、2.7 重量部のイオウ系
加硫促進剤と、1.0 重量部のTe−EDCとを加えて、
更に繊維長さ3 mmのメタ系アラミド短繊維を6.5 重量部
だけ混入したものである。この配合ゴム材料Dからも配
合ゴムシート(D)が押出成形により得たが、このとき
配合ゴム材料Dに混入された短繊維は押出方向に配向さ
れている。配合ゴムシート(D)からも低伸長域モジュ
ラス試験用の試料片及び圧縮応力試験用の試料片を作成
した後、それら試料片を加硫した。配合ゴムシート
(D)の場合においても、配合ゴムシート(B)の場合
と同様に、低伸長モジュラス試験用の試料片及び圧縮応
力試験用の試料片のそれぞれについて、2種類のものが
用意された。
【0044】配合ゴム材料Eは配合ゴム材料Aに更に繊
維長さ3 mmのパラ系アラミド短繊維を6.5 重量部だけ混
入したものである。この配合ゴム材料Eからも配合ゴム
シート(E)が押出成形により得たが、このとき配合ゴ
ム材料Eに混入された短繊維は押出方向に配向されてい
る。配合ゴムシート(E)からも低伸長域モジュラス試
験用の試料片及び圧縮応力試験用の試料片を作成した
後、それら試料片を加硫した。配合ゴムシート(E)の
場合においても、配合ゴムシート(B)の場合と同様
に、低伸長モジュラス試験用の試料片及び圧縮応力試験
用の試料片のそれぞれについて、2種類のものが用意さ
れた。
【0045】なお、表1には示されていないが、配合ゴ
ム材料Aに繊維長さ3 mmのメタ系アラミド短繊維を6.5
重量部だけ無配向(ランダム方向)に混入させた配合ゴ
ム材料も調製され、この配合ゴム材料から押出成形によ
り得た配合ゴムシートについては(F)として以下に言
及される。
【0046】次に、上述した配合ゴムシート(A)、
(B)、(C)、(D)及び(E)から得られたそれぞ
の試料片を用いて、低伸張域モジュラス試験及び圧縮応
力試験が行われた。低伸張域モジュラス試験の試験結果
については図10及び図11のグラフに示され、圧縮応
力試験の試験結果については図12及び図13に示され
る。
【0047】低伸張域モジュラス試験においては、各試
料片に200 mm/分で引張り応力が加えられ、各試料片の
40mmの標線間の伸びが測定された。
【0048】図10のグラフにおいて、参照符号Aは配
合ゴムシート(A)から得られた試料片の引張り特性を
示し、参照符号Bは配合ゴムシート(B)から得られた
試料片であって、その短繊維の配向が引張り方向に対し
て平行となっている試料片の引張り特性を示し、参照符
号B′は配合ゴムシート(B)から得られた試料片であ
って、その短繊維の配向が引張り方向に対して直角とな
っている試料片の引張り特性を示し、参照符号Eは配合
ゴムシート(E)から得られた試料片であって、その短
繊維の配向が引張り方向に対して平行となっている試料
片の引張り特性を示し、参照符号E′は配合ゴムシート
(E)から得られた試料片であって、その短繊維の配向
が引張り方向に対して直角となっている試料片の引張り
特性を示す。
【0049】また、図11のグラフにおいて、参照符号
Cは配合ゴムシート(C)から得られた試料片の引張り
特性を示し、参照符号Dは配合ゴムシート(D)から得
られた試料片であって、その短繊維の配向が引張り方向
に対して平行となっている試料片の引張り特性を示し、
参照符号D′は配合ゴムシート(D)から得られた試料
片であって、その短繊維の配向が引張り方向に対して直
角となっている試料片の引張り特性を示す。
【0050】図10及び図11のグラフから明らかなよ
うに、配合ゴム材料A及びCから得られた試料片即ち短
繊維を含まない試料片に比べて、配合ゴム材料のB、D
及びEから得られた試料片即ち短繊維を含む試料片が高
いモジュラス値を示し、それら試料片の伸び率について
は小さいことが分かる。特に、引張り方向に対して平行
に配向された短繊維を含む試料片(B、D及びE)につ
いては非常に大きなモジュラス値を示すことが分かる。
【0051】圧縮応力試験においては、各試料片は25.4
mmの長さを持つ円柱状の形態を有し、その両端面間に押
圧力を及ぼして各試料片が圧縮され、その圧縮時の長さ
が測定された。
【0052】図12のグラフにおいて、参照符号Aは配
合ゴムシート(A)から得られた試料片の圧縮特性を示
し、参照符号Bは配合ゴムシート(B)から得られた試
料片であって、その短繊維の配向が圧縮方向に対して平
行となっている試料片の圧縮特性を示し、参照符号B′
は配合ゴムシート(B)から得られた試料片であって、
その短繊維の配向が圧縮方向に対して直角となっている
試料片の圧縮特性を示し、参照符号Eは配合ゴムシート
(E)から得られた試料片であって、その短繊維の配向
が圧縮方向に対して平行となっている試料片の圧縮特性
を示し、参照符号E′は配合ゴムシート(E)から得ら
れた試料片であって、その短繊維の配向が圧縮方向に対
して直角となっている試料片の圧縮特性を示す。
【0053】また、図13のグラフにおいて、参照符号
Cは配合ゴムシート(C)から得られた試料片の圧縮特
性を示し、参照符号Dは配合ゴムシート(D)から得ら
れた試料片であって、その短繊維の配向が圧縮方向に対
して平行となっている試料片の圧縮特性を示し、参照符
号D′は配合ゴムシート(D)から得られた試料片であ
って、その短繊維の配向が引張り方向に対して直角とな
っている試料片の圧縮特性を示す。
【0054】図12及び図13のグラフから明らかなよ
うに、配合ゴム材料A及びCから得られた試料片即ち短
繊維を含まない試料片に比べて、配合ゴム材料のB、D
及びEから得られた試料片即ち短繊維を含む試料片が高
い圧縮応力値を示し、それら試料片の圧縮率については
小さいことが分かる。
【0055】上述の5種類の配合ゴムシート(A)、
(B)、(C)、(D)及び(E)を用いることによ
り、本発明による歯付きベルトの実施例として、5つの
タイプのものが製造され、これら5つのタイプの歯付き
ベルトはそれぞれ実施例ベルト1、2、3、4及び5と
して以下に言及される。また、上述の3種類の配合ゴム
シート(A)、(C)及び(F)を用いることにより、
本発明による歯付きベルトの比較例として、4つのタイ
プのものが製造され、これら4つのタイプの歯付きベル
トはそれぞれ比較例ベルト1、2、3及び4として以下
に言及される。
【0056】実施例べルト1ないし5及び比較例ベルト
1ないし4の構成については以下の表2に示す通りであ
る。
【0057】
【表2】
【0058】実施例ベルト1:表2から明らかなよう
に、実施例ベルト1では、背ゴム層(16)として配合
ゴムシート(A)が用いられ、歯ゴム層(12)として
配合ゴムシート(B)が用いられた。歯ゴム層(12)
のメタ系アラミド短繊維の配向についてはベルト長さ方
向配向とされた。
【0059】また、実施例ベルト1では、帆布(20)
として、上述したような織り布組織のものが使用され
た。具体的に述べると、帆布(20)は2/2綾織り布
とされ、その伸縮性の複合糸が縦糸とされ、その密度は
150 本/25mmである。各複合糸には芯糸としてウレタン
弾性糸(420 d) が使用され、その芯糸にはアラミド繊維
紡績糸(200 d) が巻き付けられ、更にその外側には捲縮
糸としてナイロン66ウーリー糸(100 d) がアラミド繊
維紡績糸とは逆方向に巻き付けられる。一方、帆布(2
0)の非伸縮性横糸の密度は170 本/25mmである。非伸
縮性横糸としては、ナイロン66ウーリー糸(100 d) が
用いられる。
【0060】帆布(20)はレゾルシノール・ホルムア
ルデヒド・ラテックス(RFL)溶液で予め処理され、
これにより歯ゴム層12に対する接着性が高められる。
なお、RFL溶液はラテックス成分としてのカルボキシ
ル化ニトリルゴムにクロロフェノールホルムアルデヒド
縮合物例えば2,6−ビス−4−クロロフェノール誘導
体のアンモニア溶液を加えたものから成る。
【0061】心線コード18′としては、S撚り心線コ
ード及びZ撚り心線コードから成る一対のものが使用さ
れた。各心線コードには高強度ガラス繊維が用いられ
た。具体的に述べると、先ず、直径7 ミクロンの高強度
ガラス繊維がブタジエン−スチレン−ビニルピリジン及
びクロロスルホン化ポリエチレンラテックスが重量比で
7:3に配合されたラテックス溶液即ちRFL溶液に浸
漬した後に乾燥させられ、各高強度ガラス繊維に対して
RFL層を形成する。次いで、それら高強度ガラス繊維
を200本ずつ収束したストランドをそれぞれ3 本集め
て下撚りをかけて子縄とし、更にこの子縄を11本集めて
下撚りとは反対方向に上撚りをかけて心線コードとす
る。その心線コードをゴムのり溶液に浸漬した後に乾燥
させてオーバーコート層を形成する。オーバーコート層
の形成後、更にカシュー変性フェノール樹脂のメチルエ
チルケトンの25%溶液に浸漬した後に乾燥させ、これ
により最外層にカシュー変性フェノール樹脂層を形成す
る(表2参照)。
【0062】このようにして得られた一対の心線コード
(S撚り及びZ撚り)は歯付きベルト成形ドラム34
(図6)に巻き付けられた中間製品(20′及び1
2′)に対して0.26mmのコード間隙間(図2の“g”)
で螺旋状に巻き付けられた(表2参照)。
【0063】実施例ベルト1として得られた歯付きベル
トの成形性(MB)は表2に示すように良好なものであ
った。
【0064】実施例ベルト2:表2に示すように、実施
例ベルト2においては、実施例ベルト1の場合と同様
に、背ゴム層(16)として配合ゴムシート(A)が用
いられ、歯ゴム層(12)として配合ゴムシート(B)
が用いられた。実施例ベルト2は歯ゴム層(12)のメ
タ系アラミド短繊維の配向がベルト幅方向配向とされる
点を除けば実施例ベルト1と実質的に同じものである。
実施例ベルト1と同様に、実施例ベルト2においても、
その歯付きベルトの成形性(MB)は表2に示すように
良好なものであった。
【0065】実施例ベルト3:表2に示すように、実施
例ベルト3においては、背ゴム層(16)として配合ゴ
ムシート(C)が用いられ、歯ゴム層(12)として配
合ゴムシート(D)が用いられた。歯ゴム層(12)の
メタ系アラミド短繊維の配向については実施例ベルト1
の場合と同様にベルト長さ方向配向とされた。心線コー
ド18′も実施例ベルト1の場合と同様に、高強度ガラ
ス繊維から形成されるが、しかし表2に示すように、実
施例ベルト3にあっては、高強度ガラス繊維自体はRF
L溶液で処理された後、下撚り、上撚りを加えて心線コ
ードとし、その心線コードにオーバーコート層だけを形
成しただけである(表2参照)。その他の事項について
は、表2から明らかなように実施例ベルト1の場合と同
様である。実施例ベルト1の場合と同様に、実施例ベル
ト3においても、その歯付きベルトの成形性(MB)は
表2に示すように良好なものであった。
【0066】実施例ベルト4:表2に示すように、実施
例ベルト4においては、実施例ベルト3の場合と同様
に、背ゴム層(16)として配合ゴムシート(C)が用
いられ、歯ゴム層(12)として配合ゴムシート(D)
が用いられた。実施例ベルト4は歯ゴム層(12)のメ
タ系アラミド短繊維の配向がベルト幅方向配向とされる
点を除けば実施例ベルト3と実質的に同じものである。
実施例ベルト1の場合と同様に、実施例ベルト4におい
ても、その歯付きベルトの成形性(MB)は表2に示す
ように良好なものであった。
【0067】実施例ベルト5:表2に示すように、実施
例ベルト5においては、実施例ベルト1の場合と同様
に、背ゴム層(16)として配合ゴムシート(A)が用
いられるが、歯ゴム層(12)として配合ゴムシート
(E)が用いられた。実施例ベルト4では、歯ゴム層
(12)のパラ系アラミド短繊維の配向はベルト長さ方
向配向とされる。この点を除けば、その他の事項につい
ては実施例ベルト1の場合と実質的に同じである。ま
た。実施例ベルト5においても、実施例ベルト1の場合
と同様に、その歯付きベルトの成形性(MB)は表2に
示すように良好なものであった。
【0068】比較例ベルト1:比較例ベルト1では、背
ゴム層(16)及び歯ゴム層(12)の双方で配合ゴム
シート(A)が用いられた。その他の事項については実
施例ベルト1の場合と実質的に同じである。比較ベルト
1の場合においても、実施例ベルト1の場合と同様に、
歯付きベルトの成形性(MB)については表2に示すよ
うに良好なものであった。
【0069】比較例ベルト2:比較例ベルト2では、背
ゴム層(16)及び歯ゴム層(12)の双方で配合ゴム
シート(C)が用いられた。その他の事項については表
2に示すように実施例ベルト3の場合と実質的に同じで
ある。比較ベルト2の場合においても、実施例ベルト1
の場合と同様に、歯付きベルトの成形性(MB)につい
ては表2に示すように良好なものであった。
【0070】比較例ベルト3:比較例ベルト3では、背
ゴム層(16)として配合ゴムシート(A)が用いら
れ、歯ゴムシート(12)として配合ゴムシート(F)
が用いられた。なお、配合ゴムシート(F)は上述した
ように配合ゴム材料Aに繊維長さ3 mmのメタ系アラミド
短繊維を6.5 重量部だけ無配向(ランダム方向)に混入
させた配合ゴム材料から得られるものである。この点を
除けば、その他の事項は実施例ベルト2と同様である
が、しかし比較例ベルト3の製造では、帆布材料(2
0′)だけが図4に示すような態様で予成形されたが、
歯ゴム層(12)となるべき配合ゴムシート(F)につ
いては予成形されずに歯付きベルト成形ドラム34に巻
き付けられた予成形後の帆布(20′)のみに対して適
用された。
【0071】表2に示すように、比較例ベルト3の成形
性(MB)は93%未満で不良であった。その理由として
は、先ず、歯ゴム層(12)となるべき配合ゴムシート
(F)が予成形されなかったことが挙げられ、また心線
要素(18)間の隙間が従来の場合の心線要素間の隙間
より小さい0.26mmに設定されたことも挙げられる。な
お、歯ゴム層となるべき配合ゴムシートを予成形するこ
となく良好な成形性(MB>93%)を得るためには、心
線要素間の隙間としては、0.3 mm以上が必要とされる。
更に、別の理由としては、歯ゴム層(12)となるべき
配合ゴムシート(F)に含まれる短繊維の配向がランダ
ムであるために、加硫時での該配合ゴムシートの流動性
が劣るという点も挙げられる。
【0072】要するに、歯付きベルトに大きな強度を与
えるべく心線要素間の隙間を詰めて心線要素の本数を増
大した場合には歯付きベルトの成形性(MB)が悪化す
ることになるが、しかしながら歯ゴム層となるべき配合
ゴムシートを予成形することにより、心線要素間の隙間
を0.3 mm以下としても良好な成形性(MB)が得られる
ということである。
【0073】比較例ベルト4:表2から明らかなよう
に、比較例ベルト4はその心線要素間の隙間が0.47mmと
されている点を除けば比較例ベルト3と実質的に同じで
ある。比較例ベルト4では、心線要素間の隙間が0.3 mm
以上となっているので、歯付きベルトの成形性(MB)
は良好なものとなっている。
【0074】上述のようにして得られた実施例ベルト1
ないし5及び比較例ベルト1、2及び4について走行試
験が行われた。なお、比較例ベルト3は上述したように
成形性が悪く、このため比較例ベルト3については走行
試験を行うことすらできなかった。
【0075】図14を参照すると、第1の走行試験装置
の概略構成が示され、この第1の走行試験装置は4つの
歯付きホィール51、52、53及び54と、歯付きホ
ィール51及び52間に設けられたアイドラプーリ55
と、歯付きホィール53及び54間に設けられたテンシ
ョナ56とから成る。被試験歯付きベルト59は図14
に示すような態様で4つの歯付きホィール51、52、
53及び54と、アイドラプーリ55と、テンショナ5
6とに架け渡される。
【0076】図14に示す第1の走行試験装置では、実
施例ベルト1、実施例ベルト2、実施例ベルト5及び比
較例ベルト1のそれぞれについて、複数個の歯付きベル
トが同一条件下で走行試験され、その走行試験の評価の
ために各歯付きベルトに対して、走行開始から歯欠けに
至るまでの走行時間が測定された。
【0077】実施例ベルト1、実施例ベルト2、実施例
ベルト5及び比較例ベルト1の走行試験結果については
表2及び図16のグラフに示されている。なお、それぞ
れの歯付きベルトの走行時間は平均値である。表2及び
図16のグラフから明らかなように、実施例ベルト1の
走行時間は404 時間であり、実施例ベルト2の走行時間
は400 時間であり、実施例ベルト5の走行時間は420 時
間であった。これに対して、比較例ベルト1の走行時間
は126 時間に過ぎない。
【0078】図15を参照すると、第2の走行試験装置
の概略構成が示され、この第2の走行試験装置は3つの
歯付きホィール61、62及び65と、歯付きホィール
65及び61間に設けられたテンショナ66とから成
る。被試験歯付きベルト69は図15に示すような態様
で3つの歯付きホィール61、62及び65とテンショ
ナ66とに架け渡される。
【0079】図15に示す第2の走行試験装置では、実
施例ベルト1、実施例ベルト3、実施例ベルト4、実施
例ベルト5、比較例ベルト1、比較例ベルト2及び比較
例ベルト4のそれぞれについて、複数個の歯付きベルト
が同一条件下で走行試験され、その走行試験の評価のた
めに各歯付きベルトに対して、その走行開始から歯欠け
に至るまでの走行時間が測定された。
【0080】実施例ベルト1、実施例ベルト3、実施例
ベルト4、実施例ベルト5、比較例ベルト1、比較例ベ
ルト2及び比較例ベルト4の走行試験結果については表
2及び図17のグラフに示されている。なお、それぞれ
の歯付きベルトの走行時間は平均値である。表2及び図
17のグラフから明らかなように、実施例ベルト1の走
行時間は321 時間であり、実施例ベルト3の走行時間は
399 時間であり、実施例ベルト4の走行時間は186 時間
であり、実施例ベルト5の走行時間は350 時間であっ
た。これにに対して、比較例ベルト1、2及び4のそれ
ぞれの走行時間は125 時間、30時間及び146 時間に過ぎ
ない。
【0081】以上の走行試験結果から明らかなように、
本発明による歯付きベルトについては、その耐久性が著
しく改善されたことが分かる。
【0082】なお、上述の実施形態では、歯付きベルト
は片面だけに歯部が形成されているが、両面に歯部を形
成した両歯ベルトにも本発明を適用し得ることが理解さ
れるべきである。
【0083】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
による歯付きベルトにあっては、その歯部の歯欠けが起
き難く、その走行寿命を大幅に延ばすことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による歯付きベルトの第1の実施形態示
す部分斜視図である。
【図2】図1に示した歯付きベルトの歯底部の横断面図
を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図3】本発明による歯付きベルトの第2の実施形態を
示す部分側面図である。
【図4】本発明による歯付きベルトの製造工程のうちの
帆布材料の予成形工程を示す概略工程図である。
【図5】本発明による歯付きベルトの製造工程のうちの
歯ゴムシートの予成形工程を示す概略工程図である。
【図6】本発明による歯付きベルトの製造工程のうちの
心線コードの巻付け工程及び背ゴムシートの巻付け工程
示す概略工程図である。
【図7】本発明による歯付きベルトの製造工程のうちの
加硫工程を示す概略工程図である。
【図8】歯付きベルト成形ドラムの部分側面図であっ
て、歯付きベルトの成形性の評価のために歯付きベルト
成形ドラムの交互の歯部及び歯底部の一ピッチ分の距離
をその輪郭に沿って測定する態様を示す図である。
【図9】歯付きベルトの部分側面図であって、歯付きベ
ルトの成形性の評価のために歯付きベルトの交互の歯部
及び歯底部の一ピッチ分の距離をその輪郭に沿って測定
する態様を示す図である。
【図10】本発明による歯付きベルトで使用される3つ
のタイプの加硫ゴムシートから得られた5種類の試料片
に対してそれぞれ行った低伸張域モジュラス試験の結果
を示すグラフである。
【図11】本発明による歯付きベルトで使用されかつ図
10のグラフに示した3つのタイプとは別の2つのタイ
プの加硫ゴムシートから得られた3種類の試料片に対し
てそれぞれ行った低伸張域モジュラス試験の結果を示す
グラフである。
【図12】本発明による歯付きベルトで使用される3つ
のタイプの加硫ゴムシートから得られた5種類の試料片
に対してそれぞれ行った圧縮応力試験の結果を示すグラ
フである。
【図13】本発明による歯付きベルトで使用されかつ図
12のグラフに示した3つのタイプとは別の2つのタイ
プの加硫ゴムシートから得られた3種類の試料片に対し
て行った圧縮応力試験の結果を示すグラフである。
【図14】本発明による実施例ベルト及び比較例ベルト
の走行試験を行う第1の走行試験装置の概略図である。
【図15】本発明による実施例ベルト及び比較例ベルト
の走行試験を行う第2の走行試験装置の概略図である。
【図16】図14に示す第1の走行試験装置で行った歯
付きベルトの走行試験結果を示すグラフである。
【図17】図15に示す第2の走行試験装置で行った歯
付きベルトの走行試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 歯付きベルト 12 歯ゴム層 14 歯部 15 歯底部 16 背ゴム層 18 心線要素 20 帆布 22 短繊維
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−63038(JP,A) 特開 平7−63241(JP,A) 特開 平7−91497(JP,A) 特開 平7−190149(JP,A) 特開 平2−64132(JP,A) 特開 昭63−235744(JP,A) 実開 昭61−69542(JP,U) 実開 昭62−128251(JP,U) 実開 平4−48447(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 1/00 - 9/04 B29D 29/00 - 29/10

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯付きベルトであって、歯ゴム層を具備
    し、この歯ゴム層はその一方の面に交互に形成された歯
    部及び歯底部を有し、更に、前記歯ゴム層の歯部及び歯
    底部を覆うように設けられた帆布と、前記歯ゴム層の他
    方の面に一体的に適用された背ゴム層と、前記歯ゴム層
    と前記背ゴム層の境界面に介在させられかつ歯付きベル
    トの長さ方向に沿って延在すると共にその幅方向に沿っ
    て配列された複数の心線要素とを具備して成る歯付きベ
    ルトにおいて、 前記歯ゴム層には多数の短繊維がその全体にわたって
    状に配向されており、 前記短繊維が、前記歯ゴム層の歯部及び歯底部の輪郭面
    に接近した領域では前記輪郭面に沿って長手方向に規則
    的に配向させられ、前記歯ゴム層の歯部の断面中心付近
    から背ゴム層にかけての領域である中央領域において
    は、前記背ゴム層から歯頂部へ向けた方向に沿って配向
    されていることを特徴とする歯付きベルト。
  2. 【請求項2】 帆布材料を、表面に所定の形状の歯形が
    設けられたドラム型部材である予成形歯付きドラムの表
    面に配してコルゲート状に予成形させ、さらに予成形さ
    れた前記帆布材料の一方の表面に、多数の短繊維が幅方
    向のみに沿って均等に混入されていて歯ゴム層の材料と
    なる配合ゴムシートを、予成形された前記帆布材料の形
    状に応じて、押圧により予成形させて前記帆布材料と一
    体化させて、歯付きベルトの原形である歯付きベルト中
    間製品とし、 前記歯付きベルト中間製品を前記予成形歯付きドラムか
    ら外した後に所定の長さに切断し、切断縁辺を互いに当
    接させて無端状とし、無端状の前記歯付きベルト中間製
    品を、表面に所定の形状の歯形が設けられたドラム型部
    材である歯付きベルト成形ドラムの表面に掛け回し、前
    記歯付きベルト中間製品の外周部に心線要素を巻き付
    け、さらに背ゴム層の原形である背ゴム用配合ゴムシー
    トを前記心線要素上に巻き付けて一体化させ、 前記歯付きベルト中間製品、前記心線要素および前記背
    ゴム用配合ゴムシートを所定の温度および圧力下で加硫
    処理して歯付きベルトスラブとした後、前記歯付きベル
    トスラブを所望の幅に輪切り状に切断することにより得
    られる歯付きベルトであって、 前記歯ゴム層には多数の短繊維が、その全体にわたって
    前記歯付きベルトの幅方向に沿って配向させられること
    を特徴とする歯付きベルト。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の歯付きベルト
    において、前記短繊維がアラミド短繊維であることを特
    徴とする歯付きベルト。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の歯付きベルトにおい
    て、前記アラミド短繊維がメタ系アラミド短繊維である
    ことを特徴とする歯付きベルト。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の歯付きベルトにおい
    て、前記アラミド短繊維がパラ系アラミド短繊維である
    ことを特徴とする歯付きベルト。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5までのいずれか1項に記
    載の歯付きベルトにおいて、前記短繊維の長さが約1
    約6mmであることを特徴とする歯付きベルト。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の歯付きベルトにおい
    て、前記短繊維の長さが約3mmであることを特徴とす
    る歯付きベルト。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7までのいずれか1項に記
    載の歯付きベルトにおいて、前記歯ゴム層の原料ゴムの
    100重量部に対して約3乃至約30重量部の短繊維が
    混入されていることを特徴とする歯付きベルト。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7までのいずれか1項に記
    載の歯付きベルトにおいて、前記歯ゴム層の原料ゴムの
    100重量部に対して約6.5重量部の短繊維が混入さ
    れていることを特徴とする歯付きベルト。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9までのいずれか1項に
    記載の歯付きベルトにおいて、前記歯ゴム層及び前記背
    ゴム層に使用される原料ゴムが水素添加率91%以上の
    水素添加ニトリルゴムであることを特徴とする歯付きベ
    ルト。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10までのいずれか1項
    に記載の歯付きベルトにおいて、前記歯ゴム層及び前記
    背ゴム層が原料ゴムに過酸化物系加硫剤を添加した配合
    ゴムから得られることを特徴とする歯付きベルト。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10までのいずれか1項
    に記載の歯付きベルトにおいて、前記歯ゴム層及び前記
    背ゴム層が原料ゴムにイオウ系加硫剤及び加硫促進剤を
    添加した配合ゴムから得られることを特徴とする歯付き
    ベルト。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12までのいずれか1項
    に記載の歯付きベルトにおいて、前記帆布が予成形され
    ることを特徴とする歯付きベルト。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の歯付きベルトにお
    いて、前記帆布が伸長されて破断される際のその伸びが
    元の長さの約30乃至約80%であることを特徴とする
    歯付きベルト。
  15. 【請求項15】 請求項13または14に記載の歯付き
    ベルトにおいて、前記帆布が歯付きベルトの長手方向に
    沿って延存する伸縮性の複合糸と、歯付きベルトの幅方
    向に沿って延在する非伸縮性糸とにより構成されること
    を特徴とする歯付きベルト。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至15までのいずれか1項
    に記載の歯付きベルトにおいて、前記帆布がレゾルシノ
    ール・ホルムアルデヒド・ラテックス溶液で処理される
    ことを特徴とする歯付きベルト。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至16までのいずれか1項
    に記載の歯付きベルトにおいて、前記心線要素が高強度
    ガラス繊維から形成されることを特徴とする歯付きベル
    ト。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の歯付きベルトにお
    いて、前記心線要素が約0.17乃至約0.28mmの
    隙間で配列されることを特徴とする歯付きベルト。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至16までのいずれか1項
    に記載の歯付きベルトにおいて、前記心線要素がアラミ
    ド繊維から形成されることを特徴とする歯付きベルト。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の歯付きベルトにお
    いて、前記心線要素が約0.25乃至約0.36mm
    隙間で配列されることを特徴とする歯付きベルト。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至20までのいずれか1項
    に記載の歯付きベルトにおいて、前記心線要素がレゾル
    シノール・ホルムアルデヒド・ラテックス溶液で処理さ
    れ、更に前記心線要素上にゴムのり溶液によるオーバー
    コート層が形成されて、該オーバーコート層上にカシュ
    ー変性フェノール樹脂層が形成されることを特徴とする
    歯付きベルト。
  22. 【請求項22】 歯付きベルトの製造方法であって、 帆布材料を、表面に所定の形状の歯形が設けられたドラ
    ム型部材である予成形歯付きドラムの表面に配してコル
    ゲート状に予成形させ、さらに予成形された前記帆布材
    料の一方の表面に、多数の短繊維が長手方向のみに沿っ
    て均等に混入されていて歯ゴム層の材料となる配合ゴム
    シートを、予成形された前記帆布材料の形状に応じて、
    押圧により予成形させて前記帆布材料と一体化させて、
    歯付きベルトの原形である歯付きベルト中間製品とし、 前記歯付きベルト中間製品を前記予成形歯付きドラムか
    ら外した後に所定の長さに切断し、切断縁辺を互いに当
    接させて無端状とし、無端状の前記歯付きベルト中間製
    品を、表面に所定の形状の歯形が設けられたドラム型部
    材である歯付きベルト成形ドラムの表面に掛け回し、前
    記歯付きベルト中間製品の外周部に心線要素を巻き付
    け、さらに背ゴム層の原形である背ゴム用配合ゴムシー
    トを前記心線要素上に巻き付けて一体化させ、 前記歯付きベルト中間製品、前記心線要素および前記背
    ゴム用配合ゴムシートを所定の温度および圧力下で加硫
    処理して歯付きベルトスラブとした後、前記歯付きベル
    トスラブを所望の幅に輪切り状に切断することにより歯
    付きベルトが得られることを特徴とする歯付きベルトの
    製造方法。
  23. 【請求項23】 歯付きベルトの製造方法であって、 帆布材料を、表面に所定の形状の歯形が設けられたドラ
    ム型部材である予成形歯付きドラムの表面に配してコル
    ゲート状に予成形させ、さらに予成形された前記帆布材
    料の一方の表面に、多数の短繊維が幅方向のみに沿って
    均等に混入されていて歯ゴム層の材料となる配合ゴムシ
    ートを、予成形された前記帆布材料の形状に応じて、押
    圧により予成形させて前記帆布材料と一体化させて、歯
    付きベルトの原形である歯付きベルト中間製品とし、 前記歯付きベルト中間製品を前記予成形歯付きドラムか
    ら外した後に所定の長さに切断し、切断縁辺を互いに当
    接させて無端状とし、無端状の前記歯付きベルト中間製
    品を、表面に所定の形状の歯形が設けられたドラム型部
    材である歯付きベルト成形ドラムの表面に掛 け回し、前
    記歯付きベルト中間製品の外周部に心線要素を巻き付
    け、さらに背ゴム層の原形である背ゴム用配合ゴムシー
    トを前記心線要素上に巻き付けて一体化させ、前記歯付きベルト中間製品、前記心線要素および前記背
    ゴム用配合ゴムシートを所定の温度および圧力下で加硫
    処理して歯付きベルトスラブとした後、前記歯付きベル
    トスラブを所望の幅に輪切り状に切断することにより歯
    付きベルトが得られることを特徴とする歯付きベルトの
    製造方法。
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