JPH0148669B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はプリント基板等の被表面処理部材を
メツキ液等の表面処理液に浸漬したり、被表面処
理部材を乾燥させる際に使用する治具に関する。

プリント基板製造のために、基板をメツキ液に
浸漬する場合に、１度の浸漬により多数の基板を
処理するために、多数の基板を積層状態で収納
し、保持することのできる支持治具を使用するこ
とがある。この支持治具は、長さ方向を上下に向
けた横断面コ字状のチヤンネル材を多数、相互に
対向させて基枠に取り付け、これら対向するチヤ
ンネル材間にプリント基板を挿入するように形成
したものである。この支持治具は、メツキ処理の
前工程でベルトコンベア上を移動中に、チヤンネ
ル材の上方から作業者によつてチヤンネル材間に
基板を挿入され、その後に吊り上げられ、メツキ
液及び表面処理液に基板とともに浸漬して使用す
るようになつている。なお、上記支持治具は表面
処理工程後の乾燥工程にも使用されるものであ
る。

ところが上記従来の支持治具においては、基板
をチヤンネル材の上方から挿し込む構成であり、
基板を支持治具の上方に上げる必要が生じること
基板の厚さより少し大きな幅のチヤンネル材の溝
に基板を通す必要があること、等の問題があつて
基板の挿入作業が煩雑であるといつた欠点があ
る。また、チヤンネル材の溝の幅は、一般に、厚
さの異なる数種の基板を挿入できるように、大き
めに形成されるが、このため収納部内での基板の
安定度が悪くなり、メツキ液浸漬中及び表面処理
並に乾燥中に基板がチヤンネル材の溝から外れて
落下したり、隣接する他の基板に接触してメツキ
不良を生じる等の問題があつた。

この発明は上記諸事情に鑑みてなされたもの
で、基板等の被表面処理部材を簡単に装着できる
とともに安定保持できる表面処理用支持治具を提
供することを目的とする。

以下この発明を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１図ないし第９図はこの発明の一実施例を示
すもので、１は縦長の長方形状の側枠１ａ，１ａ
の四隔を各々横枠１ｂにより連結して構成した直
方体状の基枠を示している。この基枠１の中には
側枠１ａよりも少し背の低くかつ横枠１ｂよりも
短い幅の長方形状の支持枠２が、多数、各々の支
持枠２の下端部両側に延出して形成された回動軸
２ａを上記側枠１ａの下辺に沿わせて並べかつ各
回動軸２ａで側枠１ａに下辺を貫通して起倒自在
に設けられている。上記支持枠２は、支持枠２の
両側辺と上辺と回動軸２ａとを形成する枠材２Ａ
と、その枠材２Ａの上部よりの中央部および枠材
２Ａの下部よりの中央部に各々水平に架設された
挾持桟２Ｂ，２Ｂと、支持枠２の下辺を形成する
支持桟２ｃとから成つている。上記枠材２Ａの両
側部内側面の上部と中央部と下部の各々には、各
支持枠２を相互に起立させた第２図に示すような
平行状態で相互に接触して各支持枠２間の間隔を
揃える円筒状の調整部材２ｄが相互に対向して固
定されている。また、上記枠材２Ａの上辺の長さ
方向中央部と両側部には、逆Ｕ字状の捕助金具２
ｅがその股部内面を枠材２Ａの上辺上面に当接さ
せかつ先端を下に向けて固定されている。これら
補助金具２ｅは上記各支持枠２を相互に平行にし
た起立状態で各補助金具２間に所定の間隙があく
ような大きさにされている。さらに、上記多数の
支持桟２ｃのうちの基枠１の背面（第２図の右側
面）側の１本を除いた残り総ての支持桟２ｃの背
面側には、各支持桟２ｃの長さ方向中央部と両端
部とに位置させて支持具２ｆが取り付けられてい
る。この支持具２ｆは上面に受部を形成したＬ字
状のものでこの受部にプリント基板等の被表面処
理部材Ａが載せられるようになつている。なお、
上記挾持桟２Ｂ…には第８図に示すような折曲部
（突出部）２ｈが各々の向きを基枠１の正面側と
背面側とに交互に向けて複数形成されていて、上
記各支持枠２を相互に平行にした起立状態で折曲
部２ｈは隣接する他の挾持桟２Ｂの折曲部２ｈを
接するようになつている。そして、上記基枠１の
正面（第２図の左側面）側の支持枠２の基枠１の
正面下方の横枠１ｂに接するまで倒れて基枠１の
前方に突出できるように、また、その他の支持枠
２は隣接する他の支持枠２に接するまで倒れて基
板１の前方に突出できるようになつている。とこ
ろで、基枠１の背部内側には基枠１の背面に最も
近い支持枠２を起立状態で固定した固定金具１ｃ
が取り付けられている。

一方、第４図ないし第７図に符号３，３で示す
ものは、基枠１を吊り上げる際に吊上機によつて
支持さる支持ロツドである。上記支持ロツド３は
基枠１の上方に基枠１の横方向（第７図の左右方
向）に沿つて設けられた案内筒４に摺動自在に挿
入されたものであり、案内筒４の外周壁４ａのね
じ孔に螺入された固定用ねじ付ノブ４ｂを回わす
ことによつて支持ロツド３を基枠１の側方に突出
させた状態で固定できるようになつている。

なお、基枠１の正面には取付ブラケツト５ａ，
５ａにより水平に回動自在に扉５が取り付けら
れ、この扉５は、扉５の取付ブラケツト５ａ取付
側と反対側に設けられたねじ付ノブ５ｂを基枠１
の正面に設けられたねじ孔付受金５ｃに螺合して
第８図に示すように基枠１に固定され支持枠２を
固定するようになつている。

次に上記のように構成されたこの発明の治具の
使用方法および作用について説明する。

この発明の治具は表面処理工程の前工程でベル
トコンベア等の運搬機械が載せられ、この運搬機
械の上を移動するうちに作業者によつて被表面処
理部材Ａを内部に装着され、その後に吊上機械に
よつて吊り上げられて表面処理工程に運ばれ、表
面処理液に浸漬されるものである。

ところで、治具を運搬機械に載せる場合には基
枠１の正面を運搬機械の横の作業者に向け、支持
ロツド３，３を第４図に示すように収納状態にし
ておく。作業者は手前に来た基枠１の扉５を開
け、固定金具１ｃによつて固定された支持枠２を
除く総ての支持枠２を手前に倒す。そして、基枠
１内の固定された支持枠２とこれの１つ手前の支
持枠２との間に被表面処理部材Ａを基枠１の前方
から入れ、被表面処理部材Ａの底部を支持枠２の
支持具２ｆに嵌入し装着する。ここで、倒された
支持枠２の上端の位置は基枠１の上端より低く、
かつ、支持枠２，２間の間隙は充分大きいため、
被表面処理部材Ａの挿入作業は従来より簡単にな
る。次に上記と同様な手順で支持枠２に、順次、
被表面処理部材Ａを第３図に示す如く装着してゆ
く。被表面処理部材Ａの装着終了後、倒しておい
た支持枠２を起立させて基枠１の中に収納し、扉
５を閉じてノブ５ｂにより扉５を固定する。する
と各支持枠２の折曲部２ｈが各被表面処理部材Ａ
を挾んでこれらを挾持する。次に支持ロツド３，
３を案内筒４に沿つて第６図に示す如く引き出
し、ノブ４ｂによつて固定し、支持ロツド３，３
を介して基枠１を吊上機械で吊り上げ、メツキ液
等の表面処理液に浸漬して表面処理をなす。ここ
で各被表面処理部材Ａは折曲部２ｈによつて挾持
されていて、調整部材２ｄが各支持枠２間の間隔
を規定しているため、隣接する被表面処理部材
Ａ，Ａが接触することはない。したがつて処理部
材の接触を原因としていたメツキ不良及表面処理
不良は生じない。また、処理部材Ａ…は折曲部２
ｈ…によつて挾持されるため、基枠１から落下す
ることもない。

第１０図はこの発明の他の実施例を示す平面略
図であり、１つの基枠１′の中に基枠１′の前方向
（図の右側）と後方側（図の左側）とに回動する
横開き状の支持枠２を多数設けて構成したもので
ある。このように構成することにより基枠１′を
運ぶ運搬機械の両側から作業員が被表面処理部材
Ａを基枠１′に装着できる。

なお、上記被表面処理部材Ａ…を装着した基枠
１，１′はメツキ液浸漬工程の他に、水洗工程や
酸洗い工程、あるいは剥離工程等、表面処理工程
一般または乾燥工程に広く使用できるのは勿論で
ある。

以上説明したようにこの発明は、立体状の基枠
の中にプリント基板等の被表面処理部材を挾持す
る多数の支持枠を上下あるいは水平に回動自在に
並設し、上記支持枠の回動範囲の少なくとも一部
を基枠の外方に出して構成したため、回動させて
少なくとも一部を基枠の外に出し、相互の間隔を
広げた支持枠間に、被表面処理部材を挿入し、そ
の後に支持枠を基枠内に戻すといつた操作により
基枠に複数の被表面処理部材を相互に所定間隔離
間した状態で装着することができる。すなわち、
従来の支持治具では、支持治具の上方まで被表面
処理部材を上げて幅の狭いチヤンネル材の溝に挿
入する必要があり、装着作業が煩雑であつたのに
比較して、この発明の支持治具は、基枠の側方か
ら、間隔を広げた支持枠の間に被表面処理部材を
入れることができるため、装着作業が簡単にな
り、作業効率を向上させる効果がある。また、基
枠内の複数の支持枠の各々に設けた支持具によつ
て支持枠毎に被表面処理部材の底部を支持し、支
持枠に突出部を被表面処理部材の側面に当接させ
ることにより隣接する被表面処理部材を所定の間
隔で離間させて支持できるので、基枠内に複数の
被表面処理部材を安定支持することができ、不良
を生じることなくメツキ処理などの表面処理や乾
燥処理を行うことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第９図はこの発明の一実施例を示
すもので、第１図は背面図、第２図は側面図、第
３図は支持枠を倒した状態を示す側面図、第４図
は支持ロツドの収納状態を示す平面図、第５図は
第４図の側面図、第６図は支持ロツドを引き出し
た状態を示す平面図、第７図は支持ロツド周囲の
部分の断面図、第８図は基枠内部の平面図、第９
図は基枠中央部の正面図、第１０図はこの発明の
他の実施例を示す平面略図である。 １……基枠、２……支持枠、２ａ……回動軸、
２ｆ……支持具、２ｈ……折曲部（突出部）、Ａ
……被表面処理部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 立体状の基枠の内部に、複数の支持枠が、各
   支持枠の底部あるいは側部に設けた回動軸を各々
   同一方向に向けた状態で基枠に支持させて回動自
   在に、かつ、各支持枠の回動範囲の少なくとも一
   部を基枠の側方に突出させて並設され、各支持枠
   の底部には、プリント基板等の板状の被表面処理
   部材の底部を支持する支持具が突設され、各支持
   枠には、隣接する他の支持枠側に突出して他の支
   持枠に支持された被表面処理部材の側面に当接す
   る突出部が形成されてなることを特徴とするプリ
   ント基板等の表面処理用支持治具。