JP7446103B2 - エラストマー-金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ - Google Patents

エラストマー-金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、エラストマー-金属コード複合体およびこれを用いたタイヤに関し、詳しくは、撚り合わされずに一列に引き揃えられた複数本の金属フィラメントからなる補強素子がエラストマーにより被覆されてなるエラストマー-金属コード複合体、および、これを用いたタイヤに関する。
一般に、強度が必要とされるタイヤの内部には、リング状のタイヤ本体の子午線方向に沿って埋設された補強コードを含むカーカスが配置され、カーカスのタイヤ半径方向外側には、ベルト層が配置される。このベルト層は通常、スチール等の金属コードをエラストマーで被覆してなるエラストマー-金属コード複合体を用いて形成され、タイヤに耐荷重性、耐牽引性等を付与している。
近年、自動車の燃費を向上させるために、タイヤを軽量化する要求が高まっている。タイヤの軽量化の手段として、ベルト補強用の金属コードが注目され、金属フィラメントを撚らずにベルト用コードとして使用する技術が多数公開されている。例えば、特許文献1には、単一のモノフィラメントからなるスチールコード本体の周囲に熱可塑性樹脂中にエラストマーを分散させた熱可塑性エラストマー組成物を被覆したタイヤ補強用スチールコード、および、これを使用したタイヤが開示されている。また、特許文献2には、同一の径の2~6本の主フィラメントを、撚り合わせることなく単一の層をなすように並列させて主フィラメント束とし、主フィラメントより小径で真直の1本のスチールフィラメントをラッピングフィラメントとして主フィラメント束の周囲に巻き付けてなるスチールコードを、タイヤベルト層に用いた空気入りラジアルタイヤが開示されている。
特開2010-053495号公報 特開2012-106570号公報
特許文献1や特許文献2で提案されているように、金属のモノフィラメントをエラストマーで被覆してベルトコードを形成することで、ベルトの薄ゲージ化による軽量化を図ることができ、モノフィラメントを束として用いれば、モノフィラメント束間の距離の確保による耐ベルトエッジセパレーション(BES)性の向上も図ることができる。
しかしながら、特許文献1や特許文献2では、低ロス性や耐亀裂進展性、耐セパレーション性については検討がなされていない。よって、これらの要求性能を満足できる補強材の実現が求められていた。
そこで、本発明の目的は、撚り合わされずに一列に引き揃えられた複数本の金属フィラメントからなる補強素子がエラストマーにより被覆されてなり、低ロス性、耐亀裂進展性および耐セパレーション性に優れたエラストマー-金属コード複合体、および、これを用いたタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、金属フィラメントからなる補強素子の構成を下記のとおりとするとともに、エラストマーとして下記所定の物性を満足するものを用いることにより、上記課題を解消できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のエラストマー-金属コード複合体は、撚り合わされずに一列に引き揃えられた複数本の金属フィラメントからなる補強素子が、エラストマーにより被覆されたエラストマー-金属コード複合体において、
前記金属フィラメント同士の間の最小隙間距離が、0.01mm以上0.24mm未満であり、該金属フィラメント同士の間の最大隙間距離が、0.35mm以上2.0mm以下であり、該金属フィラメントの線径が、0.15mm以上0.35mm以下であって、かつ、前記エラストマーの、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比M200/M50が、5.0以下であることを特徴とするものである。
ここで、上記50%モジュラスとは、エラストマーの伸び50%時における引張応力のことであり、上記200%モジュラスとは、エラストマーの伸び200%時における引張応力のことである。これらの値については、上記エラストマーがゴム組成物の場合はゴム組成物を加硫し、加硫ゴムとした後、JIS K 6251(2010年)に準拠して測定することができる。なお、前記ゴム組成物を加硫する条件については、特に限定はされず、公知の加硫条件で適宜実施することができる。
本発明のエラストマー-金属コード複合体においては、前記補強素子が、2本以上20本以下の金属フィラメントからなる金属フィラメント束であることが好ましい。
さらにまた、本発明のエラストマー-金属コード複合体においては、前記エラストマーが、ゴム成分と、カーボンブラックと、フェノール樹脂と、メチレン供与体とを含むゴム組成物からなることが好ましい。この場合、前記エラストマーがシリカを含み、該シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対し0質量部より多く25質量部以下であることが好ましく、前記エラストマーがコバルト化合物を含み、該コバルト化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対し0.01質量部未満であることも好ましい。
本発明のタイヤは、本発明のエラストマー-金属コード複合体が用いられてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、撚り合わされずに一列に引き揃えられた複数本の金属フィラメントからなる補強素子がエラストマーにより被覆されてなり、低ロス性、耐亀裂進展性および耐セパレーション性に優れたエラストマー-金属コード複合体、および、これを用いたタイヤを提供することができた。
本発明の一好適な実施の形態に係るエラストマー-金属コード複合体の幅方向における部分断面図である。 本発明の一好適な実施の形態に係るエラストマー-金属コード複合体の金属コードの概略平面図である。 本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤの概略片側断面図である。
以下、本発明のエラストマー-金属コード複合体および本発明のタイヤについて、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一好適な実施の形態に係るエラストマー-金属コード複合体の幅方向における部分断面図であり、図2は、本発明の一好適な実施の形態に係るエラストマー-金属コード複合体の金属コードの概略平面図である。
本発明のエラストマー-金属コード複合体10は、撚り合わされずに一列に引き揃えられた複数本の金属フィラメント1からなる補強素子2を、エラストマー3により被覆して形成されている。このような構成とすることで、本発明のエラストマー-金属コード複合体10の厚みを薄くすることができ、本発明のエラストマー-金属コード複合体10をタイヤのベルト層に用いた場合に、タイヤの軽量化を図ることができる。なお、本発明に係る金属フィラメントは、実質的に真直の金属フィラメントである。ここで、真直の金属フィラメントとは、意図的に型付けをしておらず、実質的に型がついていない状態の金属フィラメントを指す。
図示する例では、補強素子2は、複数本の金属フィラメント1が、撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コード2であるが、本発明においてはこれに限られない。本発明における補強素子2は、撚り合わされずに一列に引き揃えられた複数本の金属フィラメント1が、均等に配置されているものであってもよい。特には、補強素子2は、複数本の金属フィラメント1が、撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コード2であることが好ましい。
補強素子2が、図示するような束からなる金属コード2である場合、金属フィラメント1は、好適には2本以上、より好適には5本以上であって、好適には20本以下、より好適には12本以下、さらに好適には10本以下、特に好適には9本以下の金属フィラメント束で金属コード2を構成する。図示する例においては、5本の金属フィラメント1が、撚り合わされずに引き揃えられて、金属コード2を形成している。
本発明においては、補強素子2を構成する金属フィラメント1同士の間の最小隙間距離が、0.01mm以上0.24mm未満である。隣り合う金属フィラメント1同士の間の最小隙間距離を、0.01mm以上とすることで、エラストマー3を十分に金属フィラメント1同士の間に十分に浸透させることが可能となる。一方、上記最小隙間距離を0.24mm未満とすることで、金属フィラメント1同士の間におけるセパレーションの発生を抑制できる。補強素子2を構成する金属フィラメント1同士の間の最小隙間距離は、好適には0.03mm以上0.20mm以下、より好適には0.03mm以上、0.18mm以下である。
なお、補強素子2が、図示するような束からなる金属コード2である場合、金属コード2を構成する金属フィラメント1同士の間隔w1が、上記最小隙間距離に相当する。
また、本発明者らは、低ロス性と耐亀裂進展性との両立について鋭意検討を行った結果、金属コード2を被覆するエラストマー3の、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比M200/M50が、耐亀裂進展性と関連性が高いことに着目した。本発明者らは、さらに検討を行った結果、比M200/M50を特定の値以下とすることによって、従来技術よりも高いレベルで、低ロス性と耐亀裂進展性との両立が可能となることを見出した。すなわち、本発明のエラストマー-金属コード複合体10においては、金属コード2を被覆するエラストマー3の、50%モジュラス値に対する200%モジュラス値の比M200/M50が、5.0以下である。
よって、本発明のエラストマー-金属コード複合体10においては、上記所定の金属フィラメント1同士の対を含む補強素子2と、上記所定の物性値を有するエラストマー3とを組み合わせて用いることで、低ロス性、耐亀裂進展性および耐セパレーション性のいずれについても向上することができるものである。
本発明のエラストマー-金属コード複合体10において、補強素子2を構成する金属フィラメント1同士の間の最大隙間距離は、好適には0.25mm以上2.0mm以下、より好適には0.3mm以上、1.8mm以下であって、さらに好適には0.35mm以上、1.5mm以下である。金属フィラメント1同士の間の最大隙間距離を0.25mm以上とすることで、本発明のエラストマー-金属コード複合体10をタイヤのベルト層に用いた場合、ベルト幅方向端部のコード端を起点としたゴム剥離が隣り合う金属コード間に伝播する、ベルトエッジセパレーションの発生を抑制することができる。また、金属フィラメント1同士の間の最大隙間距離を2.0mm以下とすることで、本発明のエラストマー-金属コード複合体10をタイヤのベルト層に用いた場合、ベルトの剛性を維持することができる。
なお、補強素子2が、図示するような束からなる金属コード2である場合、金属コード2同士の間の間隔w2が、上記最大隙間距離に相当する。
また、本発明のエラストマー-金属コード複合体10において、金属フィラメント1の線径は、0.15mm以上0.40mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.18mm以上、さらに好ましくは0.20mm以上であって、また、好ましくは0.35mm以下である。金属フィラメント1の線径を0.40mm以下とすることで、本発明のエラストマー-金属コード複合体10をタイヤのベルト層に用いた場合に、タイヤの軽量効果が十分に得られる。一方、金属フィラメント1の線径を0.15mm以上とすることで、本発明のエラストマー-金属コード複合体10をタイヤのベルト層に用いた場合に、十分なベルト強度を発揮できる。
本発明のエラストマー-金属コード複合体10においては、隣り合う金属フィラメント1間にエラストマー3を十分に浸透させることができるものであるが、隣り合う金属フィラメント間にエラストマーによって被覆されていない非エラストマー被覆領域が連続して存在することを抑止する観点からは、以下の条件を満足することが好ましい。すなわち、補強素子2が、図示するような束からなる金属コード2である場合には、金属コード2内で隣り合う金属フィラメント1の、金属コード2の幅方向側面におけるエラストマー被覆率が、単位長さ当たり10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。さらに好ましくは50%以上被覆されており、80%以上被覆されていることが特に好ましい。もっとも好ましくは、90%以上被覆されている状態である。これにより、本発明のエラストマー-金属コード複合体10をタイヤのベルト層に用いた場合に、ベルト層における耐腐食進展性を確保するとともに、ベルトの面内剛性を向上させ、操縦安定性を改善する効果を良好に得ることができる。
ここで、本発明において、エラストマー被覆率とは、例えば、エラストマーとしてゴムを用い、金属コードとしてスチールコードを用いた場合、スチールコードをゴム被覆し、加硫した後、得られたゴム-スチールコード複合体からスチールコードを引き抜き、スチールコードを構成するスチールフィラメント同士の間隙に浸透したゴムにより被覆されている、スチールフィラメントの金属コード幅方向側面の長さを測定し、下記算出式に基づいて算出した値の平均をいう。
エラストマー被覆率=(ゴム被覆長/試料長)×100(%)
なお、エラストマーとして、ゴム以外のエラストマーを用いた場合、および、金属コードとして、スチールコード以外の金属コードを用いた場合も、同様に算出することができる。
本発明において、金属フィラメント1は、一般に、鋼、すなわち、鉄を主成分(金属フィラメントの全質量に対する鉄の質量が50質量%を超える)とする線状の金属をいい、鉄のみで構成されていてもよいし、鉄以外の、例えば、亜鉛、銅、アルミニウム、スズ等の金属を含んでいてもよい。
また、本発明において、金属フィラメント1の表面状態については特に制限されないが、例えば、下記の形態をとることができる。すなわち、金属フィラメント1としては、表面のN原子が2原子%以上60原子%以下であって、かつ、表面のCu/Zn比が1以上4以下であることが挙げられる。また、金属フィラメント1としては、フィラメント表面からフィラメント半径方向内方に5nmまでのフィラメント最表層に酸化物として含まれるリンの量が、C量を除いた全体量の割合で、7.0原子%以下である場合が挙げられる。
また、本発明において、金属フィラメント1の表面には、めっきが施されていてもよい。めっきの種類としては、特に制限されず、例えば、亜鉛(Zn)めっき、銅(Cu)めっき、スズ(Sn)めっき、ブラス(銅-亜鉛(Cu-Zn))めっき、ブロンズ(銅-スズ(Cu-Sn))めっき等の他、銅-亜鉛-スズ(Cu-Zn-Sn)めっきや銅-亜鉛-コバルト(Cu-Zn-Co)めっき等の三元系合金めっきなどが挙げられる。これらの中でも、ブラスめっきや銅-亜鉛-コバルトめっきが好ましい。ブラスめっきを有する金属フィラメントは、ゴムとの接着性が優れているからである。なお、ブラスめっきは、通常、銅と亜鉛との割合(銅:亜鉛)が、質量基準で60~70:30~40、銅-亜鉛-コバルトめっきは、通常、銅が60~75重量%、コバルトが0.5~10重量%である。また、めっき層の層厚は、一般に100nm以上300nm以下である。
さらにまた、本発明においては、金属フィラメント1の線径や抗張力、断面形状については、特に制限はない。例えば、金属フィラメント1としては、抗張力(filament strength)が2500MPa(250kg/mm)以上のものを用いることができ、これにより、タイヤの耐久性を維持しつつ、ベルトに使用する金属量を低減でき、騒音性を改善することができる。さらに、金属フィラメント1の幅方向の断面形状も特に制限されず、真円状や楕円状、矩形状、三角形状、多角形状等とすることができるが、真円状が好ましい。なお、本発明において、補強素子2が、図示するような束からなる金属コード2である場合に、金属コード2を構成する金属フィラメント1の束を拘束する必要がある場合には、金属フィラメント束にラッピングフィラメント(スパイラルフィラメント)を巻回してもよい。
本発明において、エラストマー3としては、上述した50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比M200/M50が、5.0以下であるものであれば特に制限はなく、従来、金属コードを被覆するために用いていたゴム組成物等を用いることができる。
上記M50は、エラストマーの低歪域での弾性に関連するパラメータである。そのため、M50については、タイヤのベルト部の変形を抑制するために、できるだけ高い値にする必要がある。このためには、例えばゴム組成物においては、後述するカーボンブラックの種類や含有量を調整しつつ、後述するフェノール樹脂やメチレン供与体を含有させることが考えられる。一方、上記M200は、エラストマーの高歪域での弾性に関連するパラメータである。そのため、M200については、亀裂進展を抑える観点からは、亀裂先端の応力の集中を緩和させるべく、低い値にする必要がある。このためには、例えばゴム組成物においては、後述するカーボンブラックの種類や含有量を調整することなどが考えられる。そして、上記M50の大きさに対する上記M200の大きさの比を、5.0以下に設定する(M200/M50≦5.0)ことによって、優れた低ロス性および耐亀裂進展性を発揮できるエラストマーを実現できる。また、同様の観点から、比M200/M50は、4.8以下であることが好ましく、4.5以下であることがより好ましい。
なお、被覆ゴムの50%モジュラス値および200%モジュラス値は、例えば、各ゴム組成物のサンプルを、145℃で40分間加硫して加硫ゴムとした後、JIS K 6251(2010年)に準拠して測定した値を用いることができる。また、上記モジュラス値は、各ゴム組成物をベルトコーティングゴムとする2層のベルト層を持つタイヤを、所定の温度・加硫時間で加硫することにより作製し、2層のベルト層の各スチールコード間に位置するベルトコーティングゴムを取り出し、表面を平滑に研磨した後、長手方向がタイヤ周方向に沿うようにダンベル状試験片を打ち抜き、これを用いてJIS K 6251(2010年)に準拠して測定した値を用いることもできる。
エラストマー3の上記M50および上記M200の具体的な数値範囲については、特に限定はされないが、より高いレベルで低ロス性および耐亀裂進展性を実現する観点からは、M50が1.6MPa以上、M200が10.5MPa以下であることが好ましく、M50が1.8MPa以上、M200が9.0MPa以下であることがより好ましい。
エラストマー3としては、具体的には、従来、金属コードを被覆するために用いていたゴム組成物等を用いることができる。エラストマー3の主成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBRおよび低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR等のジエン系ゴムおよびその水添物、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M-EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー等のオレフィン系ゴム、Br-IIR、CI-IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br-IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M-CM)等の含ハロゲンゴム、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム等のシリコンゴム、ポリスルフィドゴム等の含イオウゴム、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム等のフッ素ゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを好ましく使用することができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、エラストマー3には、上記主成分に加えて、硫黄、加硫促進剤、カーボンブラックの他に、タイヤやコンベアベルト等のゴム製品で通常使用される老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等を適宜配合することができる。
本発明のエラストマー-金属コード複合体10に用いるエラストマー3としては、特には、ゴム成分と、カーボンブラックと、フェノール樹脂と、メチレン供与体とを含むゴム組成物を用いることが好ましい。このような組成とすることにより、上記所定のモジュラス比M200/M50を実現することが容易となる。このようなゴム組成物について、以下に説明する。
(ゴム成分)
ゴム成分については、優れた耐亀裂進展性や耐摩耗性を得ることができる観点からは、天然ゴム若しくはジエン系合成ゴムを単独で、または、天然ゴムおよびジエン系合成ゴムを併用した形で、含有することができる。また、ゴム成分は、上記ジエン系ゴムのみから構成することもできるが、本発明の目的を損なわない範囲であれば、ジエン系以外のゴムを含有することもできる。なお、優れた耐亀裂進展性を得ることができる観点から、ゴム成分におけるジエン系ゴムの含有量は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
ここで、上記のうちジエン系合成ゴムとしては、ポリブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。また、非ジエン系ゴムとしては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。なお、これらのゴム成分については、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。また、これらのゴムは変性基で変性されたものでもよい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックについては、特に制限はないが、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が50cm/100g以上100cm/100g以下のものを好適に用いることができる。DBP吸収量が上記範囲内であって、ストラクチャの低いカーボンブラックを用いることで、ゴム組成物の補強性と適度な柔軟性とを両立することができ、優れた耐亀裂進展性を得ることができる。上記DBP吸収量を100cm/100g以下とすることで、上記ストラクチャを低くして、ゴム組成物の補強性を適度に抑え、柔軟性を確保して、十分な耐亀裂進展性を得ることができる。カーボンブラックのDBP吸収量は、90cm/100g以下であることが好ましく、80cm/100g以下であることがより好ましい。
なお、カーボンブラックのストラクチャとは、球状のカーボンブラック粒子がそれぞれ融着し、繋がった結果、形成された構造体(カーボンブラック粒子の凝集体)の大きさのことである。また、カーボンブラックのDBP吸収量とは、カーボンブラック100gが吸収するDBP(ジブチルフタレート)の量のことであり、JIS K 6217-4(2008年)に準拠して測定することができる。
また、上記カーボンブラックについては、窒素吸着比表面積(NSA)が70m/g以上90m/g以下であることが好ましく、75m/g以上85m/g以下であることがより好ましい。これにより、カーボンブラックのストラクチャについてさらに適正化を図ることができるため、低ロス性および耐亀裂進展性のさらなる改善が可能となる。なお、上記窒素吸着比表面積は、ISO 4652-1に準拠して単点法にて測定することができ、例えば、脱気したカーボンブラックを液体窒素に浸漬させた後、平衡時においてカーボンブラック表面に吸着した窒素量を測定し、測定値から比表面積(m/g)を算出することができる。
さらに、上記カーボンブラックの種類については、例えば、オイルファーネス法により製造された任意のハードカーボンを用いることができる。これらの中でも、より優れた低ロス性および耐亀裂進展性を実現する観点からは、HAFグレードのカーボンブラックを用いることが好ましい。
カーボンブラックの含有量については、上記ゴム成分100質量部に対して、35質量部以上50質量部以下であることが好ましい。カーボンブラックの含有量を、上記ゴム成分100質量部に対して、35質量部以上とすることで、高い補強性および耐亀裂進展性を得ることができ、50質量部以下とすることで、低ロス性のさらなる改善を図ることができる。
(フェノール樹脂)
本発明のエラストマー-金属コード複合体10に用いるエラストマー3として好適なゴム組成物においては、フェノール樹脂を、後述するメチレン供与体とともに含むことにより、50%モジュラス値(M50)を向上させることができ、優れた低ロス性を維持しつつ、ゴム組成物の補強性を向上して、優れた耐亀裂進展性を実現できる。
ここで、フェノール樹脂としては、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜選択することができる。例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、tert-ブチルフェノール等のフェノール類またはこれらの混合物とホルムアルデヒドとを、塩酸、蓚酸等の酸触媒の存在下において縮合反応させることによって製造したものが挙げられる。また、フェノール樹脂については、変性したものを用いることもでき、例えば、ロジン油、トール油、カシュー油、リノール酸、オレイン酸、リノレイン酸等の油によって変性することができる。なお、上述したフェノール樹脂については、一種を単独で用いることもでき、複数種を混合して用いることもできる。
また、フェノール樹脂の含有量は、上記ゴム成分100質量部に対して、2質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、また、10質量部以下であることが好ましく、7質量部以下であることがより好ましい。フェノール樹脂の含有量を、上記ゴム成分100質量部に対して2質量部以上とすることで、耐亀裂進展性をさらに改善でき、10質量部以下とすることで、低ロス性の悪化を抑制できる。
(メチレン供与体)
本発明のエラストマー-金属コード複合体10に用いるエラストマー3として好適なゴム組成物においては、メチレン供与体を、フェノール樹脂の硬化剤として含むことによって、上記50%モジュラス値(M50)を向上させることができ、優れた低ロス性を維持しつつ、ゴム組成物の補強性を向上できる。
メチレン供与体としては、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜選択することができる。例えば、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ペンタメトキシメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサキス-(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”-トリメチル-N,N’,N”-トリメチロールメラミン、N,N’,N”-トリメチロールメラミン、N-メチロールメラミン、N,N’-(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”-トリブチル-N,N’,N”-トリメチロールメラミン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。これらのメチレン供与体の中でも、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミンおよびパラホルムアルデヒドからなる群より選択される、少なくとも一種であることが好ましい。なお、これらのメチレン供与体は、単独で用いてもよく、組み合わせて使用することもできる。
また、メチレン供与体の含有量に対するフェノール樹脂の含有量の割合は、低ロス性および耐亀裂進展性のより高いレベルでの両立の観点から、0.6以上7以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましい。メチレン供与体の含有量に対するフェノール樹脂の含有量の割合を0.6以上とすることで、M50を十分に向上して、耐亀裂進展性を十分に改善することができ、一方、上記割合を7以下とすることで、低ロス性を良好に保持することができる。
(その他の成分)
本発明のエラストマー-金属コード複合体10に用いるエラストマー3として好適なゴム組成物は、上述したゴム成分、カーボンブラック、フェノール樹脂およびメチレン供与体の他にも、その他の成分を、発明の効果を損なわない程度に含むことができる。その他の成分としては、例えば、上記カーボンブラック以外の充填材や老化防止剤、架橋促進剤、架橋剤、架橋促進助剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、界面活性剤等のゴム工業で通常使用されている添加剤を挙げることができる。
上記充填材としては、例えば、シリカ、その他の無機充填材等を挙げることができ、中でも、より優れた低ロス性と耐亀裂進展性が得られることから、シリカを含むことが好ましい。
シリカとしては、例えば、湿式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、湿式シリカを用いることが好ましく、沈降シリカを用いることがより好ましい。これらのシリカは、分散性が高く、ゴム組成物の低ロス性および耐摩耗性をより向上できるためである。なお、沈降シリカとは、製造初期に、反応溶液を比較的高温、中性~アルカリ性のpH領域で反応を進めてシリカ一次粒子を成長させ、その後に酸性側へ制御することで、一次粒子を凝集させた結果として得られるシリカのことである。
シリカの含有量については、特に限定はされないが、優れた低ロス性を実現する観点からは、上記ゴム成分100質量部に対して、0質量部より多いことが好ましく、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、また、25質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。
また、上記無機充填材としては、例えば、下記式(I)で表される無機化合物を用いることも可能である。
nM・xSiO・zHO・・・(I)
(式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウムおよびジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物または水酸化物、およびそれらの水和物、並びに、これらの金属の炭酸塩のうちから選ばれる少なくとも一種であり;n、x、yおよびzは、それぞれ1~5の整数、0~10の整数、2~5の整数および0~10の整数である。)
上記式(I)で示される無機化合物としては、γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al・HO);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)];炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を挙げることができる。
老化防止剤としては、公知のものを用いることができ、特に制限されない。例えば、フェノール系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤等を挙げることができる。これら老化防止剤は、1種または2種以上を併用することができる。
架橋促進剤としては、公知のものを用いることができ、特に制限されるものではない。例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤;ジアルキルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
架橋剤についても、特に制限はされず、例えば、硫黄、ビスマレイミド化合物等が挙げられる。ビスマレイミド化合物としては、例えば、N,N’-o-フェニレンビスマレイミド、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-p-フェニレンビスマレイミド、N,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミド、2,2-ビス-[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタンなどを例示することができる。本発明においては、N,N’-m-フェニレンビスマレイミドおよびN,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミド等を好適に用いることができる。
架橋促進助剤については、例えば、亜鉛華(ZnO)や脂肪酸等が挙げられる。脂肪酸としては、飽和若しくは不飽和、直鎖状若しくは分岐状のいずれの脂肪酸であってもよく、脂肪酸の炭素数も特に制限されないが、例えば、炭素数1~30、好ましくは15~30の脂肪酸、より具体的にはシクロヘキサン酸(シクロヘキサンカルボン酸)、側鎖を有するアルキルシクロペンタン等のナフテン酸;ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸(ネオデカン酸等の分岐状カルボン酸を含む)、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)等の飽和脂肪酸;メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸;ロジン、トール油酸、アビエチン酸等の樹脂酸などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明においては、亜鉛華およびステアリン酸を好適に用いることができる。
また、本発明において、エラストマー3は、コバルト化合物を含んでいても含んでいなくてもよい。エラストマー3におけるコバルト化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、好適には0.01質量部未満とすることができ、より好適には含まないものとする。コバルト化合物の含有量を抑制し、特にはコバルト化合物を含まないものとすることで、エラストマー3の劣化、特には未加硫ゴムの劣化を抑制することが可能となる。
なお、本発明のエラストマー-金属コード複合体10に用いるエラストマー3として好適なゴム組成物が、上記充填材としてシリカを含む場合には、さらに、シランカップリング剤を含有させることが好ましい。シリカによる補強性および低ロス性の効果をさらに向上させることができるからである。なお、シランカップリング剤は、公知のものを適宜使用することができる。好ましいシランカップリング剤の含有量については、シランカップリング剤の種類などにより異なるが、シリカに対して、2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが特に好ましく、また、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、18質量%以下であることが特に好ましい。シランカップリング剤の含有量を、2質量%以上とすることでカップリング剤としての効果を充分に発揮させることができ、また、25質量%以下とすることで、ゴム成分のゲル化を防止できる。
本発明のエラストマー-金属コード複合体10に用いるエラストマー3として好適なゴム組成物は、特に限定されず、ゴム組成物を構成する各成分としてのゴム成分、カーボンブラック、フェノール樹脂、メチレン供与体およびその他の成分を、配合し、混練することにより、調製することができる。この際、上記各成分は、同時に混練することもできるし、いずれかの成分をあらかじめ混練した上で、残りの成分を混練することも可能である。これらの条件については、ゴム組成物が要求される性能に応じて適宜変更することができる。
例えば、より優れた低ロス性および耐亀裂進展性を実現する観点からは、フェノール樹脂との混練に先立って、ゴム成分とカーボンブラックとを配合し、混練することが好ましい。フェノール樹脂は、カーボンブラックとの相互作用が強いため、同時投入すると、ゴム成分とカーボンブラックとの反応が低下するおそれがある。そのため、フェノール樹脂との混練に先立って、ゴム成分とカーボンブラックを配合し、混練することで、カーボンブラックの分散性および補強性が向上し、低ロス性および耐亀裂進展性のさらなる改善が可能となる。
本発明のエラストマー-金属コード複合体10は、既知の方法にて製造することができる。例えば、複数本の金属フィラメント1を、所定の間隔で平行に並べてなる補強素子2を、エラストマー3により被覆するか、または、複数本の金属フィラメント1を撚り合わせずに引き揃えた金属フィラメント束からなる金属コード2を、エラストマー3により被覆して作製することができる。
本発明のエラストマー-金属コード複合体10においては、その厚みは、0.30mm超、1.00mm未満が好ましい。かかる範囲とすることで、本発明のエラストマー-金属コード複合体10をベルト層に用いた場合に、ベルトの軽量化を十分に達成することができる。
次に、本発明のタイヤについて説明する。
図3に、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤの概略片側断面図を示す。本発明のタイヤ100は、本発明のエラストマー-金属コード複合体10を用いてなるものであり、これにより、低ロス性、耐セパレーション性および耐亀裂進展性を向上することができる。図示するタイヤ100は、接地部を形成するトレッド部101と、このトレッド部101の両側部に連続してタイヤ半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部102と、各サイドウォール部102の内周側に連続するビード部103とを備えた空気入りタイヤである。本発明のタイヤ100としては、例えば、乗用車用タイヤやトラック・バス用タイヤを挙げることができる。
図示するタイヤ100において、トレッド部101、サイドウォール部102およびビード部103は、一方のビード部103から他方のビード部103にわたってトロイド状に延びる一枚のカーカス層からなるカーカス104により補強されている。また、トレッド部101は、カーカス104のクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設した少なくとも2層、図示する例では2層の第1ベルト層105aと第2ベルト層105bとからなるベルト105により補強されている。ここで、カーカス104のカーカス層は複数枚としてもよく、タイヤ周方向に対してほぼ直交する方向、例えば、70°以上90°以下の角度で延びる有機繊維コードを好適に用いることができる。
本発明のタイヤ100においては、第1ベルト層105aおよび第2ベルト層105bに、上記本発明のエラストマー-金属コード複合体10を用いることができる。本発明のエラストマー-金属コード複合体10を用いることにより、第1ベルト層105aおよび第2ベルト層105bの厚みを薄くすることができ、タイヤの軽量化を図ることができる。また、本発明のエラストマー-金属コード複合体10をベルト用コードに用いることで、ベルトの低ロス性、耐セパレーション性および耐亀裂進展性を同時に向上させることができる。ベルト105におけるコード角度は、タイヤ周方向に対し30°以下とすることができる。
本発明のタイヤ100は、本発明のエラストマー-金属コード複合体10を用いてなるものであればよく、それ以外の具体的なタイヤ構造については、特に制限されるものではない。また、本発明のエラストマー-金属コード複合体10の適用箇所は、ベルト105に限られるものではない。例えば、本発明のタイヤにおいては、ベルト105のタイヤ径方向外側にベルト補強層を配置してもよく、その他の補強部材を用いてもよく、本発明のエラストマー-金属コード複合体10は、これらベルト補強層やその他の補強部材としても用いてもよい。
また、本発明のタイヤ100において、一対のビード部103には、それぞれビードコア106を配置することができ、カーカス104は、通常、ビードコア106の周りに内側から外側に巻き上げて係止される。さらに、図示はしないが、ビードコア106のタイヤ径方向外側には、断面先細り状のビードフィラーを配置することができる。なお、タイヤ100に充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(ゴム組成物の調製)
下記表中に示す配合に従って、常法に従い配合・混練することで、ゴム組成物A,Bを調製した。各成分の混練については、容量3.0Lのバンバリーミキサーを用いて行った。なお、ゴム組成物Bについては、フェノール樹脂との混錬に先立って、ゴム成分およびカーボンブラックを混練した。また、各ゴム組成物の50%モジュラス値(M50)および200%モジュラス値(M200)は、各ゴム組成物をベルトコーティングゴムとする2層のベルト層を持つタイヤを、所定の温度・加硫時間で加硫することにより作製し、2層のベルト層の各スチールコード間に位置するベルトコーティングゴムを取り出し、表面を平滑に研磨した後、長手方向がタイヤ周方向に沿うようにダンベル状試験片を打ち抜き、JIS K 6251(2010年)に従って引張試験を行い、50%伸びおよび200%伸びを与えたときの引張応力を測定した。
Figure 0007446103000001
*1)HAF級カーボンブラック、旭カーボン(株)製「旭#70L」、DBP吸収量:75cm/100g、窒素吸着比表面積:81m/g
*2)住友ベークライト(株)製「スミライトレジンPR-50235」
*3)ALLNEX製「CYREZ 964」
*4)東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」、窒素吸着比表面積=210m/g
*5)大内新興化学工業(株)製「ノクラックNS-6」、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)
*6)大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン
*7)不溶性硫黄(商品名:クリステックスHS OT-20、フレキシス社製)
*8)大内新興化学工業(株)製「ノクセラーDZ」、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
*9)OMG製「マノボンドC」、有機酸のコバルト塩中の有機酸の一部をホウ酸で置き換えた複合塩、コバルト含有量:22.0質量%
*10)大和化成工業(株)製「BMI-RB」
下記表中に示す条件に従う補強素子としてのスチールコードを、上下両側から、下記表中に示すゴム組成物よりなる厚さ0.5mm程度のシートにより被覆して、各実施例および従来例のエラストマー-金属コード複合体を作製した。
比較例1の補強素子は、スチールフィラメントを2×0.225mm+3×0.18mm構造で撚り合わせた撚りコードである。比較例2の補強素子は、撚り合わせずに一列に引き揃えられた7本の線径0.24mmのスチールフィラメントからなるスチールフィラメント束よりなるコードである。比較例3の補強素子は、撚り合わせずに一列に引き揃えられた線径0.3mmのスチールフィラメントが均等に配置されたコードである。実施例1の補強素子は、撚り合わせずに一列に引き揃えられた5本の線径0.26mmのスチールフィラメントからなるスチールフィラメント束よりなるコードである。実施例2の補強素子は、撚り合わせずに一列に引き揃えられた3本の線径0.3mmのスチールフィラメントからなるスチールフィラメント束よりなるコードである。
得られた各エラストマー-金属コード複合体につき、エラストマー被覆率、低ロス性、耐亀裂進展性および耐セパレーション性について、以下に従い評価を行った。
<エラストマー被覆率(%)>
エラストマー被覆率は、各実施例および比較例のコードをゴム被覆して、160℃、10~15分の加硫条件で加硫した後、得られたゴム-スチールコード複合体からスチールコードを引き抜き、スチールコードを構成するスチールフィラメント同士の間隙に浸透したゴムにより被覆されている、スチールフィラメントの金属コード幅方向側面の長さを測定し、下記算出式に基づいて算出した値の平均として求めた。エラストマー被覆率の算出式は以下のとおりである。
エラストマー被覆率=(ゴム被覆長/試料長)×100(%)
なお、ゴム被覆長は引き抜いたスチールコードをコード長手方向に直交する方向から観察した際にスチールフィラメント表面がゴムで完全に被覆されている領域の長さである。数字が大きいほど接着力が高く、性能がよいことを示す。
<低ロス性>
各ゴム組成物A,Bを、145℃で40分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムについて、スぺクトロメーター(株式会社上島製作所製)を用い、温度24℃、歪1%、周波数52Hzの条件で、損失正接(tanδ)を測定した。評価については、ゴム組成物Aのサンプルのtanδを100としたときの指数で示し、指数値が小さい程、低発熱性に優れることを示す。
<耐亀裂進展性>
各ゴム組成物A,Bを、145℃で40分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムから、2mm×50mm×6mmのシートを作製し、その中心部に微小な穴を空けて初期亀裂とした。その後、このシートに対して、2.0MPa、周波数は6Hz、雰囲気温度80℃の条件で、長辺方向に繰り返し応力を加えた。そして、サンプルごとに、繰り返し応力を加えてから、試験片が破断するまでの繰り返し回数を測定した後、その繰り返し回数の常用対数を算出した。破断までの測定試験は、サンプルごとに4度実施して常用対数を算出し、それらの平均を平均常用対数とした。評価については、ゴム組成物Aの平均常用対数を○とし、サンプルの平均常用対数がこれにより大きい場合を◎、小さい場合を×とした。
<耐セパレーション性>
各実施例および比較例のエラストマー-金属コード複合体をベルト層に適用したタイヤについて、ドラム試験機による評価を行った後におけるセパレーション長さを測定して求めた。セパレーション長さが、比較例1を基準として、小さい場合を〇、同等である場合を△、大きい場合を×とした。
得られた結果を下記の表中に併記する。
Figure 0007446103000002
上記表中の結果より、撚り合わされずに一列に引き揃えられた複数本の金属フィラメントからなる補強素子がエラストマーにより被覆されたエラストマー-金属コード複合体において、金属フィラメント同士の間の最小隙間距離およびエラストマーのモジュラス比M200/M50を所定の範囲とした各実施例においては、低ロス性、耐亀裂進展性および耐セパレーション性のいずれについても良好な結果が得られることがわかる。
1 金属フィラメント
2 補強素子(金属コード)
3 エラストマー
10 エラストマー-金属コード複合体
100 タイヤ
101 トレッド部
102 サイドウォール部
103 ビード部
104 カーカス
105 ベルト
105a,105b ベルト層
106 ビードコア

Claims (6)

  1. 撚り合わされずに一列に引き揃えられた複数本の金属フィラメントからなる補強素子が、エラストマーにより被覆されたエラストマー-金属コード複合体において、
    前記金属フィラメント同士の間の最小隙間距離が、0.01mm以上0.24mm未満であり、該金属フィラメント同士の間の最大隙間距離が、0.35mm以上2.0mm以下であり、該金属フィラメントの線径が、0.15mm以上0.35mm以下であって、かつ、前記エラストマーの、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比M200/M50が、5.0以下であることを特徴とするエラストマー-金属コード複合体。
  2. 前記補強素子が、2本以上20本以下の金属フィラメントからなる金属フィラメント束である請求項記載のエラストマー-金属コード複合体。
  3. 前記エラストマーが、ゴム成分と、カーボンブラックと、フェノール樹脂と、メチレン供与体とを含むゴム組成物からなる請求項1または2記載のエラストマー-金属コード複合体。
  4. 前記エラストマーがシリカを含み、該シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対し0質量部より多く25質量部以下である請求項記載のエラストマー-金属コード複合体。
  5. 前記エラストマーがコバルト化合物を含み、該コバルト化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対し0.01質量部未満である請求項3または4記載のエラストマー-金属コード複合体。
  6. 請求項1~のうちいずれか一項記載のエラストマー-金属コード複合体が用いられてなることを特徴とするタイヤ。
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