JP2019142472A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能に優れ、さらに、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上が可能となった、タイヤを提供することを目的とする。【解決手段】前記課題を解決するべく、本発明は、トレッド部を構成するトレッドゴムが、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分、該ゴム成分100質量部に対して、C5系樹脂、C5−C9系樹脂、C9系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤を20〜120質量部、含むゴム組成物からなり、前記ベルト層は、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムは、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤに関するものである。
車両の安全性を向上させる観点から、乾燥路面のみならず、湿潤路面、氷雪路面等の様々な路面上でのタイヤの制動性や駆動性を向上させるために、種々の検討がなされている。例えば、湿潤路面での性能を向上させるために、天然ゴム(NR)やブタジエンゴム(BR)等のゴム成分と共にアロマオイルを配合したゴム組成物をトレッドゴムに用いる技術が知られている(特許文献1)。
さらに、氷雪路面及び湿潤路面でのグリップ性能を向上させるために、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴムを合計30質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、C系樹脂を5〜50質量部配合してなるゴム組成物をトレッドゴムに用いる技術も知られている(特許文献2)。
しかしながら、上記のアロマオイルを配合する技術については、アロマオイルとNRやBRとの相溶性が高くないため、湿潤路面での性能を向上させる効果が小さく、また、アロマオイルを配合すると、転がり抵抗が上昇する等の課題があった。また、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴムを合計30質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、C系樹脂を5〜50質量部配合してなるゴム組成物においては、乾燥路面における制動性能は高いものではなく、また、マンホール等の、アスファルトと比して滑りやすい路面でのウェット制動性能も充分なものではなかった。
また近年、タイヤのトレッド部に配設されたベルトのようなタイヤ荷重を支えるケース部材については、自動車の燃費性能向上の観点から、タイヤの転がり抵抗を低減することが望まれており、ケース部材自体の剛性を低くして、タイヤのトレッドゴムへの入力を低減する技術が知られている。
しかしながら、ケース部材の剛性を低くする場合には、トレッドゴムが十分に変形できず、トレッドゴムの性能が十分に発揮されない結果、タイヤのグリップ性能を十分に向上させることができなかった。加えて、ベルトの剛性を低くした場合には、ベルトの耐亀裂進展性等が低下することが考えられるため、耐久性の点についてもさらなる改善を図る必要があった。
特開平5−269884号公報 特開2009−256540号公報
そのため、本発明の目的は、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能に優れ、さらに、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上が可能となった、タイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく検討を行った結果、トレッドゴムを構成するゴム組成物について、ゴム成分、熱可塑性樹脂及び充填剤の、種類や含有量の適正化を図ることによって、低発熱性の改善や、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能の向上を図った。
そしてさらに、本発明者らは、ベルト層を構成するベルトコーティングゴムの50%モジュラス値に対する200%モジュラス値の比が耐亀裂進展性等の耐久性と関連性が高いことに着目し、さらなる鋭意研究を行った結果、ベルトコーティングゴムの、50%モジュラス値に対する200%モジュラス値の比を特定値(具体的には、5.0)以下とすることによって、タイヤの転がり抵抗の悪化を招くことなく、ベルトの耐久性についても大きく改善できることを見出した。
本発明の要旨は以下の通りである。
本発明のタイヤは、トレッド部に配置した一枚以上のベルト層からなるベルト、を備えたタイヤであって、前記トレッド部を構成するトレッドゴムが、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分、該ゴム成分100質量部に対して、C系樹脂、C−C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤を20〜120質量部、含むゴム組成物からなり、前記ベルト層は、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムの、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする。
上記構成を具えることによって、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能に優れ、さらに、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上が可能となる。
また、本発明のタイヤでは、前記ベルトコーティングゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が、12MPaを超え且つ30MPa未満であることが好ましい。乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能をより高め、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上を、より高いレベルで両立できるためである。
また、本発明のタイヤでは、前記ベルトコーティングゴムは、ゴム成分と、DBP吸収量が50〜100 cm3/100gであるカーボンブラックと、フェノール樹脂と、メチレン供与体とを含むゴム組成物からなることが好ましい。転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上を、より高いレベルで両立できるためである。
本発明によれば、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能に優れ、さらに、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上が可能となった、タイヤを提供できる。
本発明のタイヤの一実施態様の断面図である。
以下に、本発明のタイヤを、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
図1は、本発明のタイヤの一実施態様について、断面を模式的に示した図である。本発明のタイヤは、トレッド部3に配置した一枚以上のベルト層6a、6bからなるベルト6を備えたタイヤであって、図1では、一対のビード部1と、一対のサイドウォール部2と、トレッド部3と、ビード部1に埋設されたビードコア4間にトロイド状に延在させたラジアルカーカス5と、トレッド部3に配置した(より詳しくは、ラジアルカーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置した)2枚のベルト層6a、6bからなるベルト6とを備える。
なお、図示例のタイヤにおいて、ラジアルカーカス5は、一枚のカーカスプライから構成されており、また、ビード部1内に夫々埋設した一対のビードコア4間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア4の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、本発明のタイヤにおいて、ラジアルカーカス5のプライ数及び構造は、これに限られるものではない。ここで、ラジアルカーカス5を構成するカーカスプライは、複数の補強コードを被覆ゴムで被覆してなり、該補強コードとしては、ポリエチレンテレフタレートコード、ナイロンコード、レーヨンコード等の有機繊維コードの他、スチールコードを用いてもよい。
また、図示例のタイヤのベルト6は、二枚のベルト層6a、6bから構成されており、各ベルト層6a、6bは、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層、好ましくは、スチールコードのゴム引き層からなり、更に、二枚のベルト層6a、6bが、該ベルト層6a、6bを構成するコードが互いにタイヤ赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト6を構成している。
なお、図中のベルト6は、二枚のベルト層6a、6bからなるが、本発明のタイヤにおいて、ベルト6を構成するベルト層の枚数は、一枚以上であればよく、これに限られるものではない。
そして、本発明のタイヤは、前記トレッド部3を構成するトレッドゴムが、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分、該ゴム成分100質量部に対して、C系樹脂、C−C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤を20〜120質量部、含むゴム組成物からなり、
前記ベルト層6a、6bは、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムの、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする。
前記トレッドゴムについて、ゴム成分、熱可塑性樹脂及び充填剤の、種類や含有量の適正化を図ることによって、走行温度付近での損失正接(tanδ)が低下し、タイヤの転がり抵抗を低減できるとともに、走行時の歪が大きい路面との接地面近傍のトレッドゴムの変形体積を大きくすることができる結果、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能と、低転がり抵抗とを両立することができる。加えて、前記ベルトコーティングゴムについて、50%モジュラス値に対する200%モジュラス値の比を特定値(具体的には、5.0)以下とすることによって、タイヤの転がり抵抗の悪化を招くことなく、ベルトの耐久性についても、大きく改善を図ることができる。
(トレッドゴム)
本発明のタイヤでは、前記トレッドゴムが、 天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、C系樹脂、C−C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤(C)を20〜120質量部、含むゴム組成物(以下、「トレッド用ゴム組成物」と称することがある。)からなる。
前記トレッドゴムは、ゴム成分(A)の50質量%以上が天然ゴムであり、また、充填剤(C)として、シリカを含むため、走行時の温度付近での損失正接(tanδ)が低下し、タイヤの転がり抵抗を低減できる。
また、前記トレッドゴムにおいては、熱可塑性樹脂(B)が配合されていることで、弾性率の歪依存性が向上しており、低歪領域での弾性率の低下を抑制しつつ、高歪領域での弾性率を低下させることができる。そのため、本発明のタイヤは、走行時の歪が大きい路面との接地面近傍のトレッドゴムの変形体積を大きくすることができる。
前記トレッド用ゴム組成物のゴム成分(A)は、天然ゴム(NR)を50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含む。ゴム成分(A)中の天然ゴムの含有量を50質量%以上とすることで、後述する熱可塑性樹脂(B)の配合による効果が発揮され易くなり、また、タイヤの転がり抵抗を低減できる。
前記ゴム成分(A)は、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を10〜50質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましく、10〜20質量%含むことが特に好ましい。前記ゴム成分(A)がSBRを含むことで、ゴム組成物のガラス転移点(Tg)を高め、乾燥路面でのグリップ性能を更に向上させることができる。また、ゴム成分(A)中のSBRの含有量が10質量%以上であれば、乾燥路面でのグリップ性能をより一層向上させることができ、また、ゴム成分(A)中のSBRの含有量が30質量%以下であれば、トレッドゴムの発熱性を低減できるため、転がり抵抗を低減でき、更には、トレッドゴムの柔軟性が向上するため、湿潤路面でのグリップ性能が更に向上する。
なお、前記ゴム成分(A)については、上述した天然ゴム(NR)及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)の他、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)等を、適宜含有してもよい。
前記トレッド用ゴム組成物は、C系樹脂、C−C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)を含む。該熱可塑性樹脂(B)を含むことで、弾性率の歪依存性が向上し、低歪領域での弾性率の低下を抑制しつつ、高歪領域での弾性率を低下させることができ、走行時の歪が大きい路面との接地面近傍のトレッドゴムの変形体積を大きくすることができる。なお、前記ゴム成分(A)は、上記の通り、天然ゴム(NR)を50質量%以上含有するものであるが、上記の熱可塑性樹脂(B)は、NRとの相溶性が高いため、上記の効果が特に得られ易い。
前記C系樹脂とは、C系合成石油樹脂を指し、該C系樹脂としては、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解によって得られるC留分を、AlCl、BF等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる脂肪族系石油樹脂が挙げられる。前記C留分には、通常、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン等のオレフィン系炭化水素、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,2−ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素等が含まれる。なお、前記C系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、エクソンモービルケミカル社製脂肪族系石油樹脂である「エスコレッツ(登録商標)1000シリーズ」、日本ゼオン株式会社製脂肪族系石油樹脂である「クイントン(登録商標)100シリーズ」の内「A100、B170、M100、R100」、東燃化学社製「T−REZ RA100」等が挙げられる。
前記C−C系樹脂とは、C−C系合成石油樹脂を指し、該C−C系樹脂としては、例えば、石油由来のC留分とC留分とを、AlCl、BF等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる固体重合体が挙げられ、より具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン等を主成分とする共重合体等が挙げられる。該C−C系樹脂としては、C以上の成分の少ない樹脂が、ゴム成分との相溶性の観点から好ましい。ここで、「C以上の成分が少ない」とは、樹脂全量中のC以上の成分が50質量%未満、好ましくは40質量%以下であることを言うものとする。前記C−C系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「クイントン(登録商標)G100B」(日本ゼオン株式会社製)、商品名「ECR213」(エクソンモービルケミカル社製)、商品名「T−REZ RD104」(東燃化学社製)等が挙げられる。
前記C系樹脂は、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解により、エチレン、プロピレン等の石油化学基礎原料と共に副生するC留分である、ビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンを主要なモノマーとする炭素数9の芳香族を重合した樹脂である。ここで、ナフサの熱分解によって得られるC留分の具体例としては、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、γ−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、インデン等が挙げられる。該C系樹脂は、C留分と共に、C留分であるスチレン等、C10留分であるメチルインデン、1,3−ジメチルスチレン等、更にはナフタレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、p−tert−ブチルスチレン等をも原料として用い、これらのC〜C10留分等を混合物のまま、例えばフリーデルクラフツ型触媒により共重合して得ることができる。また、前記C系樹脂は、水酸基を有する化合物、不飽和カルボン酸化合物等で変性された変性石油樹脂であってもよい。なお、前記C系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、未変性C系石油樹脂としては、商品名「日石ネオポリマー(登録商標)L−90」、「日石ネオポリマー(登録商標)120」、「日石ネオポリマー(登録商標)130」、「日石ネオポリマー(登録商標)140」(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)等が挙げられる。
前記テルペン系樹脂は、マツ属の木からロジンを得る際に同時に得られるテレピン油、或いは、これから分離した重合成分を配合し、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる固体状の樹脂であり、β−ピネン樹脂、α−ピネン樹脂等が挙げられる。該テルペン系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、ヤスハラケミカル株式会社製の商品名「YSレジン」シリーズ(PX?1250、TR?105等)、ハーキュリーズ社製の商品名「ピコライト」シリーズ(A115、S115等)等が挙げられる。
前記テルペン−芳香族化合物系樹脂としては、代表例としてテルペン−フェノール樹脂を挙げることができる。このテルペン−フェノール樹脂は、テルペン類と種々のフェノール類とを、フリーデルクラフツ型触媒を用いて反応させたり、或いはさらにホルマリンで縮合する方法で得ることができる。原料のテルペン類としては特に制限はなく、α−ピネンやリモネンなどのモノテルペン炭化水素が好ましく、α−ピネンを含むものがより好ましく、特にα−ピネンであることが好ましい。本発明においては、フェノール成分の比率の少ないテルペン−フェノール樹脂が好適である。ここで、「フェノール成分の比率が少ない」とは、樹脂全量中のフェノール成分が50質量%未満、好ましくは40質量%以下であることを指すものとする。なお、熱可塑性樹脂(B)としてテルペン−芳香族化合物系樹脂、特にテルペン−フェノール樹脂を用いれば、さらにハンドリング性能を向上させることもできる。前記テルペン−芳香族化合物系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「タマノル803L」、「タマノル901」(荒川化学工業株式会社製)、商品名「YSポリスター(登録商標)U」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)T」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)S」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)G」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)N」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)K」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)TH」シリーズ(ヤスハラケミカル株式会社製)等が挙げられる。
前記ロジン系樹脂は、マツ科の植物の樹液である松脂(松ヤニ)等のバルサム類を集めてテレピン精油を蒸留した後に残る残留物で、ロジン酸(アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸等)を主成分とする天然樹脂、及び、それらを変性、水素添加等で加工した変性樹脂、水添樹脂である。例えば、天然樹脂ロジン、その重合ロジンや部分水添ロジン;グリセリンエステルロジン、その部分水添ロジンや完全水添ロジンや重合ロジン;ペンタエリスリトールエステルロジン、その部分水添ロジンや重合ロジン等が挙げられる。天然樹脂ロジンとして、生松ヤニやトール油に含まれるガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等がある。前記ロジン系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「ネオトール105」(ハリマ化成株式会社製)、商品名「SNタック754」(サンノプコ株式会社製)、商品名「ライムレジンNo.1」、「ペンセルA」及び「ペンセルAD」(荒川化学工業株式会社製)、商品名「ポリペール」及び「ペンタリンC」(イーストマンケミカル株式会社製)、商品名「ハイロジン(登録商標)S」(大社松精油株式会社製)等が挙げられる。
前記ジシクロペンタジエン樹脂は、例えば、AlClやBF等のフリーデルクラフツ型触媒等を用い、ジシクロペンタジエンを重合して得られる樹脂を指す。前記ジシクロペンタジエン樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「クイントン1920」(日本ゼオン製)、商品名「クイントン1105」(日本ゼオン社製)、商品名「マルカレッツM−890A」(丸善石油化学製)等が挙げられる。
前記アルキルフェノール系樹脂は、例えば、アルキルフェノールとホルムアルデヒドとの触媒下における縮合反応によって得られる。該アルキルフェノール系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「ヒタノール1502P」(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、日立化成株式会社製)、商品名「タッキロール201」(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業株式会社製)、商品名「タッキロール250−I」(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業株式会社製)、商品名「タッキロール250−III」(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業株式会社製)、商品名「R7521P」、「SP1068」、「R7510PJ」、「R7572P」及び「R7578P」(SI GROUP INC.製)等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂(B)の含有量は、前記ゴム成分(A)100質量部に対して、5〜50質量部であり、好ましくは10〜30質量部である。熱可塑性樹脂(B)の配合量をゴム成分(A)100質量部に対して5〜50質量部とすることで、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能を向上させることができる。なお、熱可塑性樹脂(B)の配合量が5質量部未満であると、湿潤路面でのグリップ性能が充分に発揮されにくく、一方、50質量部を超えると、耐摩耗性や破壊特性が低下するおそれがある。
前記トレッド用ゴム組成物は、シリカを含有する充填剤(C)を含む。該充填剤(C)の含有量は、前記ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜120質量部であり、好ましくは50〜100質量部である。充填剤(C)の配合量をゴム成分(A)100質量部に対して20〜120質量部とすることで、ゴム成分(A)の柔軟性等の特性を損ねることなく、その補強効果を発揮させることができる。
また、前記充填剤(C)中のシリカの含有量は、50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは90〜100質量%である。即ち、前記トレッド用ゴム組成物は、ゴム成分(A)100質量部に対して、シリカが10〜120質量部含まれることが好ましく、45〜100質量部含まれることがより好ましい。充填剤(C)中のシリカの含有量を50〜100質量%とすることで、タイヤの転がり抵抗を低減しつつ、湿潤路面でのグリップ性能を向上させることができる。また、充填剤(C)中のシリカの含有量を90〜100質量%とすることで、タイヤの転がり抵抗をより一層低減しつつ、湿潤路面でのグリップ性能をより一層向上させることができる。
前記トレッド用ゴム組成物におけるシリカの配合効果は、天然ゴム(NR)と熱可塑性樹脂(B)とが良好に分散した状態で、その柔軟性を損ねることなく、充分な補強性と低発熱性とを付与することができることである。そのため、前記トレッド用ゴム組成物は、その柔軟性により、湿潤路面への追従性が高く、湿潤路面でのグリップ性能を向上させることができる。
前記シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも、湿式シリカを好適に使用できる。該湿式シリカのBET比表面積は、40〜350m2/gであるのが好ましく、150〜300 m2/gであるのがより好ましく、200〜250 m2/gであるのがさらに好ましい。BET比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。このようなシリカとしては、東ソー・シリカ工業株式会社製、商品名「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」、エボニック社製、商品名「ウルトラジルVN3」等の市販品を用いることができる。該シリカは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記充填剤(C)としては、上述のシリカの他に、カーボンブラック、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム等を適宜配合することができる。
前記トレッド用ゴム組成物は、配合するシリカによる転がり抵抗の低減効果をさらに向上させることを目的として、シランカップリング剤をさらに含むことができる。
ここで、前記シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記シランカップリング剤の配合量は、シランカップリング剤の種類等により異なるが、シリカ100質量部に対して、好ましくは2〜25質量部の範囲で選定される。シランカップリング剤の配合量が、シリカ100質量部に対して2質量部未満では、カップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、また、25質量部を超えると、ゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがある。カップリング剤としての効果及びゲル化防止などの点から、シランカップリング剤のより好ましい配合量は、シリカ100質量部に対して、2〜20質量部の範囲であり、さらに好ましい配合量は5〜18質量部の範囲であり、特に好ましい配合量は5〜15質量部の範囲である。
前記トレッド用ゴム組成物は、さらに、軟化剤(D)を含むことができる。ここで、軟化剤(D)としては、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤や、パーム油、ひまし油、綿実油、大豆油等の植物系軟化剤が挙げられる。軟化剤(D)を配合する場合には、軟化剤(D)としては、取り扱い容易性の観点から、上述した中でも、25℃等の常温で液体であるもの、例えば、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤を配合することが好ましく、また、植物系軟化剤を配合しないことが好ましい。そして、軟化剤(D)を配合する場合には、当該ゴム組成物は、軟化剤(D)を、ゴム成分(A)100質量部に対して、10質量部以下で配合してなるのが好ましく、5質量部以下で配合してなるのがより好ましい。軟化剤(D)の配合量がゴム成分(A)100質量部に対して10質量部以下であることにより、湿潤路面におけるグリップ性能を更に向上させることができる。
前記トレッド用ゴム組成物は、上記ゴム成分(A)、熱可塑性樹脂(B)、充填剤(C)、軟化剤(D)の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して、通常の配合量の範囲内で配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。なお、前記ゴム組成物は、NRを含むゴム成分(A)に、熱可塑性樹脂(B)と、シリカを含む充填剤(C)と、必要に応じ適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
前記トレッドゴムは、特に限定されるものではないが、0℃における歪4%での動的貯蔵弾性率(E’)が6.5〜12.0MPaの範囲が好ましく、8.8〜11.6MPaの範囲が更に好ましい。また、前記トレッドゴムは、特に限定されるものではないが、30℃における歪4%での動的貯蔵弾性率(E’)が3.2〜5.8MPaの範囲が好ましく、4.0〜5.5MPaの範囲が更に好ましい。また、前記トレッドゴムは、特に限定されるものではないが、60℃における歪1%での損失正接(tanδ)が0.13〜0.14の範囲が好ましい。トレッドゴムの動的貯蔵弾性率(E’)及び損失正接(tanδ)がこれらの範囲であれば、タイヤの乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能を更に向上させつつ、転がり抵抗を更に低減できる。なお、トレッドゴムの動的貯蔵弾性率(E’)及び損失正接(tanδ)は、適用するゴム組成物のゴム成分の種類やブレンド比、配合剤の種類及び量を調整することで、適宜変化させることができる。
前記トレッド用ゴム組成物を、前記トレッドゴムに用いる方法については、公知の方法を採用することができる。例えば、上述のゴム組成物をトレッドゴムに用いて生タイヤを成形し、常法に従って生タイヤを加硫することで製造できる。
(ベルトコーティングゴム)
本発明のタイヤでは、前記ベルト層6a、6bは、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムの、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする。
前記M50は、加硫ゴムの低歪域での弾性に関連するパラメータである。そのため、M50については、タイヤのベルト部の変形を抑制するため、例えば、後述するベルトコーティングゴム中のカーボンブラックの種類や含有量を調整しつつ、後述するベルトコーティングゴム中のフェノール樹脂やメチレン供与体を含有させることによって、できるだけ高い値にする必要がある。一方、前記M200は、加硫ゴムの高歪域での弾性に関連するパラメータである。そのため、M200については、亀裂進展を抑える観点からは、亀裂先端の応力の集中を緩和させるべく、例えば、後述するカーボンブラックの種類や含有量を調整すること等によって、低い値にする必要がある。
そして、ベルトコーティングゴムにおける、前記M50の大きさに対する前記M200の大きさの比を、5.0以下(M200/M50≦5.0)に設定することによって、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上を実現できる。また、同様の観点から、前記ベルトコーティングゴムのM200/M50は、4.8以下であることが好ましく、4.5以下であることがより好ましい。
なお、前記50%モジュラスとは、加硫ゴムの伸び50%時の引張応力(MPa)のことであり、前記200%モジュラスとは、加硫ゴムの伸び200%時の引張応力(MPa)のことである。これらの値については、JIS K 6251(2010年)に準拠して測定することができる。
さらに、前記ベルトコーティングゴムのM50及び前記M200の具体的な数値範囲については、特に限定はされないが、より高いレベルで転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性を実現する観点からは、M50が1.6MPa以上、M200が10.5MPa以下であることが好ましく、M50が1.8MPa以上、M200が9.0MPa以下であることがより好ましい。
また、前記ベルトコーティングゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が、12MPaを超え且つ30MPa未満であることが好ましい。乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能をより高め、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上を、より高いレベルで両立できるためである。
前記ベルトコーティングゴムの、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)を、12MPa超えとすることで、ベルトコーティングゴムの強度を高め、ベルトの耐久性をより向上できるとともに、トレッドゴムへの入力が向上するため、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能についてもより高めることができる。一方、前記ベルトコーティングゴムの、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)を、30MPa未満とすることで、転がり抵抗の増加を抑えることができる。
ここで、前記ベルトコーティングゴムについては、ベルトコーティング用のゴム組成物(以下、「ベルトコーティング用ゴム組成物」と称することがある。)からなる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物については、上述したM200/M50≦5.0の関係を満たすことができれば、その他の条件については特に限定はされない。
例えば、より高いレベルで転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性を実現する観点からは、前記ベルトコーティング用ゴム組成物として、ゴム成分と、カーボンブラックと、フェノール樹脂と、メチレン供与体を含むものを用いることができる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物に含まれるゴム成分については、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜変更することができる。
例えば、優れた耐亀裂進展性や耐摩耗性を得ることができる観点からは、天然ゴム若しくはジエン系合成ゴムを単独で、又は、天然ゴム及びジエン系合成ゴムを併用した形で、含有することができる。
また、前記ゴム成分は、前記ジエン系ゴム100%から構成することもできるが、本発明の目的を損なわない範囲であれば、ジエン系以外のゴムを含有することもできる。なお、優れた耐亀裂進展性を得ることができる観点から、前記ゴム成分におけるジエン系ゴムの含有量は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
ここで、前記ジエン系合成ゴムとしては、ポリブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。
また、非ジエン系ゴムについては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。
なお、これらの合成ゴムについては、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。また、これらのゴムは変性基で変性されたものでもよい。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物に含まれるカーボンブラックについては、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜変更することができる。
例えば、より優れた耐久性が得られる観点からは、前記カーボンブラックとして、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が50〜100cm3/100gのもの用いることが好ましい。
DBP吸収量が50〜100cm3/100gであり、ストラクチャの低いカーボンブラックを用いることで、ベルトコーティングゴムの補強性と適度な柔軟性を両立することができ、優れた耐亀裂進展性等のベルト耐久性を得ることができる。前記DBP吸収量が100cm3/100gを超えると、前記ストラクチャが高くなるため、ベルトコーティングゴムの補強性が高くなり過ぎ、柔軟性が低下するため十分な耐久性を得ることができない。前記カーボンブラックのDBP吸収量は、90cm3/100g以下であることが好ましく、80cm3/100g以下であることがより好ましい。
なお、カーボンブラックのストラクチャとは、球状のカーボンブラック粒子がそれぞれ融着し、繋がった結果、形成された構造体(カーボンブラック粒子の凝集体)の大きさのことである。
また、前記カーボンブラックのDBP吸収量については、カーボンブラック100gが吸収するDBP(ジブチルフタレート)の量のことであり、JIS K 6217-4(2008年)に準拠して測定することができる。
また、前記カーボンブラックについては、窒素吸着比表面積(N2SA)が70〜90m2/gであることが好ましく、75〜85m2/gであることがより好ましい。カーボンブラックのストラクチャについてさらに適正化を図ることができるため、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性について、さらなる改善が可能となる。
なお、前記窒素吸着比表面積は、ISO4652-1に準拠して単点法にて測定することができ、例えば脱気したカーボンブラックを液体窒素に浸漬させた後、平衡時においてカーボンブラック表面に吸着した窒素量を測定し、測定値から比表面積(m2/g)を算出できる。
さらに、前記カーボンブラックの種類については、上述したDBP吸収量を有すること以外は、特に限定はされない。例えば、オイルファーネス法により製造された任意のハードカーボンを用いることができる。これらの中でも、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性をより高いレベルで両立する観点からは、HAFグレードのカーボンブラックを用いることが好ましい。
また、前記カーボンブラックの含有量については、前記ゴム成分100質量部に対して、35〜45質量部であることが好ましい。前記カーボンブラックの含有量を、前記ゴム成分100質量部に対して、35質量部以上とすることで、より高い補強性及び耐亀裂進展性を得ることができ、45質量部以下とすることで、転がり抵抗のさらなる改善を図ることができる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物に含まれるフェノール樹脂についても、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜変更することができる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物が、フェノール樹脂を、後述するメチレン供与体とともに含むことによって、ベルトコーティングゴムの前記50%モジュラス値(M50)を向上させ、優れた低ロス性を維持しつつ、ベルトコーティングゴムの補強性を向上し、優れたベルトの耐久性を実現できる。
ここで、前記フェノール樹脂については、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜選択することができる。例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、tert−ブチルフェノール等のフェノール類またはこれらの混合物とホルムアルデヒドとを、塩酸、蓚酸等の酸触媒の存在下において縮合反応させることによって製造したものが挙げられる。
れる。また、前記フェノール樹脂については、変性したものを用いることができ、例えば、ロジン油、トール油、カシュー油、リノール酸、オレイン酸、リノレイン酸等の油によって変性することができる。
なお、上述したフェノール樹脂については、一種を単独して含むこともできるし、複数種を混合して含むこともできる。
また、前記ベルトコーティング用ゴム組成物における前記フェノール樹脂の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜10質量部であることが好ましく、3〜7質量部であることがより好ましい。前記フェノール樹脂の含有量を、ゴム成分100質量部に対して、2質量部以上とすることで、ベルトの耐久性をさらに改善でき、10質量部以下とすることで、転がり抵抗の悪化を抑制できる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物に含まれるメチレン供与についても、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜変更することができる。
前記メラミン供与体を、前記フェノール樹脂の硬化剤として含むことによって、ベルトコーティングゴムの前記50%モジュラス値(M50)を向上させ、転がり抵抗低減効果を維持しつつ、ゴム組成物の補強性を向上させることができる。
ここで、前記メチレン供与体については、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜選択することができる。例えば、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ペンタメトキシメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサキス−(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”−トリメチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’−(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”−トリブチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。これらのメチレン供与体の中でも、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン及びパラホルムアルデヒドからなる群より選択される、少なくとも一種であることが好ましい。
なお、これらのメチレン供与体は、単独で用いても良いし、組み合わせて使用することもできる。
また、前記ベルトコーティング用ゴム組成物における、前記メチレン供与体の含有量に対する前記フェノール樹脂の含有量の割合は、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性をより高いレベルで両立させる観点から、0.6〜7であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。前記メチレン供与体の含有量に対する前記フェノール樹脂の含有量の割合が0.6以下の場合には、M50が十分に向上せず、耐亀裂進展性等の耐久性の改善が不十分となるおそれがあり、一方、前記割合が7を超える場合には、転がり抵抗が悪化するおそれがある。
なお、前記ベルトコーティング用ゴム組成物は、上述したゴム成分、カーボンブラック、フェノール樹脂及びメチレン供与体の他にも、その他の成分を、発明の効果を損なわない程度に含むことができる。
その他の成分としては、例えば、前記カーボンブラック以外の充填材、老化防止剤、架橋促進剤、架橋剤、架橋促進助剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、界面活性剤等のゴム工業で通常使用されている添加剤を適宜含むことができる。
前記充填材としては、例えば、シリカ、その他の無機充填材等が挙げられる。
その中でも、前記充填材として、シリカを含むことが好ましい。転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性をより高いレベルで両立できるためである。
前記シリカとしては、例えば、湿式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
上述した中でも、前記シリカは、湿式シリカであることが好ましく、沈降シリカであることがより好ましい。これらのシリカは、分散性が高く、ゴム組成物の低ロス性及び耐摩耗性をより向上できるためである。なお、沈降シリカとは、製造初期に、反応溶液を比較的高温、中性〜アルカリ性のpH領域で反応を進めてシリカ一次粒子を成長させ、その後酸性側へ制御することで、一次粒子を凝集させる結果得られるシリカのことである。
前記シリカの含有量については、特に限定はされないが、優れた転がり抵抗の低減効果を実現する観点からは、前記ゴム成分100質量部に対して、1〜15質量部であることが好ましく、3〜10質量部であることがより好ましい。
なお、前記無機充填材としては、例えば下記式(I)で表される無機化合物を用いることも可能である。
nM・xSiO・zHO・・・ (I)
(式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、並びに、これらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。)
上記式(I)の無機化合物としては、γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al2O3);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al2O3・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO33]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO32]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を挙げることができる。
前記老化防止剤としては、公知のものを用いることができ、特に制限されない。例えば、フェノール系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤等を挙げることができる。これら老化防止剤は、1種又は2種以上を併用することができる。
前記架橋促進剤としては、公知のものを用いることができ、特に制限されるものではない。例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤;ジアルキルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
前記架橋剤についても、特に制限はされない。例えば、硫黄、ビスマレイミド化合物等が挙げられる。
前記ビスマレイミド化合物の種類については、例えば、N,N’−o−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、2,2−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンなどを例示することができる。本発明では、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド及びN,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド等を好適に用いることができる。
前記架橋促進助剤については、例えば、亜鉛華(ZnO)や脂肪酸等が挙げられる。脂肪酸としては、飽和若しくは不飽和、直鎖状若しくは分岐状のいずれの脂肪酸であってもよく、脂肪酸の炭素数も特に制限されないが、例えば炭素数1〜30、好ましくは15〜30の脂肪酸、より具体的にはシクロヘキサン酸(シクロヘキサンカルボン酸)、側鎖を有するアルキルシクロペンタン等のナフテン酸;ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸(ネオデカン酸等の分岐状カルボン酸を含む)、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)等の飽和脂肪酸;メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸;ロジン、トール油酸、アビエチン酸等の樹脂酸などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明においては、亜鉛華及びステアリン酸を好適に用いることができる。
また、前記充填材としてシリカを含有する場合には、シランカップリング剤をさらに含有することが好ましい。シリカによる補強性及び低発熱性の効果をさらに向上させることができるからである。なお、シランカップリング剤は、公知のものを適宜使用することができる。好ましいシランカップリング剤の含有量については、シランカップリング剤の種類などにより異なるが、シリカに対して、好ましくは2〜25質量%の範囲であることが好ましく、2〜20質量%の範囲であることがより好ましく、5〜18質量%であることが特に好ましい。含有量が2質量%未満ではカップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、また、25質量%を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがある。
なお、前記ベルトコーティングゴム用ゴム組成物を製造する方法については、特に限定はされず、ゴム組成物を構成する各成分(ゴム成分、カーボンブラック、フェノール樹脂、メチレン供与体及びその他の成分)を、配合し、混練することによって得ることができる。
また、前記ベルトコーティングゴム用ゴム組成物の製造では、前記各成分の混練が、同時に混練することもできるし、いずれかの成分を予め混練した上で、残りの成分を混練することも可能である。これらの条件については、ゴム組成物が要求される性能に応じて適宜変更することができる。
例えば、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性をより高いレベルで両立する観点からは、前記フェノール樹脂との混練に先立って、前記ゴム成分と前記カーボンブラックを配合し、混練することが好ましい。前記フェノール樹脂は、前記カーボンブラックとの相互作用が強いため、同時投入すると、前記ゴム成分と前記カーボンブラックとの反応が低下するおそれがある。そのため、前記フェノール樹脂との混練に先立って、前記ゴム成分と前記カーボンブラックを配合し、混練することで、前記カーボンブラックの分散性及び補強性が向上し、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性をより高いレベルでの両立が可能となる。
なお、本発明のタイヤは、上述したトレッドゴム及びベルトコーティングゴムを用いること以外は、特に限定はされない。
また、本発明のタイヤは、適用するタイヤの種類に応じ、未加硫のゴム組成物を用いて成形後に加硫してもよく、予備加硫工程等を経た半加硫ゴムを用いて成形後、さらに本加硫して製造してもよい。
さらに、本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましく、該空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(トレッド用ゴム組成物の調製)
表1に示す条件で、トレッド用ゴム組成物A及びBを調製した。なお、各成分の配合量については、ゴム成分100質量部に対する量(質量部)で示している。
Figure 2019142472
*11:RSS#3
*12:変性剤としてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを使用して製造した変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、Tg=−62℃、合成方法の詳細は以下の通りである。
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液およびスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン67.5gおよびスチレン7.5gになるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn−ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを得た。
*13:N330、Cabot社製 「Vulcan3」
*14:東ソー・シリカ工業(株)製 「ニプシルAQ」、BET比表面積=205m2/g
*15:C−C系樹脂、東燃化学社製 「T−REZ RD104」
*16:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製「ノクラック 6C」
(ベルトコーティングゴム用ゴム組成物の調製)
表2に示す条件で、ベルトコーティングゴム用ゴム組成物1〜9を調製した。なお、各成分の配合量については、ゴム成分100質量部に対する量(質量部)で示している。
また、表2中の、M50、M200及びE’については、ベルトコーティングゴム用ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた、加硫ゴムについて測定を行った。M50及びM200については、JIS K 6251(2010年)に準拠して測定を行い、E’については、(株)上島製作所製スペクトロメータ−を用いて、初期荷重160mg、周波数52Hzの条件で測定を行った。
Figure 2019142472
*21:RSS#3
*22:HAF級カーボンブラック、旭カーボン(株)製 「旭#70L」、DBP吸収量:75cm3/100g、窒素吸着比表面積:81m2/g
*23:GPF級カーボンブラック、旭カーボン(株)製 「旭NPG」、DBP吸収量:89cm3/100g、窒素吸着比表面積:28m2/g
*24:住友ベークライト(株)製 「スミライトレジンPR-50235」
*25:ヘキサメトキシメチルメラミン、ALLNEX製「CYREZ 964」
<サンプル1〜18>
表3に示す、トレッドゴム用ゴム組成物とベルトコーティングゴム用ゴム組成物の組み合わせで、各サンプルの空気入りタイヤ(サイズ:195/60R15)を作製する。なお、各サンプルの空気入りタイヤについては、トレッドゴム及びベルトコーティングゴム以外の製造条件については、全て同じ条件である。
<評価>
(1)転がり抵抗
各サンプルのタイヤを、回転ドラムにより80km/hrの速度で回転させ、荷重を4.82kNとして、測定器によって、転がり抵抗係数を測定する。
評価については、比較例1のタイヤの転がり抵抗係数を100としたときの指数で表示し、指数値が小さい程、転がり抵抗が低く良好な結果である。
(2)耐久性(耐亀裂進展性)
各サンプルのタイヤのベルトコーティングゴムから、2mm×50mm×6mmの試験片を切り出し、その中心部に微小な穴を空けて初期亀裂とする。その後、試験片に対して、2.0MPa、周波数は6Hz、雰囲気温度80℃の条件で、長辺方向に繰り返し応力を加える。そして、試験片ごとに、繰り返し応力を加えてから、試験片が破断するまでの繰り返し回数を測定した後、その繰り返し回数の常用対数を算出する。なお、破断までの測定試験は、試験片ごとに4度実施して常用対数を算出し、それらの平均を平均常用対数とする。
評価については、比較例1の試験片の平均常用対数を100とした場合の指数として示し、試験片の平均常用対数が大きい程、耐亀裂成長性に優れる。評価結果を表3に示す。
(3)グリップ性能
各サンプルのタイヤを、試験車に装着し、乾燥路面及び湿潤路面での実車試験にて、グリップ性能をドライバーのフィーリング評点で表し、比較例1のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示する。指数値が大きい程、グリップ性能が高い。
Figure 2019142472

表3の結果から、本発明例に該当するサンプル17及び18については、各比較例のサンプルに比べて、転がり抵抗、ベルト耐久性及びグリップ性能の、いずれについてもバランスよく高い効果を示す。
なお、比較例の各サンプルは、少なくとも1つの評価項目で、平均よりも劣る値を示す。
本発明によれば、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能に優れ、さらに、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上が可能となった、タイヤを提供できる。
1:ビード部
2:サイドウォール部
3:トレッド部
4:ビードコア
5:ラジアルカーカス
6:ベルト
6a、6b:ベルト層

Claims (3)

  1. トレッド部に配置した一枚以上のベルト層からなるベルト、を備えたタイヤであって、
    前記トレッド部を構成するトレッドゴムが、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分、該ゴム成分100質量部に対して、C系樹脂、C−C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤を20〜120質量部、含むゴム組成物からなり、
    前記ベルト層は、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムは、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする、タイヤ。
  2. 前記ベルトコーティングゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が、12MPaを超え且つ30MPa未満であることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記ベルトコーティングゴムは、ゴム成分と、DBP吸収量が50〜100 cm3/100gであるカーボンブラックと、フェノール樹脂と、メチレン供与体とを含むゴム組成物からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ。
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