JP2009256516A - クリンチ用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐久性(ゴム強度)と優れた粘弾性特性とが両立されたクリンチゴムを得ることができるクリンチ用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに、当該ゴム組成物からなるクリンチゴムを備える空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム成分100質量部と、充填材30〜100質量部と、パラ系アラミド繊維とステアリン酸とからなるマスターバッチ3〜35質量部と、を含むクリンチ用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに、当該ゴム組成物からなるクリンチゴムを備える空気入りタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤのクリンチ用ゴム組成物およびその製造方法に関する。また、本発明は、当該ゴム組成物からなるクリンチを備える空気入りタイヤに関する。
タイヤのクリンチゴムは、タイヤのサイドウォールからビード部にかけてリムに接する領域に配置され、タイヤをリムに装着したとき、リムとのチェーフィング部分に位置するゴム部材である。クリンチゴムは、タイヤが走行する際にリムから駆動力を伝達する機能、およびタイヤの荷重を保持する機能を有するため、高い耐久性(ゴム強度)が要求される。また、近年の環境問題や低燃費化志向を背景に、タイヤの転がり抵抗の低減が求められており、これに伴い、クリンチゴムには、より優れた粘弾性特性(より低い損失正接(tanδ))が要求されるようになっている。
従来、クリンチゴムに配合する充填材としてシリカを用いたり、あるいは充填材として配合されるカーボンブラックを減量することなどにより、クリンチゴムの粘弾性特性を改善し得ることが知られているが、このような方法によると、クリンチゴムの耐久性が低下するという問題があった。
ここで特許文献1には、天然ゴムラテックス100重量部およびアラミド短繊維20〜50重量部からなるマスターバッチを使用したゴム組成物が開示されており、かかるゴム組成物を、たとえばビードエイペックス、サイドウォールまたはアンダートレッドに使用することにより、ゴムの高剛性化やタイヤ重量の低減が実現され得ることが述べられている。しかし、かかるゴム組成物をクリンチゴムに用いた場合であっても、クリンチゴムの優れた耐久性(ゴム強度)と優れた粘弾性特性とを両立させることは困難であった。
特許文献2には、ビード補強ゴム層に短繊維補強ゴム材を使用した空気入りタイヤが開示されており、当該文献に記載の発明によれば、タイヤの転がり抵抗を低減し得ることが記載されている。しかしながら、優れた耐久性(ゴム強度)と優れた粘弾性特性とが両立されたクリンチゴムに関する記載はない。
特開2001−164052号公報 特開2001−138720号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、優れた耐久性(ゴム強度)と優れた粘弾性特性とが両立されたクリンチゴムを得ることができるクリンチ用ゴム組成物、および、当該ゴム組成物からなるクリンチゴムを備える空気入りタイヤを提供することである。
本発明のクリンチ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分100質量部と、充填材30〜100質量部と、パラ系アラミド繊維とステアリン酸とからなるマスターバッチ3〜35質量部と、を含むクリンチ用ゴム組成物である。充填材としては、たとえばカーボンブラック、シリカなどを好適に用いることができる。
また、本発明のクリンチ用ゴム組成物を加硫することにより得られるゴムの60℃、動歪2%における損失正接tanδは0.15以下であることが好ましく、また、25℃における硬度は60〜80であることが好ましい。
さらに、本発明は、上記ゴム組成物からなるクリンチゴムを備える空気入りタイヤを提供する。また、本発明は、パラ系アラミド繊維とステアリン酸とを混合して、パラ系アラミド繊維とステアリン酸とからなるマスターバッチを調製する工程と、ジエン系ゴム成分100質量部と、充填材30〜100質量部と、該マスターバッチ3〜35質量部とを混合する工程と、を含むクリンチ用ゴム組成物の製造方法を提供する。
本発明によれば、優れた耐久性(ゴム強度)と優れた粘弾性特性とを有し、これら特性のバランスに優れたクリンチ用ゴム組成物、および、当該ゴム組成物からなるクリンチゴムを備える空気入りタイヤが提供される。
本発明のクリンチ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分100質量部と、充填材30〜100質量部と、パラ系アラミド繊維とステアリン酸とからなるマスターバッチ3〜35質量部とを含む。
<ジエン系ゴム成分>
ジエン系ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などの天然系ゴム成分;スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレン共重合体ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などのジエン系合成ゴムを挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
天然ゴムとしては、ゴム工業において従来用いられているものを使用することができ、たとえば、RSS#3、TSR20などのグレードの天然ゴムを挙げることができる。
本発明においては、上記ジエン系ゴム成分でも、優れた粘弾性特性(低tanδ)を示すクリンチゴムが得られることから、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)などが好ましく用いられる。
<充填材>
本発明で用いられる充填材は、従来公知のものであってよく、たとえば、カーボンブラック、シリカ、クレーなどを挙げることができる。充填材は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明において、充填材は、上記ジエン系ゴム成分100質量部に対して、30〜100質量部、好ましくは、40〜90質量部配合される。充填材の含有量が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して30質量部未満では、クリンチゴムとして十分な強度が得られない傾向にあり、特に十分な引張強度が得られない傾向にある。また、充填材の含有量がジエン系ゴム成分100質量部に対して100質量部を超えると、加工性が低下する傾向にある。
充填材としてカーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックの種類は特に制限されず、たとえば、HAF、ISAF、SAFなどを用いることができる。カーボンブラックのBET比表面積は、60m2/g以上が好ましく、70m2/g以上がより好ましい。カーボンブラックのBET比表面積が60m2/g未満では、ゴムの補強性が低くなる傾向にある。また、カーボンブラックのBET比表面積は、200m2/g以下が好ましく、180m2/g以下がより好ましい。カーボンブラックのBET比表面積が200m2/gを超える場合、tanδ値が高くなり、低燃費化に悪影響を及ぼす傾向にある。
また、充填材としてシリカを用いる場合、当該シリカは、湿式法により調製されたものであってもよく、乾式法により調製されたものであってもよい。シリカのBET比表面積は、90m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。シリカのBET比表面積が90m2/g未満では、クリンチゴムとして十分な強度が得られない傾向にある。また、シリカのBET比表面積は、300m2/g以下が好ましく、260m2/g以下がより好ましい。シリカのBET比表面積が300m2/gを超えると、ゴムの加工性が低下する傾向にある。
本発明のクリンチ用ゴム組成物にシリカを配合する場合、シリカとともに、シランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤としては、従来公知のシランカップリング剤を用いることができ、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系;などを挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して2質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましい。含有量が2質量部未満では、十分なゴム強度向上効果が得られない傾向にある。また、シランカップリング剤の含有量は、ゴム強度向上の観点から、シリカ100質量部に対して20質量部以下が好ましく、17質量部以下がより好ましい。
<パラ系アラミド繊維とステアリン酸とからなるマスターバッチ>
本発明のクリンチ用ゴム組成物は、パラ系アラミド繊維とステアリン酸とからなるマスターバッチを含有する。マスターバッチを使用しない場合には、パラ系アラミド繊維のゴム組成物中への分散性が低下する結果、得られるゴムの強度などが低下し、目的の性能が得られなくなる。パラ系アラミド繊維およびステアリン酸の双方を含有するマスターバッチの配合により、パラ系アラミド繊維の分散状態が良好となる結果、耐久性(ゴム強度)と粘弾性特性とのバランスに優れたクリンチ用ゴム組成物を得ることができる。また、ステアリン酸を含むマスターバッチの使用により、ゴム組成物の加工性を向上させることもできる。ここで、パラ系アラミド繊維とは、芳香族ポリアミド繊維のことである。パラ系のアラミド繊維を含有するマスターバッチを用いると、メタ系などと比較して強度の高いクリンチゴムを得ることができる。
パラ系アラミド繊維としては、特に限定されないが、たとえば、ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA)などを用いることができる。
上記マスターバッチの含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して3〜35質量部とされ、好ましくは、3.5〜10質量部である。マスターバッチの含有量が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して3質量部未満であると、得られるゴムの粘弾性特性が低下するとともに、ゴム強度も低下する傾向にある。また、マスターバッチの含有量が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して35質量部を超えると、ゴム強度、特には、引張強度が低下する。
マスターバッチ中におけるステアリン酸の含有量は、パラ系アラミド繊維100質量部に対して50〜300質量部であることが好ましく、60〜200質量部であることがより好ましい。ステアリン酸の含有量が、パラ系アラミド繊維100質量部に対して50質量部未満であると、加工性が悪化したり、あるいはパラ系アラミド繊維の分散性が悪化する傾向にあり、また、パラ系アラミド繊維100質量部に対して300質量部を超えると、ゴム強度が低下する傾向にある。
パラ系アラミド繊維およびステアリン酸からなるマスターバッチは、ステアリン酸中にパラ系アラミド繊維を投入し、攪拌させて分散させた後、水分を除去することにより製造することができる。また、市販のマスターバッチを用いてもよい。
<その他の配合剤>
本発明のクリンチ用ゴム組成物には、上記した成分以外にも、従来ゴム工業で使用される他の添加剤、たとえば加硫剤、ステアリン酸、加硫促進剤、酸化亜鉛、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤などを含有してもよい。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用することが可能であり、有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。これらの加硫剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物などを使用することができる。チアゾール系としては、たとえばMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール系化合物などを使用することができる。チウラム系としては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラム系化合物を使用することができる。チオウレア系としては、たとえばチアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などを使用することができる。グアニジン系としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン系化合物を使用することができる。ジチオカルバミン酸系としては、たとえばエチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(またはオクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウムなどのジチオカルバミン酸系化合物などを使用することができる。アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、たとえばアセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物などのアルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系化合物などを使用することができる。イミダゾリン系としては、たとえば2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系化合物などを使用することができる。キサンテート系としては、たとえばジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサンテート系化合物などを使用することができる。これらの加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系、カルバミン酸金属塩などを適宜選択して使用することができる。
上記本発明のクリンチ用ゴム組成物に加硫剤、および必要に応じて添加される加硫促進剤、酸化亜鉛等の加硫促進助剤を添加し、加硫してなるゴムの温度60℃、動歪2%の条件下における損失正接(tanδ)は、0.15以下であることが好ましい。損失正接(tanδ)が0.15を超えると、ゴムの粘弾性特性が十分でなく、良好な転がり抵抗性能が得られない傾向にある。また、上記加硫ゴムの25℃における硬度は、60〜80であることが好ましい。当該ゴム硬度が60未満であると、ゴム強度が十分でなく、良好なリムチェーフィング性能が得られない傾向にあり、ゴム硬度が80を超えると、良好な破断時伸び値(EB値)が得られず、やはりゴム強度が十分でない傾向にある。なお、加硫ゴムの25℃における硬度は、JIS−K6253の「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に準じて、スプリング式タイプAにて測定される。
本発明の空気入りタイヤは、上記本発明のクリンチ用ゴム組成物からなるクリンチゴムを備える空気入りタイヤである。以下、図1を参照して本発明の空気入りタイヤを説明する。図1は、本発明に係る空気入りタイヤを例示したものである。空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4とを備える。またビード部4、4間にはカーカス6が架け渡されるとともに、このカーカス6の外側かつトレッド部2内にはタガ効果を有してトレッド部2を補強するベルト層7が配される。
上記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道COに対して、たとえば70〜90°の角度で配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、上記トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返されて係止される。
上記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道COに対して、たとえば40°以下の角度で配列した2枚以上のベルトプライからなり、各ベルトコードがプライ間で交差するよう向きを違えて重置している。なお、必要に応じてベルト層7の両端部のリフティングを防止するためのバンド層(図示しない)を、ベルト層7の少なくとも外側に設けても良く、このときバンド層は、低モジュラスの有機繊維コードを、タイヤ赤道COとほぼ平行に螺旋巻きした連続プライで形成する。
またビード部4には、上記ビードコア5から半径方向外方に延びるビードエイペックスゴム8が配されるとともに、カーカス6の内側には、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴム9が隣設され、カーカス6の外側は、クリンチゴム4Gおよびサイドウォールゴム3Gで保護される。本発明のクリンチ用ゴム組成物は、上記クリンチゴム4Gに使用されるものである。
本発明の空気入りタイヤは、上記本発明のクリンチ用ゴム組成物を用いて、従来公知の方法により製造される。すなわち、上記した必須成分、および必要に応じて配合されるその他の添加剤を含有するクリンチ用ゴム組成物を混練りし、未加硫の段階でタイヤのクリンチの形状に合わせて押出し加工し、タイヤの他の部材とともに、タイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明のタイヤを得ることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜3および比較例1〜2>
表1に示す配合処方に従い、神戸製鋼所(株)製1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤を除く配合成分を混練りした。ついで、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を表1に示す配合量で加えた後、二軸ローラーを用いて練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。次に、当該未加硫ゴム組成物を175℃で、10分間加硫することにより、実施例1〜3および比較例1〜2の加硫ゴムを作製した。
Figure 2009256516
実施例および比較例で使用した各種配合成分の詳細は以下のとおりである。
(1)天然ゴム(NR):TSR20
(2)ブタジエンゴム(BR):宇部興産製「BR150B」
(3)カーボンブラック:三菱化学社製「N330」
(4)プロセスオイル:出光興産製「ダイアナプロセス PS32」
(5)ワックス:大内新興化学工業(株)製「サンノックワックス」
(6)老化防止剤:フレキシス製「サントフレックス 13」
(7)ステアリン酸:日本油脂(株)製「桐」
(8)亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「酸化亜鉛 1号」
(9)パラ系アラミド繊維およびステアリン酸からなるマスターバッチ:帝人製「サルフロン 3001」(パラ系アラミド繊維の繊維長および直径はそれぞれ、約6mm、約14μmである。また、当該マスターバッチ中におけるステアリン酸/パラ系アラミド繊維(質量比)=1.25である。)
(10)硫黄:軽井沢精錬所製の硫黄
(11)加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーNS」
実施例1〜3および比較例1〜2の加硫ゴムについて、下記に示す試験を実施した。結果を表1に示す。
(ゴム強度試験)
加硫ゴムサンプルから3号ダンベル型試験片を作製し、JIS−K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を実施し、試験片の破断時のモジュラス(TB、単位MPa)および破断時の伸び(EB、単位%)をそれぞれ測定した。表1には、ゴム強度の指標としてTB×EBの値を示している。TB×EB値が大きいほど、ゴム強度が高く、リムチェーフィング性能が良好である。
(粘弾性試験)
粘弾性スペクトロメーターVES−F−3((株)岩本製作所製)を用いて、周波数10Hz、温度60℃、初期歪10%、動歪2%の条件下で、各加硫ゴムシートの損失正接(tanδ)を測定した。tanδ値が小さいほど、タイヤの転がり抵抗に有利となる。
(硬度)
JIS−K6253の「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に準じて、スプリング式タイプAにて、25℃における硬度を測定した。
表1に示されるように、パラ系アラミド繊維およびステアリン酸からなるマスターバッチを3質量部以上35質量部以下の範囲で配合した実施例1〜3では、マスターバッチが配合されていない比較例1に比べて、ゴム強度(TB×EB値)が向上し、かつ、tanδ値が低減されており、ゴム強度と粘弾性特性とのバランスに優れていることがわかる。一方、マスターバッチを40質量部含有させると(比較例2)、tanδ値は大幅に低下するものの、ゴム強度(TB×EB値)が低下してしまい、ゴム強度と粘弾性特性とのバランスに劣ることがわかる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の空気入りタイヤの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 タイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6 カーカス、7 ベルト層、8 ビードエイペックスゴム、9 インナーライナゴム、4G クリンチゴム。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム成分100質量部と、
    充填材30〜100質量部と、
    パラ系アラミド繊維とステアリン酸とからなるマスターバッチ3〜35質量部と、
    を含むクリンチ用ゴム組成物。
  2. 前記充填材は、カーボンブラックまたはシリカを含む請求項1に記載のクリンチ用ゴム組成物。
  3. 加硫により得られるゴムの60℃、動歪2%における損失正接tanδが0.15以下であり、25℃における硬度が60〜80である請求項1または2に記載のクリンチ用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物からなるクリンチゴムを備える空気入りタイヤ。
  5. パラ系アラミド繊維とステアリン酸とを混合して、パラ系アラミド繊維とステアリン酸とからなるマスターバッチを調製する工程と、
    ジエン系ゴム成分100質量部と、充填材30〜100質量部と、前記マスターバッチ3〜35質量部とを混合する工程と、を含むクリンチ用ゴム組成物の製造方法。
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