JP7435027B2 - トナー容器の製造方法及びトナー容器 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー容器の製造方法及びトナー容器に関する。より詳しくは、使用済みトナー容器を再生利用したトナー容器であって、耐衝撃性(靭性)とドローダウン耐性が改善されたトナー容器の製造方法及びトナー容器に関する。
一般に、トナー容器にトナーが収容されてなるトナー製品は、トナーの収容残存量が実質的になくなると、新たなトナー製品に交換される。そして、使用済みのトナー容器は、通常、焼却又は土中埋設等により廃棄処理されているが、環境保護の観点から、使用済みのトナー容器を回収し、再び原料として再生利用することが望ましい。
しかし、トナー排出後のトナー容器には少量とはいえトナーが容器内壁に付着して残っており、これにより、再生利用時に物性劣化などの弊害を生ずるおそれがある。
したがって、従来の方法でトナー容器を回収、再生利用するなら、洗浄してトナーを除去してから、乾燥、粉砕、ペレット化する必要があり、排水処理施設を含めた大掛かりな設備が必要となる。
一方、トナーのバインダー樹脂と相溶性のある原料樹脂を使用してトナー容器を作製する方法が下記のように提案されているが、ブロー成形におけるドローダウン対策及び耐衝撃性(靭性)とドローダウン耐性対策の点で不十分である。
すなわち、特許文献1では、トナーを収容するトナー容器において、前記トナー容器がトナーと当該トナーのバインダー樹脂と相溶性のある原料樹脂とを混合してプラスチック成型され、当該成型原料樹脂はアイゾット衝撃強度(JIS K 7110)を8.0~13.0(kgf・cm/cm)に設定し、トナーと混合することによりアイゾット衝撃強度を6.0~10.0(kgf・cm/cm)に調節したことを特徴とするトナー容器が開示されている。
また、特許文献2では、使用済み樹脂すなわちPCR(Post Consumer Resin)を配合して、しかも0.5mm以上の厚さを有するように製造してなるトナー/現像剤用ボトルが開示されている。
しかしながら、特許文献1と特許文献2に開示されている技術では、耐衝撃性(靭性)とドローダウン耐性の点で、より優れた品質のトナー容器を製造するためには不十分である。
特開平07-244427号公報 特開平10-083112号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、使用済みトナー容器を再生利用したトナー容器であって、耐衝撃性(靭性)とドローダウン耐性が改善されたトナー容器の製造方法及びトナー容器を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、トナー容器の粉砕品に疎水性フィラー等を混錬してトナー容器成形材料を作製することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.使用済みトナー容器を再生利用するトナー容器の製造方法であって、前記使用済みトナー容器の原料樹脂が、ポリオレフィン樹脂であり、回収した前記使用済みトナー容器を粉砕して粉砕品を作製する工程と、前記粉砕品、疎水性フィラー及び静電像現像用トナーを、混錬して成形材料を作製する工程と、前記成形材料を用いてトナー容器を再成形する工程と、を有し、前記疎水性フィラーが無機充填剤であり、疎水化度が70以上、かつ平均粒子径200nm以下のシリカ粒子であり、前記成形材料における前記静電荷現像用トナーと前記疎水性フィラーの含有量が、共に0.5質量部以上であり、かつ、両者の合計の含有量が1~8質量部の範囲内であることを特徴とするトナー容器の製造方法。
2.前記再成形する方法が、ブロー成形であることを特徴とする第1項に記載のトナー容器の製造方法。
3.前記再成形する方法が、射出成形であることを特徴とする第1項に記載のトナー容器の製造方法。
.作製した前記成形材料が、溶融張力が、温度190℃において45mN以上であり、
破断時のドラフト比が、50以上であり、かつシャルピー衝撃強さが、12(kgf・cm/cm)以上であることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載のトナー容器の製造方法。
.静電像現像用トナーが、シリカ粒子を外添剤として含有することを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載のトナー容器の製造方法。
使用済みトナー容器が再生利用されたトナー容器であって、前記使用済みトナー容器の原料樹脂が、ポリオレフィン樹脂であり、前記使用済みトナー容器が、静電像現像用トナーと疎水性フィラーを含有する成形材料を用いて形成され、前記疎水性フィラーが無機充填剤であり、疎水化度が70以上、かつ平均粒子径200nm以下のシリカ粒子であり、前記成形材料における前記静電荷現像用トナーと前記疎水性フィラーの含有量が、共に0.5質量部以上であり、かつ、両者の合計の含有量が1~8質量部の範囲内であることを特徴とするトナー容器。
.前記成形材料の、溶融張力が温度190℃において45mN以上であり、破断時のドラフト比が50以上であり、かつシャルピー衝撃強さが12(kgf・cm/cm)以上であることを特徴とする第項に記載のトナー容器。
.前記静電像現像用トナーが、シリカ粒子を外添剤として含有することを特徴とする第又は項に記載のトナー容器。
本発明の上記手段により、使用済みトナー容器を再生利用したトナー容器であって、耐衝撃性(靭性)とドローダウン耐性が改善されたトナー容器の製造方法及びトナー容器を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
前記成形材料に疎水性フィラーが含有されていることで、トナー容器に破壊するための力が加わった際に応力が分散され、破壊するためのエネルギーを多く必要とすることになり、耐衝撃性(靭性)が高くなる。例えばシャルピー衝撃強さ(強度)が高くなる。
また、疎水性フィラーが含有されていると、フィラーと粉砕品(樹脂)との相互作用により成形材料の粘度が上昇するため、ドローダウンしにくくなる。
ここで、本発明において「ドローダウン」とは、ブロー成形において、溶融樹脂の粘度が低い場合、予備成形されたパリソン(円筒状樹脂溶融体)が自重で重力方向に垂れ下がる現象をいう。すなわち、容器などの成形品の上部と下部の厚みが不均一となる「偏肉」の原因になる現象である。
本発明のトナー容器の製造工程フローを示す概要図
本発明のトナー容器の製造方法は、使用済みトナー容器を再生利用するトナー容器の製造方法であって、前記使用済みトナー容器の原料樹脂が、ポリオレフィン樹脂であり、回収した前記使用済みトナー容器を粉砕して粉砕品を作製する工程と、前記粉砕品、疎水性フィラー及び静電像現像用トナーを、混錬して成形材料を作製する工程と、前記成形材料を用いてトナー容器を再成形する工程と、を有し、前記疎水性フィラーが無機充填剤であり、疎水化度が70以上、かつ平均粒子径200nm以下のシリカ粒子であり、前記成形材料における前記静電荷現像用トナーと前記疎水性フィラーの含有量が、共に0.5質量部以上であり、かつ、両者の合計の含有量が1~8質量部の範囲内であることを特徴とする。この特徴は、下記実施態様に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記再成形する方法が、ブロー成形であることが、簡易で製造価格を抑えることができる観点で好ましい。
前記再成形する方法が、射出成形であることが、より精度の高いトナー容器を作製できるという観点で好ましい。
前記使用済みトナー容器が、樹脂製のトナー容器であることが、本発明の効果の発現性の観点から好ましい。
作製した前記成形材料の、溶融張力が温度190℃において45mN以上であり、破断時のドラフト比が50以上であり、かつシャルピー衝撃強さが12(kgf・cm/cm)以上であることが、効果発現の観点から好ましい。
静電像現像用トナーが、前記シリカ粒子を外添剤として含有することが、粘度が上昇
し、溶融時の張力が大きくなり、破断時のドラフト比が大きくなる観点から好ましい。
本発明のトナー容器は、上記のような方法・条件下で作製された容器である。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[本発明のトナー容器の製造方法の概要]
本発明のトナー容器の製造方法は、使用済みトナー容器を再生利用するトナー容器の製造方法であって、前記使用済みトナー容器の原料樹脂が、ポリオレフィン樹脂であり、回収した前記使用済みトナー容器を粉砕して粉砕品を作製する工程と、前記粉砕品、疎水性フィラー及び静電像現像用トナーを、混錬して成形材料を作製する工程と、前記成形材料を用いてトナー容器を再成形する工程と、を有し、前記疎水性フィラーが無機充填剤であり、疎水化度が70以上、かつ平均粒子径200nm以下のシリカ粒子であり、前記成形材料における前記静電荷現像用トナーと前記疎水性フィラーの含有量が、共に0.5質量部以上であり、かつ、両者の合計の含有量が1~8質量部の範囲内であることを特徴とする。
本発明において、「トナー容器」とは、トナーを保存、運搬、陳列、販売等の目的で収容する容器の他、使用時にこれらを収容する容器をもその概念に含むものである。
したがって、例えば、使用時に画像形成装置に装着するトナー収容容器は勿論、感光体や現像剤保持体、その他クリーニング部材等がセットで一体化され、内部にトナーを収容するいわゆるトナーカートリッジ(「現像カートリッジ」、「現像剤カートリッジ」等ともいう。)も本発明に係る「トナー容器」の範疇に含まれる。
1.トナー容器の製造方法
図1は、本発明のトナー容器の製造方法の工程フローを示す概要図である。
以下各工程について詳細に説明する。
(1.1)使用済みトナー容器を粉砕して粉砕品を作製する工程
使用済みトナー容器の形状(例えばボトル状又はカートリッジ状等)については、特に特定のものに限定されないが、材質は樹脂製のトナー容器である。また、トナー容器の原料樹脂は、ポリオレフィン樹脂である。
本発明においては、使用済みトナー容器を洗浄せずに、残留トナーが付着したまま粉砕して、粉砕品(再生品原料材)にすることができる。
粉砕は、例えば回転刃を有する粉砕機、回転刃と固定刃を有する粉砕機又は摺動刃を有する粉砕機を用いて行うことができる。
具体的には、例えばジョークラッシャー、ジャイレトリー・クラッシャー、コーンクラッシャー、ハンマークラッシャー、シュレッダー、ロールクラッシャー、ハンマーミル、ディスインテグレーター、カッターミル、円板ミル、ロッドミル、ロールミル、エロフォールミル、ターボ形粉砕機、スクリーンミル、ジェット粉砕機、ボールミル等が挙げられる。
粉砕品の形状及びサイズについては、特定の形状・サイズに限定されるものではないが、
溶融又は溶解しやすい大きさに粉砕することが好ましい。例えば、長径が、5~20mm程度の大きさのフレークになるまで粉砕することが好ましい。
また、次のような方法も好ましい。すなわち、ハンマークラッシャー型粉砕機によって粗粉砕し、一定の長さの(例えば15mm)メッシュを通過した粗粉砕粉末をさらに、ロータリー型粉砕機によって微粉砕することにより一定の長さ(例えば1mm)メッシュを通過した粉砕品粉末を得る。なお、粉末の平均粒径は、測定条件JIS Z8801基準ふるいを使用したロータップ式自動ふるいにて測定できる。
(1.2)粉砕品、疎水性フィラー及び静電苛像現像用トナーを、混錬して成形材料を作製する工程
本発明においては、前記工程で作製した粉砕品に、疎水性フィラー及び静電苛像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)を加えて混錬することを特徴とする。
疎水性フィラーを加える理由は、前述のように、耐衝撃性(靭性)とドローダウン耐性を高めるためである。
また、混錬工程において新たに加えるトナーは、トナー容器に残留していたトナーと同種であることが好ましい。当該トナーを加える理由は、トナーを構成するバインダー樹脂(「結着樹脂」ともいう。)の一定量を再成形するトナー容器を形成するための樹脂材料として取り込み一定組成の樹脂からなる容器とするためである。また、容器形成材料の耐衝撃性(靭性)とドローダウン耐性を高めるためである。
混錬方法としては、二軸混練機又は二軸押出機等を用いて樹脂が溶融可能な温度で、常法に従ってすることができる。
疎水性フィラーとトナーの詳細については後述する。
(1.3)トナー容器を再成形する工程
本発明においては、前記混錬して成形材料を作製する工程で作製した形成材料(例えば樹脂ペレット)を用いて、トナー容器を再成形することを特徴とする。
本発明に係る成形材料が、溶融張力が温度190℃において45mN以上であることが、成形時において良好な流動性を示し、他の成分と配合し易く、また機械的強度に優れた成形体が得られる観点で好ましい。
また、破断時のドラフト比が50以上であり、かつシャルピー衝撃強さが12(kgf・cm/cm)以上であることが、効果発現の観点から好ましい。
トナー容器を再成形する方法は、特に制限されず、従来公知の成形法を採用でき、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、異形押出法、トランスファー成形法、中空成形法、ガスアシスト中空成形法、ブロー成形法、押出ブロー成形、IMC(インモールドコ-ティング成形)成形法、回転成形法、多層成形法、2色成形法、インサート成形法、サンドイッチ成形法、発泡成形法、加圧成形法等が挙げられる。
特に、トナー容器がトナーボトル形状のものである場合においては、ブロー成形法によって製造されることが好ましく、また、トナー容器がトナーカートリッジ形状のものである場合においては、射出成形法によって製造されることが好ましい。
〔ブロー成形法〕
「ブロー成形法」とは、可塑化した円筒状の樹脂を成形用金型に注入し、金型で挟み込んだ状態で円筒状の樹脂の中空部に空気を吹き込み、樹脂を膨らませて金型に密着させて、冷却して固化することにより成形する方法をいう。
一般的な公知のブロー成形方法の例示としては、溶融した成形材料からパリソンを成形し、そのパリソンを金型で挟んだ後、パリソン内部に加圧気体をブローして容器を成形するダイレクトブロー成形法や、一旦、射出成形でプリフォームを成形し、そのプリフォームをブロー成形する射出ブロー成形法等がある。
さらに、射出ブロー成形法には射出成形機とブロー成形機が一体化した1ステージであるホットパリソン法、射出成形したプリフォームを完全に冷却した後、さらに再加熱してブロー成形を行なうコールドパリソン法がある。
具体的には成形材料を溶融して、金型内にこの成形材料を射出成形することによりプリフォームを成形する。続いて、このプリフォームを溶融状態あるいは軟化状態で、又は冷却固化した状態で赤外線ヒーター等を用いて所定の温度まで再加熱して、加熱後に特定の金型内で気体を圧入して2軸延伸して所望の形態に成形する。
本発明に係る成形材料の溶融、射出温度、延伸倍率等は、公知の成形条件を用いることができる。
〔射出成形法〕
「射出成形法」とは、加熱溶融され流動化した樹脂を射出プランジャー又はスクリューにより金型中に圧力によって注入し、冷却して固化することにより成形する方法をいう。一般的な射出成形方法の例示としては、本発明に係る樹脂組成物(A)を直接、又は公知の方法にて混合を行った後、射出成形機のホッパーに投入して直接成形する。
射出成形を行う方法としては、例えば、一般的な射出成形法の他に、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法が挙げられる。
また、射出成形体を製造する際には、必要に応じて着色のためにカラーマスターバッチを適宜添加し成形する事もできる。また成形温度や方法によっては、熱履歴によって本発明に係る樹脂組成物(A)が危惧される場合があるが、その際は熱安定剤や加工安定剤のマスターバッチを適宜添加することもできる。
(成形材料の特性)
溶融張力は、東洋精機キャピログラフ1Dを用いて、温度190℃にて溶融張力を下記条件下で測定した。なお、切断時の張力を溶融張力とした。
・キャピラリー内径:1mm;長さ:10mm
・押出速度:10mm/min
・引取速度:1~50m/minで変量
破断時のドラフト比は、破断時の引取速度から次式に基づいて算出した。
ドラフト比=引取速度/ピストン速度×(キャピラリー半径)/(シリンダー半径)
衝撃強度は、JIS K 7111-1に記載されている方法に準拠して、シャルピー衝撃強さを測定した。
2.トナー容器の製造方法において用いる材料
(2.1)トナー容器を構成する主材料
トナー容器を構成する主材料としては、樹脂、機、紙及びセラミックス、金属等を用いることができる。これらの内、本発明においては、樹脂を用いることが好ましい。
なお、使用済みのトナー容器は、樹脂製の容器である。
樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン、ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合樹脂(ABS)、ポリカーボネート等が挙げられる。
(2.2)疎水性フィラー
本発明の使用済みトナー容器を再生利用するトナー容器の製造方法においては、使用済みトナー容器を粉砕して得た粉砕品に疎水性フィラー及び静電苛像現像用トナーを加えて混錬して成形材料を作製することを特徴とする。
本発明においては、成形材料に疎水性フィラーが含有されていることで、トナー容器に破壊するための力が加わった際に応力が分散され、破壊するためのエネルギーを多く必要とすることになり、耐衝撃性(靭性)が高くなるとともに、フィラーと粉砕品(樹脂)との相互作用により成形材料の粘度が上昇するため、ドローダウン耐性が高くなる。
疎水性フィラーとしては、一般に、後述するトナーの外添剤として用いられている疎水性シリカ粒子や疎水性酸化チタン粒子などが挙げられる。
なお、他の任意成分として、光安定剤、粘度調整剤、老化防止剤、加工助剤、滑剤、難燃剤、可塑剤、充填剤、架橋剤、架橋助剤、分散剤、消泡剤、顔料などの各種の添加剤を1種又は2種以上含有していてもよい。
疎水性フィラーとして疎水性シリカ粒子を用いた場合、疎水性表面修飾されたシリカ粒子は、同じく疎水性のトナーバインダー樹脂及びトナー容器用の樹脂である疎水性のポリオレフィン樹脂と馴染みやすいため、相互作用がより大きくなり、粘度を上昇させる効果がより高くなり、このため溶融張力も高くなり好ましい。
前記静電荷像現像用トナーと前記疎水性フィラーの含有量、共に0.5質量部以上であり、かつ、両者の合計の含有量が1~8質量部の範囲内であり、相互作用に優れる
前記疎水性フィラーが無機充填剤であり、かつ疎水化度が70以上であること、前記フィラーがトナー容器に破壊するための力が加わった際に破壊の起点となりにくいため、破断時のドラフト比が高くな
上記疎水性フィラーの粒径が小さい方が、同重量当たりのフィラーの数が多くなることで比表面積が大きくなり、フィラーと樹脂との接触面積が大きくなることでトナー容器に破壊するための力が加わった際の破壊の起点が多くなり応力が分散されるため、シャルピー衝撃強さが大きくなるため好ましい。
〔疎水化度〕
以下、本発明において疎水化度とは、メタノールウェッタビリティ法(MW法)により測定した値をさすものとする。
なお、メタノールウェッタビリティとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。
〔疎水化度の算出方法〕
この方法は、内容量200mLのビーカー中に入れた蒸留水50mLに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸漬されているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をVm(mL)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
疎水化度={Vm/(Vm+50)}×100
例えば、樹脂粒子全沈時のメタノール滴下量Vmが50mLであれば、樹脂粉体の疎水化度MWは50%である。
この無機微粒子の添加量としては、トナー中に0.1~5.0質量%、好ましくは0.5~4.0質量%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
(2.3)静電苛像現像用トナー
本発明に係る静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、少なくとも樹脂(以下、バインダー樹脂ともいう。)と着色剤とからなるトナー母体粒子と、外添剤とを含有する。本発明に係るトナー母体粒子は、バインダー樹脂及び着色剤のほか、必要に応じて離型剤、帯電制御剤、又は界面活性剤などの種々の内添剤を含有してもよい。
なお、本発明において、「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいい、トナー粒子とは、上述のトナー母体粒子に外添剤を添加したものをいう。また、以下の説明においては、トナー母体粒子とトナー粒子とを特に区別する必要がない場合、単に「トナー粒子」ともいう。
(バインダー樹脂)
トナー母体粒子に含有されるバインダー樹脂(「結着樹脂」ともいう。)としては、特に限定されず、公知の樹脂を用いることができる。
各色のトナーが粉砕法などによって製造される場合には、例えばスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン-(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルホン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などを用いることができる。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、各色のトナーが懸濁重合法、乳化凝集法などによって製造される場合には、トナー粒子を構成する結着樹脂を得るための重合性単量体として、公知の種々の重合性単量体を用いることができ、重合性単量体としては、例えばビニル系単量体などが挙げられ、またイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。また、重合性単量体として多官能性ビニル系単量体を用いることによっては、架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
なお、本発明に係るトナー母体粒子は、非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有することが好ましく、非晶性樹脂はポリエステル樹脂又はビニル樹脂であることがより好ましい。
例えばバインダー樹脂全体に対して非晶性樹脂を50~70質量%、結晶性樹脂を5~30質量%の範囲内で含有することが好ましい。
また、本発明に係るトナー母体粒子は、着色剤を含有し、さらに必要に応じて、離型剤(ワックス)及び荷電制御剤などの他の構成成分を含有してもよい。
(着色剤)
本発明に係る着色剤は、1種でもそれ以上でもよい。典型的な着色剤の例には、マゼンタ、イエロー、シアン及びブラックの各色用の着色剤が含まれる。
マゼンタ用の着色剤の例には、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同6、同7、同15、同16、同48:1、同53:1、同57:1、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同149、同150、同163、同166、同17
0、同177、同178、同184、同202、同206、同207、同209、同222、同238及び同269が含まれる。
イエロー用の着色剤の例には、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー12、同14、同15、同17、同74、同83、同93、同94、同138、同155、同162、同180及び同185が含まれる。
シアン用の着色剤の例には、C.I.ピグメントブルー2、同3、同15、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17、同60、同62、同66及びC.I.ピグメントグリーン7が含まれる。
ブラック用の着色剤の例には、カーボンブラック及び磁性体粒子が含まれる。カーボンブラックの例には、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びランプブラックが含まれる。磁性体粒子の磁性体の例には、鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属;これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物;二酸化クロム;及び、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金;が含まれる。熱処理により強磁性を示す合金の例には、マンガン-銅-アルミニウム、マンガン-銅-スズなどのホイスラー合金が含まれる。
上記トナー母体粒子中における上記着色剤の含有量は、適宜に、そして独立して決めることができ、例えば画像の色再現性を確保する観点から、1~30質量%の範囲内であることが好ましく、2~20質量%の範囲内であることがより好ましい。
また、着色剤の粒子の大きさは、体積平均粒径で、例えば10~1000nmの範囲内であることが好ましく、50~500nmの範囲内であることがより好ましく、80~300nmの範囲内であることがさらに好ましい。
当該体積平均粒径は、カタログ値であってもよく、また、例えば着色剤の体積平均粒径(体積基準のメディアン径)は、「UPA-150」(マイクロトラック・ベル株式会社製)によって測定することができる。
〔離型剤〕
本発明に用いられる離型剤には、公知のものを使用することができる。
離型剤は1種でもそれ以上でもよい。離型剤の例には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス;及び、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘニル、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックス;が含まれる。
本発明に係るトナーは、本実施の形態に係る効果を奏する範囲において、前述の結晶性樹脂、非晶性樹脂及び離型剤以外の他の成分をさらに含有していてもよい。例えば、上記トナー母体粒子が含有していてもよい上記他の成分の例には、着色剤及び荷電制御剤が含まれる。
〔荷電制御剤〕
本発明に係るトナーに用いられる荷電制御剤には公知のものを利用することができ、その例には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、及び、サリチル酸金属塩、が含まれる。
本発明に係るトナーにおける荷電制御剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して通常0.1~10質量部の範囲内であり、好ましくは0.5~5質量%の範囲内である。
また、荷電制御剤の粒子の大きさは、数平均一次粒径で例えば10~1000nmの範囲内であり、好ましくは50~500nmの範囲内であり、より好ましくは80~300nmの範囲内である。
(外添剤)
本発明において用いられるトナーとしては、トナー母体粒子をそのままの状態で用いることもできるが、トナー母体粒子に対して、流動性、帯電性及びクリーニング性などを改良するために、流動化剤及びクリーニング助剤などの外添剤を添加して用いることもできる。
外添剤としては、例えばシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などの無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいはチタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などの無機微粒子が挙げられる。
これら無機微粒子は、耐熱保管性及び環境安定性の観点から、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって表面修飾が行われたものであることが好ましい。
外添剤の添加量は、トナー100質量部に対して0.05~5質量部、好ましくは0.1~3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて用いてもよい。
(静電荷像現像用トナーの製造方法)
本発明に係るトナー粒子の製造方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。
以下、粉砕法を用いた本発明に係る静電荷像現像用トナーの製造手順について説明する。
まず、原料混合工程では、トナー原料として、バインダー樹脂(非晶性樹脂、結晶性樹脂)、ワックス等を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ヘンシェルミキサー(日本コークス社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)等がある。
更に、混合したトナー原料を溶融混練工程にて、溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる。混練装置の一例としては、TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);ニーデックス(三井鉱山社製)等が挙げられるが、連続生産できる等の優位性から、バッチ式練り機よりも、1軸又は2軸押出機といった連続式の練り機が好ましい。
更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)等で微粉砕され、トナー微粒子を得る。
得られたトナー微粒子は、分級工程にて、所望の粒径を有するトナー用粉体粒子に分級される。分級機としては、ターボプレックス、ファカルティ、TSP、TTSP(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)等がある。
また、本発明の製造方法においては、得られたトナー用粉体粒子に外添剤として平均粒子径200nm以下のシリカ粒子を含有する。
また、必要に応じて他の無機微粒子等を添加しても構わない。トナー用粉体粒子に外添剤として平均粒子径200nm以下のシリカ粒子を添加する方法としては、トナー用粉体粒子と公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス社製)、スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する。
更に、必要に応じて、粗粒等を篩い分けるために、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ハイボルター(東洋ハイテック社製)等の篩分機を用いても良い。
得られたトナー用粉体粒子に熱処理装置を用いて球形化処理を行っても良い。
本発明に係るトナーの製造方法においては、熱処理工程の前に、得られたトナー用粉体粒子に必要に応じて無機微粒子等を添加しても構わない。トナー用粉体粒子に無機微粒子等を添加する方法としては、トナー用粉体粒子と公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス社製)、スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する。
本発明に係るトナーの製造方法では、熱処理後に粗大な粒子が存在する場合、必要に応じて、分級によって粗大粒子を除去する工程を有していても構わない。粗大粒子を除去する分級機としては、分級機としては、ターボプレックス、TSP、TTSP、クリフィス(ホソカワミクロン社製)、エルボージェット(日鉄鉱業社製)等が挙げられる。
更に、熱処理後、必要に応じて、粗粒等を篩い分けるために、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ハイボルター(東洋ハイテック社製)等の篩分機を用いても良い。
なお、本発明の熱処理工程は上記微粉砕の後であっても良い。
〔トナー母体粒子の平均円形度〕
低温定着性を向上させるという観点から、トナー母体粒子の平均円形度は0.920~1.000の範囲内であることが好ましく、0.925~0.975の範囲内であることがより好ましい。
ここで、上記平均円形度は「FPIA-3000」(Malvern Panalytical社製)を用いて測定した値である。具体的には、トナー母体粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行い、分散した後、「FPIA-3000」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数4000個の適正濃度で測定
を行う。円形度は下記式で計算される。
円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
〔トナー母体粒子の粒径〕
トナー母体粒子の粒径について、体積基準のメディアン径(D50)が3~10μmであると好ましい。体積基準のメディアン径を上記範囲とすることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できるとともに、トナーの消費量を、大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。また、トナー流動性も確保できる。
ここで、トナー母体粒子の体積基準のメディアン径(D50)は、例えば、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
トナー母体粒子の体積基準のメディアン径は、後述のトナーの製造時の凝集・融着工程における凝集剤の濃度や溶剤の添加量、又は融着時間、さらには樹脂成分の組成等によって制御することができる。
〔外添剤の添加工程〕
この工程は、トナー母体粒子に対して外添剤を添加する場合に行う工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、サンプルミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。外添剤添加時の回転翼の周速としては、30~35mm/秒であることが好ましい。
また、外添剤の混合時間は、12~15分であることが好ましく、外添剤添加時の温度としては、25~35度であることが好ましい。
〔現像剤〕
本発明に係るトナーは、磁性又は非磁性の1成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して2成分現像剤として使用してもよい。トナーを2成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアの体積平均粒径としては20~100μmの範囲内であることが好ましく、25~80μmの範囲内であることがより好ましい。キャリアの体積平均粒径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック社製)により測定することができる。
2成分現像剤は、上記のキャリアとトナーとを、混合装置を用いて混合することにより作製することができる。混合装置としては、例えば、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合器等が挙げられる。
2成分現像剤を作製する際のトナーの配合量は、キャリアとトナーとの合計100質量%に対して、1~10質量%の範囲内であることが好ましい。
(2.4)その他;添加剤
本発明に係る成形材料には、樹脂添加剤を適宜用いることも好ましく、例えば、熱安定剤(例えば、リン系化合物等)、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等)、離型剤(例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイル等)、充填材、ガラス繊維、紫外線吸収剤、染顔料(カーボンブラックを含む)、酸化チタン、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、メルトフローレート改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が配合されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で配合されていても良い。
3.本発明のトナー容器
本発明のトナー容器は、前記使用済みトナー容器を再生利用するトナー容器の製造方法によって製造された容器であることが好ましい。すなわち、本発明のトナー容器は、再成形されたトナー容器であり、前記静電苛像現像用トナーと疎水性フィラーを含有する成形材料を用いて形成されたトナー容器である。
本発明の実施形態においては、前記成形材料が、樹脂を含有することが好ましい。
前記成形材料の、溶融張力が温度190℃において45mN以上であり、破断時のドラフト比が50以上であり、かつシャルピー衝撃強さが12(kgf・cm/cm)以上であることが好ましい。
さらに、前記静電荷現像用トナーと前記疎水性フィラーの含有量が、共に0.5質量部以上であり、かつ、両者の合計の含有量が1~8質量部の範囲内である。
また、前記疎水性フィラーが無機充填剤であり、かつ疎水化度が70以上である。
トナー容器の原料樹脂が、ポリオレフィン樹脂であり、かつ、前記疎水性フィラーが、平均粒子径200nm以下のシリカ粒子であることが好ましい。
また、前記静電苛像現像用トナーが、シリカ粒子を外添剤として含有することが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
<トナー1の作製>
トナー TN328K (コニカミノルタ社製)100gに外添剤(二酸化チタン粒子:JMT-150IBテイカ社製)を1gの比率で添加して、ミキサーで攪拌してトナー1を作製した。
なお、上記二酸化チタン微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で15nmであった。
<トナー2の作製>
トナー TN328K (コニカミノルタ社製)100gに外添剤(シリカ微粒子:AEROSIL(登録商標)R976 日本エアロジル社製)を1gの比率で添加して、ミキサーで攪拌してトナー2を作製した。
なお、上記外添剤の上記シリカ微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で15nmであった。
<シリカ粒子1の作製>
FB-3SDC(デンカ社製)100gを、500mlの水の中に加えて攪拌させ、その水溶液に、ビニルメトキシシラン(KBM1003:信越化学社製)を2.5g滴下して、4時間攪拌した。
攪拌した溶液をろ過して、シランカップリング剤処理後のシリカ粒子を取り出し、100℃で12時間乾燥させてシリカ粒子1を作製した。
なお、疎水化度を測定したところ65%であった。
〔疎水化度の測定方法〕
シリカ粒子1の疎水化度は、メタノールウェッタビリティ法(MW法)により測定した。
詳しくは、ガラス製ビーカー内にイオン交換水25mLを入れた後、さらにフィラー0.1gを投入した。
そして、マグネチックスターラーを用いて回転速度150rpmでビーカー内容物を攪拌しながら少量ずつメタノールを滴下し、フィラーが全て濡れて沈降(すなわち、全沈)した時のメタノール滴下量Vm(単位:mL)を求めた。
そして、下記式に基づいてシリカ粒子1の疎水化度(単位:%)を算出した。
疎水化度={Vm/(Vm+25)}×100
<シリカ粒子2の作製>
FB-3SDC(デンカ社製)100gを、500mlの水の中に加えて攪拌させ、その水溶液に、ビニルメトキシシラン(KBM1003:信越化学社製)を5.0g滴下して、4時間攪拌した。
攪拌した溶液をろ過して、シランカップリング剤処理後のシリカ粒子を取り出し、100℃で12時間乾燥させてシリカ粒子1を作製した。
なお、疎水化度を測定したところ70%であった。
<シリカ粒子3>
シリカ粒子3にはAEROSIL(登録商標)R976(日本エアロジル社製)を用いた。
なお、疎水化度を測定したところ75%であった。
<シリカ粒子4の作製>
シリカ粒子4にはFB-3SDC(デンカ社製)を表面修飾せずにそのまま用いた。
以上のシリカ粒子1~4の特性を表Iにまとめて示す。
Figure 0007435027000001
溶融張力、ドラフト比は、混練した成形材料を用いて測定した。衝撃試験は、射出成型機で作製した試験片を用いて測定した。
参考例1]
複合機BizHub c360i、300i及び250iに使用されていた使用済みトナー容器を回収した。
上記使用済みトナー容器から、トナーをボトルの質量に対して、0.5%以下になるまで、吸引除去した後、キャップ部分を除去し、ボトル本体部分のポリエチレン容器を取り出した。
ポリエチレン容器を、粉砕機150-35(KAWATA社製)で、スクリーン穴径5mmを用いて、粉砕した。
粉砕品4000gに、トナー1を8.0gとシリカ粒子1を40.0g計量して、タンブラーにて10分間、回転させて混合した後、二軸混練機KTX-30(神戸製鋼所製)で、シリンダー温度160度、回転数200rpm、供給量10kg/hrの条件で混練、糸状に押し出したストランド(直径約2mm)を水槽で急冷させたのち、ペレタイザーで約4mmの長さに切断したペレットを作製して、成形材料とした。
参考例2]
粉砕品4000gに、トナー1を40.0gと、シリカ粒子1を400.0gとした以外は、参考例1と同じ手順で作製した。
参考例3]
粉砕品4000gに、トナー1を20.0gと、シリカ粒子1を20.0gとした以外は、参考例1と同じ手順で作製した。
参考例4]
粉砕品4000gに、トナー1を120.0gと、シリカ粒子1を200.0gとした以外は、参考例1と同じ手順で作製した。
参考例5]
粉砕品4000gに、トナー1を40.0gと、シリカ粒子2を120.0gとした以外は、参考例1と同じ手順で作製した。
[実施例6]
粉砕品4000gに、トナー1を40.0gと、シリカ粒子3を120.0gとした以外は、参考例1と同じ手順で作製した。
[実施例7]
粉砕品4000gに、トナー2を40.0gと、シリカ粒子3を120.0gとした以外は、参考例1と同じ手順で作製した。
[比較例1]
粉砕品4000gに、トナー1を120.0gとして、フィラーを添加していない以外は、参考例1と同じ手順で作製した。
[比較例2]
粉砕品4000gに、トナー1を120.0gと、シリカ粒子4を120.0gとした以外は、参考例1と同じ手順で作製した。
[評価]
以下、溶融張力、破断時のドラフト比、シャルピー衝撃強度、ドローダウン性及び容器落下試験の評価のための測定方法と評価方法を示す。
(溶融張力の測定方法と評価)
キャピログラフ1D((株)東洋精機製作所製)を用いて前記実施例1~7、比較例1及び2で作製された成形材料の溶融張力を、キャピラリー 内径1mm、長さ10mm、ピストンの下降速度10mm/min、温度190℃の条件にて、引取速度を1~50m/minで速度を上げながら、張力を測定し、その張力を溶融張力とした。
以下に評価基準を示す。
◎:溶融張力65mN以上
〇:溶融張力55以上~65mN未満
△:溶融張力45以上~55mN未満
×:溶融張力45mN未満
(破断時のドラフト比の測定方法と評価)
破断時の引取速度から、参考1~5、実施例6及び7、比較例1及び比較例2で作製された成形材料の破断時のドラフト比を下記式を用いて算出した。
なお、ここでは溶融張力の測定中に破断したときの引き取り速度を破断時の引取速度と定義する。
ドラフト比=引取速度/ピストン速度×(キャピラリー半径)/(シリンダー半径)
以下に評価基準を示す。
◎:破断時のドラフト比70以上
〇:破断時のドラフト比60以上~70未満
△:破断時のドラフト比50以上~60未満
×:破断時のドラフト比50未満
(シャルピー衝撃強さの測定方法と評価)
評価のための衝撃試験用片は、参考1~5、実施例6及び7、比較例1及び比較例2で作製された成形材料を、射出成型機 JSW 小型電動機 J110AD-180H(日本製鋼所製)を用いて射出成形することにより、成形温度190℃、金型温度50℃の条件で、JIS K7110の試験片を作製した。
なお、ノッチは、試験片成形時に同時成形した。
成型した試験片を用いて、JIS K 7111-1の条件で試験を行った。
以下に評価基準を示す。
◎:シャルピー衝撃強さ20kJ/mm以上
〇:シャルピー衝撃強さ15以上~20kJ/mm未満
△:シャルピー衝撃強さ12以上~15kJ/mm未満
×:シャルピー衝撃強さ12kJ/mm未満
(ドローダウン性の測定方法と評価)
参考1~5、実施例6及び7、比較例1及び比較例2で作製された成形材料をタハラ社製押出機MSD-70Eを用いて、垂直方向へ円筒状に押出し、押出し口から0~200mmまでの吐出時間と、600~800mmまでの吐出時間を、下記式を用いて計算し比較した。
式:(600~800mmの吐出時間)/(0~200mm吐出時間)
以下に評価基準を示す。
◎:上記式を用いて算出された値0.60以上
〇:上記式を用いて算出された値0.55以上~0.60未満
△:上記式を用いて算出された値0.50以上~0.55未満
×:上記式を用いて算出された値0.50未満
(容器落下試験と評価)
参考1~5、実施例6及び7、比較例1及び比較例2で作製された成形材料を用いて、ブロー成型で作製した各容器に、所定量のトナーを入れて封止した後、水平にした状態で、1mの高さから、コンクリート上に落下させ、トナーこぼれがあるか否かを目視で確認することにより落下試験を行った。
以下に評価基準を示す。
〇:トナーこぼれ 無し
×:トナーこぼれ 有り
以上の各種特性の評価結果等を表IIにまとめて示す。参考例5
Figure 0007435027000002
表IIに示した評価結果から明らかなように、本発明の実施例は比較例に比べ優れた特性を有することが分かる。

Claims (8)

  1. 使用済みトナー容器を再生利用するトナー容器の製造方法であって、
    前記使用済みトナー容器の原料樹脂が、ポリオレフィン樹脂であり、
    回収した前記使用済みトナー容器を粉砕して粉砕品を作製する工程と、
    前記粉砕品、疎水性フィラー及び静電像現像用トナーを、混錬して成形材料を作製する工程と、
    前記成形材料を用いてトナー容器を再成形する工程と、を有し、
    前記疎水性フィラーが無機充填剤であり、疎水化度が70以上、かつ平均粒子径200nm以下のシリカ粒子であり、
    前記成形材料における前記静電荷現像用トナーと前記疎水性フィラーの含有量が、共に0.5質量部以上であり、かつ、両者の合計の含有量が1~8質量部の範囲内であ
    ことを特徴とするトナー容器の製造方法。
  2. 前記再成形する方法が、ブロー成形であることを特徴とする請求項1に記載のトナー容器の製造方法。
  3. 前記再成形する方法が、射出成形であることを特徴とする請求項1に記載のトナー容器の製造方法。
  4. 作製した前記成形材料が、溶融張力が、温度190℃において45mN以上であり、
    破断時のドラフト比が、50以上であり、かつ、
    シャルピー衝撃強さが、12(kgf・cm/cm)以上である
    ことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のトナー容器の製造方法。
  5. 静電像現像用トナーが、シリカ粒子を外添剤として含有することを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のトナー容器の製造方法。
  6. 使用済みトナー容器が再生利用されたトナー容器であって、
    前記使用済みトナー容器の原料樹脂が、ポリオレフィン樹脂であり、
    前記使用済みトナー容器が、静電像現像用トナーと疎水性フィラーを含有する成形材料を用いて形成され
    前記疎水性フィラーが無機充填剤であり、疎水化度が70以上、かつ平均粒子径200nm以下のシリカ粒子であり、
    前記成形材料における前記静電荷現像用トナーと前記疎水性フィラーの含有量が、共に0.5質量部以上であり、かつ、両者の合計の含有量が1~8質量部の範囲内であることを特徴とするトナー容器。
  7. 前記成形材料が、溶融張力が温度190℃において45mN以上であり、
    破断時のドラフト比が50以上であり、かつ、
    シャルピー衝撃強さが12(kgf・cm/cm)以上である
    ことを特徴とする請求項に記載のトナー容器。
  8. 前記静電像現像用トナーが、シリカ粒子を外添剤として含有することを特徴とする請求項6又は請求項に記載のトナー容器。
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