JP2006301269A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、定着性及び耐久性に優れた電子写真用トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂、着色剤及び離型剤を含む原料を溶融させ、穴の開いたダイから押し出し、トナー相当径を有する糸状混練物を形成した後、切断又は粉砕することにより作製されたトナーであって、前記結着樹脂の軟化点をT1(2種以上の結着樹脂の場合、それらの加重平均をT1とする)、前記トナーの軟化点をT2としたとき、下記式を満足することを特徴とする。
110℃≦T1≦150℃
5℃≦T1−T2≦20℃
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真用トナーに係り、特に、柱状粒子からなる電子写真用トナーに関する。
トナーを製造方法で分類すると、粉砕トナーと重合トナーとに分けられる。粉砕トナーは、原料を溶融混練し、ジェットミルなどの粉砕機により粉砕し、風力分級機等を用いて所望の粒度に分級することにより得られる。これに対し、重合トナーは、その製造方法として大きく分けて乳化重合法と懸濁重合法とがあり、重合により任意の粒径に成長させて微粒子を得るものである。この場合、粉砕トナーの粒子形状が不定形であるのに対し、重合トナーの粒子形状は球形である。
電子写真用トナーの粒子形状に関しては、均一な帯電、転写性の観点からは球形のものが望まれているが、感光体に弾性ブレードを圧接して感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング処理を行う場合、球形トナーでは、クリーニング性が低下するという問題があった。
このような状況の下で、トナーの各種原料を溶融し、押出し成形して、糸状混練物とした後、切断又は粉砕してトナー用微粒子を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、トナーを円柱状に加工する装置に関する提案もある(例えば、特許文献4参照)。
このようなトナーの製造方法は、従来のジェットミル等の機械的粉砕機による方法に比べ、歩留りの向上、エネルギーコストの削減を期待することが出来る。また、糸状混練物の径を所望の値にすることで、粒度分布幅の狭い均一な粒子を得ることが可能であり、安定した帯電特性及び現像特性のトナーを得ることが出来る。
しかし、このようなトナーの製造方法では、溶融物をダイから効率よく押出すためには、溶融粘度を下げる必要がある。溶融粘度が高いと、ダイでの詰まりが生じたり、また押出された溶融物をローラー等により引張って糸状混練物にする際に、糸状混練物の破断が生じ易くなるという不具合が発生する。
特開昭61−20050号公報 特開平6−138704号公報(「要約」、図1) 特開2004−332130号公報(「要約」、図1) 実開平6−29632号公報(「要約」、図1)
上述したように、トナーの各種原料を溶融し、押出し成形して、糸状混練物とした後、切断又は粉砕してトナー用微粒子を得る方法では、溶融物をダイから効率よく押出すためには、溶融粘度を下げる必要があり、そのため、溶融温度を高く設定する必要がある。具体的には、溶融温度を結着樹脂の軟化点より20〜150℃、好ましくは80〜120℃高く設定する必要がある。
しかし、そのように高い溶融温度では、溶融時に結着樹脂の分子切断が生じ、トナーの熱特性が大きく変化する、例えばトナーの軟化点が低下するという問題が生ずる。このように、トナーの軟化点が低下すると、満足すべき定着性及び耐久性が得られない場合がある。また、トナーの軟化点の低下を見込んで高い軟化点の結着樹脂を選択すると、トナーの透明性が低下してしまう場合がある。
本発明は、以上のような事情の下になされ、透明性、定着性及び耐久性に優れた電子写真用トナーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含む原料を溶融させ、穴の開いたダイから押し出し、トナー相当径を有する糸状混練物を形成した後、切断又は粉砕することにより作製されたトナーであって、前記結着樹脂の軟化点をT1(2種以上の結着樹脂の場合、それらの加重平均をT1とする)、前記トナーの軟化点をT2としたとき、下記式を満足することを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
110℃≦T1≦150℃
5℃≦T1−T2≦20℃
かかる本発明の電子写真用トナーにおいて、結着樹脂の軟化点T1を110℃〜130℃、トナーの軟化点T2を100℃〜120℃とすることにより、望ましい効果を得ることが出来る。また、T1とT2が、0.85≦T2/T1≦0.95の関係を満足することによっても望ましい効果を得ることが出来る。更に、本発明の電子写真用トナーは、ガラス転移点が54℃以上であることが望ましい。
また、本発明の電子写真用トナーは、その製造の際における原料の溶融温度が、T1+80℃〜T1+120℃であることが望ましい。結着樹脂としては、ポリエステル樹脂を好ましく用いることが出来る。
以上のように構成される本発明の電子写真用トナーは、5〜7μmの平均粒径を有することが望ましい。
本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂の軟化点、及び結着樹脂の軟化点とトナーの軟化点との差が所定の範囲となるように構成されているため、透明性、定着性及び耐久性のいずれにおいても優れている。
以下、本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーを得るための糸状の混練物を製造する装置を概略的に示す図である。図1において、ホッパー1に投入された結着樹脂、着色剤及び離型剤を含む原料2は、押出機3で溶融混練され、ダイ4に供給される。ダイ4は紡糸口4aと熱風吐出口4bとを備える。ダイ4に供給された溶融混練物5は、熱風吐出口4bからの熱風とともに紡糸口4aから吐出され、その結果、糸状の混練物6が形成される。
ダイ4の内径は、例えば100μmであり、原料供給量、吐出圧力、及び熱風温度を変化させることにより、糸状混練物6の径を6〜7μmに調整することが出来る。
ダイ4の出口では、糸状混練物6に冷風を吹き付けることにより、糸状混練物同士が融着することなく、糸状混練物6を安定して得ることが出来る。
次に、このようにして得た糸状混練物は、コンベア7により輸送され、図示しない切断機又は粉砕機により切断又は粉砕され、更に分級されて、本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーが得られる。なお、粉砕の際には、糸状混練物は既にトナー粒径に相当する断面径を有しているため、通常の粉砕トナーを製造する場合よりも粉砕エネルギーを低く抑えることが出来る。また、微粉の発生が少なく、収率及び生産性が向上する。
なお、場合によっては、分級工程を省くこともできる。
本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーは、以上のように、糸状混練物を、粉砕・分級することにより得られた柱状粒子であり、以下に示すように、結着樹脂の軟化点T1が所定の範囲内にあるとともに、T1とトナーの軟化点T2との差が所定の範囲にあることを特徴とする。
110℃≦T1≦150℃
5℃≦T1−T2≦20℃
結着樹脂及びトナーが上記条件を満たす方法としては、結着樹脂の種類、トナーに配合される離型剤の種類並びに添加量、及び溶融条件を適宜調整することが挙げられる。溶融条件としては、溶融温度等がある。
結着樹脂の軟化点T1は、溶融された原料の粘度に大きな影響を与える。結着樹脂の軟化点T1が低いほど溶融温度を下げることが出来、トナーの熱特性への影響を抑えることが出来る。しかし、T1が110℃未満では、トナーの定着性、耐久性及び保存性が悪化してしまう。
T1が高いほど溶融温度が高くなり、トナーの熱特性への影響が大きくなり、150℃
を超えると、透明性が悪くなる。
なお、結着樹脂は、複数種の樹脂の混合物であってよく、その場合、軟化点T1は、それぞれの樹脂の軟化点の加重平均である。
結着樹脂の軟化点T1とトナーの軟化点T2の差T1−T2は、5〜20℃であり、好ましくは8〜16℃である。T1−T2が5℃未満ではトナーの定着性が悪化し、20℃を超えるとトナーの耐久性が劣化してしまう。
また、結着樹脂の軟化点T1とトナーの軟化点T2の比T1/T2が、0.85〜0.95であることが好ましい。T1/T2が0.85未満ではトナーの耐久性が劣化する傾向となり、0.95を超えるとトナーの定着性が悪化する傾向となる。
なお、好ましいT1とT2の範囲は、T1が110〜130℃、T2が100〜120℃である。
結着樹脂としては、上記軟化点T1の条件を満たすように、公知のものを含む広い範囲から選択することができる。具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、およびスチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂をはじめ、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが例示でき、これらの樹脂を二種類以上組み合わせて用いてもよい。なお、これらの樹脂のうち、ポリエステル系樹脂が好ましい。
最終トナー中の結着樹脂の配合量は、50〜95質量%であるのが好ましい。
離型剤は、その種類や添加量に応じて、溶融物の粘度やトナーの軟化点に影響を与える。定着ロールにおける離型効果を得るためには、低融点の離型剤を用いることが有効であるが、低融点の離型剤を多量に含有し過ぎると、離型剤の結着樹脂中への分散が不良となり、トナーの耐久性が悪化してしまう。好ましい離型剤の含有量は5〜20質量%であり、より好ましくは5〜10質量%である。離型剤の含有量が5質量%未満では離型剤の配合の効果が得にくくなり、20質量%を超えると、耐久性が劣り,好ましくない。
離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィン等の極性の低いもの或いはカルナバワックス、エステル系等の極性の高いものを挙げることが出来る。また、エマルジョンタイプのカルボキシル基変性ポリオレフィンとして、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1等のオレフィン単位を骨格としてカルボキシル基を有するように変性され、かつアンモニアまたはアミンでカルボキシル基の少なくとも一部が中和されたポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等を使用することも可能である。これらのワックスのうち、カルナバワックスが好ましい。
以上説明した結着樹脂及び離型剤を含む原料の溶融温度は、結着樹脂の軟化点T1+80℃〜T1+120℃であるのが好ましい。溶融温度がT1+80℃未満では、溶融混練物の粘度が高くなってダイにおける詰まりが生じ易くなり、T1+120℃を超えると、トナーの熱特性が変化し、定着性、耐久性が悪化する傾向となる。
本発明の一実施形態に係るトナーを構成する柱状粒子は、断面円形の円柱に限らず、断面楕円でもよく、また断面矩形の角柱でもよい。その平均体積粒径は、5〜7μmであることが好ましい。
以下に本発明の実施例と比較例を示し、本発明の効果をより具体的に説明する。なお、各例で用いた樹脂及びトナーの軟化点(T1、T2)、ガラス転移点(Tg1、Tg2)、及び粒子の粒径の測定装置及び測定方法を以下に示す。
軟化点(T1、T2)
フローテスター(CFT−500D、島津製作所社製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で昇温して、20kgの荷重を加えて直径1mm、長さ1mmのノズルから試料を流出させて、試料の半分が流出した温度を軟化点とする(1/2法)。
ガラス転移点(Tg1、Tg2)
示差走査熱量計(DSC−60、島津製作所社製)を用い、8mgの試料を10℃/分の昇温速度で昇温し、10℃/分の降温速度で35℃まで冷却した後、再度10℃/分の昇温速度で2回目の昇温を行い、この2回目の昇温において、転移により得られる曲線部分の2つの接線の交点をガラス転移点とする。
粒径
ビーカーに少量の試料、精製水、及び界面活性剤を入れ、超音波洗浄器にて分散させ、マルチサイザーII(コールター社製)により体積平均粒径を測定する。アパーチャーは100μm、カウントは50,000で行った。
実施例1
結着樹脂として90質量部のポリエステル樹脂A(軟化点148℃、ガラス転移点75℃)、 着色剤として4質量部のC.Iピグメントレッド57:1、荷電制御剤として、1質量部のE−84(サルチル酸系金属錯体の商品名、オリエント化学社製)、及び離型剤として5質量部のカルナバワックス1号粉末(加藤洋行社輸入品)を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した後、混合物を溶融混練し、穴の開いたダイより押出し、糸状の混練物を得た。次いで、この糸状混練物を粉砕・分級して、着色微粒子を作製した。なお、溶融混練の温度設定は、結着樹脂の軟化点+100℃とした。
このようにして得られた着色微粒子の平均粒径は6.7μmであった。
得られた着色微粒子100質量部に外添剤として、「R972」(日本アエロジル社製:疎水性シリカ)を2質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、トナーを得た。
このトナーの軟化点は130℃、ガラス転移点は64℃であった。
実施例2
結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂B(軟化点112℃、ガラス転移点68℃)に変えたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は102℃、ガラス転移点は63℃であった。
実施例3
結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂C(軟化点112℃、ガラス転移点57℃)に変えたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は103℃、ガラス転移点は54℃であった。
実施例4
結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂D(軟化点134℃、ガラス転移点58℃)に変えたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は118℃、ガラス転移点は54℃であった。
実施例5
結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aを45質量部とポリエステル樹脂E(軟化点100℃、ガラス転移点55℃)を45質量部の混合樹脂を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は114℃、ガラス転移点は61℃であった。
実施例6
結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aを45質量部とポリエステル樹脂B(軟化点112℃、ガラス転移点68℃)を45質量部の混合樹脂を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は119℃、ガラス転移点は63℃であった。
実施例7
結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aを45質量部とポリエステル樹脂D(軟化点134℃、ガラス転移点58℃)を45質量部の混合樹脂を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は126℃、ガラス転移点は63℃であった。
実施例8
結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aをスチレンアクリル樹脂F(軟化点125℃、ガラス転移点60℃)に変えたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は113℃、ガラス転移点は56℃であった。
実施例9
結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aをスチレンアクリル樹脂G(軟化点133℃、ガラス転移点61℃)に変えたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は125℃、ガラス転移点は57℃であった。
比較例1
結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂E(軟化点100℃、ガラス転移点55℃)に変えたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は96℃、ガラス転移点は51℃であった。
比較例2
結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂F(軟化点158℃、ガラス転移点70℃)に変えたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は140℃、ガラス転移点は66℃であった。
比較例3
溶融混練の温度設定を結着樹脂の軟化点+70℃としたことを除いて、実施例2と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は108℃、ガラス転移点は65℃であった。
比較例4
溶融混練の温度設定を結着樹脂の軟化点+130℃としたことを除いて、実施例4と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの軟化点は109℃、ガラス転移点52℃であった。
従来例
実施例4で用いたのと同様の原材料をヘンシェルミキサーを用いて混合した後、2軸押出機にて溶融混練し、延伸、冷却し、ロートプレックス(ホソカワミクロン社製、2mmスクリーン)で粗砕した後、衝突式粉砕機で微粉砕し、風力分級機にてトナー平均粒径が6.7μmになるように分級を行い、着色微粒子を得た。
得られた着色微粒子100質量部に外添剤として、「R972」(日本アエロジル社製:疎水性シリカ)を2質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、トナーを得た。得られたトナーの軟化点は125℃、ガラス転移点は52℃であった。
以上のようにして得た実施例、比較例及び従来例の電子写真用トナーのT1と(T1−T2)をプロットした特性図を図2に示す。図2において、四角で囲まれた領域が本発明の範囲を示す。
次に、以上の各電子写真用トナーについて、以下のような特性の評価を行った。
(評価)
試験1(透明性)
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機社製:カラープリンタA4横/毎分29枚機)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、OHP用紙を用いてベタ画像を印字し、印字された画像の一部を切取り、分光光度計(島津製作所製)を用いて、400nm〜700nmの波長範囲の最大透過度を測定し、透明性の評価とした。プロセス速度を34.1mm/秒とし、上下2本ある定着ロールのうち上側ロール温度は、130〜180℃の範囲でトナーに応じて最適な条件を選択した。その時、下側のロール(圧ロール)の設定温度を上側のロール温度−10℃に設定した。
(評価基準)
◎:最大透過度が80%以上であり、実用上非常に良好である。
○:最大透過度が60%〜80%であり、実用上問題ない。
×:最大透過度が60%未満であり、実用上問題がある。
試験2(定着性)
試験1と同様の装置の定着器部分の温度を可変できるように改造し、定着試験器とする。
試験例1と同様の装置により未定着画像を得た後、定着試験器にて定着温度100〜200℃の範囲で10℃毎に温度を可変し、未定着画像を定着させた際の非オフセット領域を測定し、低温定着特性とした。
プロセス速度は129.3mm/sec、用紙はXEROX−P紙A4サイズ(重量64g/m)で行った。
(評価基準)
◎:非オフセット領域が30℃以上である。
○:非オフセット領域が20℃以上である。
×:非オフセット領域が20℃以下である。
試験3(耐久性)
試験1と同様の装置を用い、通常の環境(25℃、50%RH)の下で、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)に5%印字画像を10,000枚連続印字した後、ベタ画像を印字し、画像の劣化を評価する。
同時にドクターブレードを取り外し、ブレード上のトナーの融着状態を観察する。
(評価基準)
◎:画像劣化は見られず、ドクターブレード上のトナーの融着も確認されない。
○:画像劣化は見られず、実用上の問題はないが、ドクターブレード上にトナーの融着が認められる。
×:画像劣化が見られ、実用上問題あり。ドクターブレード上にトナーの融着が発生した。
実施例、比較例及び従来例に係るトナーについて、以上の各特性についての評価を行った。その結果を下記表に示す。
Figure 2006301269
上記表に示す結果より、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含む原料を溶融し、穴の開いたダイより押し出し、糸状の混練物を得た後、切断することにより製造され、結着樹脂とトナーの軟化点が所定の関係を満たす、実施例1〜8に係るトナーは、透明性、定着性及び耐久性のすべてが良好であることがわかる。
これに対し、結着樹脂の軟化点T1が110℃未満(100℃)である比較例1に係るトナーは、軟化点T2が96℃と低すぎて、十分な定着性及び耐久性が得られない。また、結着樹脂の軟化点T1が150℃を超える(158℃)比較例2に係るトナーは、軟化点T2が140℃と高すぎて、十分な透明性が得られない。
また、T1−T2が5℃未満(4℃)である比較例3に係るトナーは、定着性が不十分であり、T1−T2が20℃を超える(25℃)比較例4に係るトナーは、耐久性が不十分である。
なお、結着樹脂とトナーの軟化点が本発明の関係を満たしても、従来の粉砕法により得たトナー(参考例)は、耐久性が劣っていることがわかる。
本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーを得るための糸状の混練物を製造する装置を概略的に示す図。 実施例、比較例及び従来例の電子写真用トナーのT1と(T1−T2)をプロットした特性図。
符号の説明
1・・・ホッパー、2・・・原料、3・・・押出し機、4・・・ダイ、4a・・・紡糸口、4b・・・熱風吐出口、5・・・溶融混練物、6・・・糸状混練物、7・・・コンベア。

Claims (8)

  1. 結着樹脂、着色剤及び離型剤を含む原料を溶融させ、穴の開いたダイから押し出し、トナー相当径を有する糸状混練物を形成した後、切断又は粉砕することにより作製されたトナーであって、前記結着樹脂の軟化点をT1(2種以上の結着樹脂の場合、それらの加重平均をT1とする)、前記トナーの軟化点をT2としたとき、下記式を満足することを特徴とする電子写真用トナー。
    110℃≦T1≦150℃
    5℃≦T1−T2≦20℃
  2. 前記結着樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記離型剤がカルナバワックスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. 平均粒径が5〜7μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 前記結着樹脂の軟化点T1が110℃〜130℃であり、前記トナーの軟化点T2が100℃〜120℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  6. 前記原料の溶融温度が、T1+80℃〜T1+120℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  7. 前記T1とT2が、0.85≦T2/T1≦0.95の関係を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  8. ガラス転移点が54℃以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用トナー。
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