JP7424113B2 - 圧電体および液体吐出ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、圧電体および液体吐出ヘッドに関する。
インクを吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電体で変形させることで圧力発生室内のインクを加圧してノズル開口からインクを吐出させる液体吐出ヘッド、例えばインクジェットヘッドには、圧電体の厚み方向に伸長収縮する動作を振動板に連動させて変形させる圧電アクチュエータと、厚み方向に対して垂直方向に伸長収縮することで生じるたわみ力を利用して振動板を変形させる圧電アクチェーターの2種類が既に知られている。
前記した圧電アクチュエータとして用いられる圧電体膜材料として、ペロブスカイト型の強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)がよく知られている。このPZT材料は、他の材料と比較して極めて良好な圧電性並びに強誘電性を有すると共に、利用可能な温度範囲が広い特徴を有することから、圧電アクチュエータのみならず、強誘電性を生かした電子デバイスなどの幅広い分野に応用されている。
前記PZT材料を、たわみ力を利用する圧電アクチェーターとしてインクジェットヘッドに活用する場合、振動板の上部に下部電極が成膜されたシリコン基板上に、スパッタリング法、あるいはゾルゲル法やMOD法などのCSD法(Chemical Solution Deposition: 化学溶液堆積法)によって、PZT材料を数μm程度の薄膜に成膜する手法が知られている。
そして前記ゾルゲル法に代表されるCSD法は、基板上に塗布する前駆体液中の(金属)成分組成を容易に変更・制御することが可能で、それにより、得られる圧電体膜となる複合酸化物結晶膜の組成と圧電体膜としての特性を制御できる特徴を有している。
前記したCSD法による圧電体膜(強誘電体膜)の形成方法について以下に記載する。
始めに下部電極が成膜されたシリコン基板上に、形成する圧電体膜の複合酸化物組成に合わせて合成された前駆体液をスピンコート法等によって塗布し、前駆体液の塗膜を基板上に形成する(塗布工程)。
次に前記前駆体液塗膜を第一の加熱温度(乾燥温度)まで加熱して塗膜中に残された溶媒を蒸発させ、前駆体液塗膜を乾燥させた乾燥膜を基板上に形成する(乾燥工程)。
続いて、第一の加熱温度(乾燥温度)より高い第二の加熱温度(熱分解温度)まで乾燥膜を加熱して乾燥膜中の有機成分を分解し、複合酸化物のアモルファス膜を基板上に形成し(熱分解工程あるいは脱脂工程とも称される)、その後冷却する(冷却工程)。
この前駆体液塗膜の塗布、乾燥、熱分解の工程を所定回数繰り返した後に第二の加熱温度(熱分解温度)より高い第三の加熱温度(結晶化温度)まで基板上に形成されたアモルファス膜を加熱して結晶化を行い、圧電体特性を有する複合酸化物結晶膜を形成する(結晶化工程)。
そしてさらに前記した前駆体液の塗布から結晶化までの工程を所定回数繰り返し、最後に複合酸化物結晶膜を冷却する(冷却工程)ことによって、所望の厚みの複合酸化物結晶膜からなる圧電体膜を形成する。
このCSD法の工程フローを図1に示す。図1に示す工程フローでは、塗布工程、乾燥工程、熱分解工程および冷却工程をX回繰り返した後、結晶化を行う結晶化工程をY回繰り返す、つまり前駆体液の塗布を(X*Y)回行って所望の厚みの圧電体膜を形成する工程となっている。
また、前記のように所望の厚みの圧電体膜を形成させるために、Y回の結晶化工程を繰り返し、薄い複合酸化物結晶膜をY層重ねる操作を行っているため、得られた圧電体膜中には、(Y-1) の数だけ薄い複合酸化物結晶膜間の界面が存在する。
また、前記CSD法のプロセスにて、前記PZT材料を用いて圧電体膜を形成させる場合、得られる圧電体膜の厚み方向でジルコニウム(以下Zrと記載)とチタン(以下Tiと記載)の組成比(以下Zr/Ti比と記載)が変動することが知られている。
この圧電体膜の厚み方向のZr/Ti比変動について、PZT材料は一般的にチタン酸鉛結晶とジルコン酸鉛結晶の固溶体からなるが、チタン酸鉛の結晶化温度とジルコン酸鉛の結晶化温度を比較すると、チタン酸鉛の方が低いため、1回の結晶化工程の中で、チタン酸鉛の方が速く結晶化し、ジルコン酸鉛は遅れて結晶化しながら両者は固溶体を形成するため、Y層重ねられている各複合酸化物結晶膜の下部電極側ではTiが多く、各複合酸化物結晶膜の上側ではZrが多くなるような組成の偏析・Zr/Ti比の変動が生じることが知られている。
そこで前記Zr/Ti比変動を抑制するため、Y回繰り返す結晶化工程の中で各X回行われる前駆体液の塗布・塗膜の形成に関し、下側となる前駆体液の塗膜ほどZr比が大きく(Ti比が小さく)、上側ほどTi比が大きく(Zr比が小さく)なるように、前駆体液中のZr/Ti比を変化させる手法が知られている(例えば特許文献1および2参照)。
しかしながら、上記従来技術ではいずれも、得られるアクチュエータの性能ばらつきが大きく、歩留まりが低下するという問題点がある。
したがって本発明の目的は、得られるアクチュエータの性能ばらつきを小さくして歩留まりを向上し得る、圧電体を提供することにある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)電極上に、少なくともZr、TiおよびPbを含む結晶膜が複数積層されてなる圧電体であって、
前記複数積層された結晶薄膜のそれぞれはいずれも、積層方向におけるZr/Ti比の変動幅が5%以下であり、前記結晶薄膜間の積層界面前後におけるZr/Ti比の変動幅が5%以下であることを特徴とする圧電体。
本発明によれば、得られるアクチュエータの性能ばらつきを小さくして歩留まりを向上し得る、圧電体を提供することができる。
CSD法の工程フローである。 本発明の圧電体の製造に使用できる自動成膜装置の平面図である。 PZT結晶膜のSEM断面像である。 結晶膜内部の組成変動を示す図である。 前駆体液をシリコン基板上に塗布するスピナー塗布装置を説明するための図である。 本発明に係る圧電素子の一例の断面模式図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一例の断面模式図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例を示す模式図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の他の例を示す模式図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
本発明の圧電体は、電極上に、少なくともZr、TiおよびPbを含む結晶膜が複数積層され、前記複数形成された結晶膜のそれぞれはいずれも、厚み方向におけるZr/Ti比の変動幅が5%以下であることを特徴とする。
この構成により、アクチュエータ性能が向上すると同時にアクチュエータの性能ばらつきも小さくなって、歩留まりが向上する。
従来技術の圧電体は、前記複数形成された結晶膜のそれぞれのZr/Ti比変動が大きく、本発明の効果を奏することができない。
本発明において、前記複数の結晶膜の界面間でのZr/Ti比の変動幅を5%以下に制御する方法は、下記で詳しく説明するが、先に図1で示したCSD法の工程フローにて、塗布工程、乾燥工程、熱分解工程および冷却工程をX回繰り返す際の、塗布工程に用いられる前駆体の組成に特徴がある。すなわち、塗布工程、乾燥工程、熱分解工程および冷却工程をX回繰り返して形成される積層アモルファス膜の下層(繰り返し数が少ない側)ほど比較的結晶化がし難いZr成分の量を多くしている(成分比を高くしている)。
図2は、本発明の圧電体の製造に使用できる自動成膜装置の平面図である。図2の自動成膜装置100は下部電極が成膜されたシリコン基板(図示せず)を1枚ずつ流動させる枚葉式装置であって、基板を収納する収納部材101、基板を装置内の各装置へ搬送する搬送装置102、自動成膜装置100内における基板受け渡し位置ならびに自動成膜装置100を構成する各装置内での基板位置決め・芯だしを行うアライナー103、強誘電体膜の前駆体液を基板上に塗布するスピナー塗布装置104、塗布された前駆体膜の乾燥を行うホットプレート105、乾燥膜の熱分解工程並びに結晶化工程の熱処理を行うRTA(Rapid Thermal Annealing)装置106、RTA装置106での熱処理後のウェハ冷却を行う冷却ステージ107から構成される。
図2の自動成膜装置100では、熱分解工程と結晶化工程を共通のRTA装置1台で行っているが、熱分解工程と結晶化工程をそれぞれ別にした2台のRTA装置で行う、あるいは熱分解工程をホットプレート、さらに結晶化工程をRTA装置で行う構成としてもよい。
収納部材101に収納されたシリコン基板は、搬送装置102により、まず始めにアライナー103によって基板の位置決め・芯だしがなされた後、図1に示すフロー図に従って、図1中の各工程を担当する各装置間を流動する。前記したアライナー103によって位置決め・芯だしがなされたシリコン基板は、まずスピナー塗布装置104に投入されて前駆体液が塗布され、続いて前駆体液の塗膜が形成された基板(図示せず)は、搬送装置102によってホットプレート105に投入され、塗布された前駆体塗膜の加熱・乾燥処理を行う。乾燥工程を終えたシリコン基板は、搬送装置102によってRTA装置106に投入され、前駆体乾燥膜の加熱・熱分解処理を行い、冷却ステージ107によって冷却される。続いて前記した塗布工程ないし冷却工程を所定回数(X回)繰り返した後、RTA装置106にて、熱分解温度より高い結晶化温度までシリコン基板上に成膜された積層アモルファス膜を加熱して結晶化を行い、薄いPZT結晶薄膜を形成させる。そして前記した塗布工程ないし結晶化工程を所定回数(Y回)繰り返して薄いPZT結晶薄膜を積層成膜することによって、所望の厚みを持ったPZT結晶膜を形成し、これをさらに加工することによって、目的の圧電体を得る。なお、こうして得られたPZT結晶膜のSEM断面像を図3に示す。図3のSEM断面像を参照すると、薄いPZT結晶薄膜をY回繰り返し積層した結果として、積層された各PZT結晶薄膜の間に、(Y-1)の数の界面の存在を確認することができる。
前記した内部に界面を有するPZT結晶膜について、膜の最表面から下部電極までの厚み方向における膜内部の組成変動をEDS分析した結果を図4に示す(従来例)。グラフ横軸左端が膜の最表面であり、グラフ横軸右端が電極側である。この図4に示すように、複数形成された結晶薄膜を積層した構成の結晶膜(全体)は、その内部の界面前後においてジルコニウムとチタンの組成変動が大きい、つまり界面前後の膜表面側でジルコニウムの量が少なく(チタンの量が多い)、電極側でジルコニウムの量が多く(チタンの量が少ない)なる。換言すれば、厚み方向において結晶膜の電極側に対向する面を表面側としたときに、複数の結晶薄膜を重ねて形成された結晶膜中の個別結晶膜のそれぞれはいずれも、その結晶界面を境にして表面側でZr/Ti比が小さく、電極側でZr/Ti比が大きくなるような組成変動が生じている。
図4に示される前記Zr/Ti比の変動は、(X回)繰り返す塗布工程ないし熱分解工程にて同じPZT組成(Zr/Ti)比の前駆体液を用いた場合にみられる現象であり、10%を超えるほどの組成変動を示している。一方、本発明では、この組成変動を5%以下に抑制しているため、得られるPZT結晶膜は、極めて良好な特性を示すことが明らかとなった。
すなわち、本発明の圧電体は、前記複数形成された結晶膜のそれぞれはいずれも、厚み方向におけるZr/Ti比の変動幅が5%以下である。
本発明において、前記厚み方向におけるZr/Ti比の変動幅を5%以下にする具体的な手段としては、結晶化工程の前に所定回数(X回)繰り返す塗布~乾燥~熱分解~冷却工程に使用する前駆体液に関し、1回目・2回目…X回目と、塗布する順序が後になるほど、前駆体液中のTiの含有率が多くなるように前駆体液中のZr/Ti比を変化させる手法を採用することに加えて、前記塗布回数ごとに変化させるZr/Ti比の変化の度合いについて、結晶化工程にて使用する加熱装置(RTA装置)の昇温性能に対して最適化させることが挙げられる。
さらに詳しく説明すると、結晶化工程に使用するRTA装置の昇温性能について、特に熱分解工程にて設定される温度(通例380~500℃程度)から結晶化温度(通例680~750℃程度)まで基板温度を昇温させる昇温時間が短いほど前記塗布回数ごとに変化させるZr/Ti比の変化の度合いを小さく、逆に昇温時間が長くなるに従って塗布回数ごとのZr/Ti比変化の度合いを大きくすることによって、RTA装置の昇温性能に応じて変化する結晶化工程中に生じる厚み方向のZr/Ti比変動・偏析を極小化させることができる。
また、前記厚み方向におけるZr/Ti比の変動幅とは、前記複数の結晶層を重ねて形成された結晶膜において、結晶膜の最表面から下部電極まで引いた鉛直軸沿い各位置におけるZr量(atomic%)およびTi量(atomic%)をそれぞれ測定し、前記鉛直軸各位置のZr/Ti比を算出、算出した鉛直軸沿いZr/Ti比の最大値と最小値の差分を求めて得られる値である。
また、前記厚み方向鉛直軸沿い各位置におけるZr量(atomic%)および前記Ti量(atomic%)は、EDS分析により求めることができる。EDS分析の詳細は以下の通りである。
FIB搭載のCarl Zeiss製SEM 型式Nvision 40にサーモフィッシャー社製のEDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)のユニットを取り付けたエネルギー分散型X線分析装置 NSS212Eにて測定を行った。
分析時のエネルギー条件は最大15keVにて、デッドタイム20以上となる様にSEMのアパーチャーを調節し、ライン分析により実施した。
また、厚み方向において前記結晶膜の前記電極側に対向する面を表面側としたときに、前記結晶膜間に形成された前記電極側の界面のZr/Ti比が、前記表面側に形成された界面のZr/Ti比と等しくすれば、得られるアクチュエータの性能ばらつきを最も低減させることができる。
次にPZT結晶膜形成プロセスにおける塗布工程の実施形態について説明する。
図5は、前駆体液をシリコン基板上に塗布するスピナー塗布装置144を示している。スピナー塗布装置144は、シリコン基板5を吸着保持するスピナーチャック111、図示しないスピンドルモーターと連結してスピナーチャック111に吸着保持されたシリコンウェハ基板5を図示しない制御装置に入力されたプログラムに従って回転させるスピンドル112、前駆体液を収納し、この前駆体液を加圧ガスによって加圧する加圧容器114、加圧された前駆体液をアーム115先端に装着されたノズル116まで流送する送液ライン117によって構成される。とくに本実施形態では、前駆体液をシリコン基板5上に滴下するための、加圧タンク114、送液ライン117、アーム115およびノズル116を、前記結晶化工程の前に行われる塗布工程ないし熱分解工程の所定回数(X回)に相当するX個有し、各加圧容器114には、容器間でそれぞれ異なる組成を有するPZT前駆体液が収納されている。
そして塗布回数(1回目、2回目・・・・、X回目)に応じて前駆体液の液中に分散されているPZT組成成分の組成が異なる。具体的に述べると、上述のように、1回目に塗布されるPZT前駆体液中のジルコニウム成分量(Zr/Ti比)が最も多く、塗布回数が増すに従って液中のジルコニウム成分量(Zr/Ti比)を順次下げた前駆体液をシリコン基板5上に滴下・塗布を行い、図1の工程フローに示した成膜プロセスに投入し、所望の膜厚を有するPZT結晶膜を成膜する。
このようなプロセスによって得られたPZT結晶膜は、結晶化工程における加熱プロセスにて生じる膜中の厚み方向の組成偏析を補うように、結晶化工程以前のアモルファス膜積層回数に合わせて組成を変化させた前駆体液を用いて成膜しているので、厚み方向の組成均一性が高く、かつその厚み方向のZr/Ti比変動幅が規定された範囲内に制御されているため、良好な圧電体特性が得られる。
本発明の結晶膜は、チタン酸ジルコン酸鉛からなるPZT結晶膜であるのが好適であり、該PZT結晶膜は、PbZrXTi(1-X)O3(0.40<x≦0.60)で表されるペロブスカイト型結晶の結晶膜が好ましく、PbZr0.53Ti0.47O3で示されるMPB組成を有するものが最適である。
次に、本発明の結晶膜、圧電体ならびに該圧電体を用いた電子機器について説明する。
本発明の結晶膜は、前記前駆体液の結晶化物からなる。
本発明の圧電体は、本発明の結晶膜の上面と下面に夫々電極を設けてなる。
本発明の電子機器は、本発明の圧電体の駆動によって稼働する、液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを備えたプリンター/印刷装置などの液体吐出装置および液体吐出ユニット等が挙げられる。
以下、前記電子機器の一例として液体吐出ヘッド、液体吐出装置、液体吐出ユニットについて、とくにインクジェットヘッドの形態を例にとり説明する。
本発明に係る結晶膜(以下、PZT結晶膜積層構造体と言う)の一実施形態について、図6を用いて説明する。図6は、本発明に係る圧電体の一例の断面模式図である。本発明の圧電体は、本発明の結晶膜の上面と下面に夫々電極を設けてなり、本発明の結晶膜は、前記前駆体液の結晶化物からなる。また、本実施形態のPZT結晶膜積層構造体を有する液体吐出ヘッドについて、図7を用いて説明する。図6及び図7は断面を模式的に示している。
図6には基板10、振動板11、下地膜20(密着層21、下部電極22、配向性制御層23)、圧電体膜30(PZT結晶膜)、上部電極40(導電性酸化物層41、上部電極層42)、保護層50が図示されている。また、図7には、ノズル孔79、ノズル基板80、加圧液室70が図示されている。各構成を説明する。
<基板>
基板10としては、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、100~600μmの厚みを持つことが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)の3種が挙げられ、半導体産業では一般的に(100)、(111)が広く使用されている。本実施形態においては、主に(100)の面方位を持つ単結晶基板を使用している。
また、図7に示すような加圧液室70を作製する場合、エッチングを利用してシリコン単結晶基板を加工するが、この場合のエッチング方法としては、異方性エッチングを用いることが一般的である。
異方性エッチングとは結晶構造の面方位に対してエッチング速度が異なる性質を利用したものである。例えばKOH等のアルカリ溶液に浸漬させた異方性エッチングでは、(100)面に比べて(111)面は約1/400程度のエッチング速度となる。
従って、面方位(100)では約54.74°の傾斜を持つ構造体が作製できるのに対して、面方位(110)では深い溝をほることができるため、より剛性を保ちつつ、配列密度を高くすることができる。本実施形態としては(110)の面方位を持った単結晶基板を使用することも可能である。ただし、この場合、マスク材であるSiOもエッチングされてしまうということが挙げられるため、この辺りも留意して利用することが好ましい。
<振動板>
振動板11としては、図76に示すように圧電体膜30によって発生した力を受けて、振動板11が変形変位して、加圧液室70のインク滴を吐出させる。そのため、振動板11としては所定の強度を有するものであることが好ましい。
なお、振動板11は単一の材料で構成してもよいし、複数の材料で複数の膜を積層して構成してもよい。
振動板11の形成方法は、スパッタ法、スパッタ法と熱酸化法の組み合わせ、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等が挙げられる。本実施形態では、積層する場合は、LPCVD(Low Pressure CVD)法により作製したものを用いている。LPCVD法で成膜された膜で構成された振動板においては、半導体、MEMSデバイスで一般的に従来から適用されている膜であり、加工もしやすいことから、新たなプロセス課題を持ち込まないため好ましい。また、SOI(Silicon on Insulator)等の高価な基板を用いることなく、安定した振動板が得られる。
振動板11の表面粗さとしては、算術平均粗さで4nm以下が好ましい。この範囲を超えると、その後成膜したPZTの絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなることがある。
振動板11の材料としては、ポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜やその組み合わせ等が挙げられる。
振動板11における一例を説明する。
まず、(100)の面方位を持つシリコン単結晶基板に振動板構成膜として、例えばLPCVD法(あるいは熱処理製膜法で)でシリコン酸化膜(例えば厚さ200nm)を成膜し、その後ポリシリコン膜(例えば厚さ500nm)を成膜する。ポリシリコン層の厚さが0.1~3μm、表面粗さが算術平均粗さで5nm以下であることが望ましい。次に振動板構成膜として、LPCVD法でシリコン窒化膜を成膜する。
<下地膜>
次に、振動板11上に形成される下地膜20について説明する。図示されているように、密着層21、下部電極22、配向性制御層23は下地膜20を形成し、配向性制御層23は圧電体膜30の結晶性を左右するとなるため特に重要である。
密着層21は必ずしも積層される必要があるわけではないが、下部電極22に白金(Pt)等を使用する場合には、振動板11との密着性を考慮し、Ti、TiO、Ta、Ta、Ta等からなる密着層21を積層することが好ましい。密着層21の作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が一般的である。
下地膜20の膜厚としては、20~500nmが好ましく、100~300nmがさらに好ましい。
密着層21の膜厚としては、50~90nmが好ましい。
下部電極22の膜厚としては、140~200nmが好ましい。
配向性制御層23の膜厚としては、5~10nmが好ましい。
また、下部電極22の材料としては、(111)配向性が高いPtが好ましく、X線回折によりPtの結晶性を評価したときに、そのピーク強度の高いPt膜が得られる。
下部電極22上に配向性制御層23を成膜する。配向性制御層としては、酸化チタン又はチタン酸鉛が好ましい。酸化チタン膜は、その上に積層するゾルゲル液のPZTとの反応を生じ、TiリッチなPZT結晶膜を生成することができるため、好ましい。Tiリッチな膜はPZT(100)の結晶源として働き、さらに積層するPZT結晶膜の(100)又は(001)主配向を形成できる。
配向性制御層23としては、酸化チタン膜でなくとも、直接チタン酸鉛であってよい。チタン酸鉛は直接的にPZT(100)の結晶源として働き、さらに積層するPZT結晶膜の(100)又は(001)主配向を形成できるため、好ましい。
<PZT結晶膜>
次に、本実施形態に係る圧電体膜30(PZT結晶膜)について説明する。
圧電体膜30は、本発明の前駆体液から作製することができる。
圧電体膜30は、スパッタ法もしくはゾルゲル法を用いてスピンコーターにより作製することができる。その場合は、パターニングが必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。
本発明においては、特にゾルゲル法をはじめとするCSD法であることが好ましい。例えばゾルゲル法によりPZT結晶膜を形成する場合、PZT結晶膜の前駆体液を配向性制御層23に塗布し、焼成することにより形成した上に、前駆体液をスピンコート法等によって塗布し、前駆体液の塗膜を基板上に形成する(塗布工程)。
次に前記前駆体液塗膜を第一の加熱温度(乾燥温度)まで加熱して塗膜中に残された溶媒を蒸発させ、前駆体液塗膜を乾燥させた乾燥膜を基板上に形成する(乾燥工程)。
続いて、第一の加熱温度(乾燥温度)より高い第二の加熱温度(熱分解温度)まで乾燥膜を加熱して乾燥膜中の有機成分を分解し、複合酸化物のアモルファス膜を基板上に形成し(熱分解工程あるいは脱脂工程とも称される)、その後冷却する(冷却工程)。
この前駆体液塗膜の塗布、乾燥、熱分解の工程を所定回数繰り返した後に第二の加熱温度(熱分解温度)より高い第三の加熱温度(結晶化温度)まで基板上に形成されたアモルファス膜を加熱して結晶化を行い、圧電体特性を有する複合酸化物結晶薄膜を形成する(結晶化工程)。
そしてさらに前記した前駆体液の塗布から結晶化までの工程を所定回数繰り返し、最後に複合酸化物結晶膜を冷却する(冷却工程)ことによって、所望の厚みの複合酸化物結晶膜からなる圧電体膜を形成する。
PZT結晶膜をゾルゲル法により作製する場合、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ均一溶液を得ることで、PZT前駆体液を作製できる。
金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加してもよい。
前記アルコキシドとしては、メトキシエトキシドであることが好ましく、前駆体液は、酢酸鉛と、Tiのメトキシエトキシドと、Zrのメトキシエトキシドとを含むことが好ましい。
下地の全面にPZT結晶薄膜を得る場合、スピンコートなどの溶液塗布法により塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことでPZT結晶薄膜が得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100nm以下の膜厚が得られるように前駆体液の濃度を調整することが好ましい。
PZT結晶膜の膜厚としては0.5~5μmが好ましく、さらに好ましくは1μm~2μmである。上記範囲より小さいと十分な変位を発生することができなくなり、上記範囲より大きいと何層も積層させていく場合、工程数が多くなりプロセス時間が長くなる。
<上部電極>
本実施形態の上部電極40は導電性酸化物層41と上部電極層42から構成されている。上部電極としては特に制限はなく、Al、Cuなどの一般に半導体プロセスで用いられる材料及びその組み合わせが挙げられる。また、導電性酸化物層41、上部電極層42は特に制限されるものではないが、導電性酸化物層41としては、PZTとの密着性がよく、同じペロブスカイト系の構造を持つSRO(SrRuO3)が好ましく、上部電極層42としては、Ptが好ましい。
また、導電性酸化物層41の厚みとしては、35~50nmが好ましい。
また、上部電極層42の厚みとしては、100~150nmが好ましい。
<保護層>
保護層50の材料としては、酸化アルミニウム、酸化タンタル等が挙げられる。
保護層50の厚みとしては、40~70nmが好ましい。
保護層50としては、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法により形成することができる。
(液体吐出装置、液体吐出ユニット)
次に、本発明に係る液体吐出装置の一例について図8及び図9を参照して説明する。図8は同装置の要部平面説明図、図9は同装置の要部側面説明図である。
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド404及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズル11からなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
この装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズル11が形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
このように、この装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
1)前駆体液の合成
出発材料として、酢酸鉛三水和物、ジルコニウムプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、共通溶媒として2-メトキシエタノールを採用し、以下に記す3種類の前駆体液(原液)を合成した。
1-1)鉛:ジルコニウム:チタン比(モル比)=110:59:41前駆体溶液(Zr濃度+Ti濃度=0.5mol/L)
1-2)鉛:ジルコニウム:チタン比(モル比)=110:53:47前駆体溶液(Zr濃度+Ti濃度=0.5mol/L)
1-3)鉛:ジルコニウム:チタン比(モル比)=110:47:53前駆体溶液(Zr濃度+Ti濃度=0.5mol/L)
前記した前駆体液の合成は次の通りである。
上記3種類の前駆体液それぞれについて、はじめに、それぞれ狙いとする化学量論組成に合わせて所定量秤量した酢酸鉛三水和物を2-メトキシエタノールに溶解させた後、乾燥雰囲気下で2-メトキシエタノールの沸点(125℃)を超える溶液温度、好ましくは130℃~135℃の溶液温度にて12時間加熱させた。この間、結晶水を2-メトキシエタノールとともに分留・脱水させると共に、酢酸鉛の酢酸基と2-メトキシエタノールのメトキシエトキシ基が置換する反応が進む(脱水工程)。
次に、前記した酢酸鉛三水和物の脱水工程が終了した後、溶液温度を80℃以下に下げた状態で所定量のジルコニウムプロポキシド並びにチタニウムイソプロポキシドを投入し、再び2-メトキシエタノールの沸点(125℃)を超える溶液温度、好ましくは128℃~130℃の溶液温度にて12時間加熱させた。この間、ジルコニウムプロポキシドのプロピル基並びにチタニウムイソプロポキシドのイソプロピル基と2-メトキシエタノールのメトキシエトキシ基が置換するアルコール交換反応、酢酸鉛の酢酸基とアルコール基間のエステル化反応が生じる。これら副反応生成物を2-メトキシエタノールとともに分留させると共に、溶液中の鉛化合物、ジルコニウム化合物、チタニウム化合物間にも重合反応が進む。
そして、前記反応が完了、加熱を停止させて室温まで冷却した合成液に、所定の濃度になるように、2-メトキシエタノールを加えて前駆体液を完成させた。
2)PZT膜の成膜
前記 1)にて合成した3種類の前駆体液を図5 に示す前駆体液の加圧容器114にそれぞれセットした(X=3)。
そして図2に示す自動成膜装置100の収納部材101に収納されたシリコン基板は、搬送装置102により、まず始めにアライナー103によって基板の位置決め・芯だしが成された後、スピナー塗布装置104に投入し、加圧容器114と連通した系統の塗布ラインを稼動させて1回目の前駆体液1-1)を滴下、続いてスピンコート装置104によって最大3000rpmで回転させて前駆体液1-1)の塗膜をシリコン基板5上に形成した(図1のフロー図のX=1の塗布工程)。
次に搬送装置102により、主溶媒の沸点より高い140℃に加熱されたホットプレート105に1分間投入され、シリコン基板5上に乾燥膜が形成した(図1のフロー図のX=1の乾燥工程)。
続いてシリコン基板5は、搬送装置102により、RTA装置106に投入され、熱分解温度=480℃にて5分間加熱し、前駆体の乾燥膜中の有機物成分を分解させ、一層目のアモルファス膜を得た(図1のフロー図のX=1の熱分解工程)。
続いてシリコン基板5は、搬送装置102により冷却ステージ107に移動し、冷却ステージ107上に2分間(以上)留め置かれることによりウェハ温度を室温まで冷却した(図1のフロー図のX=1の冷却工程)。
そして前記した塗布工程ないし冷却工程までのプロセスをさらに2回(合計3回)繰り返した。ただし、2回目のプロセスでは前駆体液1-2)、3回目のプロセスでは前駆体液1-3)、つまり含まれるジルコニウム成分の量(Zr/Ti比)が順次少なくなるように前駆体液を滴下、塗布、乾燥させて3層積層したアモルファス膜を得た後、ウェハはふたたび搬送装置102によって、RTA装置106に投入され、室温から結晶化温度=750℃まで80msecの昇温時間で昇温させた後、その温度を6分間保持・加熱して3層積層したアモルファス膜を結晶化し、厚さ:約80nmのPZT結晶薄膜を得た(図1のフロー図のX=3、Y=1の結晶化工程)。
そしてさらに、前記した塗布工程ないし結晶化工程までのプロセスを24回繰り返すことで厚さ約2μmのPZT膜を得た。
前記したプロセスにて得られた、複数形成された結晶薄膜のそれぞれはいずれも、厚み方向におけるZr/Ti比の変動幅が4.7%であり、本発明にて規定した変動幅5%以下を満たしているとともに、このPZT膜をアクチュエータに加工・組み入れて製造したインクジェットヘッドにて、インク滴を吐出させるのに必要な駆動電圧を、従来のCSD法にて成膜したPZT膜(前記Zr/Ti比の変動量が11%)を使用したインクジェットヘッドの駆動電圧と比較すると、11%低い駆動電圧でインク滴の吐出が可能になること(アクチュエータ性能の向上)を確認した。
100 自動成膜装置
101 収納部材
102 搬送装置
103 アライナー
104 スピナー塗布装置
105 ホットプレート
106 RTA装置
107 冷却ステージ
5 シリコン基板
111 スピナーチャック
112 スピンドル
114 加圧容器
115 アーム
116 ノズル
117 送液ライン
10 基板
11 振動板
20 下地膜
21 密着層
22 下部電極
23 配向性制御層
30 圧電体膜
40 上部電極
41 導電性酸化物層
42 上部電極層
50 保護層
70 加圧液室
79 ノズル孔
80 ノズル基板
201 基板
202 振動板
203 圧力封止板
204 圧力室
205 第1電極
206 アクチュエータ
207 第2電極
401 ガイド部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
405 主走査モータ
406 駆動プーリ
407 従動プーリ
408 タイミングベルト
410 用紙
412 搬送ベルト
413 搬送ローラ
414 テンションローラ
421 キャップ部材
422 ワイパ部材
440 液体吐出ユニット
441 ヘッドタンク
442 カバー
443 コネクタ
444 流路部品
450 液体カートリッジ
451 カートリッジホルダ
452 送液ユニット
456 チューブ
491A、491B 側板
491C 背板
493 主走査移動機構
494 供給機構
495 搬送機構
特開2013-12655号公報 特開2003-17421号公報

Claims (4)

  1. 少なくともZr、TiおよびPbを含む結晶薄膜が複数積層されてなる結晶膜からなる圧電体であって、
    前記複数積層された結晶薄膜のそれぞれはいずれも、積層方向におけるZr/Ti比の変動幅が5%以下であり、前記結晶薄膜間の積層界面前後におけるZr/Ti比の変動幅が5%以下であることを特徴とする圧電体。
  2. 前記複数積層された結晶薄膜はいずれも100nm以下である請求項1に記載の圧電体。
  3. 前記圧電体の厚みが0.5~5μmである請求項1または2に記載の圧電体。
  4. 液体を吐出するノズルと、
    前記ノズルに通じる液室と、
    前記液室内の前記液体を加圧する圧電体とを備え、
    前記圧電体が請求項1~3のいずれかに記載の圧電体である液体吐出ヘッド。
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