JP7176329B2 - 強誘電体薄膜の形成方法ならびに圧電素子および液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

強誘電体薄膜の形成方法ならびに圧電素子および液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、強誘電体薄膜形成用溶液、強誘電体薄膜、圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体吐出装置および圧電装置に関する。
インクを吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子で変形させることで圧力発生室内のインクを加圧してノズル開口からインクを吐出させるインクジェット記録ヘッドには、バルク形状の圧電素子を、印加する電界方向に伸長収縮させ、振動板を前後に圧して変形させる方式と、薄膜形状の圧電素子を、印加する電界方向に対して垂直方向に伸長収縮させ、振動板をたわませて変形させる方式の2種類の圧電アクチェーターが既に知られている。
前記した圧電アクチュエータとして用いられる圧電体材料として、ペロブスカイト型の強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)材料がよく知られている。このPZT材料は、他の材料と比較して極めて良好な圧電性並びに強誘電性を有すると共に、利用可能な温度範囲が広い特徴を有することから、圧電アクチュエータのみならず、強誘電性を生かした電子デバイスなどの幅広い分野に応用されている。
前記したPZT材料を使用して、特に薄膜形状の圧電アクチュエータを製作する場合、下部電極を成膜したシリコンウェハ上に、各種成膜方法、例えばゾルゲル法、スパッタ法、CVD法などの多くの手法にて通常1~3μmの厚さのPZT膜を成膜した後、さらに多数の公知技術が知られているSi-MEMSプロセス加工が、前記PZT膜に加えられることによって、圧電アクチュエータを製作する。そして、さらに他の構成部品と組み合わせることによって、インクジェットヘッド等の各種アプリケーションに利用されている。
前記成膜方法のうち、中でもゾルゲル法はPZTの前駆体溶液となる金属のアルコキシド溶液を混合した前駆体溶液を、スピンコートやディップコートによってシリコンウェハ上に塗布し、乾燥、脱脂、結晶化といった加熱プロセスを経てPZT膜を成膜する方法である(例えば特許文献1参照)。この方法では金属アルコキシドを原子レベルで分散させることができるため、組成不均一が発生しにくいことや1000℃以下の低温焼結が可能となるというメリットがある。一方で、乾燥、脱脂、結晶化といった加熱プロセス中では、溶媒の除去、残留有機物の除去、結晶化、鉛抜けといった様々な現象が発生し、液、加熱温度、雰囲気などの様々な要因がPZT膜の結晶性、配向性、電気特性などへ密接に関係している。脱脂までの工程が不十分な状態で結晶化を行うと、結晶化工程中に有機成分の脱離が発生し、空孔やクラックの発生へと繋がる。また結晶化温度によっても影響を受け、低い結晶化温度では圧電性を示さないパイロクロア相の発現が確認されている。またそれ以上の結晶化温度においても、温度によって正方晶比(c/a)が変化するなど結晶性への影響が報告されている。
また加熱プロセス中の鉛抜けは、成膜後のPZT膜の組成ずれの原因となる。一般的にPZTはMPB組成(Morphotropic Phase Boundary)と呼ばれるPbZr0.53Ti0.47O3で示される組成比でもっとも高い圧電特性を示すことが知られている。しかし鉛は蒸気圧が高く、加熱プロセス中で揮発していくため(鉛抜けと呼ばれる)、最終的に生成した膜で組成ずれを発生しやすい。そのため一般的には組成中にMPB組成以上のPbを含有させることで、組成ずれを防いでいる。
一般的にPZT膜の管理方法としては、X線回折、元素分析、電気特性などを指標とする方法が知られている。
例えば特許文献2には、好ましいアクチュエータ性能を出現するPZT膜結晶のX線回折強度プロファイルが開示されている。特許文献2は本出願人によって開示されたものであり、少なくとも第一電極、圧電体、第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子において、前記圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ-2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる位置(2θ)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブ中に回折強度の落ち込み部分を有することを特徴とする電気機械変換素子を開示している。このような素子は、圧電体における圧電効果による変形(歪変位)を大きくして、駆動対象である変位板をより大きく変位させることが可能となることが確認されている。
また特許文献3には、前記した結晶性状のPZT膜結晶を成膜・製作するための下部電極構成・構造が開示されている。
しかし、上述のX線回折や電気特性評価といったPZT膜特性の確認方法では、PZT膜の性能をダイレクトに評価できる一方で、評価するまでに成膜や電極の形成等を繰り返し行うため、非常に数多くの工程が必要となるという問題点がある。一方で不良が発生した場合は、加熱プロセス中の温度、雰囲気、時間といった様々な要因を調べる必要があり、たとえ前駆体溶液に原因があったとしても、その原因に到達するまでには過度の試行錯誤を必要としていた。
一方、前記特許文献2に開示された結晶性状を有するPZT膜を得るために、成膜手法としてゾルゲル法を採用し、各成膜プロセスの条件を設定し、所望の結晶性状・膜品質を有するPZT膜が得られたことを確認した上で、その条件でさらに繰り返し成膜操作を行なうと、得られるPZT膜の圧電特性が変動するという問題点が見出された。本発明者らは、この品質ばらつきの問題について詳細に調査を進めたところ、加熱プロセス中の雰囲気、温度、前駆体溶液中の組成に相違がないことが確認された。一方で、成膜されたPZT膜において良好な圧電特性を示すものと、そうでないものに関して二次イオン質量分析法(SIMS)や示差‐熱重量分析法(Tg-DTA)による分析をおこなったところ、PZT膜中に含まれるPb量に差異があることが分かった。これらの結果よりPZT膜中に残存するPb量の変動が圧電特性のばらつきの原因であることが判明した。
しかし、成膜プロセスおよびSIMSによる分析を繰り返し行うというPZT膜の管理方法は、コスト、時間、分析の高度性等の観点から、現実的に不可能である。
したがって本発明の目的は、良好な圧電特性を有する強誘電体薄膜をばらつきなく得ることのできる、強誘電体薄膜形成用溶液を提供することにある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)鉛とジルコニウムとチタンとを含む強誘電体薄膜形成用溶液を加熱して脱脂処理および結晶化処理を順次行って強誘電体薄膜を形成する強誘電体薄膜の形成方法であって、
前記脱脂処理した後の処理物1の質量を質量Aとし、前記結晶化処理した後の処理物2の質量を質量Bとしたときに、下記式(1)で定義される減少率が、5.0%以上6.5%以下となるように前記脱脂処理および前記結晶化処理を行う、
ことを特徴とする強誘電体薄膜の形成方法
減少率 = {(質量A-質量B)/質量A} × 100(%) 式(1)
本発明によれば、良好な圧電特性を有する強誘電体薄膜をばらつきなく得ることのできる、強誘電体薄膜形成用溶液が提供される。
本発明に係る液体吐出ヘッドの一例を模式的に示す分解斜視図である。 本発明に係る圧電素子の一例の断面模式図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一例の断面模式図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例を示す模式図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の他の例を示す模式図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの一例を示す模式図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの他の例を示す模式図である。 本発明の強誘電体薄膜形成用溶液(前駆体溶液)の調製手順を説明するためのフロー図である。 実施例で用いた液体吐出ヘッドを説明するための概略断面図である。 実施例におけるPZT膜中のPbの量をSIMSで分析した結果である。 実施例におけるPZT膜中のZrの量をSIMSで分析した結果である。 実施例におけるPZT膜中のTiの量をSIMSで分析した結果である。 実施例における前駆体溶液のTg-DTA分析の結果を示す図である。 実施例における前駆体溶液を異なる温度で処理した場合のFT-IR分析の結果を示す図である。 実施例の良品および不良品における、前駆体溶液の減少率と振動板の変位との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態では、強誘電体薄膜としてPZT膜を用いた場合について説明する。
まず、下記の説明で示される一連の化学反応式を記載する。
(1) 酢酸鉛の脱水
Pb(OOCCH3)2・3H2O → Pb(OOCCH3)2 + 3H2O↑
(酢酸鉛三水和物) (酢酸鉛) ((脱離)結晶水)

(2)酢酸鉛酢酸基と2-メトキシエタノール(のアルコール基)との置換反応
Pb(OOCCH3)2 + 2CH3O-CH2CH2OH
(2-メトキシエタノール)
→ CH3-COO-Pb-OCH2CH2OCH3 + CH3CO-OCH2CH2-OCH3 + H2O
(酢酸鉛-2-メトキシエチル) (酢酸-2-メトキシエチル)

(3)ジルコニウムプロポキシドと2-メトキシエタノールとのアルコール交換反応
Zr[O-(CH2)2CH3]4 + 4CH3O-CH2CH2OH
(ジルコニウム n-プロポキシド)
→ Zr [-OCH2CH2OCH3]4 + 4CH3(CH2)2OH
(ジルコニウム2-メトキシエトキシド) (n-プロパノール)

(4)チタニウム i-プロポキシドと2-メトキシエタノールとのアルコール交換反応
Ti[O-(CH2)2CH3]4 + 4CH3O-CH2CH2OH
(チタニウム i-プロポキシド)
→ Zr [-OCH2CH2OCH3]4 + 4(CH3)2CHOH
(チタニウム2-メトキシエトキシド) (i-プロパノール)

(5)酢酸n-プロピルを形成するエステル反応
CH3COOH + CH3(CH2)2OH → CH3COO(CH2)2CH3 + H2O
(酢酸n-プロピル)

(6)酢酸i-プロピルを形成するエステル反応
CH3COOH + CH3(CH2)2OH → CH3COOCH(CH3)2 + H2O
(酢酸i-プロピル)
従来のゾルゲル法にてPZT膜を得るのに用いる強誘電体薄膜形成用溶液(以下、前駆体溶液と呼ぶことがある)を得るのに公知な手法は、出発材料として酢酸鉛三水和物、ジルコニウムプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、共通溶媒として2-メトキシエタノールを採用する手法である(例えば非特許文献1:M.Sayer, G Yi, M Sedlar “Comparative Sol-Gel Processing of PZT Thin Films”, Integrated Ferroelectrics, 7, 1995, pp.247-258参照)。
前記手法では初めに、酢酸鉛三水和物の結晶粉末を狙いの化学量論比に合わせて秤量、共通溶媒の2-メトキシエタノールに溶解させた上、さらに加熱して結晶水を脱離させた(脱水工程)後、狙いの化学量論比に合わせて秤量したジルコニウムプロポキシド、チタニウムイソプロポキシドを加えてさらに所定時間加熱して得た溶液を、室温まで冷却した後に計量し、所望の濃度になるように共通溶媒を追加すると共に、所定の安定剤を加えることによって所望のPZT組成の前駆体溶液を得る。
前記した前駆体溶液の合成プロセスにおいて、前半の脱水工程では、酢酸鉛三水和物の結晶水を脱離させて共通溶媒とともに反応系外に取り出す(化学反応式(1))「脱水」とともに、化学反応式(2)に示す、鉛元素と結合した2つの酢酸基の一つが溶媒の2-メトキシエタノールのアルコール基と入れ替わると同時に、鉛元素から離れた酢酸基が2-メトキシエタノールとエステル反応を生じている(非特許文献2:Sangeeta D. Ramamurithi and David A.Payne “Structural Investigations of Prehydrolyzed Precursors Used in the Sol-Gel Processing of Lead Titanate”, J.Am.Ceram.Soc., 73(8), 1990, pp.2547-51参照)。
また、ジルコニウムプロポキシド、チタニウムイソプロポキシドを加えた前駆体溶液合成反応の後半では、もともとジルコニウム並びにチタンと結合していた(低級)アルコール基が、(より沸点が高い)溶媒の2-メトキシエタノールのアルコール基と入れ替わり(いわゆる「アルコール交換反応」)、それらジルコニウム並びにチタンから離れた低級アルコールを共通溶媒とともに反応系外に取り出すとともに、ジルコニウム並びにチタンから離れた低級アルコールと鉛元素から離れた酢酸基との間でエステル反応が生じている(化学反応式(3)~(6))。
上述のように、成膜されたPZT膜において良好な圧電特性を示すものと、そうでないものに関して二次イオン質量分析法(SIMS)や示差‐熱重量分析法(Tg-DTA)による分析をおこなったところ、PZT膜中に含まれるPb量に差異があることが分かった。さらに本発明者らは検討を行った結果、結晶化処理の際の加熱によって液中の分子の結合状態や配位状態が変動し、鉛の抜け易さに差異が生じ、結果的にPZT膜中の組成比が変動していたと推測された。したがって、本発明者らは、前記前駆体溶液の合成プロセスについて、多数の前駆体溶液の合成バッチに対して詳細な解析(NMR測定)を行った結果、前記化学反応式(1)~(6)に示した反応の進捗度合い、特に化学反応式(2)に示す、鉛元素と結合した2つの酢酸基の一つが溶媒の2-メトキシエタノールのアルコール基と入れ替わる反応の進捗度合いが合成バッチ間で比較的大きく変動していることが明らかになった。そして、化学反応式(2)の進捗度合いが低いと認められる前駆体溶液中には、酢酸鉛の形態で残留する鉛元素の比率が比較的高いこと、残留酢酸鉛の多い前駆体溶液を熱分析に掛けると、分析中の重量減少比が小さいこと、さらにこのような前駆体溶液を使用して成膜したPZT膜中には、鉛元素が過剰に残留し、その結晶性状・膜特性は所望の品質よりも劣ることが確認された。
以上から、前駆体溶液を加熱して脱脂処理および結晶化処理を順次行った際、結晶化処理前後の処理物の質量の減少率を測定することで、前駆体溶液としての鉛の抜けやすさを規定することができ、結果として、本発明によれば、良好な圧電特性を有する強誘電体薄膜をばらつきなく得ることができる。
前記知見から、本発明の強誘電体薄膜形成用溶液(前駆体溶液)は、鉛とジルコニウムとチタンとを含み、前記前駆体溶液を加熱して脱脂処理および結晶化処理を順次行った際、前記脱脂処理した後の処理物1の質量を質量Aとし、前記結晶化処理した後の処理物2の質量を質量Bとしたときに、下記式(1)で定義される減少率が、5.0%以上6.5%以下であることを特徴とする。
減少率 = {(質量A-質量B)/質量A} × 100(%) 式(1)
典型的には、前記脱脂処理を300℃で行い、前記前駆体溶液の質量減少の変動率が30分間にわたり0.05%以下となる時点で前記脱脂処理を終了させ、その状態から昇温速度10℃/分で700℃まで昇温させ結晶化処理を行い、得られた前駆体溶液の前記式(1)で定義される減少率が、5.0%以上6.5%以下であることが好ましい。
つまり、前駆体溶液の質量減少の変動率が一定の値に落ち着くまで300℃で脱脂処理を行い、脱脂処理の終了と同時に結晶化処理のために速度10℃/分で昇温を行う。そして、前駆体溶液が700℃まで達した時点(この時点では、前駆体溶液は粉末状になっている)で結晶化処理を終了する。
さらに本発明者らの検討によれば、良好な圧電特性を有する強誘電体薄膜をばらつきなく得ることのできる前駆体溶液とするためには、過剰に加えた鉛量と前記減少率との関係を特定するのが有効であることを見い出した。具体的には、下記式(2)を満たすことが好ましい。
{17.86/(207.2×α+323.5)}×100≦減少率(%)≦{22.32/(207.2×α+323.5)}×100 式(2)
式(2)中、αは強誘電体薄膜の目的とする鉛量に対して過剰に加えた鉛量(mol%)である。
図8は、本発明の強誘電体薄膜形成用溶液(前駆体溶液)の調製手順を説明するためのフロー図である。
まず、前記のように、酢酸鉛三水和物の結晶粉末を狙いの化学量論比に合わせて秤量し、共通溶媒の2-メトキシエタノールを加え、酢酸鉛三水和物を溶解させる(S1)。
なお、前駆体溶液は前記MPB組成以上のPbを含有させることで、組成ずれを防いでいる。例えば、Pbは、狙いの化学量論比に対し、例えば5~25mol%、好ましくは10~11mol%過剰に前駆体溶液に加えている。
次いで、得られた溶液に対し、反応雰囲気、溶液温度(例えば125℃~135℃)および反応時間(例えば8時間~24時間)を制御しながら、加熱し、結晶水を脱離させ、酢酸鉛三水和物を脱水すると同時に、酢酸鉛酢酸基と2-メトキシエタノール(のアルコール基)との置換反応を行う(S2)。このとき、溶液を還流させ、留出物(溶媒、結晶水、エステル)を回収する。
次に、狙いの化学量論比に合わせてジルコニウムプロポキシドおよびチタニウムイソプロポキシドを秤量し、前記溶液に投入する(S3)。
続いて、反応雰囲気、溶液温度(例えば125℃~132℃)および反応時間(例えば6時間~16時間)を制御しながら、加熱し、ジルコニウムプロポキシドと2-メトキシエタノールとのアルコール交換反応およびチタニウム i-プロポキシドと2-メトキシエタノールとのアルコール交換反応を行う(S4)。このとき、溶液を還流させ、留出物(溶媒、結晶水、エステル)を回収する。
次に、2-メトキシエタノールと安定剤として酢酸を投入し、所望のPZT組成の前駆体溶液を得る(S5)。得られた前駆体溶液は、必要に応じてフィルタリング、封入を行う。
続いて、前駆体溶液は、例えば下記で説明する配向性制御層のような下地上に塗布し、脱脂処理および結晶化処理を行う。該塗布は1回であることもできるが、塗布、脱脂処理および結晶化処理を複数回繰り返してもよい。
脱脂処理条件としては、加熱温度は例えば80~160℃、好ましくは110~130℃、脱脂時間は例えば1分~10分、好ましくは2分~4分である。
結晶化処理条件としては、加熱温度は例えば650~750℃、好ましくは680~710℃、結晶化時間は例えば1分~10分、好ましくは2分~4分である。
続いて、前記式(1)に基づき、結晶化処理前後の前駆体溶液の質量から減少率を算出する。式(1)で定義される減少率が、5.0%以上6.5%以下であれば、前記MPB組成またはそれに近いPZT膜をばらつきなく得ることができる。
PZT膜は、PbZrXTi(1-X)O3(0.40<x≦0.60)で表されるペロブスカイト型結晶の強誘電体薄膜が好ましく、PbZr0.53Ti0.47O3で示されるMPB組成を有するものが最適である。
次に、本発明の強誘電体薄膜、圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体吐出装置および圧電装置について説明する。
本発明の強誘電体薄膜は、強誘電体薄膜形成用溶液を用いて形成される。
本発明の圧電素子は、本発明の強誘電体薄膜の上面と下面に夫々電極を設けてなる。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル孔に連通する加圧液室を有する流路形成基板と、前記加圧液室の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、前記振動板上に、本発明の圧電素子と、を備える。
本発明の液体吐出ユニットは、本発明の液体吐出ヘッドを備える。
本発明の液体吐出装置は、本発明の液体吐出ヘッドまたは液体吐出ユニットを備える。
本発明の圧電素子は、本発明の圧電素子を備える。
まず、本発明に係る液体吐出ヘッドの一実施形態における分解斜視図を図1に示す。
図1には、ノズル孔79、ノズル基板80、加圧液室70(キャビティーなどとも称される)、流路形成基板71、共通液室72、振動板11(成膜振動板などとも称される)、圧電体薄膜素子73が図示されている。また、アクチュエーター部逃げ74Aを有するサブフレーム76が図示されている。
本実施形態の液体吐出ヘッドは、圧電体薄膜素子73を複数個搭載し、複数の加圧液室70を有している。また、本実施形態の液体吐出ヘッドには、複数の加圧液室70にそれぞれ連通した共通液室72が設けられている。
流路形成基板71には加圧液室70、共通液室72が形成されており、圧電体薄膜素子73が入り込み、駆動できるように設けられたアクチュエーター部逃げ74Aを有するサブフレーム76が接合される。また、サブフレーム76にはインク流路74Bが設けられ、このインク流路74Bは、サブフレーム76を流路形成基板71に接合させたとき、共通液室72に連結される。
また、流路形成基板71には、複数個のノズル孔79を有するノズル基板80が接合され、ノズル基板80と流路形成基板71を接合させると、各ノズル孔79は加圧液室70にそれぞれ対応した位置に配置される。本発明の強誘電体薄膜(以下、PZT膜積層構造体と言う)を有する圧電体薄膜素子73により加圧液室70に圧力が発生し、ノズル孔79から液体が吐出される。
本発明に係るPZT膜積層構造体の一実施形態について、図2を用いて説明する。また、本実施形態のPZT膜積層構造体を有する液体吐出ヘッドについて、図3を用いて説明する。図2及び図3は断面を模式的に示している。
図2には基板10、振動板11、下地膜20(密着層21、下部電極22、配向性制御層23)、圧電体膜30(PZT膜)、上部電極40(導電性酸化物層41、上部電極層42)、保護層50が図示されている。また、図3には、ノズル孔79、ノズル基板80、加圧液室70が図示されている。各構成を説明する。
<基板>
基板10としては、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、100~600μmの厚みを持つことが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)の3種が挙げられ、半導体産業では一般的に(100)、(111)が広く使用されている。本実施形態においては、主に(100)の面方位を持つ単結晶基板を使用している。
また、図3に示すような加圧液室70を作製する場合、エッチングを利用してシリコン単結晶基板を加工するが、この場合のエッチング方法としては、異方性エッチングを用いることが一般的である。
異方性エッチングとは結晶構造の面方位に対してエッチング速度が異なる性質を利用したものである。例えばKOH等のアルカリ溶液に浸漬させた異方性エッチングでは、(100)面に比べて(111)面は約1/400程度のエッチング速度となる。
従って、面方位(100)では約54.74°の傾斜を持つ構造体が作製できるのに対して、面方位(110)では深い溝をほることができるため、より剛性を保ちつつ、配列密度を高くすることができる。本実施形態としては(110)の面方位を持った単結晶基板を使用することも可能である。ただし、この場合、マスク材であるSiOもエッチングされてしまうということが挙げられるため、この辺りも留意して利用することが好ましい。
<振動板>
振動板11としては、図3に示すように圧電体膜30によって発生した力を受けて、振動板11が変形変位して、加圧液室70のインク滴を吐出させる。そのため、振動板11としては所定の強度を有するものであることが好ましい。
なお、振動板11は単一の材料で構成してもよいし、複数の材料で複数の膜を積層して構成してもよい。
振動板11の形成方法は、スパッタ法、スパッタ法と熱酸化法の組み合わせ、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等が挙げられる。本実施形態では、積層する場合は、LPCVD(Low Pressure CVD)法により作製したものを用いている。LPCVD法で成膜された膜で構成された振動板においては、半導体、MEMSデバイスで一般的に従来から適用されている膜であり、加工もしやすいことから、新たなプロセス課題を持ち込まないため好ましい。また、SOI(Silicon on Insulator)等の高価な基板を用いることなく、安定した振動板が得られる。
振動板11の表面粗さとしては、算術平均粗さで4nm以下が好ましい。この範囲を超えると、その後成膜したPZTの絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなることがある。
振動板11の材料としては、ポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜やその組み合わせ等が挙げられる。
振動板11における一例を説明する。
まず、(100)の面方位を持つシリコン単結晶基板に振動板構成膜として、例えばLPCVD法(あるいは熱処理製膜法で)でシリコン酸化膜(例えば厚さ200nm)を成膜し、その後ポリシリコン膜(例えば厚さ500nm)を成膜する。ポリシリコン層の厚さが0.1~3μm、表面粗さが算術平均粗さで5nm以下であることが望ましい。次に振動板構成膜として、LPCVD法でシリコン窒化膜を成膜する。
<下地膜>
次に、振動板11上に形成される下地膜20について説明する。図示されているように、密着層21、下部電極22、配向性制御層23は下地膜20を形成し、配向性制御層23は圧電体膜30の結晶性を左右するとなるため特に重要である。
密着層21は必ずしも積層される必要があるわけではないが、下部電極22に白金(Pt)等を使用する場合には、振動板11との密着性を考慮し、Ti、TiO、Ta、Ta、Ta等からなる密着層21を積層することが好ましい。密着層21の作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が一般的である。
下地膜20の膜厚としては、20~500nmが好ましく、100~300nmがさらに好ましい。
密着層21の膜厚としては、50~90nmが好ましい。
下部電極22の膜厚としては、140~200nmが好ましい。
配向性制御層23の膜厚としては、5~10nmが好ましい。
また、下部電極22の材料としては、(111)配向性が高いPtが好ましく、X線回折によりPtの結晶性を評価したときに、そのピーク強度の高いPt膜が得られる。
下部電極22上に配向性制御層23を成膜する。配向性制御層としては、酸化チタン又はチタン酸鉛が好ましい。酸化チタン膜は、その上に積層するゾルゲル液のPZTとの反応を生じ、TiリッチなPZT膜を生成することができるため、好ましい。Tiリッチな膜はPZT(100)の結晶源として働き、さらに積層するPZT膜の(100)又は(001)主配向を形成できる。
配向性制御層23としては、酸化チタン膜でなくとも、直接チタン酸鉛であってよい。チタン酸鉛は直接的にPZT(100)の結晶源として働き、さらに積層するPZT膜の(100)又は(001)主配向を形成できるため、好ましい。
<PZT膜>
次に、本実施形態に係る圧電体膜30(PZT膜)について説明する。
圧電体膜30は、本発明の強誘電体薄膜形成用溶液から作製することができる。
圧電体膜30は、スパッタ法もしくはゾルゲル法を用いてスピンコーターにより作製することができる。その場合は、パターニングが必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。
本発明においては、特にゾルゲル法であることが好ましく、ゾルゲル法によりPZT膜を形成する場合、PZT膜の前駆体溶液を配向性制御層23に塗布し、焼成することにより形成する。PZT膜は1層であってもよいが、塗布及び焼成を繰り返して形成することが好ましい。すなわち、前駆体溶液の塗布及び焼成を複数繰り返す工程を行ってPZT膜を形成する。この場合、前駆体溶液の塗布及び焼成を複数繰り返す工程を行い、この工程の後、さらに加熱し、PZT膜を形成することが好ましい。
これは、2段階の焼成とも称される。ゾルゲル液のスピンコート後の焼成として、有機成分を放出させるための加熱(1段階目)と膜を結晶化させるためのより高温での加熱(2段階目)の2段階焼成を行うことが好ましい。1段階目の加熱はスピンコート毎に実施し、2層目、3層目と同様の1段階目の加熱をした後に、3層まとめて2段階目のより高温の焼成を行う。
PZTをゾルゲル法により作製する場合、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ均一溶液を得ることで、PZT前駆体溶液を作製できる。
金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加してもよい。
前記アルコキシドとしては、メトキシエトキシドであることが好ましく、前駆体溶液は、酢酸鉛と、Tiのメトキシエトキシドと、Zrのメトキシエトキシドとを含むことが好ましい。
下地の全面にPZT膜を得る場合、スピンコートなどの溶液塗布法により塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことでPZT膜が得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100nm以下の膜厚が得られるように前駆体溶液の濃度を調整することが好ましい。
PZT膜の膜厚としては0.5~5μmが好ましく、さらに好ましくは1μm~2μmである。上記範囲より小さいと十分な変位を発生することができなくなり、上記範囲より大きいと何層も積層させていく場合、工程数が多くなりプロセス時間が長くなる。
<上部電極>
本実施形態の上部電極40は導電性酸化物層41と上部電極層42から構成されている。上部電極としては特に制限はなく、Al、Cuなどの一般に半導体プロセスで用いられる材料及びその組み合わせが挙げられる。また、導電性酸化物層41、上部電極層42は特に制限されるものではないが、導電性酸化物層41としては、PZTとの密着性がよく、同じペロブスカイト系の構造を持つSRO(SrRuO3)が好ましく、上部電極層42としては、Ptが好ましい。
また、導電性酸化物層41の厚みとしては、35~50nmが好ましい。
また、上部電極層42の厚みとしては、100~150nmが好ましい。
<保護層>
保護層50の材料としては、酸化アルミニウム、酸化タンタル等が挙げられる。
保護層50の厚みとしては、40~70nmが好ましい。
保護層50としては、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法により形成することができる。
(液体吐出装置、液体吐出ユニット)
次に、本発明に係る液体吐出装置の一例について図4及び図5を参照して説明する。図4は同装置の要部平面説明図、図5は同装置の要部側面説明図である。
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド404及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズル11からなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
この装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズル11が形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
このように、この装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの他の例について図6を参照して説明する。図6は同ユニットの要部平面説明図である。
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。
なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例について図7を参照して説明する。図7は同ユニットの正面説明図である。
この液体吐出ユニットは、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド404と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド404と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
本発明において、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、インク、処理液、DNA試料、レジスト、パターン材料、結着剤、造形液、又は、アミノ酸、たんぱく質、カルシウムを含む溶液及び分散液なども含まれる。
また、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体吐出装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、図5で示した液体吐出ユニット440のように、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、図6で示したように、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、図7で示したように、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
また、「液体吐出ヘッド」は、使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、上記実施形態で説明したような圧電アクチュエーター(積層型圧電素子を使用するものでもよい。)以外にも、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエーター、振動板と対向電極からなる静電アクチュエーターなどを使用するものでもよい。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
本発明の圧電装置は、本発明の圧電素子を備えることを特徴とし、上記の液体吐出ヘッド、液体吐出ユニットおよび液体吐出装置以外にも、アクチュエータ、センサ、スピーカ、超音波モータ、光学機器、振動装置、撮像装置等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されない。なお、以下の実施例は、強誘電体薄膜としてPZT膜を用いた例である。
(前駆体溶液の合成)
本実施例ではゾルゲル法を利用したPb、Zr、Tiからなる前駆体溶液について説明するが、一般的に特性向上のために、V、Nb、Ta、Sb、Mo、W、K、Na、Li、Bi、La、Ba等のその他の元素を添加することもできる。前記その他の元素は、例えば、PZT膜中、例えば0~20モル%含むことができる。
前記化学反応式(1)~(6)および図8に記載のフローに基づいて前駆体溶液を合成した。
出発材料としては、酢酸鉛三水和物Pb(CHCOO)・3HO、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシドZr(OCHCHCH、チタニウムテトライソプロポキシドTi[OCH(CHを用いた。
これらの出発材料を用いて、Pb(Zr0.53Ti0.47)O、一般的にはPZT(53/47)と称されるジルコン酸チタン酸鉛の化学量論組成となるように合成を行った。一般的にPZTのような鉛を含む複合酸化物を作製する場合には、熱処理中の鉛抜けを想定し、上述のように出発材料に化学量論組成に比べて5~25mol%程度Pbを過剰に加えることが一般的である。本実施の形態1では鉛量が10mol%過剰になる組成、即ちPb1.10(Zr0.53Ti0.47)Oとなるように各出発材料を秤量した。
秤量後、まず酢酸鉛三水和物を2-メトキシエタノールCHOCHCHOHに溶解した後、溶媒の沸点にて加熱・還流し、水和物の脱水および酢酸鉛のアルコール交換処理を行った。
続いて脱水・アルコ-ル交換処理した前記酢酸鉛の2-メトキシエタノール溶液に対し、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシドおよびチタニウムテトライソプロポキシドを投入して加熱・還流し、アルコール交換反応、重縮合反応を進行させた。溶媒沸点に達した後の保持時間は12時間とする。最後に安定剤として微量の酢酸CHCOOHを添加した。
ここで、本実施例で用いた液体吐出ヘッドについて説明する。図9は、本実施例で用いた液体吐出ヘッドを説明するための概略断面図である。
液体吐出ヘッドは第1電極205、第2電極207、アクチュエータ206、振動板202、基板201、基板内側壁に囲まれた圧力室204、吐出穴を有する圧力封止板203より形成されている。
基板201の材料としては、(100)の面方位を持つシリコン単結晶基板を用いた。
振動板202はアクチュエータ206としてのPZT膜によって発生した力を受け、変形変位して圧力室のインク滴を吐出させるため、所定の強度を有したものであることが好ましい。材料としては上述の材料のほか、Si、SiO、SiをCVD法により作製したものが挙げられる。また振動板202は、PZT膜の使用を考慮すると、線膨張係数8×10-6(1/K)に近い線膨張係数として、5×10-6~10×10-6の線膨張係数を有する材料が好ましく、さらには7×10-6~9×10-6の線膨張係数を有する材料がより好ましい。さらに振動板202は引張応力あるいは圧縮応力を持つ複数の膜をLPCVDにより積層させることで構築されていることが望ましい。その理由は、単層膜の場合SOIウェハが挙げられるが、その場合ウェハコストが非常にかかり、また曲げ剛性を揃えようとした時に任意の膜応力に設定できない。一方、積層振動板の場合、その積層構成を最適化することにより、振動板の剛性と膜応力を所望の値に設定する自由度を得ることができるため、振動板全体の剛性および応力の制御を、積層化とその膜厚、並びに積層構成の組み合わせで実現できる。したがって、圧電素子(電極層、強誘電体層)の材料、膜厚に適時対応でき、圧電素子の焼成温度による振動板の剛性、応力の変動が少なく安定した振動板が得られることから、液滴吐出特性を高精度にでき、かつ安定した液体吐出ヘッドを実現できる。
第1電極205は金属材料、密着層および導電性酸化物層からなり、金属材料としては従来から高い耐熱性と低い反応性を有する白金が用いられているが、鉛に対しては十分なバリア性を持つとはいえない場合もあり、イリジウム、白金-ロジウムなどの白金族元素や、これら合金膜等も使用することができる。白金を使用する場合には下地(特にSiO)との密着性が悪いために、Ti、TiO、Ta、Ta、Ta等の上に白金を積層することが好ましい。第1電極205の作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が一般的であり、膜厚としては、0.05~1μmが好ましく、0.1~0.5μmがさらに好ましい。また白金は、その結晶性として(111)配向を有していることが好ましい。そのために第1電極205としては、(111)配向性が高い白金選択することが好ましい。また、PZT膜の変位の経時的な疲労特性に対する懸念から、第1電極205とPZT膜との間には、ルテニウム酸ストロンチウムなどの導電性酸化物を介在させることが好ましく、本実施例ではこの形態を採用した。
この第1電極205上に上記作成した前駆体溶液を単結晶シリコン基板等の基板上にスピンコート法を利用して塗布した後、溶媒の除去、脱脂処理および結晶化処理を順次行った。通常一層当たりの塗布の厚さは厚すぎるとクラックの原因となるため、100nm以下が望ましい。この一層あたりのプロセスを所望の膜厚となるまで繰り返し行う。また、結晶化処理を毎回行わず、塗布数回に一回実施するなどし、クラック発生を防止してもよい。
本実施例では、溶媒の除去を120℃で行い、脱脂処理は、300℃の条件で行った。また結晶化処理は、700℃の条件を採用し、スピンコート塗布を3回行う毎にRTA装置による結晶化処理を実施した。なお、スピンコート塗布、溶媒の除去および脱脂処理を3回行い、その後に結晶化処理を行った後のRZT膜の膜厚は、240nmであった。この工程を計10回(30層)実施し、約2.0μmのPZT膜を得た。
第2電極207も第1電極205と同様に白金などの金属材料を用い、白金とPZT膜との間にルテニウム酸ストロンチウムなどの導電性酸化物を積層させて構成される。
次に圧力室204を形成するために、アルカリ溶液(KOH溶液、あるいはTMHA溶液)で異方性ウェットエッチングをおこない、短手方向の幅が60μmとなる圧力室を形成し、図9に示されるような液体吐出ヘッドを作製した。
上記液体吐出ヘッドのうち、所望の液滴吐出速度を満たすもの(良品)と満たさないもの(不良品)について、各種膜厚のPZT膜中のPb、Zr、Tiの量をSIMSにて分析した。その結果を図10~12に示す。SIMS分析の結果より、とくに図10の結果より、良品ではPZT膜中に残留するPbの量が不良品対して少ないことが分かる。また、図11~12に示すように、PZT膜中のZr、Tiの量は、良品、不良品間で差がないことが分かる。なお、前駆体溶液中の元素濃度や工程中のプロセス等は、各液体吐出ヘッド間で変更していない。以上のことから、上述のNMR測定の結果と同様に、前記化学反応式(1)~(6)に示した反応の進捗度合い、特に化学反応式(2)に示す、鉛元素と結合した2つの酢酸基の一つが溶媒の2-メトキシエタノールのアルコール基と入れ替わる反応の進捗度によって、PZT膜中の鉛量が変化し、これが原因となって液体吐出ヘッドの良品および不良品が生じるものと推測された。
次にこれらの結果を受け、液滴吐出速度の異なる液体吐出ヘッドに使用した各種前駆体溶液のTg-DTAを実施した。Tg-DTAの温度プロファイルと重量減少を図13(a)および(b)に示す。Tg-DTAの温度プロファイルは一定の昇温レートで加熱していく中での示差熱や重量変化を観測するのが一般的である。しかし本実施例では、高温領域における鉛抜けによる重量減少のみの観測を目的とするので、有機物が分解する温度よりも高く、かつ結晶化が始まる温度よりも低い領域において前駆体溶液を十分に安定化させる必要がある。本実施例では300℃にて脱脂処理を行い、有機物の分解が十分に完了したうえで、結晶化処理の温度領域まで加熱されるように2段階の温度プロファイルを用いた。しかし前駆体溶液の種類によっては、この温度プロファイルが最適な形態ではない場合もあるため、適宜示差熱なども参考にして、最適な温度プロファイルを設定するのが好ましい。図13に示す結果では、初期のゆっくりな重量減少から300℃近傍で急激な重量減少が生じている。またこの時に示差熱においても吸熱反応を示していることから有機物の分解が起きていると推測される。その後300℃に到達後も徐々に重量減少が進行していき、100分を超えた辺りから安定した重量となる。すなわち、前駆体溶液の初期の重量に対する重量減少の度合いが30分以上にわたり0.05%以下となっている。その後450℃付近まで重量減少が見られないことからも、十分に有機物が分解していることが伺える。
図14は、異なる温度で処理した前駆体液のFT-IR分析の結果を示すチャートである。図14から、有機物特有の水酸基を現す3500cm-1近辺のピークは300℃から400℃の間を境に消失しており、ほとんどの有機物は300℃前後で分解していることが分かる。さらに450℃を超えた付近で、急激な発熱と共に重量減少が発生することが分かった。急激な発熱を示していることから、燃焼や結晶化が進行していることが推測される。またTgを測定したところ、一度重量が微増した後に重量減少が進行していることからも、酸素との結合による燃焼反応が進行していることが分かる。脱脂処理後の加熱の際に、吸着水や残存水酸基の脱離と共に、鉛の揮発も発生していると推測される。
以上の知見から、本発明者らは鋭意研究をさらに重ねた結果、脱脂処理を300℃で行い、前駆体溶液の質量減少の変動率が30分間にわたり0.05%以下となる時点で前記脱脂処理を終了させ、その状態から昇温速度10℃/分で700℃まで昇温させ結晶化処理を行ったときに、得られた前駆体溶液の前記式(1)で定義される減少率が、5.0%以上6.5%以下である場合に、本発明の効果がさらに良好に奏されることが判明した。
この形態において、所望の液滴吐出速度を満たすもの(良品)と満たさないもの(不良品)のについて、前駆体溶液の前記式(1)で定義される減少率は、良品が5.0~6.5%の範囲であり、不良品は、当該範囲外である結果となった。
図15は、前記良品および不良品における、前駆体溶液の前記式(1)で定義される減少率と振動板の変位との関係を示すグラフである。図15において、変位量は相対的に表され、所望の変位の基準値を1.00とした。前駆体溶液は合計4つであり、そのうちの3つは良品を形成し、1つは不良品となった。4つの前駆体溶液について。それぞれ変位量を3回繰り返して調べた。その結果、図15に示すように前駆体溶液の前記式(1)で定義される減少率が5.0%以上6.5%以下である場合に良品が形成され、この範囲を外れた該溶液は、不良品(変位量相対値=0.94以下)となった。また、該減少率と変位量とは良好な相関関係が確認された。この結果は良品、不良品におけるPZT膜中の残存Pb量の傾向とも一致しており、鉛の抜けやすさが変位特性に影響していることが分かった。以上のように前駆体溶液中におけるプロセス中の該減少率を規定することで、アクチュエータの変位特性をより正確に管理することができる。
10 基板
11 振動板
20 下地膜
21 密着層
22 下部電極
23 配向性制御層
30 圧電体膜
40 上部電極
41 導電性酸化物層
42 上部電極層
50 保護層
70 加圧液室
71 流路形成基板
72 共通液室
73 アクチュエーター部
74A アクチュエーター部逃げ
74B インク流路
75 流体抵抗
76 サブフレーム
79 ノズル孔
80 ノズル基板
201 基板
202 振動板
203 圧力封止板
204 圧力室
205 第1電極
206 アクチュエータ
207 第2電極
401 ガイド部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
405 主走査モータ
406 駆動プーリ
407 従動プーリ
408 タイミングベルト
410 用紙
412 搬送ベルト
413 搬送ローラ
414 テンションローラ
421 キャップ部材
422 ワイパ部材
440 液体吐出ユニット
441 ヘッドタンク
442 カバー
443 コネクタ
444 流路部品
450 液体カートリッジ
451 カートリッジホルダ
452 送液ユニット
456 チューブ
491A、491B 側板
491C 背板
493 主走査移動機構
494 供給機構
495 搬送機構
特開2015-207725号公報 特開2017-157773号公報 特許第6156068号公報

Claims (6)

  1. 鉛とジルコニウムとチタンとを含む強誘電体薄膜形成用溶液を加熱して脱脂処理および結晶化処理を順次行って強誘電体薄膜を形成する強誘電体薄膜の形成方法であって、
    前記脱脂処理した後の処理物1の質量を質量Aとし、前記結晶化処理した後の処理物2の質量を質量Bとしたときに、下記式(1)で定義される減少率が、5.0%以上6.5%以下となるように前記脱脂処理および前記結晶化処理を行う、
    ことを特徴とする強誘電体薄膜の形成方法
    減少率 = {(質量A-質量B)/質量A} × 100(%) 式(1)
  2. 前記強誘電体薄膜形成用溶液の前記脱脂処理を300℃で行い、前記強誘電体薄膜形成用溶液の質量減少の変動率が30分間にわたり0.05%以下となる時点で前記脱脂処理を終了させ、その状態から昇温速度10℃/分で700℃まで昇温させ結晶化処理を行い前記式(1)で定義される減少率が、5.0%以上6.5%以下にすることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体薄膜の形成方法
  3. 前記減少率が、下記式(2)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の強誘電体薄膜の形成方法
    {17.86/(207.2×α+323.5)}×100≦減少率(%)≦{22.32/(207.2×α+323.5)}×100 式(2)
    式(2)中、αは強誘電体薄膜の目的とする鉛量に対して過剰に加えた鉛量(mol%)である。
  4. 前記強誘電体薄膜形成用溶液は、V、Nb、Ta、Sb、Mo、W、K、Na、Li、Bi、LaおよびBaからなる群から選択された1種以上をさらに含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の強誘電体薄膜の形成方法
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の強誘電体薄膜の形成方法を用いた圧電体素子の製造方法であって、
    前記強誘電体薄膜の上面と下面に夫々電極を設けることを特徴とする圧電素子の製造方法
  6. 液体を吐出するノズル孔を有するノズル基板と、
    前記ノズル孔に連通する加圧液室を有する流路形成基板と、
    前記加圧液室の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、
    前記振動板上に圧電素子と、を備える液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記圧電素子を請求項5に記載の圧電素子の製造方法により製造することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法
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