JP7421355B2 - 干渉検知装置及び干渉検知プログラム - Google Patents

干渉検知装置及び干渉検知プログラム Download PDF

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Description

本開示は、干渉成分を検知するレーダ技術に関する。
目標の速度を検出するレーダ技術が、特許文献1等に開示されている。従来技術の速度検出処理を図1に示す。同一の期間を有するパルス繰り返し周期t、t、t、t、t、t、tの順序で時間が経過し、レンジR、R、R、R、R、R、Rの順序で距離が増加する。
図1の左欄では、各パルス繰り返し周期t~tでの各レンジR~Rの受信振幅を測定する。図1の中欄では、各パルス繰り返し周期t~tでのレンジRの受信振幅を抽出する。複数のパルス繰り返し周期t~tにわたるレンジRの受信振幅は、目標の速度が有限値であるため、正弦関数で時間変化する。図1の右欄では、複数のパルス繰り返し周期t~tにわたるレンジRの受信振幅の時間変化において、時間領域から周波数領域への変換を実行し、レンジRに存在する目標の速度を検出する。複数のパルス繰り返し周期t~tにわたるレンジRの受信振幅は、干渉成分を混入していないため、レンジRに存在する目標の速度を反映するピーク周波数fは、小さい分散σを有する。
特開2016-008852号公報
目標の速度を検出するレーダ技術において、他方のレーダ送受信装置からの干渉成分を除去する必要がある。干渉除去処理の解決課題を図2から図5までに示す。
図2及び図3では、自己及び他方のレーダ送受信装置のパルス繰り返し周期は、若干相違しており、このような場合が通常である。図2の左欄では、パルス繰り返し周期t、t、t、t、t、t、tにおいて、それぞれ、レンジR、R、R、R、R、R、Rの受信振幅に干渉成分が混入している。図3の左欄では、PPI表示Pにおいて、渦巻状の干渉領域Iが表示されている。渦巻状の干渉領域Iの表示位置は、時々刻々と回転するように変化している。
図2の中欄では、各パルス繰り返し周期t~tでのレンジRの受信振幅を抽出する。パルス繰り返し周期tでのレンジRの受信振幅は、干渉成分を混入している。そこで、ランクフィルタ等を用いて、パルス繰り返し周期tでのレンジRの受信振幅を、最大値をとる受信振幅として検出し、ゼロ値をとる受信振幅へと置換する。図2の右欄では、複数のパルス繰り返し周期t~tにわたるレンジRの受信振幅の時間変化において、時間領域から周波数領域への変換を実行し、レンジRに存在する目標の速度を検出する。パルス繰り返し周期tでのレンジRの受信振幅は、高周波成分を包含しているため、レンジRに存在する目標の速度を反映するピーク周波数fは、大きい分散σを有する。
図3の右欄では、PPI表示Pにおいて、渦巻状の干渉領域Iが一部しか除去されていない。そして、渦巻状の干渉領域Iを通過する目標Tは、通過中の検出速度の分散σが大きいため、通過中及び通過前後の検出速度が大きく相違し得て、通過前後で同一目標と識別されず追尾処理が不能である。ここで、有人機等では、ユーザの目視により、渦巻状の干渉領域Iを通過する目標Tは、通過前後で同一目標と識別されて追尾処理が可能である。しかし、無人機等では、図3の右欄に示したように、渦巻状の干渉領域Iを通過する目標Tは、通過前後で同一目標と識別されず追尾処理が不能である。
図4及び図5では、自己及び他方のレーダ送受信装置のパルス繰り返し周期は、ほぼ同一であり、このような場合はまれである。図4の左欄では、パルス繰り返し周期t、t、t、t、t、t、tにおいて、それぞれ、レンジR、R、R、R、R、R、Rの受信振幅に干渉成分が混入している。図5の左欄では、PPI表示Pにおいて、真円状の干渉領域Iが表示されている。真円状の干渉領域Iの表示位置は、自己及び他方のレーダ送受信装置の起動タイミングに応じて、相違し得る。
図4の中欄では、各パルス繰り返し周期t~tでのレンジRの受信振幅を抽出する。パルス繰り返し周期t~tでのレンジRの受信振幅は、干渉成分を混入している。そこで、ランクフィルタ等を用いて、パルス繰り返し周期t、tでのレンジRの受信振幅を、最大値をとる受信振幅として検出し、ゼロ値をとる受信振幅へと置換することが考えられるが、全ての干渉成分を完全に除去することはできない。図4の右欄では、複数のパルス繰り返し周期t~tにわたるレンジRの受信振幅の時間変化において、時間領域から周波数領域への変換を実行し、レンジRに存在する目標の速度を検出することが考えられるが、目標の速度を高精度に検出することはできない。
図5の右欄では、PPI表示Pにおいて、真円状の干渉領域Iがほとんど除去されていない。そして、真円状の干渉領域Iを通過する目標Tは、通過中の検出速度の分散σが大きいため、通過中及び通過前後の検出速度が大きく相違し得て、通過前後で同一目標と識別されず追尾処理が不能である。ここで、有人機等では、ユーザの目視により、真円状の干渉領域Iを通過する目標Tは、通過前後で同一目標と識別されて追尾処理が可能である。しかし、無人機等では、図5の右欄に示したように、真円状の干渉領域Iを通過する目標Tは、通過前後で同一目標と識別されず追尾処理が不能である。
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、目標の速度を検出するレーダ技術において、他方のレーダ送受信装置からの干渉成分を高精度に検知することを目的とする。
前記課題を解決するために、複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に干渉成分が混入していれば、複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化を用いた、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度の検出を中止させる。
具体的には、本開示は、複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に干渉成分が混入していれば、前記複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化を用いた、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度の検出を中止させる干渉成分検知部を備えることを特徴とする干渉検知装置である。
また、本開示は、複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に干渉成分が混入していれば、前記複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化を用いた、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度の検出を中止させる干渉成分検知ステップをコンピュータに実行させるための干渉検知プログラムである。
これらの構成によれば、目標の速度を検出するレーダ技術において、他方のレーダ送受信装置からの干渉成分を高精度に検知することができる。
また、本開示は、前記干渉成分検知部は、所定のセクタ幅にわたる各レンジの受信振幅の加算値が加算値閾値より大きいならば、前記所定のセクタ幅にわたる各レンジの受信振幅のうちの前記あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に前記干渉成分が混入していると識別することを特徴とする干渉検知装置である。
この構成によれば、目標の速度を検出するレーダ技術において、他方のレーダ送受信装置からの干渉成分を容易な処理によって高精度に検知することができる。
また、本開示は、前記干渉成分検知部は、全てのセクタの方向において、前記所定のセクタ幅にわたる特定のレンジの受信振幅の加算値が前記加算値閾値より大きいならば、パルス繰り返し周期を現状のパルス繰り返し周期から別個のパルス繰り返し周期へと変更させることを特徴とする干渉検知装置である。
この構成によれば、不感帯が全てのセクタの方向で同一の距離に生じる状況を、不感帯がセクタの方向に応じて異なる距離に生じる状況に、切り替えることができる。
また、本開示は、前記干渉成分が混入されていない前記複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、時間領域から周波数領域への変換を実行し、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度を検出する目標速度検出部をさらに備えることを特徴とする干渉検知装置である。
また、本開示は、前記干渉成分が混入されていない前記複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、時間領域から周波数領域への変換を実行し、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度を検出する目標速度検出ステップを前記干渉成分検知ステップの後にコンピュータに実行させるための干渉検知プログラムである。
この構成によれば、干渉領域においては、干渉成分が混入されている受信振幅を目標の位置及び速度の検出に用いないが、干渉領域を通過する目標についても、通過前後で同一目標と識別されて追尾処理が可能である。
また、本開示は、前記目標速度検出部が検出した各レンジの速度の分散に基づいて、各レンジに目標及びクラッタのうちのいずれが存在するかを識別する目標存在識別部をさらに備えることを特徴とする干渉検知装置である。
この構成によれば、検出した速度分散が干渉成分により不当に大きくならないため、検出した速度分散に基づいて、目標及びクラッタの識別を実行することができる。
また、本開示は、前記目標存在識別部は、前記目標速度検出部が検出した各レンジの速度の分散が分散閾値より大きいならば、各レンジに目標ではなくクラッタが存在すると識別することを特徴とする干渉検知装置である。
この構成によれば、クラッタによる速度分散が、目標による速度分散と比べて、大きい速度分散にまで分布することを、目標及びクラッタの識別に応用することができる。
このように、本開示は、目標の速度を検出するレーダ技術において、他方のレーダ送受信装置からの干渉成分を高精度に検知することができる。
従来技術の速度検出処理を示す図である。 干渉除去処理の解決課題を示す図である。 干渉除去処理の解決課題を示す図である。 干渉除去処理の解決課題を示す図である。 干渉除去処理の解決課題を示す図である。 本開示のレーダシステムの構成を示す図である。 本開示の干渉検知装置の処理を示す図である。 本開示の干渉検知処理を示す図である。 本開示の干渉検知処理を示す図である。 本開示の干渉検知処理を示す図である。 本開示の干渉検知処理を示す図である。 本開示のクラッタ除去処理を示す図である。
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
本開示のレーダシステムの構成を図6に示す。本開示の干渉検知装置の処理を図7に示す。レーダシステムRは、レーダ送受信装置1、干渉検知装置2及びレーダ表示装置3を備え、レーダ送受信装置1において、目標Tからの反射信号を受信するとともに、他のレーダ送受信装置1’からの干渉信号を受信してしまう。干渉検知装置2は、干渉成分検知部21、目標速度検出部22及び目標存在識別部23を備える。干渉検知装置2は、図7に示した干渉検知プログラムをコンピュータ(例えば、CPU等。)にインストールすることにより実現可能であり、図7に示した干渉検知処理をROMを有したIC(例えば、FPGA等。)に実行させることにより実現可能であり、上記のコンピュータ及びROMを有したICを両方とも備えることによっても実現可能である。
図7の各々のステップの順序で、本開示の干渉検知処理を説明する。本開示の干渉検知処理を図8から図11までに示す。本開示のクラッタ除去処理を図12に示す。
干渉成分検知部21は、同一の期間を有する複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に干渉成分が混入しているかを識別する(ステップS1、S2)。以下に、具体的に説明する。
図8及び図9では、自他のレーダ送受信装置1、1’のパルス繰り返し周期は、若干相違しており、このような場合が通常である。図8の左欄では、所定のセクタ幅(すぐ後に説明する。)を有するセクタ領域S、S、S、Sにおいて、それぞれ、主にレンジR、R、R、Rの受信振幅に干渉成分が混入している。図9の左欄では、PPI表示Pにおいて、渦巻状の干渉領域Iが表示されている。渦巻状の干渉領域Iの表示位置は、時々刻々と回転するように変化している。
図8の左欄では、所定のセクタ幅を有するセクタ領域S、S、S、Sにおいて、それぞれ、レンジR、R、R、Rの受信振幅の加算値が加算値閾値より大きい。そこで、干渉成分検知部21は、所定のセクタ幅を有するセクタ領域S、S、S、SにわたるレンジR、R、R、Rの受信振幅のうちの、当該あるパルス繰り返し周期でのレンジR、R、R、Rの受信振幅に、干渉成分が混入していると識別する。
ここで、所定のセクタ幅として、レンジ対セクタの空間内の干渉領域Iの傾き又は目標Tのセクタ方向の大きさに応じて、設定することができる。ただし、図8の左欄では、所定のセクタ幅として、360°を設定することはできない。そして、加算値閾値として、図2の中欄に示した干渉成分の大きさに応じて、設定することができる。
図10及び図11では、自他のレーダ送受信装置1、1’のパルス繰り返し周期は、ほぼ同一であり、このような場合はまれである。図10の左欄では、所定のセクタ幅(すぐ後に説明する。)を有するセクタ領域S、S、S、Sにおいて、それぞれ、レンジR、R、R、Rのみの受信振幅に干渉成分が混入している。図11の左欄では、PPI表示Pにおいて、真円状の干渉領域Iが表示されている。真円状の干渉領域Iの表示位置は、自他のレーダ送受信装置1、1’の起動タイミングに応じて、相違し得る。
図10の左欄では、所定のセクタ幅を有するセクタ領域S、S、S、Sにおいて、それぞれ、レンジR、R、R、Rの受信振幅の加算値が加算値閾値より大きい。そこで、干渉成分検知部21は、所定のセクタ幅を有するセクタ領域S、S、S、SにわたるレンジR、R、R、Rの受信振幅のうちの、当該あるパルス繰り返し周期でのレンジR、R、R、Rの受信振幅に、干渉成分が混入していると識別する。
ここで、所定のセクタ幅として、レンジ対セクタの空間内の干渉領域Iの傾き又は目標Tのセクタ方向の大きさに応じて、設定することができる。そして、図10の左欄では、所定のセクタ幅として、360°を設定することができる。そして、加算値閾値として、図4の中欄に示した干渉成分の大きさに応じて、設定することができる。
干渉成分検知部21は、ステップS2でYESと判定すれば、複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化を用いた、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度の検出を中止させる(ステップS3)。干渉成分検知部21は、ステップS2でNOと判定すれば、ステップS3を実行しない。以下に、具体的に説明する。
図8の右欄では、干渉成分検知部21は、所定のセクタ幅を有するセクタ領域S、S、S、SにわたるレンジR、R、R、Rの受信振幅の時間変化を用いた、レンジR、R、R、Rに存在する目標T又はクラッタCの速度の検出を中止させる。このように、目標Tの速度を検出するレーダ技術において、他方のレーダ送受信装置1’からの干渉成分を容易な処理によって高精度に検知することができる。
図10の右欄では、干渉成分検知部21は、所定のセクタ幅を有するセクタ領域S、S、S、SにわたるレンジR、R、R、Rの受信振幅の時間変化を用いた、レンジR、R、R、Rに存在する目標T又はクラッタCの速度の検出を中止させる。このように、目標Tの速度を検出するレーダ技術において、他方のレーダ送受信装置1’からの干渉成分を容易な処理によって高精度に検知することができる。
干渉成分検知部21は、ステップS2の判定の結果がNOであれば、処理結果を目標速度検出部22及び目標存在識別部23に出力する。つまり、干渉領域Iにおいては、干渉成分が混入されている受信振幅を目標Tの位置及び速度の検出に用いないが、干渉領域Iを通過する目標Tについても、通過前後で同一目標と識別されて追尾処理が可能である。
目標速度検出部22は、直前の段落で説明したように、干渉成分が混入されていない複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、時間領域から周波数領域への変換を実行し、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度を検出する(ステップS4)。以下に、具体的に説明する。
図1の右欄と同様に、目標速度検出部22は、複数のパルス繰り返し周期t~tにわたるレンジRの受信振幅の時間変化において、時間領域から周波数領域への変換を実行し、レンジRに存在する目標Tの速度を検出する。パルス繰り返し周期t~tでのレンジRの受信振幅は、干渉成分を混入しておらず高周波成分を包含していないため、レンジRに存在する目標Tの速度を反映するピーク周波数fは、小さい分散σを有する。
図9の中欄では、PPI表示Pにおいて、渦巻状の干渉領域Iがすべて非出力とされている。そして、渦巻状の干渉領域Iを通過する目標Tは、通過中の検出速度が出力されていないとはいえ、通過前後の検出速度がほぼ同一であり、有人機等のみならず無人機等であっても、通過前後で同一目標と識別されて追尾処理が可能である。
図11の中欄では、PPI表示Pにおいて、真円状の干渉領域Iがすべて非出力とされている。そして、真円状の干渉領域Iを通過する目標Tは、通過中の検出速度が出力されていないとはいえ、通過前後の検出速度がほぼ同一であり、有人機等のみならず無人機等であっても、通過前後で同一目標と識別されて追尾処理が可能である。
目標存在識別部23は、図1の右欄で説明したように、目標速度検出部22が検出した各レンジの速度の分散に基づいて、各レンジに目標及びクラッタのうちのいずれが存在するかを識別する(ステップS5、S6)。以下に、具体的に説明する。
図12では、クラッタCとして、シークラッタが想定されている。変形例として、クラッタCとして、グランドクラッタが想定されてもよい。クラッタCによる速度分散は、ほぼ0の速度分散から大きい速度分散まで分布する。目標Tによる速度分散は、ほぼ0の速度分散から小さい速度分散まで分布する。つまり、クラッタCによる速度分散は、目標Tによる速度分散と比べて、大きい速度分散にまで分布する。なお、クラッタCによる物標速度は、目標Tによる物標速度と比べて、ほぼ同様な物標速度の分布を有する。
目標存在識別部23は、目標速度検出部22が検出した各レンジの速度の分散σが分散閾値より大きいならば(ステップS5でYES)、各レンジに目標TではなくクラッタCが存在すると識別し(ステップS6)、クラッタCをレーダ表示装置3に表示させない。
目標存在識別部23は、目標速度検出部22が検出した各レンジの速度の分散σが分散閾値以下であるならば(ステップS5でNO)、各レンジに目標T(目標Tと識別不能なクラッタCを含む。)が存在すると識別し、目標Tをレーダ表示装置3に表示させる。
ここで、分散閾値として、目標Tによる速度分散の分布の上限の近傍等が挙げられる。そして、好天候(悪天候)に応じて、分散閾値を小さく(大きく)設定してもよい。
図9の右欄では、PPI表示Pにおいて、クラッタCがほとんど除去されている。そして、渦巻状の干渉領域Iを通過する目標Tは、通過前後の検出速度の分散σが小さいため(通過中の検出速度は非出力。)、通過前後でクラッタCとして除去されず、有人機等のみならず無人機等であっても、通過前後で同一目標と識別されて追尾処理が可能である。
図11の右欄では、PPI表示Pにおいて、クラッタCがほとんど除去されている。そして、真円状の干渉領域Iを通過する目標Tは、通過前後の検出速度の分散σが小さいため(通過中の検出速度は非出力。)、通過前後でクラッタCとして除去されず、有人機等のみならず無人機等であっても、通過前後で同一目標と識別されて追尾処理が可能である。
このように、クラッタCによる速度分散が、目標Tによる速度分散と比べて、大きい速度分散にまで分布することを、目標T及びクラッタCの識別に応用することができる。そして、検出した速度分散σが干渉成分により不当に大きくならないため、検出した速度分散σに基づいて、目標T及びクラッタCの識別を実行することができる。
干渉成分検知部21は、図10の左欄で説明したように、全てのセクタの方向において、所定のセクタ幅にわたる特定のレンジの受信振幅の加算値が加算値閾値より大きいならば、パルス繰り返し周期を現状のパルス繰り返し周期から別個のパルス繰り返し周期へと変更させる(ステップS7~S9)。以下に、具体的に説明する。
図8の左欄では、所定のセクタ幅を有する各々のセクタ領域S、S、S、Sにおいて、所定のセクタ幅にわたる各々のレンジR、R、R、Rの受信振幅の加算値が加算値閾値より大きい(ステップS7、ステップS8でNO)。そこで、干渉成分検知部21は、パルス繰り返し周期を現状のパルス繰り返し周期に維持させる。ここで、自己のレーダ送受信装置1の現状のパルス繰り返し周期は、他方のレーダ送受信装置1’のパルス繰り返し周期と若干相違するため、渦巻状の不感帯(図9を参照)を実現可能である。
図10の左欄では、所定のセクタ幅を有する全てのセクタ領域S、S、S、Sにおいて、所定のセクタ幅にわたる特定のレンジR、R、R、Rの受信振幅の加算値が加算値閾値より大きい(ステップS7、ステップS8でYES)。そこで、干渉成分検知部21は、パルス繰り返し周期を現状のパルス繰り返し周期から別個のパルス繰り返し周期へと変更させる(ステップS9)。ここで、自己のレーダ送受信装置1の別個のパルス繰り返し周期は、他方のレーダ送受信装置1’のパルス繰り返し周期と若干相違するため、真円状の不感帯(図11を参照)ではなく渦巻状の不感帯(図9を参照)を実現可能である。
このように、不感帯が全てのセクタの方向で同一の距離に生じる状況を、不感帯がセクタの方向に応じて異なる距離に生じる状況に、切り替えることができる。
本実施形態では、「同一の期間を有する」複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に干渉成分が混入しているかを識別している。変形例として、「スタガトリガ方式の」複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に干渉成分が混入しているかを識別してもよい。
自己のレーダ送受信装置1のパルス繰り返し周期がt、t、t、・・・(t≠t≠t)であり、他方のレーダ送受信装置1’のパルス繰り返し周期もt、t、t、・・・であれば、図11の左欄と同様に、真円状の干渉領域Iが表示される。この場合には、図10の左欄と同様に、干渉成分を検知することができる。
自己のレーダ送受信装置1のパルス繰り返し周期がt、t、t、・・・であり、他方のレーダ送受信装置1’のパルス繰り返し周期がt+a、t+a、t+a、・・・(aは同一)であれば、図9の左欄と同様に、渦巻状の干渉領域Iが表示される。この場合には、図8の左欄と同様に、干渉成分を検知することができる。
自己のレーダ送受信装置1のパルス繰り返し周期がt、t、t、・・・であり、他方のレーダ送受信装置1’のパルス繰り返し周期がt+a、t+b、t+c、・・・(a≠b≠c)であれば、図9及び図11の左欄と異なり、ランダムに干渉領域Iが表示される。この場合にも、図8の左欄と同様に、干渉成分を検知することができる。この場合には、図8の左欄と比べて、所定のセクタ幅として、狭めに設定することが望ましい。
このように、本開示の干渉検知装置及び干渉検知プログラムは、目標の速度を検出するレーダ技術において、無人機等及び有人機等のいずれに適用するかによらず、他方のレーダ送受信装置からの干渉成分を高精度に検知することができる。
R:レーダシステム
P:PPI表示
I:干渉領域
T:目標
C:クラッタ
1、1’:レーダ送受信装置
2:干渉検知装置
3:レーダ表示装置
21:干渉成分検知部
22:目標速度検出部
23:目標存在識別部

Claims (8)

  1. 複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に干渉成分が混入していれば、前記複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化を用いた、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度の検出を中止させる干渉成分検知部を備え
    前記干渉成分検知部は、所定のセクタ幅にわたる各レンジの受信振幅の加算値が加算値閾値より大きいならば、前記所定のセクタ幅にわたる各レンジの受信振幅のうちの前記あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に前記干渉成分が混入していると識別する
    ことを特徴とする干渉検知装置。
  2. 前記干渉成分検知部は、全てのセクタの方向において、前記所定のセクタ幅にわたる特定のレンジの受信振幅の加算値が前記加算値閾値より大きいならば、パルス繰り返し周期を現状のパルス繰り返し周期から別個のパルス繰り返し周期へと変更させる
    ことを特徴とする、請求項に記載の干渉検知装置。
  3. 前記干渉成分が混入されていない前記複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、時間領域から周波数領域への変換を実行し、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度を検出する目標速度検出部をさらに備える
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の干渉検知装置。
  4. 前記目標速度検出部が検出した各レンジの速度の分散に基づいて、各レンジに目標及びクラッタのうちのいずれが存在するかを識別する目標存在識別部をさらに備える
    ことを特徴とする、請求項に記載の干渉検知装置。
  5. 前記目標存在識別部は、前記目標速度検出部が検出した各レンジの速度の分散が分散閾値より大きいならば、各レンジに目標ではなくクラッタが存在すると識別する
    ことを特徴とする、請求項に記載の干渉検知装置。
  6. 複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に干渉成分が混入していれば、前記複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化を用いた、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度の検出を中止させる干渉成分検知ステップ
    をコンピュータに実行させ
    前記干渉成分検知ステップは、所定のセクタ幅にわたる各レンジの受信振幅の加算値が加算値閾値より大きいならば、前記所定のセクタ幅にわたる各レンジの受信振幅のうちの前記あるパルス繰り返し周期での各レンジの受信振幅に前記干渉成分が混入していると識別する
    ことを特徴とする干渉検知プログラム。
  7. 前記干渉成分検知ステップは、全てのセクタの方向において、前記所定のセクタ幅にわたる特定のレンジの受信振幅の加算値が前記加算値閾値より大きいならば、パルス繰り返し周期を現状のパルス繰り返し周期から別個のパルス繰り返し周期へと変更させる
    ことを特徴とする、請求項に記載の干渉検知プログラム
  8. 前記干渉成分が混入されていない前記複数のパルス繰り返し周期にわたる各レンジの受信振幅の時間変化において、時間領域から周波数領域への変換を実行し、各レンジに存在する目標又はクラッタの速度を検出する目標速度検出ステップ
    を前記干渉成分検知ステップの後にコンピュータに実行させるための、請求項6又は7に記載の干渉検知プログラム。
JP2020016167A 2020-02-03 2020-02-03 干渉検知装置及び干渉検知プログラム Active JP7421355B2 (ja)

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