JP7387370B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものであり、より詳細には、中間転写方式を採用した画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を用いた画像形成装置として、感光ドラムなどの像担持体に形成されたトナー像を中間転写体に一次転写した後に転写材に二次転写する、中間転写方式を採用した画像形成装置がある。中間転写体としては、無端ベルト状の中間転写ベルトが広く用いられている。
中間転写ベルトは、中間転写ベルトに所定の張力を付与するテンションローラ、中間転写ベルトに駆動力を伝達する駆動ローラなどを含む複数の張架ローラに張架され、像担持体に対向して配置される。中間転写ベルトの内周面側には、像担持体に対応して、一次転写ローラなどの一次転写部材が配置される。一次転写部材は中間転写ベルトを像担持体に接触させて、像担持体と中間転写ベルトとの接触部である一次転写部を形成する。また、中間転写ベルトの外周面側において、複数の張架ローラのうちの1つの張架ローラと対向する位置には、二次転写ローラなどの二次転写部材が配置される。二次転写部材は、上記1つの張架ローラとの間で中間転写ベルトを挟持し、中間転写ベルトと二次転写部材との接触部である二次転写部を形成する。一次転写部で像担持体上から中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像は、二次転写部において中間転写ベルトと二次転写部材とに挟持されて搬送される転写材上に二次転写される。一次転写時には、一次転写部材に所定の一次転写電圧が印加され、二次転写時には一般に二次転写部材に所定の二次転写電圧が印加される。
例えば、特許文献1に記載されるように、中間転写ベルトは、テンションローラと、二次転写部材に対向して配置された駆動ローラと、駆動ローラよりも中間転写ベルトの搬送方向上流側に配置された入り口ローラとの3本の張架ローラで張架されることがある。また、特許文献2に記載されるように、一次転写部材として、金属ローラが用いられることがある。一次転写部材として金属ローラが用いられる場合、金属ローラは、中間転写ベルトを介して像担持体に当接しないように、中間転写ベルトの搬送方向に関して像担持体に対しオフセットされた位置に配置される。これは、例えば像担持体に対して金属ローラを離接させる際などに像担持体にダメージを与えることを抑制するなどのためである。
特許第5119340号公報 特開2007-286270号公報
ところで、複数の張架ローラに張架された中間転写ベルトを有する中間転写方式の画像形成装置では、一般に、各張架ローラは、電位的に接地されて一定以上の電荷量が充電されないように構成され、放電によるノイズや、異常放電画像の発生が抑制されている。
しかしながら、一次転写部材と、電位的に接地された張架ローラと、の間の距離が短いと、一次転写部材に一次転写電圧が印加された際に一次転写部材からその張架ローラへと電流が流れ込み、一次転写電圧の制御に悪影響を及ぼす場合がある。ここでは、一次転写部材に一次転写電圧を印加した際に一次転写部材(すなわち一次転写電源)に流れる電流を「一次転写電流」という。例えば、一次転写電流の一部が像担持体以外に流れ込むことで一次転写効率が低下し、一次転写残トナーが増えて、トナーの消費量が増えてしまうことがある。
一方、一次転写部材と、電位的に接地された張架ローラと、の間の距離を長くすれば、一次転写部材に一次転写電圧が印加された際にその張架ローラに電流が流れ込む量を低減することができる。しかし、この場合、中間転写ベルトを含むユニットや画像形成装置本体が大型化してしまう原因となる。
したがって、本発明の目的は、一次転写電流の漏れを抑制して、安定して良好な一次転写性能を得ることが可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像をそれぞれが担持する第1の像担持体及び第2の像担持体と、複数の張架ローラに張架され、第1の一次転写部及び第2の一次転写部で前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体からそれぞれ一次転写されたトナー像を二次転写部で転写材に二次転写するために搬送する、周回移動可能な無端状の中間転写体と、前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体のそれぞれに対応して前記中間転写体の内周面側に配置され、前記中間転写体に接触すると共に前記中間転写体を前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体に接触させてそれぞれ前記第1の一次転写部及び前記第2の一次転写部を形成することが可能な第1の一次転写部材及び第2の一次転写部材と、前記第1の一次転写部材及び前記第2の一次転写部材に前記一次転写のための電圧をそれぞれ印加する第1の一次転写電源及び第2の一次転写電源と、前記二次転写部に対応して前記中間転写体の外周面側に配置され、前記中間転写体に接触して前記二次転写部を形成する外部材と、を有し、前記複数の張架ローラは、前記二次転写部に対応して配置された第1の張架ローラと、前記中間転写体の移動方向に関して前記第1の一次転写部材よりも下流側かつ前記第1の張架ローラよりも上流側において前記第1の一次転写部材に隣接して配置された第2の張架ローラと、を含み、前記第2の像担持体は、前記移動方向に関して前記二次転写部よりも下流側かつ前記第1の像担持体よりも上流側において前記第1の像担持体に隣接して配置され、前記第1の一次転写部材は、前記第1の一次転写部を形成した際に、前記移動方向に関して、前記第1の像担持体と前記中間転写体との接触領域と、前記中間転写体と前記第1の一次転写部材との接触領域とが重ならないように、前記第1の像担持体よりも下流側に配置され、前記第2の一次転写部材は、前記第2の一次転写部を形成した際に、前記移動方向に関して、前記第2の像担持体と前記中間転写体との接触領域と、前記中間転写体と前記第2の一次転写部材との接触領域とが重ならないように、前記第2の像担持体よりも下流側に配置され、前記第1の張架ローラ又は前記外部材は、前記中間転写体を介さず直接電位的に接地されており、前記移動方向に関する、前記第1の像担持体と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL1、前記移動方向に関する、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第2の張架ローラと前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL2、前記移動方向に関する、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の張架ローラと前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL3、前記移動方向に関する、前記第2の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離L4としたとき、L1<L2<L3<L4を満たし、前記第2の張架ローラは、前記中間転写体を介さず直接電位的に接地されないように構成されていることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の態様によると、トナー像をそれぞれが担持する第1の像担持体及び第2の像担持体と、複数の張架ローラに張架され、第1の一次転写部及び第2の一次転写部で前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体からそれぞれ一次転写されたトナー像を二次転写部で転写材に二次転写するために搬送する、周回移動可能な無端状の中間転写体と、前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体のそれぞれに対応して前記中間転写体の内周面側に配置され、前記中間転写体に接触すると共に前記中間転写体を前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体に接触させてそれぞれ前記第1の一次転写部及び前記第2の一次転写部を形成することが可能な第1の一次転写部材及び第2の一次転写部材と、前記第1の一次転写部材及び前記第2の一次転写部材に前記一次転写のための電圧をそれぞれ印加する第1の一次転写電源及び第2の一次転写電源と、前記二次転写部に対応して前記中間転写体の外周面側に配置され、前記中間転写体に接触して前記二次転写部を形成する外部材と、を有し、前記複数の張架ローラは、前記二次転写部に対応して配置された第1の張架ローラと、前記中間転写体の移動方向に関して前記第1の一次転写部材よりも下流側かつ前記第1の張架ローラよりも上流側において前記第1の一次転写部材に隣接して配置された第2の張架ローラと、を含み、前記第2の像担持体は、前記移動方向に関して前記二次転写部よりも下流側かつ前記第1の像担持体よりも上流側において前記第1の像担持体に隣接して配置され、前記第1の一次転写部材は、前記第1の一次転写部を形成した際に、前記移動方向に関して、前記第1の像担持体と前記中間転写体との接触領域と、前記中間転写体と前記第1の一次転写部材との接触領域とが重ならないように、前記第1の像担持体よりも下流側に配置され、前記第2の一次転写部材は、前記第2の一次転写部を形成した際に、前記移動方向に関して、前記第2の像担持体と前記中間転写体との接触領域と、前記中間転写体と前記第2の一次転写部材との接触領域とが重ならないように、前記第2の像担持体よりも下流側に配置され、前記第1の張架ローラ又は前記外部材は、前記中間転写体を介さず直接電位的に接地されており、前記移動方向に関する、前記第1の像担持体と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL1、前記移動方向に関する、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第2の張架ローラと前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL2、前記移動方向に関する、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の張架ローラと前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL3、前記移動方向に関する、前記第2の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離L4としたとき、L1<L2<L3<L4を満たし、前記第2の張架ローラは、前記中間転写体を介さず電流抑制素子を介して電位的に接地されるように構成されていることを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、一次転写電流の漏れを抑制して、安定して良好な一次転写性能を得ることが可能となる。
画像形成装置の概略断面図である。 中間転写ユニットの近傍の概略断面図である。 各張架ローラの軸部の近傍の模式図である。 一次転写部から二次転写部までを拡大した概略断面図である。 評価実験の結果を示すグラフ図である。 実施例2における入り口ローラの軸部の近傍の模式図である。 中間転写ベルトの表面抵抗率の違いによる負荷抵抗と一次転写電流の漏れ量との関係を示すグラフ図である。 実施例3における中間転写ユニットの近傍の概略断面図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の構成及び動作
図1(a)は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能な、中間転写方式を採用したタンデム型のカラーレーザビームプリンタである。
画像形成装置100は、複数の画像形成部(ステーション)として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する4つの画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。各画像形成部SY、SM、SC、SKにおける同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。また、いずれかの色用の要素であることを、語頭にY、M、C、Kを付して区別することがある。
図1(b)は、1つの画像形成部Sをより詳しく示す概略断面図である。本実施例では、画像形成部S(SY、SM、SC、SK)は、後述する感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)、帯電ローラ2(2Y、2M、2C、2K)、露光装置3(3Y、3M、3C、3K)、現像装置4(4Y、4M、4C、4K)、一次転写ローラ5(5Y、5M、5C、5K)、ドラムクリーニング装置6(6Y、6M、6C、6K)などを有して構成される。
画像形成装置100は、トナー像を担持する像担持体としての、回転可能なドラム型(円筒形)の感光体(電子写真感光体)である感光ドラム1を有する。本実施例では、感光ドラム1は、OPC感光体ドラムである。感光ドラム1は、導電性の基層と、該基層の上に設けられた感光層と、を有し、基層は電位的に接地されている。画像形成動作がスタートすると、感光ドラム1は、駆動手段としての駆動モータ(図示せず)により所定の周速度(プロセススピード)で図中矢印R1方向(時計回り方向)に回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段としてのローラ状の帯電部材である帯電ローラ2によって所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電工程時に、帯電ローラ2には、帯電電源(図示せず)により所定の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段としての露光装置3によって画像情報に応じて走査露光され、感光ドラム1上に画像情報に応じた静電潜像(静電像)が形成される。本実施例では、露光装置3は、レーザー光を多面鏡によって走査させるスキャナユニットで構成されており、画像信号に基づいて変調された走査ビームを感光ドラム1上に照射する。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置4によって現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像(現像剤像)が形成される。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する。本実施例では、現像時のトナーの帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
本実施例では、現像装置4は、現像剤としての非磁性一成分現像剤(トナー)を収容する現像容器41と、現像剤担持体としての現像ローラ42と、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ43と、現像剤規制部材としての現像ブレード44と、を有する。現像容器41内のトナーは、トナー供給ローラ43によって現像ローラ42上に供給された後、現像ブレード44によって所定の極性(本実施例では負極性)に摩擦帯電されると共に現像ローラ42上に塗布される。また、現像工程時に、現像ローラ42には、現像電源(図示せず)により所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。そして、現像ローラ42の回転により現像ローラ42と感光ドラム1との対向部に搬送されたトナーは、感光ドラム1上の静電潜像に応じて感光ドラム1上に移動し、トナー像を形成する。
4つの感光ドラム1と対向するように、周回移動可能な中間転写体としての無端状のベルト(フィルム)で構成された中間転写ベルト7が配置されている。中間転写ベルト7は、複数の張架ローラ(支持ローラ)としての駆動ローラ(第1の張架ローラ)8、入り口ローラ(第2の張架ローラ)9、及びテンションローラ(第3の張架ローラ)10の3本の張架ローラに掛け渡されて張架されている。駆動ローラ8は、中間転写ベルト7に駆動力を伝達すると共に、後述する二次転写ローラ14の対向部材(二次転写対向ローラ)として機能する。入り口ローラ9は、中間転写ベルト7の搬送方向に関して駆動ローラ8の上流側に隣接して配置されている。以下、中間転写ベルト7の搬送方向(表面の移動方向、回転方向)を、単に「ベルト搬送方向」ともいう。テンションローラ10は、中間転写ベルト7に所定のテンションを付与する。画像形成動作がスタートすると、駆動手段としての駆動モータ(図示せず)により回転駆動される駆動ローラ8から駆動力が伝達されて、中間転写ベルト7は所定の周速度(プロセススピード)で図中矢印R2方向(反時計回り方向)に周回移動(回転)する。入り口ローラ9及びテンションローラ10は、中間転写ベルト7の移動に伴って従動して回転する。本実施例では、中間転写ベルト7は、その表面が感光ドラム1との対向部において感光ドラム1の表面と順方向に略同速度で移動するように周回移動する。中間転写ベルト7の内周面(裏面)側には、各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに対応して、一次転写手段としてのローラ状の一次転写部材である一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kが配置されている。一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7を対応する感光ドラム1の表面に接触させて、感光ドラム1と中間転写ベルト7との接触部である一次転写部(一次転写ニップ)N1(N1Y、N1M、N1C、N1K)を形成する。本実施例では、一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7を感光ドラム1に向けて所定の圧力で押圧するように、付勢手段としての加圧バネ(図示せず)によって加圧される。これにより、中間転写ベルト7は所定の圧力で感光ドラム1に圧接して、一次転写部N1を形成する。
上述のように感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、一次転写ローラ5の作用により、周回移動している中間転写ベルト7上に転写(一次転写)される。一次転写工程時に、一次転写ローラ5には、一次転写電源E1によりトナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。例えば、フルカラー画像の形成時には、各色用の感光ドラム1Y、1M、1C、1K上に形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト7上に重ね合わされるようにして順次一次転写される。各色用の感光ドラム1上には、各色用の一次転写部N1間の距離に応じて一定のタイミングで遅らせて、上述の露光工程により静電潜像が形成される。
中間転写ベルト7の外周面(表面)側において、二次転写対向ローラを兼ねる駆動ローラ8と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ状の二次転写部材である二次転写ローラ14が配置されている。二次転写ローラ14は、付勢手段としての加圧バネ(図示せず)によって駆動ローラ8に向けて加圧される。これにより、二次転写ローラ14は、中間転写ベルト7を介して駆動ローラ8に圧接し、中間転写ベルト7と二次転写ローラ14との接触部である二次転写部(二次転写ニップ)N2を形成する。上述のように中間転写ベルト7上に形成されたトナー像は、二次転写部N2において、二次転写ローラ14の作用により、中間転写ベルト7と二次転写ローラ14とに挟持されて搬送される記録用紙などの転写材(記録材、シート)P上に転写(二次転写)される。二次転写工程時に、二次転写ローラ14には、二次転写電源E2によりトナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。転写材Pは、収納部としてのカセット(図示せず)に積載されており、上述の露光工程による静電潜像の形成に合わせて給送ローラ(図示せず)などにより1枚ずつピックアップされて、搬送ローラ(図示せず)によりレジストローラ13まで搬送される。そして、この転写材Pは、レジストローラ13によって、中間転写ベルト7上のトナー像とタイミングが合わされて二次転写部N2へと搬送される。
トナー像が転写された転写材Pは、定着手段としての定着装置15へと搬送される。定着装置15は、未定着のトナー像を担持した転写材Pを加熱及び加圧しながら搬送して、トナー像を転写材P上に定着(溶融、固着)させる。トナー像が定着された転写材Pは、画像形成物として画像形成装置100の装置本体の外部へと排出(出力)される。
一方、一次転写工程後に感光ドラム1上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置6によって感光ドラム1上から除去されて回収される。ドラムクリーニング装置6は、感光ドラム1の表面に当接して配置されたクリーニングブレードによって、回転する感光ドラム1の表面から一次転写残トナーを掻き取り、クリーニング容器内に収容する。中間転写ベルト7の外周面側において、テンションローラ10と対向する位置には、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置11が配置されている。二次転写工程後に中間転写ベルト7上に残留したトナー(二次転写残トナー)や転写材Pから中間転写ベルト7上に付着した紙粉などの付着物は、ベルトクリーニング装置11によって中間転写ベルト7上から除去されて回収される。ベルトクリーニング装置11は、中間転写ベルト7を介してテンションローラ10に当接して配置されたクリーニングブレードによって、周回移動する中間転写ベルト7の表面から二次転写残トナーなどの付着物を掻き取り、クリーニング容器内に収容する。
画像形成装置100には、上述の画像形成プロセスの各動作の制御などを行うための制御手段(制御部)としてのCPU111が設けられている。また、画像形成装置100には、制御情報などが格納された記憶手段としてのメモリ112が設けられている。CPU111は、メモリ112に格納されたプログラムに従って、駆動源の制御、画像形成に関する制御、更には故障検知に関する制御など、画像形成装置100の動作を一括して制御する。上記駆動源は、例えば、転写材Pの搬送に関する部材の駆動源、中間転写ベルト7の駆動源、プロセスカートリッジ12(感光ドラム1、現像ローラ42など)の駆動源などである。
なお、本実施例では、各画像形成部Sにおいて、感光ドラム1と、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びドラムクリーニング装置6とは、一体的にカートリッジ化されてプロセスカートリッジ12を構成している。プロセスカートリッジ12は、画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能とされており、例えばトナーが消尽した場合や感光ドラム1が寿命に達した場合などに新品と交換される。
また、本実施例では、複数の張架ローラ8、9、10に張架された中間転写ベルト7、YMCK一次転写ローラ5Y、5M、5C、5K、ベルトクリーニング装置11は、一体的にユニット化されて中間転写ユニット17を構成している。中間転写ユニット17は、例えば中間転写ベルト7が寿命に達した場合などに新品と交換される。
また、本実施例では、YMCK一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kは、それぞれ対応する感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して離接(離れる方向及び近づく方向に移動)させることが可能とされている。更に説明すると、本実施例では、YMCK一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kは、それぞれ中間転写ベルト7に対して当接及び離間が可能とされている。非画像形成時には、YMCK一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kが中間転写ベルト7から離間することで、対応する感光ドラム1Y、1M、1C、1Kから中間転写ベルト7が離間される。画像形成時には、YMCK一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kはそれぞれ中間転写ベルト7に当接し、対応する感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに中間転写ベルト7を所定の圧力で圧接させYMCK一次転写部N1Y、N1M、N1C、N1Kを形成する。なお、本実施例では、画像形成装置100は、フルカラーモードとモノカラーモードとで画像形成を実行することができる。フルカラーモードでは、Y、M、C、Kの4色全ての画像を形成してフルカラー画像を形成することができる。モノカラーモードでは、K色の画像のみを形成してモノクロ画像を形成することができる。フルカラーモードでの画像形成時には、YMCK一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kの全てが中間転写ベルト7に当接し、YMCK一次転写部N1Y、N1M、N1C、N1Kの全てが形成される。一方、モノカラーモードでの画像形成時には、K一次転写ローラ5Kのみが中間転写ベルト7に当接して、K一次転写部N1Kのみが形成される。また、非画像形成時(待機時など)には、YMCK一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kの全てが中間転写ベルト7から離間され、YMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの全てから中間転写ベルト7が離間される。
2.一次転写ローラ及び二次転写ローラの構成
本実施例では、一次転写ローラ5は、金属ローラで構成されている。本実施例では、一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7の内周面に接触する外周面を形成するローラ部、及び回転軸線方向に関してローラ部の両端部に設けられた軸部を含み、全体が金属で形成されている。本実施例では、一次転写ローラ5は、SUM材(快削鋼)にメッキを施した材料で構成され、ローラ部の外径は6mmである。なお、一次転写ローラ5は、SUM材の他に、Al(アルミニウム)やSUS(ステンレス鋼)などを用いて形成してもよい。そして、一次転写ローラ5は、導電性材料としての導電樹脂材料で形成された軸受部材(図示せず)を介して一次転写電源E1に接続されている。また、一次転写電源E1には、電流検知手段(電流検知部)としての電流検知回路16が接続されている。電流検知回路16は、一次転写電源E1が一次転写ローラ5に電圧を印加している際に一次転写ローラ5(すなわち一次転写電源E1)に流れる電流値を検知することができる。そして、電流検知回路16は、電流値の検知結果に関する情報(信号)をCPU111に入力することができる。本実施例では、画像形成部S(SY、SM、SC、SK)ごとに、それぞれ一次転写電源E1(E1Y、E1M、E1C、E1K)及び電流検知回路16(16Y、16M、16C、16K)が設けられている。また、本実施例では、一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1に当接しないように、ベルト搬送方向に関して感光ドラム1に対しオフセットされた位置に配置されている。本実施例では、一次転写ローラ5は、ベルト搬送方向に関して感光ドラム1に対し下流側にオフセットされた位置に配置されている。つまり、ベルト搬送方向に関して、感光ドラム1と中間転写ベルト7との接触領域と、中間転写ベルト7と一次転写ローラ5との接触領域とが重ならないように、一次転写ローラ5は配置されている。換言すれば、感光ドラム1の回転軸線方向に沿って見たとき、感光ドラム1の回転中心と一次転写ローラ5の回転中心とを通る直線上で、両回転中心間の距離は、感光ドラム1の半径と一次転写ローラ5の半径との和よりも長い。なお、本実施例では、感光ドラム1は、一次転写ローラ5よりも重力方向下方に配置されている。
また、本実施例では、二次転写ローラ14は、外径が8mmの芯金(芯材)の周囲に、外径が16mmとなるように導電性の発泡性弾性体を被覆して構成されている。本実施例では、二次転写ローラ14の電気抵抗は1.0×10Ωである。なお、良好な画像形成を行うためには、二次転写ローラ14の電気抵抗は、1.0×10Ω以上、1×10Ω以下であることが好ましい。二次転写ローラ14には、二次転写電源E2が接続されている。なお、二次転写ローラ14は、中間転写ベルト7を介して駆動ローラ8に当接している。つまり、ベルト搬送方向に関して、中間転写ベルト7と二次転写ローラ14との接触領域の少なくとも一部と、中間転写ベルト7と駆動ローラ8との接触領域の少なくとも一部と、が重なるように、二次転写ローラ14は配置されている。
3.一次転写電圧の制御
次に、本実施例における一次転写電圧の制御について説明する。本実施例では、画像形成装置100は、中間転写ベルト7の電気抵抗ムラや、中間転写ベルト7の電気特性の環境変動などの影響を補正して、安定して最適な一次転写電圧を印加できるように一次転写電圧の制御を行う。本実施例では、ATVC制御(Auto Transfer Voltage Control)によって、画像形成時の一次転写電圧を決定する。つまり、CPU111は、画像形成前の前回転動作時などの非画像形成時に、感光ドラム1上の非画像部が一次転写部N1を通過している際に、予め設定された電流値で定電流制御された電圧を一次転写電源E1から一次転写ローラ5に印加するように制御する。なお、定電流制御は、電流検知回路16によって検知される電流値が一定となるように一次転写電源E1の出力電圧値を調整する制御である。この定電流制御時の発生電圧値の変動により、一次転写部N1の電気抵抗値(本実施例では主に中間転写ベルト7の電気抵抗値)の変動を検知することができる。したがって、CPU111は、画像成時(一次転写時)には、先の発生電圧値を演算処理して決定した電圧値で定電圧制御された一次転写電圧を一次転写電源E1から一次転写ローラ5に印加するように制御する。なお、定電圧制御は、一次転写電源E1の出力電圧値が一定となるように一次転写電源E1の出力を調整する制御である。CPU111は、一次転写電源E1の出力電圧値を、一次転写電源E1が備えた電圧検知手段(電圧検知部)としての電圧検知回路の検知結果に基づいて把握してもよいし、一次転写電源E1に対する出力電圧値の指示値(指示信号)に基づいて把握してもよい。上記演算処理としては、上記発生電圧値の平均値を求めたり、更にその平均値に所定の係数を乗じたりすることが行われる。このような制御により、一次転写部N1において感光ドラム1に流れる電流が過大となることを抑制して、感光ドラム1の帯電異常を抑制することができる。また、このような制御により、画像形成時(一次転写時)に適切な一次転写電圧を一次転写ローラ5に印加することできる。そのため、安定して良好な画像を出力することが可能となる。なお、本実施例では、YMCK画像形成部SY、SM、SC、SKごとにATVC制御が実行される。
4.中間転写ユニットの構成
図2は、本実施例における中間転写ユニット17の近傍の概略断面図である。前述のように、中間転写ユニット17は、複数の張架ローラとしての駆動ローラ8、入り口ローラ9、及びテンションローラ10に張架された中間転写ベルト7を有する。
本実施例では、駆動ローラ8は、Al(アルミニウム)製の芯金(芯材)の周囲に、導電剤としてのカーボンブラックを分散した、電気抵抗値が1.0×10Ω、肉厚が0.085mmのシリコーンゴム製の導電性の弾性層を被覆したローラである。本実施例では、駆動ローラ8の後述するローラ部8aの外径は15mmである。本実施例では、図3(a)に示すように、駆動ローラ8は、中間転写ベルト7の内周面に接触する外周面を形成するローラ部8aと、回転軸線方向に関してローラ部8aの両端部に設けられた軸部8bと、を有する。駆動ローラ8の芯金81は、ローラ部8aの本体と、軸部8bと、を構成する。そして、この駆動ローラ8の芯金81におけるローラ部8aの本体を構成する部分の外周に、弾性層82が設けられている。
本実施例では、テンションローラ10は、金属ローラで構成されている。本実施例では、図3(b)に示すように、テンションローラ10は、中間転写ベルト7の内周面に接触する外周面を形成するローラ部10a、及び回転軸線方向に関してローラ部10aの両端部に設けられた軸部10bを含み、全体が金属で形成されている。本実施例では、テンションローラ10は、Al(アルミニウム)の金属棒を用いて形成されており、ローラ部10aの外径が24mmである。また、本実施例では、テンションローラ10は、回転軸線方向の両端部において、片側49N、総圧98Nのテンションを中間転写ベルト7に付与している。
本実施例では、入り口ローラ9は、金属ローラで構成されている。本実施例では、図3(c)に示すように、入り口ローラ9は、中間転写ベルト7の内周面に接触する外周面を形成するローラ部9a、及び回転軸線方向に関してローラ部9aの両端部に設けられた軸部9bを含み、全体が金属で形成されている。本実施例では、入り口ローラ9は、Al(アルミニウム)製の金属棒を用いて形成されており、ローラ部9aの外径が21mmである。
本実施例では、中間転写ベルト7は、基層と表層との2層からなる無端状のベルト(フィルム)で構成されている。基層は、ポリエチレンナフタレート樹脂に電気抵抗調整剤としてカーボンブラックを分散した材料で形成されており、厚みは70μmである。表層は、アクリル樹脂に電気抵抗調整剤としてアンチモンドープの酸化亜鉛を分散した材料で形成されており、厚みは3μmである。本実施例では、中間転写ベルト7の体積抵抗率は、1.0×1011Ω・cmであり、中間転写ベルト7の表面抵抗率は1.0×1010Ω/□である。中間転写ベルト7の電気特性の測定は、Hiresta・UP MCP-HT450(三菱化学社製)を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、印加電圧250Vで行った。なお、表面抵抗率は、中間転写ベルト7の内周面側から測定した値である。ここで、本実施例の構成では、良好な画像形成を行うためには、中間転写ベルト7の表面抵抗率は、1.0×10Ω/□以上、1.0×1012Ω/□以下であることが好ましい。中間転写ベルト7の表面抵抗率が上記範囲よりも低い場合には、感光ドラム1に流れる一次転写電流が過剰となり後述する再転写が発生しやすくなる可能性がある。また、中間転写ベルト7の表面抵抗率が上記範囲よりも高い場合には、感光ドラム1に流れる一次転写電流が不足して画像濃度が薄くなることが発生しやすくなる可能性がある。
中間転写ベルト7の材料は、上記の材料に限定されるものではない。基層の材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン-1、ポリスチレン、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリマー、ポリアミド酸などの熱可塑性樹脂を使用することができる。これらの材料は、混合して2種以上使用することもできる。また、表層の材料としては、中間転写ベルト7の表面硬度を高め、耐久性(耐摩耗性)を向上させる観点から、熱硬化性、又は紫外線や電子線などのエネルギー線の照射によって硬化する硬化性材料を使用することができる。特に、硬化性の高い紫外線や電子線などにより硬化する硬化性材料が好ましいが、これらに限定されるものではない。硬化性材料のうち、有機材料としては、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フッ素性硬化性樹脂などの硬化性樹脂が挙げられる。また、硬化性材料のうち、無機材料としては、アルコキシシラン・アルコキシジルコニウム系材料、ケイ酸塩系材料などが挙げられる。有機・無機ハイブリッド材料としては、無機微粒子分散有機高分子系材料、無機微粒子分散オルガノアルコキシシラン系材料、アクリルシリコン系材料、オルガノアルコキシシラン系材料などが挙げられる。これらの硬化性材料の中でも、中間転写ベルト7の表層の耐摩耗性、耐クラック性などの観点から樹脂材料が好ましく、硬化性樹脂の中でも不飽和二重結合含有アクリル共重合体を硬化させて得られるアクリル樹脂が好ましい。不飽和二重結合含有アクリル共重合体は、例えば、アクリル系紫外線硬化型ハードコート材料であるルシフラール(商品名、日本ペイント社製)として入手可能である。
5.各張架ローラの構成
図3(a)~(c)は、中間転写ベルト7の各張架ローラ8、9、10の回転軸線方向の一端部における軸部の近傍の構成を示す模式図である。
図3(a)は、駆動ローラ8の軸部8bの近傍を示している。駆動ローラ8の芯金81で構成された軸部8bは、樹脂材料としてのPOM(ポリアセタール)で形成された軸受部材27aを介して中間転写ユニット17の枠体(図示せず)に回転可能に保持されている。また、駆動ローラ8の軸部8bは、駆動ローラ8の回転軸線方向に関して軸受部材27aよりも内側(中央側)で、導電性材料としての導電樹脂材料で形成された接点部材28aにより覆われている。この接点部材28aは、電気抵抗が1.0×10Ω以下であり、駆動ローラ8の軸部8bと接点部材28aとの間には導電グリスが塗布されている。そして、この接点部材28aには、導電性材料としての金属で形成された線状部材であるワイヤー29aが接触している。このワイヤー29aは、中間転写ユニット17の枠体の外部まで這いまわされている。また、この中間転写ユニット17の枠体の外部まで這いまわされたワイヤー29aは、画像形成装置100内の本体アース板金に接触することでアース電位に接続されている。このように導通経路が構成されていることにより、駆動ローラ8は電位的に接地されている。なお、駆動ローラ8の支持構成は駆動ローラ8の回転軸線方向の両端部側で同様であるが、接点部材28a、ワイヤー29aは一方の端部側にのみ設けられている。
図3(b)は、テンションローラ10の軸部10bの近傍を示している。金属ローラで構成されたテンションローラ10の軸部10bは、導電性材料としての金属で形成された金属ベアリング30で回転可能に保持されている。この金属ベアリング30とテンションローラ10の軸部10bとの間には導電グリスが塗布されている。また、この金属ベアリング30は、導電性材料としての金属で形成された板金31を介して中間転写ユニット17の枠体(図示せず)に移動可能に保持されている。板金31の移動可能方向は、中間転写ベルト7の内周面側から外周面側に向かう方向及びその逆方向である。また、この板金31が、導電性材料としての金属で形成された付勢手段としてのテンションバネ32により付勢されて、テンションローラ10は中間転写ベルト7に張力を付与している。そして、テンションバネ32の板金31側とは反対側の端部を支持する、中間転写ユニット17の枠体に設けられた座面部に、導電性材料としての金属で形成された線状部材であるワイヤー29bの一端部が配置され、テンションバネ32と接触している。このワイヤー29bは、中間転写ユニット17の枠体の外部まで這いまわされている。また、この中間転写ユニット17の外部まで這い回されたワイヤー29bは、駆動ローラ8に接続されたワイヤー29aと接続されて一体化されて、画像形成装置100内の本体アース板金に接触することでアース電位に接続されている。これにより、テンションローラ10は、駆動ローラ8と同じ導通経路で電位的に接地されている。なお、テンションローラ10の支持構成はテンションローラ10の回転軸線方向の両端部側で同様であるが、ワイヤー29bは一方の端部側にのみ設けられている。
以上説明した本実施例における駆動ローラ8、テンションローラ10のように、中間転写ベルト7の張架ローラは導電体を介して電位的に接地されるのが一般的である。
次に、入り口ローラ9の軸部9bの近傍の構成について説明する。図3(c)は、入り口ローラ9の軸部9bの近傍を示している。金属ローラで構成された入り口ローラ9の軸部9bは、樹脂材料としてのPOMで形成された軸受部材27bを介して中間転写ユニット17の枠体(図示せず)に回転可能に保持されている。入り口ローラ9の軸部9bには、導電性の部材が接触しておらず、入り口ローラ9は電位的に非接地(フロート)となっている。なお、入り口ローラ9の支持構成は、入り口ローラ9の回転軸線方向の両端部側で同様である。
ここで、ベルト搬送方向に関して入り口ローラ9の下流側に隣接して、電位的に接地された駆動ローラ8が配置されている。そのため、入り口ローラ9は、中間転写ベルト7を介して駆動ローラ8から電位的に接地された構成になる。つまり、入り口ローラ9は、電位的に直接接地されていない構成となっている。例えば、画像形成時にK一次転写ローラ5KにK一次転写電源E1Kから正極性の電圧が印加されると、中間転写ベルト7の内周面は正電荷を保持した状態で入り口ローラ9と接触する。入り口ローラ9は電位的にフロートであるため、中間転写ベルト7の内周面の電荷を保持し、中間転写ベルト7と同電位となる。そして、中間転写ベルト7と同電位となった入り口ローラ9と、電位的に接地された駆動ローラ8と、の間に電位差が生じることで、入り口ローラ9から中間転写ベルト7を経由して駆動ローラ8へと電流が流れる。入り口ローラ9は電位的にフロートであるが、上述のようにして中間転写ベルト7を導通経路として駆動ローラ8へと電流が流れることで、入り口ローラ9が過剰に帯電してノイズや異常放電が発生することを抑制することが可能である。
6.中間転写ユニットの各部材間距離
図4は、YMCK一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kが中間転写ベルト7に当接してYMCK一次転写部N1Y、N1M、N1C、N1Kが形成された際の、C一次転写部N1Cから二次転写部N2までの各部材の位置関係を示す概略断面図である。
前述のように、K一次転写ローラ5Kは、中間転写ベルト7を介してK感光ドラム1Kに当接しないように、ベルト搬送方向に関してK感光ドラム1Kに対し下流側にオフセットされた位置に配置されている。なお、本実施例では、YMC一次転写ローラ5Y、5M、5Cも同様に、対応するYMC感光ドラム1Y、1M、1Kに対しオフセットされて配置されている。一方、二次転写ローラ14は、中間転写ベルト7を介して駆動ローラ8に当接している。本実施例では、K一次転写ローラ5Kが中間転写ベルト7に当接した際のベルト搬送方向における各部材の位置関係は次のようになっている。
まず、ベルト搬送方向に関する、K感光ドラム1Kと中間転写ベルト7との接触領域の下流側端部と、K一次転写ローラ5Kと中間転写ベルト7との接触領域の上流側端部と、の間距離L1は3mmである。また、ベルト搬送方向に関する、K一次転写ローラ5Kと中間転写ベルト7との接触領域の下流側端部と、入り口ローラ9と中間転写ベルト7との接触領域の上流側端部と、の間の距離L2は20mmである。また、ベルト搬送方向に関する、K一次転写ローラ5Kと中間転写ベルト7との接触領域の下流側端部と、駆動ローラ8と中間転写ベルト7との接触領域の上流側端部と、の間の距離L3は60mmである。この距離L3は、上記距離L2(20mm)と、中間転写ベルト7と入り口ローラ9との巻き付き距離(20mm)と、入り口ローラ9と中間転写ベルト7との接触領域の下流側端部と駆動ローラ8と中間転写ベルト7との接触領域の上流側端部との間の距離(20mm)と、の合算である。また、ベルト搬送方向に関する、C一次転写ローラ5Cと中間転写ベルト7との接触領域の下流側端部と、K一次転写ローラ5Kと中間転写ベルト7との接触領域の上流側端部と、の間の距離L4は90mmである。また、ベルト搬送方向に関する、C感光ドラム1と中間転写ベルト7との接触領域の下流側端部と、K一次転写ローラ5Kと中間転写ベルト7との接触領域の上流側端部と、の間の距離L5は93mmである。
上述の各部材の位置関係から、K感光ドラム1K(距離L1)、入り口ローラ9(距離L2)、駆動ローラ8(距離L3)、C一次転写ローラ5C(距離L4)、C感光ドラム1C(距離L5)は、この順番でK一次転写ローラ5Kにより近接して配置されていることとなる。表1に、本実施例におけるK一次転写ローラ5Kと各部材との間の上記距離L1、L2、L3、L4、L5を示す。表1には、距離L1に対する他の距離L2、L3、L4、L5の距離比L2/L1、L3/L1、L4/L1、及びL5/L1(以下、単に「距離比」ともいう。)も示している。
Figure 0007387370000001
次に、K一次転写ローラ5Kに電圧を印加した際に流れる電流について説明する。K一次転写電源E1KからK一次転写ローラ5Kに電圧が印加されると、K一次転写ローラ5Kから中間転写ベルト7を介して各部材に電流が流れ込む。このとき、電流が流れ込む量は、K一次転写ローラ5Kと各部材との間のインピーダンスに依存する。K一次転写ローラ5Kと各部材との間のインピーダンスは、ベルト搬送方向に関する、中間転写ベルト7の内周面の導電率と、K一次転写ローラ5Kと各部材との間の距離と、の積でおおよそ決まる。そのため、K一次転写ローラ5Kと各部材との間のインピーダンスは、ベルト搬送方向に関する、K一次転写ローラ5Kと各部材との間の距離に比例する。
一次転写工程時にK一次転写電源E1KからK一次転写ローラ5Kに一次転写電圧が印加された際に、K感光ドラム1Kに一次転写電流が流れる過程で、K感光ドラム1K以外の部材に一次転写電流の一部が流れ込む現象が発生する。例えば、従来の構成のように入り口ローラ9が電位的に接地されていると、入り口ローラ9は上記距離比L2/L1が6.7であるため、一次転写電流の約13%が入り口ローラ9に流れる計算になる。
これに対して、本実施例の構成では、入り口ローラ9は電位的にフロートであり、入り口ローラ9が中間転写ベルト7と同電位となることで、入り口ローラ9への一次転写電流の流れ込みは発生しない。したがって、本実施例の構成では、一次転写電流は、入り口ローラ9に流れ込む代わりに、次にK一次転写ローラ5Kに近く、かつ、電位的に接地された、駆動ローラ8に流れ込む。駆動ローラ8は、K一次転写ローラ5Kとの間の上記距離L3が60mmであり、上記距離比L3/L1が20.0であることから、駆動ローラ8に一次転写電流が流れ込む量は、一次転写電流の約5%まで低減する。一方、C一次転写ローラ5Cには、一次転写電流は、ほとんど流れ込まない。これは、C一次転写ローラ5Cは駆動ローラ8よりもさらにK一次転写ローラ5Kから離れており、かつ、C一次転写ローラ5Cよりもベルト搬送方向に関して下流側に位置する感光ドラム1Kへの電流の流入が支配的であるためである。
このように、本実施例では、ベルト搬送方向に関して最下流に位置するK一次転写ローラ5Kに最も近接する張架ローラである入り口ローラ9を電位的にフロートにする。これにより、K一次転写ローラ5Kに一次転写電圧を印加した際の一次転写電流の漏れを抑制することができ、K感光ドラム1Kに安定して所定の一次転写電流を流すことができる。
7.評価実験
次に、一次転写性能の評価実験の結果につい説明する。近年、画像形成装置は、長寿命化、高画質化が進んでおり、一次転写性能の安定化が求められている。例えば、一次転写部における一次転写性能の安定化は、中間転写ユニットの個体差、使用環境、使用履歴、画像によらず、トナー像を一定の効率で感光ドラムから中間転写ベルト上へ一次転写させることを意味する。また、画像形成に寄与しない一次転写残トナー(廃トナー)を一定量以下に抑えて、トナーの消費量を削減することで、プロセスカートリッジの長寿命化が可能となる。
評価実験は、次のようにして行った。まず、K画像形成部SKの一次転写電流値を変えながらブラック色のベタ画像を印字し、ベタ画像印字後(一次転写後)のK感光ドラム1K上に残ったブラックトナー像(一次転写残トナー)のトナー濃度を次のようにして計測した。つまり、K感光ドラム1K上に残ったブラックトナー像を透明の粘着テープに転写(テーピング)し、その粘着テープについて反射濃度計((有)東京電飾:型番TC-6DS)で反射率を計測した。次に、C画像形成部SCでシアン色のベタ画像を印字し、K画像形成部SKの一次転写電流値を変えながら、中間転写ベルト7からK感光ドラム1K上に再転写したシアントナー像(再転写トナー像)のトナー濃度を次のようにして計測した。つまり、K感光ドラム1K上に再転写したシアントナー像を透明の粘着テープに転写(テーピング)し、その粘着テープについて上記反射濃度計で反射率を計測した。この評価実験を、本実施例の構成と、比較例の構成として入り口ローラ9を電位的に接地した構成と、について行った。なお、一次転写電流値としては、K一次転写電源E1Kに接続されたK電流検知回路16Kで検知された値を用いた。この評価実験によって得られた、一次転写電流値と、一次転写残トナー濃度(テーピング濃度)及び再転写トナー濃度(テーピング濃度)と、の関係を図5に示す。
本実施例の構成では、K電流検知回路16Kで検知された一次転写電流値が15μAの場合に、一次転写残トナー濃度と再転写トナー濃度のカーブが重なった。本実施例の構成では、一次転写電流値を15μAより小さくすると一次転写残トナーの増加が顕著になることでブラック色の濃度が薄くなり、15μAより大きくすると再転写トナーの増加が顕著になることでシアン色の濃度が薄くなる。そのため、本実施例の構成では、ブラック色とシアン色との両方をバランス良く転写するためには、一次転写電流値を15μAに設定することが望ましい。同様に、比較例の構成では、一次転写電流値を17μAに設定することが望ましい。本評価実験の結果から、一次転写電流の適正値は、本実施例よりも比較例の方が2μA大きいことがわかる。これは、比較例の構成では、K一次転写ローラ5に流れる一次転写電流のうち、2μAの電流が電位的に接地された入り口ローラ9に流れているためである。
次に、上記評価実験の結果に基づいて、本実施例と比較例とにおける一次転写性能のばらつきを算出した。一次転写ローラ5は、部品の寸法の公差や、部品の熱膨張の影響で、中間転写ベルト7への当接時に当接位置がばらつく可能性がある。この当接位置のばらつきは、中間転写ユニット17に固有のものもあれば、画像形成装置100の雰囲気温度の影響で使用中に発生する場合もある。そして、この当接位置がばらつくことで、K一次転写ローラ5KとK感光ドラム1Kとの間の上記距離L1が変わるため、一次転写電流がK感光ドラム1K以外へ流れる量(ここでは、「漏れ量」ともいう。)も変化する。そこで、本実施例と比較例とについて、K一次転写ローラ5Kの当接位置のばらつきごとに、一次転写電流のうちK感光ドラム1Kへ流れ込む電流量及びK感光ドラム1K以外の部材への漏れ量を算出した。計算は、ベルト搬送方向に関するK一次転写ローラ5Kの中間転写ベルト7への当接位置のばらつきを±0.50mm、±0.75mm、±1.00mmとした場合についてそれぞれ行った。なお、一次転写電流値は、上述の評価実験の結果に基づいて、本実施例では15μA、比較例では17μAとした。結果を表2に示す。
Figure 0007387370000002
K一次転写ローラ5Kの当接位置のばらつきが大きくなるほど、駆動ローラ8、入り口ローラ9への一次転写電流の漏れ量のばらつきが大きくなるため、K感光ドラム1Kへ流れ込む電流量がばらつく。比較例の構成では、その傾向がより顕著になる。K感光ドラム1Kへ流れ込む電流量のばらつきが生じると、一次転写残トナー量と再転写トナー量とのバランスが崩れるため、一次転写性能の安定性に影響を及ぼす。そこで、上記K感光ドラム1Kへ流れ込む電流量のばらつきによる一次転写性能への影響を算出した。なお、一次転写性能の安定性を得るためには、一次転写残トナー濃度(テーピング濃度)、再転写トナー濃度(テーピング濃度)のばらつきが、それぞれ10%以下であることを目標とした。結果を表3に示す。
Figure 0007387370000003
本実施例の構成では、K一次転写ローラ5Kの当接位置のばらつきが±0.75mm以下であれば、一次転写残トナー濃度、再転写トナー濃度のばらつきは10%以下に収まる。K一次転写ローラ5Kの当接位置のばらつきが±1.00mmでは、一次転写残トナー濃度のばらつきが14.6%まで増加する。一方、比較例の構成では、K一次転写ローラ5Kの当接位置のばらつきが±0.50mmでも、一次転写残トナー濃度のばらつきが18.8%、再転写トナー濃度のばらつきが11.1%となる。
このように、本実施例では、比較例よりもK一次転写ローラ5Kの当接位置のばらつきに対してより安定した一次転写性能が得られることがわかる。
ここで、比較例の構成において、K一次転写ローラ5Kと入り口ローラ9との間の上記距離L2を、K一次転写ローラ5KとK感光ドラム1Kとの間の上記距離L1に対して十分長くすれば、本実施例と同様の効果が得られるものと考えられる。例えば、K一次転写ローラ5Kと入り口ローラ9との間の上記距離L2を、本実施例におけるK一次転写ローラ5Kと駆動ローラ8との間の上記距離L3と同じ60mmまで長くすると、一次転写電流の漏れ量は本実施例と同程度まで低減できるものと考えられる。しかし、この場合には、本実施例よりもK一次転写ローラ5Kと入り口ローラ9との間の上記距離L2を3倍長くしなければならない。そのため、中間転写ユニット17や画像形成装置100の装置本体の大型化の原因となる。また、一次転写部N1と二次転写部N2との間の距離が長くなることで、画像形成動作の開始を指示してから1枚目の画像が出力されるまでにかかる時間であるFPOT(First Print Out Time)の増加の原因となる。上記距離比L2/L1が10以下であり(L2/L1≦10を満たす)、中間転写ユニット17や画像形成装置100の装置本体の小型化に有利な構成において、K画像形成部SKの一次転写電流が入り口ローラ9に漏れることによる課題が顕著になりやすい。
以上説明したように、本実施例では、ベルト搬送方向に関して最下流に位置するK一次転写ローラ5Kと二次転写部N2に位置する駆動ローラ8との間に配置された入り口ローラ9を電位的にフロートにする。つまり、本実施例では、K一次転写ローラ5Kと駆動ローラ8との間に配置された入り口ローラ9を、中間転写ベルト7を介さず直接電位的に接地されないように構成する。これにより、K一次転写ローラ5Kに一次転写電圧を印加した際の一次転写電流の漏れを抑制することができ、K感光ドラム1Kに安定して所定の一次転写電流を流して、安定して良好な一次転写効率を得ることが可能となる。また、中間転写ベルト7が導通経路となって入り口ローラ9から電位的に接地された駆動ローラ8へと電流が流れることで、入り口ローラ9が過剰に帯電してノイズや異常放電が発生することを抑制することができる。したがって、中間転写ユニット17や画像形成装置100の装置本体の小型化を図りつつ、安定した一次転写性能を得ることができる。
なお、本実施例では、入り口ローラ9としてAl(アルミニウム)製の金属ローラを用いたが、これに限定されるものではない。入り口ローラ9として、芯金(芯材)の周囲にゴムなどを用いて形成された導電性の弾性層を被覆したローラを用いてもよい。この場合も、入り口ローラ9を電位的にフロートにすることで、本実施例と同様の効果が得られる。例えば、本実施例における入り口ローラ9の位置に本実施例における駆動ローラ8と同様の駆動ローラを配置し、本実施例における駆動ローラ8の位置に本実施例における入り口ローラ9と同様の金属ローラを配置してもよい。ここで、本実施例における入り口ローラ9に対応する張架ローラとして上述のように芯金に弾性層を被覆したローラを用いる場合、そのローラの電気抵抗は1.0×10Ω以下であることが好ましい。これは、そのローラが過剰に帯電してノイズや異常放電が発生することを抑制するためである。なお、そのローラの電気抵抗は、通常、金属ローラの電気抵抗よりも大きく、例えば1.0×10Ω以上である。ここで、ローラの電気抵抗は、次のようにして測定することができる。被検ローラを、アルミスリーブに対し所定の圧力(例えば、当接荷重9.8N)で当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、被検ローラを所定の回転速度(画像形成時と同等でよい)でアルミスリーブに対して従動回転させる。次に、被検ローラに、所定の電圧(例えば50V)の直流電圧を印加する。その際、アース側に所定の抵抗素子(例えば10kΩ)を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、被検ローラの電気抵抗を算出する。
また、本実施例では、二次転写部N2に対応して配置された張架ローラである駆動ローラ8が電位的に接地され、二次転写部材としての二次転写ローラ14に二次転写電源E2から二次転写電圧が印加された。別法として、本実施例における二次転写ローラ14に対応する外ローラ(外部材)が電位的に接地され、本実施例における駆動ローラ8に対応する張架ローラである内ローラ(内部材)に二次転写電源E2から二次転写電圧が印加される構成としてもよい。この場合、内ローラには、トナーの正規の帯電極性と同極性の二次転写電圧が印加される。また、この場合、K画像形成部SKの一次転写電流の一部は、中間転写ベルト7を介して外ローラに流れることができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置と同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1の画像形成装置と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例は、主に入り口ローラ9が電流抑制素子としての負荷抵抗を介して電位的に接地されている点が実施例1と異なる。
図6は、本実施例における入り口ローラ9の軸部9aの近傍の構成を示す模式図である。本実施例では、入り口ローラ9の軸部9aは、実施例1と同様、POMで形成された軸受部材27bを介して中間転写ユニット17の枠体(図示せず)に回転可能に保持されている。そして、本実施例では、実施例1とは異なり、入り口ローラ9の軸部9bは、入り口ローラ9の回転軸線方向に関して軸受部材27bよりも内側(中央側)で、導電性材料としての導電性樹脂材料で形成された接点部材28bにより覆われている。この接点部材28は、駆動ローラ8の軸部8bを覆う接点部材28a(図3(a))と同様のものである。また、入り口ローラ9の軸部9aと接点部材28bとの間には導電グリスが塗布されている。また、この接点部材28には、導電性材料としての金属で形成された線状部材であるワイヤー29cが接触している。このワイヤー29cには、負荷抵抗33が接続されている。更に、この負荷抵抗33を介してワイヤー29cが延長されて中間転写ユニット17の枠体の外部まで這い回されている。また、この中間転写ユニット17の外部まで這い回されたワイヤー29cは、駆動ローラ8に接続されたワイヤー29a(図3(a))と接続されて一体化されて、画像形成装置100内の本体アース板金に接触することでアース電位に接続されている。このように、本実施例では、入り口ローラ9は、負荷抵抗33を介して電位的に接地されている。なお、本実施例における入り口ローラ9の支持構成は入り口ローラ9の回転軸線方向の両端部側で同様であるが、接点部材28b、ワイヤー29cは一方の端部側にのみ設けられている。
本実施例では、負荷抵抗33を接続することで、K一次転写ローラ5Kと入り口ローラ9との間のインピーダンスを増加させ、一次転写電流の漏れ量を小さくすることができる。ここで、負荷抵抗33の電気抵抗値に応じた一次転写電流の漏れ量を算出した。結果を表4に示す。
Figure 0007387370000004
本実施例の構成では、負荷抵抗33の電気抵抗値を500MΩとすることで、一次転写電流の漏れ量は0.9μAまで低減できる。一次転写電流の漏れ量が1.0μA未満(一次転写電流の約7%未満)であれば、安定した一次転写性能を得ることができる。さらに、負荷抵抗33の電気抵抗値を750MΩとすることで、実施例1と同等の一次転写電流の漏れ量(0.7μA:一次転写電流の約5%以下)まで低減できる。つまり、負荷抵抗33の電気抵抗値を750MΩとすることで、K一次転写ローラ5Kと入り口ローラ9との間のインピーダンスが、K一次転写ローラ5Kと駆動ローラ8との間のインピーダンスと同等となり、駆動ローラ8へ電流が流れるようになる。負荷抵抗33の電気抵抗値を750MΩより大きくしても、電流は駆動ローラ8へ電流が流れるため、一次転写電流の漏れ量は顕著には低減しない。したがって、本実施例の構成では、負荷抵抗33の電気抵抗値は、500MΩ以上、好ましくは750MΩ以上とする。ただし、負荷抵抗33の電気抵抗値は、1000MΩ以下で十分であることが多い。
このように、入り口ローラ9を所定値以上の電気抵抗値の負荷抵抗(抵抗素子)を介して電位的に接地する構成としても、実施例1と同様に、一次転写電流の漏れを抑制することができる。
なお、負荷抵抗の適切な電気抵抗値は、インピーダンスに関わる因子である中間転写ベルト7の表面抵抗率、K一次転写ローラ5Kと入り口ローラ9との間の距離L2などによって変化し得る。中間転写ベルト7の表面抵抗率に対する適切な負荷抵抗33の電気抵抗値の関係を図7に示す。中間転写ベルト7の表面抵抗率が低ければ、K一次転写ローラ5Kと駆動ローラ8との間のインピーダンスが低下するため、一次転写電流の漏れを抑制するために必要な負荷抵抗33の電気抵抗値は小さくてよい。本実施例の構成では、前述のように、表面抵抗率が1.0×10Ω/□以上、1.0×1012Ω/□以下であれば良好な画像形成を行うことができる。中間転写ベルト7の表面抵抗率が上記範囲内である場合は、負荷抵抗33の電気抵抗値を500MΩ以上とすることで、一次転写電流の漏れ量を1.0μA未満に低減できる。同様に、K一次転写ローラ5Kと入り口ローラ9との間の距離L2に対する適切な負荷抵抗33の電気抵抗値は、距離比L2/L1に応じて適宜決定すればよい。つまり、中間転写ベルト7の表面抵抗率、距離比L2/L1に応じて、一次転写電流の漏れ量が一次転写電流の約7%未満、好ましくは約5%以下となるように、負荷抵抗33の電気抵抗値を適宜設定することができる。
また、本実施例では、電流抑制素子として抵抗素子(高抵抗素子)を用いたが、これに限定されるものではなく、バリスタ、ツェナーダイオードなどの他の電流抑制素子を用いてもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、入り口ローラ9を適切な電気抵抗値の負荷抵抗33を介して電位的に接地することで、一次転写電流の漏れ量を低減し、安定した一次転写性能を得ることができる。
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置と同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1の画像形成装置と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
図8は、本実施例における中間転写ユニット17の近傍の概略断面図である。本実施例では、画像形成装置100は、K一次転写ローラ5Kに電圧を印加する第1の一次転写電源E1aと、YMC一次転写ローラ5Y、5M、5Cに電圧を印加する共通の第2の一次転写電源E1bと、を有する。第1の一次転写電源E1a、第2の一次転写電源E1bには、それぞれ第1の電流検知回路16a、第2の電流検知回路16bが接続されている。また、本実施例では、画像形成時(一次転写時)にK一次転写ローラ5Kに印加する一次転写電圧及びYMC一次転写ローラ5Y、5M、5Cに印加する一次転写電圧の両方を、K画像形成部SKにおいて実行するATVC制御により決定する。本実施例の構成では、実施例1の構成に比べて、一次転写電源の数を低減(半減)することができるため、画像形成装置100のコストダウンを図ることができる。また、1つの画像形成部(K画像形成部SK)において実行するATVC制御により全てのYMCK画像形成部SY、SM、SC、SKにおける一次転写電圧を決定することができるので、制御の簡易化、制御時間の短縮などを図ることができる。
YMC一次転写ローラ5Y、5M、5Cに一次転写電圧が印加されると、YMC感光ドラム1Y、1M、1Cに一次転写電流が流れ込む。YMC一次転写ローラ5Y、5M、5Cは、それぞれ対応する感光ドラム1Y、1M、1C以外の部材との間の距離が十分長いため、一次転写電流の漏れはほとんど起きない。また、本実施例では、実施例1と同様、入り口ローラ9は電位的にフロートになっており、K画像形成部SKにおける一次転写電流の漏れは十分に抑制されている。そのため、YMC画像形成部SY、SM、SCの一次転写電流と一次転写効率との関係(ここでは、「一次転写効率特性」ともいう。)は、K画像形成部SKの一次転写効率特性とほぼ同じになる。なお、本実施例におけるK画像形成部SK(更にはYMC画像形成部SY、SM、SC)の一次転写効率特性は、実施例1で説明したK画像形成部SKの一次転写効率特性(図5(a))とほぼ同じになる。
一方、比較例として、入り口ローラ9が電位的に接地されている点が本実施例とは異なる構成について考える。この比較例の構成におけるK画像形成部SKの一次転写効率特性は、実施例1で説明した入り口ローラ9が電位的に接地されている構成におけるK画像形成部SKの一次転写効率特性(図5(b))とほぼ同じになる。つまり、比較例の構成では、K画像形成部SKの一次転写電流の漏れが発生し、その漏れ量を加味した最適な一次転写電流が得られるようにK画像形成部SKの一次転写電圧が設定される。そのため、一次転写電流の漏れが発生しないYMC画像形成部SY、SM、SCに対しては、上記漏れ電流の分、ここでは2μA分だけ最適値からずれた一次転写電流となるように一次転写電圧が設定される。
本実施例と比較例とのそれぞれの構成において、K画像形成部SKにおけるATVC制御でK画像形成部SKについて最適な一次電流値が得られるように一次転写電圧を設定した場合の、YMC画像形成部SY、SM、SCにおける一次転写性能を表5に示す。
Figure 0007387370000005
本実施例の構成では、一次転写電流が15μAとなる一次転写電圧に設定することで、YMC画像形成部SY、SM、SCについてもK画像形成部SKとほぼ同じ一次転写性能が得られる。一方、比較例の構成では、YMCK画像形成部SY、SM、SCについては、上述のように2μAだけ一次転写電流が最適値からずれるように一次転写電圧が設定されるため、再転写トナー量が増加する。そのため、例えばY画像形成部SYで印字したイエロー色が、ベルト搬送方向に関して下流側の画像形成部SM、SC、SKの一次転写部N1Y、N1C、N1Kを通過する際にMCK感光ドラム1M、1C、上に再転写する可能性がある。そして、再転写が発生すると、二次転写前のトナー量が減るため、濃度が低減する可能性がある。
本実施例のように、K画像形成部SKにおけるATVC制御に基づいてYMCK画像形成部SY、SM、SC、SKの全ての一次転写電圧を設定する構成では、全ての画像形成部において一次転写性能がほぼ同じであることが重要である。ここで、一次転写性能がほぼ同じであるとは、図5に示すような一次転写残トナー濃度のカーブと再転写トナー濃度のカーブとが重なる一次転写電流値が十分に近いことを意味する。そのためには、ATVC制御を実行するK画像形成部SKにおける一次転写電流の漏れ量を十分に低減した構成であることが重要となる。
以上説明したように、本実施例では、画像形成装置100は、K一次転写ローラ5K用とYMC一次転写ローラ5Y、5M、5C用との2系統の一次転写電源E1a、E1bを有する。そして、K画像形成部SKにおけるATVC制御に基づいてYMCK画像形成部SY、SM、SC、SKの一次転写電圧を設定する。斯かる構成において、K画像形成部SKにおける一次転写電流の漏れを抑制することで、YMCK画像形成部SY、SM、SC、SKの一次転写効率特性を揃えることができる。そのため、YMCK画像形成部SY、SM、SC、SKの全てにおいて安定した一次転写性能を得ることができる。
なお、1つの画像形成部におけるATVC制御に基づいて他の画像形成部における一次転写電圧を設定する場合、該他の画像形成部における一次転写電圧の設定は、該1つの画像形成部における一次転写電圧の設定と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、該他の一次転写電圧値を、該1つの画像形成部における一次転写電圧値に対して所定値を加減算した一次転写電圧値に設定してもよい。また、該他の画像形成部が複数の場合、それぞれの画像形成部における一次転写電圧の設定は全てが同じであってもよいし、少なくとも一部が異なっていてもよい(全てが互いに異なっていてもよい)。
また、本実施例では、YMC画像形成部SY、SM、SCの一次転写電源が共通化されている構成において、K画像形成部SKにおいて実行するATVC制御に基づいて、YMC画像形成部SY、SM、SCにおける一次転写電圧を設定した。実施例1のようにYMC画像形成部SY、SM、SCの一次転写電源が個別に設けられた構成でも、K画像形成部SKにおいて実行するATVC制御に基づいて、YMC画像形成部SY、SM、SCの少なくとも一つにおける一次転写電圧を設定できる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、ベルト搬送方向に関して最下流に位置する画像形成部はブラック色の画像を形成する画像形成部であったが、該最下流の画像形成部が形成する画像の色はブラックに限定されるものではない。
また、上述の実施例では、画像形成装置は複数の画像形成部として4つの画像形成部を有していたが、画像形成部の数は4つに限定されるものではなく、より少なくてもよいし(例えば3つ)、より多くてもよい(例えば6つ)。
また、本発明は、1つの像担持体に順次形成される複数色のトナー像を、一次転写部を繰り返し通過するように周回移動する中間転写ベルトに順次重ね合わせるようにして一次転写する構成の画像形成装置にも適用することができる。
また、上述の実施例では、一次転写電圧の制御では、定電流制御された試験電圧を一次転写部材に印加している際の発生電圧値の検知結果に基づいて一次転写電圧を設定したが、これに限定されるものではない。一次転写部(上述の実施例では主に中間転写体)の電気抵抗に関する情報が得られればよいので、定電圧制御された試験電圧を一次転写部材に印加している際に流れる電流値の検知結果に基づいて一次転写電圧を設定してもよい。
また、上述の実施例では、一次転写部材はローラ状の部材であったが、これに限定されるものではなく、パッド状の部材、シート状(あるいはフィルム状)の部材、ブラシ状(デッキブラシ状、ブラシローラ状など)の部材であってもよい。二次転写部材(あるいは前述の外部材)についても同様である。
1(1Y、1M、1C、1K) 感光ドラム
5(5Y、5M、5C、5K) 一次転写ローラ
7 中間転写ベルト
8 駆動ローラ
9 入り口ローラ
10 テンションローラ
14 二次転写ローラ

Claims (16)

  1. トナー像をそれぞれが担持する第1の像担持体及び第2の像担持体と、
    複数の張架ローラに張架され、第1の一次転写部及び第2の一次転写部で前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体からそれぞれ一次転写されたトナー像を二次転写部で転写材に二次転写するために搬送する、周回移動可能な無端状の中間転写体と、
    前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体のそれぞれに対応して前記中間転写体の内周面側に配置され、前記中間転写体に接触すると共に前記中間転写体を前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体に接触させてそれぞれ前記第1の一次転写部及び前記第2の一次転写部を形成することが可能な第1の一次転写部材及び第2の一次転写部材と、
    前記第1の一次転写部材及び前記第2の一次転写部材に前記一次転写のための電圧をそれぞれ印加する第1の一次転写電源及び第2の一次転写電源と、
    前記二次転写部に対応して前記中間転写体の外周面側に配置され、前記中間転写体に接触して前記二次転写部を形成する外部材と、
    を有し、
    前記複数の張架ローラは、前記二次転写部に対応して配置された第1の張架ローラと、前記中間転写体の移動方向に関して前記第1の一次転写部材よりも下流側かつ前記第1の張架ローラよりも上流側において前記第1の一次転写部材に隣接して配置された第2の張架ローラと、を含み、
    前記第2の像担持体は、前記移動方向に関して前記二次転写部よりも下流側かつ前記第1の像担持体よりも上流側において前記第1の像担持体に隣接して配置され、
    前記第1の一次転写部材は、前記第1の一次転写部を形成した際に、前記移動方向に関して、前記第1の像担持体と前記中間転写体との接触領域と、前記中間転写体と前記第1の一次転写部材との接触領域とが重ならないように、前記第1の像担持体よりも下流側に配置され、
    前記第2の一次転写部材は、前記第2の一次転写部を形成した際に、前記移動方向に関して、前記第2の像担持体と前記中間転写体との接触領域と、前記中間転写体と前記第2の一次転写部材との接触領域とが重ならないように、前記第2の像担持体よりも下流側に配置され、
    前記第1の張架ローラ又は前記外部材は、前記中間転写体を介さず直接電位的に接地されており、
    前記移動方向に関する、前記第1の像担持体と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL1、前記移動方向に関する、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第2の張架ローラと前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL2、前記移動方向に関する、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の張架ローラと前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL3、前記移動方向に関する、前記第2の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離L4としたとき、L1<L2<L3<L4を満たし、
    前記第2の張架ローラは、前記中間転写体を介さず直接電位的に接地されないように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. トナー像をそれぞれが担持する第1の像担持体及び第2の像担持体と、
    複数の張架ローラに張架され、第1の一次転写部及び第2の一次転写部で前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体からそれぞれ一次転写されたトナー像を二次転写部で転写材に二次転写するために搬送する、周回移動可能な無端状の中間転写体と、
    前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体のそれぞれに対応して前記中間転写体の内周面側に配置され、前記中間転写体に接触すると共に前記中間転写体を前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体に接触させてそれぞれ前記第1の一次転写部及び前記第2の一次転写部を形成することが可能な第1の一次転写部材及び第2の一次転写部材と、
    前記第1の一次転写部材及び前記第2の一次転写部材に前記一次転写のための電圧をそれぞれ印加する第1の一次転写電源及び第2の一次転写電源と、
    前記二次転写部に対応して前記中間転写体の外周面側に配置され、前記中間転写体に接触して前記二次転写部を形成する外部材と、
    を有し、
    前記複数の張架ローラは、前記二次転写部に対応して配置された第1の張架ローラと、前記中間転写体の移動方向に関して前記第1の一次転写部材よりも下流側かつ前記第1の張架ローラよりも上流側において前記第1の一次転写部材に隣接して配置された第2の張架ローラと、を含み、
    前記第2の像担持体は、前記移動方向に関して前記二次転写部よりも下流側かつ前記第1の像担持体よりも上流側において前記第1の像担持体に隣接して配置され、
    前記第1の一次転写部材は、前記第1の一次転写部を形成した際に、前記移動方向に関して、前記第1の像担持体と前記中間転写体との接触領域と、前記中間転写体と前記第1の一次転写部材との接触領域とが重ならないように、前記第1の像担持体よりも下流側に配置され、
    前記第2の一次転写部材は、前記第2の一次転写部を形成した際に、前記移動方向に関して、前記第2の像担持体と前記中間転写体との接触領域と、前記中間転写体と前記第2の一次転写部材との接触領域とが重ならないように、前記第2の像担持体よりも下流側に配置され、
    前記第1の張架ローラ又は前記外部材は、前記中間転写体を介さず直接電位的に接地されており、
    前記移動方向に関する、前記第1の像担持体と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL1、前記移動方向に関する、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第2の張架ローラと前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL2、前記移動方向に関する、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の張架ローラと前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離をL3、前記移動方向に関する、前記第2の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の下流側端部と、前記第1の一次転写部材と前記中間転写体との接触領域の上流側端部と、の間の距離L4としたとき、L1<L2<L3<L4を満たし、
    前記第2の張架ローラは、前記中間転写体を介さず電流抑制素子を介して電位的に接地されるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記電流抑制素子は、抵抗素子、バリスタ、又はツェナーダイオードであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記電流抑制素子は、電気抵抗値が500MΩ以上の抵抗素子であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 外部材に前記二次転写のための電圧を印加する二次転写電源を有し、前記第1の張架ローラは、前記中間転写体を介さず直接電位的に接地されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 記第1の張架ローラに前記二次転写のための電圧を印加する二次転写電源を有し、前記外部材は、前記中間転写体を介さず直接電位的に接地されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 2/L1≦10を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記複数の張架ローラは、前記第1の張架ローラ、前記第2の張架ローラ、及び前記移動方向に関して前記第1の張架ローラよりも下流側かつ前記第2の一次転写部材よりも上流側に配置された第3の張架ローラの3つの張架ローラからなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 第1の一次転写電源が前記第1の一次転写部材に電圧を印加している際の電流値又は電圧値を検知する検知部と、
    前記検知部の検知結果に基づいて、前記第1の一次転写部における一次転写時に前記第1の一次転写電源が前記第1の一次転写部材に印加する電圧、及び前記第2の一次転写部における一次転写時に前記第2の一次転写電源が前記第2の一次転写部材に印加する電圧を設定する制御を実行する制御部と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. トナー像を担持する第3の像担持体と、
    前記第3の像担持体に対応して前記中間転写体の内周面側に配置され、前記中間転写体に接触すると共に前記中間転写体を前記第3の像担持体に接触させて第3の一次転写部を形成することが可能な第3の一次転写部材と、
    を有し、
    前記中間転写体は、前記第3の一次転写部で前記第3の像担持体から一次転写されたトナー像を前記二次転写部で転写材に二次転写するために搬送し、
    前記第3の像担持体は、前記移動方向に関して前記二次転写部よりも下流側かつ前記第2の像担持体よりも上流側に配置され、
    前記第3の一次転写部材は、前記第3の一次転写部を形成した際に、前記移動方向に関して、前記第3の像担持体と前記中間転写体との接触領域と、前記中間転写体と前記第3の一次転写部材との接触領域とが重ならないように、前記第3の像担持体よりも下流側に配置され、
    前記第2の一次転写部材及び前記第3の一次転写部材には共通の前記第2の一次転写電源から電圧が印加されることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  11. 前記第3の一次転写部材は、金属ローラで構成されていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記第2の張架ローラは、金属ローラで構成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記第1の張架ローラは、芯金の周囲に導電性の弾性層が設けられて構成されていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記第2の張架ローラは、芯金の周囲に導電性の弾性層が設けられて構成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  15. 前記第1の張架ローラは、金属ローラで構成されていることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記第1の一次転写部材及び前記第2の一次転写部材は、金属ローラで構成されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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