JP7380286B2 - 車両用ピラーガーニッシュ - Google Patents

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本発明は、車両用ピラーガーニッシュに関する。


従来、繊維と熱可塑性樹脂を含む基材に対して樹脂成形体を一体的に成形した成形構造体が知られている。下記特許文献1には、一対の成形型によって基材を成形した後、基材上に溶融樹脂を射出することで樹脂成形体を成形する製造方法が記載されている。基材上に射出された溶融樹脂は、基材を構成する熱可塑性樹脂と混ざり合う。この結果、樹脂成形体は基材に対して接合される、とのことである。
特許第5186883号公報
しかしながら、基材と樹脂成形体の成形収縮率を比較すると、樹脂成形体の成形収縮率の方が大きい。そのため、射出成形後の冷却過程では両者の収縮量の差に起因して接合面に応力が発生し、成形構造体が変形してしまうことが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、変形が抑制された成形構造体を実現することを目的の一つとする。また、そのような成形構造体の製造方法を提供することを、さらなる目的の一つとする。
本明細書によって開示される成形構造体は、繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状の基材と、熱可塑性樹脂を含む樹脂成形体と、を備え、前記樹脂成形体は、前記基材の一方の板面に対して接合される第1樹脂成形部と、前記基材の他方の板面に対して接合される第2樹脂成形部と、を有する。
一般に、熱可塑性樹脂を含む樹脂成形体の収縮率は、繊維及び熱可塑性樹脂を含む基材よりも大きい。そのため、板状をなす基材の一方の板面にのみ樹脂成形体(第1樹脂成形部)が接合されているとすると、成形後の温度変化や結晶化に伴う経時変化の過程で接合面に応力が生じて成形構造体が変形してしまう。
そこで、一方の板面に対して接合される第1樹脂成形部に加えて、他方の板面に対して第2樹脂成形部が接合されれば、基材の両側にそれぞれ接合面が配される。これにより、各接合面で生じる応力が打ち消し合い、成形構造体の変形が抑制される。なお、基材に含まれる熱可塑性樹脂と、樹脂成形体に含まれる熱可塑性樹脂は同一の材料であっても、異なる材料であってもよい。
また、前記第2樹脂成形部は、前記第1樹脂成形部とは前記基材を挟んで対称となる位置に接合されているものとすることができる。このようにすると、いずれか一方の接合面で生じた応力は、基材を挟んで対称となる位置に配される他方の接合面で生じた応力によって打ち消される。つまり、両接合面で挟まれた領域内で応力が打ち消されるため、成形構造体における他の領域に応力の影響を与えにくくなる。これにより、成形構造体の変形をさらに抑制することができる。
また、前記他方の板面は、前記基材の他の部分と比べて厚みを小さくすることで構成された基材凹部を有し、前記第2樹脂成形部は、前記基材凹部に充填される形で前記基材凹部と接合されるものとすることができる。
このようにすれば、基材凹部の大きさ(平面視した場合の面積や基材凹部の深さ)や形状を適宜変更することで、第2樹脂成形部を構成する熱可塑性樹脂の量や形状を調整できる。これにより、第2樹脂成形部に起因して発生する応力の大きさを適宜調整して、第1樹脂成形部に起因する応力と釣り合わせることができる。これにより、温度変化等に起因する成形構造体の変形をさらに抑制できる。
また、このような構成では、第2樹脂成形部は、基材の他の部分と比べて厚みが小さい基材凹部に接合される。そのため、成形構造体の第2樹脂成形部が配されている部分と、それ以外の部分との厚みの差を低減もしくは無くすことができる。これにより、第2樹脂成形部の存在による、他方の板面におけるデザイン上の制約を抑制もしくは解消できる。
また、上記課題を解決するための手段として本明細書で開示される成形構造体の製造方法は、一対のプレス型により繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状のプレボードを成形するプレボード成形工程と、前記プレボード成形工程の後に実行され、前記プレボードを成形型によりプレス成形して前記基材を成形する基材成形工程と、前記基材成形工程の後に実行され、閉じた前記成形型の内部の成形空間に溶融樹脂を射出して前記樹脂成形体を成形する射出成形工程と、を備え、前記射出成形工程では、前記第1樹脂成形部及び前記第2樹脂成形部が、それぞれ前記基材を挟んだ位置に成形され、前記基材に接合されることに特徴を有する。
このようにすれば、射出成形工程で成形される第1樹脂成形部及び第2樹脂成形部は、基材を挟んだ位置にそれぞれ接合される。すると、射出成形工程後の冷却の過程において、それぞれの接合面で生じる応力は逆向きになり、打ち消し合うため、成形構造体の変形が抑制される。
また、上記課題を解決するための手段として本明細書で開示される成形構造体の製造方法は、一対のプレス型により繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状のプレボードを成形するプレボード成形工程と、前記プレボード成形工程の後に実行され、前記プレボードを成形型によりプレス成形して前記基材を成形する基材成形工程と、前記基材成形工程の後に実行され、閉じた前記成形型の内部の成形空間に溶融樹脂を射出して前記樹脂成形体を成形する射出成形工程と、を備え、前記一対のプレス型は、少なくとも一方のプレス面に、他方のプレス面に向かって凸となる向きのプレス面凸部を少なくとも1つ有し、前記プレボード成形工程では、前記プレボードに前記プレス面凸部が押し当てられることで、前記プレボードの一部にプレボード凹部が形成され、前記基材成形工程では、前記プレボード凹部が、前記成形型によりプレス成形された前記基材における前記基材凹部となり、前記射出成形工程では、前記第1樹脂成形部及び前記第2樹脂成形部が、それぞれ前記基材を挟んだ位置に成形されて前記基材と接合されることに特徴を有する。
このようにすれば、プレボード成形工程において、プレス面凸部が押し当てられた部分にプレボード凹部が形成され、プレボード凹部はプレボードの他の部分と比べて厚みが小さくなる。そして、その後の基材成形工程ではプレボードから基材が成形され、このときプレボード凹部が基材における基材凹部となる。つまり、プレス型にプレス面凸部をあらかじめ形成しておくことで、別途基材凹部を形成する工程が必要なくなる。これにより、成形構造体の製造において工程を増やさずに、さらに変形を抑制することができる。
本発明によれば、成形構造体の変形を抑制することができる。
ピラーガーニッシュ20の全体斜視図(意匠面側) ピラーガーニッシュ20の全体斜視図(裏面側) 基材30の全体斜視図 図1のA-A断面図 第2樹脂成形部42がないとした場合の、図4に相当する断面図 プレボード成形工程S10を示す断面図 成形装置70の型開き状態を表す断面図 基材成形工程S20を表す断面図 射出成形工程S30を表す断面図 図9に示す状態からスライド型を移動させた状態を示す断面図 押出ピン77によってピラーガーニッシュを押し出した状態を示す断面図
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1から図11に基づいて説明する。本実施形態では、成形構造体として車両用のピラーガーニッシュ20を例示する。なお、各図に示した矢印FR及びRRの方向はそれぞれ前方(車両進行方向)及び後方を示し、矢印IN及びOUTの方向はそれぞれ車内側及び車外側の方向を示し、矢印UP及びDWの方向はそれぞれ上方及び下方を示す。
ピラーガーニッシュ20は、車室の側壁に配設されているセンターピラー(Bピラー)に対して車内側から取り付けられる車両用内装材(乗物用内装材の一例)である。ピラーガーニッシュ20は、図1、図2の斜視図及び図1のA-A断面図である図4に示すように、乗員と対向する面を構成する主壁部21と、主壁部21における両側の端部(車両前後方向における両端部)にそれぞれ設けられた一対の側壁部25,26と、を備える。また、ピラーガーニッシュ20の車外側を向く面を裏面(一方の板面)20Aとし、車内側を向く面を意匠面(他方の板面、表面)20Bとする。なお、本実施形態において例示するピラーガーニッシュ20は車室の右側に配されるものであるが、車室の左側にも同様の構成を備えるものとする。
主壁部21は、上下方向に長い板状をなし、その中央部には、スライドプレートを車内側に露出させるための開口部24が形成されている。なお、スライドプレートにはシートベルトを挿通させて固定するためのショルダーベルトアンカーが取り付けられる。主壁部21の下端部には、ピラーガーニッシュ20をセンターピラーに取り付けるための一対の取付片22が設けられている。主壁部21の上端部の裏面(車外側の面)には、クリップ座51が車外側に突出する形で形成されている。クリップ座51は、センターピラーに備わるクリップと係合させることができ、これによりピラーガーニッシュ20がセンターピラーによって保持される。
図1、図2、及び図4に示すように、側壁部25は、主壁部21の前側の側端から車外側に立ち上がるものとされ、側壁部26は、主壁部21の後側の側端部から車外側に立ち上がるものとされる。また、側壁部25,26の各裏面には、上下方向に並ぶ複数の補強リブ49が形成されている。さらに、側壁部25,26の各裏面には、側壁部25,26の各側端部に沿って延びる延設リブ50が形成されている。延設リブ50は、上下方向に並ぶ複数の補強リブ49を連結する形で設けられている。
また、ピラーガーニッシュ20は、繊維及び熱可塑性樹脂を含む基材30と、熱可塑性樹脂を含む樹脂成形体40と、を備えている。図1及び図2においては、ピラーガーニッシュ20のうち、樹脂成形体40が占める部分を網掛けで図示している。基材30は後述するプレス成形によって成形され、樹脂成形体40は後述する射出成形によって成形される。
基材30に含まれる繊維としては、例えばケナフ繊維が挙げられるが、繊維の種類はこれに限定されず、木質繊維、ガラス繊維や炭素繊維等を用いてもよい。また、基材30において、繊維は熱可塑性樹脂により結着されている。基材30に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリプロピレンを例示することができ、樹脂成形体40に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリプロピレンを例示することができるが、これらに限定されない。なお、基材30及び樹脂成形体40に用いられる熱可塑性樹脂は、同一の材質であってもよいし、それぞれ異なる材質であってもよい。
本実施形態に係る基材30の全体図を図3に示す。基材30は、全体としては矩形をなす板状の部材である。また、基材30は、車内側が凸になる形で折り曲げられており、主壁部21の大部分(上端部及び下端部を除いた部分)を構成する基材主壁部34と、側壁部25の大部分(上端部、下端部及び側端部以外の部分)を構成する基材側壁部35と、側壁部26の大部分(上端部、下端部及び側端部以外の部分)を構成する基材側壁部36と、を備える。
基材側壁部35は、図4に示すように、基材主壁部34に対して屈曲する形で基材主壁部34の前端部(図4では左側、主壁部21の端部)から車外側に立ち上がる形態をなしている。また、基材側壁部36は、基材主壁部34に対して屈曲する形で基材主壁部34の後端部から車外側に立ち上がる形態をなしている。
図3及び図4に示すように、基材側壁部35の一部は、基材30の他の部分よりも厚みが小さい基材凹部35Aとされる。基材凹部35Aは、基材側壁部35の車外側の端部において、一定の幅を持って上下方向に沿って配されている。基材凹部35Aは、意匠面20Bとなる側の面が凹む形で、厚みが小さくなっている。なお、基材側壁部36においては、基材凹部35Aと同様の構成を備える基材凹部36Aが形成されている。
樹脂成形体40は、裏面20Aに接合される第1樹脂成形部41と、意匠面20Bに接合される第2樹脂成形部42と、ピラーガーニッシュ20の上端部分を構成する樹脂上端部44Aと、ピラーガーニッシュ20の下端部分を構成する樹脂下端部44Bと、ピラーガーニッシュ20の車外側の両端部を構成する樹脂延設部47,48と、を備える。これらは後述する射出成形により一体的に成形される。なお、ピラーガーニッシュ20の裏面20Aに接合されている補強リブ49及び延設リブ50は、合わせて第1樹脂成形部41とされる。
第1樹脂成形部41はポリプロピレン等の熱可塑性樹脂より構成される。また、第2樹脂成形部42は、第1樹脂成形部41と同一の熱可塑性樹脂からなり、基材凹部35A、36Aを意匠面側から覆うようにして接合される板状の部材である。また、第2樹脂成形部42は、車外側の端部において樹脂延設部47,48とそれぞれ接続されている(連なっている)。
基材側壁部35,36の厚みをD1とし、基材凹部35A,36Aの厚みをD2、第2樹脂成形部42の厚みをD3とすると、D1=D2+D3となる。つまり、ピラーガーニッシュ20の意匠面20Bにおいて、表面に第2樹脂成形部42が現れている箇所と、表面に基材側壁部35,36が現れている箇所とでは厚みの差はなく、意匠面20Bに凹凸は生じていない。
次に、本実施形態に係るピラーガーニッシュ20を成形するための成形装置70について説明する。成形装置70は、図7に示すように、成形型71と、射出装置78と、を備える。成形型71は、コア型72と、キャビ型73と、スライド型74と、を備える。コア型72及びキャビ型73は対向配置され、駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等)によって接近又は離隔させることができる。これにより、コア型72及びキャビ型73の型閉じ及び型開きが可能な構成となっている。射出装置78は、成形型71に設けられたゲート76A,76B,76C(ゲート76Aは図1参照)に溶融樹脂を圧送して成形空間S2に溶融樹脂を射出するための装置である。
図8に示す型閉じ状態では、コア型72、キャビ型73、スライド型74によって、基材30を成形するための成形空間S1、及び樹脂成形体40を成形するための成形空間S2が形成される。射出装置78(図7参照)から供給された溶融樹脂はゲート76A,76B,76Cを介して、成形空間S2に射出される構成となっている。なお、図8から図11において、射出装置78は図示省略している。
次に、本実施形態に係るピラーガーニッシュ20の製造方法について説明する。本実施形態に係るピラーガーニッシュ20の製造方法は、成形前の基材30であるプレボードP1を成形するプレボード成形工程S10と、プレボードP1をコア型72及びキャビ型73によってプレス成形して基材30とする基材成形工程S20と、成形空間S2に溶融樹脂を射出することで基材30と接合される形で樹脂成形体40を成形する射出成形工程S30と、を備える。
図6に示すように、プレボード成形工程S10では、繊維と熱可塑性樹脂からなる矩形の繊維マット80を、対向する一対のプレス型81,82によって加熱プレスする。これにより、繊維マット80が加熱圧縮され、その後繊維マット80に含まれる熱可塑性樹脂が冷却固化するとプレボードP1が成形される。プレス型81はそのプレス面81Aが平坦であるが、プレス型82は、そのプレス面82Aにおいて、プレス面凹部82Bと、プレス面凹部82BよりもD4だけ高くなっているプレス面凸部82Cと、を有する。なお、プレス面82A、プレス面凹部82B、プレス面凸部82Cはそれぞれ相互に平行な面である。
プレス面凹部82Bは、平面に視てプレス面82Aを横切る帯状の平坦な部分である。また、プレス面凸部82Cは、プレス面82Aにおけるプレス面凹部82B以外の部分であり、プレス面凹部82Bを両側から挟み込むように配されている。このような一対のプレス型81、82によって成形されたプレボードP1では、プレス面81Aが当接していた側の板面は平坦になる。しかし、プレス面82Aが当接していた側の板面は、プレス面凹部82Bが当接していた部分と、プレス面凸部82Cが当接していた部分とで段差が生じており、その段差の高さはD4となる。矩形をなすプレボードP1においては、長手方向に沿って帯状に伸びる厚い部分であるプレボード凸部P1Bと、プレボード凸部P1Bを両側から挟み込むように配されるプレボード凹部P1Aが形成される。
プレボード成形工程S10の後に実行される基材成形工程S20では、図7に示すように、まず加熱されて軟化したプレボードP1をコア型72、スライド型74及びキャビ型73の間に配置する。続いて、図8に示すように、コア型72とキャビ型73とを型閉じすることで、プレボードP1がコア型72、スライド型74及びキャビ型73の各成形面によってプレス成形される。これにより、成形型71によってプレス成形されたプレボードP1が成形空間S1の形状に倣う形状となり、基材30となる。
基材成形工程S20の後に実行される射出成形工程S30では、図9に示すように、コア型72、スライド型74及びキャビ型73によって基材30が挟持された状態で、基材30及び成形型71の双方によって構成された成形空間S2に溶融樹脂(例えばポリプロピレン)が射出される。成形空間S2に溶融樹脂が充填される過程では、溶融樹脂が基材30との接触箇所において基材30の繊維の内部へと浸透する。これと同時に、繊維の内部に浸透した溶融樹脂は、基材30内部の軟化した熱可塑性樹脂と混ざり合い、渾然一体となる(混融される)。
具体的には射出成形工程S30において、射出装置78から供給された溶融樹脂は成形型71に設けられた3箇所のゲート76A,76B,76Cから成形空間S2に射出される。図1では、各ゲート76A,76B,76Cを点で示すことで、樹脂成形体40と各ゲート76A,76B,76Cとの位置関係を図示している。図1に示すように、
ゲート76Aは、主に樹脂上端部44Aを成形するための成形空間S2に溶融樹脂を供給する。また、ゲート76B,76Cは、成形空間S2のうち、主に第1樹脂成形部41、第2樹脂成形部42、樹脂下端部44B、樹脂延設部47,48を成形するための成形空間S2に溶融樹脂を供給する。
その後、溶融樹脂の温度が下がると、成形空間S2に充填された溶融樹脂は固化して基材30と接合された樹脂成形体40となる。例えば、第2樹脂成形部42は、基材凹部35A,36Aと接合された状態で成形される。
そして図10に示すように、スライド型74を移動させて、ピラーガーニッシュ20におけるアンダーカット部分(例えば延設リブ50)を型抜き可能な状態とし、図11に示すように、コア型72に設けられた押出ピン77によって、ピラーガーニッシュ20を押し出すことで、ピラーガーニッシュ20を型抜きすることができる。その後の工程で開口部24を設ける等の加工を行い、ピラーガーニッシュ20が完成する。
次に、本実施形態に係る構成の作用及び効果について説明する。本実施形態に係るピラーガーニッシュ20は、繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状の基材30と、熱可塑性樹脂を含む樹脂成形体40と、を備え、樹脂成形体40は、基材30の裏面20Aに対して接合される第1樹脂成形部41と、基材30の意匠面20Bに対して接合される第2樹脂成形部42と、を有する。
一般に、熱可塑性樹脂を含む樹脂成形体40の収縮率は、繊維及び熱可塑性樹脂を含む基材30よりも大きい。そのため、図5に示す構成のように、板状をなす基材130の裏面120A側にのみ第1樹脂成形部41(補強リブ49、延設リブ50)が接合されている場合には、成形後の温度変化や熱可塑性樹脂の結晶化に伴う経時変化の過程で接合面に応力が生じ、ピラーガーニッシュ120が変形してしまう。例えば、基材側壁部135,136が、上下方向から視てそれぞれ車内側に膨出するように湾曲することが考えられる。また、側壁部125,126の車外側の部分はピラーガーニッシュ120の上下方向に沿って長い接合面が連続しているため、温度変化等に伴う応力の発生により変形しやすい。具体的には、車内側から視て側壁部125が前方に、側壁部126が後方に向かってそれぞれ膨出するような形状に変形してしまうことが考えられる。
そこで、本実施形態に係るピラーガーニッシュ20では、図4に示すように、裏面20Aに第1樹脂成形部41が接合されることに加え、意匠面20Bに第2樹脂成形部42が接合され、基材30の両側にそれぞれ接合面が配される。これにより、各接合面で生じる応力が打ち消し合い、ピラーガーニッシュ20の変形が抑制される。なお、基材30に含まれる熱可塑性樹脂と樹脂成形体40に含まれる熱可塑性樹脂は同一の材料であっても、異なる材料であってもよい。
また、第2樹脂成形部42は、第1樹脂成形部41とは基材30を挟んで対称となる位置に接合されるものとすることができる。
このようにすると、意匠面20B側又は裏面20A側のいずれか一方の接合面で生じた応力は、基材30を挟んで対称となる位置に配される他方の接合面で生じた応力によって打ち消される。つまり、両接合面で挟まれた領域内で応力が打ち消されるため、ピラーガーニッシュ20における他の領域に応力の影響を与えにくくなる。これにより、ピラーガーニッシュ20の変形をさらに抑制することができる。
意匠面20Bは、基材30の他の部分と比べて厚みを小さくすることで構成された基材凹部35A、36Aを有し、第2樹脂成形部42は、基材凹部35A,36Aに充填される形で基材凹部35A,36Aと接合されるものとすることができる。
このようにすれば、基材凹部35A,36Aの大きさ(平面視した場合の面積や基材凹部35A,36Aの深さ)や形状を適宜変更することで、第2樹脂成形部42を構成する熱可塑性樹脂の量や形状を調整できる。これにより、第2樹脂成形部42に起因して発生する応力の大きさが適宜調整でき、第1樹脂成形部41に起因する応力と釣り合わせることができる。これにより、温度変化等に起因するピラーガーニッシュ20の変形をさらに抑制できる。
また、このような構成では、第2樹脂成形部42は、基材30における他の部分と比べて厚みが小さい基材凹部35A,36Aに接合される。そのため、ピラーガーニッシュ20の第2樹脂成形部42が配されている部分と、それ以外の部分との厚みの差を低減もしくは無くすことができる。これにより、第2樹脂成形部42の存在による、意匠面20Bにおけるデザイン上の制約を抑制もしくは解消できる。
次に、本実施形態に係るピラーガーニッシュ20の製造方法について説明する。本実施形態に係るピラーガーニッシュ20の製造方法は、一対のプレス型81,82により繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状のプレボードP1を成形するプレボード成形工程S10と、プレボード成形工程S10の後に実行され、プレボードP1を成形型71によりプレス成形して基材30を成形する基材成形工程S20と、基材成形工程S20の後に実行され、閉じた成形型71の内部の成形空間S2に溶融樹脂を射出して樹脂成形体40を成形する射出成形工程S30と、を備え、射出成形工程S30では、第1樹脂成形部41及び第2樹脂成形部42が、それぞれ基材30を挟んだ位置に成形され、基材30に接合されることを特徴とする。
このような構成のピラーガーニッシュ20の製造方法では、射出成形工程S30で成形される第1樹脂成形部41及び第2樹脂成形部42は、基材30を挟んだ位置にそれぞれ接合される。このようにすれば、射出成形工程S30後の冷却の過程において、それぞれの接合面で生じる応力は逆向きになり、打ち消し合うため、ピラーガーニッシュ20の変形が抑制される。
また、プレボード成形工程S10では、一対のプレス型81,82は、少なくとも一方のプレス面81A又は82Aに、他方のプレス面に向かって凸となる向きのプレス面凸部82Cを少なくとも1つ有しており、プレボードP1にプレス面凸部82Cが押し当てられることでプレボードP1の一部にプレボード凹部P1Aが形成され、基材成形工程S20では、プレボード凹部P1Aが、成形型71によりプレス成形された基材30における基材凹部35A,36Aとなるものとすることができる。
このようにすれば、プレボード成形工程S10において、プレス面凸部82Cが押し当てられた部分にプレボード凹部P1Aが形成され、プレボード凹部P1AはプレボードP1の他の部分(プレボード凸部P1B)と比べて厚みが小さくなる。そして、その後の基材成形工程S20ではプレボードP1を基に基材30が成形され、プレボード凹部P1Aが基材30における基材凹部35A、36Aとなる。
つまり、プレス型81,82にプレス面凸部82Cをあらかじめ形成しておくことで、基材凹部35A,36Aを別途形成する工程が必要なくなる。これにより、ピラーガーニッシュ20の製造において工程を増やさずに、さらに変形を抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、基材凹部35A,36Aを基材30における車外側の端部に配したが、基材凹部35A,36Aの位置はこれに限定されない。例えば、基材側壁部35,36における任意の位置や、基材主壁部34の任意の位置に基材凹部35A,36Aを配してもよい。
(2)上記実施形態では、プレス面82A、プレス面凹部82B、プレス面凸部82Cはそれぞれ平坦としているが、これらが平坦でない場合も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、各プレス面は波打っている形状であったり、細かな溝が形成されていたりしてもよい。
(3)上記実施形態では、プレス面81A、プレス面凹部82B及びプレス面凸部82Cはそれぞれ相互に平行をなしているが、これらの各面は平行ではなく相互に傾斜していても構わない。
(4)上記実施形態では、プレス面凹部82Bとプレス面凸部82Cとの間に段差が形成されているが、段差が存在していなくてもよい。例えば高さの異なるプレス面82B,82Cがなだらかな曲面で繋がっていても構わない。
20…ピラーガーニッシュ(成形構造体)、20A,120A…裏面(一方の板面)、20B,120B…意匠面(他方の板面、表面)、21…主壁部、25,125,26,126…側壁部、30,130…基材、35,135,36,136…基材側壁部35A,36A…基材凹部、40…樹脂成形体、41…第1樹脂成形部、42…第2樹脂成形部、47,48…樹脂延設部、49…補強リブ、50…延設リブ、D1…基材側壁部35,36の厚み、D2…基材凹部35A,36Aの厚み、D3…第2樹脂成形部42の厚み

Claims (2)

  1. 繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状の基材と、
    熱可塑性樹脂を含む樹脂成形体と、を備え、
    前記樹脂成形体は、
    前記基材の一方の板面に対して接合される第1樹脂成形部と、
    前記基材の他方の板面に対して接合される第2樹脂成形部と、を有する成形構造体からなる車両用ピラーガーニッシュであって、
    上下方向に長い板状をなす主壁部と、
    前記主壁部の左右両側端から車外側に延出する一対の側壁部と、を備え、
    前記側壁部の裏面には、それぞれ上下方向に並ぶ複数の補強リブと、上下方向に沿って延び、上下方向に並んだ前記複数の補強リブを連結する形の延設リブと、が設けられ、
    前記補強リブと前記延設リブは、前記第1樹脂成形部を構成しており、
    前記基材は、前記主壁部を構成する基材主壁部と、前記側壁部を構成する基材側壁部とを備え、
    前記基材側壁部は、前記基材側壁部の車外側の端部において、当該ピラーガーニッシュの意匠面となる側の面が一部凹む形の凹部であって、他の部分よりも厚みが小さい基材凹部を備え、
    前記第2樹脂成形部が、前記基材凹部に充填される形で前記基材凹部と接合されている、車両用ピラーガーニッシュ。
  2. 前記第2樹脂成形部は、前記第1樹脂成形部とは前記基材を挟んで対称となる位置に接合されている請求項1に記載の車両用ピラーガーニッシュ
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