JP7379903B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、分散液、インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法はインク組成物の液滴をノズルから飛翔させ、紙等の被記録媒体に付着させて印刷を行う記録方法である。このインクジェット記録方法は、高解像度且つ高品位な画像を高速で印刷できるという特徴を有しており、様々な技術分野で用いられるようになってきている。そして、近年、布への捺染印刷や、ポリプロピレン等のフィルムへの印刷の要望が高まっている。例えば、特許文献1には、布帛に形成した画像などの摩擦堅牢性を改善するために、特定の水分散性樹脂と架橋剤であるブロックイソシアネート系化合物とを含む捺染用インクジェットインクが提案されている。
特開2009-215506号公報
しかしながら、特許文献1に記載の捺染用インクジェットインクでは、固形分濃度が高くなることで増粘しやすく吐出安定性に課題があった。また、摩擦堅牢性が十分でないという課題もあった。詳しくは、ブロックイソシアネート系化合物の架橋反応によって摩擦堅牢性の改善を図ろうとしている。これに対して、ブロックイソシアネート系化合物の保存安定性が十分でないため、貯蔵時にイソシアネート基の反応が進行しやすく、捺染用インクジェットインクの使用時にイソシアネート基が失活している場合があった。そのため、所望の架橋反応が発現しにくかった。
本発明者らは、ブロックドイソシアネート基を含むアクリル系樹脂粒子を用いることで、優れた吐出安定性を示す分散液が得られ、さらには、布帛への定着画像の摩擦堅牢性に優れるインク組成物が得られうることを見出した。
すなわち、本発明に係る分散液は、非水溶性色材と、アクリル系樹脂粒子と、含み、アクリル系樹脂粒子は、アクリル系ブロックドイソシアネート基を、アクリル系樹脂粒子の全量に対してモノマーユニットとして20mol%以上含み、アクリル系樹脂粒子の重量平均分子量は、1000以上1000000以下である。
上記の分散液において、アクリル系ブロックドイソシアネート基が有するブロック剤は、ピラゾール、メチルエチルケトキシム、カプロラクタムのいずれかであることが好ましい。
上記の分散液において、アクリル系樹脂粒子は、ヒドロキシアルキルアクリレートに由来する構造を繰り返し単位中に有することが好ましい。
上記の分散液は、アクリル系樹脂粒子の含有量が、分散液全量に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
上記の分散液は、色材分散剤を含むことが好ましい。
インクジェット記録用インク組成物は、上記の分散液を含む。
インクジェット記録方法は、上記のインクジェット記録用インク組成物を、記録ヘッドから吐出して被記録媒体へ付着させるインク付着工程を含む。
上記のインクジェット記録方法は、被記録媒体の表面にヒドロキシ基を有することが好ましい。
上記のインクジェット記録方法は、インク付着工程の後に、被記録媒体と、被記録媒体に付着されたインクジェット記録用インク組成物と、を、アクリル系ブロックドイソシアネート基の熱解離温度以上の加熱温度に加熱する加熱工程を含むことが好ましい。
上記のインクジェット記録方法は、インク付着工程において、被記録媒体と、被記録媒体に付着されたインクジェット記録用インク組成物と、を、アクリル系ブロックドイソシアネート基の熱解離温度以上の加熱温度に加熱することが好ましい。
上記のインクジェット記録方法は、加熱温度が、100℃以上であることが好ましい。
分散液
本実施形態の分散液は、非水溶性色材と、アクリル系樹脂粒子(以下、単に「樹脂(A)」ともいう)と、を含み、アクリル系樹脂粒子の全量に対してアクリル系ブロックドイソシアネート基をモノマーユニット(以下単にブロック剤モノマーと略す)として20mol%以上含み、アクリル系樹脂粒子の重量平均分子量は、1000以上1000000以下である。
樹脂(A)のブロック剤が20mol%で未満であると摩擦堅牢性が充分でない。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が1000未満であると摩擦堅牢性が充分でなく、1000000より高いと増粘し吐出安定性の悪化や風合いが悪くなる。
上述の分散液によれば、優れた吐出安定性を示し、布帛への定着画像の湿摩擦堅牢性に優れる分散液が得られる。
分散液の粘度は、好ましくは0.5mPa・s以上100mPa・s以下であり、より好ましくは1.0mPa・s以上50mPa・s以下であり、さらに好ましくは1.5mPa・s以上10mPa・s以下である。当該粘度を示す分散液を用いることで、優れた吐出安定性を示す分散液が得られる。
当該粘度は、20℃で測定した粘度とする。
樹脂(A)
樹脂(A)は、アクリル系ブロックドイソシアネート基を有している。アクリル系ブロックドイソシアネート基では、ブロック剤によってイソシアネート基の反応性がマスクされて抑制されている。そのため、樹脂(A)が含まれる分散液やインクジェット記録用インク組成物を長期間保存してもイソシアネート基の反応が抑えられて、貯蔵安定性が向上する。
一方、ブロック剤は、所定の温度以上に加熱されることでイソシアネート基から解離する。すなわち、樹脂(A)が含まれるインクジェット記録用インク組成物を、被記録媒体に付着させた後、加熱することでイソシアネート基の反応性が解放される。イソシアネート基は、ヒドロキシ基と反応してウレタン共有結合を形成する。そのため、被記録媒体として表面にヒドロキシ基を有する、綿などの布帛や、フィルムなどを用いると、樹脂(A)と被記録媒体とが結合されて、湿摩擦堅牢性などを向上させることができる。
ブロック剤は、樹脂(A)が含まれる分散液の吐出安定性のため60℃~180℃未満で解離することが好ましい。より好ましくは70℃~170℃未満、さらに好ましくは80℃~160℃未満である。これによって、樹脂(A)を含む分散液印字後の加熱工程において反応を十分進行させることができ湿摩擦堅牢性を高められる。
上記の観点からブロック剤は、好ましくはピラゾール、メチルエチルケトキシム、カプロラクタム、のいずれかである。さらに好ましくはピラゾールである。
上記アクリル系ブロックドイソシアネート基が有するブロック剤を有することで、吐出安定性および湿摩擦堅牢性に優れる分散液が得られる。
樹脂(A)は、アクリル系ブロックドイソシアネート基の他に、共重合組成として、ヒドロキシアルキルアクリレートに由来する構造(以下、単にヒドロキシアクリレートとも略す)を有することが好ましい。これは、被記録媒体と樹脂(A)とのウレタン架橋のみならず、樹脂(A)同士でのウレタン架橋を形成することで湿摩擦堅牢性をさらに向上させることができるからである。
樹脂(A)は、アクリル系樹脂粒子の含有量が、分散液全量に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。さらに、ヒドロキシアクリレートを有することで、印刷加熱後に、熱解離したイソシアネート基と反応し、湿摩擦堅牢性に優れる分散液が得られる。
樹脂(A)の製造方法は、特に限定されないが、乳化重合法とすることが好ましい。ここで、乳化重合法とは、ラジカル重合開始部位を有するビニルモノマーと水とを、水と油を混合するための乳化剤(界面活性剤)で乳化させ、水中で油滴状態を形成する。この油滴中に、ラジカル発生剤である水溶性開始剤と分子量を調整する連鎖移動剤とを添加して、ラジカル発生温度以上で加熱することによって水中においてラジカル反応を行う重合法である。本実施形態では、ビニルモノマーとしてブロック剤モノマーおよびヒドロキシアクリレートを使用した。
ブロック剤モノマーは、モノマー構造にアルキル基を含む構造が好ましい。これは、ウレタン結合形成時にアルキル鎖長を含むことでウレタン架橋が柔軟となり架橋による堅牢性向上と風合いを向上することができるためである。
市販のブロック剤モノマーとしては、特に限定されないが、昭和電工社製カレンズ(登録商標)MOI-BP(ピラゾールブロック)、カレンズ(登録商標)MOI-BM(MEKOブロック)、カレンズ(登録商標)MOI-CP(カプロラクタムブロック)、カレンズ(登録商標)AOI-BM(MEKOブロック)、カレンズ(登録商標)AOI-BP(ピラゾールブロック)、カレンズ(登録商標)AOI-CP(カプロラクタムブロック)などが挙げられる。これらのうち、ブロック剤がピラゾール基であるカレンズMOI-BPが摩擦堅牢性の観点から好適に使用できる。
ヒドロキシアクリレートは、ブロック剤モノマーと同様に、アルキル鎖長を長くすることでウレタン架橋が柔軟となり架橋による湿摩擦堅牢性向上と風合いを向上することができる。アルキル鎖長は、炭素数1~20のアルキルアクリレートが好ましく、さらに好ましくは炭素数2~10のアルキルアクリレートが好ましい。例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートヒドロキシへキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、湿摩擦堅牢性の観点からヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ブロック剤モノマー/ヒドロキシアクリレートのモル比は、特に限定されないが吐出安定性から99/1~40/60、さらに好ましくは95/5~45/55、より好ましくは、90/10~50/50である。
水溶性乳化剤は、特に限定されないが、水とビニルモノマーと水溶性乳化剤を混合し、水中油滴状態を形成させた後に水とビニルモノマーが分離しないことが好ましい。乳化剤は、花王社製のペレックスや第一工業製薬社製のネオゲン(登録商標)などスルホン酸基などを有するアニオン性乳化剤が好適に使用できる。
水溶性乳化剤の配合量は、樹脂(A)全量体1.0に対して水溶性乳化剤が0.1乃至3.0(重量比)が好ましく、さらに好ましくは、0.3乃至2.0の範囲である。
開始剤は、水溶性の開始剤で過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどのアニオン系の過酸化物が好適に使用できる。
開始剤の配合量は、樹脂(A)全量体1.0に対して開始剤が0.1乃至3.0(重量比)が好ましく、さらに好ましくは、0.3乃至2.0の範囲である。ビニルモノマー量を固定し、開始剤量を多くすることで分子量を低くすることができ、逆に、開始剤量を少なくすることで分子量を高くすることが可能である。
連鎖移動剤は、乳化重合体の重量平均分子量について1000乃至1000000の所望の分子量に調整するものであり、例えば、メルカプト系、四塩化炭素、アルファーメチルスチレンダイマーなどが挙げられるが、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、3-メルカプトプロピオネート、3,3‘-チオジプロピオン酸、チオグリコール酸などのメルカプト系連鎖移動剤を用いることが分子量を制御する上で好適である。
連鎖移動剤の配合量は、樹脂(A)全量体1.0に対して0.01乃至3.0(重量比)が好ましく、さらに好ましくは、0.05乃至2.0の範囲である。
反応温度は、使用する開始剤の10時間半減期温度によって調整する。過硫酸アンモニウムであれば、10時間半減期温度が62℃であるため、65℃以上80℃未満で反応を行う。過硫酸カリウムであれば10時間半減期温度が70℃であるため、70℃以上80℃未満で反応を行う。すなわち、ラジカル発生して重合が進行し且つブロック剤モノマーのブロック剤が脱離しない温度が好ましい。好ましくは60℃以上90℃未満であり、より好ましくは70℃以上80℃以下である。
樹脂(A)の平均粒子径は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは10nm以上500nm以下であり、より好ましくは20nm以上400nm以下であり、さらに好ましくは30nm以上300nm以下である。粒子径が大きいと沈降しやすく吐出安定性が悪くなる。粒子径が30nmより小さくなると増粘しやすくなり吐出安定性が悪くなる。本明細書における平均粒子径は、特に明示がない限り体積基準のものである。測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定できる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、日機装株式会社(Nikkiso Co., Ltd.)製のマイクロトラックUPA)が挙げられる。
本実施形態の分散液において、樹脂(A)の含有量は、分散液全量(100質量%)に対して、好ましくは0.5質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは0.7質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以上50質量%以下である。樹脂量が上記の範囲であると、吐出安定性および湿摩擦堅牢性に優れる。
非水溶性色材
本実施形態の非水溶性色材としては、特に限定されないが、顔料又は油溶性染料が挙げられる。
油溶性染料としては、特に限定されないが、例えば、分散染料、建染染料、又は有機溶剤溶解性染料等を用いることができる。
本実施形態の顔料としては、特に限定されないが、より具体的には、以下のものが挙げられる。
ブラック用の顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラックとしては、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学株式会社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarc 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
ホワイト用の顔料としては、特に限定されないが、例えば、ホワイトに使用される顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子が挙げられる。
イエロー用の顔料としては、特に限定されないが、例えば、イエローに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタ用の顔料としては、特に限定されないが、例えば、マゼンタに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:2、48:5、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、及びC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアン用の顔料としては、特に限定されないが、例えば、シアンに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、及びC.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、上記以外の顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、及びC.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
顔料の平均粒子径は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは50nm以上300nm以下であり、より好ましくは55nm以上200nm以下であり、さらに好ましくは60nm以上150nm以下であり、よりさらに好ましくは65nm以上100nmである。なお、本明細書における平均粒子径は、特に明示がない限り体積基準のものである。測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定できる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、日機装株式会社(Nikkiso Co., Ltd.)製のマイクロトラックUPA)が挙げられる。
本実施形態の分散液において、非水溶性色材の含有量は、分散液全量100質量%に対して、好ましくは1.0質量%以上25.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以上20.0質量%以下であり、さらに好ましくは3.0質量%以上15.0質量%以下である。
本実施形態の分散液において、非水溶性色材と樹脂(A)との質量比は、吐出安定性の観点から、非水溶性色材/樹脂(A)として、好ましくは40/60~90/10であり、より好ましくは50/50~80/20であり、さらに好ましくは55/45~75/25である。非水溶性色材/樹脂(A)が39/61で樹脂(A)比率が高まると吐出安定性が悪くなり、91/9で樹脂(A)比率が低くなると湿摩擦堅牢性が悪化する。
色材分散剤
分散液中において、顔料を安定に分散させるために、アニオン性界面活性剤を添加することもできる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、石けん、α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、モノアルキルリン酸エステル塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレングリコールアルキルエーテルリン酸エステル塩などが挙げられる。
上述したアニオン界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

本実施形態のインクジェット記録用インク組成物は、水を含有する。水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水が挙げられる。
本実施形態の分散液において、水または有機溶剤の含有量は、分散液全量100質量%に対して、好ましくは60質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは70質量%以上95質量%以下であり、さらに好ましくは75質量%以上90質量%以下である。
インクジェット記録用インク組成物
本実施形態のインクジェット記録用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう)は、上述の本実施形態の分散液を含む。
本実施形態のインク組成物において、樹脂(A)の含有量は、インク組成物全量100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以上10質量%以下である。
本実施形態のインク組成物において、非水溶性色材の含有量は、インク組成物全量100質量%に対して、好ましくは0.5質量%以上20.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上15.0質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以上10.0質量%以下である。
非水溶性色材と樹脂(A)の質量比は上述の分散液における範囲が好ましい。
水溶性有機溶剤
本実施形態のインク組成物は、粘度調整及び保湿効果の観点から、水溶性有機溶剤をさらに含有していてもよい。
水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、低級アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、2-メチル-2-プロパノール、及び1,2-ヘキサンジオール)、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリプロピレングリコール)、グリセリン、アセチン類(例えば、モノアセチン、ジアセチン、及びトリアセチン)、グリコール類の誘導体(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、及びテトラエチレングリコールジエチルエーテル)、1-メチル-2-ピロリドン、β-チオジグリコール、及びスルホランが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
水溶性有機溶剤の含有量は、インク組成物全量100質量%に対して、好ましくは1.0質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは5.0質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
界面活性剤
本実施形態のインク組成物は、インクジェット記録方式でインク組成物を安定に吐出させることができ、かつ、インク組成物の浸透を適切に制御できる観点から、好ましくは界面活性剤をさらに含有する。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤(例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール及び2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4-ジメチル-5-デシン-4-オール及び2,4-ジメチル-5-デシン-4-オールのアルキレンオキサイド付加物)、フッ素系界面活性剤(例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、及びパーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物)、及びシリコーン系界面活性剤(例えば、ポリシロキサン系化合物、及びポリエーテル変性オルガノシロキサン)が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、インク組成物全量100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以上3.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.2質量%以上1.0質量%以下である。
本実施形態のインク組成物は、その他の添加剤として、柔軟剤、ワックス、溶解助剤、粘度調整剤、酸化防止剤、防カビ・防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム)等の、種々の添加剤を適宜含有してもよい。
インク組成物は、特に制限されないが、例えば以下のようにして調製することが可能である。上述した各成分を、任意の順序で混合する。その後、必要に応じて濾過などを行って不純物を除去する。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラーなどの撹拌装置を備えた容器に、順次成分を添加して撹拌混合する方法が採用可能である。
インク組成物の物性
本実施形態のインク組成物の粘度は、25℃でずり速度10(1/s)において、好ましくは0.03Pa・s未満であり、より好ましくは0.01Pa・s未満であり、さらに好ましくは0.005Pa・s未満である。分散液の粘度は、特に限定されないが、例えば、25℃でずり速度10(1/s)において、0.0001Pa・s以上である。
本実施形態のインク組成物の粘度は、25℃でずり速度1000(1/s)において、好ましくは0.03Pa・s未満であり、より好ましくは0.01Pa・s未満であり、さらに好ましくは0.005Pa・s未満である。分散液の粘度は、特に限定されないが、例えば、25℃でずり速度1000(1/s)において、0.0001Pa・s以上である。
上記の粘度は、25℃でE型粘度計(例えば、東機産業株式会社製TVE-22)により測定した値である。
インクジェット記録方法
本実施形態のインクジェット記録方法は、上述の本実施形態のインク組成物を、記録ヘッドから吐出して被記録媒体へ付着させるインク付着工程を含む。
上述のインクジェット記録方法は、インク組成物を、インクジェット装置に装填して使用する記録方法である。当該インクジェット装置としては、特に限定されないが、例えばドロップオンデマンド型のインクジェット装置が挙げられる。このドロップオンデマンド型のインクジェット装置には、ヘッドに配設された圧電素子を用いたインクジェット捺染方法を採用した装置、及びヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いたインクジェット捺染記録方法を採用した装置などがあり、いずれの方式を採用したものでもよい。以下、インクジェット記録方法が有する各工程について詳細に説明する。
インク付着工程
本実施形態のインク付着工程は、例えば、被記録媒体の面(画像形成領域)に向けて、インク組成物をインクジェット方式により吐出し、被記録媒体に付着させて、画像を形成する。なお、吐出条件は、吐出されるインク組成物の物性によって適宜決定すればよい。
被記録媒体
被記録媒体は、湿摩擦堅牢性を向上させる観点から、表面にヒドロキシ基を有することが好ましい。被記録媒体のヒドロキシ基と、インク組成物に含まれる樹脂(A)のイソシアネート基とが反応し、被記録媒体への定着が強固になり、湿摩擦堅牢性及び風合いを向上させることができるものと考えられる。ただし、この要因には限定されない。
被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、布帛、紙、プラスチック、紙基材にプラスチック類をコーティングした被記録媒体が挙げられる。これらの被記録媒体には、表面にヒドロキシ基を有するものを用いる。
布帛としては、特に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の天然繊維及び合成繊維が挙げられる。布帛としては、1種の繊維からなるものであっても、2種以上の繊維を混紡したものであってもよい。
紙としては、特に限定されないが、例えば、普通紙、インクジェット用紙、アート紙、コート紙、キャスト紙が挙げられる。インクジェット用紙は、シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、又は、ポリビニルアルコール等のヒドロキシ基を有する親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えていてもよい。
プラスチックとしては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン等のプラスチック類のフィルム又はプレートが挙げられる。
紙製の基材にコーティングするプラスチック類としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタンが挙げられる。
これらの被記録媒体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
プラスチック、又は、紙基材にプラスチック類をコーティングした被記録媒体を用いる場合、表面にヒドロキシ基を導入する処理を施した被記録媒体を用いることが好ましい。
ヒドロキシ基を導入する処理としては、特に限定されないが、例えば、コロナ処理、ヒドロキシ基を有する材料によりインク受容層を設ける処理が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する材料としては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、及びゼラチンが挙げられる。これらの材料は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
加熱工程
本実施形態のインクジェット記録方法は、好ましくは、インク付着工程と同時又はその後に、加熱する工程として加熱工程を含む。加熱工程の加熱温度は、樹脂(A)中のブロックイソシアネート基が熱解離してイソシアネート基を発生させる温度以上であることが好ましい。ブロック剤は、メチルエチルケトオキシム、ジメチルピラゾール、カプロラクタムであることが好ましく、これらが熱解離する温度は、100℃以上である。つまり、加熱工程の好ましい温度は、イソシアネート基を発生させ、且つ被記録媒体のヒドロキシ基と十分にウレタン結合を形成させるため100℃以上とすることが好ましい。
加熱工程を有することにより、被記録媒体の表面のヒドロキシ基と、樹脂(A)中のイソシアネート基とが反応して共有結合を形成し、被記録媒体に非水溶性色材をより良好に固着できる。加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、HT法(高温スチーミング法)、HP法(高圧スチーミング法)、サーモゾル法が挙げられる。
また、加熱工程においては、被記録媒体上のインク組成物付着面を加圧処理しても、加圧処理しなくてもよい。被記録媒体上のインク組成物付着面を加圧処理しない加熱方法としては、オーブン乾燥(コンベアオーブン、バッチオーブン等のプレスをしない方法)が挙げられる。このような加熱工程を有することにより、記録物生産性がより向上する。また、被記録媒体上のインク組成物付着面の加圧処理をする加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、ヒートプレス、ウェットオンドライが挙げられる。なお、「加圧」とは、被記録媒体に対して、固体を接触させることにより圧をかけることをいう。
加熱処理時の加熱温度は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは120℃以上180℃以下であり、さらに好ましくは130℃以上170℃以下である。
被記録媒体として布帛を用いる場合、加熱処理時の加熱温度は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは100℃以上180℃以下であり、より好ましくは120℃以上180℃以下であり、さらに好ましくは130℃以上170℃以下である。加熱を施す加熱時間は、特に限定されないが、例えば、30秒以上、20分以下である。
プラスチック、又は、紙基材にプラスチック類をコーティングした被記録媒体を用いる場合、加熱処理時の温度は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点および熱によるプラスチックの変形を抑制する観点から、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは100℃以上150℃以下であり、さらに好ましくは100℃以上130℃以下であり、よりさらに好ましくは100℃以上120℃以下である。加熱を施す加熱時間は、特に限定されないが、例えば、30秒以上、20分以下である。
加熱工程は、インク付着工程と同時であってもよい。
洗浄工程
被記録媒体が布帛である場合、本実施形態のインクジェット記録方法は、加熱工程後に、インク組成物が付着した被記録媒体を洗浄する洗浄工程をさらに含んでいてもよい。洗浄工程により、繊維に付着していない非水溶性着色剤を効果的に除去することができる。洗浄工程は、例えば水を用いて行うことができ、必要に応じてソーピング処理を行ってもよい。ソーピング処理方法としては、特に限定されないが、例えば、即ち未固着の顔料を熱石鹸液などで洗い落とす方法が挙げられる。
このようにして、布帛を含む被記録媒体上に、上記のインク組成物に由来する画像が形成された、捺染物等の記録物を得ることができる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。
(実施例1)
『アクリル系樹脂粒子分散液1の作製』
乳化層に昭和電工社製:カレンズ(登録商標)MOI-BM:20.0質量部、乳化剤として第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.8質量部、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム1.7質量部、イオン交換水20.0質量部、ドデカンチオール0.8質量部、を加え、30.0分間乳化して乳化液を作製した。別の反応層に、第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.2質量部、過硫酸アンモニウム0.3質量部、ドデカンチオール0.2質量部、イオン交換水60.0gを加えて撹拌させた。反応層を70.0℃に昇温して、乳化液を3.0時間かけて滴下して、更に2.0時間、70.0℃で熟成させた。反応終了後、90.0μmメッシュでろ過して固形分濃度20.0%のアクリル系樹脂粒子分散液1を95.0質量部得た。
『有色分散液1の作製』
ジルコニアビーズ:80.0質量部、非水溶性色材としてPB15:3 10.0質量部、純水40.0質量部、界面活性剤としてネオゲン(登録商標)-S-20F:1.0質量部を加えてビーズミルにて1.0時間粉砕した後、ビーズを分離して顔料分散液1とした。50.0mlアイボーイ(登録商標)に顔料分散液1.0:10.0質量部、アクリル系樹脂粒子分散液1を10.0質量部加えた後、30.0分撹拌して有色分散液1を作製した。
(実施例2)
『アクリル系樹脂粒子分散液2の作製』
乳化層に東京化成工業社製:昭和電工社製:カレンズ(登録商標)MOI-BP:20.0質量部、乳化剤として第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.8質量部、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム0.4質量部、イオン交換水20.0質量部を加え、30分間乳化して乳化液を作製した。別の反応層に、第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.2質量部、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム0.1質量部、ドデカンチオール0.5質量部、イオン交換水60.0gを加えて撹拌させた。反応層を70.0℃に昇温して、乳化液を3.0時間かけて滴下して、更に2.0時間、70.0℃で熟成させた。反応終了後、90.0μmメッシュでろ過して固形分濃度20.0%のアクリル系樹脂粒子分散液2を95.0質量部得た。
『有色分散液2の作製』
ジルコニアビーズ:80.0質量部、非水溶性色材として大日精化工業社製PV19 10.0質量部、純水40.0質量部、界面活性剤としてネオゲン(登録商標)-S-20F:1.0質量部を加えてビーズミルにて1.0時間粉砕した後、ビーズを分離して顔料分散液2とした。50.0mlアイボーイ(登録商標)に顔料分散液2:10.0質量部、アクリル系樹脂粒子分散液2を10.0質量部加えた後、30.0分撹拌して有色分散液2を作製した。
(実施例3)
『アクリル系樹脂粒子分散液3の作製』
乳化層に東京化成工業社製:昭和電工社製:カレンズ(登録商標)MOI-CP:20.0質量部、乳化剤として第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.8質量部、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム2.5質量部、イオン交換水20.0質量部を加え、30.0分間乳化して乳化液を作製した。別の反応層に、第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.2質量部、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム0.5質量部、ドデカンチオール2.0質量部、イオン交換水60.0gを加えて撹拌させた。反応層を70.0℃に昇温して、乳化液を3.0時間かけて滴下して、更に2.0時間、70.0℃で熟成させた。反応終了後、90.0μmメッシュでろ過して固形分濃度20.0%のアクリル系樹脂粒子分散液3を95.0質量部得た。
『有色分散液3の作製』
ジルコニアビーズ:80.0質量部、非水溶性色材としてBASF社製PY180 10.0質量部、純水40.0質量部、界面活性剤としてネオゲン(登録商標)-S-20F:1.0質量部を加えてビーズミルにて1.0時間粉砕した後、ビーズを分離して顔料分散液3とした。50.0mlアイボーイ(登録商標)に顔料分散液3:10.0質量部、アクリル系樹脂粒子分散液3を10.0質量部加えた後、30.0分撹拌して有色分散液3を作製した。
(実施例4)
『アクリル系樹脂粒子分散液4の作製』
乳化層に昭和電工社製:カレンズ(登録商標)MOI-BP:16.0質量部、乳化剤として第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.8質量部、東京化成工業社製:アクリル酸2-ヒドロキシエチル4.0質量部を加え、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム0.3質量部、ドデカンチオール0.2質量部、イオン交換水20.0質量部を加え、30.0分間乳化して乳化液を作製した。別の反応層に、第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.2質量部、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム0.1質量部、東京化成工業社製:ドデカンチオール0.1質量部、イオン交換水60gを加えて撹拌させた。反応層を70.0℃に昇温して、乳化液を3.0時間かけて滴下して、更に2.0時間、70.0℃で熟成させた。反応終了後、90.0μmメッシュでろ過して固形分濃度20.0%のアクリル系樹脂粒子分散液4を95.0質量部得た。
『有色分散液4の作製』
ジルコニアビーズ:80.0質量部、非水溶性色材として三菱化学社製:CB10.0質量部、純水40質量部、界面活性剤としてネオゲン(登録商標)-S-20F:1.0質量部を加えてビーズミルにて1.0時間粉砕した後、ビーズを分離して顔料分散液4とした。50.0mlアイボーイ(登録商標)に顔料分散液4:10.0質量部、アクリル系樹脂粒子分散液4を10.0質量部加えた後、30.0分撹拌して有色分散液4を作製した。
(実施例5)
『アクリル系樹脂粒子分散液5の作製』
乳化層に昭和電工社製:カレンズ(登録商標)MOI-BP:10.0質量部、乳化剤として第一工業製薬社製ネオゲン-S-20F:0.8質量部、東京化成工業社製:アクリル酸3-ヒドロキシプロピル10.0質量部を加え、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム0.2質量部、ドデカンチオール0.1質量部、イオン交換水20.0質量部を加え、30.0分間乳化して乳化液を作製した。別の反応層に、第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.2質量部、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム0.05質量部、東京化成工業社製:ドデカンチオール0.01質量部、イオン交換水60.0gを加えて撹拌させた。反応層を70.0℃に昇温して、乳化液を3.0時間かけて滴下して、更に2.0時間、70.0℃で熟成させた。反応終了後、90.0μmメッシュでろ過して固形分濃度20.0%のアクリル系樹脂粒子分散液5を95.0質量部得た。
『有色分散液5の作製』
ジルコニアビーズ:80.0質量部、非水溶性色材としてBASF製PB15:3 10.0質量部、純水40.0質量部、界面活性剤としてネオゲン(登録商標)-S-20F:1.0質量部を加えてビーズミルにて1.0時間粉砕した後、ビーズを分離して顔料分散液5とした。50.0mlアイボーイ(登録商標)に顔料分散液5:10.0質量部、アクリル系樹脂粒子分散液5を10.0質量部加えた後、30.0分撹拌して有色分散液5を作製した。
(実施例6)
『有色分散液6の作製』
実施例5記載の有色分散液5に用いたカレンズMOI-BPの代わりにカレンズAOIを用い、アクリル酸3-ヒドロキシプロピルの代わりに、アクリル酸4-ヒドロキシブチルを用い、界面活性剤としてネオゲン(登録商標)-S-20Fの代わりに、花王社製ペレックスCSを用いた以外は、実施例5と同様な方法でアクリル系樹脂粒子分散液6を得た。また、有色分散液5と同様な方法で有色分散液6を作製した。
(比較例1)
『アクリル系樹脂粒子分散液7の作製』
乳化層に昭和電工社製:カレンズ(登録商標)AOI:20.0質量部加え、乳化剤に第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.8質量部、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム0.85質量部、イオン交換水20.0質量部を加え、30.0分間乳化して乳化液を作製した。しかしながら、時間とともに凝集しアクリル系樹脂粒子7は得られなかった。
『有色分散液7の作製』
上記凝集により得られず。
(比較例2)
『アクリル系樹脂粒子分散液8の作製』
乳化層に東京化成工業社製:スチレン18.0質量部、昭和電工社製:カレンズ(登録商標)MOI-BM:2.0質量部を加え、乳化剤として第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.8質量部、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム2.0質量部、東京化成工業社製:ドデカンチオール1.0質量部、イオン交換水20.0質量部を加え、30分間乳化して乳化液を作製した。別の反応層に、第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.2質量部、過硫酸アンモニウム1.0質量部、東京化成工業社製:ドデカンチオール0.5質量部、イオン交換水60.0gを加えて撹拌させた。反応層を70℃に昇温して、乳化液を3.0時間かけて滴下して、更に2.0時間、70.0℃で熟成させた。反応終了後、90.0μmメッシュでろ過して固形分濃度20.0%のアクリル系樹脂粒子分散液8を95.0質量部得た。
『有色分散液8の作製』
ジルコニアビーズ:80.0質量部、非水溶性色材としてPB15:3 10.0質量部、純水40.0質量部、界面活性剤としてネオゲン(登録商標)-S-20F:1.0質量部を加えてビーズミルにて1.0時間粉砕した後、ビーズを分離して顔料分散液8とした。50.0mlアイボーイ(登録商標)に顔料分散液8:10.0質量部、アクリル系樹脂粒子分散液8を10.0質量部加えた後、30.0分撹拌して有色分散液8を作製した。
(比較例3)
『アクリル系樹脂粒子分散液9の作製』
乳化層に東京化成工業社製:スチレン20.0質量部を加え、乳化剤として第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.8質量部、和光純薬工業社製:過硫酸アンモニウム2.0質量部、東京化成工業社製:ドデカンチオール1.0質量部、イオン交換水20.0質量部を加え、30分間乳化して乳化液を作製した。別の反応層に、第一工業製薬社製ネオゲン(登録商標)-S-20F:0.2質量部、過硫酸アンモニウム1.0質量部、東京化成工業社製:ドデカンチオール0.5質量部、イオン交換水60.0gを加えて撹拌させた。反応層を70℃に昇温して、乳化液を3.0時間かけて滴下して、更に2.0時間、70.0℃で熟成させた。反応終了後、90.0μmメッシュでろ過して固形分濃度20.0%のアクリル系樹脂粒子分散液9を90.0質量部得た。これを凍結乾燥させて18.0質量部のアクリル系樹脂粒子分散液9を得た。
『有色分散液9の作製』
ジルコニアビーズ:80.0質量部、非水溶性色材としてPB15:3 10.0質量部、純水10.0質量部、界面活性剤としてネオゲン(登録商標)-S-20F:1.0質量部を加えてビーズミルにて1.0時間粉砕した後、ビーズを分離して顔料分散液9とした。50.0mlアイボーイ(登録商標)に顔料分散液9:10.0質量部、アクリル系樹脂粒子分散液9を20.0質量部加えた後、30.0分撹拌して有色分散液9を作製した。
作製した有色分散液の一覧表について下記表1に示す。
Figure 0007379903000001
作製した実施例および比較例の有色分散液を用いて、表2に示した成分を混合し、インク組成物を得た。なお、表2の成分の欄において、-は添加しないことを表す。
得られたインク組成物について、以下のインクジェット記録方法を実施し、評価を行った。
評価方法
インクジェット記録方法によるべた画像作製
布帛に対して、インクジェット記録装置(製品名:PX-G930、セイコーエプソン株式会社製)の改造機(布帛への記録が可能なように布帛固定手段を有する。)を用いたインクジェット記録方法により、各インク組成物を付着させた。記録条件としては、15mg/inch2の付着量でベタ画像を記録した。このようにして布帛へインクジェット記録を行った。ここで、「ベタ画像」とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録した画像を意味する。
その後、ヒートプレス機を用いて160℃で1.0分間加熱処理を行い、当該インク組成物を布帛に定着させた。このようにして、布帛に画像が形成された(インクが捺染された)捺染物を製造した。
吐出安定性は下記保存安定性試験および吐出安定性試験で評価した。
[保存安定性試験]
インクの保存安定性の指標として、60.0℃にて5.0日間放置した後の、粒度分布測定を行った。具体的には、インクを30.0mlのガラス管瓶に入れて密封して、60.0℃に温度調節した恒温槽に5日間投入した。次いで、恒温槽から取り出してから25℃まで放冷して、上記の粒度分布測定と同様に、体積基準粒度分布D2(50.0%)を測定した。上項の体積基準粒度分布D1(50.0%)からD2(50.0%)への変化量△D(50.0%)を計算し、以下の基準に従って評価した。その結果を表2に示した。
評価基準
A:△D(50.0%)が、D1(50.0%)の10.0%未満。
B:△D(50.0%)が、D1(50.0%)の10.0%以上、30.0%未満。
C:△D(50.0%)が、D1(50.0%)の30.0%以上、40.0%未満。
D:△D(50.0%)が、D1(50.0%)の40.0%以上。
[吐出安定性試験]
インクの吐出安定性の指標として、上記インクジェット記録方法によるべた画像作製方法により吐出安定性試験を行った。印刷環境は、35.0℃、55.0%RH(Relative Humidity)とした。試験開始直前に、ノズルチェックパターンを印刷して、インクジェットヘッドの全ての吐出ノズルが正常に吐出していることを確認した。次いで、上記条件にて、連続的に印刷を実施した。180.0分間の連続印刷の直後に、再びノズルチェックパターンを印刷して、正常に吐出されない吐出ノズルの発生数(吐出不良ノズル数)を調べた。全吐出ノズル数に対する、吐出不良ノズル数の割合を計算して、以下の基準に従って評価した。その結果を表2に示した。
評価基準
A:吐出不良ノズルの発生がない。
B:吐出不良ノズルの発生があり、その割合が10.0%以下。
C:吐出不良ノズルの発生があり、その割合が10.0%超。
湿摩擦堅牢性(布
各捺染物について、学振型摩擦堅牢度試験機(製品名:AB-301、テスター産業株式会社製)を使用し、200.0gの加重、10.0cm/sの速度条件下で、100.0回の往復を実施し、その後、JIS染色堅牢度試験用白布(JIS L 0803:2011準拠3-1号)に純水を含侵させ移染濃度光学濃度値(以下「移染濃度OD値」ともいう)を測定し、以下の評価基準により摩擦堅牢性を評価した。移染濃度OD値が低いほど、湿摩擦堅牢性に優れることを意味する。結果を表2に示す。
評価基準
A:移染濃度OD値が0.15以下である。
B:移染濃度OD値が0.15超0.20以下である。
C:移染濃度OD値が0.20超0.25以下である。
D:移染濃度OD値が0.25超0.30以下である。
E:移染濃度OD値が0.3超である。
風合い
風合いは、各捺染物について触手により官能評価を行い、下記5段階で評価した。
評価基準
A:柔らかくプリント面と生地の境目がわからない。
B:柔らかいがプリント面と生地の境目がわかる。
C:ごわごわしないが、プリント面と生地の境目が明確にわかる。
D:ごわごわして、やや硬い感触である。
E:ごわごわして堅い感触である。
Figure 0007379903000002
本実施形態によれば、優れた吐出安定性を示し、布帛への湿摩擦堅牢性に優れる分散液、これを用いたインクジェット記録用インク組成物、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
表2に示したように、吐出安定性の評価において、実施例1から実施例6では全水準がA評価以上となった。これらは、樹脂(A)を樹脂水溶液でなく粒子としたことで高分子量であるにもかかわらず低粘度化したことと推測される、また、インク組成物中の固形分濃度を低くしたことでインク組成物の粘度が低下し、吐出安定性が向上したと推測される。
湿摩擦堅牢性については、実施例1から実施例3がB評価であるのに対して、実施例4から実施例6はA評価であった。これは、樹脂(A)中に含まれるブロックドイソシアネートが100℃以上で加熱されたことで熱解離してイソシアネート基を生じ、樹脂(A)と布帛のヒドロキシ基とがウレタン結合を形成したためと推測される。また、樹脂(A)の架橋前において分子量を高くしたことでウレタン架橋強度を高めた効果と樹脂(A)中に含まれるイソシアネート基の濃度を20.0%以上に高めたことで架橋促進したためと推測される。さらに、ヒドロキシアクリレートに由来する構造を繰り返し単位中に含むことで、基材のヒドロキシ基とイソシアネート基との反応によるウレタン共有結合だけでなく、熱溶融した樹脂間のウレタン架橋を促進し3次元の網目構造を形成したことで湿摩擦堅牢性が高まったと推測される。
風合いについては、実施例1から実施例3がC評価であるのに対して、実施例4でB評価、実施例5および実施例6はA評価であった。これは、実施例1から実施例3はブロックイソシアネート基を有するホモポリマーであるため架橋密度が高いのに対して、ヒドロキシアクリレートを共重合した実施例4から実施例6は、架橋密度が疎になったため風合いが良くなったと推測される。さらに、アルキル鎖長が長い実施例5、実施例6は、さらに架橋密度が疎となることによって風合いが良くなったと推測される。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
分散液は、非水溶性色材と、アクリル系樹脂粒子と、を含み、アクリル系樹脂粒子は、アクリル系ブロックドイソシアネート基を、アクリル系樹脂粒子の全量に対してモノマーユニットとして20mol%以上含み、アクリル系樹脂粒子の重量平均分子量は、1000以上1000000以下である。
この構成によれば、インクジェット記録用インク組成物に含まれる分散液において、ブロックドイソシアネート基で保護した樹脂と均一な粒度分布を有するアクリル系樹脂粒子を用いることで保存安定性および吐出安定性が向上する。また、この分散液を含むインクジェット記録用インク組成物を使い、被記録媒体へ印字および乾燥反応させることでブロックドイソシアネート基が熱解離してイソシアネート基となり綿などのヒドロキシ基とウレタン結合を形成することで湿摩擦堅牢性を向上させることができる。さらに詳しくは、アクリル系樹脂粒子は、乳化重合法で作製することで均一な粒度分布を持つ粒子(単分散粒子)が合成でき、これによって低粘度化できる。さらに、熱溶融時には、単分散粒子であるため均一な温度で溶融しやすい。そのため所定の温度までは粒子が溶融しないため保存安定性が高まり、熱溶融時には、均一に溶融して反応することで湿摩擦堅牢性が高まる。
また、乳化重合法は重量平均分子量が1,000,000まで高められる。アクリル系樹脂粒子の重量平均分子量を高めることで、鎖長が伸長して布帛の繊維と絡まりやすくなるため湿摩擦堅牢性を高めることができる。すなわち、従来と比較して、高分子量であるにもかかわらず低粘度であるため吐出安定性と湿摩擦堅牢性が両立できる。
アクリル系樹脂粒子のアクリル系ブロックドイソシアネート基は、アクリル系樹脂粒子の全量に対して、モノマーユニットとして多く20mol%以上含むことによって、従来樹脂に含まれるブロックイソシアネート基より多くすることができ、その結果、布帛等のヒドロキシ基との架橋密度を高めることができ、湿摩擦堅牢性が従来より高まる。
上記の分散液において、アクリル系ブロックドイソシアネート基が有するブロック剤は、ピラゾール、メチルエチルケトキシム、カプロラクタムのいずれかであることが好ましい。
この構成によれば、ピラゾール、メチルエチルケトオキシム、カプロラクタムの熱解離温度が100℃から180℃であるため、この温度域において反応させることができる。よって、保管安定性が高くなり、結果、吐出安定性も高くなる。
上記の分散液において、アクリル系樹脂粒子は、ヒドロキシアルキルアクリレートに由来する構造を繰り返し単位中に有することが好ましい。
この構成によれば、被記録媒体と樹脂とのウレタン結合のみならず、樹脂―樹脂間でのウレタン結合形成が可能になる。つまり、単色におけるバルク中での架橋や他色で色重ねして印字した際に色間でも架橋が進み、湿摩擦堅牢性が高まる。アルキル鎖長を長くすることでごわごわしない風合いを与えることもできる。
上記の分散液は、アクリル系樹脂粒子の含有量が、分散液全量に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
この構成によれば、増粘が抑えられることで吐出安定性が高くなり、アクリル系樹脂粒子が所定量含まれることで摩擦堅牢性が高くなる。
上記の分散液は、色材分散剤を含むことが好ましい。
この構成によれば、色材分散剤を含むことで、顔料粒子径を安定化させることができ、吐出安定性が高くなる。
インクジェット記録用インク組成物は、上記の分散液を含む。
本発明に係る分散液を用いたインクジェット記録用インク組成物とすることで、吐出安定性が高くなり、摩擦堅牢性も高くなる。
インクジェット記録方法は、インクジェット記録用インク組成物を、記録ヘッドから吐出して被記録媒体へ付着させるインク付着工程を含む。
この構成によれば、被記録媒体へダイレクトに描写することができる。また、デジタル印刷方式でインクジェットを用いることから、アナログ印刷方式で必要となる版が不要となるなど、多品種少量生産への対応が容易になると共に、高精細な画像などを形成することができる。
上記のインクジェット記録方法において、被記録媒体は、表面にヒドロキシ基を有することが好ましい。
この構成によれば、アクリル系樹脂粒子のイソシアネート基とウレタン結合が形成可能となるため湿摩擦堅牢性が高くなる。
上記のインクジェット記録方法は、インク付着工程の後に、被記録媒体と、被記録媒体に付着されたインクジェット記録用インク組成物と、を、アクリル系ブロックドイソシアネート基の熱解離温度以上の加熱温度に加熱する加熱工程を含むことが好ましい。
この構成によれば、インク付着工程の印刷速度を速くして印字することができる。インク着弾後に十分にインクを加熱して、ブロックイソシアネート基を熱解離することができるため、湿摩擦堅牢性が高まる。
上記のインクジェット記録方法は、インク付着工程において、被記録媒体と、被記録媒体に付着されたインクジェット記録用インク組成物と、を、アクリル系ブロックドイソシアネート基の熱解離温度以上の加熱温度に加熱することが好ましい。
この構成によれば、装置を小型化することができる。インクを加熱して、ブロックイソシアネート基を熱解離することができるため、湿摩擦堅牢性が高まる。
上記のインクジェット記録方法において、加熱温度が、100℃以上であることが好ましい。
この構成によれば、ブロック剤の熱解離を促進できるため、湿摩擦堅牢性が高まる。

Claims (8)

  1. 非水溶性色材と、アクリル系樹脂粒子と、を含み、
    前記アクリル系樹脂粒子は、アクリル系ブロックドイソシアネート基を、前記アクリル系樹脂粒子の全量に対してモノマーユニットとして20mol%以上含み、
    前記アクリル系樹脂粒子の重量平均分子量は、1000以上1000000以下である分散液を含むインクジェット記録用インク組成物を、記録ヘッドから吐出して、表面にヒドロキシ基を有する布帛である被記録媒体へ付着させるインク付着工程を含むインクジェット記録方法。
  2. 前記インク付着工程の後に、前記被記録媒体と、前記被記録媒体に付着された前記インクジェット記録用インク組成物と、を、前記アクリル系ブロックドイソシアネート基の熱解離温度以上の加熱温度に加熱する加熱工程を含む、請求項に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インク付着工程において、前記被記録媒体と、前記被記録媒体に付着された前記インクジェット記録用インク組成物と、を、前記アクリル系ブロックドイソシアネート基の熱解離温度以上の加熱温度に加熱する、請求項に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記加熱温度が、100℃以上である、請求項または請求項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記アクリル系ブロックドイソシアネート基が有するブロック剤は、ピラゾール、メチルエチルケトキシム、カプロラクタムのいずれかである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法
  6. 前記アクリル系樹脂粒子は、ヒドロキシアルキルアクリレートに由来する構造を繰り返し単位中に有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法
  7. 前記アクリル系樹脂粒子の含有量が、前記分散液全量に対して、1質量%以上50質量%以下である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法
  8. 前記分散液に色材分散剤を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法
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