JP6372674B2 - 前処理液、及び前記前処理液を含むインキセット - Google Patents
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Description
前記前処理液が、ポリオレフィン樹脂粒子(A)(塩素化ポリオレフィン樹脂粒子を含む場合を除く)と、凝集剤(B)と、水と、プロトン性有機溶媒を含み、
前記ポリオレフィン樹脂粒子(A)が、軟化温度が50〜90℃であり、
前記凝集剤(B)が、25℃における溶解度が5〜55g/100gH2Oである金属塩を含有する、フィルム基材用前処理液に関する。
前記顔料分散樹脂の酸価が、30〜375mgKOH/gであることを特徴とするインキセットに関する。
本実施形態の前処理液は、ポリオレフィン樹脂粒子(A)を含むことを特徴とする。上記の通り、本実施形態の前処理液で使用されるポリオレフィン樹脂粒子(A)は、好適な軟化温度を有しており、非常に優れた成膜性を有している。
本実施形態の前処理液は、凝集剤(B)として、金属塩またはカチオン性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種以上を含む。上記の通り、金属塩やカチオン性高分子化合物は、凝集剤としての機能が強いこと、及び、水やプロトン性有機溶媒に対する溶解性、及び前記溶媒中での拡散性に優れることから、本発明の課題解決には必須の材料である。なお、本実施形態の前処理液では、金属塩またはカチオン性高分子化合物のどちらかを選択して用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。以下、それぞれの凝集剤について詳細に説明する。
凝集剤(B)としてカチオン性高分子化合物を選択する場合、インキ中の顔料の分散機能を低下し、かつ、好適な溶解性、拡散性を有するものであれば、任意に用いることができる。また、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
凝集剤(B)として金属塩を選択する場合も、カチオン性高分子化合物の場合と同様に、インキ中の顔料の分散機能を低下し、かつ、好適な溶解性、拡散性を有するものであれば、任意の材料を用いることができる。また、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(金属イオンの含有量)(重量%)=WC×MM÷MC
本実施形態の前処理液は、上記の凝集剤を十分に溶解させ、ポリオレフィン樹脂粒子(A)の成膜前に不溶化することを防ぐとともに、フィルム基材上に前記前処理液を均一に塗工させるため、更にプロトン性有機溶媒を使用することが好ましい。本実施形態の前処理液に使用できるプロトン性有機溶媒は、プロトン性さえ有していればどのような水溶性有機溶剤でも好適に使用することができるが、好ましくは、アルコール系水溶性有機溶剤、含窒素系水溶性有機溶剤などが挙げられる。
(沸点の加重平均値)(℃)=Σ(BS×100÷WS)
1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコールなどの2価アルコール(グリコール)類;
グリセリンなどの3価アルコール類;
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールモノアルキルエーテル類;を挙げることができる。また含窒素系水溶性有機溶剤の具体例としては、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、3−エチル−2−オキサゾリジノンを挙げることができる。
本実施形態の前処理液は、フィルム基材上に均一に塗布するため、界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては一般にシリコン系、アクリル系、フッ素系、アセチレンジオール系などが挙げられる。ある好ましい実施形態においては、前処理液の表面張力を制御し、フィルム基材上において優れた濡れ性を付与させるという観点から、アセチレンジオール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤を使用することが好ましく、特に好ましくはアセチレンジオール系界面活性剤である。
またアセチレン系界面活性剤としてサーフィノール61、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、420、440、465、485、SE、SE−F、ダイノール604、607(エアープロダクツ社製)、オルフィンE1004、E1010、E1020、PD−001、PD−002W、PD−004、PD−005、EXP.4001、EXP.4200、EXP.4123、EXP.4300(日信化学工業社製)などを挙げることができる。上記の界面活性剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の前処理液は、水を必須成分として含む。水は凝集剤の溶解性に優れるうえ、前記凝集剤の拡散性にも優れることから、本発明の課題である、密着性と印刷画質との両立を図るうえでは必須不可欠の材料である。上記特性を好適に発現させるため、本実施形態の前処理液に含まれる水の含有量としては、前処理液全量に対し30〜95重量%の範囲であることが好ましく、40〜90重量%であることがより好ましく、50〜85重量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の前処理液は、塗工装置に使用される部材へのダメージを抑制し、またインキ凝集層としてのにじみ抑制効果を最大限に発揮し、さらには経時でのpH変動を抑え前処理液としての性能を長期的に維持することなどを目的として、前処理液にpH調整剤を添加することができる。本実施形態では、pH調整能を有する材料を任意に選択することができ、塩基性化させる場合は、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、などのアルカノールアミン;アンモニア水;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などを使用することができる。
また酸性化させる場合は塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸、ホウ酸、フマル酸、マロン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸などを使用することができる。
上記のpH調整剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また本実施形態の前処理液は、所望の物性値とするために、必要に応じて消泡剤、防腐剤などの添加剤を適宜に添加することができる。これらの添加剤を使用する場合、その配合量は前処理液全量に対して0.01重量%以上10重量%以下とすることが好ましく、0.01重量%以上5重量%以下とすることがさらに好ましい。過剰に配合してしまうと、前処理液中の凝集剤の機能を阻害してしまう可能性があることから、添加量は上記範囲にすることが好ましい。
上記の成分からなる本実施形態の前処理液は、例えば、ポリオレフィン樹脂粒子(A)、凝集剤(B)、及び、必要に応じて、プロトン性有機溶媒、界面活性剤、pH調整剤や、上記で挙げたような適宜に選択される添加剤成分を加え、撹拌・混合したのち、必要に応じて濾過することで製造される。ただし前処理液の製造方法は上記に限定されるものではない。
本実施形態の前処理液は、水性インクジェットインキと組み合わせ、インキセットの形態で用いることができる。以下に、本実施形態のインキセットを構成する水性インクジェットインキ(以下、単に「本実施形態の水性インクジェットインキ」ともいう)の構成要素について説明する。
本実施形態の水性インクジェットインキは、耐水性、耐光性、耐候性、耐ガス性などを有する観点に加え、高速印刷において上記の前処理液を使用した際に染料と比較して凝集速度が速く高画質の画像が得られるという観点から、色材として顔料を含む。前記顔料として、公知の有機顔料、無機顔料のいずれも使用することができる。これらの顔料は、インキ全量に対して2重量%以上15重量%以下の範囲で含まれることが好ましく、2.5重量%以上15重量%以下の範囲で含まれることがより好ましく、3重量%以上10重量%以下の範囲で含まれることが特に好ましい。顔料の含有率を2重量%以上にすることで、1パス印刷であっても十分な発色性を得ることができる。また顔料の含有率を15重量%以下とすることで、インキの粘度をインクジェット印刷に適した範囲に収めることができるとともに、インキの長期安定性も良好なまま維持でき、結果として長期の印字安定性を確保することができる。
上記顔料を水性インクジェットインキ中で安定的に分散保持する方法として、顔料分散樹脂を顔料表面に吸着させ分散する方法、水溶性及び/または水分散性の界面活性剤を顔料表面に吸着させ分散する方法、顔料表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し分散剤や界面活性剤なしでインキ中に分散する方法、自己分散性がある樹脂で顔料を被覆しマイクロカプセル化する方法などを挙げることができる。
本実施形態の水性インクジェットインキに使用される水溶性有機溶剤は、公知のものを任意に用いることができるが、1気圧下で沸点が180℃以上280℃以下であるグリコールエーテル系溶剤及び/またはアルキルポリオール系溶剤を含有することが好ましい。上記の沸点範囲を満たす水溶性有機溶剤を用いることにより、水性インクジェットインキの濡れ性と乾燥性を好適な範囲に制御することができ、吐出安定性が良好になる上に、前処理液と組み合わせた際、にじみなどの画質欠陥を防止することができる。
本実施形態の水性インクジェットインキにはバインダー樹脂を加えることが好ましい。バインダー樹脂としては、一般に水溶性樹脂と樹脂微粒子が知られている。このうち樹脂微粒子は水溶性樹脂と比較して高分子量であること、また樹脂微粒子は水性インクジェットインキ粘度を低くすることができ、より多量の樹脂を水性インクジェットインキ中に配合することができることから、印刷物の耐性を高めるのに適している。樹脂微粒子として使用される樹脂の種類としては、アクリル系、スチレンアクリル系、ウレタン系、スチレンブタジエン系、塩化ビニル系、ポリオレフィン系などが挙げられる。中でも、水性インクジェットインキの安定性、印刷物の耐性の面を考慮するとアクリル系、スチレンアクリル系の樹脂微粒子が好ましく使用される。
本実施形態の水性インクジェットインキは、表面張力を調整し画質を向上させる目的で界面活性剤を使用することが好ましい。一方で、表面張力が低すぎるとインクジェットヘッドのノズル面が水性インクジェットインキで濡れてしまい、吐出安定性を損なうことから、界面活性剤の種類と量の選択は非常に重要である。最適な濡れ性の確保と、インクジェットノズルからの安定吐出の実現という観点から、シロキサン系、アセチレン系、フッ素系の界面活性剤を使用することが好ましく、シロキサン系、アセチレン系の界面活性剤を使用することが特に好ましい。界面活性剤の添加量としては、水性インクジェットインキ全量に対して、0.01重量%以上5.0重量%以下が好ましく、0.05重量%以上3.0重量%以下がさらに好ましい。
本実施形態の水性インクジェットインキに含まれる水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
本実施形態の水性インクジェットインキは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインキとするためにpH調整剤を添加することができ、pH調整能を有する材料を任意に選択することができる。塩基性化させる場合は、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン;アンモニア水;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などを使用することができる。また酸性化させる場合は塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸、ホウ酸、フマル酸、マロン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸などを使用することができる。上記のpH調整剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の水性インクジェットインキは単色で使用してもよいが、用途に合わせて複数の色を組み合わせた水性インクジェットインキのセットとして使用することもできる。組み合わせは特に限定されないが、シアン、イエロー、マゼンタの3色を使用することでフルカラーの画像を得ることができる。また、ブラックインキを追加することで黒色感を向上させ、文字などの視認性を上げることができる。さらにオレンジ、グリーンなどの色を追加することで色再現性を向上させることも可能である。白色以外の印刷媒体へ印刷を行う際にはホワイトインキを併用することで鮮明な画像を得ることができる。
上記したような成分からなる本実施形態の水性インクジェットインキは、例えば、以下のプロセスを経て製造される。ただし本実施形態の水性インクジェットインキの製造方法は以下に限定されるものではない。
まず顔料分散樹脂と水とが混合された水性媒体に顔料を添加し、混合攪拌した後、分散機を用いて分散処理を行う。この後、必要に応じて遠心分離や濾過を行い、顔料分散体を得る。
次いで、上記顔料分散液に、水溶性有機溶剤、水、及び必要に応じて上記で挙げたバインダー樹脂、界面活性剤やその他の添加剤を加え、撹拌・混合する。
上記混合物に含まれる粗大粒子を、濾過分離、遠心分離などの手法により除去し、水性インクジェットインキとする。濾過分離の方法としては、公知の方法を適宜用いることができる。またフィルター開孔径は、粗大粒子、ダストが除去できるものであれば、特に制限されないが、好ましくは0.3〜5μm、より好ましくは0.5〜3μmである。また濾過を行う際は、フィルターは単独種を用いても、複数種を併用してもよい。
本実施形態の水性インクジェットインキは、25℃における粘度を3〜20mPa・sに調整することが好ましい。この粘度領域であれば、特に通常の4〜10KHzの周波数を有するヘッドから10〜70KHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。特に、25℃における粘度を4〜10mPa・sとすることで、600dpi以上の設計解像度を有するインクジェットヘッドに対して用いても、安定的に吐出させることができる。
本実施形態の前処理液と、上記水性インクジェットインキとを組み合わせた、インキセットの実施形態で印刷物を製造する方法として、30m/分以上の速度で搬送される基材上に前処理液を付与したのち、前記前処理液を付与した部分に、水性インクジェットインキを1パス印刷方式により付与する方法が好ましく用いられる。
本実施形態のインキセットを用いて印刷物を製造する際、好適には、水性インクジェットインキを印刷する前に、30m/分以上の速度で搬送される基材上に前処理液が付与される。基材上への前処理液の付与方法として、インクジェット印刷のように基材に対して非接触で印刷する方式と、基材に対し前処理液を当接させて印刷する方式のどちらを採用してもよい。
本実施形態のインキセットでは、前処理液をフィルム基材に付与したのち、水性インクジェットインキを付与する前に、前記フィルム基材を乾燥させ、基材上の前処理液を乾燥させることが好ましい。また特に、水性インクジェットインキを付与する前に前処理液を完全に乾燥させる、すなわち、前記前処理液の液体成分を完全に除去された状態とすることが好ましい。前処理液が完全に乾燥する前に水性インクジェットインキが付与されると、着弾した水性インクジェットインキのドットが拡散しやすくなり、混色滲みにつながる可能性がある。
本実施形態の前処理液付与・乾燥装置は、後述するインクジェット印刷装置に対し、インラインあるいはオフラインで装備されるが、印刷時の利便性の点から、インラインで装備されることが好ましい。
上記で説明したとおり、水性インクジェットインキは基材に対し1パス印刷方式により付与される方式が好ましい。なお1パス印刷方式としては、上記のように、停止している基材に対しインクジェットヘッドを一度だけ走査させる方法と、固定されたインクジェットヘッドの下部に基材を一度だけ通過させる方法の2種類があるが、インクジェットヘッドを走査させる場合、前記インクジェットヘッドの動きを加味して吐出タイミングを調整する必要があり、着弾位置のずれが生じやすいことから、本実施形態の水性インクジェットインキを印刷する際は、インクジェットヘッドを固定し基材を走査する方法が好ましく用いられる。その際、基材の搬送速度は30m/分以上とすることが好ましい。特に、前処理液の付与装置をインクジェット印刷装置に対しインラインで設置する場合、前記前処理液の付与装置からインクジェット印刷装置までが連続的に配置され、前処理液が付与された基材がそのままインクジェット印刷部へ搬送されてくることが好ましい。
1パス印刷方式として、固定されたインクジェットヘッドの下部に基材を一度だけ通過させる方法を採用する場合、記録幅方向における記録解像度は、インクジェットヘッドの設計解像度によって決定される。上記の通り、本実施形態では記録幅方向の記録解像度も600dpi以上であることが好ましいことから、必然的に、インクジェットヘッドの設計解像度としても600dpi以上であることが好ましい。インクジェットヘッドの設計解像度が600dpi以上であれば、1色につき1個のインクジェットヘッドで印刷することができるため、装置の小型化や経済性の観点で好ましい。なお600dpiよりも低い設計解像度のインクジェットヘッドを使用する場合は、1色につき複数のインクジェットヘッドを基材の搬送方向に並べて使用することで、1パス印刷であっても記録幅方向における記録解像度として600dpi以上を実現することができる。
前処理液が付与されたフィルム基材上に水性インクジェットインキを印刷したあと、前記水性インクジェットインキ、及び未乾燥の前処理液を乾燥させるため、前記基材を乾燥させることが好ましい。
水性インクジェットインキ乾燥装置は、インクジェット印刷装置に対しインラインあるいはオフラインで装備されるが、印刷時の利便性などの点から、インラインで装備されることが好ましい。また、にじみや色ムラ、基材のカールなどを防止するため、乾燥機による熱エネルギーを付与は印刷後30秒以内に付与することが好ましく、20秒以内に付与することがより好ましく、10秒以内に付与することが特に好ましい。
本実施形態のインキセットを印刷する際、基材に対する本実施形態の前処理液の塗布量は、1〜25g/m2であることが好ましい。塗布量を上記範囲に収めることで、混色滲み、ワレを抑えるとともに、塗布後のインキ凝集層の乾燥性が良好なものとなり、塗工装置内部への付着や、印刷後の基材を重ねた際の裏移りなどを防止し、タック感(べたつき)のない印刷物を得ることができる。
上記のように、本実施形態のインキセットを用いて印刷物を製造する場合、その印刷速度は30m/分以上であることが好ましく、50m/分以上であることがより好ましく、75m/分以上であることがより好ましく、100m/分以上であることが特に好ましい。
本実施形態のインキセットを用いて印刷する際、使用するフィルム基材としては公知のものを任意に用いることができ、例えばポリ塩化ビニルシート、PETフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルムの様なプラスチック基材などが使用できる。上記の基材は印刷媒体の表面が滑らかであっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、不透明のいずれであっても良い。また、これらの印刷媒体の2種以上を互いに張り合わせたものでも良い。さらに印字面の反対側に剥離粘着層などを設けても良く、また印字後、印字面に粘着層などを設けても良い。また本実施形態のインキセットの印刷で用いられる基材の形状は、ロール状でも枚葉状でもよい。
本実施形態のインキセットを用いて作製した印刷物は、必要に応じて、印刷面をコーティング処理することができる。前記コーティング処理の具体例として、コーティング用組成物の塗工・印刷;ドライラミネート法、無溶剤ラミネート法、押出しラミネート法、ホットメルトラミネートなどによるラミネーションなどが挙げられ、いずれを選択してもよいし、両者を組み合わせても良い。
下記記載の材料を攪拌しながら1時間混合したのち、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、前処理液1を得た。
・ スーパークロンE−480T (固形分30%) 0.33部
[日本製紙社製ノニオン系塩素化ポリオレフィン樹脂、軟化温度:70℃、D50:70〜80nm]
・硫酸アルミニウム14〜18水和物(Al2(SO4)3・14〜18H2O) 10部
・イソプロピルアルコール(IPA) 5部
・サーフィノール465(エアープロダクツ社製アセチレン系界面活性剤) 1部
・イオン交換水 83.67部
下表1に記載の材料を使用し、前処理液1と同様の方法により、前処理液2〜46を得た。
・スーパークロンE−480T(固形分=30%)
[日本製紙社製ノニオン系塩素化ポリオレフィン樹脂、軟化温度:70℃、D50:7 0〜80nm]
・スーパークロンE−415(固形分=30%)
[日本製紙社製ノニオン系塩素化ポリオレフィン樹脂、軟化温度:85℃、D50:7 0〜80nm]
・アウローレンAE−301(固形分=30%)
[日本製紙社製ノニオン系非塩素化ポリオレフィン樹脂、軟化温度:70℃、D50: 70〜80nm]
・Hordamer PE03(固形分=40%)
[ビックケミー社製非塩素化ポリエチレン樹脂、軟化温度:95℃、D50:170n m]
・ハードレンNZ−1004(固形分=30%)
[東洋紡社製非塩素化ポリオレフィン樹脂、軟化温度:70℃、D50:120nm]
・ケミパールM−200(固形分=40%)
[三井化学社製非塩素化ポリエチレン樹脂、軟化温度:105℃、D50:6μm]
・AQUACER513(固形分=35%)
[ビックケミー社製非塩素化ポリエチレンワックス、軟化温度:125℃、D50:1 10nm]
・NaCl:塩化ナトリウム [溶解度=35.9g/100ml]
・Na2SO4:硫酸ナトリウム [溶解度=19.5g/100ml]
・NaCOOCH3:酢酸ナトリウム [溶解度=35.9g/100ml]
・NaCO3:炭酸ナトリウム [溶解度=21.5g/100ml]
・KCl:塩化カリウム [溶解度=34.2g/100ml]
・KNO3:硝酸カリウム [溶解度=31.6g/100ml]
・K2SO4:硫酸カリウム [溶解度=11.1g/100ml]
・MgCl2:塩化マグネシウム [溶解度=54.6g/100ml]
・MgSO4:硫酸マグネシウム [溶解度=33.7g/100ml]
・Mg(COOCH3)2・3H2O:酢酸マグネシウム・3水和物 [溶解度=53. 4g/100ml]
・CaCl2:塩化カルシウム [溶解度=74.5g/100ml]
・Ca(COOCH3)2・H2O:酢酸カルシウム・1水和物 [溶解度=34.7g /100ml]
・PAC:ポリ塩化アルミニウム [溶解度=45.8g/100ml]
・Al2(SO4)3・14〜18H2O [溶解度=36.4g/100ml]
・PAS−H−1L(固形分=28%)
[ニットーボーメディカル社製カチオン樹脂水溶液(ジアリルアンモニウム構造単位含 有)]
・PAS−J−81L(固形分=25%)
[ニットーボーメディカル社製カチオン樹脂水溶液(ジアリルアンモニウム構造単位含 有)]
・PAA−U7030(固形分=20%)
[ニットーボーメディカル社製カチオン樹脂水溶液]
・PE−30:カチオマスターPE−30(固形分=53%)
[四日市合成社製カチオン樹脂水溶液(エピクロロヒドリン構造単位含有)]
・P−1000:エポミンP−1000(固形分=30%)
[日本触媒社製ポリエチレンイミン水溶液]
・MZ477(固形分=23%)
[高松油脂社製カチオン系ウレタン樹脂水溶液]
・NS−625XC(固形分=12%)
[高松油脂社製カチオン系アクリル樹脂水溶液]
・マロン酸:和光純薬工業社製
・IPA:イソプロピルアルコール(沸点:82.6℃)
・PG:プロピレングリコール(沸点:188℃)
・BDG:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:230℃)
・DEG:ジエチレングリコール(沸点:244℃)
・グリセリン(沸点:290℃)
・サーフィノール465:エアープロダクツ社製アセチレンジオール系界面活性剤
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブタノール93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱し、重合性単量体としてスチレン35部、アクリル酸35部、ラウリルメタクリレート30部、および重合開始剤であるV−601(和光純薬製)6部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.6部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、分散樹脂1の溶液を得た。さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール37.1部添加し中和し、水を100部添加し、水性化した。その後、100℃以上に加熱し、ブタノールを水と共沸させてブタノールを留去し、固形分が50%になるように調整した。これより、顔料分散樹脂1の固形分50%の水性化溶液を得た。顔料分散樹脂1の重量平均分子量を東ソー社製HLC−8120GPCを用いて測定したところ28000であった。また、顔料分散樹脂1の酸価は272mgKOH/gであった。
重合性単量体として表2記載の単量体を使用する以外は顔料分散樹脂1と同様の操作にて顔料分散樹脂2〜8の固形分50%の水性化溶液を得た。
St:スチレン
AA:アクリル酸
LMA:ラウリルメタクリレート
トーヨーカラー社製LIONOL BLUE 7358G(C.I.ピグメントブルー15:3)を20部、顔料分散樹脂1の水性化溶液(固形分50%)を20部、水60部を混合し、ディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、顔料分散液1Cを得た。また上記C.I.ピグメントブルー15:3を、以下に示す顔料にそれぞれ置き換える以外は顔料分散液1Cと同様にして、顔料分散液1M、1Y、1Kを得た。
Magenta:クラリアント社製Inkjet Magenta E5B02
(C.I.ピグメントバイオレッド19)
Yellow:トーヨーカラー社製LIONOL YELLOW TT−1405G
(C.I.ピグメントイエロー14)
Black:オリオンエンジニアドカーボンズ社製PrinteX85
(カーボンブラック)
顔料分散樹脂として顔料分散樹脂2〜8の水性化溶液(固形分50%)を使用する以外は、顔料分散液1C、1M、1Y、1Kと同様の方法を用いることで、顔料分散液2〜8(それぞれC、M、Y、K)を得た。なお、顔料分散液の処方を表3に示す。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブタノール93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱し、重合性単量体としてスチレン25部、メタクリル酸5部、メタクリル酸メチル70部および重合開始剤であるV−601(和光純薬製)6部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.6部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、分散樹脂1の溶液を得た。さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール37.1部添加し中和し、水を100部添加し、水性化した。その後、100℃以上に加熱し、ブタノールを水と共沸させてブタノールを留去し、固形分が50%になるように調整した。これより、バインダー樹脂1の固形分50%の水性化溶液を得た。バインダー樹脂1の重量平均分子量を東ソー社製HLC−8120GPCを用いて測定したところ18000であった。またバインダー樹脂1の酸価は32mgKOH/gであった。
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水40部と界面活性剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬製)0.2部とを仕込み、別途、2−エチルヘキシルアクリレート10部、メチルメタクリレート57部、スチレン30部、ジメチルアクリルアミド2部、メタクリル酸1部、イオン交換水53部および界面活性剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬製)1.8部をあらかじめ混合しておいたプレエマルジョンのうちの1%をさらに加えた。内温を60℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部、および無水重亜硫酸ナトリウムの1%水溶液20部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を60℃で5分間保持した後、内温を60℃に保ちながらプレエマルジョンの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液、および無水重亜硫酸ナトリウムの1%水溶液の残りを1.5時間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を継続した。固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却した。ジエチルアミノエタノールを添加して、pHを8.5とし、さらにイオン交換水で不揮発分を50%に調整して樹脂微粒子水分散体を得た。得られた樹脂微粒子水分散体をバインダー樹脂2とした。バインダー樹脂2の計算上のガラス転移点温度は80℃である。
下記記載の材料をディスパーで撹拌を行いながら混合容器へ順次投入し、十分に均一になるまで撹拌した。その後、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行った。また顔料分散液1Cの代わりに、顔料分散液1M、1Y、1Kをそれぞれ使用することにより、C、M、Y、Kの4色からなるインクジェットインキのセット1を得た。
・顔料分散液1C 25部
・バインダー樹脂1(固形分50%) 10部
・1,2−ブタンジオール 20部
・TEGO WET 280 1部
・プロキセルGXL 0.05部
・イオン交換水 43.95部
下表4に記載の材料を使用する以外はインクジェットインキのセット1と同様の方法により、C、M、Y、Kの4色からなるインクジェットインキのセット2〜17を得た。
・CaboJet:
Cyan:Cabojet250C(キャボット社製自己分散型シアン顔料水溶液 、固形分10%)、
Magenta:Cabojet265M(キャボット社製自己分散型マゼンタ顔 料水溶液、固形分10%)、
Yellow:(Cabojet270)キャボット社製自己分散型イエロー顔料 水溶液、固形分10%)、
Black:Cabojet200(キャボット社製自己分散型カーボンブラック 水溶液、固形分20%)
・1,2−BuD:1,2−ブタンジオール(沸点:192℃)
・1,2−HexD:1,2−ヘキサンジオール(沸点:223℃)
・iPDG:ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(沸点:207℃)
・TEGO WET280(エボニックジャパン社製シリコン系界面活性剤)
・プロキセルGXL:アーチケミカルズ社製1,2−ベンゾイソチアゾール−3−オン 溶液(防腐剤)
上記で作成した前処理液をウェット膜厚4μmで塗工するため、松尾産業株式会社製KコントロールコーターK202、ワイヤーバーNo.0を用いて下記のフィルム基材に前処理液を塗布したのち、前処理液を塗布したフィルムを70℃のエアオーブンにて3分間乾燥させることで、前処理液を付与した記録媒体を作製した。
・OPP:三井化学東セロ社製2軸延伸ポリプロピレンフィルム「OPU−1」(厚さ20μm)
・PET:東レ社製ポリエチレンテレフタレートフィルム「ルミラーT60」(厚さ25μm)
・NY:東洋紡社製ナイロンフィルム「ハーデンフィルムN1100」(厚さ15μm)
上記の前処理液を付与した記録媒体の作製例に基づき、前処理液を付与した記録媒体を作製し、前処理液がフィルム基材に均一に塗工できているか目視で確認を行った。△以上が実使用上可能領域である。
〇:塗工ムラが全くなくフィルム基材上に均一に塗工できていた
△:塗工ムラが僅かに見られるがフィルム基材上に塗工できていた
×:明らかに塗工ムラが見られ、フィルム基材上に均一塗工できていなかった
記録媒体を搬送できるコンベヤの上部にインクジェットヘッドKJ4B−QA(京セラ社製)を設置し、インクジェットインキを充填した。なお上記インクジェットヘッドは設計解像度が600dpi、最大駆動周波数が30kHzであり、前記最大駆動周波数かつ印刷速度75m/分で印刷したとき、記録媒体搬送方向における記録解像度が600dpiとなる。次いで、コンベヤ上に前処理液を付与した記録媒体を固定したのち、前記コンベヤを一定速度で駆動させ、前記インクジェットヘッドの設置部を通過する際に、CMYKの順にインクジェットインキをドロップボリューム12pLで吐出し、印刷を行った。
印刷後、10秒以内に前記印刷物を70℃エアオーブンに入れ3分間乾燥させることで、印刷物を作成した。
上記の前処理液を付与した記録媒体の作製例に基づき、前処理液を付与した記録媒体を作製した。さらに上記の印刷物の作製例に基づき印字率100%のベタ印刷を各色で行った。印刷後、10秒以内に前記印刷物を70℃エアオーブンに入れ3分間乾燥させることで、ベタ印刷物を作成した。作成した印刷物の表面にニチバン社製セロハンテープ(幅18mmまたは24mm)を指の腹でしっかり貼り、密着状態を確認した後にセロハンテープの先端を持ち、45度の角度を保ちながら瞬間的に引張り剥がす。剥がした後の印刷物の表面及びセロハンテープ面を目視で確認し、密着性を評価した。△以上が実使用上可能領域である。
◎:セロハンテープの密着面に対する剥離面積が0〜5%
〇:セロハンテープの密着面に対する剥離面積が5〜10%
△:セロハンテープの密着面に対する剥離面積が10〜15%
×:セロハンテープの密着面に対する剥離面積が15%より大きかった
上記の評価2と同様の条件で印刷を行い、前処理液を塗工したフィルム基材上に印字率を40〜320%まで諧調を変えた4C(CMYK)印刷物を作製し、印刷部のドット形状について光学顕微鏡を用いて200倍で観察し、混色滲みの評価を行った。評価結果は以下の通りとし、△以上が実使用上可能領域である。
◎:いずれの印字率においても4C印刷部のドットが独立しており、混色滲みが見られ なかった
○:印字率40〜280%の4C印刷部のドットが独立しており、混色滲みが見られな かった
△:印字率40〜240%の4C印刷部のドットが独立しており、混色滲みが見られな かった
×:印字率40〜200%の4C印刷部で明らかに混色滲みが見られた
上記の評価2と同様の条件で印刷を行い、前処理液を塗工したフィルム基材上に印字率を40〜320%まで諧調を変えた4C(CMYK)印刷物を作製し、4C(CMYK)印刷物における色ムラの程度を目視観察し、色ムラの評価を行った。評価結果は以下の通りとし、△以上が実使用上可能領域である。
◎:いずれの印字率においても4C印刷部の色ムラが見られなかった
○:印字率40〜280%の4C印刷部の色ムラが見られなかった
△:印字率40〜240%の4C印刷部の色ムラが見られなかった
×:印字率40〜200%の4C印刷部で明らかに色ムラが見られた
上記の評価2と同様の条件で印刷を行い、前処理液を塗工したフィルム基材上に印字率320%の4C(CMYK)印刷物を作製し、印刷後、70℃エアオーブンに入れ各時間乾燥させることで、印刷物を作成した。乾燥させた後の印刷物の表面を指で擦り、印刷物表面の状態を目視観察することで乾燥性の評価を行った。評価結果は以下の通りとし、△以上が実使用上可能領域である。
◎:乾燥時間1分で印刷物が乾燥し、指で擦っても印刷面のインキが取れなかった
〇:乾燥時間1〜2分で印刷物が乾燥し、指で擦っても印刷面のインキが取れなかった
△:乾燥時間2〜3分で印刷物が乾燥し、指で擦っても印刷面のインキが取れなかった
×:乾燥時間2〜3分で印刷物が乾燥せずに、指で擦ると印刷面のインキが取れた
Claims (5)
- 水性顔料インクジェットインキ印刷用のフィルム基材用前処理液であって、
前記前処理液が、ポリオレフィン樹脂粒子(A)(塩素化ポリオレフィン樹脂粒子を含む場合を除く)と、凝集剤(B)と、水と、プロトン性有機溶媒を含み、
前記ポリオレフィン樹脂粒子(A)が、軟化温度が50〜90℃であり、
前記凝集剤(B)が、25℃における溶解度が5〜55g/100gH2Oである金属塩を含有する、フィルム基材用前処理液。 - 前記ポリオレフィン樹脂粒子(A)の50%粒子径(D50)が、10〜500nmである、請求項1記載のフィルム基材用前処理液。
- 前記プロトン性有機溶媒と水との沸点の加重平均値が、90〜130℃である、請求項1または2に記載のフィルム基材用前処理液。
- 表面張力が、20〜40mN/mである、請求項1〜3いずれかに記載のフィルム基材用前処理液。
- 請求項1〜4いずれか記載のフィルム基材用前処理液と、顔料、顔料分散樹脂、水溶性有機溶剤、及び、水を含む水性顔料インクジェットインキとからなるインキセットであって、
前記顔料分散樹脂の酸価が、30〜375mgKOH/gであることを特徴とするインキセット。
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