JP7378673B2 - 前照灯制御装置、前照灯制御システム、及び前照灯制御方法 - Google Patents

前照灯制御装置、前照灯制御システム、及び前照灯制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7378673B2
JP7378673B2 JP2023522029A JP2023522029A JP7378673B2 JP 7378673 B2 JP7378673 B2 JP 7378673B2 JP 2023522029 A JP2023522029 A JP 2023522029A JP 2023522029 A JP2023522029 A JP 2023522029A JP 7378673 B2 JP7378673 B2 JP 7378673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
saliency map
scene
light distribution
area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023522029A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022244085A1 (ja
JPWO2022244085A5 (ja
Inventor
元気 山下
裕 小野寺
浩章 村上
亘 辻田
祥太郎 三輪
真一 原瀬
僚太郎 江原
悟 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2022244085A1 publication Critical patent/JPWO2022244085A1/ja
Publication of JPWO2022244085A5 publication Critical patent/JPWO2022244085A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7378673B2 publication Critical patent/JP7378673B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60QARRANGEMENT OF SIGNALLING OR LIGHTING DEVICES, THE MOUNTING OR SUPPORTING THEREOF OR CIRCUITS THEREFOR, FOR VEHICLES IN GENERAL
    • B60Q1/00Arrangement of optical signalling or lighting devices, the mounting or supporting thereof or circuits therefor
    • B60Q1/02Arrangement of optical signalling or lighting devices, the mounting or supporting thereof or circuits therefor the devices being primarily intended to illuminate the way ahead or to illuminate other areas of way or environments
    • B60Q1/04Arrangement of optical signalling or lighting devices, the mounting or supporting thereof or circuits therefor the devices being primarily intended to illuminate the way ahead or to illuminate other areas of way or environments the devices being headlights

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Lighting Device Outwards From Vehicle And Optical Signal (AREA)

Description

本開示は、前照灯制御装置に関する。
近年、運転状況に応じた運転者の視認性向上と、車両周辺の交通利用者への眩惑防止とを目的として、前照灯を自動制御するアダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)の普及が進んでいる。
例えば、特許文献1には、前照灯を自動制御する車両用前照灯装置が記載されている。当該車両用前照灯装置は、前方監視カメラによって検知した車線形状と、車両の走行速度とに基づいて、前照灯の配光を自動制御する。
特開2016-68791号公報
特許文献1に記載の技術のような前照灯制御装置では、前方監視カメラが撮影した撮影画像に基づいて、車両の前方に存在する物体を検知し、当該検知結果に基づいて、前照灯の配光を自動制御する。
しかし、上記のような前照灯制御装置は、物体検知に基づいて前照灯の配光を制御するため、例えば、運転者が注視する対象が検知しづらい物体である場合、又は運転者が注視する対象が物体ではない場合等では、これらの対象に対して前照灯が光を照射するように前照灯の配光を制御できない可能性がある。
本開示は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、運転者が注視する対象に対して前照灯が光を照射するように前照灯の配光を適切に制御できる技術を提供することを目的とする。
本開示に係る前照灯制御装置は、車両に搭載された前照灯の配光 を制御する前照灯制御装置であって、車両の前方を示す撮像信号の輝度、色又は方位に基づいて視覚的顕著性を算出し、当該算出した視覚的顕著性に基づいて、車両の運転者が注視しやすい領域である注視領域の分布パターンを示す顕著性マップを生成する顕著性マップ生成部と、顕著性マップ生成部が生成した顕著性マップが示す注視領域の分布パターンに基づいて、車両が走行している状況であるシーンを判別するシーン判別部と、シーン判別部が判別したシーンに基づいて、前照灯の配光パターンを決定し、決定した配光パターンで前照灯が光を出射するように制御する配光制御信号を出力する配光制御決定部と、を備えている。
本開示によれば、運転者が注視する対象に対して前照灯が光を照射するように前照灯の配光を適切に制御できる。
実施の形態1に係る前照灯制御システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る前照灯制御装置による前照灯制御方法を示すフローチャートである。 図3Aは、車両が一般道を走行している場合の顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。図3Bは、車両が高速道を走行している場合の顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。図3Cは、車両が市街地の道路を走行している場合の顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。図3Dは、車両が湿潤路面を走行している場合の顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。 図4Aは、実施の形態1に係るシーン判別部によってシーンが一般道と判別された場合に配光制御決定部が決定する配光パターンの一例を示す図である。図4Bは、実施の形態1に係るシーン判別部によってシーンが高速道と判別された場合に配光制御決定部が決定する配光パターンの一例を示す図である。図4Cは、実施の形態1に係るシーン判別部によってシーンが市街地と判別された場合に配光制御決定部が決定する配光パターンの一例を示す図である。図4Dは、実施の形態1に係るシーン判別部によってシーンが湿潤路面と判別された場合に配光制御決定部が決定する配光パターンの一例を示す図である。 図5Aは、車両の前方で坂道勾配が増加している場合の顕著性マップの一例を示す。図5Bは、車両の前方で坂道勾配が減少している場合の顕著性マップの一例を示す。 図6Aは、車両の前方で坂道勾配が増加している場合の前照灯の光軸の一例を示す。図6Bは、車両の前方で坂道勾配が減少している場合の前照灯の光軸の一例を示す。 図7Aは、車両が左カーブの区間を走行している場合の顕著性マップの一例を示す。図7Bは、車両が右カーブの区間を走行している場合の顕著性マップの一例を示す。 図8Aは、車両が左カーブの区間を走行している場合の前照灯の光軸の一例を示す。図8Bは、車両が右カーブの区間を走行している場合の前照灯の光軸の一例を示す。 実施の形態2に係る前照灯制御システムの構成を示すブロック図である。 図10Aは、対向車が存在する場合における、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。図10Bは、複数の先行車が存在する場合における、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。図10Cは、道路標示が存在する場合における、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。図10Dは、標識が存在する場合における、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。図10Eは、他の交通利用者が存在する湿潤路面を車両が走行している場合の、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。 路肩に2台の駐車車両が存在する場合における、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。 ヒヤリハット領域が特定された場合の配光制御の一例を示す図である。 実施の形態3に係る前照灯制御システムの構成を示すブロック図である。 図14Aは、顕著性マップ生成部が可視光撮像信号に基づいて生成した顕著性マップの一例を示す図である。図14Bは、顕著性マップ生成部が赤外線撮像信号に基づいて生成した顕著性マップの一例を示す図である。 実施の形態4に係る前照灯制御システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態5に係る前照灯制御システムの構成を示すブロック図である。 図17Aは、車両が低速走行している場合に、顕著性マップ生成部が撮像信号と車速情報とに基づいて生成した顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。図17Bは、車両が中速走行している場合に、顕著性マップ生成部が撮像信号と車速情報とに基づいて生成した顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。図17Cは、車両が高速走行している場合に、顕著性マップ生成部が撮像信号と車速情報とに基づいて生成した顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。 図18Aは、配光制御装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図18Bは、配光制御装置の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。
以下、本開示をより詳細に説明するため、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る前照灯制御システム100の構成を示すブロック図である。図1が示すように、前照灯制御システム100は、前照灯制御装置1、撮像部2、及び前照灯3を備えている。前照灯制御装置1は、顕著性マップ生成部11、シーン判別部12、及び配光制御決定部13を備えている。
前照灯制御装置1は、車両に搭載された前照灯3の配光を制御する。より具体的には、前照灯制御装置1は、自動車等の車両に搭載するものであり、シーンに応じて前照灯3の配光を自動制御することができるように構成されている。なお、本明細書において、用語「車両」は、前照灯制御システム100が搭載された車両(自車両)を意味する。本明細書において、用語「シーン」は、車両が走行している状況を意味するものとする。当該状況の例として、一般道、高速道、湿潤路面、勾配を有する坂道(上り坂、下り坂等)若しくはカーブ等の車両が走行している道路、又は市街地等の車両が走行している道路の周辺環境等を意味する。
さらに具体的には、図示は省略するが、実施の形態1では、前照灯制御装置1は、車両内のコンピュータネットワーク(例えば、CAN(Controller Area Network))に接続されており、車両から種々の情報(以下、「車両情報」と称する)を適宜取得可能である。当該車両情報は、例えば、ライトスイッチのオンオフを示す情報を含む。
当該ライトスイッチは、前照灯3の点灯状態又は消灯状態を切り替える設定、及び前照灯制御を自動で行うか否かの設定が可能なように構成されている。ライトスイッチが前照灯制御を自動で実行するように操作されることにより、前照灯制御装置1による前照灯3の自動制御が機能する。
さらに具体的には、実施の形態1では、前照灯制御装置1は、後述する撮像部2から少なくとも撮像信号を取得し、取得した撮像信号に基づいて、車両が走行している状況である上述のシーンに応じて、前照灯3の配光パターン、及び光軸を決定するとともに、前照灯3に配光制御信号を出力するものである。なお、本明細書において、用語「配光パターン」は、前照灯3が光を照射する範囲、又は前照灯3が照射する光の照度等を意味する。
さらに具体的には、実施の形態1では、前照灯制御装置1は、少なくとも、撮像信号に基づいて顕著性マップを生成する顕著性マップ生成部11と、顕著性マップに基づいてシーンを判別するシーン判別部12と、判別したシーンに基づいて配光パターンを決定するとともに配光制御信号を出力する配光制御決定部13とにより構成されるものである。
撮像部2は、車両の前方を撮像することにより車両の前方を示す画像を取得し、取得した画像を撮像信号に変換する。より具体的には、撮像部2は、例えば、車両の前方を撮像することにより可視光動画像を取得する前方監視カメラである。撮像部2は、撮像した動画像を撮像信号に変換し、変換した撮像信号を前照灯制御装置1に出力する。なお、実施の形態1では、撮像部2が前方監視カメラであり撮像信号を出力する構成について説明するが、撮像部2として、例えば、LiDAR(Light detection and Ranging)、ToF(Time of Flight)カメラ、ミリ波レーダー、又は超音波センサ等を用いてもよい。その場合、撮像部2は、計測した測定結果を示す画像を撮像信号として出力してもよい。
前照灯3は、前照灯制御装置1が出力した配光制御信号に基づいて、光を車両の前方に出射する。より詳細には、実施の形態1では、前照灯3は、前照灯制御装置1が出力した配光制御信号が示す配光パターンで光を車両の前方に出射する。より具体的には、実施の形態1では、前照灯3は、ロービーム、ハイビーム又はスポットビーム等の機能を有する灯具を備えており、照射範囲、及び照射量を調整可能に構成され、当該配光制御信号に基づいて、様々な配光パターンで光を照射することができるように構成されている。
前照灯制御装置1の顕著性マップ生成部11は、車両の前方を示す撮像信号に基づいて、車両の前方における視覚的顕著性を示す顕著性マップを生成する。より詳細には、実施の形態1では、顕著性マップ生成部11は、撮像部2が変換した撮像信号に基づいて、車両の運転者が注視しやすい領域である注視領域を示す顕著性マップを生成する。顕著性マップ生成部11は、生成した顕著性マップをシーン判別部12に出力する。
より具体的には、実施の形態1では、顕著性マップ生成部11が生成する顕著性マップは、人が車両の前方を示す画像を見たときの注視しやすさをピクセル毎に計算したマップであり、車両の運転者が注視しやすい領域である注視領域の分布パターンを反映したものである。
シーン判別部12が生成する顕著性マップの例として、撮像信号中の注視領域を検出するためのサリエンシーマップ(例えば、「L. Itti, and C. Koch, “A saliency-based search mechanism for overt and covert shift of visual attention”, Vision Research, Vol. 40, pp. 1489~1506, 2000」を参照)等が挙げられる。
顕著性マップ生成部11による顕著性マップを生成するための顕著性の算出方法の例として、画像中の輝度、色又は方位等に基づいて顕著性を算出する方法、又はニューラルネットワーク等の深層学習を応用した方法等が挙げられる。
前照灯制御装置1のシーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップに基づいて、車両が走行している状況であるシーンを判別する。より詳細には、実施の形態1では、シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域の分布パターンに基づいて、車両が走行している状況であるシーンを判別する。シーン判別部12は、判別したシーンに関する情報を配光制御決定部13に出力する。
より具体的には、実施の形態1に係るシーン判別部12は、最適な配光パターンを決定するために、一般道、高速道若しくは湿潤路面等の、車両が走行している道路の種別に関するシーン、又は市街地等の、車両が走行している道路の周辺環境等に関するシーンを判別する。または、実施の形態1に係るシーン判別部12は、勾配を有する坂道又はカーブに応じた配光パターンを決定するために、勾配を有する坂道又はカーブ等のシーンを判別する。なお、シーン判別部12による、注視領域の分布パターンに基づいたシーンの判別方法の詳細については後述する。
前照灯制御装置1の配光制御決定部13は、シーン判別部12が判別したシーンに基づいて、前照灯3の配光パターンを決定し、決定した配光パターンで前照灯3が光を出射するように制御する配光制御信号を出力する。上述の前照灯3は、配光制御決定部13が出力した配光制御信号に基づいて、配光制御決定部13が決定した配光パターンで光を出射する。なお、配光制御決定部13による配光パターンの決定方法の詳細については後述する。
以下で、実施の形態1に係る前照灯制御装置1の動作について図面を参照して説明する。図2は、実施の形態1に係る前照灯制御装置1による前照灯制御方法を示すフローチャートである。なお、以下で説明する各ステップの前に、撮像部2は、車両の前方を撮像することにより車両の前方を示す画像を取得し、取得した画像を撮像信号に変換したものとする。
図2が示すように、顕著性マップ生成部11は、撮像部2が変換した撮像信号に基づいて、車両の前方における視覚的顕著性を示す顕著性マップを生成する(ステップST1)。顕著性マップ生成部11は、生成した顕著性マップをシーン判別部12に出力する。
次に、シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップに基づいて、車両が走行している状況であるシーンを判別する(ステップST2)。シーン判別部12は、判別したシーンに関する情報を配光制御決定部13に出力する。
次に、配光制御決定部13は、シーン判別部12が判別したシーンに基づいて、前照灯3の配光パターンを決定し、決定した配光パターンで前照灯3が光を出射するように制御する配光制御信号を出力する(ステップST3)。
次に、実施の形態1に係るシーン判別部12の動作(ステップST2)の具体例について図面を参照して説明する。図3は、実施の形態1に係る顕著性マップ生成部11が生成する顕著性マップを説明するための図である。以下では、実施の形態1に係るシーン判別部12の動作の具体例として、図3を参照して、一般道、高速道若しくは湿潤路面等の、車両が走行している道路の種別に関するシーン、又は市街地等の、車両が走行している道路の周辺環境等に関するシーンを判別する方法について説明する。
図3Aは、車両が一般道を走行している場合の顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。図3Aでは、車両の進行方向に対応した注視領域の分布パターンが示されている。
図3Bは、車両が高速道を走行している場合の顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。図3Bでは、車両の進行方向に対応した注視領域の分布パターンが示されている。
図3Cは、車両が市街地の道路を走行している場合の顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。図3Cでは、車両の進行方向に対応した注視領域と、路肩の障害物に対応した注視領域と、路肩の障害物の影となる位置に対応した注視領域の分布パターンとが示されている。
図3Dは、車両が湿潤路面を走行している場合の顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。図3Dでは、車両の進行方向に対応した注視領域と、湿潤路面上の映り込みに対応した注視領域の分布パターンとが示されている。
図3A、図3B、図3C及び図3Dに示すように、車両が一般道、高速道、市街地の道路又は湿潤路面を走行している場合で、顕著性マップ生成部11が生成する顕著性マップが示す注視領域の分布パターンが異なるものとなる。
このように、実施の形態1に係る前照灯制御装置1によれば、顕著性マップ生成部11により、シーン毎に特徴を有する注視領域の分布パターンを示す顕著性マップを生成できるため、従来のカメラによる物体検出では検出できない物体が存在しない箇所、例えば、車両の進行方向、又は歩行者が飛び出してくる可能性がある箇所を注視領域として検出することができ、シーンを適切に判別して配光制御することが可能である。
シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域の水平方向の分布パターンに基づいて、シーンが一般道、高速道又は市街地であると判別する。より具体的には、実施の形態1では、シーン判別部12は、顕著性マップにおいて、車両の進行方向の先の領域を中心に注視領域が分布し、且つ当該注視領域の分布パターンが基準的な広がりを有する場合、シーンが一般道であると判別する。
または、シーン判別部12は、顕著性マップにおいて、車両の進行方向の先の領域を中心に注視領域が分布し、且つ当該注視領域の分布パターンが基準に比べて消失点に集中している場合、シーンが高速道であると判別する。
または、シーン判別部12は、顕著性マップにおいて、注視領域の分布パターンが車両の進行方向の先の領域を中心として基準よりも左右に広く分布している場合、シーンが市街地であると判別する。
または、シーン判別部12は、顕著性マップにおいて、注視領域の分布パターンが路面上に分布している場合、シーンが湿潤路面であると判別する。
より具体的には、シーン判別部12は、顕著性マップに基づき、水平方向及び鉛直方向の注視の確率密度分布を算出し、算出した確率密度分布の特徴を評価することによりシーンを判別する。
例えば、シーン判別部12は、算出した水平方向の注視の確率密度分布が単一の分布からなる場合、その分布の幅を評価して閾値判定することにより一般道、高速道、又は市街地等のシーンを判別する。
または、例えば、シーン判別部12は、算出した水平方向の確率密度分布が複数の分布からなる場合、進行方向に対応する分布の幅、又は、分布の数若しくは分布の分散をさらに判定することにより、一般道、高速道又は市街地等のシーンを判別する。
例えば、シーン判別部12は、算出した垂直方向の注視の確率密度分布を評価し、路面に対応する領域に分布の裾が広がる場合、路面に対応する領域に複数の分布が存在する場合に、シーンが湿潤路面であると判別してもよい。
なお、シーン判別部12は、顕著性マップに基づいて算出した2次元の確率密度分布から、注視領域をクラスタリングすることにより、クラスタの数、各クラスタの位置、各クラスタの確率密度、又は各クラスタの分散を評価することによって、シーンを判別するように構成されてもよい。または、判別したいシーンに対応した顕著性マップのデータベースを予め構築し、当該データベースに基づき予め学習した識別機によりシーン判別部12を構成してもよい。
以下で、実施の形態1に係るシーン判別部12が判別したシーンに基づいた配光制御決定部13の動作(ステップST3)の具体例について説明する。図4は、シーン判別結果に基づいた配光パターンの一例を示す図である。
図4Aは、実施の形態1に係るシーン判別部12によってシーンが一般道と判別された場合に配光制御決定部13が決定する配光パターンの一例を示す図である。
図4Bは、実施の形態1に係るシーン判別部12によってシーンが高速道と判別された場合に配光制御決定部13が決定する配光パターンの一例を示す図である。高速道では、一般道に比べて車両がより高速で走行するため、配光制御決定部13は、車両が一般道を走行している場合に比べて遠方まで照射範囲を拡大する配光パターンで前照灯3が光を出射するように制御する。これにより、車両が高速で走行している場合の運転者の視認性を向上させる。
図4Cは、実施の形態1に係るシーン判別部12によってシーンが市街地と判別された場合に配光制御決定部13が決定する配光パターンの一例を示す図である。市街地では、運転者が路肩の障害物に対して注意する必要があるため、配光制御決定部13は、車両が一般道を走行している場合に比べて左右方向の照射範囲を拡大する配光パターンで前照灯3が光を出射するように制御する。このように左右方向の照射範囲を拡大することにより、運転者の視認性を向上させる。また同時に、配光制御決定部13は、車両から遠方の照射範囲を制限する配光パターンで前照灯3が光を出射するように制御する。市街地では街灯により照度が確保されているため、このように車両から遠方の照射範囲を制限することにより、周辺の交通利用者に対する眩惑を防止する。
図4Dは、実施の形態1に係るシーン判別部12によってシーンが湿潤路面と判別された場合に配光制御決定部13が決定する配光パターンの一例を示す図である。車両が湿潤路面を走行している場合は、路面の鏡面反射光により周辺の交通利用者を眩惑させる恐れがあるため、配光制御決定部13は、鏡面反射に寄与する領域の照射強度を制限する配光パターンで前照灯3が光を出射するように制御する。これにより、自車両周辺の交通利用者に対する眩惑を防止する。また同時に、配光制御決定部13は、車両が一般道を走行している場合に比べて車両から遠方の照射範囲を拡大する配光パターンで前照灯3が光を出射するように制御する。これにより運転者の視認性を向上する。
配光制御決定部13は、シーン判別部12が判別したシーンに基づいて、図4に示すように、シーンに対応した配光パターンを決定し、決定した配光パターンで前照灯3が光を出射するように制御する配光制御信号を出力する。これにより、シーンに応じた最適な配光パターンを出力する。なお、上記の配光パターンは代表的な一例であり、照射範囲、又は照度等を適宜変更させてもよい。
以下で、実施の形態1に係るシーン判別部12の動作(ステップST2)のさらなる具体例について図面を参照して説明する。より詳細には、当該さらなる具体例では、シーン判別部12が、勾配を有する坂道に関するシーンを判別する方法について説明する。図5は、車両の前方で坂道勾配が変化している場合の顕著性マップの一例を示す。
当該具体例では、シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域の鉛直方向の変位に基づいて、シーンが勾配を有する坂道であるか否かを判別する。
図5Aは、車両の前方で坂道勾配が増加している場合の顕著性マップの一例を示す。図5Aでは、車両前方で坂道勾配が増加している場合は、車両が平坦路を走行している場合の注視領域を基準として、車両の進行方向に対応する注視領域が上方に変位していることが示されている。従って、シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域が上方に変位した場合、シーンが上りの勾配を有する上り坂であると判別する。
図5Bは、車両の前方で坂道勾配が減少している場合の顕著性マップの一例を示す。図5Bでは、車両前方で坂道勾配が減少している場合は、車両が平坦路を走行している場合の注視領域を基準として、車両の進行方向に対応する注視領域が下方に変位していることが示されている。従って、シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域が下方に変位した場合、シーンが下りの勾配を有する下り坂であると判別する。
上記のように、当該具体例では、シーン判別部12は、車両が平坦路を走行している場合の注視領域を基準として、注視領域が上下に変位した場合、シーンが勾配を有する坂道であると判別する。
以下で、実施の形態1に係るシーン判別部12が判別したシーンに基づいた配光制御決定部13の動作(ステップST3)のさらなる具体例について図面を参照して説明する。図6は、坂道勾配が変化している区間を車両が走行している場合の光軸制御の一例を示す。
当該具体例では、配光制御決定部13は、シーン判別部12によってシーンが坂道であると判別された場合、前照灯3が出射する光を鉛直方向に移動させるように配光パターンを調整する。
図6Aは、車両の前方で坂道勾配が増加している場合の前照灯3の光軸の一例を示す。上述のように、シーン判別部12は、車両の前方で坂道勾配が増加している場合、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域が上方に変位したと判定し、シーンが上り坂であると判別する。配光制御決定部13は、シーン判別部12によるシーンが上り坂であるというシーン判別に基づいて、車両が平坦路を走行している場合の前照灯3の光軸を基準として、前照灯3の光軸を車両上方に調整する。これにより、運転者の視認性を向上させ且つ車両周辺の交通利用者に対する眩惑を防止することができる。
図6Bは、車両の前方で坂道勾配が減少している場合の前照灯3の光軸の一例を示す。上述のように、シーン判別部12は、車両の前方で坂道勾配が減少している場合、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域が下方に変位したと判定し、シーンが下り坂であると判別する。配光制御決定部13は、シーン判別部12によるシーンが下り坂であるというシーン判別に基づいて、車両が平坦路を走行している場合の前照灯3の光軸を基準として、前照灯3の光軸を車両下方に調整する。これにより、運転者の視認性を向上させ且つ車両周辺の交通利用者に対する眩惑を防止することができる。
以下で、実施の形態1に係るシーン判別部12の動作(ステップST2)のさらなる具体例について図面を参照して説明する。より詳細には、当該具体例では、シーン判別部12が、カーブに関するシーンを判別する方法について説明する。図7は、車両が左カーブの区間又は右カーブの区間を走行している場合の顕著性マップの一例を示す。
当該具体例では、シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域の水平方向の変位に基づいて、前記シーンが右カーブ又は左カーブであるか否かを判別する。
図7Aは、車両が左カーブの区間を走行している場合の顕著性マップの一例を示す。図7Aでは、車両前方の道路が左にカーブしている場合は、車両が直進路を走行している場合の注視領域を基準として、車両の進行方向に対応する注視領域が左方に変位していることが示されている。従って、シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域が左方に変位した場合、シーンが左カーブであると判別する。
図7Bは、車両が右カーブの区間を走行している場合の顕著性マップの一例を示す。図7Bでは、車両前方の道路が右にカーブしている場合は、車両が直進路を走行している場合の注視領域を基準として、車両の進行方向に対応する注視領域が右方に変位していることが示されている。従って、シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域が右方に変位した場合、シーンが右カーブであると判別する。
以下で、実施の形態1に係るシーン判別部12が判別したシーンに基づいた配光制御決定部13の動作(ステップST3)のさらなる具体例について図面を参照して説明する。図8は、車両が右カーブ又は左カーブの区間を走行している場合の光軸制御の一例を示す。
当該具体例では、配光制御決定部13は、シーン判別部12によってシーンが右カーブ又は左カーブであると判別された場合、前照灯3が出射する光を水平方向に移動させるように配光パターンを調整する。
図8Aは、車両が左カーブの区間を走行している場合の前照灯3の光軸の一例を示す。上述のように、車両が左カーブを走行している場合、シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域が左方に変位していると判定し、シーンが左カーブであると判別する。配光制御決定部13は、シーン判別部12によるシーンが左カーブであるというシーン判別に基づいて、車両が直進走行している場合の前照灯3の光軸を基準として、前照灯3の光軸を車両の左方向に調整する。これにより、運転者の視認性を向上させ且つ車両周辺の交通利用者に対する眩惑を防止することができる。
図8Bは、車両が右カーブの区間を走行している場合の前照灯3の光軸の一例を示す。上述のように、車両が右カーブを走行している場合、シーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップが示す注視領域が右方に変位していると判定し、シーンが右カーブであると判別する。配光制御決定部13は、シーン判別部12によるシーンが右カーブであるというシーン判別に基づいて、車両が直進走行している場合の前照灯3の光軸を基準として、前照灯3の光軸を車両の右方向に調整する。これにより、運転者の視認性を向上させ且つ車両周辺の交通利用者に対する眩惑を防止することができる。
なお、前述の通り、前照灯制御装置1は、車両内のコンピュータネットワーク(例えば、CAN)に接続されており、車両情報を適宜取得可能である。当該車両情報は、例えば、車両の速度を示す情報、ステアリング角度を示す情報、ブレーキを示す情報、車両に搭載された照度センサの情報、雨滴センサの情報、ワイパースイッチの情報、又はワイパーの動作状態を示す情報等が含んでもよい。シーン判別部12は、これらの車両情報を援用してシーンを判別してもよい。配光制御決定部13は、これらの車両情報を援用して配光パターンを決定してもよい。
このように、実施の形態1に係る前照灯制御装置1によれば、シーン判別部12は、シーンの判別に顕著性マップを用いることで、従来のカメラによる物体検出では検出することができない車両の進行方向に対応した注視領域を特定でき、シーンを適切に判別して配光制御することが可能である。また、種々のセンサを必ずしも必要とせず、簡易な構成でシーン判別し適切な配光制御が可能である。
以上のように、実施の形態1に係る前照灯制御装置1は、車両に搭載された前照灯3の配光を制御する前照灯制御装置1であって、車両の前方を示す撮像信号に基づいて、車両の運転者が注視しやすい領域である注視領域を示す顕著性マップを生成する顕著性マップ生成部11と、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップに基づいて、車両が走行している状況であるシーンを判別するシーン判別部12と、シーン判別部12が判別したシーンに基づいて、前照灯3の配光パターンを決定し、決定した配光パターンで前照灯3が光を出射するように制御する配光制御信号を出力する配光制御決定部13と、を備えている。
上記の構成によれば、車両の運転者が注視しやすい領域である注視領域を示す顕著性マップに基づいて、車両が走行している状況であるシーンを判別し、判別したシーンに基づいて、配光パターンを決定するため、運転者が注視する対象に対して前照灯が光を照射するように前照灯の配光を適切に制御できる。
近年、運転シーンに応じた運転者の視認性向上と、車両周辺の交通利用者への眩惑防止を目的として、前照灯を自動制御するアダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)の普及が進んでいる。AFSは、変化する使用条件に対してロービーム(下向きビーム)及びハイビーム(主ビーム)を自動的に適応するシステムであって、一般道、高速道路、市街地若しくは湿潤路面等の道路種別に応じたロービーム配光の自動制御機能、又は対向車若しくは先行車の存在に適応したハイビーム配光の自動制御機能(アダプティブ・ドライビング・ビーム(ADB))、又はカーブに追従した光軸の自動制御機能により構成されるものである。
例えば、上述の特許文献1に記載の技術は、カメラを用いた物体検出に基づくため、白線が描かれていない場合、又は白線が消えかかっている場合に、適切に配光を制御することができない。しかし、上記の実施の形態1に係る前照灯制御装置1の構成によれば、顕著性マップに基づいて、白線が描かれていない場合、又は白線が消えかかっている場合でも、顕著性マップに基づくことにより、適切にシーンを判定することによって適切な配光制御を実現できる。また、顕著性マップを用いることで、従来技術のように種々のセンサ信号を組み合わせたルールベースによるシーン判別を行う複雑なシステムを構築せずとも、シーンを判別して適切な配光制御を実現することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、車両に対する障害物に関する障害物検知信号にさらに基づいて、シーンを判別する構成について説明する。
以下で、実施の形態2について図面を参照して説明する。なお、実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図9は、実施の形態2に係る前照灯制御システム101の構成を示すブロック図である。図9が示すように、前照灯制御システム101は、実施の形態1に係る前照灯制御システム100と比較して、障害物検出部4、及び測距センサ5をさらに備えている。
測距センサ5は、車両の周辺を検知することにより、車両の周辺に関する車両周辺情報を取得する。測距センサ5は、取得した車両周辺情報を障害物検出部4に出力する。測距センサ5は、例えば、車両周辺の障害物を検出可能に構成されたレーダー、LiDAR、ToFカメラ又は超音波センサ等である。
障害物検出部4は、撮像部2が変換した撮像信号、又は、測距センサ5が取得した車両周辺情報に基づいて、車両に対する障害物を検出することにより、車両に対する障害物に関する障害物検知信号を生成する。障害物検出部4は、生成した障害物検知信号を前照灯制御装置1のシーン判別部12に出力する。
障害物検出部4が生成する障害物検知信号は、例えば、障害物の種別、位置、大きさ又は向き等に関する情報を含む。障害物の種別に関する情報は、例えば、車両、トラック、バイク、自転車、歩行者、標識又は信号等に関する情報を含む。
なお、図示は省略するが、障害物検出部4は、撮像部2の内部に構成され、撮像部2から撮像信号及び障害物検知信号が出力されてもよい。または、障害物検出部4は、撮像部2から受領した撮像信号、及びその他の測距センサを含む複数方式のセンサから受領した情報を統合して障害物を検出し、障害検知信号を出力するものであってもよい。
実施の形態2に係るシーン判別部12は、車両に対する障害物に関する障害物検知信号、及び顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップに基づいて、車両の前方における、当該障害物が存在しない領域であり且つ注視領域である両立領域を特定する。より詳細には、実施の形態2では、シーン判別部12は、障害物検出部4が生成した障害物検知信号、及び顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップに基づいて、両立領域を特定する。
また、シーン判別部12は、特定した両立領域の分布パターンに基づいて、シーンを判別する。より具体的には、シーン判別部12は、両立領域が存在する場合は、両立領域の位置に基づいてシーンを判別し、両立領域が存在しない場合は、実施の形態1に係るシーン判別部12と同様に、注視領域の分布パターンに基づいてシーンを判別する。
なお、図示しないが、実施の形態2に係る前照灯制御装置1による前照灯制御方法では、実施の形態1に係る前照灯制御装置1による前照灯制御方法のステップST1-3と比較して、ステップST2の代わりに、シーン判別部12が、車両に対する障害物に関する障害物検知信号、及び顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップに基づいて、車両の前方における、当該障害物が存在しない領域であり且つ注視領域である両立領域を特定し、特定した両立領域の分布パターンに基づいて、シーンを判別するステップを行う。
以下で、実施の形態2に係るシーン判別部12の動作の具体例について図面を参照して説明する。図10は、顕著性マップが示す注視領域、及び障害物検知信号が示す障害物を囲う領域を重畳した図である。
図10Aは、対向車が存在する場合における、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。図10Bは、複数の先行車が存在する場合における、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。これらの場合、いずれも、対向車及び複数の先行車が存在しない場合に比して、注視領域が水平方向に広がったパターンとなる。そのため、シーン判別部12が注視領域の分布パターンの水平方向の広がりのみに基づいてシーン判別を行うと、シーンが一般道又は高速道ではなく市街地であるという誤判別を行ってしまう可能性がある。しかし、上述のように、シーン判別部12が、両立領域を特定し、特定した両立領域の分布パターンに基づいてシーンを判別することにより、シーンが一般道又は高速道であると適切に判別できる。
図10Cは、道路標示が存在する場合における、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。図10Dは、標識が存在する場合における、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。これらの場合は、道路標示及び標識がない場合に比して、注視領域が上下方向に広がったパターンとなる。そのため、シーン判別部12が注視領域の分布パターンの鉛直方向の広がりのみに基づいてシーン判別を行うと、シーンが勾配を有する坂道であるという誤判別、又はシーンが湿潤路面であるという誤判別を行ってしまう可能性がある。しかし、上述のように、シーン判別部12が、両立領域を特定し、特定した両立領域の分布パターンに基づいてシーンを判別することにより、シーンが一般道又は高速道であると適切に判別できる。
図10Eは、他の交通利用者が存在する湿潤路面を車両が走行している場合の、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。図10Eが示すように、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップにおいて、車両の進行方向、対向車線を走行する別の車両、及び路面への映り込みに対して注視領域が分布している。図10Eが示すように、障害物検知信号に基づいて、対向車線を走行している別の車両が特定されている。
図10Eが示す例において、シーン判別部12は、両立領域を特定し、特定した両立領域が路面に存在する場合、シーンが湿潤路面であると判別する。より具体的には、当該例では、シーン判別部12は、車両の進行方向の先の領域、及び路面の映り込みの領域を両立領域として特定する。また、シーン判別部12は、路面の映り込みの領域が路面に存在するため、シーンが湿潤路面であると判別する。
上記のように、実施の形態2に係るシーン判別部12は、実施の形態1に係るシーン判別部12と比較して、注視領域の分布パターンのみでなく、注視領域と障害物検知信号を用いて両立領域を特定し、特定した両立領域の位置からシーン判別を行うため実施の形態1に比してシーン判別の確度を向上させることができる。
以下で、実施の形態2に係るシーン判別部12の動作のさらなる具体例について図面を参照して説明する。より詳細には、当該さらなる具体例では、シーン判別部12が、ヒヤリハット領域をさらに特定する構成について説明する。
当該具体例では、シーン判別部12は、特定した両立領域の位置、及び障害物検知信号が示す障害物の位置に基づいて、歩行者が飛び出してくる可能性がある領域であるヒヤリハット領域をさらに特定する。
図11は、路肩に2台の駐車車両が存在する場合における、注視領域、及び障害物を囲う領域を重畳した図である。図11が示すように、路肩の2台の駐車車両が障害物検出部4により検出され、顕著性マップ生成部11が生成した顕著性マップにおいて、車両の進行方向の先の領域、路肩の駐車車両、及び駐車車両の間の空間に注視領域が分布している。図11の例において、シーン判別部12は、障害物検知信号、及び顕著性マップに基づいて、車両の進行方向の先の領域、及び駐車車両の間の空間を両立領域として特定する。また、シーン判別部12は、駐車車両の間の空間をヒヤリハット領域としてさらに特定する。このように、顕著性マップを用いて運転者の注視領域を検出することで、通常の物体検出では検出することができない、歩行者の飛び出しが予測されるような駐車車両の間の四角となる領域を検出することができる。従って、シーン判別部12は、路肩の障害物の背後、又は路肩の障害物に囲まれた位置に両立領域が分布する場合、当該両立領域をヒヤリハット領域として特定することができる。
以下で、実施の形態2に係るシーン判別部12が特定したヒヤリハット領域に基づいた配光制御決定部13の動作の具体例について図面を参照して説明する。図12は、ヒヤリハット領域が特定された場合の配光制御の一例を示す図である。
当該具体例では、配光制御決定部13は、シーン判別部12が特定したヒヤリハット領域にさらに基づいて、配光パターンを決定する。ここで、配光制御決定部13が決定する配光パターンは、ヒヤリハット領域にスポット光が照射される配光パターン等である。
配光制御決定部13がヒヤリハット領域に関する情報を取得した場合、ヒヤリハット領域は障害物の死角など運転者に対して注意を喚起すべき領域である可能性が高いことが推測されるため、前照灯3によってスポット光などを照射して運転者に対して注意喚起することができる。配光制御決定部13は、例えば、図12に示す如く2台の駐車車両の間の領域に対して前照灯3がスポット光を照射し、運転者に注意喚起するように配光制御する。なお、図示はしないが、実施の形態2に係る前照灯制御装置1は、実施の形態1に係る前照灯制御装置1に比して、障害物検知信号に基づく障害物情報を用いることで、運転者の注意をそらせる要因となる箇所、又は周辺の交通利用者に対して不用意に光を照射しないように配光制御することができる。運転者の注意をそらせる要因となる箇所とは、例えば、光を照射することでわき見や運転者に対する眩惑の要因となる可能性のある、路肩の駐車車両などの障害物、道路標識、又は信号を含む。
以上のように、実施の形態2に係る前照灯制御装置1は、実施の形態1に係る前照灯制御装置1に比して、顕著性マップに基づく注視領域の分布パターン、及び障害物検知信号に基づく障害物情報を用いて両立領域を特定することができるため、顕著性マップが示す注視領域の分布パターンのみを用いる実施の形態1の配光制御決定部13に比して、シーン判別性能を向上させ、適切に配光制御を行うことができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、撮像信号として赤外線撮像画像を用いて顕著性マップを生成する構成について説明する。
以下で、実施の形態3について図面を参照して説明する。なお、実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図13は、実施の形態3に係る前照灯制御システム102の構成を示すブロック図である。図13が示すように、前照灯制御システム102は、実施の形態1に係る前照灯制御システム100と比較して、撮像部2が可視光撮像部21及び1つ以上の赤外線撮像部22を備えている。
可視光撮像部21は、車両の前方を可視光により撮像することによって車両の前方を示す可視光画像を取得し、取得した可視光画像を可視光撮像信号に変換する。可視光撮像部21は、変換した可視光撮像信号を顕著性マップ生成部11に出力する。可視光撮像部21は、例えば、車両の前方を撮像する前方監視カメラである。
赤外線撮像部22は、車両の前方を赤外線により撮像することによって車両の前方を示す赤外線画像を取得し、取得した赤外線画像を赤外線撮像信号に変換する。可視光撮像部21は、変換した赤外線撮像信号を顕著性マップ生成部11に出力する。赤外線撮像部22は、例えば、車両の前方を撮像する暗視カメラである。
実施の形態3に係る顕著性マップ生成部11は、撮像信号としての赤外線撮像画像に基づいて、顕著性マップを生成する。より詳細には、実施の形態3では、顕著性マップ生成部11は、可視光撮像部21が変換した可視光撮像信号、又は赤外線撮像部22が変換した赤外線撮像信号のうちの少なくとも1つの撮像信号に基づいて、顕著性マップを生成する。
なお、図示しないが、実施の形態3に係る前照灯制御装置1による前照灯制御方法では、実施の形態1に係る前照灯制御装置1による前照灯制御方法のステップST1-3と比較して、ステップST1の代わりに、顕著性マップ生成部11が、撮像部2が変換した赤外線撮像信号に基づいて、車両の前方における視覚的顕著性を示す顕著性マップを生成するステップを行う。
図14は、可視光撮像信号又は赤外線撮像信号から生成された顕著性マップの一例を示す図である。図14Aは、顕著性マップ生成部11が可視光撮像信号に基づいて生成した顕著性マップの一例を示す図である。図14Bは、顕著性マップ生成部11が赤外線撮像信号に基づいて生成した顕著性マップの一例を示す図である。
可視光カメラと比較して、赤外線カメラは、周囲の照明条件の影響を受けにくいという特徴を有する。そのため、撮像部2が夜間に車両前方を撮像した場合、可視光カメラ画像と比較して、赤外線カメラ画像は、照明条件の影響を受けず、より遠方まで鮮明な画像が得られる特徴がある。
このように、実施の形態2に係る顕著性マップ生成部11は、赤外線撮像信号を用いて顕著性マップを生成することにより、可視光撮像信号を用いて顕著性マップを生成する場合と比較して、周囲の照明条件による影響が少なく、且つ遠方の注視対象に対しても注視領域の分布をより再現した顕著性マップを生成することができる。
なお、前述の実施の形態2に係るシーン判別部12は、顕著性マップ生成部11が可視光撮像信号に基づいて生成した第1の顕著性マップ、及び顕著性マップ生成部11が赤外線撮像信号に基づいて生成した第2の顕著性マップの両方に基づいて、シーンを判別してもよい。この場合、シーン判別部12は、第1の顕著性マップと第2の顕著性マップとを比較することにより、シーンを判別してもよい。
図14A及び図14Bが示すように、可視光撮像信号から生成された顕著性マップと赤外線撮像信号から生成された顕著性マップとは、照明条件によって注視対象に対する反応が異なっているので、両者を比較することで照明条件によって視認性が低くなってしまっている運転者が視認すべき対象を特定することができる。運転者が視認すべき対象が存在する場合、照射範囲に対象が含まれるように前照灯3の配光を制御することで、運転者の視認性を向上させることが可能となる。
以上のように、実施の形態3の前照灯制御システム101は、可視光の撮像信号のみ利用する場合は、車両の周囲の照明条件によって、又は周辺物体の周囲の照明条件によって、周辺物体の視認性が劣化するのに比較して、赤外線撮像信号を利用する場合は、背景の照明条件によらず周辺物体を撮像することができる。そのため、実施の形態3の前照灯制御装置1は、実施の形態1の前照灯制御装置1と比較して、周辺の照明条件によらないシーン判別及びヒヤリハット領域の特定が可能となる。また、可視光の顕著性マップと赤外線の顕著性マップとを比較することにより、運転者の視認性を向上させる前照灯3の制御を実現することが可能となる。
実施の形態4.
実施の形態4では、車両の位置、及び3次元地図情報にさらに基づいて、顕著性マップを生成する構成について説明する。
以下で、実施の形態4について図面を参照して説明する。なお、実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図15は、実施の形態4に係る前照灯制御システム103の構成を示すブロック図である。図15が示すように、前照灯制御システム103は、実施の形態1に係る前照灯制御システム100と比較して、ナビゲーション装置6及び自車位置検出部7をさらに備えている。
自車位置検出部7は、車両(自車両)の位置を検出することにより自車位置情報を取得する。自車位置検出部7は、取得した自車位置情報をナビゲーション装置6及び顕著性マップ生成部11にそれぞれ出力する。
自車位置検出部7は、例えば、GPSセンサである。これにより、車両の現在の絶対位置を特定する。なお、詳しい図示や説明は省略するが、自車位置検出部7は、各種車載センサを用いて車両の走行軌跡を求める自律航法と、GPSセンサを用いて自車の絶対位置を求める電波航法とを組合せた方法で、車両の現在の絶対位置を特定してもよい。
ナビゲーション装置6は、自車位置検出部7が取得した自車位置情報に基づいて、車両周辺の3次元地図情報を生成する。ナビゲーション装置6は、生成した3次元地図情報を顕著性マップ生成部11に出力する。
実施の形態4に係る顕著性マップ生成部11は、車両の位置、及び3次元地図情報にさらに基づいて、顕著性マップを生成する。より詳細には、顕著性マップ生成部11は、自車位置検出部7が取得した自車位置情報が示す車両の位置、及びナビゲーション装置6が生成した3次元地図情報に基づいて、顕著性マップを生成する。
実施の形態4に係る顕著性マップ生成部11は、ナビゲーション装置6から取得した3次元地図情報を用いて顕著性マップを生成することにより、照明条件の影響又は周辺物体の有無の影響を低減して、より正確な顕著性マップを生成することができる。
顕著性マップ生成部11は、過去に車両の位置に対応付けて生成した過去顕著性マップにさらに基づいて、顕著性マップを生成してもよい。より具体的には、顕著性マップ生成部11は、自車位置情報を用いることで位置情報と対応付けられた顕著性マップを生成し、記録してもよい。この場合、現在の車両の位置において、過去に生成した顕著性マップが記録されている場合は、顕著性マップ生成部11は、過去に生成した顕著性マップを援用して顕著性マップを生成する。例えば、顕著性マップ生成部11が、車両が昼間に走行した際に生成した顕著性マップを援用することにより、夜間の画像のみから顕著性マップを生成するのに比して、より顕著性マップの精度を向上させることができる。また、これにより、障害物有無に応じた顕著性マップの違いを参照して、シーンの判別又はヒヤリハット検出の性能を向上させることができる。
なお、図示しないが、実施の形態4に係る前照灯制御装置1による前照灯制御方法では、実施の形態1に係る前照灯制御装置1による前照灯制御方法のステップST1-3と比較して、ステップST1の代わりに、顕著性マップ生成部11が、撮像部2が変換した撮像信号と、車両の位置、及び3次元地図情報とに基づいて、車両の前方における視覚的顕著性を示す顕著性マップを生成するステップを行う。
以上のように、実施の形態4の前照灯制御装置1は、ナビゲーション装置6の3次元地図画像や、自車位置情報と対応付けられた顕著性マップを記憶することにより、過去に生成した顕著性マップを援用して顕著性マップを生成することができるため、実施の形態1の前照灯制御装置1に比して、周辺の照明条件又は障害物有無によらないシーン判別又はヒヤリハット領域の特定が可能となる。
実施の形態5.
実施の形態5では、車両の速度を示す車速情報にさらに基づいて、顕著性マップを生成する構成について説明する。
以下で、実施の形態5について図面を参照して説明する。なお、実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図16は、実施の形態5に係る前照灯制御システム104の構成を示すブロック図である。図16が示すように、前照灯制御システム104は、実施の形態1に係る前照灯制御システム100と比較して、車速情報取得部8をさらに備えている。
車速情報取得部8は、車両の速度を示す車速情報を取得する。車速情報取得部8は、取得した車速情報を顕著性マップ生成部11に出力する。より具体的には、実施の形態5では、車速情報取得部8は、図示は省略するが、車両内のコンピュータネットワークに接続されており、車両から車両の走行速度を示す車速情報を適宜取得する。
実施の形態5に係る顕著性マップ生成部11は、車両の速度を示す車速情報にさらに基づいて、顕著性マップを生成する。より具体的には、顕著性マップ生成部11は、実施の形態1に係る顕著性マップ生成部11と比較して、撮像部2から取得した撮像信号と車速情報取得部8から取得した車速情報に基づいて、顕著性マップを生成する。これにより、車速に応じた運転者の注視領域の変化を反映した顕著性マップを生成することできる。
図17は、実施の形態5に係る顕著性マップ生成部11が撮像信号と車速情報に基づいて生成した顕著性マップ生成部11の一例を示す図である。
図17Aは、車両が低速走行している場合に、顕著性マップ生成部11が撮像信号と車速情報とに基づいて生成した顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。
図17Bは、車両が中速走行している場合に、顕著性マップ生成部11が撮像信号と車速情報とに基づいて生成した顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。
図17Cは、車両が高速走行している場合に、顕著性マップ生成部11が撮像信号と車速情報とに基づいて生成した顕著性マップにおける注視領域の分布の一例を示す図である。
図17A、図17B及び図17Cが示すように、顕著性マップ生成部11は、車掌の速度が速くなればなるほど、車両の進行方向に対応する注視領域の広がりが狭い顕著性マップを生成する。
なお、図示しないが、実施の形態5に係る前照灯制御装置1による前照灯制御方法では、実施の形態1に係る前照灯制御装置1による前照灯制御方法のステップST1-3と比較して、ステップST1の代わりに、顕著性マップ生成部11が、撮像部2が変換した撮像信号と、車両の速度を示す車速情報とに基づいて、車両の前方における視覚的顕著性を示す顕著性マップを生成するステップを行う。
以上のように、実施の形態5に係る顕著性マップ生成部11は、撮像信号と車速情報とを用いて顕著性マップを生成することができるため、撮像信号のみを用いて顕著性マップを生成する実施の形態1に係る顕著性マップ生成部11に比して、顕著性マップによる運転者の注視領域の再現精度を向上させることができる。従って、顕著性マップを用いたシーン判別性能を向上させることができる。
前照灯制御装置1の顕著性マップ生成部11、シーン判別部12及び配光制御決定部13の各機能は、処理回路により実現される。すなわち、前照灯制御装置1は、図2に示した各ステップの処理を実行するための処理回路を備える。この処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
図18Aは、前照灯制御装置1の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図18Bは、前照灯制御装置1の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。
上記処理回路が図18Aに示す専用のハードウェアの処理回路110である場合、処理回路110は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)、システムLSI(Large-Scale Integration)又はこれらを組み合わせたものが該当する。
前照灯制御装置1の顕著性マップ生成部11、シーン判別部12及び配光制御決定部13の各機能を別々の処理回路で実現してもよいし、これらの機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。
上記処理回路が図18Bに示すプロセッサ111である場合、前照灯制御装置1の顕著性マップ生成部11、シーン判別部12及び配光制御決定部13の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。
なお、ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述されてメモリ112に記憶される。
プロセッサ111は、メモリ112に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、前照灯制御装置1の顕著性マップ生成部11、シーン判別部12及び配光制御決定部13の各機能を実現する。すなわち、前照灯制御装置1は、これらの各機能がプロセッサ111によって実行されるときに、図2に示した各ステップの処理が結果的に実行されるプログラムを記憶するためのメモリ112を備える。
これらのプログラムは、前照灯制御装置1の顕著性マップ生成部11、シーン判別部12及び配光制御決定部13の各手順又は方法をコンピュータに実行させる。メモリ112は、コンピュータを、前照灯制御装置1の顕著性マップ生成部11、シーン判別部12及び配光制御決定部13として機能させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
プロセッサ111には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)などが該当する。
メモリ112は、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクなどが該当する。より具体的には、メモリ112は、RAM(Random AccessMemory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable ProgrammableRead Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)などが該当する。
前照灯制御装置1の顕著性マップ生成部11、シーン判別部12及び配光制御決定部13の各機能について一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。
例えば、顕著性マップ生成部11の機能は、専用のハードウェアとしての処理回路で機能を実現する。シーン判別部12及び配光制御決定部13については、プロセッサ111がメモリ112に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより機能を実現してもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせにより上記機能のそれぞれを実現することができる。
なお、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
本開示に係る前照灯制御装置は、運転者が注視する対象に対して前照灯が光を照射するように前照灯の配光を適切に制御できるため、前照灯の配光パターンを自動制御するAFS等に利用可能である。
1 前照灯制御装置、2 撮像部、3 前照灯、4 障害物検出部、5 測距センサ、6 ナビゲーション装置、7 自車位置検出部、8 車速情報取得部、11 顕著性マップ生成部、12 シーン判別部、13 配光制御決定部、21 可視光撮像部、22 赤外線撮像部、100,101,102,103,104 前照灯制御システム、110 処理回路、111 プロセッサ、112 メモリ。

Claims (12)

  1. 車両に搭載された前照灯の配光を制御する前照灯制御装置であって、
    前記車両の前方を示す撮像信号の輝度、色又は方位に基づいて視覚的顕著性を算出し、当該算出した視覚的顕著性に基づいて、前記車両の運転者が注視しやすい領域である注視領域の分布パターンを示す顕著性マップを生成する顕著性マップ生成部と、
    前記顕著性マップ生成部が生成した顕著性マップが示す注視領域の分布パターンに基づいて、前記車両が走行している状況であるシーンを判別するシーン判別部と、
    前記シーン判別部が判別したシーンに基づいて、前記前照灯の配光パターンを決定し、決定した配光パターンで前記前照灯が光を出射するように制御する配光制御信号を出力する配光制御決定部と、を備えていることを特徴とする、前照灯制御装置。
  2. 前記シーン判別部は、前記車両に対する障害物に関する障害物検知信号、及び前記顕著性マップ生成部が生成した顕著性マップに基づいて、前記車両の前方における、当該障害物が存在しない領域であり且つ前記注視領域である両立領域を特定し、特定した両立領域の分布パターンに基づいて、前記シーンを判別することを特徴とする、請求項に記載の前照灯制御装置。
  3. 前記シーン判別部は、特定した両立領域の位置、及び前記障害物検知信号が示す障害物の位置に基づいて、歩行者が飛び出してくる可能性がある領域であるヒヤリハット領域をさらに特定し、
    前記配光制御決定部は、前記シーン判別部が特定したヒヤリハット領域にさらに基づいて、前記配光パターンを決定することを特徴とする、請求項に記載の前照灯制御装置。
  4. 前記シーン判別部は、特定した両立領域が路面に存在する場合、前記シーンが湿潤路面であると判別することを特徴とする、請求項に記載の前照灯制御装置。
  5. 前記シーン判別部は、前記顕著性マップ生成部が生成した顕著性マップが示す注視領域の鉛直方向の変位に基づいて、前記シーンが勾配を有する坂道であるか否かを判別し、
    前記配光制御決定部は、前記シーン判別部によって前記シーンが前記坂道であると判別された場合、前記前照灯が出射する光を前記鉛直方向に移動させるように前記配光パターンを調整することを特徴とする、請求項に記載の前照灯制御装置。
  6. 前記シーン判別部は、前記顕著性マップ生成部が生成した顕著性マップが示す注視領域の水平方向の分布パターンに基づいて、前記シーンが一般道、高速道又は市街地であると判別することを特徴とする、請求項に記載の前照灯制御装置。
  7. 前記顕著性マップ生成部は、前記撮像信号としての赤外線撮像画像に基づいて、前記顕著性マップを生成することを特徴とする、請求項1に記載の前照灯制御装置。
  8. 前記顕著性マップ生成部は、前記車両の位置、及び3次元地図情報にさらに基づいて、前記顕著性マップを生成することを特徴とする、請求項1に記載の前照灯制御装置。
  9. 前記顕著性マップ生成部は、過去に前記車両の位置に対応付けて生成した過去顕著性マップにさらに基づいて、前記顕著性マップを生成することを特徴とする、請求項に記載の前照灯制御装置。
  10. 前記顕著性マップ生成部は、前記車両の速度を示す車速情報にさらに基づいて、前記顕著性マップを生成することを特徴とする、請求項1に記載の前照灯制御装置。
  11. 請求項1に記載の前照灯制御装置と、
    前記車両の前方を撮像することにより前記車両の前方を示す画像を取得し、取得した画像を前記撮像信号に変換する撮像部と、
    前記配光制御決定部が出力した配光制御信号が示す配光パターンで光を前記車両の前方に出射する前照灯と、を備えていることを特徴とする、前照灯制御システム。
  12. 車両に搭載された前照灯の配光を制御する前照灯制御装置による前照灯制御方法であって、
    顕著性マップ生成部が、前記車両の前方を示す撮像信号の輝度、色又は方位に基づいて視覚的顕著性を算出し、当該算出した視覚的顕著性に基づいて、前記車両の運転者が注視しやすい領域である注視領域の分布パターンを示す顕著性マップを生成する顕著性マップ生成ステップと、
    シーン判別部が、前記顕著性マップ生成部が生成した顕著性マップが示す注視領域の分布パターンに基づいて、前記車両が走行している状況であるシーンを判別するシーン判別ステップと、
    配光制御決定部が、前記シーン判別部が判別したシーンに基づいて、前記前照灯の配光パターンを決定し、決定した配光パターンで前記前照灯が光を出射するように制御する配光制御信号を出力する配光制御決定ステップと、を含むことを特徴とする、前照灯制御方法。
JP2023522029A 2021-05-18 2021-05-18 前照灯制御装置、前照灯制御システム、及び前照灯制御方法 Active JP7378673B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2021/018692 WO2022244085A1 (ja) 2021-05-18 2021-05-18 前照灯制御装置、前照灯制御システム、及び前照灯制御方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2022244085A1 JPWO2022244085A1 (ja) 2022-11-24
JPWO2022244085A5 JPWO2022244085A5 (ja) 2023-07-31
JP7378673B2 true JP7378673B2 (ja) 2023-11-13

Family

ID=84141311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023522029A Active JP7378673B2 (ja) 2021-05-18 2021-05-18 前照灯制御装置、前照灯制御システム、及び前照灯制御方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7378673B2 (ja)
WO (1) WO2022244085A1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001114012A (ja) 1999-10-15 2001-04-24 Koito Mfg Co Ltd 車輌用灯具装置
JP2004214023A (ja) 2002-12-27 2004-07-29 Ichikoh Ind Ltd 車両用デジタル照明装置
JP2004210127A (ja) 2002-12-27 2004-07-29 Ichikoh Ind Ltd 車両用デジタル照明装置
JP2012006482A (ja) 2010-06-24 2012-01-12 Koito Mfg Co Ltd 制御装置、車両用前照灯システム、車両用灯具
JP2020104561A (ja) 2018-12-26 2020-07-09 株式会社小糸製作所 車両用灯具システム、車両用灯具の制御装置および車両用灯具の制御方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4059079B2 (ja) * 2002-12-27 2008-03-12 市光工業株式会社 車両用デジタル照明装置、車両用デジタル表示装置、情報表示方法
JP2006021633A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Koito Mfg Co Ltd 車両用照明システム
JP2009029227A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Omron Corp 照明制御装置および方法、並びに、プログラム
JP2014013524A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Mitsubishi Motors Corp 車両報知装置
JP2014237396A (ja) * 2013-06-07 2014-12-18 株式会社オートネットワーク技術研究所 ヘッドライト照射方向調節システム及び調節指示装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001114012A (ja) 1999-10-15 2001-04-24 Koito Mfg Co Ltd 車輌用灯具装置
JP2004214023A (ja) 2002-12-27 2004-07-29 Ichikoh Ind Ltd 車両用デジタル照明装置
JP2004210127A (ja) 2002-12-27 2004-07-29 Ichikoh Ind Ltd 車両用デジタル照明装置
JP2012006482A (ja) 2010-06-24 2012-01-12 Koito Mfg Co Ltd 制御装置、車両用前照灯システム、車両用灯具
JP2020104561A (ja) 2018-12-26 2020-07-09 株式会社小糸製作所 車両用灯具システム、車両用灯具の制御装置および車両用灯具の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2022244085A1 (ja) 2022-11-24
WO2022244085A1 (ja) 2022-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5409929B2 (ja) 車両用ヘッドライト装置の制御方法およびヘッドライト装置
US8892301B2 (en) Apparatus and method for controlling head lamp of vehicle
KR101370215B1 (ko) 차량용 헤드라이트 어셈블리의 제어 방법 및 그 헤드라이트 어셈블리
CN105270254B (zh) 用于控制车辆的至少一个大灯的光发射的方法和设备
JP5886971B2 (ja) 車両の周辺区域にある物体の位置を判定する方法および装置
JP5097648B2 (ja) 前照灯制御装置および車両用前照灯装置
US9340148B2 (en) Method and control unit for distance-dependent adjustment of the illumination range of a lighting system for a vehicle
US9586515B2 (en) Method and device for recognizing an illuminated roadway ahead of a vehicle
JP5361901B2 (ja) 前照灯制御装置
EP2399777A2 (en) Control device, vehicle headlamp, and vehicle headlamp system
JP2012240530A (ja) 画像処理装置
JP2008296759A (ja) 情報処理装置および方法、並びにプログラム
JP7378673B2 (ja) 前照灯制御装置、前照灯制御システム、及び前照灯制御方法
CN109515306B (zh) 车灯控制方法、装置及***
JP6151569B2 (ja) 周囲環境判定装置
JP6929481B1 (ja) 配光制御装置、配光制御方法及び配光制御プログラム
JP2012196999A (ja) 車両用照明装置及び方法
KR20130136107A (ko) 자동차
JP7511788B2 (ja) ヘッドライト制御装置およびヘッドライト制御方法
JP7483176B2 (ja) 配光制御装置
WO2022130866A1 (ja) 配光制御システム及びセンシングシステム
WO2024121916A1 (ja) ヘッドライト制御装置、ヘッドライト制御方法及びヘッドライト制御システム
US20240190331A1 (en) Methods and apparatuses for adaptive high beam control for a vehicle
WO2024069676A1 (ja) 前照灯制御装置及び前照灯制御方法
WO2024127633A1 (ja) 配光制御システム及び配光制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230515

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7378673

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150