JP7511788B2 - ヘッドライト制御装置およびヘッドライト制御方法 - Google Patents

ヘッドライト制御装置およびヘッドライト制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、ヘッドライト制御装置およびヘッドライト制御方法に関する。
従来、車両におけるヘッドライトの点灯制御において、運転者の視認性を向上させるため、運転者が向いている方向にヘッドライトの光が照射されるよう、運転者が向いている方向に基づいて、車両からみて左右方向および上下方向にヘッドライトの照射範囲を変化させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
ところで、一般に、車両においてヘッドライトの点灯制御が行われる際には、歩行者に対していわゆるグレアを発生させないよう、ロービームでカットオフラインより下方を照射させることが好ましい。
特開2009-120148号公報
運転者が向いている方向に基づくヘッドライトの点灯制御において運転者の視認性を向上させるためには、運転者が向いている方向においては、運転者が視認すべき対象を見落とさないよう、例えば車両からみて左右方向および上下方向の広範囲に光が照射されることが好ましい。
ただし、運転者が向いている方向に、運転者が視認すべき対象が隠されるような障害物がない場合には、車両からみて下方にのみ光が照射されても、運転者は当該対象を視認できる。ここで、運転者が向いている方向に障害物がない場合に、車両からみて上方に光が照射されるようヘッドライトが点灯制御されると、運転者の視認性には影響がないにもかかわらず、運転者が視認すべき対象等に対して不必要なグレアを与えてしまい得る。
従来技術では、このことが考慮されていない。すなわち、従来技術では、運転者が向いている方向に基づくヘッドライトの点灯制御において、運転者が向いている方向における状況は運転者が視認すべき対象が隠され得る状況であるかを考慮した点灯制御が行えていないという課題があった。
本開示は上記のような課題を解決するためになされたもので、車両における、運転者が向いている方向に基づくヘッドライトの点灯制御において、運転者が向いている方向における状況は運転者が視認すべき対象が隠され得る状況であるかを考慮した点灯制御を可能としたヘッドライト制御装置を提供することを目的とする。
本開示に係るヘッドライト制御装置は、車両の運転者が撮像された撮像画像に基づき、運転者の向きを検出する向き検出部と、向き検出部が検出した運転者の向きに基づき、運転者は左方向または右方向を向いているかを判定する向き判定部と、向き判定部が、運転者は左方向または右方向を向いていると判定した場合、向き検出部が検出した運転者の向きと、物体を検出するセンサによって測定された、車外における物体までの距離に関する距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かを判定する障害物有無判定部と、向き検出部が検出した運転者の向きと、向き判定部が判定した運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、障害物有無判定部が判定した運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果とに基づき、車両に設けられているヘッドライトによる光の照射範囲を決定する照射範囲決定部と、ヘッドライトに対して、照射範囲決定部が決定した照射範囲に光を照射させるヘッドライト制御部と、障害物有無判定部が、運転者が向いている方向に障害物はないと推定されると判定した場合に、向き検出部が検出した運転者の向きと距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に運転者が視認すべき対象が存在していると推定されるか否かを判定する対象有無判定部とを備え、照射範囲決定部は、向き判定部が運転者は左方向または右方向を向いていると判定し、かつ、障害物有無判定部が、運転者が向いている方向に障害物があると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向においてカットオフラインよりも上方を含む範囲をヘッドライトによる光の照射範囲に決定し、向き判定部が運転者は左方向または右方向を向いていると判定し、かつ、障害物有無判定部が、運転者が向いている方向に障害物はないと推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向においてカットオフラインよりも上方を含まずカットオフラインよりも下方となる範囲をヘッドライトによる光の照射範囲に決定し、対象有無判定部が、運転者が視認すべき対象が存在していると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向において、運転者が視認すべき対象にグレアを与えないと推定される高さよりも下方の範囲を照射範囲に決定することを特徴とするものである。
本開示によれば、車両における、運転者が向いている方向に基づくヘッドライトの点灯制御において、運転者が向いている方向の状況は運転者が視認すべき対象が隠され得る状況であるかを考慮した点灯制御ができる。
実施の形態1に係るヘッドライト制御装置の構成例を示す図である。 図2Aおよび図2Bは、実施の形態1において、向き判定部が正面方向範囲を算出する方法の一例について説明するための図である。 実施の形態1における、障害物有無判定部による、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定方法の一例を説明するための図である。 実施の形態1において、照射範囲決定部が決定した照射範囲の一例について説明するための図であって、車両の走行が走行している車線を車両の左側からみた図である。 実施の形態1において、照射範囲決定部が決定した照射範囲の一例について説明するための図であって、車両が走行している車線の俯瞰図である。 実施の形態1において、照射範囲決定部が決定した照射範囲の一例について説明するための図であって、車内において運転者からみた場合の車両の前方の状況を示す図である。 実施の形態1において、照射範囲決定部が決定した照射範囲のその他の一例について説明するための図であって、車両の走行が走行している車線を車両の左側からみた図である。 実施の形態1において、照射範囲決定部が決定した照射範囲のその他の一例について説明するための図であって、車両が走行している車線の俯瞰図である。 実施の形態1において、照射範囲決定部が決定した照射範囲のその他の一例について説明するための図であって、車内において運転者からみた場合の車両の前方の状況を示す図である。 実施の形態1に係るヘッドライト制御装置の動作について説明するためのフローチャートである。 図10のステップST5の処理の詳細について説明するためのフローチャートである。 図12Aおよび図12Bは、実施の形態1に係るヘッドライト制御装置および実施の形態2に係るヘッドライト制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 実施の形態2に係るヘッドライト制御装置の構成例を示す図である。 実施の形態2に係るヘッドライト制御装置の動作について説明するためのフローチャートである。 図14のステップST5aの処理の詳細について説明するためのフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るヘッドライト制御装置1の構成例を示す図である。
実施の形態1において、ヘッドライト制御装置1は、車両100に搭載されていることを想定する。
ヘッドライト制御装置1は、車両100の運転者の向きに基づいて、車両100に設けられているヘッドライト2の灯火制御を行う。実施の形態1において、「運転車の向き」は、運転者の顔向き、または、運転者の視線方向であらわされる。
実施の形態1では、ヘッドライト制御装置1が行う、運転者の向きに基づくヘッドライト2の灯火制御は、例えば、夜間の駐車場、または、夜間の市街地等、車両100が走行する道路の左右に駐車車両が多く、車両100が比較的低速で走行するような場所において、ヘッドライト2がオンにされた場合に行われることを想定している。
ヘッドライト制御装置1は、運転者が正面方向を向いている場合、運転者が左方向を向いている場合、または、運転者が右方向を向いている場合に応じて、ヘッドライト2の灯火制御を行う。以下の説明において、「正面方向」とは、運転者の正面から左右水平に所定の距離だけ広げた範囲をいう。正面方向とする範囲、運転者が左方向を向いているとする範囲、および、運転者が右方向を向いているとする範囲については、後述する。
ヘッドライト制御装置1は、運転者が左方向または右方向を向いている場合、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かに応じて、ヘッドライト2に対して光を照射させる範囲(以下「照射範囲」という。)を決定する。ヘッドライト制御装置1は、決定した照射範囲に光が照射されるよう、ヘッドライト2の点灯制御を行う。
実施の形態1において、障害物とは、運転者が向いている方向に存在した場合に、その存在によって、運転者から見て運転者が視認すべき対象が隠れ、運転者が当該視認すべき対象を視認することが困難となる程度の大きさを有する静止物体を想定している。具体例を挙げると、実施の形態1において、障害物とは、駐車車両、街路樹、または、看板等を想定している。なお、実施の形態1において、運転者が視認すべき対象は、運転者が車両100を運転中に急に車両100の走行経路上に入り込む可能性があり、運転者が不測の事態を招かないよう注意を払う必要がある物体(主に移動体)を想定している。具体的には、実施の形態1において、視認すべき対象とは、歩行者を想定している。
ヘッドライト制御装置1は、ヘッドライト2、撮像装置3、および、障害物検知センサ4と接続される。ヘッドライト2、撮像装置3、および、障害物検知センサ4は、車両100に設けられている。
ヘッドライト2は、車両100の前方を照らす照明器具である。ヘッドライト2は、ハイビームとロービームと補助光とを照射可能な一般的なヘッドライトであるため詳細な構成例についての説明は省略する。ヘッドライト2は、車両100において、車両100の進行方向に対して左側に搭載される左ライト21と、車両100において、車両100の進行方向に対して右側に搭載される右ライト22とを備える。左ライト21は、遠方を照らすハイビームユニット211と近方を照らすロービームユニット212と補助光ユニット213で構成される。右ライト22は、遠方を照らすハイビームユニット221と近方を照らすロービームユニット222と補助光ユニット223で構成される。
ハイビームユニット211,221、ロービームユニット212,222、および、補助光ユニット213,223は、それぞれ、アレイ状に配置された複数のLED光源等の光源(図示省略)で構成され、各光源は個々に点灯可能である。
実施の形態1において、アレイ状に配置されるとは、光源が、車両100の幅方向に一列に配置されることをいう。各光源が点灯することで、車両100の前方の領域にハイビーム、ロービーム、または、補助光が照射される。
実施の形態1において、車両100の前方においてハイビームユニット211,221がハイビームを照射可能とする領域を「ハイビーム照射可能領域」という。ハイビーム照射可能領域が、車両100のどれぐらい前方までの、どれぐらいの範囲の領域であるかは、ハイビームユニット211,221の仕様等に応じて、予め決められている。実施の形態1において、車両100の前方においてロービームユニット212,222がロービームを照射可能とする領域を「ロービーム照射可能領域」という。ロービーム照射可能領域が、車両100のどれぐらい前方までの、どれぐらいの範囲の領域であるかは、ロービームユニット212,222の仕様等に応じて、予め決められている。実施の形態1において、車両100の前方において補助光ユニット213,223が補助光を照射可能とする領域を「補助光照射可能領域」という。補助光照射可能領域が、車両100のどれぐらい前方までの、どれぐらいの範囲の領域であるかは、補助光ユニット213,223の仕様等に応じて、予め決められている。
実施の形態1に係るヘッドライト制御装置1は、各光源について点灯または消灯させることで、ハイビーム、ロービーム、または、補助光を照射または遮光させる制御を行う。
なお、ヘッドライト制御装置1は、各光源について点灯および消灯を行うだけでなく、点灯時の光量の制御を行うことも可能である。
撮像装置3は、車両100内をモニタリングすることを目的に車両100に設置されたカメラ等であり、少なくとも、運転者の顔を撮像可能に設置されている。撮像装置3は、撮像した撮像画像を、ヘッドライト制御装置1に出力する。撮像装置3は、例えば、ハンドル付近、または、ダッシュボードの中央部等、車幅方向の中央となる位置に設けられる。なお、実施の形態1において、「中央」とは、厳密に中央であることに限定されず、略中央を含む。
撮像装置3は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)撮像素子またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子等の半導体撮像素子を用いたカメラである。
撮像装置3は、例えば、車両100内の運転者の状態を監視するために車両100に搭載される、いわゆる「ドライバーモニタリングシステム(Driver Monitoring System,DMS)」が有する撮像装置と共用のものであってもよい。
障害物検知センサ4は、車両100の周囲に存在する物体を検知するセンサである。障害物検知センサ4は、車外における物体までの距離に関するデータ(以下「距離データ」という。)を取得する。障害物検知センサ4は、例えば、ミリ波レーダを想定している。
障害物検知センサ4は、車両100の周囲にミリ波等の電波を送信し、当該電波が物体で反射した反射波を受信する。障害物検知センサ4は、電波を送信したタイミングから反射波を受信するまでの時間に基づいて、当該反射波に関連付けられた物体の存在、物体までの距離、物体の形状等を検出することができる。障害物検知センサ4が取得する距離データには、物体の存在、物体までの距離、および、物体の形状等に関するデータが含まれる。なお、電波は、車両100の周囲の予め決められた範囲における複数の領域に対して照射され、距離データには、電波が照射される領域の数の分だけの、物体の存在、物体までの距離、および、物体の形状等に関するデータが含まれる。
障害物検知センサ4は、取得した距離データを、ヘッドライト制御装置1に出力する。
ヘッドライト制御装置1は、ヘッドライト判定部11、走行場所判定部12、制御開始判定部13、向き検出部14、向き判定部15、障害物有無判定部16、照射範囲決定部17、および、ヘッドライト制御部18を備える。
ヘッドライト判定部11は、車両100に設けられている各種センサから車両100に関する情報(以下「車両情報」という。)を取得する。各種センサとは、例えば、ヘッドライトスイッチ、車速センサ、操舵角センサ、または、シフトポジションセンサである。車両情報は、ヘッドライト2の状態を示す情報、および、車速情報を含む。ヘッドライト判定部11は、取得した車両情報に基づき、ヘッドライト2がオンの状態であるか、オフの状態であるかを判定する。
ヘッドライト判定部11は、ヘッドライト2がオンの状態であるか、オフの状態であるかの判定結果(以下「ヘッドライト状態判定結果」という。)を、制御開始判定部13に出力する。ヘッドライト判定部11は、ヘッドライト状態判定結果とあわせて車両情報を制御開始判定部13に出力する。
走行場所判定部12は、位置情報取得装置(図示省略)から車両100の現在位置に関連する情報(以下「自車位置関連情報」という。)を取得し、車両100が現在走行している場所を判定する。位置情報取得装置は、例えば、車両100に搭載されているナビゲーション装置、ロケータ、車両100の前方を撮像する車外カメラ、または、地図データベースである。自車位置関連情報は、車両100の現在位置情報、地図情報、または、車両100の前方を撮像した撮像画像(以下「前方画像」という。)等、車両100が走行している場所を特定可能な情報を含む。地図情報は、駐車場等の施設、交差点、踏切、道路種別(市街地道路であるか、高速道路であるか等)等がわかる情報を含む。
なお、例えば、ヘッドライト判定部11が車両情報を取得する取得元となる各種センサと位置情報取得装置とが共通の装置であってもよいし、例えば、車両情報と自車位置関連情報とが、ヘッドライト2の状態を示す情報、車速情報、車両100の現在位置情報、および、地図情報を含む共通の情報であってもよい。
走行場所判定部12は、車両100が現在走行している場所に関する情報(以下「走行場所情報」という。)を、制御開始判定部13に出力する。走行場所情報は、例えば、駐車場等、車両100が現在走行している場所の種別を特定可能な情報、または、車両100が現在走行している場所の住所を含む。車両100が現在走行している場所の種別は、市街地道路等、車両100が現在走行している道路の種別を示す情報を含む。
走行場所判定部12は、走行場所情報とあわせて自車位置関連情報を、制御開始判定部13に出力する。
制御開始判定部13は、ヘッドライト判定部11から出力されたヘッドライト状態判定結果と、走行場所判定部12から出力された走行場所情報とに基づき、運転者の向きに基づくヘッドライト2の点灯制御を開始するか否かを判定する。
具体的には、制御開始判定部13は、ヘッドライト状態判定結果および走行場所情報を、予め設定された条件(以下「制御開始判定用条件」という。)と比較することで、運転者の向きに基づくヘッドライト2の点灯制御を開始するか否かを判定する。制御開始判定用条件には、ヘッドライト2の点灯制御を開始するための条件が設定されている。制御開始判定用条件は、予め、管理者等によって作成され、制御開始判定部13が参照可能な場所に記憶されている。
実施の形態1において、制御開始判定用条件には、以下の条件が設定されているとする。
「以下の(1)および(2)を満たすこと。
(1)ヘッドライトがオンの状態であること。
(2)車両が走行している場所が、予め、運転者の向きに基づくヘッドライトの点灯制御を行う場所として定義された場所であること。」
なお、「運転者の向きに基づくヘッドライトの点灯制御を行う場所(以下「適用場所」という。)」は、管理者等によって予め定義されている。
適用場所には、例えば、「駐車場」、または、「市街地道路」等、車両100が走行する道路の左右に駐車車両が多いと想定される場所が定義されている。適用場所は、当該適用場所の種別で定義されてもよいし、具体的な住所で定義されてもよい。
また、上述した制御開始判定用条件は、一例に過ぎない。例えば、制御開始判定用条件には、上記(1)、(2)に加え、(3)車速が予め設定された閾値以下であること、を満たすこと、との条件が設定されていてもよい。
制御開始判定部13は、制御開始判定用条件を満たす場合、運転者の向きに基づくヘッドライト2の点灯制御を開始すると判定する。制御開始判定部13は、制御開始判定用条件を満たさない場合は、運転者の向きに基づくヘッドライト2の点灯制御を開始しないと判定する。
制御開始判定部13は、運転者の向きに基づくヘッドライト2の点灯制御を開始すると判定した場合、制御開始を指示する情報(以下「制御開始指示」という。)を、向き検出部14および照射範囲決定部17に出力する。制御開始判定部13は、照射範囲決定部17に、車両情報および自車位置関連情報も出力する。
向き検出部14は、制御開始判定部13から開始判定情報が出力されると、撮像装置3から取得した撮像画像に基づき、運転者の向きを検出する。
向き検出部14は、公知の画像認識技術を用いて、運転者の向き、言い換えれば、運転者の顔向きまたは視線方向を検出する。人の顔が撮像された撮像画像から人の顔向きを検出する画像認識技術、および、人の顔が撮像された撮像画像から人の視線方向を検出する画像認識技術は公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。実施の形態1において、向き検出部14は、例えば、運転者の向きを、運転者の頭部中心を基準として検出するものとする。なお、撮像装置3の設置位置と画角は予めわかっているので、向き検出部14は、運転者の頭部中心の位置を算出可能である。運転者の頭部中心の位置は、実空間上の一点であり、例えば、地図上にマッピング可能な座標値であらわされる。
また、実施の形態1において、運転者の向きは、運転者の頭部中心と当該頭部中心の正面の一点とを通る直線に対する水平角度であらわされるものとする。実施の形態1において、運転者は、運転者の頭部中心を基準として左右方向に向きを変え得るものとする。
詳細には、運転者の向きは、運転者が車両100の進行方向に対して正面を向いたときを基準(0度)とし、運転者が正面を向いた状態から車両100の進行方向に対して右に向くほど大きい値となる角度であらわされる。運転者が正面を向いた状態から車両100の進行方向に対して左に向くほど、運転者の向きは小さい値となる。なお、実施の形態1において、正面とは、厳密に真正面であることに限定されず、略真正面を含む。
向き検出部14は、検出した運転者の向きを、向き判定部15に出力する。
向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きに基づき、運転者は左方向または右方向を向いているかを判定する。
向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の右端を向いた場合の向きよりも右を向いている場合、運転者は右方向を向いていると判定し、運転者の向きが、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端を向いた場合の向きよりも左を向いている場合、運転者は左方向を向いていると判定する。
向き判定部15による、運転者が左方向または右方向を向いているかの判定について、詳細に説明する。
向き判定部15は、まず、運転者が正面方向を向いているとする運転者の向きの範囲(以下「正面方向範囲」という。)を算出する。実施の形態1において、正面方向範囲とは、運転者の向きが、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端を向いたときの向きから車線の右端を向いたときの向きまでの運転者の向きの範囲とする。
向き判定部15は、車両100から、運転者が視認しておくべきとする車両100前方の地点までの距離(以下「視認距離」という。)と、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の幅(以下「車線幅」という。)と、運転者の位置とに基づいて、正面方向範囲を算出する。なお、運転者の位置は、例えば、運転者の頭部中心の位置であらわされるものとする。向き判定部15は、向き検出部14から運転者の位置に関する情報を取得すればよい。
ここで、向き判定部15による、正面方向範囲の算出方法について、図面を用いて説明する。
図2Aおよび図2Bは、実施の形態1において、向き判定部15が正面方向範囲を算出する方法の一例について説明するための図である。
図2Aは、向き判定部15が視認距離を固定された値として正面方向範囲を算出する方法例について説明するための図であり、図2Bは、向き判定部15が視認距離を動的に変更して正面方向範囲を算出する方法例について説明するための図である。
なお、図2Aおよび図2Bを用いて説明する正面方向範囲の算出方法においては、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の車線幅は、予め設定された値とする。図2Aを用いて説明する例では、車線幅は「2.5m」とし、図2Bを用いて説明する例では、車線幅は「3m」としている。
また、図2Aおよび図2Bを用いた説明では、一例として、車両100は右ハンドル車とする。図2Aおよび図2Bにおいて、図上、上方向が、車両100の進行方向である。
なお、説明の簡単のため、図2Aおよび図2Bにおける縮尺は、実際の縮尺とは異なるものとしている。
まず、図2Aを用いて、向き判定部15が、視認距離を固定された値として正面方向範囲を算出する方法例について説明する。
ここでは、視認距離は、例えば、40mとする。なお、視認距離を固定された値とする場合、当該視認距離は、例えば、管理者等によって、車両100の前方においてヘッドライト2が光を照射可能な車両100からの距離を考慮して設定され、向き判定部15が参照可能な場所に記憶される。
向き判定部15は、運転者の位置と車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端の一点との水平距離、および、運転者の位置と車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の右端の一点との水平距離を算出する。向き判定部15は、例えば、制御開始判定部13および向き検出部14を介して取得した自車位置関連情報に含まれている前方画像に対して公知の画像認識処理を行い、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の両端を検出する。向き判定部15は、検出した前方画像における車線の両端の位置と運転者の位置に基づけば、運転者の位置と車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端の一点との水平距離、および、運転者の位置と車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の右端の一点との水平距離を算出できる。
図2Aに示す例では、向き判定部15は、運転者の位置と、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端の一点との水平距離を、1.75mと算出したとしている。また、向き判定部15は、運転者の位置と、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の右端の一点との水平距離を、1.75mと算出したとしている。
この場合、向き判定部15は、「-1.78度~+1.78度」の範囲を、正面方向範囲として算出する。
次に、図2Bを用いて、向き判定部15が、視認距離を動的に変更して正面方向範囲を算出する方法例について説明する。
例えば、視認距離は、車両100の車速と設定された走行時間とから車両100が走行時間経過後に到達する距離として算出されるものとし、向き判定部15は、車速と走行時間とに応じて、視認距離を動的に変更する。
一例を挙げると、例えば、車両100が20km/hで走行しているとする。なお、向き判定部15が制御開始判定部13および向き検出部14を介して取得した車両情報には、車速情報が含まれている。また、走行時間には、例えば、5秒が設定されているとする。この場合、向き判定部15は、車速20km/hと走行時間5秒とから、視認距離を27.8mと算出する。なお、例えば、向き判定部15が視認距離を小数点以下何位までの距離とするかは予め決められている。
正面方向範囲を算出するための走行時間は、向き判定部15によって適宜設定可能としてもよい。例えば、向き判定部15は、車両100の車速に応じて走行時間を変更できる。例えば、車両100が40km/hで走行している場合、向き判定部15は、車両100が20km/hで走行している場合の走行時間よりも走行時間を長くして、視認距離が長くなるようにしてもよい。
向き判定部15は、例えば、車両100の車速が0km/hの場合は、予め設定されている初期値を視認距離とする。
向き判定部15は、前方画像における車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の両端の位置と運転者の位置とに基づいて、運転者の位置と車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端の一点との水平距離、および、運転者の位置と車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の右端の一点との水平距離を算出する。
図2Bに示す例では、向き判定部15は、運転者の位置と車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端の一点との水平距離を、2.5m、運転者の位置と車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の右端の一点との水平距離を、0.5mと算出したとする。
この場合、向き判定部15は、「-5.13度~+1.08度」の範囲を、正面方向範囲として算出する。
なお、図2Aおよび図2Bを用いた説明では、車線幅は予め設定された値としたが、これは一例に過ぎない。例えば、向き判定部15が制御開始判定部13および向き検出部14を介して取得した自車位置関連情報には車線幅の情報が含まれており、向き判定部15は、当該車線幅の情報に基づき、正面方向範囲を算出してもよい。
また、例えば、向き判定部15は、自車位置関連情報に含まれている前方画像に対して公知の画像認識処理を行い、車線(ここでいう車線とはレーンを区切るいわゆる区画線)を検出して車線幅を算出し、算出した車線幅に基づき、正面方向範囲を算出してもよい。
また、例えば、向き判定部15は、障害物検知センサ4から距離データを取得し、取得した距離データに基づいて検出した車両100の左右に存在する物体までの距離をもとに車両100が走行している道路の幅を算出し、これを車線幅としてもよい。そして、向き判定部15は、距離データに基づいて算出した車線幅に基づき、正面方向範囲を算出してもよい。なお、図1では、障害物検知センサ4から向き判定部15への矢印は省略している。
また、例えば、向き判定部15は、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の中央の座標(以下「車線中央座標」という。)と、車両100の位置の座標(以下「車両位置座標」という。)を取得し、車線中央座標の値と車両位置座標の値の差分をとって、当該車線の左端の一点から車両100の位置までの水平距離と当該車線の右端の一点から車両100の位置までの水平距離を算出することで、正面方向範囲を算出してもよい。なお、向き検出部14は、例えば、位置情報取得装置から自車位置関連情報を取得し、車線中央座標と車両位置座標とを特定すればよい。なお、車線の中央と車両100の位置とは、実空間上の一点であり、例えば、地図上にマッピング可能な座標値であらわされる。また、車線幅は、例えば、予め設定されていてもよいし、向き判定部15が、自車位置関連情報から車線幅の情報を取得してもよい。
向き検出部14から取得した運転者の位置に関する情報に基づけば車両100の位置と運転者の位置との対応関係はわかるので、向き判定部15は、車線の左端の一点から車両100の位置までの水平距離と車線の右端の一点から車両100の位置までの水平距離とが算出できれば、車線の左端の一点から運転者の位置までの水平距離と車線の右端の一点から運転者の位置までの水平距離とが算出できる。
具体例を挙げると、例えば、車線幅が予め「3m」と設定されており、車両100の位置と運転者の位置との水平距離が「0.1m」である場合に、向き判定部15が、車線の左端の一点から車両100の位置までの水平距離を「2.4m」、車線の右端の一点から車両100の位置までの水平距離を「0.6m」と算出したとする。この場合、向き判定部15は、車線の左端の一点から運転者の位置までの水平距離は「2.5m」、車線の左端の一点から運転者の位置までの水平距離は「0.5m」というように算出できる。
向き判定部15は、算出した、車線の左端の一点から運転者の位置までの水平距離と車線の右端の一点から運転者の位置までの水平距離とに基づけば、図2Aおよび図2Bを用いて説明したような方法で、正面方向範囲を算出できる。
このように正面方向範囲を算出することで、向き判定部15は、例えば、車線(ここでいう車線とはレーンを区切るいわゆる区画線)がない、または、当該車線が薄い等により前方画像から当該車線を検出できない場合であっても、正面方向範囲を算出することができる。
向き判定部15は、正面方向範囲を算出すると、当該正面方向範囲と向き検出部14が検出した運転者の向きとを比較して、運転者が左方向または右方向を向いているかを判定する。
具体的には、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが、正面方向範囲の最大値より大きい場合、運転者は右方向を向いていると判定する。上述の図2Aを用いて説明した例でいうと、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが+1.78度より大きい場合、運転者は右方向を向いていると判定する。上述の図2Bを用いて説明した例でいうと、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが+1.08度より大きい場合、運転者は右方向を向いていると判定する。
向き検出部14が検出した運転者の向きが正面方向範囲の最大値より大きい場合とは、向き検出部14が検出した運転者の向きが、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の右端を向いた場合の向きよりも右を向いている場合といえる。
また、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが、正面方向範囲の最小値より小さい場合、運転者は左方向を向いていると判定する。上述の図2Aを用いて説明した例でいうと、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが-1.78度より小さい場合、運転者は左方向を向いていると判定する。上述の図2Bを用いて説明した例でいうと、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが-5.13度より小さい場合、運転者は左方向を向いていると判定する。
向き検出部14が検出した運転者の向きが正面方向範囲の最小値より小さい場合とは、向き検出部14が検出した運転者の向きが、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端を向いた場合の向きよりも左を向いている場合といえる。
向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが正面方向範囲内である場合、運転者は正面方向を向いていると判定する。上述の図2Aを用いて説明した例でいうと、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが-1.78度~+1.78度の範囲内である場合、運転者は正面方向を向いていると判定する。上述の図2Bを用いて説明した例でいうと、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが-5.13度~+1.08度の範囲内である場合、運転者は正面方向を向いていると判定する。
向き判定部15は、運転者が左方向を向いていると判定したか、右方向を向いていると判定したか、正面方向を向いていると判定したかの判定結果(以下「向き判定結果」という。)を、障害物有無判定部16および照射範囲決定部17に出力する。また、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きを、障害物有無判定部16および照射範囲決定部17に出力する。
図1を用いたヘッドライト制御装置1の構成例の説明に戻る。
障害物有無判定部16は、向き判定部15から向き判定結果を取得する。また障害物有無判定部16は、障害物検知センサ4から距離データを取得する。
障害物有無判定部16は、向き判定部15が、運転者は左方向または右方向を向いていると判定した場合、向き検出部14が検出した運転者の向きと、障害物検知センサ4から取得した距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かを判定する。
ここで、図3は、実施の形態1における、障害物有無判定部16による、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定方法の一例を説明するための図である。
図3を用いて、障害物有無判定部16による、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定方法の一例について、説明する。
なお、説明の簡単のため、図3における縮尺は、実際の縮尺とは異なるものとしている。
障害物有無判定部16は、運転者の向きと距離データとに基づき、例えば、運転者の向きに対し予め設定された範囲(以下「障害物推定用向き範囲」という。)内であり、かつ、車両100の位置から視認距離までの範囲内において、予め設定された条件(以下「障害物推定用条件」という。)を満たす物体が検出された場合、運転者が向いている方向に障害物があると推定されると判定する。
障害物推定用条件には、例えば、「一般的な車両の大きさに相当する」との条件が設定されている。なお、これは一例に過ぎず、例えば、具体的な大きさが設定されていてもよい。障害物推定用条件には、障害物とみなすことができる大きさの物体を判定可能な条件が設定されていればよい。
障害物推定用向き範囲、および、障害物推定用条件は、障害物有無判定部16が参照可能な場所に記憶されている。
図3では、一例として、視認距離を40m、運転者の向きを-4度、障害物推定用向き範囲を「運転者の向きを中心に-0.5度~+0.5度の範囲」としている。また、障害物推定用条件は、「一般的な車両の大きさに相当する」との条件が設定されているとする。なお、図3において、正面方向範囲は、-1.78度~+1.78度としている。
図3において、矢印は運転者の向き、「E」は障害物推定用向き範囲、黒丸は距離データで示される物体の位置を示している。
障害物有無判定部16は、障害物推定用向き範囲において検出された物体が一般的な車両の大きさに相当する場合、運転者が向いている方向に障害物があると推定されると判定する。
障害物有無判定部16は、障害物推定用向き範囲において検出された物体が一般的な車両の大きさに相当しない場合は、運転者が向いている方向に障害物があると推定されない、言い換えれば、運転者が向いている方向に障害物はないと推定される、と判定する。
なお、実施の形態1において、障害物有無判定部16は、向き検出部14が検出した運転者の向きと、障害物検知センサ4から取得した距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かを判定するものであり、実際に障害物があるか否か、または、どのような障害物が存在するのかまで判定するものではない。
障害物有無判定部16は、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果(以下「障害物有無判定結果」という。)を、照射範囲決定部17に出力する。
照射範囲決定部17は、向き検出部14が検出した運転者の向きと、向き判定部15が判定した、運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、障害物有無判定部16が判定した、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果とに基づき、車両100に設けられているヘッドライト2による光の照射範囲を決定する。
詳細には、照射範囲決定部17は、ハイビーム照射可能領域、ロービーム照射可能領域、および、補助光照射可能領域のうち、どこまでの範囲を光が照射される範囲とするかを、ヘッドライト2による光の照射範囲として決定する。
以下の説明において、ヘッドライト2による光の照射範囲のことを、単に「照射範囲」ともいう。
照射範囲決定部17による照射範囲の決定方法の一例について、説明する。
なお、実施の形態1において、照射範囲決定部17は、運転者の向きによらず、言い換えれば、運転者が正面方向、左方向、右方向のいずれを向いていても、正面方向については、カットオフラインを維持し、カットオフラインよりも下方が照射範囲となるようにする。照射範囲決定部17は、運転者が左方向を向いている場合、または、運転者が右方向を向いている場合、正面方向に加え、運転者が向いている方向(左方向または右方向)における照射範囲を決定する。
〈運転者が左方向を向いており、かつ、運転者が向いている方向に障害物があると推定される場合(以下、「ケースA-1」という。)〉
この場合、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向)における照射範囲について、例えば、上下方向はカットオフラインよりも上方を含み、左右方向は運転者の向きから所定の角度だけマイナスした角度となるまでの範囲を、照射範囲に決定する。
なお、実施の形態1において、「上下方向」とは、車両100の車高方向をいい、「左右方向」とは、車両100の幅方向をいう。
詳細には、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向)において、照射範囲における上下方向の範囲を、例えば、ヘッドライト2の設置位置を基準として、当該設置位置からみてカットオフラインよりも上方に〇〇度までの範囲、と決定する。
照射範囲決定部17は、ヘッドライト2の取り付け位置と、ロービーム照射可能領域と、予め決められた距離だけ車両100の前方にいると仮定した場合の歩行者の身長とに基づいて、ヘッドライト2が光を照射する、ヘッドライト2の設置位置を基準としたカットオフラインよりも上方の角度を決定する。なお、ヘッドライト2の取り付け位置、および、ロービーム照射可能領域は、予めわかっている。また、車両100の前方にいると仮定した場合の歩行者の身長は、予め設定され、照射範囲決定部17が参照可能な場所に記憶されている。
照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向)において、照射範囲における左右方向の範囲を、例えば、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端から、運転者の向きから所定の角度だけマイナスした角度となるまでの範囲と決定する。実施の形態1では、運転者の向きからマイナスする所定の角度は、例えば、0.5度とする。
図4、図5、および、図6は、実施の形態1において、照射範囲決定部17が決定した照射範囲の一例について説明するための図である。
図4、図5、および、図6は、一例として、照射範囲決定部17は、上述の「ケースA-1」の場合に、照射範囲を決定したものとしている。
なお、説明の簡単のため、図4、図5、図6における縮尺は、実際の縮尺とは異なるものとしている。
今、車両100は駐車場内を走行しており、運転者が向いている方向(左方向)には、駐車車両(図4、図5、および、図6では「C」で示されている)があるとする。
図4は、車両100が走行している車線を車両100の左側からみた図であり、図5は、車両100が走行している車線の俯瞰図であり、図6は、車内において運転者からみた場合の車両100の前方の状況を示す図である。なお、図6において、車両100の図示は省略している。
例えば、車両100におけるヘッドライト2の取り付け位置が地面から1.2m(図4、図5、および、図6のH参照)の高さにあり、ヘッドライト2のロービームユニット212,222は、ロービームで車両100の位置から40m先までを照らすことができるとする。図4、図5、および、図6において、Lは、ロービームの照射範囲を示している。また、歩行者がいると仮定する車両100の前方の予め決められた距離は10mとし、当該歩行者の身長は、1.8m(図4、図5、および、図6のH参照)とする。また、図4、図5、および、図6では図示は省略しているが、運転者の向きは、-4度であったとする。また、図4、図5、および、図6では図示を省略しているが、向き判定部15が算出した正面方向範囲は、-1.78度~+1.78度とする。
この場合、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向)において、いると仮定する歩行者の全身にヘッドライト2の光が照射されるよう、ロービームのカットオフラインから上方へ、ヘッドライト2の設置位置を基準として+5.2度となるまでの範囲を、照射範囲の上下方向の範囲とする。また、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向)において、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端から運転者の向きが-4.5度となるまでの範囲(-4.5度~-1.78度)を、照射範囲の左右方向の範囲とする。
なお、照射範囲決定部17は、正面方向については、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は正面方向範囲(-1.78度~+1.78度)とする範囲を、照射範囲に決定する。
その結果、図4、図5、および、図6において、LおよびLで示す範囲が照射範囲に決定される。
運転者が向いている方向に障害物があると推定される場合、運転者からみると、当該障害物によって歩行者等が隠され、運転者が歩行者等を視認し難くなる可能性がある。よって、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向において、カットオフラインよりも上方を含む範囲を照射範囲に決定する。
〈運転者が左方向を向いており、かつ、運転者が向いている方向に障害物がないと推定される場合(以下、「ケースA-2」という。)〉
この場合、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向)における照射範囲について、例えば、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は運転者の向きから所定の角度だけマイナスした角度となるまでの範囲を、照射範囲に決定する。
図7、図8、および、図9は、実施の形態1において、照射範囲決定部17が決定した照射範囲のその他の一例について説明するための図である。
図7、図8、および、図9は、一例として、照射範囲決定部17は、上述の「ケースA-2」の場合に、照射範囲を決定したものとしている。
なお、説明の簡単のため、図7、図8、図9における縮尺は、実際の縮尺とは異なるものとしている。
今、車両100は駐車場内を走行しているとする。
図7と図4とは、運転者が向いている方向に他車両が存在しない点が異なるのみである。図8と図5とは、運転者が向いている方向に他車両が存在しない点が異なるのみである。図9と図6とは、運転者が向いている方向に他車両が存在しない点が異なるのみである。
また、図7、図8、および、図9では図示を省略しているが、運転者の向きは、-4度であったとする。また、図7、図8、および、図9では図示を省略しているが、向き判定部15が算出した正面方向範囲は、-1.78度~+1.78度とする。
この場合、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向)において、ロービームのカットオフラインが維持される範囲を、照射範囲の上下方向の範囲とする。
また、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向)において、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端から運転者の向きが-4.5度となるまでの範囲(-4.5度~-1.78度)を、照射範囲の左右方向の範囲とする。
すなわち、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向)において、ロービームのカットオフラインよりも上方を含まず、当該カットオフラインよりも下方となる範囲を、照射範囲に決定する。
なお、照射範囲決定部17は、正面方向については、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は正面方向範囲(-1.78度~+1.78度)とする範囲を、照射範囲に決定する。
その結果、図7、図8、および、図9において、Lで示す範囲が、ヘッドライト2の光の照射範囲に決定される。
運転者が向いている方向に障害物がないと推定される場合、運転者からみて、当該障害物によって歩行者等が隠れてしまう可能性は低いと想定される。すなわち、歩行者等の足元のみに光が照射される程度の下方の範囲にのみ光が照射されても、運転者は、歩行者等を視認できると想定される。よって、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向において、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方を照射範囲に決定する。
〈運転者が右方向を向いており、かつ、運転者が向いている方向に障害物があると推定される場合(以下、「ケースB-1」という。)〉
この場合、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(右方向)における照射範囲について、例えば、上下方向はカットオフラインよりも上方を含み、左右方向は運転者の向きから所定の角度だけプラスした角度となるまでの範囲を、照射範囲に決定する。
詳細には、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(右方向)において、照射範囲における上下方向の範囲を、例えば、ヘッドライト2の設置位置を基準として、当該設置位置からみてカットオフラインよりも上方に〇〇度までの範囲、と決定する
また、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(右方向)において、照射範囲における左右方向の照射範囲を、例えば、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の右端から、運転者の向きから所定の角度だけプラスした角度となるまでの範囲と決定する。実施の形態1では、運転者の向きからプラスする所定の角度は、例えば、0.5度とする。
実施の形態1において、「ケースB-1」の場合の、照射範囲決定部17が決定した照射範囲の一例は、例えば、図4、図5、および、図6を用いて説明した「ケースA-1」の場合の、照射範囲決定部17が決定した照射範囲の一例とは、運転者の向きが右方向に変わるだけであるため、詳細な説明は省略する。
例えば、車両100におけるヘッドライト2の取り付け位置が地面から1.2mの高さにあり、ヘッドライト2のロービームユニット212,222は、ロービームで車両100の位置から40m先までを照らすことができるとする。また、歩行者がいると仮定する車両100の前方の予め決められた距離は10mとし、当該歩行者の身長は、1.8mとする。また、運転者の向きは、+4度であったとする。また、向き判定部15が算出した正面方向範囲は、-1.78度~+1.78度とする。
この場合、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(右方向)において、ロービームのカットオフラインから上方へ、ヘッドライト2の設置位置を基準として+5.2度となるまでの範囲を照射範囲の上下方向の範囲とし、運転者の向きが、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の右端から+4.5度となるまでの範囲(+1.78度~+4.5度)を、照射範囲の左右方向の範囲とする。
照射範囲決定部17は、正面方向については、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は正面方向範囲(-1.78度~+1.78度)とする範囲を、照射範囲に決定する。
〈運転者が右方向を向いており、かつ、運転者が向いている方向に障害物がないと推定される場合(以下、「ケースB-2」という。)〉
この場合、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(右方向)における照射範囲について、例えば、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は運転者の向きから所定の角度だけプラスした角度となるまでの範囲を、照射範囲に決定する。
実施の形態1において、「ケースB-2」の場合の、照射範囲決定部17が決定した照射範囲の一例は、例えば、図7、図8、および、図9を用いて説明した「ケースA-2」の場合の、照射範囲決定部17が決定した照射範囲の一例とは、運転者の向きが右方向に変わるだけであるため、詳細な説明は省略する。
例えば、車両100におけるヘッドライト2の取り付け位置が地面から1.2mの高さにあり、ヘッドライト2のロービームユニット212,222は、ロービームで車両100の位置から40m先までを照らすことができるとする。また、歩行者がいると仮定する車両100の前方の予め決められた距離は10mとし、当該歩行者の身長は、1.8mとする。また、運転者の向きは、+4度であったとする。また、向き判定部15が算出した正面方向範囲は、-1.78度~+1.78度とする。
この場合、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(右方向)において、ロービームのカットオフラインが維持される範囲を、照射範囲の上下方向の範囲とし、運転者の向きが、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の右端から+4.5度となるまでの範囲(+1.78度~+4.5度)を、照射範囲の左右方向の範囲とする。
照射範囲決定部17は、正面方向については、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は正面方向範囲(-1.78度~+1.78度)とする範囲を、照射範囲に決定する。
〈運転者が左方向も右方向も向いていない場合(運転者の向きが正面方向範囲である場合)(以下、「ケースC」という。)〉
この場合、照射範囲決定部17は、正面方向において、カットオフラインを維持し、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方がヘッドライト2の照射範囲となるようにする。
詳細には、例えば正面方向範囲が-1.78度~+1.78度とすると、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は正面方向範囲(-1.78度~+1.78度)とする範囲を、照射範囲に決定する。
照射範囲決定部17は、決定した、ヘッドライト2による光の照射範囲に関する情報(以下「照射範囲情報」という。)を、ヘッドライト制御部18に出力する。
照射範囲情報には、例えば、ヘッドライト2による光の照射範囲がヘッドライト2の設置位置を基準に上下方向および左右方向の角度の範囲であらわされた情報が含まれる。
照射範囲決定部17は、決定した照射範囲について、運転者の向きであらわされていた範囲については、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲に変換して、照射範囲情報を作成する。
なお、運転者の頭部位置とヘッドライト2の設置位置はわかっているため、照射範囲決定部17は、上記変換を行うことができる。
例えば、「ケースA-1」の場合、照射範囲決定部17は、カットオフラインよりも下方を上下方向の範囲とし、運転者の向き-1.78度~+1.78度の範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(正面方向における照射範囲)、および、ロービームのカットオフラインから上方へ、ヘッドライト2の設置位置を基準として+5.2度となるまでの範囲を上下方向の範囲とし、運転者の向き-4.5~-1.78度までの範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(運転者が向いている方向における照射範囲)の情報を含む照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。
なお、ヘッドライト2の設置位置とロービーム照射可能領域とがわかっているので、照射範囲決定部17は、カットオフラインよりも下方の範囲についても、ヘッドライト2の設置位置を基準とした角度に変換できる。
また、例えば、「ケースA-2」の場合、照射範囲決定部17は、カットオフラインよりも下方を上下方向の範囲とし、運転者の向き-1.78度~+1.78度の範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(正面方向における照射範囲)、および、ロービームのカットオフラインより下方の範囲を上下方向の範囲とし、運転者の向き-4.5~-1.78度までの範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(運転者が向いている方向における照射範囲)の情報を含む照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。
また、例えば、「ケースB-1」の場合、照射範囲決定部17は、カットオフラインよりも下方を上下方向の範囲とし、運転者の向き-1.78度~+1.78度の範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(正面方向における照射範囲)、および、ロービームのカットオフラインから上方へ、ヘッドライト2の設置位置を基準として+5.2度となるまでの範囲を上下方向の範囲とし、運転者の向き+1.78~+4.5度までの範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(運転者が向いている方向における照射範囲)の情報を含む照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。
また、例えば、「ケースB-2」の場合、照射範囲決定部17は、カットオフラインよりも下方を上下方向の範囲とし、運転者の向き-1.78度~+1.78度の範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(正面方向における照射範囲)、および、ロービームのカットオフラインより下方の範囲を上下方向の範囲とし、運転者の向き+1.78~+4.5度までの範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(運転者が向いている方向における照射範囲)の情報を含む照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。
例えば、「ケースC」の場合、照射範囲決定部17は、カットオフラインよりも下方を上下方向の範囲とし、運転者の向き-1.78度~+1.78度の範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(正面方向における照射範囲)の情報を含む照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。
ヘッドライト制御部18は、ヘッドライト2に対して、照射範囲決定部17が決定した照射範囲に光を照射させる。
例えば、照射範囲決定部17から、ヘッドライト制御部18へ、カットオフラインよりも下方を上下方向の範囲とし、運転者の向き-1.78度~+1.78度の範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(正面方向における照射範囲)、および、ロービームのカットオフラインから上方へ、ヘッドライト2の設置位置を基準として+5.2度となるまでの範囲を上下方向の範囲とし、運転者の向き-4.5~-1.78度までの範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(運転者が向いている方向における照射範囲)の情報を含む照射範囲情報が出力されたとする(上記「ケースA-1」の場合)。
この場合、ヘッドライト制御部18は、ロービームユニット212,222の光源に対し、個々に、左右方向に-4.5度~+1.78度の範囲、かつ、上下方向にはカットオフラインよりも下方の範囲(以下「第1範囲」という。)に、光、すなわち、ロービームを照射させる制御を行う。ヘッドライト制御部18は、例えば、ロービームユニット212,222の複数の光源に対し、個々に、ロービームを照射させる制御を行う。ヘッドライト制御部18は、例えば、ロービームユニット212,222の複数の光源に対し、個々に、光軸を変化させて、上記第1範囲にロービームを照射させる制御を行う。ヘッドライト制御部18は、例えば、ロービームユニット212,222の複数の光源のうち、点灯させる光源を調整することで、上記第1範囲にロービームを照射させる制御を行ってもよい。実施の形態1において、点灯させる光源を調整するとは、例えば、複数の光源のうち点灯させる光源を選択する、または、複数の光源に対して点灯時の光量の調整を行うことをいう。
加えて、ヘッドライト制御部18は、左右方向に-4.5度~-1.78度の範囲、かつ、上下方向にカットオフラインから上方へ、ヘッドライト2の設置位置を基準として+5.2度となるまでの範囲(以下「第2範囲」という。)にも、光を照射させる制御を行う。ヘッドライト制御部18は、例えば、ハイビームユニット211,221の複数の光源に対し、個々に、光軸を変化させて、上記第2範囲にハイビームを照射させる制御を行う。ヘッドライト制御部18は、例えば、ハイビームユニット211,221の複数の光源のうち、点灯させる光源を調整することで、上記第2範囲にハイビームを照射させる制御を行ってもよい。ヘッドライト制御部18は、例えば、補助光ユニット213,223の複数の光源に対し、個々に、光軸を変化させて上記第2範囲に補助光を照射させる制御を行ってもよいし、補助光ユニット213,223の複数の光源のうち点灯させる光源を調整することで、上記第2範囲に補助光を照射させる制御を行ってもよい。
これにより、図4、図5、および、図6を用いて説明したような照射範囲にヘッドライト2が照射した光が照射されるようになる。
ヘッドライト制御装置1は、運転者が左方向を向いており、運転者が向いている方向に障害物があると推定される場合、当該障害物によって運転者の視認性が損なわれることなく、運転者に対して、運転者が向いている方向に存在し得る歩行者等を視認しやすくできる。また、ヘッドライト制御装置1は、運転者の正面方向については、カットオフラインを維持することで、当該正面方向に歩行者等が存在していても、歩行者等にグレアを生じさせ難くできる。
また、例えば、照射範囲決定部17から、ヘッドライト制御部18へ、カットオフラインよりも下方を上下方向の範囲とし、運転者の向き-1.78度~+1.78度の範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(正面方向における照射範囲)、および、ロービームのカットオフラインより下方の範囲を上下方向の範囲とし、運転者の向き-4.5~-1.78度までの範囲に対応する、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲を左右方向の範囲とする照射範囲(運転者が向いている方向における照射範囲)の情報を含む照射範囲情報が出力されたとする(上記「ケースA-2」の場合)。
この場合、ヘッドライト制御部18は、ロービームユニット212,222の光源に対し、個々に、左右方向に-4.5度~+1.78度の範囲、かつ、上下方向にはカットオフラインよりも下方の範囲、すなわち、上記第1範囲に、光、すなわち、ロービームを照射させる制御を行う。
これにより、図7、図8、および、図9を用いて説明したような照射範囲にヘッドライト2が照射した光が照射されるようになる。
ヘッドライト制御装置1は、運転者が左方向を向いており、運転者が向いている方向に障害物はないと推定される場合は、運転者に対して、運転者が向いている方向に存在し得る歩行者等を視認しやすくできるとともに、当該運転者が向いている方向に存在し得る歩行者等にグレアを生じさせ難くできる。なお、運転者が向いている方向に障害物がない場合には、カットオフラインよりも下方の範囲のように、歩行者の足元のみに光が照射される程度の下方の範囲が光の照射範囲となっていても、運転者は、歩行者等を視認できる。
このように、ヘッドライト制御装置1は、ヘッドライト2に対して、運転者が向いている方向の状況は、運転者が視認すべき対象、言い換えれば、歩行者が隠され得る状況であるかを考慮した点灯制御ができる。その結果、ヘッドライト制御装置1は、運転者の視認性を向上させるとともに、運転者が向いている方向に存在し得る歩行者等に対してグレアを生じさせ難くできる。
なお、上述したようなヘッドライト制御部18によるヘッドライト2の制御方法は一例に過ぎない。ヘッドライト制御部18は、照射範囲情報にて特定される照射範囲に光が照射されるよう、ヘッドライト2を制御できていればよい。
また、ここでは、照射範囲決定部17が、運転者の向きであらわされていた範囲の、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲への変換を行った上で、ヘッドライト制御部18に照射範囲情報を出力するようにしたが、これは一例に過ぎない。例えば、当該変換を、ヘッドライト制御部18が行ってもよい。
実施の形態1に係るヘッドライト制御装置1の動作について説明する。
図10は、実施の形態1に係るヘッドライト制御装置1の動作について説明するためのフローチャートである。
ヘッドライト制御装置1は、例えば、車両100の電源がオンにされると、車両100の電源がオフにされるまで、図10のフローチャートを用いて説明する動作を繰り返す。
制御開始判定部13は、運転者の向きに基づくヘッドライト2の点灯制御を開始するか否かを判定する(ステップST1)。
具体的には、ヘッドライト判定部11が、車両100に設けられている各種センサ等から車両情報を取得し、ヘッドライト2がオンの状態であるか、オフの状態であるかを判定する。ヘッドライト判定部11は、ヘッドライト状態判定結果を、制御開始判定部13に出力する。ヘッドライト判定部11は、ヘッドライト状態判定結果とあわせて車両情報を制御開始判定部13に出力する。
また、走行場所判定部12は、位置情報取得装置から自車位置関連情報を取得し、車両100が現在走行している場所を判定する。走行場所判定部12は、走行場所情報を、制御開始判定部13に出力する。走行場所判定部12は、走行場所情報とあわせて自車位置関連情報を、制御開始判定部13に出力する。
そして、制御開始判定部13は、ヘッドライト判定部11から出力されたヘッドライト状態判定結果と、走行場所判定部12から出力された走行場所情報とに基づき、運転者の向きに基づくヘッドライト2の点灯制御を開始するか否かを判定する。制御開始判定部13は、ヘッドライト状態判定結果および走行場所情報を制御開始判定用条件と比較することで、運転者の向きに基づくヘッドライト2の点灯制御を開始するか否かを判定する。
制御開始判定部13は、運転者の向きに基づくヘッドライト2の点灯制御を開始すると判定するまで(ステップST1の“NO”の場合)、ステップST1の処理を繰り返す。
制御開始判定部13は、運転者の向きに基づくヘッドライト2の点灯制御を開始すると判定すると(ステップST1の“YES”の場合)、制御開始指示を、向き検出部14および照射範囲決定部17に出力する。制御開始判定部13は、照射範囲決定部17に、車両情報および自車位置関連情報も出力する。
向き検出部14は、ステップST1にて制御開始判定部13から開始判定情報が出力されると、撮像装置3から取得した撮像画像に基づき、運転者の向きを検出する(ステップST2)。
向き検出部14は、検出した運転者の向きを、向き判定部15に出力する。
向き判定部15は、ステップST2にて向き検出部14が検出した運転者の向きに基づき、運転者は左方向または右方向を向いているかを判定する(ステップST3)。
具体的には、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが、正面方向範囲の最大値より大きい場合、運転者は右方向を向いていると判定する。
また、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが、正面方向範囲の最小値より小さい場合、運転者は左方向を向いていると判定する。
なお、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きが、正面方向範囲内である場合、運転者は正面方向を向いていると判定する。
向き判定部15は、向き判定結果を、障害物有無判定部16および照射範囲決定部17に出力する。また、向き判定部15は、向き検出部14が検出した運転者の向きを、障害物有無判定部16および照射範囲決定部17に出力する。
障害物有無判定部16は、ステップST3にて向き判定部15が、運転者は左方向または右方向を向いていると判定した場合、向き検出部14が検出した運転者の向きと、障害物検知センサ4から取得した距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かを判定する(ステップST4)。
障害物有無判定部16は、障害物有無判定結果を、照射範囲決定部17に出力する。
照射範囲決定部17は、ステップST2にて向き検出部14が検出した運転者の向きと、ステップST3にて向き判定部15が判定した運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、ステップST4にて障害物有無判定部16が判定した運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果に基づき、車両100に設けられているヘッドライト2による光の照射範囲を決定する(ステップST5)。
照射範囲決定部17は、照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。
ヘッドライト制御部18は、ヘッドライト2に対して、ステップST5にて照射範囲決定部17が決定した照射範囲に光を照射させる(ステップST6)。
図11は、図10のステップST5の処理の詳細について説明するためのフローチャートである。
照射範囲決定部17は、図10のステップST3にて、向き判定部15によって、運転者が左方向または右方向を向いていると判定されたか否かを判定する(ステップST11)。
ステップST11において、向き判定部15によって運転者が左方向または右方向を向いていると判定された、と判定した場合(ステップST11の“YES”の場合)、照射範囲決定部17は、図10のステップST3にて、障害物有無判定部16によって、運転者が向いている方向に障害物があると推定されると判定されたか否かを判定する(ステップST12)。
ステップST12にて、障害物有無判定部16によって運転者が向いている方向に障害物があると推定されると判定された、と判定した場合(ステップST12の“YES”の場合)、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向または右方向)における照射範囲について、例えば、上下方向はカットオフラインよりも上方を含み、左右方向は運転者の向きから所定の角度だけマイナスした角度となるまでの範囲を、照射範囲に決定する(ステップST13)。
また、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向または右方向)において、照射範囲における左右方向の照射範囲を、例えば、車両100が走行している車線(ここでいう車線とはいわゆるレーン)の左端から、運転者の向きから所定の角度だけマイナスした角度となるまでの範囲と決定する。
なお、照射範囲決定部17は、正面方向については、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は正面方向範囲とする範囲を、照射範囲に決定する。
そして、照射範囲決定部17は、照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。
ステップST12にて、障害物有無判定部16によって運転者が向いている方向に障害物がないと推定されると判定された、と判定した場合(ステップST12の“NO”の場合)、照射範囲決定部17は、運転者が向いている方向(左方向または右方向)における照射範囲について、例えば、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は運転者の向きから所定の角度だけマイナスした角度となるまでの範囲を、照射範囲に決定する(ステップST14)。
なお、照射範囲決定部17は、正面方向については、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は正面方向範囲とする範囲を、照射範囲に決定する。
ステップST11において、向き判定部15によって運転者が左方向または右方向を向いていると判定されなかった、と判定した場合(ステップST11の“NO”の場合)、言い換えれば、向き判定部15によって運転者は正面方向を向いていると判定されたと判定した場合、照射範囲決定部17は、正面方向において、カットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方がヘッドライト2の照射範囲となるようにする(ステップST15)。
そして、照射範囲決定部17は、照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。
このように、ヘッドライト制御装置1は、検出した運転者の向きに基づき、運転者は左方向または右方向を向いているかを判定し、運転者は左方向または右方向を向いていると判定した場合、運転者の向きと距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かを判定する。そして、ヘッドライト制御装置1は、運転者の向きと、運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果とに基づき照射範囲を決定し、ヘッドライト2に対し、決定した照射範囲に光を照射させる。
ヘッドライト制御装置1は、運転者は左方向または右方向を向いていると判定し、かつ、運転者が向いている方向に障害物があると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向においてカットオフラインよりも上方を含む範囲をヘッドライトによる光の照射範囲に決定し、運転者は左方向または右方向を向いていると判定し、かつ、運転者が向いている方向に障害物がないと推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向においてカットオフラインよりも上方を含まずカットオフラインよりも下方となる範囲を照射範囲に決定する。
運転者が向いている方向に基づくヘッドライトの点灯制御において運転者の視認性を向上させるためには、運転者が向いている方向においては、例えば、運転者が視認すべき対象(歩行者)を見落とさないよう、車両からみて左右方向および上下方向の広範囲に光が照射されることが好ましい。
ただし、運転者が向いている方向に、運転者が視認すべき対象(歩行者)が隠されるような障害物がない場合には、例えば、歩行者の足元のみに光が照射される程度の下方の範囲のように、車両からみて下方にのみ光が照射されても、運転者は当該対象(歩行者)を視認できる。ここで、運転者が向いている方向に障害物がない場合に、車両からみて上方に光が照射されるようヘッドライトが点灯制御されると、運転者の視認性には影響がないにもかかわらず、運転者が視認すべき対象(歩行者)等に対して不必要なグレアを与えてしまい得る。
上述したような従来技術では、このことが考慮されておらず、運転者が向いている方向に基づくヘッドライトの点灯制御において、運転者が向いている方向における状況は運転者が視認すべき対象(歩行者)が隠され得る状況であるかを考慮した点灯制御が行えていなかった。その結果、上述したような従来技術では、運転者の視認性への影響はないにもかかわらず、運転者が視認すべき対象(歩行者)等に対して不必要なグレアを与えてしまう可能性があった。
これに対し、実施の形態1に係るヘッドライト制御装置1は、上述のとおり、運転者の向きと、運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果とに基づき照射範囲を決定し、ヘッドライト2に対し、決定した照射範囲に光を照射させる。
そのため、ヘッドライト制御装置1は、車両100における、運転者が向いている方向に基づくヘッドライト2の点灯制御において、運転者が向いている方向における状況は運転者が視認すべき対象(歩行者)が隠され得る状況であるかを考慮した点灯制御を行うことができる。すなわち、ヘッドライト制御装置1は、車両100における、運転者が向いている方向に基づくヘッドライト2の制御において、運転者の視認性を向上させるとともに、運転者が向いている方向に存在し得る運転者が視認すべき対象(歩行者)等に対してグレアを生じさせ難くできる。
図12Aおよび図12Bは、実施の形態1に係るヘッドライト制御装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
実施の形態1において、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17と、ヘッドライト制御部18の機能は、処理回路1001により実現される。すなわち、ヘッドライト制御装置1は、撮像装置3から取得した撮像画像に基づいて検出した運転者の向きと、当該撮像画像に基づいて判定した乗員の向きと、障害物検知センサ4から取得した距離データに基づいて判定した乗員が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果とに基づき、ヘッドライト2の点灯制御を行うための処理回路1001を備える。
処理回路1001は、図12Aに示すように専用のハードウェアであっても、図12Bに示すようにメモリ1005に格納されるプログラムを実行するプロセッサ1004であってもよい。
処理回路1001が専用のハードウェアである場合、処理回路1001は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路がプロセッサ1004の場合、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17と、ヘッドライト制御部18の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ1005に記憶される。プロセッサ1004は、メモリ1005に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17と、ヘッドライト制御部18の機能を実行する。すなわち、ヘッドライト制御装置1は、プロセッサ1004により実行されるときに、上述の図10のステップST1~ステップST6が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1005を備える。また、メモリ1005に記憶されたプログラムは、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17と、ヘッドライト制御部18の処理の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ1005とは、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
なお、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17と、ヘッドライト制御部18の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16については専用のハードウェアとしての処理回路1001でその機能を実現し、照射範囲決定部17と、ヘッドライト制御部18についてはプロセッサ1004がメモリ1005に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
また、ヘッドライト制御装置1は、ヘッドライト2、撮像装置3、または、障害物検知センサ4等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1002および出力インタフェース装置1003を備える。
以上の実施の形態1では、照射範囲決定部17は、運転者が左方向または右方向を向いている場合、照射範囲における左右方向の範囲について、正面方向範囲に加えて運転者の向きから所定の角度だけマイナスまたはプラスした角度となるまでの範囲とした。しかし、これは一例に過ぎない。照射範囲決定部17は、例えば、正面方向範囲を、運転者の向きから所定の角度だけマイナスまたはプラスした角度となるまで水平左右方向にスイブルさせ、スイブルさせた後の範囲を、照射範囲の左右方向の範囲としてもよい。例えば、上述の「ケースA-1」の場合、照射範囲決定部17は、運転者の向き-4.5度~-0.94度までの範囲を、照射範囲における左右方向の範囲に決定してもよい。
また、以上の実施の形態1では、ヘッドライト制御装置1はヘッドライト判定部11、走行場所判定部12、および、制御開始判定部13を備えていたが、これは一例に過ぎない。例えば、ヘッドライト制御装置1は、ヘッドライト判定部11、走行場所判定部12、および、制御開始判定部13を備えず、ヘッドライト判定部11、走行場所判定部12、および、制御開始判定部13の機能は、ヘッドライト制御装置1の外部においてヘッドライト制御装置1と接続されている装置に備えられてもよい。この場合、ヘッドライト制御装置1は、外部の装置から制御開始指示が出力されると、運転者が向いている方向に基づくヘッドライト2の点灯制御を行う。
なお、この場合、図10のフローチャートを用いて説明したヘッドライト制御装置1の動作は、ステップST1の処理を省略できる。
また、以上の実施の形態1では、運転者が視認すべき対象とは、歩行者を想定していたが、これは一例に過ぎない。以上の実施の形態1において、運転者が視認すべき対象は、歩行者の他、例えば、スケートボードで移動している人、ローラースケートを履いた人、ベビーカーに乗って移動している子供等であってもよい。
また、以上の実施の形態1では、ヘッドライト制御装置1は、車両100に搭載される車載装置とし、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17と、ヘッドライト制御部18とは、車載装置に備えられているものとした。これに限らず、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17と、ヘッドライト制御部18のうち、一部が車両100の車載装置に備えられるものとし、その他が当該車載装置とネットワークを介して接続されるサーバに備えられてもよい。また、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17と、ヘッドライト制御部18の全部がサーバに備えられてもよい。
以上のように、実施の形態1に係るヘッドライト制御装置1は、車両100の運転者が撮像された撮像画像に基づき、運転者の向きを検出する向き検出部14と、向き検出部14が検出した運転者の向きに基づき、運転者は左方向または右方向を向いているかを判定する向き判定部15と、向き判定部15が、運転者は左方向または右方向を向いていると判定した場合、向き検出部14が検出した運転者の向きと、物体を検出するセンサ(障害物検知センサ4)によって測定された、車外における物体までの距離に関する距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かを判定する障害物有無判定部16と、向き検出部14が検出した運転者の向きと、向き判定部15が判定した運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、障害物有無判定部16が判定した運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果とに基づき、車両100に設けられているヘッドライト2による光の照射範囲を決定する照射範囲決定部17と、ヘッドライト2に対して、照射範囲決定部17が決定した照射範囲に光を照射させるヘッドライト制御部18とを備えるように構成した。そのため、ヘッドライト制御装置1は、運転者が向いている方向に基づくヘッドライトの点灯制御において、運転者が向いている方向の状況は、運転者が視認すべき対象が隠され得る状況であるかを考慮した点灯制御ができる。つまり、ヘッドライト制御装置1は、車両100における、運転者が向いている方向に基づくヘッドライト2の制御において、運転者の視認性を向上させるとともに、運転者が向いている方向に存在し得る運転者が視認すべき対象等に対してグレアを生じさせ難くできる。
詳細には、実施の形態1に係るヘッドライト制御装置1は、ヘッドライト制御装置1において、照射範囲決定部17は、向き判定部15が運転者は左方向または右方向を向いていると判定し、かつ、障害物有無判定部16が、運転者が向いている方向に障害物があると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向においてカットオフラインよりも上方を含む範囲をヘッドライト2による光の照射範囲に決定し、向き判定部15が運転者は左方向または右方向を向いていると判定し、かつ、障害物有無判定部16が、運転者が向いている方向に障害物がないと推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向においてカットオフラインよりも上方を含まずカットオフラインよりも下方となる範囲をヘッドライト2による光の照射範囲に決定するように構成した。そのため、ヘッドライト制御装置1は、運転者が向いている方向に基づくヘッドライトの点灯制御において、運転者が向いている方向の状況は、運転者が視認すべき対象が隠され得る状況であるかを考慮した点灯制御ができる。つまり、ヘッドライト制御装置1は、車両100における、運転者が向いている方向に基づくヘッドライト2の制御において、運転者の視認性を向上させるとともに、運転者が向いている方向に存在し得る運転者が視認すべき対象等に対してグレアを生じさせ難くできる。
実施の形態2.
実施の形態1では、ヘッドライト制御装置は、運転者が左方向または右方向を向いており、かつ、運転者が向いている方向に障害物がないと推定されると判定した場合、運転者が向いている方向において、カットオフラインよりも下方を、照射範囲における上下方向の範囲としていた。これでも運転者は、運転者が向いている方向に存在し得る、運転者が視認すべき対象を視認できるが、実施の形態2では、運転者が向いている方向における運転者の視認性をより向上させる実施の形態について説明する。
図13は、実施の形態2に係るヘッドライト制御装置1aの構成例を示す図である。
実施の形態2において、ヘッドライト制御装置1aは、車両100aに搭載されていることを想定する
ヘッドライト制御装置1aは、車両100aの運転者の向きに基づいて、車両100aに設けられているヘッドライト2の灯火制御を行う。実施の形態2において、「運転車の向き」は、運転者の顔向き、または、運転者の視線方向であらわされる。
実施の形態2では、ヘッドライト制御装置1aが行う、運転者の向きに基づくヘッドライト2の灯火制御は、例えば、夜間の駐車場、または、夜間の市街地等、車両100aが走行する道路の左右に駐車車両が多く、車両100aが比較的低速で走行するような場所において、ヘッドライト2がオンにされた場合に行われることを想定している。
図13において、実施の形態1にて図1を用いて説明したヘッドライト制御装置1と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
実施の形態2に係るヘッドライト制御装置1aは、実施の形態1に係るヘッドライト制御装置1とは、対象有無判定部19を備えた点が異なる。
また、実施の形態2に係るヘッドライト制御装置1aにおける照射範囲決定部17aの具体的な動作が、実施の形態1に係るヘッドライト制御装置1における照射範囲決定部17の具体的な動作とは異なる。
対象有無判定部19は、障害物有無判定部16が、運転者が向いている方向に障害物がないと推定されると判定した場合に、向き検出部14が検出した運転者の向きと距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に、運転者が視認すべき対象が存在していると推定されるか否かを判定する。実施の形態2においても、実施の形態1同様、運転者が視認すべき対象は、運転者が車両100aを運転中に急に車両100aの走行経路上に入り込む可能性があり、運転者が不測の事態を招かないよう注意を払う必要がある物体(主に移動体)を想定している。具体的には、実施の形態2において、視認すべき対象とは、歩行者を想定している。
なお、実施の形態2では、障害物有無判定部16は、障害物有無判定結果を、照射範囲決定部17および対象有無判定部19に出力する。また、障害物有無判定部16は、向き判定部15から取得した運転者の向きと向き判定結果とを、対象有無判定部19に出力する。
対象有無判定部19は、障害物検知センサ4から距離データを取得する。
対象有無判定部19は、向き判定部15が運転者は左方向または右方向を向いていると判定した場合、向き検出部14が検出した運転者の向きと、障害物検知センサ4から取得した距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定されるか否かを判定する。
対象有無判定部19は、運転者の向きと距離データとに基づき、例えば、運転者の向きに対し予め設定された範囲である障害物推定用向き範囲内であり、かつ、車両100の位置から視認距離までの範囲内において、予め設定された条件(以下「歩行者推定用条件」という。)を満たす物体が検出された場合、運転者が向いている方向に歩行者が存在すると推定されると判定する。
対象有無判定部19は、歩行者推定用条件を満たす物体が検出されない場合、運転者が向いている方向に歩行者が存在すると推定されない、言い換えれば、運転者が向いている方向に歩行者は存在しないと推定されると判定する。
歩行者推定用条件には、例えば、「一般的な人の大きさに相当する」との条件が設定されている。なお、これは一例に過ぎず、例えば、「距離データには、物体を検出したデータが1つ含まれていること」が設定されていてもよい。
歩行者推定用条件は、対象有無判定部19が参照可能な場所に記憶されている。
なお、実施の形態2において、対象有無判定部19は、運転者の向きと距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定されるか否かを判定するものであり、実際に歩行者が存在することを判定するものではない。
対象有無判定部19は、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定されるか否かの判定結果(以下「歩行者有無判定結果」という。)を、照射範囲決定部17aに出力する。
照射範囲決定部17aは、向き検出部14が検出した運転者の向きと、向き判定部15が判定した運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、障害物有無判定部16が判定した運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果と、対象有無判定部19が判定した運転者が向いている方向に歩行者が存在すると推定されるか否かの判定結果とに基づき、車両100aに設けられているヘッドライト2による光の照射範囲を決定する。
詳細には、照射範囲決定部17aは、ハイビーム照射可能領域、ロービーム照射可能領域、および、補助光照射可能領域のうち、どこまでの範囲を光が照射される範囲とするかを、ヘッドライト2による光の照射範囲として決定する。
以下の説明において、ヘッドライト2による光の照射範囲のことを、単に「照射範囲」ともいう。
照射範囲決定部17aによる照射範囲の決定方法の一例について、説明する。
なお、実施の形態2において、照射範囲決定部17aは、運転者の向きによらず、言い換えれば、運転者が正面方向、左方向、右方向のいずれを向いていても、正面方向については、カットオフラインを維持し、カットオフラインよりも下方が照射範囲となるようにする。照射範囲決定部17aは、運転者が左方向を向いている場合、または、運転者が右方向を向いている場合、正面方向に加え、運転者が向いている方向(左方向または右方向)における照射範囲を決定する。
〈運転者が左方向または右方向を向いており、かつ、運転者が向いている方向に障害物があると推定される場合〉
照射範囲決定部17aによる、運転者が左方向または右方向を向いている場合であって、障害物有無判定部16によって運転者が向いている方向に障害物があると推定されると判定された場合の照射範囲の決定方法は、実施の形態1において説明済みの、照射範囲決定部17による、運転者が左方向または右方向を向いている場合であって、障害物有無判定部16によって運転者が向いている方向に障害物があると推定されると判定された場合の照射範囲の決定方法(実施の形態1における「ケースA-1」および「ケースB-1」参照)と同様であるため、重複した説明を省略する。
〈運転者が左方向または右方向を向いており、かつ、運転者が向いている方向に障害物がないと推定される場合〉
この場合、照射範囲決定部17aは、対象有無判定部19が、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定したか否かによって異なる範囲を照射範囲と決定する。
照射範囲決定部17aは、運転者が左方向または右方向を向いている場合であって、障害物有無判定部16が、運転者が向いている方向に障害物がないと推定されると判定し、かつ、対象有無判定部19が、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向(左方向または右方向)における照射範囲について、例えば、上下方向は歩行者の首よりも下とみなす範囲とし、左右方向は運転者の向きから所定の角度だけマイナスまたはプラスした角度となるまでの範囲を、照射範囲に決定する。なお、照射範囲決定部17aは、運転者が左方向を向いている場合は、運転者の向きから所定の角度だけマイナスした角度となるまでの範囲を照射範囲の左右方向の範囲とし、運転者が右方向を向いている場合は、運転者の向きから所定の角度だけプラスした角度となるまでの範囲を照射範囲の左右方向の範囲とする。
照射範囲決定部17aは、正面方向については、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は正面方向範囲とする範囲を、照射範囲に決定する。
照射範囲決定部17aによる、歩行者の首よりも下とみなす範囲の算出方法例について、説明する。
例えば、照射範囲決定部17aは、対象有無判定部19が、歩行者が存在していると推定されると判定した際の距離データに基づき、車両100の前方において、車両100の位置からどれぐらい離れた位置に歩行者が存在していると推定されるかを判定する。そして、照射範囲決定部17aは、判定した車両100と歩行者との距離と、予め設定されている歩行者の身長とに基づいて、歩行者の首よりも下とみなす範囲を算出する。なお、管理者等は、予め、1.8m等、想定する歩行者の身長を設定し、設定した歩行者の身長に関する情報を、照射範囲決定部17aが参照可能な場所に記憶させておく。照射範囲決定部17aは、予め設定されている歩行者の身長に対し、一般に、首の位置は地面からどれぐらいの高さになるかを判定し、判定した、地面から首の位置までの高さと、車両100と歩行者との距離とに基づき、歩行者の首よりも下とみなす範囲を算出する。
一方、照射範囲決定部17aは、運転者が左方向または右方向を向いている場合であって、障害物有無判定部16が、運転者が向いている方向に障害物がないと推定されると判定し、かつ、対象有無判定部19が、運転者が向いている方向に歩行者は存在していないと推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向(左方向または右方向)における照射範囲について、例えば、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は運転者の向きから所定の角度だけマイナスした角度となるまでの範囲を、照射範囲に決定する。照射範囲決定部17aは、正面方向については、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は正面方向範囲とする範囲を、照射範囲に決定する。
この照射範囲決定部17aによる照射範囲の決定方法は、実施の形態1における、運転者が左方向または右方向を向いている場合であって、障害物有無判定部16によって運転者が向いている方向に障害物がないと推定されると判定された場合の、照射範囲決定部17による照射範囲の決定方法(実施の形態1における「ケースA-2」および「ケースB-2」参照)と同様である。
〈運転者が左方向も右方向も向いていない場合(運転者の向きが正面方向範囲である場合)〉
照射範囲決定部17aによる、運転者が左方向も右方向も向いていない場合、言い換えれば、運転者が正面方向を向いている場合の照射範囲の決定方法は、実施の形態1において説明済みの、照射範囲決定部17による、運転者が正面方向を向いている場合の照射範囲の決定方法(実施の形態1の「ケースC」参照)と同様であるため、重複した説明を省略する。
照射範囲決定部17aは、照射範囲を決定すると、照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。照射範囲決定部17aは、決定した照射範囲について、運転者の向きであらわされていた範囲については、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲に変換して、照射範囲情報を作成する。
なお、ここでは、照射範囲決定部17aが、運転者の向きであらわされていた範囲の、ヘッドライト2の設置位置を基準とした範囲への変換を行った上で、ヘッドライト制御部18に照射範囲情報を出力するが、これは一例に過ぎない。例えば、当該変換を、ヘッドライト制御部18が行ってもよい。
実施の形態2に係るヘッドライト制御装置1aの動作について説明する。
図14は、実施の形態2に係るヘッドライト制御装置1aの動作について説明するためのフローチャートである。
ヘッドライト制御装置1aは、例えば、車両100aの電源がオンにされると、車両100aの電源がオフにされるまで、図14のフローチャートを用いて説明する動作を繰り返す。
図14のステップST1a~ステップST4a、ステップST6aの具体的な動作は、それぞれ、実施の形態1にて説明済みの、図10のステップST1~ステップST4、ステップST6の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
対象有無判定部19は、ステップST4aにて障害物有無判定部16が、運転者が向いている方向に障害物はないと推定されると判定した場合に、ステップST2aにて向き検出部14が検出した運転者の向きと障害物検知センサ4から取得した距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定されるか否かを判定する(ステップST41a)。
対象有無判定部19は、歩行者有無判定結果を、照射範囲決定部17aに出力する。
照射範囲決定部17aは、ステップST2aにて向き検出部14が検出した運転者の向きと、ステップST3aにて向き判定部15が判定した運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、ステップST4aにて障害物有無判定部16が判定した運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果と、ステップST41aにて対象有無判定部19が判定した運転者が向いている方向に歩行者が存在すると推定されるか否かの判定結果とに基づき、車両100aに設けられているヘッドライト2による光の照射範囲を決定する(ステップST5a)。
照射範囲決定部17aは、照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。
図15は、図14のステップST5aの処理の詳細について説明するためのフローチャートである。
図15のステップST111~ステップST113、ステップST116、ステップST117の具体的な動作は、それぞれ、実施の形態1にて説明済みの、図11のステップST11~ステップST15の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
ステップST112にて、障害物有無判定部16によって運転者が向いている方向に障害物はないと推定されると判定された、と判定した場合(ステップST122の“NO”の場合)、照射範囲決定部17aは、図14のステップST41aにて、対象有無判定部19によって、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定されると判定されたか否かを判定する(ステップST114)。
ステップST114にて、対象有無判定部19によって、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定されると判定された、と判定した場合(ステップST114の“YES”の場合)、照射範囲決定部17aは、運転者が向いている方向(左方向または右方向)における照射範囲について、例えば、上下方向は歩行者の首よりも下とみなす範囲とし、左右方向は運転者の向きから所定の角度だけマイナスまたはプラスした角度となるまでの範囲を、照射範囲に決定する(ステップST115)。なお、照射範囲決定部17aは、正面方向については、上下方向はカットオフラインを維持し、言い換えれば、カットオフラインよりも上方を含まず当該カットオフラインよりも下方とし、左右方向は正面方向範囲とする範囲を、照射範囲に決定する。
そして、照射範囲決定部17aは、照射範囲情報を、ヘッドライト制御部18に出力する。
このように、ヘッドライト制御装置1aは、運転者が左方向または右方向を向いており、運転者が向いている方向に障害物はないと推定されると判定し、かつ、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向において、歩行者の首よりも下とみなす範囲を照射範囲に決定する。詳細には、ヘッドライト制御装置1aは、運転者が向いている方向において、上下方向の範囲を歩行者の首の位置よりも下とみなす範囲とし、左右方向の範囲を運転者の向きから所定の角度だけプラスまたはマイナスした角度までの範囲とする範囲を、照射範囲に決定する。
運転者が左方向または右方向を向いている場合であって、運転者が向いている方向に障害物はないと推定される場合、仮に、運転者が向いている方向に歩行者がいたとしても、当該歩行者の足元のみに光が照射される程度の下方の範囲に光が照射されるようになっていれば、運転者は歩行者を認識できる。
とはいえ、運転者が向いている方向において、歩行者が存在すると推定されるのであれば、できるだけ上下方向に広範囲に光が照射されていたほうが、運転者は歩行者をより視認しやすくなる。
一方で、際限なく上下方向に光の照射範囲を広げると、歩行者にグレアを与えてしまう可能性がある。
実施の形態2に係るヘッドライト制御装置1aは、上述のとおり、運転者が左方向または右方向を向いており、運転者が向いている方向に障害物はないと推定されると判定し、かつ、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向において、歩行者の首よりも下とみなす範囲を照射範囲に決定する。
そのため、ヘッドライト制御装置1aは、運転者が向いている方向におけるヘッドライト2の点灯制御において、運転者に対して、運転者が向いている方向における視認性をより向上させることができるとともに、運転者が向いている方向に存在し得る歩行者に対しては、グレアを生じさせ難くできる。
なお、運転者が向いている方向に障害物はないと推定される場合、歩行者が障害物によって隠されている可能性が低いため、歩行者に対し、当該歩行者の首から下の範囲のみに光が照射されるようになっていても、運転者は、歩行者をじゅうぶんに視認できると想定される。
実施の形態2に係るヘッドライト制御装置1aのハードウェア構成は、実施の形態1において図12Aおよび図12Bを用いて説明したヘッドライト制御装置1のハードウェア構成と同様であるため、図示を省略する。
実施の形態2において、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17aと、ヘッドライト制御部18と、対象有無判定部19の機能は、処理回路1001により実現される。すなわち、ヘッドライト制御装置1aは、撮像装置3から取得した撮像画像に基づいて検出した運転者の向きと、当該撮像画像に基づいて判定した乗員の向きと、障害物検知センサ4から取得した距離データに基づいて判定した乗員が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果とに基づき、ヘッドライト2の点灯制御を行うための処理回路1001を備える。
処理回路1001は、メモリ1005に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17aと、ヘッドライト制御部18と、対象有無判定部19の機能を実行する。すなわち、ヘッドライト制御装置1aは、処理回路1001により実行されるときに、上述の図14のステップST1a~ステップST6aが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1005を備える。また、メモリ1005に記憶されたプログラムは、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17aと、ヘッドライト制御部18と、対象有無判定部19の処理の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
ヘッドライト制御装置1aは、ヘッドライト2、撮像装置3、または、障害物検知センサ4等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1002および出力インタフェース装置1003を備える。
以上の実施の形態2では、照射範囲決定部17aは、運転者が左方向または右方向を向いている場合、照射範囲における左右方向の範囲について、正面方向範囲に加えて運転者の向きから所定の角度だけマイナスまたはプラスした角度となるまでの範囲とした。しかし、これは一例に過ぎない。照射範囲決定部17aは、例えば、正面方向範囲を、運転者の向きから所定の角度だけマイナスまたはプラスした角度となるまで水平左右方向にスイブルさせ、スイブルさせた後の範囲を、照射範囲の左右方向の範囲としてもよい。
また、以上の実施の形態2では、ヘッドライト制御装置1aはヘッドライト判定部11、走行場所判定部12、および、制御開始判定部13を備えていたが、これは一例に過ぎない。例えば、ヘッドライト制御装置1aは、ヘッドライト判定部11、走行場所判定部12、および、制御開始判定部13を備えず、ヘッドライト判定部11、走行場所判定部12、および、制御開始判定部13の機能は、ヘッドライト制御装置1aの外部においてヘッドライト制御装置1と接続されている装置に備えられてもよい。この場合、ヘッドライト制御装置1aは、外部の装置から制御開始指示が出力されると、運転者が向いている方向に基づくヘッドライト2の点灯制御を行う。
なお、この場合、図14のフローチャートを用いて説明したヘッドライト制御装置1aの動作は、ステップST1aの処理を省略できる。
また、以上の実施の形態2では、運転者が視認すべき対象とは、歩行者を想定していたが、これは一例に過ぎない。以上の実施の形態1において、運転者が視認すべき対象は、歩行者の他、例えば、スケートボードで移動している人、ローラースケートを履いた人、ベビーカーに乗って移動している子供等であってもよい。
対象有無判定部19は、障害物有無判定部16が、運転者が向いている方向に障害物はないと推定されると判定した場合に、向き検出部14が検出した運転者の向きと距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に運転者が視認すべき対象が存在していると推定されるか否かを判定する。照射範囲決定部17aは、対象有無判定部19が、運転者が視認すべき対象が存在していると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向において、対象にグレアを与えないと推定される高さよりも下方の範囲を照射範囲に決定する。
対象有無判定部19が、運転者が視認すべき対象が存在していると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向において、当該対象にグレアを与えないと推定される高さよりも下方の範囲を照射範囲に決定すればよい。詳細には、照射範囲決定部17aは、運転者が向いている方向において、上下方向の範囲を運転者が視認すべき対象にグレアを与えないと推定される高さよりも下方の範囲とし、左右方向の範囲を運転者の向きから所定の角度だけプラスまたはマイナスした角度までの範囲とする範囲を、照射範囲に決定する。
なお、どれぐらいの高さがグレアを与えないと推定される高さであるかは、運転者が視認すべき対象に応じて、予め設定されている。
また、以上の実施の形態2では、ヘッドライト制御装置1aは、車両100aに搭載される車載装置とし、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17aと、ヘッドライト制御部18と、対象有無判定部19は、車載装置に備えられているものとした。これに限らず、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17aと、ヘッドライト制御部18と、対象有無判定部19のうち、一部が車両100aの車載装置に備えられるものとし、その他が当該車載装置とネットワークを介して接続されるサーバに備えられてもよい。また、ヘッドライト判定部11と、走行場所判定部12と、制御開始判定部13と、向き検出部14と、向き判定部15と、障害物有無判定部16と、照射範囲決定部17aと、ヘッドライト制御部18と、対象有無判定部19の全部がサーバに備えられてもよい。
以上のように、実施の形態2によれば、ヘッドライト制御装置1aは、車両100aの運転者が撮像された撮像画像に基づき、運転者の向きを検出する向き検出部14と、向き検出部14が検出した運転者の向きに基づき、運転者は左方向または右方向を向いているかを判定する向き判定部15と、向き判定部15が、運転者は左方向または右方向を向いていると判定した場合、向き検出部14が検出した運転者の向きと、物体を検出するセンサ(障害物検知センサ4)によって測定された、車外における物体までの距離に関する距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かを判定する障害物有無判定部16と、向き検出部14が検出した運転者の向きと、向き判定部15が判定した運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、障害物有無判定部16が判定した運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果に基づき、車両100aに設けられているヘッドライト2による光の照射範囲を決定する照射範囲決定部17aと、ヘッドライト2に対して、照射範囲決定部17aが決定した照射範囲に光を照射させるヘッドライト制御部18と、障害物有無判定部16が、運転者が向いている方向に障害物はないと推定されると判定した場合に、向き検出部14が検出した運転者の向きと距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に運転者が視認すべき対象が存在していると推定されるか否かを判定する対象有無判定部19を備え、照射範囲決定部17aは、対象有無判定部19が、運転者が視認すべき対象が存在していると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向において、運転者が視認すべき対象にグレアを与えないと推定される高さよりも下方の範囲を照射範囲に決定するように構成した。そのため、ヘッドライト制御装置1aは、運転者が向いている方向におけるヘッドライト2の点灯制御において、運転者に対して、運転者が向いている方向における視認性をより向上させることができるとともに、運転者が向いている方向に存在し得る運転者が視認すべき対象等に対しては、グレアを生じさせ難くできる。
また、実施の形態2によれば、ヘッドライト制御装置1aは、車両100aの運転者が撮像された撮像画像に基づき、運転者の向きを検出する向き検出部14と、向き検出部14が検出した運転者の向きに基づき、運転者は左方向または右方向を向いているかを判定する向き判定部15と、向き判定部15が、運転者は左方向または右方向を向いていると判定した場合、向き検出部14が検出した運転者の向きと、物体を検出するセンサ(障害物検知センサ4)によって測定された、車外における物体までの距離に関する距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かを判定する障害物有無判定部16と、向き検出部14が検出した運転者の向きと、向き判定部15が判定した運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、障害物有無判定部16が判定した運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かの判定結果に基づき、車両100aに設けられているヘッドライト2による光の照射範囲を決定する照射範囲決定部17aと、ヘッドライト2に対して、照射範囲決定部17aが決定した照射範囲に光を照射させるヘッドライト制御部18と、障害物有無判定部16が、運転者が向いている方向に障害物はないと推定されると判定した場合に、向き検出部14が検出した運転者の向きと距離データとに基づいて、運転者が向いている方向に歩行者が存在していると推定されるか否かを判定する対象有無判定部19を備え、照射範囲決定部17aは、対象有無判定部19が、歩行者が存在していると推定されると判定した場合は、運転者が向いている方向において、歩行者の首よりも下とみなす範囲を照射範囲に決定するように構成した。そのため、ヘッドライト制御装置1aは、運転者が向いている方向におけるヘッドライト2の点灯制御において、運転者に対して、運転者が向いている方向における視認性をより向上させることができるとともに、運転者が向いている方向に存在し得る運転者が視認すべき対象等に対しては、グレアを生じさせ難くできる。
なお、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
本開示に係るヘッドライト制御装置は、運転者が向いている方向に基づくヘッドライトの点灯制御において、運転者が向いている方向の状況を考慮した点灯制御ができる。
1,1a ヘッドライト制御装置、11 ヘッドライト判定部、12 走行場所判定部、13 制御開始判定部、14 向き検出部、15 向き判定部、16 障害物有無判定部、17,17a 照射範囲決定部、18 ヘッドライト制御部、19 対象有無判定部、2 ヘッドライト、21 左ライト、22 右ライト、211,221 ハイビームユニット、212,222 ロービームユニット、213,223 補助光ユニット、3 撮像装置、4 障害物検知センサ、1001 処理回路、1002 入力インタフェース装置、1003 出力インタフェース装置、1004 プロセッサ、1005 メモリ。

Claims (6)

  1. 車両の運転者が撮像された撮像画像に基づき、前記運転者の向きを検出する向き検出部と、
    前記向き検出部が検出した前記運転者の向きに基づき、前記運転者は左方向または右方向を向いているかを判定する向き判定部と、
    前記向き判定部が、前記運転者は左方向または右方向を向いていると判定した場合、前記向き検出部が検出した前記運転者の向きと、物体を検出するセンサによって測定された、車外における前記物体までの距離に関する距離データとに基づいて、前記運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かを判定する障害物有無判定部と、
    前記向き検出部が検出した前記運転者の向きと、前記向き判定部が判定した前記運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、前記障害物有無判定部が判定した前記運転者が向いている方向に前記障害物があると推定されるか否かの判定結果とに基づき、前記車両に設けられているヘッドライトによる光の照射範囲を決定する照射範囲決定部と、
    前記ヘッドライトに対して、前記照射範囲決定部が決定した前記照射範囲に前記光を照射させるヘッドライト制御部と
    前記障害物有無判定部が、前記運転者が向いている方向に前記障害物はないと推定されると判定した場合に、前記向き検出部が検出した前記運転者の向きと前記距離データとに基づいて、前記運転者が向いている方向に前記運転者が視認すべき対象が存在していると推定されるか否かを判定する対象有無判定部とを備え、
    前記照射範囲決定部は、
    前記向き判定部が前記運転者は左方向または右方向を向いていると判定し、かつ、前記障害物有無判定部が、前記運転者が向いている方向に前記障害物があると推定されると判定した場合は、前記運転者が向いている方向においてカットオフラインよりも上方を含む範囲を前記ヘッドライトによる前記光の前記照射範囲に決定し、前記向き判定部が前記運転者は左方向または右方向を向いていると判定し、かつ、前記障害物有無判定部が、前記運転者が向いている方向に前記障害物はないと推定されると判定した場合は、前記運転者が向いている方向において前記カットオフラインよりも上方を含まず前記カットオフラインよりも下方となる範囲を前記ヘッドライトによる前記光の前記照射範囲に決定し、前記対象有無判定部が、前記運転者が視認すべき対象が存在していると推定されると判定した場合は、前記運転者が向いている方向において、前記運転者が視認すべき対象にグレアを与えないと推定される高さよりも下方の範囲を前記照射範囲に決定する
    ことを特徴とするヘッドライト制御装置。
  2. 前記運転者が視認すべき対象は歩行者であり、
    前記対象有無判定部は、前記障害物有無判定部が、前記運転者が向いている方向に前記障害物はないと推定されると判定した場合に、前記向き検出部が検出した前記運転者の向きと前記距離データとに基づいて、前記運転者が向いている方向に前記歩行者が存在していると推定されるか否かを判定し、
    前記照射範囲決定部は、前記対象有無判定部が、前記歩行者が存在していると推定されると判定した場合は、前記運転者が向いている方向において、前記歩行者の首よりも下とみなす範囲を前記照射範囲に決定する
    ことを特徴とする請求項記載のヘッドライト制御装置。
  3. 前記向き判定部は、
    前記向き検出部が検出した前記運転者の向きが、前記車両が走行している車線の右端を向いた場合の向きよりも右を向いている場合、前記運転者は右方向を向いていると判定し、
    前記運転者の向きが、前記車両が走行している前記車線の左端を向いた場合の向きよりも左を向いている場合、前記運転者は左方向を向いていると判定する
    ことを特徴とする請求項記載のヘッドライト制御装置。
  4. 前記ヘッドライトはロービームユニット、ハイビームユニット、および、補助光ユニットで構成され、
    前記ヘッドライト制御部は、前記ロービームユニットを構成する複数の光源、前記ハイビームユニットを構成する複数の前記光源、または、前記補助光ユニットを構成する複数の前記光源の光軸の向きを調整することで、前記照射範囲に光を照射させる
    ことを特徴とする請求項1記載のヘッドライト制御装置。
  5. 前記ヘッドライトはロービームユニット、ハイビームユニット、および、補助光ユニットで構成され、
    前記ヘッドライト制御部は、前記ロービームユニットを構成しアレイ状に配置されて前記車両の前方に前記光を照射する複数の光源、前記ハイビームユニットを構成しアレイ状に配置されて前記車両の前方に前記光を照射する複数の前記光源、または、前記補助光ユニットを構成しアレイ状に配置されて前記車両の前方に前記光を照射する複数の前記光源のうち、前記光を照射させる前記光源を調整することで、前記照射範囲に光を照射させる
    ことを特徴とする請求項1記載のヘッドライト制御装置。
  6. 向き検出部が、車両の運転者が撮像された撮像画像に基づき、前記運転者の向きを検出するステップと、
    向き判定部が、前記向き検出部が検出した前記運転者の向きに基づき、前記運転者は左方向または右方向を向いているかを判定するステップと、
    障害物有無判定部が、前記向き判定部が、前記運転者は左方向または右方向を向いていると判定した場合、前記向き検出部が検出した前記運転者の向きと、物体を検出するセンサによって測定された、車外における前記物体までの距離に関する距離データとに基づいて、前記運転者が向いている方向に障害物があると推定されるか否かを判定するステップと、
    照射範囲決定部が、前記向き検出部が検出した前記運転者の向きと、前記向き判定部が判定した前記運転者は左方向または右方向を向いているかの判定結果と、前記障害物有無判定部が判定した前記運転者が向いている方向に前記障害物があると推定されるか否かの判定結果とに基づき、前記車両に設けられているヘッドライトによる光の照射範囲を決定するステップと、
    ヘッドライト制御部が、前記ヘッドライトに対して、前記照射範囲決定部が決定した前記照射範囲に前記光を照射させるステップと
    対象有無判定部が、前記障害物有無判定部が、前記運転者が向いている方向に前記障害物はないと推定されると判定した場合に、前記向き検出部が検出した前記運転者の向きと前記距離データとに基づいて、前記運転者が向いている方向に前記運転者が視認すべき対象が存在していると推定されるか否かを判定するステップとを備え、
    前記照射範囲決定部は、
    前記向き判定部が前記運転者は左方向または右方向を向いていると判定し、かつ、前記障害物有無判定部が、前記運転者が向いている方向に前記障害物があると推定されると判定した場合は、前記運転者が向いている方向においてカットオフラインよりも上方を含む範囲を前記ヘッドライトによる前記光の前記照射範囲に決定し、前記向き判定部が前記運転者は左方向または右方向を向いていると判定し、かつ、前記障害物有無判定部が、前記運転者が向いている方向に前記障害物はないと推定されると判定した場合は、前記運転者が向いている方向において前記カットオフラインよりも上方を含まず前記カットオフラインよりも下方となる範囲を前記ヘッドライトによる前記光の前記照射範囲に決定し、前記対象有無判定部が、前記運転者が視認すべき対象が存在していると推定されると判定した場合は、前記運転者が向いている方向において、前記運転者が視認すべき対象にグレアを与えないと推定される高さよりも下方の範囲を前記照射範囲に決定する
    ことを特徴とするヘッドライト制御方法。
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