JP7370281B2 - ろ布の目詰まり抑制方法および排煙脱硫システム - Google Patents

ろ布の目詰まり抑制方法および排煙脱硫システム Download PDF

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Description

本開示は、燃焼装置から排出される排ガスと吸収液とを接触させるように構成された排煙脱硫装置で副生される石膏スラリーから水分を分離するろ布の目詰まり抑制方法、および排煙脱硫装置を備える排煙脱硫システムに関する。
例えばボイラなどの燃焼装置から排出される排ガスには、硫黄酸化物(SOx)などの大気汚染物質が含まれるので、大気放出前に、排煙脱硫装置において排ガス中から硫黄酸化物が除去される。
排煙脱硫装置としては、石灰石膏法を用いた湿式の排煙脱硫装置が広く知られている(例えば、特許文献1)。湿式の排煙脱硫装置では、排ガスと石灰石スラリー(吸収液)とを接触させて、排ガス中の硫黄酸化物(例えば、亜硫酸ガス)を吸収液に吸収させることで、排ガス中から硫黄酸化物を除去している。吸収液に吸収された硫黄酸化物は、吸収液中のカルシウムと反応して亜硫酸カルシウムとなり、該亜硫酸カルシウムが吸収液中に供給される空気により酸化し、石膏となる。湿式の排煙脱硫装置では、石膏スラリー(石膏を含む吸収液)が副生される。
特許文献2には、湿式の排煙脱硫装置から抜き出した石膏スラリーを石膏分離機において固液分離して石膏を回収することが開示されている。より詳細には、特許文献2には、ドラム間に張設したベルト上にろ布が走行自在に支持され、ろ布の表面上に供給される石膏スラリーをベルトの下方から吸引してろ液と石膏とに分離するベルト式の石膏分離機、および石膏を排出後のろ布の両面(表面および裏面)に洗浄水を噴出可能な洗浄スプレーが開示されている。洗浄スプレーから噴出される洗浄水によりろ布を洗浄することで、ろ布の両面に付帯した微小石膏粒子などの付着物が洗い落とされる。
特開2003-340238号公報 特開平10-128054号公報
ろ布に対して上記洗浄スプレーによる洗浄を連続して行っていても、ろ布に目詰まりが生じることがある。ろ布に目詰まりが生じると、ろ布上の石膏スラリーが十分に脱水されず、該石膏スラリーを脱水して得られる石膏中に残存する水分量が多くなるため、石膏の品質低下を招く虞がある。また、従来はろ布に目詰まりが生じた際に、新しいろ布への交換が行われていたため、ろ布の交換作業に労力や費用がかかるという問題があった。
なお、特許文献1には、湿式の排煙脱硫装置における吸収液の酸化還元電位を測定し、吸収液の酸化還元電位の測定値に応じて酸素を含む気体の供給量を調整すること、および上記測定値が上記気体の供給量による調整範囲を超えて高くなった場合に、吸収液に酸化抑制剤を供給して吸収液の酸化還元電位を調整することが開示されている。この特許文献1は、湿式の排煙脱硫装置から排出される排水のCOD(化学的酸素要求量)の低減を課題とするものであり、石膏分離機のろ布に生じる上述した問題に関する記載はない。
上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、ろ布の目詰まりを抑制でき、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の品質低下を抑制できるろ布の目詰まり抑制方法、および排煙脱硫システムを提供することにある。
本開示にかかるろ布の目詰まり抑制方法は、
燃焼装置から排出される排ガスと吸収液とを接触させるように構成された排煙脱硫装置で副生される石膏スラリーから水分を分離するろ布の目詰まり抑制方法であって、
前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得する酸化還元電位取得ステップと、
前記酸化還元電位取得ステップで取得される前記酸化還元電位の値が、閾値を超えないように前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤を前記吸収液に添加する薬剤添加ステップと、を備える。
本開示にかかる排煙脱硫システムは、
燃焼装置から排出される排ガスを脱硫するように構成された排煙脱硫システムであって、
内部に導入される前記排ガスに吸収液を気液接触させるように構成された吸収塔であって、前記排ガスに接触させた前記吸収液が貯留される液だまり部を内部に含む吸収塔と、
前記液だまり部における化学反応により生成された副産物を含む前記吸収液をろ布により固液分離するように構成された固液分離装置と、
前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得するように構成された酸化還元電位取得装置と、
前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤を前記液だまり部に送るように構成された薬剤供給ラインと、
前記薬剤供給ラインを通り、前記液だまり部に送られる前記薬剤の量を調整可能に構成された薬剤供給量調整装置と、を備え、
前記薬剤供給量調整装置は、前記酸化還元電位取得装置が取得する前記酸化還元電位の値が閾値を超えないように、前記液だまり部に送られる前記薬剤の量を調整するように構成された。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、ろ布の目詰まりを抑制でき、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の品質低下を抑制できるろ布の目詰まり抑制方法、および排煙脱硫システムが提供される。
本開示の一実施形態にかかるろ布の目詰まり抑制方法のフロー図である。 本開示の一実施形態にかかる排煙脱硫システムの構成を概略的に示す概略構成図である。 本開示の一実施形態における固液分離装置の構成を概略的に示す概略構成図である。 目詰まりが生じたろ布の表面の定性分析結果を示す図である。 本開示の一実施形態における薬剤供給量調整装置の機能を示すブロック図である。 本開示の一実施形態における薬剤の供給量の制御の一例について説明するための説明図である。 本開示の一実施形態における薬剤の供給量の制御の一例について説明するための説明図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
図1は、本開示の一実施形態にかかるろ布の目詰まり抑制方法のフロー図である。図2は、本開示の一実施形態にかかる排煙脱硫システムの構成を概略的に示す概略構成図である。以下、本開示の幾つかの実施形態にかかるろ布の目詰まり抑制方法について、図2に示されるような、排煙脱硫システムに適用する場合を例に挙げて説明する。
(排煙脱硫システム)
排煙脱硫システム10は、図2に示されるように、例えばエンジンやボイラなどの燃焼装置11から排出される排ガスを脱硫するための湿式の排煙脱硫装置20と、排煙脱硫装置20から排出される石膏スラリーをろ布31により固液分離するように構成された固液分離装置30と、を備える。
排煙脱硫装置20は、燃焼装置11から排出される排ガスと吸収液とを接触させて、排ガス中の硫黄酸化物(例えば、亜硫酸ガス)を吸収液に吸収させることで、排ガス中から硫黄酸化物を除去するように構成されている。石灰石膏法を用いた排煙脱硫装置20では、例えば石灰石を溶解(分散)させた石灰石スラリーなどのアルカリ成分を含むスラリーを吸収液とし、石膏スラリー(石膏を含む吸収液)が副生される。なお、スラリーは、厳密には液体ではないが、本明細書では便宜的に液体として扱うものとする。
排煙脱硫装置20は、その内部に導入される排ガスを脱硫するように構成された吸収塔20Aを含む。吸収塔20Aは、燃焼装置11から排出された排ガスが導入される内部空間21を内部に画定するように構成された吸収塔本体22と、内部空間21に排ガスを導入するための排ガス導入口23と、内部空間21から排ガスを排出するための排ガス排出口24と、を含む。吸収塔20Aは、燃焼装置11から排ガス導入口23に排ガスを送るための排ガス導入ライン12と、排ガス排出口24から煙突13に排ガスを送るための排ガス排出ライン14と、を含む。
内部空間21は、排ガスと吸収液を気液接触させるための気液接触部21Aと、気液接触部21Aよりも下方に位置するとともに、気液接触部21Aにおいて排ガス中の硫黄酸化物(例えば、亜硫酸ガス)を吸収した吸収液が貯留される液だまり部21Bと、を含む。排ガス導入口23は、気液接触部21Aよりも下方、且つ液だまり部21Bよりも上方における内部空間21に連通している。排ガス排出口24は、気液接触部21Aよりも上方における内部空間21に連通している。
燃焼装置11から排出された排ガスは、排ガス導入ライン12および排ガス導入口23を介して内部空間21に導入される。内部空間21に導かれた排ガスは、内部空間21を上昇しながら流れて気液接触部21Aを通過する際に吸収液により洗浄され、排ガス中の硫黄酸化物などが除去される。気液接触部21Aにおいて排ガス中の硫黄酸化物などが除去された後の排ガスは、浄化済みの排ガスである浄化ガスとして、排ガス排出口24および排ガス排出ライン14を介して、排ガス排出口24よりも浄化ガス(排ガス)の流れ方向の下流側に設けられた煙突13から大気中に放出される。
図2に示されるように、浄化ガス(排ガス)から水分を除去するように構成されるミストエリミネータ25を、気液接触部21Aよりも浄化ガス(排ガス)の流れ方向の下流側に設けてもよい。
図示される実施形態では、吸収塔20Aは、気液接触部21Aに配置される噴霧装置26を含む。噴霧装置26は、気液接触部21Aを通過する排ガスに対して吸収液(石灰石スラリー)を噴霧するように構成されている。噴霧装置26から噴霧された吸収液は、排ガスに接触して排ガス中に含まれる硫黄酸化物(例えば、亜硫酸ガス)を吸収除去する。
噴霧装置26は、排ガスの流れ方向に交差する方向である水平方向に沿って延在する噴霧管261と、噴霧管261に設けられた複数の噴霧ノズル262と、を含む。噴霧ノズル262は、図2に示されるように、排ガスの流れ方向における下流側に向かって、すなわち、鉛直方向における上方に向かって、吸収液を噴霧する噴霧口263を有する。なお、他の幾つかの実施形態では、噴霧ノズル262は、鉛直方向における下方に向かって、吸収液を噴霧する噴霧口を有していてもよい。
液だまり部21Bには、内部空間21に導かれた排ガスに対して噴霧ノズル262の噴霧口263から噴霧され、排ガス中に含まれる硫黄酸化物を吸収除去した吸収液が落下して貯留される。液だまり部21Bに貯留される吸収液には、排ガスから吸収した硫黄酸化物により生じた亜硫酸塩や、亜硫酸塩が酸化することで生成される石膏(硫酸カルシウム)が含まれることがある。
吸収塔本体22には、液だまり部21Bに貯留される吸収液を外部に抜き出すための吸収液抜出口221、222、および液だまり部21Bに貯留される吸収液に酸化用気体(例えば、空気)を供給するノズルを、吸収塔本体22の外部から液だまり部21B内に挿入するノズル挿通口223が開口している。吸収液抜出口221、222およびノズル挿通口223の夫々は、液だまり部21Bに連通している。また、吸収塔本体22には、石灰石スラリーを導入するための石灰石スラリー供給口224が開口している。石灰石スラリー供給口224は、液だまり部21Bよりも上方における内部空間21に連通している。
吸収塔20Aは、液だまり部21Bに貯留される吸収液に酸化用気体(例えば、空気)を供給するように構成された気体供給装置27を含む。図示される実施形態では、気体供給装置27は、ノズル挿通口223に挿通された筒状のノズル271と、ノズル271に酸化用気体を圧送するポンプ272と、ノズル271に送られる酸化用気体を調整するように構成された調整バルブ273と、を含む。大気中の空気(酸化用気体)は、ポンプ272により筒状のノズル271の一端側からノズル271内に供給され、ノズル271の他端側に形成された吹き出し口274から液だまり部21Bに貯留される吸収液に散気される。これにより、液だまり部21Bに貯留される吸収液中の亜硫酸塩を酸化させ、石膏を生じさせることができる。
吸収塔20Aは、吸収塔20Aの液だまり部21Bに石灰石スラリーを供給するように構成された石灰石スラリー供給ライン15と、液だまり部21Bから抜き出された吸収液を噴霧装置26に送るように構成された吸収液循環ライン16と、液だまり部21Bから抜き出された吸収液を固液分離装置30に送るように構成された吸収液抜き出しライン17と、を含む。吸収塔20Aは、吸収液の循環系統である噴霧装置26、液だまり部21Bおよび吸収液循環ライン16に吸収液を循環させている。液だまり部21Bに貯留される吸収液は、吸収塔20Aに流入する排ガス中の硫黄酸化物を吸収し中和しつつ循環する吸収液のpHを所定値に調整する相当分の脱硫原料としての石灰石が調整供給されながら吸収液の循環系統で循環され、吸収塔20Aにおける排ガスの洗浄に繰り返し使用されるため、徐々に液だまり部21Bに石膏が蓄積される。
石膏スラリー(石膏を含む吸収液)を吸収液抜き出しライン17を介して、固液分離装置30に送ることで、吸収液の上述した循環系統から石膏スラリーを抜き出し、液だまり部21Bの石膏スラリー濃度を例えば20~30wt%と一定になるように抜き出し量を調整している。また、吸収液による排ガス中の硫黄酸化物の吸収除去(pHが高い方が効率が良好)と、吸収液中の亜硫酸塩の酸化(pHが低い方が効率が良好)とを両立させるべく、前記した吸収液のpHが5~6の範囲となるように、適宜、石灰石スラリー供給ライン15を介した吸収液中への石灰石スラリーの供給が行われる。
図示される実施形態では、石灰石スラリー供給ライン15は、吸収塔20Aの外部に配置されるとともに、石灰石スラリーを貯留するように構成された石灰石スラリータンク151と、石灰石スラリータンク151に一端側が接続され、他端側が石灰石スラリー供給口224に接続された石灰石スラリー供給配管152と、石灰石スラリー供給配管152に設けられるバルブ153と、を含む。バルブ153は、石灰石スラリー供給配管152を開閉するための可動機構を有し、石灰石スラリー供給配管152を通り、液だまり部21Bに供給される石灰石スラリーの量を調整可能に構成されている。バルブ153を開くことで、石灰石スラリーが石灰石スラリータンク151から液だまり部21Bに送られる。
図示される実施形態では、吸収液循環ライン16は、吸収液抜出口221に一端側が接続され、他端側が噴霧管261に接続される吸収液循環配管161と、吸収液循環配管161に設けられるとともに、吸収液循環配管161の一端側から他端側に吸収液を送るように構成された循環ポンプ162と、を含む。吸収液抜き出しライン17は、吸収液抜出口222に一端側が接続され、他端側が固液分離装置30に接続される吸収液抜き出し配管171と、吸収液抜き出し配管171に設けられるとともに、吸収液抜き出し配管171の一端側から他端側に吸収液を送るように構成された抜出ポンプ172と、を含む。
図3は、本開示の一実施形態における固液分離装置の構成を概略的に示す概略構成図である。固液分離装置30は、図3に示されるように、吸収液抜き出し配管171を介して、液だまり部21Bから送られる石膏スラリー(石膏を含む吸収液)を脱水し、石膏とろ液に分離するように構成されている。
固液分離装置30は、図3に示されるように、石膏スラリーをろ布31上に載せた状態で搬送する搬送ベルト32を有する搬送装置33と、石膏スラリーを搬送ベルト32のろ布31上に供給可能な石膏スラリー供給部341を有する石膏スラリー供給装置34と、ケーキ洗浄液を供給可能なケーキ洗浄液供給部351を有するケーキ洗浄装置35と、石膏ケーキ中に含まれる付着水の粘性を低下させる事で副生石膏の含水率を低下させるための蒸気を供給可能な蒸気供給部361を有する蒸気供給装置36と、を備える。
石膏スラリー供給部341、ケーキ洗浄液供給部351および蒸気供給部361の夫々は、搬送ベルト32に対して上方に配置されている。ケーキ洗浄液供給部351は、石膏スラリー供給部341よりも搬送ベルト32の搬送方向に沿う方向の下流側(図3中右側)に位置し、蒸気供給部361は、ケーキ洗浄液供給部351よりも搬送ベルト32の搬送方向に沿う方向の下流側に位置している。
図示される実施形態では、搬送装置33は、回転自在に支持される二つのドラム37(37A、37B)と、上記二つのうちの何れか一方のドラム37(例えば、37A)に接続され、該ドラム37(37A)を回転駆動させるように構成されたモータ38と、複数のガイドローラ39と、をさらに有する。搬送ベルト32は、無端帯状のゴム製の部材(弾性体)からなり、水平方向に沿って互いに離れて配置される二つのドラム37に走行自在に掛け回されている。搬送ベルト32は、二つのドラム37に張設されているため、モータ38により上記一方のドラム37(37A)が回転駆動されることにより、他方のドラム37(37B)が回転するとともに、搬送ベルト32が搬送ベルト32の搬送方向に沿って周回移動する。
ろ布31は、例えばポリエステルやポリプロピレンなどの樹脂を材料とし、通気性のあるシート状に形成されている。ろ布31は、繊維状に形成された樹脂を編み込むことにより形成される織布や、繊維状に形成された樹脂を絡み合わせることにより形成される不織布を含む。なお、ろ布31は、使用される固液分離装置に応じて形状を変更してもよく、例えば、筒状や帯状に成形されてもよい。
固液分離装置30のろ布31は、無端帯状に設けた(成形した)ものである。ろ布31は、複数のガイドローラ39に走行自在に掛け回されるとともに、その長さ方向の一部が搬送ベルト32の上面321上に重ねられている。ろ布の搬送ベルト32の上面321上に重ねられた部分(以下、被支持部311とする)は、搬送ベルト32により搬送ベルト32とともに上記搬送方向に沿って走行自在に支持されている。このため、ドラム37(37A)が回転駆動して搬送ベルト32が周回移動すると、ろ布31の被支持部311が、搬送ベルト32の被支持部311を下側から支持する支持部322と一緒に上記搬送方向に沿って走行する。
石膏スラリー供給装置34は、吸収液抜き出しライン17を介して吸収塔20Aから送られた石膏を含む吸収液(石膏スラリー)を、その石膏スラリー供給部341から搬送ベルト32のろ布31上に供給するように構成されている。図示される実施形態は、石膏スラリー供給装置34は、上記石膏スラリー供給部341(例えば、噴射ノズル)と、吸収液抜き出し配管171の他端側にその一端側が接続され、その他端側が石膏スラリー供給部341に接続される石膏スラリー供給配管342と、を有する。この場合には、石膏スラリーは、上述した循環ポンプ162により圧送されて、石膏スラリー供給配管342を通過して、石膏スラリー供給部341から流下することで、搬送ベルト32のろ布31上に供給される。「ろ布31上」とは、厳密には、ろ布31の被支持部311の上面(外面)312上を意味している。
石膏スラリーは、搬送ベルト32のろ布31上に載せられ、搬送ベルト32によりろ布31とともに搬送される際に脱水処理される。搬送装置33における石膏スラリーが脱水される領域を脱水部40とする。脱水部40では、ろ布31の被支持部311が搬送ベルト32の支持部322に支持されている。上述した石膏スラリー供給部341、ケーキ洗浄液供給部351および蒸気供給部361の夫々は、脱水部40の領域内に配置されている。
ろ布31には、石膏スラリーから水分を分離するための細孔の目開きが形成されている。搬送ベルト32には、水分を通過させるための複数の孔が形成されている。搬送ベルト32のろ布31上に載せられた石膏スラリーは、上記脱水部40において、ろ布31や搬送ベルト32に形成された複数の孔を水分(ろ液)が通過することで、脱水される。
図示される実施形態では、搬送装置33は、ろ布31上に載せられた石膏スラリーを下方から吸引してろ液を脱水するように構成された脱水装置41をさらに有する。脱水装置41は、搬送ベルト32の支持部322の下方に設けられて、内部の圧力が負圧(大気圧よりも低い圧力)に保持される脱水室411と、真空ポンプ412と、脱水室411に一端部が接続され、他端部が真空ポンプ412に接続される減圧配管413と、減圧配管413に設けられる真空タンク414と、を含む。真空ポンプ412を駆動することで、脱水室411が減圧されて負圧となり、ろ布31上に載せられた石膏スラリーは、下方から吸引され、強制的に脱水する。
真空ポンプ412により吸引されて脱水室411から真空タンク414に送られたろ液は、真空タンク414の下端部に一端側が接続されて他端側が下方に向かって延在する液体排出配管415内を通り、液体を貯留するように構成された貯留槽42に流下する。
ろ布31上に載せられて搬送される石膏スラリーは、搬送ベルト32に搬送されるにつれて脱水が進んでケーキとなる。図示される実施形態では、ケーキ洗浄装置35は、上記ケーキ洗浄液供給部351(例えば、噴射ノズル)と、ケーキ洗浄液供給部351に一端部が接続され、他端部が不図示の洗浄液タンクに接続されるケーキ洗浄液供給配管352と、ケーキ洗浄液供給配管352に設けられるポンプ353と、を有する。ポンプ353を駆動することで、洗浄液が洗浄液タンクからケーキ洗浄液供給部351に送られ、ケーキ洗浄液供給部351から下方に位置するろ布上の石膏スラリー(ケーキ)に向かって供給される。石膏スラリー(ケーキ)は、洗浄液により洗浄されることで、不純物が除去される。ケーキ洗浄液としては、例えば、工業用水などが挙げられる。
図示される実施形態では、蒸気供給装置36の蒸気供給部361(例えば、噴射ノズル)に、不図示のボイラに繋がる蒸気配管から乾燥用蒸気が供給され、蒸気供給部361から、下方に位置するろ布上の石膏スラリー(ケーキ)に向かって供給される。ろ布31上の石膏スラリーは、乾燥用蒸気により、石膏スラリー(ケーキ)に含まれる水分が加熱除去される。
図示される実施形態では、ろ布31上の石膏スラリーを脱水部40において脱水して得られる石膏は、搬送ベルト32の搬送方向における脱水部40(例えば、蒸気供給部361)よりも下流側において、ろ布31上から取り除かれる。搬送装置33における石膏がろ布31上から取り除かれる領域を石膏排出部43とする。
(ろ布の目詰まりの原因)
図4は、目詰まりが生じたろ布の表面の定性分析結果を示す図である。図4の定性分析結果は、分析対象部位に電子線照射を行い、これにより発生する分析対象の特性X線のエネルギーと発生回数を測定するEDX測定により得られたEDXスペクトルであり、対象物質(マンガン)のピークを示したものである。図4中横軸は、X線エネルギーを示しており、図4中縦軸は、X線カウント数を示している。X線カウント数が大きい程、含有元素の含有率が高いことを示している。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ろ布31の表面に付着するマンガン過酸化物を主成分とする膜がろ布31の目詰まりの原因となっていること、および上記膜の主成分であるマンガン過酸化物は、排ガスに接触させた吸収液が過酸化状態になった際に吸収液中に含まれるマンガン成分が析出したものであることを見出した。
排ガスに接触させた吸収液(例えば、液だまり部21Bの貯留された吸収液)が過酸化状態になると、吸収液の酸化還元電位の値が高くなるとともに、吸収液中に含まれるマンガン成分がマンガン過酸化物として析出する。
(ろ布の目詰まり抑制方法)
幾つかの実施形態にかかるろ布の目詰まり抑制方法1は、例えば図2に示されるような、燃焼装置11から排出される排ガスと吸収液とを接触させるように構成された排煙脱硫装置20で副生される石膏スラリーから水分を分離するろ布31の目詰まりを抑制するための方法である。ろ布の目詰まり抑制方法1は、図1に示されるように、排ガスに接触させた吸収液の酸化還元電位を取得する酸化還元電位取得ステップS1と、少なくとも酸化還元電位取得ステップS1で取得される酸化還元電位の値V1に基づいて、上記吸収液に吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤を添加する薬剤添加ステップS2と、を備える。酸化還元電位取得ステップS1での酸化還元電位の取得は、継続的に行われる。なお、酸化還元電位は、時々刻々と取得してもよいし、例えば、所定期間毎などのように断続的に取得してもよい。薬剤は、吸収液中の還元性物質濃度を増加させるものであればよく、例えば還元剤などが挙げられる。還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜ジオチン酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウムなどが挙げられる。このような硫黄のオキソ酸を含有する還元剤は、吸収塔における脱硫や酸化反応に悪影響を与えない。なお、還元剤は、例に挙げた亜硫酸ナトリウムやチオ硫酸ナトリウムのような硫黄分(硫黄元素)を含有するものに限定されない。或る実施形態では、薬剤は、吸収液中の還元性物質濃度を増加させるとともに、吸収液の発泡を抑制可能な消泡剤からなる。消泡剤としては、例えば、シリコン系、油脂系、脂肪酸系、鉱油系、アルコール系、アミド系、リン酸エステル系、金属せっけん系の消泡剤などが挙げられる。この場合には、ろ布の目詰まりを抑制できるだけでなく、吸収液の発泡も抑制可能である。
排煙脱硫システム10は、図2に示されるように、排ガスに接触させた吸収液の酸化還元電位を取得するように構成された酸化還元電位取得装置50と、液だまり部21Bに薬剤を送るように構成された薬剤供給ライン60と、薬剤供給ライン60を通り、液だまり部21Bに送られる薬剤の量を調整可能に構成された薬剤供給量調整装置70と、を備える。「薬剤の量の調整」には、薬剤の供給を停止することが含まれる。酸化還元電位取得ステップS1は、酸化還元電位取得装置50により行われ、薬剤添加ステップS2は、薬剤供給量調整装置70により行われる。
図示される実施形態では、酸化還元電位取得装置50は、上述した吸収液循環ライン16を流れる吸収液の酸化還元電位を測定可能な位置に配置された酸化還元電位計(ORP計)を含む。吸収塔本体22には、薬剤を導入するための薬剤供給口225が開口している。薬剤供給口225は、液だまり部21Bよりも上方における内部空間21に連通している。薬剤供給ライン60は、薬剤を貯留するように構成された薬剤貯留装置61(例えば、薬剤貯留タンク)と、薬剤貯留装置61に一端側が接続され、他端側が薬剤供給口225に接続された薬剤供給配管62と、を含む。薬剤貯留装置61は、吸収塔20Aの外部に配置されている。なお、他の幾つかの実施形態では、薬剤供給配管62の他端側は、吸収液循環配管161に接続されてもよい。また、酸化還元電位取得装置50(例えば、酸化還元電位計)は、吸収液循環ライン16を流れる吸収液の酸化還元電位を測定可能な位置の他に、液だまり部21Bに貯留されている吸収液の酸化還元電位を測定可能な位置や、吸収液抜き出しライン17を流れる吸収液の酸化還元電位を測定可能な位置に配置してもよい。
図示される実施形態では、薬剤供給量調整装置70は、図2に示されるように、薬剤貯留装置61から液だまり部21Bに送られる薬剤の量を調整するための調整機構を有する薬剤供給量調整部71と、薬剤供給量調整部71に対して調整機構の動作を指示するように構成された制御装置72と、を含む。図2に示される実施形態では、薬剤供給量調整部71は、薬剤供給配管62に設けられるバルブ71Aからなる。バルブ71Aは、薬剤供給配管62を開閉するための可動機構を有し、該可動機構によって、薬剤供給配管62を通り、液だまり部21Bに供給される薬剤の量を調整可能に構成されている。
図5は、本開示の一実施形態における薬剤供給量調整装置の機能を示すブロック図である。図示される実施形態では、制御装置72は、図5に示されるように、データベース部73と、薬剤供給量指示部74と、を含む。データベース部73は、酸化還元電位取得装置50により取得された吸収液の酸化還元電位の値を時系列情報とともに記憶可能に構成されている。薬剤供給量指示部74は、少なくとも吸収液の酸化還元電位の値に基づいて、液だまり部21Bに供給される薬剤の量を決定し、決定された量の薬剤が液だまり部に21Bに供給されるように、バルブ71Aに対してその開度を指示するように構成されている。バルブ71Aは、薬剤供給量指示部74から送られる信号により電気的に制御され、該信号に応じて、指示された開度になるように構成されている。
制御装置72は、液だまり部21Bへの薬剤の供給量を制御するための電子制御ユニットであり、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ、外部記憶装置などの記憶装置、I/Oインターフェース、通信インターフェースなどからなるマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。そして、例えば上記メモリの主記憶装置にロードされたプログラムの命令に従ってCPUが動作(例えばデータの演算など)することで、前述する各部を実現してもよい。
図6は、本開示の一実施形態における薬剤の供給量の制御について説明するための説明図である。
幾つかの実施形態では、図6に示されるように、上述したろ布の目詰まり抑制方法1の薬剤添加ステップS2において、酸化還元電位取得ステップS1で取得される吸収液の酸化還元電位の値V1が、閾値UT1を超えないように吸収液に薬剤を添加することが行われる(第1の薬剤添加ステップS2A)。
図示される実施形態では、図6に示されるように、吸収液の酸化還元電位の適正範囲R1を予め閾値UT1と、閾値UT1よりも低い値である下限閾値LT1と、により規定している。適正範囲R1(閾値UT1、下限閾値LT1)は、薬剤添加ステップS2よりも前に予め設定され、データベース部73に記憶されている。薬剤供給量指示部74は、酸化還元電位取得装置50が取得した酸化還元電位の値V1と、データベース部73に記憶された適正範囲R1(閾値UT1や下限閾値LT1)とを比較し(図1の比較ステップS21)、酸化還元電位の値V1が閾値UT1を上回ることや下限閾値LT1を下回ることがないように、バルブ71Aの開度を調整して、液だまり部21Bへの薬剤の供給量を調整する。
或る実施形態では、データベース部73は、酸化還元電位の値V1とバルブ71Aの開度とを関連付ける関連付け情報を予め記憶している。関連付け情報では、値V1が高い場合には、値V1が低い場合に比べて、バルブ71Aの開度が大きくなるように設定されている。例えば、関連付け情報では、値V1が高くなるにつれて、バルブ71Aの開度が連続的に又は段階的に大きくなるように設定されている。薬剤供給量指示部74は、データベース部73に記憶された関連付け情報を参照し、酸化還元電位取得装置50が取得した酸化還元電位の値V1に対応するバルブ71Aの開度を決定し、決定した開度をバルブ71Aに対して指示する。
図6に示される実施形態では、閾値UT1よりも低い値であり、且つ下限閾値LT1よりも高い値である中間閾値IT1が、薬剤添加ステップS2よりも前に予め設定され、データベース部73に記憶されている。薬剤供給量指示部74は、酸化還元電位の値V1が閾値UT1と中間閾値IT1との間に位置する場合に、値V1が中間閾値IT1と下限閾値LT1との間に位置する場合に比べて、バルブ71Aに対して指示するバルブ71Aの開度を大きくするように構成されている。この場合には、酸化還元電位の値V1が閾値UT1と中間閾値IT1との間に位置する場合に、中間閾値IT1と下限閾値LT1との間に位置する場合に比べて、液だまり部21Bへの薬剤の供給量を増加させることで、酸化還元電位の値V1が閾値UT1を上回ることを効果的に抑制できる。
上記の方法によれば、薬剤添加ステップS2Aにおいて、吸収液に薬剤を添加し、酸化還元電位取得ステップS1で取得される吸収液の酸化還元電位の値V1を閾値UT1以下に収めることで、吸収液が過酸化状態となりマンガン過酸化物を析出することを抑制できる。この場合には、膜の主成分であるマンガン過酸化物の析出を抑制することで、ろ布31の表面を覆う膜の生成を抑制できるため、ろ布31の目詰まりを抑制できる。ろ布31の目詰まりを抑制することで、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の含水率の増加を抑制できるため、石膏の品質低下を抑制できる。
幾つかの実施形態では、排煙脱硫システム10は、図2に示されるように、上述した気液接触部21Aと液だまり部21Bとを含む吸収塔20Aと、上述したろ布31を含む固液分離装置30と、上述した酸化還元電位取得装置50と、上述した薬剤供給ライン60と、上述した薬剤供給量調整装置70と、を備える。薬剤供給量調整装置70は、酸化還元電位取得装置50が取得する吸収液の酸化還元電位の値V1が閾値UT1を超えないように、液だまり部21Bに送られる薬剤の量を調整するように構成されたものである。
上記の構成によれば、薬剤供給量調整装置70は、吸収液の酸化還元電位の値V1が閾値UT1を超えないように、薬剤供給ライン60を通り、液だまり部21Bに送られる薬剤の量を調整する。これにより、液だまり部21Bに貯留する吸収液が過酸化状態となりマンガン過酸化物を析出することを抑制できる。ろ布31よりも吸収液の流れ方向における上流側に位置する液だまり部21Bにおいて、ろ布31を覆う膜の主成分であるマンガン過酸化物の析出を抑制することで、ろ布31の表面を覆う膜の生成を抑制できるため、ろ布31の目詰まりを抑制できる。ろ布31の目詰まりを抑制することで、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の含水率の増加を抑制できるため、石膏の品質低下を抑制できる。
(実施例)
某石炭焚き火力発電所では、排煙脱硫装置の液だまり部において吸収液が発泡し、吸収液の酸化還元電位が500mV以上に上昇した環境下において、排煙脱硫装置の下流側に配置された石膏脱水機(固液分離装置)のろ布が更新後短期間(1.5か月)で目詰まりが生じた。同じ排煙脱硫装置にて吸収液の酸化還元電位が過度に上昇しないように、酸化還元電位を低下させる薬剤を投入した結果、長期間に亘り石膏脱水機のろ布の目詰まりを防止できている。
図7は、本開示の一実施形態における薬剤の供給量の制御について説明するための説明図である。
幾つかの実施形態では、図7に示されるように、上述したろ布の目詰まり抑制方法1の薬剤添加ステップS2において、酸化還元電位取得ステップS1で取得される吸収液の酸化還元電位の値V1が、閾値UT1を超えた後に吸収液への薬剤の添加を開始、又は薬剤の添加量を増量し、酸化還元電位取得ステップS1で取得される酸化還元電位の値V1が、所定期間に亘り閾値UT1よりも低い設定範囲R2内となるように、吸収液への薬剤の添加量を調整することが行われる(第2の薬剤添加ステップS2B)。
図示される実施形態では、図7に示されるように、吸収液の酸化還元電位の設定範囲R2を予め上限閾値UT2と、上限閾値UT2よりも低い値である下限閾値LT2と、により規定している。下限閾値LT2は、下限閾値LT1と同じ値、又は下限閾値LT1よりも高い値に設定されている。設定範囲R2(上限閾値UT2、下限閾値LT2)は、薬剤添加ステップS2よりも前に予め設定され、データベース部73に記憶されている。薬剤供給量指示部74は、酸化還元電位取得装置50が取得した酸化還元電位の値V1と、データベース部73に記憶された閾値UT1とを比較し(図1の比較ステップS21)、酸化還元電位の値V1が閾値UT1を超えたと判定すると(点P1、S21にて「YES」)、バルブ71Aの開度を大きくする。判定前に吸収液への薬剤の供給が行われていない場合には、バルブ71Aの開度を大きくすることで、液だまり部21Bへの薬剤の供給が開始される。また、判定前に吸収液への薬剤の供給が行われている場合には、バルブ71Aの開度を大きくすることで、液だまり部21Bへの薬剤の供給量が増加する。
薬剤供給量指示部74は、図7に示されるように、酸化還元電位の値V1が閾値UT1を超えたと判定した後に、判定後に取得する酸化還元電位の値V1が所定期間に亘り上限閾値UT2を上回ることや下限閾値LT2を下回ることがないように、バルブ71Aの開度を調整して、液だまり部21Bへの薬剤の供給量を調整する。図7に示される実施形態では、酸化還元電位の値V1が上限閾値UT2を下回った際に、吸収液への薬剤の供給量を減少させている。
マンガン過酸化物の還元半反応式は、以下のようになる。
Mn(s)+8H+2e→3Mn2+(l)+4HO ・・・(M1)
Mn(s)+6H+2e→2Mn2+(l)+3HO ・・・(M2)
MnO(s)+4H+2e→Mn2+(l)+2HO ・・・(M3)
上記還元半反応式M1~M3に示されるように、固体のマンガン過酸化物は、電子eを得て還元されることで溶解し、液状となる。
吸収液の酸化還元電位の値V1が閾値UT1を超えるような過酸化状態になると、吸収液中に含まれるマンガン成分がマンガン過酸化物として析出する虞がある。マンガン過酸化物を含有する吸収液が下流側に位置するろ布31に送られると、ろ布31が目詰まりする虞がある。仮に酸化還元電位の値V1が閾値UT1を上回った際に吸収液中にマンガン過酸化物が析出したとしても、その後に吸収液の酸化還元電位の値V1を所定期間に亘り設定範囲R2内に維持して吸収液中の還元性物質濃度を高めることで、析出したマンガン過酸化物を溶解させることができる。
上記の方法によれば、薬剤添加ステップS2Bにおいて吸収液に薬剤を添加し、酸化還元電位取得ステップS1で取得される吸収液の酸化還元電位の値V1を、所定期間に亘り閾値UT1よりも低い設定範囲R2内に収めることで、吸収液から析出したマンガン過酸化物を溶解させることができる。上記の方法によれば、膜の主成分であるマンガン過酸化物を溶解することで、ろ布31の表面を覆う膜の生成を抑制できるため、ろ布の目詰まりを抑制できる。ろ布の目詰まりを抑制することで、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の含水率の増加を抑制できるため、石膏の品質低下を抑制できる。
幾つかの実施形態では、排煙脱硫システム10は、図2に示されるように、上述した気液接触部21Aと液だまり部21Bとを含む吸収塔20Aと、上述したろ布31を含む固液分離装置30と、上述した酸化還元電位取得装置50と、上述した薬剤供給ライン60と、上述した薬剤供給量調整装置70と、を備える。薬剤供給量調整装置70は、酸化還元電位取得装置50が取得した吸収液の酸化還元電位の値V1が閾値UT1を超えた場合に、酸化還元電位取得装置50が取得する吸収液の酸化還元電位の値V1が所定期間に亘り閾値UT1よりも低い設定範囲R2内となるように、液だまり部21Bに送られる薬剤の量を調整するように構成されたものである。
上記の構成によれば、薬剤供給量調整装置70は、吸収液の酸化還元電位の値V1が、所定期間に亘り閾値UT1よりも低い設定範囲R2内に収まるように、薬剤供給ライン60を通り、液だまり部21Bに送られる薬剤の量を調整する。これにより、液だまり部21Bに貯留する吸収液から析出したマンガン過酸化物を溶解できる。ろ布31よりも吸収液の流れ方向における上流側に位置する液だまり部21Bにおいて、ろ布31を覆う膜の主成分であるマンガン過酸化物を溶解することで、ろ布31の表面を覆う膜の生成を抑制できるため、ろ布31の目詰まりを抑制できる。ろ布31の目詰まりを抑制することで、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の含水率の増加を抑制できるため、石膏の品質低下を抑制できる。
幾つかの実施形態では、図6、図7に示されるような、上述した閾値UT1は、100mV以上600mV以下の範囲内にある。閾値UT1は、好ましくは150mV以上550mV以下の範囲内にあり、さらに好ましくは200mV以上500mV以下の範囲内にある。
仮に閾値UT1を600mVを超える値にすると、吸収液が過酸化状態となりマンガン過酸化物を析出する可能性が高まり、ろ布の目詰まりが生じる可能性が高まる。また、仮に閾値UT1を100mVに満たない値にすると、閾値UT1を100mV以上にした場合に比べて、吸収液の酸化性能が低下するため、吸収液中の亜硫酸塩の酸化が不十分となり、吸収液による排ガスの脱硫性能が低下する虞がある。上記の方法によれば、上述した第1の薬剤添加ステップS2Aにおいて、閾値UT1を100mV以上600mV以下の範囲内とすることで、マンガン過酸化物の析出を効果的に抑制できる。また、上述した第2の薬剤添加ステップS2Bにおいて、閾値UT1を100mV以上600mV以下の範囲内とすることで、吸収液が過酸化状態となった際に速やかに薬剤の添加を開始できるため、マンガン過酸化物の析出を抑制でき、且つ析出したマンガン過酸化物を効果的に溶解できる。
幾つかの実施形態では、図7に示されるような、上述した設定範囲R2は、50mV以上250mV以下の範囲内にある。設定範囲R2は、好ましくは75mV以上250mV以下の範囲内にあり、さらに好ましくは100mV以上200mV以下の範囲内にある。
上記の方法によれば、吸収液に薬剤を添加し、吸収液の酸化還元電位の値V1を所定期間に亘り50mV以上250mV以下の範囲内に収めることで(第2の薬剤添加ステップS2B)、吸収液の酸化性能の低下を抑制しつつ、過酸化状態において析出したマンガン過酸化物を効果的に溶解させることができる。仮に、吸収液の酸化還元電位の値V1が250mVを超える場合には、マンガン過酸化物が溶解されずに残り、このマンガン過酸化物がろ布31を覆う膜を形成してろ布31の目詰まりを生じさせる可能性が高まる。また、吸収液の酸化還元電位の値V1が50mVに満たない場合には、値V1が50mV以上の場合に比べて吸収液の酸化性能が低下するため、吸収液による排ガスの脱硫性能が低下する虞がある。
幾つかの実施形態では、上述したろ布の目詰まり抑制方法1の薬剤添加ステップS2は、上述した第1の薬剤添加ステップS2A、および上述した第2の薬剤添加ステップS2Bの両方を含んでもよい。また、上述した排煙脱硫システム10の薬剤供給量調整装置70は、上述した第1の薬剤添加ステップS2A、および上述した第2の薬剤添加ステップS2Bの両方を実行可能に構成されていてもよい。
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、上述したろ布の目詰まり抑制方法1は、酸化還元電位取得ステップS1で取得される酸化還元電位の値V1が閾値UT1を超えた後に、マンガン過酸化物を還元させる還元性を有する還元剤をろ布31に接触させるろ布洗浄ステップS3をさらに備える。還元剤RAは、マンガン過酸化物に電子eを与えて還元させる還元性を有するものであればよい。ろ布洗浄ステップS3では、マンガン過酸化物と還元剤RAとが接触することで、これらの間で酸化還元反応が起こる。具体的には、マンガン過酸化物は、還元剤RAが酸化反応により失う電子eを得ることで、還元(溶解)するため、膜がろ布31から除去される。
図示される実施形態では、図3に示されるように、排煙脱硫システム10は、搬送ベルト32の搬送方向における石膏排出部43よりも下流側において、ろ布31に対して、マンガン過酸化物を還元させる還元性を有する還元剤RAを供給可能な還元剤供給部81を有する還元剤による洗浄装置80と、上記搬送方向における還元剤供給部81よりも下流側において、ろ布31に対してろ布洗浄水を供給可能なろ布洗浄水供給部91を有するろ布洗浄水による洗浄装置90と、をさらに備える。
図3に示される実施形態では、還元剤による洗浄装置80は、二つのドラム37よりも下方に配置された還元剤供給部81(例えば、噴射ノズル)と、還元剤RAを貯留するように構成された還元剤貯留槽82と、還元剤供給部81に一端側が接続され、他端側が還元剤貯留槽82に接続される還元剤供給配管83と、還元剤供給配管83に設けられる還元剤供給ポンプ84と、を有する。還元剤供給ポンプ84を駆動することで、還元剤RAが還元剤貯留槽82から還元剤供給部81に送られ、還元剤供給部81からろ布31に向かって供給される(ろ布洗浄ステップS3)。還元剤供給部81からの還元剤RAの供給は、搬送ベルト32が一周又は複数周(例えば、二周や三周)するまでの間、連続して行われる。ろ布31は、還元剤RAにより洗浄されることで、ろ布31に付着した不純物(例えば、マンガン過酸化物)が除去される。還元剤RAは、ろ布31の外面又は内面の少なくとも一方に向かって供給される。なお、他の幾つかの実施形態では、還元剤による洗浄装置80は、石膏スラリー(吸収液)を供給する石膏スラリー供給部341やケーキ洗浄液供給部351からろ布31に還元剤RAを供給するように構成されていてもよい。
図3に示される実施形態では、ろ布洗浄水による洗浄装置90は、二つのドラム37よりも下方に配置されたろ布洗浄水供給部91(例えば、噴射ノズル)と、ろ布洗浄水供給部91に一端部が接続され、他端部が不図示のろ布洗浄水タンクに接続されるろ布洗浄水供給配管92と、ろ布洗浄水供給配管92に設けられるろ布洗浄水供給ポンプ93と、を有する。ろ布洗浄水供給ポンプ93を駆動することで、ろ布洗浄水がろ布洗浄水タンクからろ布洗浄水供給部91に送られ、ろ布洗浄水供給部91からろ布31に向かって供給される。ろ布31は、ろ布洗浄水により洗浄されることで、ろ布31に付着した還元剤RAや不純物が除去される。上記ろ布洗浄水としては、例えば、工業用水などが挙げられる。ろ布洗浄水は、ろ布31の外面又は内面の少なくとも一方に向かって供給される。また、搬送ベルト32の移動中は、ろ布洗浄水供給部91からのろ布洗浄水の供給が連続的に行われる。
排煙脱硫システム10は、図3に示されるように、還元剤供給部81およびろ布洗浄水供給部91の下側に設けられるろ布洗浄液受け部94(例えば、トレイ)と、ろ布洗浄液受け部94に一端側が接続されて他端側が下方に向かって延在するろ布洗浄液排出配管95と、をさらに備える。還元剤供給部81から供給された還元剤RAや、ろ布洗浄水供給部91から供給されたろ布洗浄水は、ろ布洗浄液受け部94上に落下する。ろ布洗浄液受け部94上に落下したろ布洗浄液(還元剤RAや洗浄水)は、ろ布洗浄液排出配管95内を通り、上述した貯留槽42に流下する。
上述したように、吸収液の酸化還元電位の値V1が閾値UT1を超えるような過酸化状態になると、吸収液中に含まれるマンガン成分がマンガン過酸化物として析出する虞がある。マンガン過酸化物を含有する吸収液がろ布31に送られると、ろ布31が目詰まりする虞がある。上記の方法によれば、酸化還元電位取得ステップS1で取得される酸化還元電位の値V1が閾値UT1を超えた後に、還元剤RAをろ布31に接触させることが行われる(ろ布洗浄ステップS3)。これにより、仮にマンガン過酸化物を含有する吸収液がろ布31上に送られて、ろ布31の表面を覆う膜が形成されたとしても、還元剤RAによりマンガン過酸化物を溶解することで、上記膜を除去できるため、ろ布31の目詰まりを解消できる。また、上記還元剤RAをろ布31に接触させることで、ろ布31の表面に膜が付着することを抑制できるため、ろ布31の目詰まりを予防できる。ろ布31の目詰まりの解消や予防を行うことで、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の含水率の増加を抑制できるため、石膏の品質低下を抑制できる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、本開示にかかるろ布の目詰まり抑制方法1は、ベルトフィルタ式の固液分離装置30に用いられるろ布31だけでなく、ベルトフィルタ式の固液分離装置30以外の固液分離装置に用いられるろ布(例えば、遠心分離式の固液分離装置、フィルタープレス式の固液分離装置、ベルトプレス式の固液分離装置などに用いられるろ布)にも適用可能である。また、排煙脱硫システム10は、ベルトフィルタ式の固液分離装置30以外の固液分離装置を備えていてもよい。
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
1)本開示の少なくとも一実施形態にかかるろ布の目詰まり抑制方法(1)は、
燃焼装置(11)から排出される排ガスと吸収液とを接触させるように構成された排煙脱硫装置(20)で副生される石膏スラリーから水分を分離するろ布(31)の目詰まり抑制方法(1)であって、
前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得する酸化還元電位取得ステップ(S1)と、
前記酸化還元電位取得ステップ(S1)で取得される前記酸化還元電位の値(V1)が、閾値(UT1)を超えないように前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤を前記吸収液に添加する薬剤添加ステップ(S2A)と、を備える。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ろ布(31)の表面を覆う膜がマンガン過酸化物を主成分とする膜であり、その膜がろ布の目詰まりの原因となっていること、および膜の主成分であるマンガン過酸化物は、排ガスに接触させた吸収液が過酸化状態になった際に吸収液中に含まれるマンガン成分が析出したものであることを見出した。上記1)の方法によれば、吸収液に薬剤を添加し、酸化還元電位取得ステップ(S1)で取得される吸収液の酸化還元電位の値を閾値以下に収めることで(薬剤添加ステップS2A)、吸収液が過酸化状態となりマンガン過酸化物を析出することを抑制できる。上記の方法によれば、膜の主成分であるマンガン過酸化物の析出を抑制することで、ろ布の表面を覆う膜の生成を抑制できるため、ろ布の目詰まりを抑制できる。ろ布の目詰まりを抑制することで、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の含水率の増加を抑制できるため、石膏の品質低下を抑制できる。
2)本開示の少なくとも一実施形態にかかるろ布の目詰まり抑制方法(1)は、
燃焼装置(11)から排出される排ガスと吸収液とを接触させるように構成された排煙脱硫装置(20)で副生される石膏スラリーから水分を分離するろ布(31)の目詰まり抑制方法(1)であって、
前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得する酸化還元電位取得ステップ(S1)と、
前記酸化還元電位取得ステップ(S1)で取得される前記酸化還元電位の値(V1)が、閾値(UT1)を超えた後に前記吸収液への前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤の添加を開始、又は前記薬剤の添加量を増量し、前記酸化還元電位取得ステップ(S1)で取得される前記酸化還元電位の値(V1)が、所定期間に亘り前記閾値(UT1)よりも低い設定範囲(R2)内となるように、前記吸収液への前記薬剤の添加量を調整する薬剤添加ステップ(S2B)と、を備える。
吸収液の酸化還元電位の値が閾値(UT1)を超えるような過酸化状態になると、吸収液中に含まれるマンガン成分がマンガン過酸化物として析出する虞がある。マンガン過酸化物を含有する吸収液がろ布(31)に送られると、ろ布(31)が目詰まりする虞がある。上記2)の方法によれば、薬剤添加ステップ(S2B)において吸収液に薬剤を添加し、酸化還元電位取得ステップ(S1)で取得される吸収液の酸化還元電位の値を、所定期間に亘り閾値よりも低い設定範囲内に収めることで、吸収液から析出したマンガン過酸化物を溶解させることができる。上記の方法によれば、膜の主成分であるマンガン過酸化物を溶解することで、ろ布(31)の表面を覆う膜の生成を抑制できるため、ろ布の目詰まりを抑制できる。ろ布の目詰まりを抑制することで、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の含水率の増加を抑制できるため、石膏の品質低下を抑制できる。
3)幾つかの実施形態では、上記2)に記載のろ布の目詰まり抑制方法(1)は、
前記酸化還元電位取得ステップ(S1)で取得される前記酸化還元電位の値(V1)が前記閾値(UT1)を超えた後に、マンガン過酸化物を還元させる還元性を有する還元剤(RA)を前記ろ布に接触させるろ布洗浄ステップ(S3)をさらに備える。
上述したように、吸収液がその酸化還元電位の値が閾値を超えるような過酸化状態になると、吸収液中に含まれるマンガン成分がマンガン過酸化物として析出する虞がある。マンガン過酸化物を含有する吸収液がろ布に送られると、ろ布が目詰まりする虞がある。上記3)の方法によれば、酸化還元電位取得ステップ(S1)で取得される酸化還元電位の値が閾値を超えた後に、還元剤をろ布に接触させることが行われる(ろ布洗浄ステップS3)。これにより、仮にマンガン過酸化物を含有する吸収液がろ布上に送られて、ろ布の表面を覆う膜が形成されたとしても、還元剤によりマンガン過酸化物を溶解することで、上記膜を除去できるため、ろ布の目詰まりを解消できる。また、上記還元剤をろ布に接触させることで、ろ布の表面に膜が付着することを抑制できるため、ろ布の目詰まりを予防できる。ろ布の目詰まりの解消や予防を行うことで、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の含水率の増加を抑制できるため、石膏の品質低下を抑制できる。
4)幾つかの実施形態では、上記2)又は3)に記載のろ布の目詰まり抑制方法(1)であって、
前記設定範囲(R2)は、50mV以上250mV以下の範囲内にある。
上記4)の方法によれば、吸収液に薬剤を添加し、吸収液の酸化還元電位の値(V1)を所定期間に亘り50mV以上250mV以下の範囲内に収めることで(薬剤添加ステップS2B)、吸収液の酸化性能の低下を抑制しつつ、過酸化状態において析出したマンガン過酸化物を効果的に溶解させることができる。仮に、吸収液の酸化還元電位の値が250mVを超える場合には、マンガン過酸化物が溶解されずに残り、このマンガン過酸化物がろ布(31)を覆う膜を形成してろ布(31)の目詰まりを生じさせる可能性が高まる。また、吸収液の酸化還元電位の値(V1)が50mVに満たない場合には、酸化還元電位の値(V1)が50mV以上の場合に比べて吸収液の酸化性能が低下するため、吸収液による排ガスの脱硫性能が低下する虞がある。
5)幾つかの実施形態では、上記1)~4)の何れかに記載のろ布の目詰まり抑制方法(1)であって、
前記閾値(UT1)は、100mV以上600mV以下の範囲内にある。
上記5)の方法によれば、上記1)に記載の薬剤添加ステップ(S2A)において、閾値を100mV以上600mV以下の範囲内とすることで、マンガン過酸化物の析出を効果的に抑制できる。また、上記2)に記載の薬剤添加ステップ(S2B)において、閾値を100mV以上600mV以下の範囲内とすることで、吸収液が過酸化状態となった際に速やかに薬剤の添加を開始できるため、マンガン過酸化物の析出を抑制でき、且つ析出したマンガン過酸化物を効果的に溶解できる。
6)本開示の少なくとも一実施形態にかかる排煙脱硫システム(10)は、
燃焼装置(11)から排出される排ガスを脱硫するように構成された排煙脱硫システム(10)であって、
内部に導入される前記排ガスに吸収液を気液接触させるように構成された吸収塔(20A)であって、前記排ガスに接触させた前記吸収液が貯留される液だまり部(21B)を内部に含む吸収塔(20A)と、
前記液だまり部(21B)における化学反応により生成された副産物を含む前記吸収液をろ布(31)により固液分離するように構成された固液分離装置(30)と、
前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得するように構成された酸化還元電位取得装置(50)と、
前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤を前記液だまり部(21B)に送るように構成された薬剤供給ライン(60)と、
前記薬剤供給ライン(60)を通り、前記液だまり部(21B)に送られる前記薬剤の量を調整可能に構成された薬剤供給量調整装置(70)と、を備え、
前記薬剤供給量調整装置(70)は、前記酸化還元電位取得装置(50)が取得する前記酸化還元電位の値(V1)が閾値(UT1)を超えないように、前記液だまり部(21B)に送られる前記薬剤の量を調整するように構成された。
上記6)の構成によれば、薬剤供給量調整装置は、吸収液の酸化還元電位の値が閾値を超えないように、薬剤供給ラインを通り、液だまり部に送られる薬剤の量を調整する。これにより、液だまり部に貯留する吸収液が過酸化状態となりマンガン過酸化物を析出することを抑制できる。ろ布よりも吸収液の流れ方向における上流側に位置する液だまり部において、ろ布を覆う膜の主成分であるマンガン過酸化物の析出を抑制することで、ろ布の表面を覆う膜の生成を抑制できるため、ろ布の目詰まりを抑制できる。ろ布の目詰まりを抑制することで、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の含水率の増加を抑制できるため、石膏の品質低下を抑制できる。
7)本開示の少なくとも一実施形態にかかる排煙脱硫システム(10)は、
燃焼装置(11)から排出される排ガスを脱硫するように構成された排煙脱硫システム(10)であって、
内部に導入される前記排ガスに吸収液を気液接触させるように構成された吸収塔(20A)であって、前記排ガスに接触させた前記吸収液が貯留される液だまり部(21B)を内部に含む吸収塔(20A)と、
前記液だまり部における化学反応により生成された副産物を含む前記吸収液をろ布(31)により固液分離するように構成された固液分離装置(30)と、
前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得するように構成された酸化還元電位取得装置(50)と、
前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤を前記液だまり部(21B)に送るように構成された薬剤供給ライン(60)と、
前記薬剤供給ライン(60)を通り、前記液だまり部(21B)に送られる前記薬剤の量を調整可能に構成された薬剤供給量調整装置(70)と、を備え、
前記薬剤供給量調整装置(70)は、前記酸化還元電位取得装置(50)が取得した前記酸化還元電位の値(V1)が閾値(UT1)を超えた場合に、前記酸化還元電位取得装置(50)が取得する前記酸化還元電位の値(V1)が所定期間に亘り前記閾値(UT1)よりも低い設定範囲(R2)内となるように、前記液だまり部(21B)に送られる前記薬剤の量を調整するように構成された。
吸収液の酸化還元電位の値(V1)が閾値(UT1)を超えるような過酸化状態になると、吸収液中に含まれるマンガン成分がマンガン過酸化物として析出する虞がある。マンガン過酸化物を含有する吸収液が下流側に位置するろ布(31)に送られると、ろ布(31)が目詰まりする虞がある。上記7)の構成によれば、薬剤供給量調整装置(70)は、吸収液の酸化還元電位の値(V1)が、所定期間に亘り閾値(UT1)よりも低い設定範囲(R2)内に収まるように、薬剤供給ライン(60)を通り、液だまり部(21B)に送られる薬剤の量を調整する。これにより、液だまり部に貯留する吸収液から析出したマンガン過酸化物を溶解できる。ろ布よりも吸収液の流れ方向における上流側に位置する液だまり部において、ろ布を覆う膜の主成分であるマンガン過酸化物を溶解することで、ろ布の表面を覆う膜の生成を抑制できるため、ろ布の目詰まりを抑制できる。ろ布の目詰まりを抑制することで、石膏スラリーを脱水して得られる石膏の含水率の増加を抑制できるため、石膏の品質低下を抑制できる。
1 ろ布の目詰まり抑制方法
10 排煙脱硫システム
11 燃焼装置
12 排ガス導入ライン
13 煙突
14 排ガス排出ライン
15 石灰石スラリー供給ライン
151 石灰石スラリータンク
152 石灰石スラリー供給配管
153 バルブ
16 吸収液循環ライン
161 吸収液循環配管
162 循環ポンプ
17 吸収液抜き出しライン
171 吸収液抜き出し配管
172 抜出ポンプ
20 排煙脱硫装置
20A 吸収塔
21 内部空間
21A 気液接触部
21B 液だまり部
22 吸収塔本体
221,222 吸収液抜出口
223 ノズル挿通口
224 石灰石スラリー供給口
225 薬剤供給口
23 排ガス導入口
24 排ガス排出口
25 ミストエリミネータ
26 噴霧装置
261 噴霧管
262 噴霧ノズル
263 噴霧口
27 気体供給装置
271 ノズル
272 ポンプ
273 調整バルブ
274 吹き出し口
30 固液分離装置
31 ろ布
311 被支持部
312 上面
32 搬送ベルト
321 上面
322 支持部
33 搬送装置
34 石膏スラリー供給装置
341 石膏スラリー供給部
342 石膏スラリー供給配管
35 ケーキ洗浄装置
351 ケーキ洗浄液供給部
352 ケーキ洗浄液供給配管
353 ポンプ
36 蒸気供給装置
361 蒸気供給部
37 ドラム
38 モータ
39 ガイドローラ
40 脱水部
41 脱水装置
411 脱水室
412 真空ポンプ
413 減圧配管
414 真空タンク
42 貯留槽
43 石膏排出部
50 酸化還元電位取得装置
60 薬剤供給ライン
61 薬剤貯留装置
62 薬剤供給配管
70 薬剤供給量調整装置
71 薬剤供給量調整部
71A バルブ
72 制御装置
73 データベース部
74 薬剤供給量指示部
80 還元剤による洗浄装置
81 還元剤供給部
82 還元剤貯留槽
83 還元剤供給配管
84 還元剤供給ポンプ
90 ろ布洗浄水による洗浄装置
91 ろ布洗浄水供給部
92 ろ布洗浄水供給配管
93 洗浄水供給ポンプ
94 ろ布洗浄液受け部
95 ろ布洗浄液排出配管
IT1 中間閾値
LT1,LT2 下限閾値
P1 点
R1 適正範囲
R2 設定範囲
RA 還元剤
S1 酸化還元電位取得ステップ
S2,S2A,S2B 薬剤添加ステップ
S3 洗浄ステップ
UT1 閾値
UT2 上限閾値
V1 吸収液の酸化還元電位の値

Claims (7)

  1. 燃焼装置から排出される排ガスと吸収液とを接触させるように構成された排煙脱硫装置で副生される石膏スラリーから水分を分離するろ布の目詰まり抑制方法であって、
    前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得する酸化還元電位取得ステップと、
    前記酸化還元電位取得ステップで取得される前記酸化還元電位の値が、閾値を超えないように前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤を前記吸収液に添加する薬剤添加ステップと、を備える
    ろ布の目詰まり抑制方法。
  2. 燃焼装置から排出される排ガスと吸収液とを接触させるように構成された排煙脱硫装置で副生される石膏スラリーから水分を分離するろ布の目詰まり抑制方法であって、
    前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得する酸化還元電位取得ステップと、
    前記酸化還元電位取得ステップで取得される前記酸化還元電位の値が、閾値を超えた後に前記吸収液への前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤の添加を開始、又は前記薬剤の添加量を増量し、前記酸化還元電位取得ステップで取得される前記酸化還元電位の値が、所定期間に亘り前記閾値よりも低い上限閾値と前記上限閾値よりも低い下限閾値とにより規定された設定範囲内となるように、前記吸収液への前記薬剤の添加量を調整する薬剤添加ステップと、を備える
    ろ布の目詰まり抑制方法。
  3. 燃焼装置から排出される排ガスと吸収液とを接触させるように構成された排煙脱硫装置で副生される石膏スラリーから水分を分離するろ布の目詰まり抑制方法であって、
    前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得する酸化還元電位取得ステップと、
    前記酸化還元電位取得ステップで取得される前記酸化還元電位の値が、閾値を超えた後に前記吸収液への前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤の添加を開始、又は前記薬剤の添加量を増量し、前記酸化還元電位取得ステップで取得される前記酸化還元電位の値が、所定期間に亘り前記閾値よりも低い設定範囲内となるように、前記吸収液への前記薬剤の添加量を調整する薬剤添加ステップと、
    前記酸化還元電位取得ステップで取得される前記酸化還元電位の値が前記閾値を超えた後に、マンガン過酸化物を還元させる還元性を有する還元剤を前記ろ布に接触させるろ布洗浄ステップと、を備え
    布の目詰まり抑制方法。
  4. 前記設定範囲は、50mV以上250mV以下の範囲内にある
    請求項2又は3に記載のろ布の目詰まり抑制方法。
  5. 前記閾値は、100mV以上600mV以下の範囲内にある
    請求項1乃至4の何れか1項に記載のろ布の目詰まり抑制方法。
  6. 燃焼装置から排出される排ガスを脱硫するように構成された排煙脱硫システムであって、
    内部に導入される前記排ガスに吸収液を気液接触させるように構成された吸収塔であって、前記排ガスに接触させた前記吸収液が貯留される液だまり部を内部に含む吸収塔と、
    前記液だまり部における化学反応により生成された副産物を含む前記吸収液をろ布により固液分離するように構成された固液分離装置と、
    前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得するように構成された酸化還元電位取得装置と、
    前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤を前記液だまり部に送るように構成された薬剤供給ラインと、
    前記薬剤供給ラインを通り、前記液だまり部に送られる前記薬剤の量を調整可能に構成された薬剤供給量調整装置と、を備え、
    前記薬剤供給量調整装置は、前記酸化還元電位取得装置が取得する前記酸化還元電位の値が閾値を超えないように、前記液だまり部に送られる前記薬剤の量を調整するように構成された
    排煙脱硫システム。
  7. 燃焼装置から排出される排ガスを脱硫するように構成された排煙脱硫システムであって、
    内部に導入される前記排ガスに吸収液を気液接触させるように構成された吸収塔であって、前記排ガスに接触させた前記吸収液が貯留される液だまり部を内部に含む吸収塔と、
    前記液だまり部における化学反応により生成された副産物を含む前記吸収液をろ布により固液分離するように構成された固液分離装置と、
    前記排ガスに接触させた前記吸収液の酸化還元電位を取得するように構成された酸化還元電位取得装置と、
    前記吸収液の酸化還元電位を低下させる薬剤を前記液だまり部に送るように構成された薬剤供給ラインと、
    前記薬剤供給ラインを通り、前記液だまり部に送られる前記薬剤の量を調整可能に構成された薬剤供給量調整装置と、を備え、
    前記薬剤供給量調整装置は、前記酸化還元電位取得装置が取得した前記酸化還元電位の値が閾値を超えた場合に、前記酸化還元電位取得装置が取得する前記酸化還元電位の値が所定期間に亘り前記閾値よりも低い上限閾値と前記上限閾値よりも低い下限閾値とにより規定された設定範囲内となるように、前記液だまり部に送られる前記薬剤の量を調整するように構成された
    排煙脱硫システム。
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