JP7367503B2 - 高周波装置用液晶化合物及び液晶組成物 - Google Patents

高周波装置用液晶化合物及び液晶組成物 Download PDF

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Description

本発明は、液晶化合物及びこれを含む液晶組成物、さらには当該液晶組成物を用いた高周波位相変換技術に関する。
液晶は、スマートフォンやタブレットデバイスなどのモバイル端末、TVやウィンドウディスプレイなどのディスプレイ用途に用いられている。この液晶の新規用途として、車等の移動体と通信衛星間で、電波の送受信を行う液晶を用いたアンテナが注目されている。
従来、衛星通信は、パラボラアンテナを用いているが、移動体で用いる場合、随時パラボラアンテナを衛星方向へ向けなければならず、大きな可動部が必要であった。しかし液晶を用いたアンテナは、液晶が動作することにより、電波の送受信方向を変える事が出来るため、アンテナ自体を動かす必要が無く、アンテナの形状も平面にすることが出来る。
自動車等の自動運転には、高精度3Dマップ情報の大量データダウンロードが必要であり、液晶を用いたアンテナを自動車に組み込むことにより、通信衛星から大量データダウンロードが機械的な可動部が無くても可能となる。衛星通信で用いられる周波数帯は、約13GHz帯であり、今までの液晶ディスプレイ用途で使用している周波数と大きく異なる。そのため液晶への要求物性も大きく異なり、アンテナ用の液晶に要求される屈折率異方性(Δn)は0.4程度、動作温度範囲は、-40~120℃以上(ネマチック相)となる。
また自動車の自動運転用センサーとして、液晶を用いた赤外線レーザー画像認識・測距装置も注目されている。この用途の液晶の要求特性は、高Δn(0.2~0.3)、高動作温度範囲(-40~120℃以上)となる。
このような高Δn及び動作温度範囲に関する要求特性に対応して、従来、下記のようなビストラン構造を有する化合物、あるいはNCS構造を有する化合物を用いて液晶組成物を製造する方法が報告されている(特許文献1,2)。しかし、これらの化合物におけるΔnは未だ十分なものでは無い上、誘電率異方性(Δε)、液晶組成物への溶解性、粘度等の他の物性値についても実用に耐えうる値を示す液晶組成物を開発することはきわめて困難である。
特表2013-544233号広報 特開2016-37607号広報
本発明が解決しようとする課題は、高Δnを実現しつつ、広い温度範囲の液晶相を有し、液晶組成物への溶解性が良好で、熱や光に対して安定な組成物を提供し、更にこれを用いることで高周波制御効果に優れ、化学的安定性に優れた液晶組成物、当該液晶組成物を用いた液晶表示素子及び液晶アンテナを提供することにある。
前記課題を解決するため、本願発明者らは種々の化合物の合成検討を行った結果、分子中にフェナントレン構造を含む一般式(I)で表される化合物により、効果的に課題が解決できることを見出し本願発明の完成に至った。また、前記一般式(I)で表される化合物が、液晶組成物中に添加した際に良好に溶解して当該液晶組成物の液晶相温度範囲を広げることができ、さらに電子密度が高いフェナントレン構造及びアセチレン構造の効果によって更にΔnを増大させることができることを見出した。
本発明により提供される、一般式(I)で表される化合物を用いて液晶組成物を製造すれば、低粘性、溶解性、比抵抗、電圧保持率、耐熱性、耐光性といった物性を維持しながら、液晶相温度範囲が広く、Δnが大きい液晶組成物を得ることができ、このような液晶組成物は高周波領域における電磁波制御効果に優れる。従って、当該液晶組成物は高周波数素子、アンテナ、液晶表示素子、液晶レンズ又は立体画像表示用複屈折レンズ等に好適に使用することができるが、特に液晶アンテナ用液晶組成物として有用である。
以下、本発明の化合物、及びこれを含む液晶組成物並びに液晶表示素子について詳細に説明する。
本発明は、下記の一般式(I)
Figure 0007367503000001
(式中、
及びR2は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルファニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の-CH-又は2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-若しくは-C≡C-によって置換されていても良い炭素原子数1から20の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3から20の分岐状若しくは環状アルキル基を表すが、酸素原子同士が直接結合することはなく、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されていても良く、
及びAは各々独立して
(a)1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-又は-S-に置き換えられても良い。)
(b)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
(c)1,4-シクロヘキセニレン基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1,4-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、アントラセン-2,6-ジイル基、アントラセン-1,4-ジイル基、アントラセン-9,10-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基(これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、また、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1,4-ジイル基、アントラセン-2,6-ジイル基、アントラセン-1,4-ジイル基、アントラセン-9,10-ジイル基又はフェナントレン-2,7-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
(d)チオフェン-2,5-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,5-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,6-ジイル基、ジベンゾチオフェン-3,7-ジイル基、ジベンゾチオフェン-2,6-ジイル基、チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジイル基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、これらの基は無置換であるか又は1つ以上の置換基Lによって置換されていても良く、
及びLはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルファニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の-CH-又は2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-若しくは-C≡C-によって置換されていても良い炭素原子数1から20の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3から20の分岐状若しくは環状アルキル基を表すが、酸素原子同士が直接結合することはなく、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されていても良く、
及びZはそれぞれ独立して単結合、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-CFO-、-OCF-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH=C(CH)COO-、-OCOC(CH)=CH-、-CH-CH(CH)COO-、-OCOCH(CH)―CH-、-OCHCHO-、-N=N-、-C=N-N=C-、-CH=N-、-N=CH-又は炭素原子数2~20のアルキレン基を表し、このアルキレン基中の1個又は2個以上の-CH-は-O-、-COO-又は-OCO-で置換されてもよいが酸素原子同士が直接結合することはなく、
n及びmは0から4の整数を表し、pは0から8の整数を表し、
、A、L、L、Z又はZ2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良く、ただし、-(A-Z)m-Rで表される構造と、-(A-Z)n-Rで表される構造とは同一の構造ではない。)
で表される化合物、及び当該化合物を含む液晶組成物に関する。
本願一般式(I)で表される化合物においては、フェナントレン骨格によってπ共役構造を広げることができるため、Δnを増大させる効果がある。また、フェナントレンの中の2位及び7位にアセチレン構造が結合することで効果的にπ共役構造が広がるため、効果的にΔnを増大させる。特に、フェナントレンの中の2位及び7位にアセチレン構造が結合しているため、一般式(I)で表される化合物は剛直な棒状の分子形状を有しており、高い液晶性を示すことから、Δnが極めて大きくなると共にTniを上昇させ化合物の液晶性を高めることにも寄与している。
一般式(I)で表される化合物で表される化合物としては、1種を使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
一般式(I)中、R及びR2は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルファニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基又はチオイソシアノ基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ペンタフルオロスルファニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基又はチオイソシアノ基であることがより好ましく、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、イソシアノ基、又はチオイソシアノ基であることがΔn及びΔεを増大させる観点からとりわけ好ましい。
及びR2はまた、炭素原子数1から20の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3から20の分岐状若しくは環状アルキル基であることが好ましく、炭素原子数1から12の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基であることが好ましく、炭素原子数1から8の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基であることが特に好ましい。また、溶解性の観点から、炭素原子数2から6の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3から5の環状アルキル基であることが好ましい。また、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されていても良い。また、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-によって置換されていても良く、置換されている場合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-で置き換えられていることが好ましく、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-で置き換えられていることが好ましく、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-で置き換えられていることが更に好ましく、Δnを増大させる観点から-O-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-で置き換えられていることが特に好ましい。ただし、過酸化物はその爆発性から液晶組成物としての用途に適さないため、酸素原子同士が結合することは好ましくない。
一般式(I)中、A及びA
(a)1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-又は-S-に置き換えられても良い。)
(b)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
(c)1,4-シクロヘキセニレン基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1,4-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、アントラセン-2,6-ジイル基、アントラセン-1,4-ジイル基、アントラセン-9,10-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、(これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、また、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1,4-ジイル基、アントラセン-2,6-ジイル基、アントラセン-1,4-ジイル基、アントラセン-9,10-ジイル基又はフェナントレン-2,7-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
(d)チオフェン-2,5-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,5-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,6-ジイル基、ジベンゾチオフェン-3,7-ジイル基、ジベンゾチオフェン-2,6-ジイル基、チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジイル基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基であることが好ましい。ここで、フェナントレン骨格及びアセチレン構造と共にπ電子共役構造を形成し、Δnを増大させる観点から、A及びAは(b)、(c)又は(d)で表される構造であることが好ましい。一方、耐光性及び液晶相の温度範囲を広げる観点からは(a)で表される構造であることが好ましい。
及びAが(b)の構造である場合、1,4-フェニレン基、ピリミジン-2,5-ジイル基又はピリジン-2,5-ジイル基であることが好ましく、1,4-フェニレン基であることが特に好ましい。(c)の構造である場合、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、アントラセン-2,6-ジイル基、アントラセン-1,4-ジイル基、アントラセン-9,10-ジイル基又はフェナントレン-2,7-ジイル基であることが好ましく、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基又はフェナントレン-2,7-ジイル基であることが特に好ましい。(d)の構造である場合、チオフェン-2,5-ジイル基、チアゾール-2,5-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,5-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,6-ジイル基、ベンゾチアゾール-2,5-ジイル基、ベンゾチアゾール-2,6-ジイル基、ジベンゾチオフェン-3,7-ジイル基、ジベンゾチオフェン-2,6-ジイル基又はチエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジイル基が好ましく、液晶性とΔn増大の観点からはベンゾチオフェン-2,5-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,6-ジイル基、ベンゾチアゾール-2,5-ジイル基、ベンゾチアゾール-2,6-ジイル基、ジベンゾチオフェン-3,7-ジイル基、ジベンゾチオフェン-2,6-ジイル基又はチエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジイル基が好ましく、ジベンゾチオフェン-2,6-ジイル基又はチエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジイル基が特に好ましい。
また、上記(a)~(d)の基は1つ以上の置換基Lによって置換されていても良い。
及びLはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルファニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基又はチオイソシアノ基であることが好ましく、フッ素原子、塩素原子、ペンタフルオロスルファニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基又はチオイソシアノ基であることがより好ましく、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、イソシアノ基、又はチオイソシアノ基であることがΔnを増大させる観点からとりわけ好ましい。
及びLはまた、炭素原子数1から20の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3から20の分岐状若しくは環状アルキル基であることが好ましく、炭素原子数1から12の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基であることが好ましく、炭素原子数1から8の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基であることが特に好ましい。また、溶解性の観点から、炭素原子数2から6の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3から5の環状アルキル基であることが好ましい。また、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されていても良い。また、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-によって置換されていても良く、置換されている場合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-で置き換えられていることが好ましく、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-で置き換えられていることが好ましく、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-で置き換えられていることが更に好ましく、Δnを増大させる観点から-O-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-で置き換えられていることが特に好ましい。ただし、過酸化物はその爆発性から液晶組成物としての用途に適さないため、酸素原子同士が結合することは好ましくない。
フェナントレン骨格のπ電子とアセチレン構造を介して共役構造を広げるためには、A及びAが芳香族であることが好ましい。この場合、A及びAとしては
(d)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
(e)ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1,4-ジイル基、アントラセン-2,6-ジイル基、アントラセン-1,4-ジイル基、アントラセン-9,10-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基(これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、また、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1,4-ジイル基、アントラセン-2,6-ジイル基、アントラセン-1,4-ジイル基、アントラセン-9,10-ジイル基又はフェナントレン-2,7-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
(g)チオフェン-2,5-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,5-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,6-ジイル基、ジベンゾチオフェン-3,7-ジイル基、ジベンゾチオフェン-2,6-ジイル基、チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジイル基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基であることが好ましく、これらの基は無置換であるか又は1つ以上の置換基Lによって置換されていても良い。
一般式(I)中、Z及びZはそれぞれ独立して単結合、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-CFO-、-OCF-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH=C(CH)COO-、-OCOC(CH)=CH-、-CH-CH(CH)COO-、-OCOCH(CH)―CH-、-OCHCHO-、-N=N-、-C=N-N=C-、-CH=N-又は-N=CH-であることが好ましく、単結合、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH=C(CH)COO-、-OCOC(CH)=CH-、-N=N-、-C=N-N=C-、-CH=N-又は-N=CH-であることが好ましく、単結合、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-N=N-、-C=N-N=C-、-CH=N-又は-N=CH-であることが更に好ましく、Δnを増大させる観点から単結合、-C≡C-、-N=N-、-C=N-N=C-、-CH=N-又は-N=CH-であることがとりわけ好ましい。
及びZはまた、炭素原子数2~20のアルキレン基であることも好ましく、炭素原子数2~12のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数2~6のアルキレン基であることが特に好ましい。当該アルキレン基中の1個又は2個以上の-CH-は-O-、-COO-又は-OCO-で置換されていることが好ましい。ただし、過酸化物はその爆発性から液晶組成物としての用途に適さないため、酸素原子同士が結合することは好ましくない。
n及びmは0から4の整数であることが好ましく、0から3の整数であることが好ましく、0から2の整数であることが特に好ましく、0から1であることがとりわけ好ましい。また、粘性を低減するという観点からは0又は1であることが好ましく、液晶相の温度範囲の上限値を高めるためには2であることが好ましい。また、n+mの合計値は0から4の整数であることが好ましく、1から3の整数であることが好ましく、1または2であることが特に好ましい。
pは0から8の整数であることが好ましく、0から6の整数であることが好ましく、0から4の整数であることが特に好ましく、0から2の整数であることがとりわけ好ましい。
、A、L、L、Z又はZ2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良い。ただし、一般式(I)において、-(A-Z)m-Rで表される構造と、-(A-Z)n-Rで表される構造とは同一の構造ではないことが好ましい。これは、一般式(I)で表される化合物の対称性を低下させることで結晶性を下げて溶解性を向上させ、液晶組成物中に添加した際に析出することを防ぐことができるためである。より多くの量の化合物を液晶組成物中に添加することによって、液晶組成物のΔnを上昇させ、また液晶相を示す温度範囲を広げることが可能になる。
本発明の一般式(I)で表される化合物の好ましい化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(I)で表される化合物は、一般式(i-1a)、一般式(i-1b)及び一般式(i-1c)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007367503000002
一般式(i-1a)、一般式(i-1b)及び一般式(i-1c)中、Ri1及びRi2は水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基又は炭素原子数1から6の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基であることが好ましく、フッ素原子、シアノ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基又は炭素原子数1から6の直鎖状アルキル基であることが特に好ましい。また、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されていても良い。また、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-で置き換えられていることもまた好ましい。ただし、酸素原子同士が結合することは好ましくない。
一般式(i-1a)、一般式(i-1b)及び一般式(i-1c)中、Ai1及びAi2は各々独立して1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,5-ジイル基、ベンゾチオフェン-2,6-ジイル基、ベンゾチアゾール-2,5-ジイル基、ベンゾチアゾール-2,6-ジイル基、ジベンゾチオフェン-3,7-ジイル基、ジベンゾチオフェン-2,6-ジイル基又はチエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジイル基であることが好ましい。
また、Ai1及びAi2は1つ以上の置換基Li2によって置換されていても良い。
i1及びLi2はフッ素原子、塩素原子、シアノ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基又は炭素原子数1から6の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基であることが好ましい。また、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されていても良い。また、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-で置き換えられていることもまた好ましい。ただし、酸素原子同士が結合することは好ましくない。
一般式(i-1a)、一般式(i-1b)及び一般式(i-1c)中、Zi1及びZi2はそれぞれ独立して単結合、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-N=N-、-C=N-N=C-、-CH=N-又は-N=CH-であることが好ましい。
i1及びZi2はまた、炭素原子数2~6のアルキレン基であることが好ましい。当該アルキレン基中の1個又は2個以上の-CH-は-O-、-COO-又は-OCO-で置換されていることもまた好ましい。ただし、酸素原子同士が結合することは好ましくない。
pは0から4の整数であることが好ましく、0から2の整数であることが特に好ましい。
また、一般式(I)で表される化合物としては、一般式(i-1b-1)、一般式(i-1b―2)、一般式(i-1c-1)及び一般式(i-1c-2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007367503000003
(式中、Ri1、Ri2、Li1、Li2及びpは上記一般式(i-1a)、一般式(i-1b)及び一般式(i-1c)中のRi1、Ri2、Li1、Li2及びpと同じ意味を表し、q1及びq2はそれぞれ独立して1または2を表す。)
一般式(I)で表される化合物としては、式(i-1-a1)~式(i-1-e8)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0007367503000004
Figure 0007367503000005
Figure 0007367503000006
Figure 0007367503000007
Figure 0007367503000008
本発明において、ビスアセチレンフェナントレン構造は以下の方法で製造することができる。勿論本発明の趣旨及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。
一般式(I)で表される化合物は、以下のようにして製造することができる。
Figure 0007367503000009
(式(S-1)中のL及びp、及び式(S-2)中のR、A、L、Z2及びpは、それぞれ一般式(I)におけるR、A、L、Z2及びpと同じ意味を表す。)
式(S-1)(X1は塩素原子もしくは臭素原子)で表される化合物に対して、対応するアセチレン化合物とヨウ素原子選択的に薗頭カップリング反応を行うことで、一般式(S-2)で表される化合物を得ることができる。薗頭カップリング反応では、パラジウム触媒、銅触媒、塩基等が用いられる。パラジウム触媒としては例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が挙げられる。
銅触媒としては例えば、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、銅トリフラート(I)等が挙げられる。塩基としては例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等が挙げられる。この際、有機溶媒を用いてもよく、有機溶媒としては例えば、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
次に、式(S-2)で表される化合物に対して対応するアセチレン化合物と薗頭カップリング反応を行うことで、一般式(I)で表される化合物を得ることができる。パラジウム触媒としては例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が挙げられる。銅触媒としては例えば、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、銅トリフラート(I)等が挙げられる。塩基としては例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等が挙げられる。この際、有機溶媒を用いてもよく、有機溶媒としては例えば、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
また、一般式(I)で表される化合物は、以下のようにして製造することができる。
Figure 0007367503000010
(式(S-3)中のL及びpは、それぞれ一般式(I)におけるL及びpと同じ意味を表す。)
式(S-3)(Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、2つのX2は同じでも異なっていても良い)で表される化合物に対して、対応するアセチレン化合物と薗頭カップリング反応を行うことで、一般式(I)で表される化合物を得ることができる。薗頭カップリング反応では、パラジウム触媒、銅触媒、アミン、有機溶媒等が用いられる。パラジウム触媒としては例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が挙げられる。銅触媒としては例えば、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、銅トリフラート(I)等が挙げられる。塩基としては例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等が挙げられる。
この際、有機溶媒を用いてもよく、有機溶媒としては例えば、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物を1種又は2種以上含有する組成物は、室温において液晶相を有することが好ましい。一般式(I)で表される化合物は、組成物中に下限値として、1%以上含有することが好ましく、2%以上含有することが好ましく、3%以上含有することが好ましく、5%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、50%以上含有することが好ましく、70%以上含有することが好ましく、90%以上含有することが好ましい。また、液晶組成物が幅広い温度領域において安定に液晶相を保つ観点から、液晶組成物の90%以上を一般式(I)で表される化合物を用いて構成することが好ましく、この場合、一般式(I)で表される化合物を2種以上用いることが好ましく、3種以上用いることが好ましく、5種以上用いることが好ましく、7種以上用いることが好ましい。また、上限値として90%以下含有することが好ましく、80%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましく、30%以下含有することが好ましく、20%以下含有することが好ましく、10%以下含有することが好ましく、5%以下含有することが好ましく、3%以下含有することが好ましい。
より具体的には、1から95質量%含有することが好ましく、2から90質量%であることが好ましく、5から80質量%であることが更に好ましく、10から70質量%であることが特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物を含有する組成物は、一般式(I)で表される化合物以外に、液晶相を有する化合物を含有してもよいし、液晶相を有さない化合物を含有してもよい。ここで言う液晶相を有さない化合物とは、例えば酸化防止剤、紫外線防止剤、カイラル剤、帯電防止剤又は二色性色素等を挙げることができる。
本願発明の一般式(I)で表される化合物をを含有する組成物は、下記一般式(A1)から(A3)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(A1)から(A3)で表される化合物はいわゆるフッ素系(ハロゲン系)のp型化合物である。
Figure 0007367503000011
上式中、Rは炭素原子数1~12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチルまたはエチル分岐を有していてもよく、3~6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の-CH-は-O-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-により置換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子またはトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2~7の直鎖状1-アルケニル基、炭素原子数4~7の直鎖状3-アルケニル基、末端が炭素原子数1~3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1~5のアルキル基が好ましい。また、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
環A、環B及び環Cはそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基またはピリジン-2,5-ジイル基を表すが、トランス-1,4-シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基又は1~2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基が好ましい。特に環Bがトランス-1,4-シクロへキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基である場合に、環Aはトランス-1,4-シクロへキシレン基であることが好ましく、環Cがトランス-1,4-シクロへキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基である場合に環B及び環Aはトランス-1,4-シクロへキシレン基であることが好ましい。また、(A3)において環Aはトランス-1,4-シクロへキシレン基であることが好ましい。
、L及びLは連結基であって、それぞれ独立的に単結合、エチレン基(-CHCH-)、1,2-プロピレン基(-CH(CH)CH-及び-CHCH(CH)-)、1,4-ブチレン基、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は-CH=NN=CH-を表すが、単結合、エチレン基、1,4-ブチレン基、-COO-、-OCF-、-CFO-、-CF=CF-又は-C≡C-が好ましく、単結合又はエチレン基が特に好ましい。また、(A2)においてはその少なくとも1個が、(A3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
環Zは芳香環であり以下の一般式(La)~(Lc)で表すことができる。
Figure 0007367503000012
式中、Y~Yはそれぞれ独立的に水素原子あるいはフッ素原子を表すが、(La)において、Y及びYの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、(Lb)において、Y~Yの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にYはフッ素原子であることがさらに好ましい。
末端基Pはフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基あるいは2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2又は3のアルコキシル基、アルキル基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表すが、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
なお一般式(A1)から(A3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環AやL等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表してもよい。
本発明の組成物の総量に対しての一般式(A1)から(A3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(A1)~(A3)におけるより好ましい形態は以下の一般式(A1a)~(A3c)で表すことができる。
Figure 0007367503000013
(式中、A、B、C、Y及びYは一般式(A1)から(A3)におけるA、B、C、Y及びYと同じ意味を表す。)
さらに好ましくは、下記化合物である。
Figure 0007367503000014
Figure 0007367503000015
本願発明の一般式(I)で表される化合物をを含有する組成物は、下記一般式(B1)から(B3)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(B1)から(B3)で表される化合物はいわゆるシアノ系のp型化合物である。
Figure 0007367503000016
上式中、Rは炭素原子数1~12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチル又はエチル分岐を有していてもよく、3~6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の-CH-は-O-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-により交換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2~7の直鎖状1-アルケニル基、炭素原子数4~7の直鎖状3-アルケニル基、末端が炭素原子数1~3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1~5のアルキル基が好ましい。又、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
環D、環E及び環Fはそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基又はピリジン-2,5-ジイル基を表すが、トランス-1,4-シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基又は1~2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基が好ましい。特に環Eがトランス-1,4-シクロへキシレン基又はトランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基である場合に、環Dはトランス-1,4-シクロへキシレン基であることが好ましく、環Fがトランス-1,4-シクロへキシレン基又はトランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基である場合に環D及び環Eはトランス-1,4-シクロへキシレン基であることが好ましい。又、(B3)において環Dはトランス-1,4-シクロへキシレン基であることが好ましい。
、L及びLは連結基であって、それぞれ独立的に単結合、エチレン基(-CHCH-)、1,2-プロピレン基(-CH(CH)CH-及び)-CHCH(CH)-)、1,4-ブチレン基、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-OCH-、-CHO-又は-CH=NN=CH-を表すが、単結合、エチレン基、-COO-、-OCF-、-CFO-、-CF=CF-又は-C≡C-が好ましく、単結合、エチレン基又は-COO-が特に好ましい。又、(B2)においてはその少なくとも1個が、(B3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
環Yは芳香環であり以下の一般式(L)~(L)で表すことができる。
Figure 0007367503000017
式中、Y~Yはそれぞれ独立的に水素原子あるいはフッ素原子を表すが、(Le)において、Yはフッ素原子であることが好ましい。
末端基Pはシアノ基(-CN)、シアナト基(-OCN)又は-C≡CCNを表すが、シアノ基が好ましい。
なお一般式(B1)から(B3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環DやL等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表してもよい。
本発明の組成物の総量に対しての一般式(B1)から(B3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を高めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を高めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(B1)~(B3)におけるより好ましい形態は以下の一般式(B1a)~(B2c)で表すことができる。
Figure 0007367503000018
(式中、A、B、Y及びYは一般式(B1)から(B3)におけるA、B、Y及びYと同じ意味を表す。)
さらに好ましくは、下記化合物である。
Figure 0007367503000019
Figure 0007367503000020
本願発明の一般式(I)で表される化合物を含有する組成物は、下記一般式(C1)から(C3)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(C1)から(C3)で表される化合物は誘電率異方性が0程度である、いわゆるノンポーラー型化合物である。
Figure 0007367503000021
上式中、R及びRはそれぞれ独立的に炭素原子数1~12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチル又はエチル分岐を有していてもよく、3~6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の-CH-は-O-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-により交換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2~7の直鎖状1-アルケニル基、炭素原子数4~7の直鎖状3-アルケニル基、炭素原子数1~3の直鎖状アルコキシル基又は末端が炭素原子数1~3アルコキシル基により置換された炭素原子数1~5の直鎖状アルキル基が好ましく、更に少なくとも一方は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2~7の直鎖状1-アルケニル基又は炭素原子数4~7の直鎖状3-アルケニル基であることが特に好ましい。又、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
環G、環H、環I及び環Jはそれぞれ独立的に、トランス-1,4-シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基又はピリジン-2,5-ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基又はピリジン-2,5-ジイル基は1個以内であることが好ましく、他の環はトランス-1,4-シクロへキシレン基あるいは1~2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4-フェニレン基であることが好ましい。
、L及びLは連結基であって、それぞれ独立的に単結合、エチレン基(-CHCH-)、1,2-プロピレン基(-CH(CH)CH-及び)-CHCH(CH)-)、1,4-ブチレン基、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は-CH=NN=CH-を表すが、単結合、エチレン基、1,4-ブチレン基、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CF=CF-、-C≡C-又は-CH=NN=CH-が好ましく、(C2)においてはその少なくとも1個が、(C3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
なお一般式(C1)から(C3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環GやL等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表してもよい。
又、一般式(C1)から(C3)においては本発明の一般式(A1)から(A3)を除く。
本発明の組成物の総量に対しての一般式(C1)から(C3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を高めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。
分子内に存在するハロゲン原子は0、1、2又は3個が好ましく、0又は1が好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1が好ましい。
(C1)におけるより好ましい形態は以下の一般式(C1a)~(C1h)で表すことができる。
Figure 0007367503000022
上記各式中、R及びRはそれぞれ独立的に炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2~7の直鎖状1-アルケニル基、炭素原子数4~7の直鎖状3-アルケニル基、炭素原子数1~3の直鎖状アルコキシル基又は末端が炭素原子数1~3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1~5の直鎖状アルキル基を表すが、少なくとも一方は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2~7の直鎖状1-アルケニル基又は炭素原子数4~7の直鎖状3-アルケニル基を表す。ただし、環G1~環G8が芳香環の場合、対応するRは1-アルケニル基及びアルコキシル基を除き、環H1~環H8が芳香環の場合、対応するRは1-アルケニル基及びアルコキシル基を除く。
環G1及び環H1はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基又はピリジン-2,5-ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基又はピリジン-2,5-ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス-1,4-シクロへキシレン基あるいは1~2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4-フェニレン基である。環G2及び環H2はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス-1,4-シクロへキシレン基あるいは1~2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4-フェニレン基である。環G3及び環H3はそれぞれ独立的に1~2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すが、各化合物において1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基は1個以内であることが好ましい。
さらに好ましくは、下記化合物である。
Figure 0007367503000023
(C2)におけるより好ましい形態は以下の一般式(C2a)~(C2m)で表すことができる。
Figure 0007367503000024
上式中、環G1、環G2、環G3、環H1、環H2及び環H3は前述の意味を表し、環I1は環G1と、環I2は環G2と、環I3は環G3とそれぞれおなじ意味を表す。又、上記各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基又はピリジン-2,5-ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス-1,4-シクロへキシレン基あるいは1~2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4-フェニレン基である。
さらに好ましくは、下記化合物である。
Figure 0007367503000025
次に(C3)におけるより好ましい形態は以下の一般式(C3a)~(C3f)で表すことができる。
Figure 0007367503000026
上式中、環G1、環G2、環H1、環H2、環I1及び環I2は前述の意味を表し、環J1は環G1又環J2は環G2とそれぞれおなじ意味を表す。又、上記各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基又はピリジン-2,5-ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス-1,4-シクロへキシレン基あるいは1~2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4-フェニレン基である。
さらに好ましくは、下記化合物である。
Figure 0007367503000027
本発明の組成物の総量に対しての一般式(I)、一般式(A1)から(A3)、一般式(B1)から(B3)及び一般式(C1)から(C3)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
本発明の組成物の総量に対しての一般式(I)、一般式(A1a)から(A3c)、一般式(B1a)から(B2c)及び一般式(C1a)から(C3f)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
本願発明の組成物は、分子内に過酸(-CO-OO-)構造等の酸素原子等のヘテロ原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して5%以下とすることが好ましく、3%以下とすることがより好ましく、1%以下とすることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して15%以下とすることが好ましく、10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましく、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して80%以上とすることが好ましく、90%以上とすることがより好ましく、95%以上とすることが更に好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで組成物を構成することが最も好ましい。
組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
粘度の改善及びTniの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2-メチルベンゼン-1,4-ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2-メチルベンゼン-1,4-ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
本願において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物を除いて含有しないという意味である。
本発明の第一実施形態の組成物に含有される化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は2~5であることが好ましく、前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は4~5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
本発明における液晶組成物の安定性を高めるため、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、ヒドロキノン誘導体、ニトロソアミン系重合禁止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられ、より具体的には、tert-ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、和光純薬工業株式会社製の「Q-1300」、「Q-1301」、BASF社の「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425」、「IRGANOX1520」、「IRGANOX1726」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」等々があげられる。
酸化防止剤の添加量は重合性液晶組成物に対して0.01~2.0質量%であることが好ましく、0.05~1.0質量%であることがより好ましい。
本発明における液晶組成物の安定性を高めるため、UV吸収剤を添加することが好ましい。UV吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。より具体的には、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物が挙げられ、ヒンダードフェノール系化合物としては、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレートが挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、2-(2′-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス(4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール)、(2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、(2-(2′-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられ、BASFジャパン(株)製のTINUVIN109、TINUVIN171、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN328、TINUVIN770、TINUVIN900、TINUVIN928、ケミプロ化成(株)製の、KEMISORB 71、KEMISORB 73、KEMISORB 74も好ましく用いることができる。
本願発明の一般式(I)で表される化合物を含有する組成物は、25℃における屈折率異方性(Δn)が0.15以上であることが好ましい。特に、高周波に対する用途に用いる場合、Δnが0.20以上であることが好ましく、0.25以上であることが好ましく、0.30以上であることが好ましく、0.35以上であることが特に好ましい。
本願発明の一般式(I)で表される化合物を含有する組成物は、25℃における誘電率異方性(Δε)が+2.0以上であるのが好ましく、+2.0~+4.0であるのが好ましく、+2.0~+5.0がより好ましい。低電圧駆動を目的とする場合は、+8.0~+18.0が好ましく、+10.0~+15.0がより好ましい。
また、20℃におけるηが5~45mPa・sであるのが好ましく、5~25mPa・sであることがより好ましく、10~20mPa・sであることが特に好ましい。また、Tniが60℃~180℃であるのが好ましく、70℃~160℃がより好ましく、80℃~150℃が特に好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は特段の指定のない限り『質量%』を意味する。
以下、下記の略語を使用する。
Me:メチル基
Et:エチル基
iPr:イソプロピル基
Ph:フェニル基
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
AIBN:2,2‘-アゾビス(イソブチロニトリル)
NBS:N-ブロモスクシンイミド
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン

Cr:結晶
N:ネマチック相
Sm:スメクチック相
Iso:等方性液体

(実施例1)
Figure 0007367503000028
9,10-ジヒドロフェナントレン(60g、333mmol)、酢酸(340mL)、濃硫酸(5mL)、水(66mL)の混合物を80℃で攪拌し、過ヨウ素酸(15.2g、66mmol)を水(50mL)で溶解させた水溶液を加え、続いてヨウ素(33.8g、133mmol)を加え、80℃で12時間攪拌した。氷冷した反応液を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液に加え、水層をジクロロメタンで3回抽出し、有機層をあわせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、トルエン、ヘキサン、シリカゲルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル30g、移動相:トルエン/ヘキサン)により精製した。溶媒を減圧留去後、9,10-ジヒドロフェナントレンを減圧留去することにより、2-ヨード-9,10-ジヒドロフェナントレン(46.0g、収率45%)を得た。
Figure 0007367503000029
2-ヨード-9,10-ジヒドロフェナントレン(45.0g、147mmol)、クロロホルム(300mL)溶液を攪拌、遮光、氷冷し、塩化鉄(III)(0.4g、2mmol)、臭素(47g、294mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。氷冷した反応液を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液に加え、水層をジクロロメタンで2回抽出し、有機層をあわせ、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、ジクロロメタン、シリカゲルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル30g、移動相:ジクロロメタン)により精製した。溶媒を減圧留去後、トルエン/ヘキサン/エタノールで再結晶することにより2-ブロモ-7-ヨード-9,10-ジヒドロフェナントレン(43.6g、収率77%)を得た。
Figure 0007367503000030
窒素雰囲気下、2-ブロモ-7-ヨード-9,10-ジヒドロフェナントレン(43.6g、113mmol)、AIBN(0.4g,2mmol)、NBS(24.2g,136mmol)、四塩化炭素(500mL)の混合物を撹拌し、5時間加熱還流させた。反応液に水を加え、析出した固体をろ過により得、水、60℃の水、メタノールで洗浄した。得られた固体をトルエン/ヘキサン/エタノールで洗浄し、さらにTHF/ヘキサンで再結晶することにより、2-ブロモ-7-ヨードフェナントレン(27.8g、収率64%)を得た。
Figure 0007367503000031
窒素雰囲気下、2-ブロモ-7-ヨードフェナントレン(10.0g、26mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.6g、0.5mmol)、ヨウ化銅(I)(0.2g、1mmol)、トリエチルアミン(30mL)、DMF(50mL)の混合物に対し、75℃で4-エチニル-1,2-ジフルオロベンゼン(3.6g、26mmol)のDMF(40mL)溶液を滴下し、75℃で加熱させながら3時間撹拌した。反応液に水を注ぎ、水層をトルエンで3回抽出し、有機層をあわせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、トルエン、シリカゲルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル30g、移動相:トルエン)により精製した。溶媒を減圧留去後、アセトン/メタノール、トルエン/エタノールで再結晶することにより、2-ブロモ-7-((3,4-ジフルオロフェニル)エチニル)フェナントレン(6.4g、収率64%)を得た。
Figure 0007367503000032
窒素雰囲気下、2-ブロモ-7-((3,4-ジフルオロフェニル)エチニル)フェナントレン(6.4g、16mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.6g、0.5mmol)、ヨウ化銅(I)(0.3g、1.5mmol)、トリエチルアミン(120mL)、THF(180mL)の混合物に対し、60℃で1-ヘキシン(4.6g、48mmol)を滴下し、加熱還流させながら5時間撹拌した。反応液に水を注ぎ、水層をトルエンで3回抽出し、有機層をあわせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、トルエン、シリカゲルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル30g、移動相:トルエン)により精製した。溶媒を減圧留去後、酢酸エチル/メタノール、トルエン/ヘキサンで再結晶することにより、2-((3,4-ジフルオロフェニル)エチニル)-7-(1-ヘキシン-1-イル)フェナントレン(1.2g、収率19%)を得た。
Cr 217 SmA 231 Iso
(実施例2)
Figure 0007367503000033
窒素雰囲気下、2-ブロモ-7-ヨードフェナントレン(20.0g、52mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.2g、1.0mmol)、ヨウ化銅(I)(0.4g、2mmol)、トリエチルアミン(60mL)、DMF(100mL)の混合物に対し、75℃で1-ブチル-4-エチニルベンゼン(8.2g、52mmol)のDMF(80mL)溶液を滴下し、75℃で加熱させながら3時間撹拌した。反応液に水を注ぎ、水層をトルエンで3回抽出し、有機層をあわせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、トルエン、シリカゲルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60g、移動相:トルエン)により精製した。溶媒を減圧留去後、アセトン/メタノール、トルエン/エタノールで再結晶することにより、2-ブロモ-7-((4-ブチルフェニル)エチニル)フェナントレン(15.0g、収率64%)を得た。
Figure 0007367503000034
窒素雰囲気下、2-ブロモ-7-((4-ブチルフェニル)エチニル)フェナントレン(7.5g、18mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.6g、0.5mmol)、ヨウ化銅(I)(0.3g、1.5mmol)、トリエチルアミン(120mL)、THF(180mL)の混合物に対し、60℃で1-ペンチル-4-エチニルベンゼン(9.3g、54mmol)を滴下し、加熱還流させながら5時間撹拌した。反応液に水を注ぎ、水層をトルエンで3回抽出し、有機層をあわせ、水、10%塩酸、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、トルエン、シリカゲルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50g、移動相:トルエン)により精製した。溶媒を減圧留去後、トルエン/エタノール、トルエン/ヘキサン、酢酸エチルで洗浄した。ジクロロメタンに溶解し、アンモニア水で洗浄、QuadraSilMP(ジョンソン・マッセイ社製)、活性炭(和光純薬工業製)を加えて40℃で1時間攪拌した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル15g、移動相:ジクロロメタン)により精製し、溶媒を減圧留去後、ジクロロメタン、酢酸エチルで洗浄することにより、2-((4-ブチルフェニル)エチニル)-7-((4-ペンチルフェニル)エチニル)フェナントレン(3.4g、収率37%)を得た。
Cr 238 N >350 Iso
(実施例3)
Figure 0007367503000035
窒素雰囲気下、2-ブロモ-7-((4-ブチルフェニル)エチニル)フェナントレン(7.5g、18mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.6g、0.5mmol)、ヨウ化銅(I)(0.3g、1.5mmol)、トリエチルアミン(120mL)、THF(180mL)の混合物に対し、60℃で6-エチニル-1,2,3,-トリフルオロナフタレン(11.1g、54mmol)を滴下し、加熱還流させながら7時間撹拌した。反応液に水を注ぎ、水層をトルエンで3回抽出し、有機層をあわせ、水、10%塩酸、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、トルエン、シリカゲルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル30g、移動相:トルエン)により精製した。溶媒を減圧留去後、トルエン/エタノール、トルエン/ヘキサン、酢酸エチルで洗浄した。ジクロロメタンに溶解し、アンモニア水で洗浄、QuadraSilMP(ジョンソン・マッセイ社製)、活性炭(和光純薬工業製)を加えて40℃で1時間攪拌した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル10g、移動相:ジクロロメタン)により精製し、溶媒を減圧留去後、ジクロロメタン、酢酸エチルで洗浄することにより、2-((4-ブチルフェニル)エチニル)-7-((5,6,7,-トリフルオロナフタレン-2-イル)エチニル)フェナントレン(2.4g、収率25%)を得た。
(実施例4)
Figure 0007367503000036
窒素雰囲気下、2-ブロモ-7-ヨードフェナントレン(10.0g、26mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.6g、0.5mmol)、ヨウ化銅(I)(0.2g、1mmol)、トリエチルアミン(30mL)、DMF(50mL)の混合物に対し、75℃で2-クロロ-4-エチニル-1-イソチオシアナトベンゼン(3.6g、26mmol)のDMF(40mL)溶液を滴下し、75℃で加熱させながら5時間撹拌した。反応液に水を注ぎ、水層をトルエンで3回抽出し、有機層をあわせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、トルエン、シリカゲルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル30g、移動相:トルエン)により精製した。溶媒を減圧留去後、アセトン/メタノールで再結晶することにより、2-ブロモ-7-((3-クロロ-4-イソチオシアナトフェニル)エチニル)フェナントレン(6.5g、収率58%)を得た。
Figure 0007367503000037
窒素雰囲気下、2-ブロモ-7-((3-クロロ-4-イソチオシアナトフェニル)エチニル)フェナントレン(6.5g、15mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.6g、0.5mmol)、ヨウ化銅(I)(0.3g、1.5mmol)、トリエチルアミン(120mL)、THF(180mL)の混合物に対し、60℃で1-ヘキシン(4.6g、48mmol)を滴下し、加熱還流させながら8時間撹拌した。反応液に水を注ぎ、水層をトルエンで3回抽出し、有機層をあわせ、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、トルエン、シリカゲルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル20g、移動相:トルエン)により精製した。溶媒を減圧留去後、トルエン/ヘキサン、酢酸エチル/エタノールで再結晶することにより、2-((3-クロロ-4-イソチオシアナトフェニル)エチニル)-7-(1-ヘキシン-1-イル)フェナントレン(1.0g、収率15%)を得た。
(比較例1)
Figure 0007367503000038
窒素雰囲気下、2-エチル-1,4-ジヨードベンゼン(30.0g、84mmol)、トリエチルアミン(10.2g、100mmol)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(12.7g、84mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.6g、0.5mmol)、ヨウ化銅(I)(0.1g、0.5mmol)、THF(100mL)の混合物に対し、室温で1-ブチル-4-エチニルベンゼン(29.2g、184mmol)のTHF(40mL)溶液を滴下し、加熱還流させながら3時間撹拌した。反応液を水に注ぎ、水層をトルエンで2回抽出し、有機層をあわせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、トルエン、シリカゲルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50g、移動相:トルエン)により精製した。溶媒を減圧留去後、トルエン/ヘキサンで再結晶することにより、1,4-ビス((4-ブチルフェニル)エチニル)-2-エチルベンゼン(28.8g、収率82%)を得た。
(液晶組成物の調製と評価)
以下の物性値を示す母体液晶(LC-1)を調製した。値はいずれも実測値である。
n-i(ネマチック相-等方性液体相転移温度):74.0℃
Δε(25℃における誘電率異方性) :5.13
Δn(25℃における屈折率異方性) :0.141
γ (25℃における回転粘性係数):98
この母体液晶(LC-1)に対して、実施例1、2、3、4及び比較例1で得た(P-1)、(P-2)、(P-3)、(P-4)及び化合物(C-1)を0%、1%、3%加えた液晶組成物を調製した。最小二乗法を用いた100%における外挿値を以下に示す。実施例1、2、3、4及び比較例1を比較する事により、本願化合物は高いΔn及び高いTniを示すことから、液晶組成物に添加した際にΔnおよびTniを効果的に上昇させる事が判明した。
Figure 0007367503000039

Claims (12)

  1. 下記の一般式(I)
    Figure 0007367503000040
    (式中、
    は炭素原子数1から20の直鎖状アルキル基を表し、
    はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、チオイソシアノ基又は炭素原子数1から20の直鎖状アルキル基を表し、
    は1,4-フェニレン基を表し、
    は1,4-フェニレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基又はナフタレン-1,4-ジイル基を表し、
    これらの基は無置換であるか又は1つ以上の置換基Lによって置換されていても良く、
    及びLフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は炭素原子数1から20の直鎖状アルキル基を表し、
    及びZ単結合を表し、
    nは1を表し、
    mは0又は1を表し、
    pは0からの整数を表し、
    又はL が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良い。
    ただし、-(A-Z)m-Rで表される構造と、-(A-Z)n-Rで表される構造とは同一の構造ではない。)
    で表される化合物。
  2. がチオイソシアノ基を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. pが0を表す、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 及びA が無置換であるか又は1つ以上の置換基Lによって置換されていても良い1,4-フェニレン基を表す、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物を含む液晶組成物。
  6. 一般式(A1)から(A3)
    Figure 0007367503000041
    (式中、
    は炭素原子数1~12のアルキル基を表し、
    これらは直鎖状であってもメチルまたはエチル分岐を有していてもよく、3~6員環の環状構造を有していてもよく、
    基内に存在する任意の-CH-は-O-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-により置換されていてもよく、
    基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子またはトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、
    分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよく、
    環A、環B及び環Cはそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基またはピリジン-2,5-ジイル基を表し、
    、L及びLはそれぞれ独立的に単結合、エチレン基(-CHCH-)、1,2-プロピレン基(-CH(CH)CH-及び-CHCH(CH)-)、1,4-ブチレン基、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-N=N-、-C=N-N=C-、-CH=N-又は-N=CH-を表し、
    環Zは一般式(La)~(Lc)で表される置換基を表し、
    Figure 0007367503000042
    (式中、
    ~Yはそれぞれ独立的に水素原子あるいはフッ素原子を表し、
    はフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基を表し、
    一般式(A1)から(A3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環AやL等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表してもよい。)
    で表される化合物を1種又は2種以上含有する、請求項5に記載の液晶組成物。
  7. 一般式(B1)から(B3)
    Figure 0007367503000043
    (式中、
    は炭素原子数1~12のアルキル基を表し、
    これらは直鎖状であってもメチル又はエチル分岐を有していてもよく、
    3~6員環の環状構造を有していてもよく、
    基内に存在する任意の-CH-は-O-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-により交換されていてもよく、
    基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、
    分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよく、
    環D、環E及び環Fはそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基又はピリジン-2,5-ジイル基を表し、
    、L及びLはそれぞれ独立的に単結合、エチレン基(-CHCH-)、1,2-プロピレン基(-CH(CH)CH-及び)-CHCH(CH)-)、1,4-ブチレン基、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-OCH-、-CHO-、-N=N-、-C=N-N=C-、-CH=N-又は-N=CH-を表し、
    環Yは以下の一般式(L)~(L)で表される置換基を表し、
    Figure 0007367503000044
    (式中、
    ~Yはそれぞれ独立的に水素原子あるいはフッ素原子を表す。)
    末端基Pはシアノ基(-CN)、シアナト基(-OCN)又は-C≡CCNを表し、
    一般式(B1)から(B3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環DやL等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表しても良い。)
    で表される化合物を1種又は2種以上含有する請求項5~6のいずれか一項に記載の液晶組成物。
  8. 一般式(C1)から(C3)
    Figure 0007367503000045
    (式中、
    及びPはそれぞれ独立的に炭素原子数1~12のアルキル基を表し、
    これらは直鎖状であってもメチル又はエチル分岐を有していてもよく、
    3~6員環の環状構造を有していてもよく、
    基内に存在する任意の-CH-は-O-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-により交換されていてもよく、
    基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよく、
    環G、環H、環I及び環Jはそれぞれ独立的に、トランス-1,4-シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、1~2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-シクロヘキセニレン基、1,3-ジオキサン-トランス-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基又はピリジン-2,5-ジイル基を表し、
    、L及びLはそれぞれ独立的に単結合、エチレン基(-CHCH-)、1,2-プロピレン基(-CH(CH)CH-及び)-CHCH(CH)-)、1,4-ブチレン基、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CH=CF-、-CF=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-N=N-、-C=N-N=C-、-CH=N-又は-N=CH-を表し、
    なお一般式(C1)から(C3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環GやL等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表してもよく、
    一般式(C1)から(C3)においては本発明の一般式(A1)から(A3)を除く。)
    で表される化合物を1種又は2種以上含有する請求項5~7のいずれか一項に記載の液晶組成物。
  9. 屈折率異方性が0.15以上である、請求項5~8のいずれか一項に記載の液晶組成物。
  10. 誘電率異方性が2以上である、請求項5~8のいずれか一項に記載の液晶組成物。
  11. 酸化防止剤、紫外線防止剤、カイラル剤、帯電防止剤及び二色性色素の少なくともいずれか1つを1種又は2種以上含有する請求項5~10のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  12. 請求項5~11のいずれか一項に記載の液晶組成物を使用した高周波数素子、アンテナ、液晶表示素子、液晶レンズ又は立体画像表示用複屈折レンズ。
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