JP7327944B2 - ラテックス凝集法による目的物質の測定方法、およびその試薬 - Google Patents

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Description

本発明は、ラテックス凝集法による目的物質の測定方法、およびその試薬に関する。さらに詳しくは、散乱光強度測定と吸光度測定を組み合わせたラテックス粒子増強免疫凝集測定方法、およびその試薬に関する。
ラテックス粒子を利用した免疫測定法は、血清、血漿、尿などの体液に含まれる測定対象の目的物質の定量方法として臨床検査に応用され、自動分析装置を用いることにより簡便・迅速に測定が行えるため広く普及している。
近年は、さらなる測定性能の向上を目的とした応用技術が提案されている。例えば、目的物質が低濃度域の測定では強いシグナルが得られる短い波長で、高濃度域の測定では分析装置のシグナル検出範囲の上限を超えないよう長い波長を用いてシグナルの絶対値を抑制するというものである(特許文献1)。しかしながら、ラテックス微粒子溶液の濁度には波長依存性があり、長波長になるほどシグナルが低下することは公知の事実であり、ある光学的変化に対し、波長の選択によってシグナルの大小を調整して分析装置に適合させているにすぎない当該方法では、粒子増強免疫凝集測定方法における精度ならびにダイナミックレンジに関する欠点を補うほどの劇的な改善効果は期待できない。
また、粒子増強免疫凝集測定法において、一つの測定に散乱光強度測定と吸光度測定を併用することにより高感度かつダイナミックレンジの広い測定ができるというものもある(特許文献2)。しかしながら、散乱光強度測定は低濃度域の範囲を増大させられるが、効果を得る為には正しい粒子径を選択しなければならないことが文献内で記述されている(特許文献3)。粒子径が300nm以下になると散乱光強度測定の効果が得られないことが記述されている。つまり、該手法の様に低濃度域の範囲を増大可能な散乱光強度測定の特徴を活かす粒子径を選択することは、高濃度域の測定が可能な吸光度測定の設計範囲を狭めることとなり、ダイナミックレンジの増大と言えるほどの劇的な効果が達成できないこととなる。
更に、平均粒径の異なる2種類以上のラテックス粒子に抗体を感作して用いる測定法(特許文献4)によれば広い濃度範囲に及ぶ測定が可能となる。平均粒子径が単一のラテックス粒子にポリクローナル抗体とモノクローナル抗体を併せて用いる方法(特許文献5)によれば、同様な効果が得られる。また、低反応性の抗体をコーティングさせた小さい粒径の粒子と高反応性の抗体をコーティングさせた大きい粒径の粒子を用いる測定法(特許文献6、特許文献7)などが提案されている。しかしながら、これらの文献に記載された方法は、吸光度測定のみを対象とした設計であり、低濃度域の範囲を増大させる散乱光強度測定に適したものとなっていない。つまり、低濃度域の範囲増大が可能な散乱光強度測定の利点、および高濃度域の測定が可能な吸光度測定の利点の双方を享受可能な、ダイナミックレンジを増大させる真の試薬設計は明示されていない。
また、ラテックス粒子増強免疫凝集法で所望の低濃度領域の測定を達成する為、試薬量に対する検体量比(本明細書及び特許請求の範囲において「検体量濃度」と呼ぶ)を増加する傾向が問題点として指摘されている。検体量濃度を増すと、見掛け上、反応試薬中の抗原濃度を増すことが出来る。これにより、低濃度検体の測定精度を高める効果が得られる。しかしながら、検体量濃度を増すと目的物質以外の成分も増加することから、目的物質以外を測定してしまう(非特異)反応が生じる可能性が増し、誤った判定(偽陽性)を下す原因となりうる。
特開平08-043393号公報 WO2014-192963号公報 特開2013-64705号公報 特許第2588174号公報 特開平10-90268号公報 特開平11-108929号公報 特許第3513075号掲載公報
本発明の目的は、低濃度領域及び高濃度領域のいずれにおいても正確な測定を可能とする、ラテックス凝集法による目的物質の測定方法、およびその試薬を提供することである。
本願発明者は、鋭意研究の結果、吸光度測定と散乱光測定を併用するとともに、特定の範囲の体積平均粒子径を持ち、かつ、小さなラテックス粒子の濃度が所定値以下であるラテックス粒子を特定の濃度範囲で用いることにより、低濃度領域及び高濃度領域のいずれにおいても正確な測定を可能となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 感作ラテックス粒子の浮遊液と前記目的物質とを反応させ、次いで、前記感作ラテックス粒子の凝集を、光学的変化量から測定することを含む、ラテックス凝集法による目的物質の測定方法であって、前記感作ラテックス粒子の感作前の体積平均粒子径が80nm~335nmであり、反応系中の前記感作ラテックス粒子の終濃度が0.005~0.10w/v%であり、前記感作ラテックス粒子の感作前の粒子径が80nm以下の粒子の反応系中の終濃度が0.09w/v%以下であり、前記光学的変化量が、吸光度変化量と散乱光変化量である、方法。
(2) 前記吸光度変化量及び前記散乱光変化量の測定を、前記感作ラテックス粒子の感作前の体積平均粒子径の1~10倍の範囲の波長の光を用いて行う、(1)記載の方法。
(3) 前記吸光度変化量の測定波長は、500~900nmの範囲内で選択された2つの波長を用い、更に選ばれた2つの測定波長は主波長と、該主波長よりも長い副波長を用い、更に、前期散乱光変化量は500~900nmの範囲内で選択された1つの波長を用いる(1)又は(2)記載の方法。
(4) 前記目的物質について、達成すべき測定値の下限値と上限値が規定により定められている場合、吸光度測定のみで該下限値を達成するために必要な最小の検体量濃度の0.7倍以下の検体濃度で行う、(1)~(3)のいずれか1項に記載の方法。
(5) 前記散乱光変化量の測定における散乱角が10°~30°の範囲内で少なくとも1種の散乱が測定される、(1) ~(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6) 感作ラテックス粒子の浮遊液と前記目的物質とを反応させ、次いで、前記感作ラテックス粒子の凝集を、吸光度変化量と散乱光変化量から測定することを含む、ラテックス凝集法による目的物質の測定試薬であって、前記感作ラテックス粒子の感作前の体積平均粒子径が80nm~335nmであり、反応系中の前記感作ラテックス粒子の終濃度が0.005~0.10w/v%であり、前記感作ラテックス粒子の感作前の粒子径が80nm以下の粒子の反応系中の終濃度が0.09w/v%以下である、試薬。
(7) 感作前の前記感作ラテックス粒子の体積平均粒子径が前記吸光度変化量及び前記散乱光変化量の測定波長の1~1/10の範囲である、(6)に記載の試薬。
本発明のラテックス凝集法によれば、自動分析装置を用いて、低濃度領域及び高濃度領域のいずれにおいても正確な測定を可能となる。
本発明の方法に用いることができる、自動分析装置の概略を示す図である。
本発明の方法は、基本的に、ラテックス凝集法と呼ばれる周知の方法の一種であり、本発明の方法では、ラテックス粒子の凝集の程度の測定を吸光度変化量と、散乱光変化量の測定により行うものである。例えば、本発明の一実施形態では、これは次のようにして行うことができる。
すなわち、一実施形態の方法では、測定対象の目的物質を含む試料溶液と、目的物質との結合パートナーを担持したラテックス粒子を含む溶液とを混合して混合液を調製する工程と;
第1、第2の時点間の散乱光強度差から混合液の(イ)散乱光強度の変化量を測定する工程と;
第3、第4の時点間の吸光度差から混合液の(ロ)吸光度の変化量を測定する工程と;
測定された(イ)散乱光強度の変化量および(ロ)吸光度の変化量を、散乱光強度変化量に基づく検量線および吸光度変化量に基づく検量線を用いて試料中の目的物質の存在量と関連付ける工程と;を有する。本実施形態によれば、このような工程を有することから、実質的に低濃度から高濃度までを包含する検量線を得ることができ、高感度かつダイナミックレンジの広い粒子増強免疫凝集測定を行うことができる。
ここで、第1、第2、第3、第4の時点は混合液の調製開始から1000秒後までの間からそれぞれ選ばれることが好ましい。混合液の調製開始から1000秒以内とすることにより、測定試薬設計の自由度を確保しながら所望の感度と所望のダイナミックレンジの両方を満たすことが可能となるからである。また、(イ)散乱光強度の変化量および(ロ)吸光度の変化量の測定は、500から900nmの波長の範囲内でおこなうことが好ましい。
以下に、本実施形態に用いられるラテックス粒子や目的物質等の説明を交えながら、実施形態にかかるラテックス粒子増強免疫凝集測定法について詳しく説明していく。なお、以下の説明において、「一つの測定」とは、一つの反応槽において行われる一連の反応と測定を意味する。自動分析装置における測定を例にとれば、第一試液と試料との混合と、それに引き続く第二試液(目的物質との結合パートナーを担持したラテックス粒子を含む溶液)の添加混合、散乱光強度の変化量の測定および吸光度の変化量の測定を一つの反応槽で行うことを意味する。また、本発明における「目的物質を含む試料溶液」には、上記のように第一試液(緩衝液)と混合され希釈された検体溶液も含まれるものとする。
(ラテックス粒子)
本発明の方法に用いられるラテックス粒子は、従来から広く用いられている、例えばポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-スチレンスルホン酸塩共重合体などを用いることができる。このようなラテックス粒子は市販されているので、市販品を好ましく用いることができる。市販品は、ラテックス粒子の粒径が極めて均一に揃っており、粒子径を明記して市販されているラテックス粒子は、全粒子が、明記された粒子径を持つと近似的に考えることができ、粒子径が異なる2種以上のラテックス粒子を用いる場合の、下記の体積平均粒子径の計算も、この近似に基づき計算することができる。
用いるラテックス粒子は、複数の粒子径で構成されるもので構わないが、結合パートナーを感作する前(本明細書及び特許請求の範囲において、単に「感作前」と呼ぶことがある)の体積平均粒子径aが80~335nmの範囲であり、好ましくは100~300nmの範囲である。体積平均粒子径aは、下記の数式1で求められ、第1成分の粒子径a(nm)と同成分の粒子内比率n(%)、第2成分の粒子径a(nm)と同成分の粒子内比率n(%)、第n成分の粒子径a(nm)と同成分の粒子内比率n(%)から求められる。体積平均粒子径aが80nm未満だと抗原抗体反応によって生じるラテックス粒子の凝集塊の大きさが小さくなり、目的物質の低濃度域の測定で十分な精度が得られなくなる。また、体積平均粒子径が335nmを超えると、凝集塊が大きくなり過ぎて、粒子の沈降等を生じてしまい、高濃度域の測定が困難になる。
Figure 0007327944000001
また、反応系中の感作ラテックス粒子の終濃度は、0.005~0.10w/v%の範囲、好ましくは、0.010~0.090w/v%の範囲である。0.005w/v%未満となると、粒子数が不足し、高濃度域の想定が難しくなる。逆に、粒子濃度が0.10w/v%を超えると、初期状態の光学量(吸光度)が大きくなり、光学変化量の測定上限との差が取り難くなるため、高濃度域の測定が難しくなる。
更に、感作前のラテックス粒子の粒子径が80nm以下のラテックス粒子は0.09w/v%以下、好ましくは、0.05w/v%以下である。80nm以下の粒子が0.09w/v%を超えると、多重散乱を発生し、散乱光変化量の測定精度を低下させてしまう。
(検体)
本発明の方法は、種々の生体試料を測定対象とすることが可能であり、特に限定されないが、例えば血液、血清、血漿、尿などの体液である。
目的物質の測定下限値と上限値は、臨床的な意義だけでなく、各測定方法(免疫比濁法、ラテックス凝集法、化学発光免疫法、蛍光免疫法、等)の技術的な理由からある種の業界標準的な測定範囲として決定されている場合がある。例えば、下記実施例で測定しているラテックス凝集法のCRP(C反応性タンパク質)では、下限値0.01mg/dL、上限値32mg/dLが業界標準となっている。各社が販売している各検査キットを用いて測定を行う場合、測定値がこの下限値以上で且つ上限値を満足するように、検体量濃度を設定する必要がある。本発明の方法により目的物質を測定する場合、吸光度測定のみで該下限値を達成するために必要な最小の検体量濃度(検体量濃度B)の0.7倍以下の検体量濃度(検体量濃度A)で行うことが好ましい。下限値の達成と上限値の達成は相反的であり、下限値は、検体量濃度を高くすることにより達成し易くなるが、下限値を達成するために検体濃度を高くすると、検体によっては上限値を満足しないものが出てくる可能性が高くなる。本発明の方法によれば、従来の吸光度測定のみによって下限値を達成するのに必要な最小の検体量濃度Bの0.7倍以下の検体量濃度Aで測定を行うことが可能であり、このように検体量濃度を下げると、上限値を向上させることができるので有利である。すなわち、検体量濃度を0.7倍以下とすることで、高感度な散乱光検出による最小検出感度向上の効果を享受しつつ、高濃度測定域上限を大幅に向上させるという効果を達成出来る。0.7倍超とすると、最小検出感度は向上するが、高濃度測定域上限の向上効果が十分に得られなくなることがある。
(測定対象の目的物質)
本発明の方法の測定対象となる目的物質は、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、糖、核酸、ハプテンなど、理論的にラテックス粒子増強免疫凝集測定法により測定可能な分子であれば特に制限はない。例としてCRP(C反応性タンパク質)、Lp(a)(リポプロテイン(a))、MMP3(マトリクスメタロプロテイナーゼ3)、抗CCP(環状シトルリン化ペプチド)抗体、抗リン脂質抗体、抗梅毒抗原抗体、RPR、IV型コラーゲン、PSA、AFP、CEA、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)、NT-proBNP、インスリン、マイクロアルブミン、シスタチンC、RF(リウマチ因子)、CA―RF、KL-6、PIVKA―II、FDP、Dダイマー、SF(可溶性フィブリン)、TAT(トロンビン-アンチトロンビンIII複合体)、PIC、PAI、XIII因子、ペプシノーゲンI・IIや、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、バルプロ酸、テオフィリンなどが挙げられる。
(結合パートナー)
本発明の粒子増強免疫凝集測定法に供される結合パートナーとしては、対象の目的物質に結合する物質としてタンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、糖、核酸、ハプテンなどが挙げられるが、特異性および親和性から抗体、その抗原結合性断片や、抗原の利用が一般的である。また分子量の大小、天然や合成といった由来に特に制限はない。
(測定試薬)
本発明の方法に供される測定試薬の構成に関して特に制限はないが、臨床検査の分野で汎用される自動分析装置での使用を考慮した場合、緩衝液からなる第一試液(R1)と目的物質に対する結合パートナーを担持したラテックス粒子を含む第二試液(R2)の2液で構成された測定試薬が一般的である。
なお、本発明の測定試薬は吸光度変化量と散乱光変化量をそれぞれ単独で測定することもできる。
(測定試薬の成分)
本発明の方法に用いられる測定試薬の成分は、反応の主成分である結合パートナーを感作(担持)したラテックス粒子の他に、試料のイオン強度や浸透圧などを緩衝する成分として、例えば、酢酸、クエン酸、リン酸、トリス、グリシン、ホウ酸、炭酸、及びグッドの緩衝液や、それらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などを含んでもよい。また凝集形成を増強する成分としてポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、リン脂質ポリマーなどの高分子を含んでもよい。また、凝集の形成をコントロールする成分として高分子物質、タンパク質、アミノ酸、糖類、金属塩類、界面活性剤類、還元性物質やカオトロピック物質など汎用される成分を1種類、または複数の成分を組合せて含んでもよい。また消泡成分を含んでもよい。
(分析装置)
本発明の方法には、測定に要する総反応時間が10分以内と迅速かつ簡便な自動分析装置の利用が適しており、特に特開2013-64705号公報に開示されるような、散乱光強度と吸光度をほぼ同時に測定できる自動分析装置が好適である。もっとも、本発明の方法は、自動分析装置を用いる方法に限定されるものではない。
本発明の方法に用いることができる、自動分析装置の好適な一例の全体概略構成を図1に示す。図1中、自動分析装置1は、検体ディスク10、反応ディスク20、試薬ディスク30、検体分注機構41、試薬分注機構42、コンピュータ100、インタフェース回路101等を備える。検体ディスク10には駆動部12を備える。反応ディスク20には駆動部22を備える。試薬ディスク30には駆動部32を備える。また、反応ディスク20には、吸光光度計44と散乱光度計45との2種類の光度計が設置されている。また、反応ディスク20には、恒温槽28を備える。また、反応ディスク20には、撹拌部43や洗浄部46等が設置されている。
コンピュータ100は、分析制御部50、記憶部70、出力部71、入力部72等を備える。分析制御部50は、信号線等を含むインタフェース回路101を通じて、各駆動部や各機構と接続されている。コンピュータ100は、例えばPCで構成されるが、これに限らず、LSI基板等の回路基板で構成されてもよいし、それらの組み合わせで構成されてもよい。記憶部70は、ROM、RAM、不揮発性記憶装置等の記憶装置で構成される。
検体ディスク10には、複数の検体カップ15が設置され保持されている。検体カップ15は、検体2を収容する検体容器である。各検体カップ15は、検体ディスク10のディスク本体11上に、周方向に沿って相互に離間させて並設されて保持されている。
検体ディスク10の駆動部12は、分析制御部50からの制御に従って検体ディスク10を駆動制御する。その際、駆動部12は、ディスク本体11を回動させて、複数の検体カップ15を周方向に沿って移動させる。検体ディスク10は、駆動部12の駆動制御によって、ディスク本体11に設置されている複数の検体カップ15のうちの1つの検体カップ15を、周方向に沿った所定位置に配置する。所定位置は、例えば検体分注機構41による検体吸入位置等である。
なお、図1の構成例では、検体ディスク10は、複数の検体カップ15がディスク本体11上に周方向に沿って一列の円周に配置されている。これに限らず、ディスク本体11の同心円状に複数列に検体カップ15が配置される構成としてもよい。また、図1の構成例では、ディスク方式の検体ディスク15を有するが、これに限らず、ラック方式としてもよい。ラック方式では、複数の検体容器が1次元または2次元で配列されて保持される検体ラックを用いる。
試薬ディスク30は、反応ディスク20の隣に設置されている。試薬ディスク30のディスク本体31には、複数の試薬ボトル35が設置され保持されている。試薬ボトル35は、試薬4を収容する試薬容器である。各試薬ボトル35は、ディスク本体31の周方向に沿って相互に離間させて並設されて保持されている。試薬ボトル35には、自動分析装置1での検査項目の目的成分物質に応じた種類の試薬4が収容されている。試薬4の種類毎に、別々の試薬ボトル35に収容されている。
試薬ディスク30の駆動部32は、分析制御部50からの制御に従って、ディスク本体31を回動させて、複数の試薬ボトル35を周方向に沿って移動させる。試薬ディスク30は、駆動部32の駆動制御によって、ディスク本体31に設置されている複数の試薬ボトル35のうちの使用する1つの試薬ボトル35を、試薬ディスク30の所定位置に配置する。所定位置は、例えば試薬分注機構42による試薬吸入位置等である。
試薬ディスク30には、冷却機構を備えた試薬保冷庫38が設けられている。ディスク本体31上に配置されている複数の試薬ボトル35は、ディスク本体31が回動しても、試薬保冷庫38の冷却環境に常時保持された状態で冷却される。これにより、試薬4の劣化防止が図られている。試薬保冷庫38の冷却機構としては、例えば、低温水を循環する方式、あるいはペルチェ素子により気相中にて冷却する方式等が用いられる。
反応ディスク20は、検体ディスク10と試薬ディスク30との間に設置されている。反応ディスク20のディスク本体21には、複数の反応容器25が設置され保持されている。反応容器25は、反応液3が作製される容器である。反応液3は、検体2と試薬4との混合液である。検体分注機構41によって反応容器25内に検体2が分注され、試薬分注機構42によって試薬4が分注され、その検体2と試薬4との混合液によって反応液3が作製される。各反応容器25は、ディスク本体21の周方向に沿って相互に離間させて並設されて保持されている。反応容器25は、吸光光度計44および散乱光度計45による測定のために、透光性材料により構成されている。反応ディスク20の駆動部22は、分析制御部50からの制御に従って、ディスク本体21を回動させて、複数の反応容器25を周方向に沿って移動させる。反応ディスク20は、ディスク本体21の回動によって、複数の反応容器25のうちの1つの反応容器25を、周方向に沿って設けられた所定位置に配置する。所定位置は、例えば検体分注機構41による検体吐出位置や、試薬分注機構42による試薬吐出位置等である。
反応ディスク20のディスク本体21上に配置されている複数の各々の反応容器25は、恒温槽28内の恒温槽水(恒温流体ともいう)に常時浸漬されている。これにより、反応容器25内の反応液3が一定の反応温度(例えば37℃程度)に保たれる。恒温槽28内の恒温槽水は、分析制御部50によって、温度および流量が制御され、反応容器25に供給される熱量が制御される。
反応ディスク20の周上および周付近には、検体分注機構41および試薬分注機構42に加え、互いの位置を異ならせて、撹拌部43、吸光光度計44、散乱光度計45、洗浄部46等が配置されている。
検体分注機構41は、検体ディスク10と反応ディスク20との間に設置されている。検体分注機構41は、検体ディスク10の検体吸入位置の検体カップ15から検体2を吸入し、反応ディスク20の検体吐出位置の反応容器25に吐出する動作である検体分注動作を行う。検体分注機構41は、可動アームや分注ノズルを備える。分注ノズルは、可動アームに取り付けられたピペットノズルから成る。検体分注機構41は、検体分注動作の際、分注ノズルを検体ディスク10上の検体吸入位置に移動させ、検体吸入位置に配置された検体カップ15から、分注ノズル内に所定量の検体2を吸入して収容する。その後、検体分注機構41は、分注ノズルを反応ディスク20上の検体吐出位置に移動させて、検体吐出位置に配置された反応容器25内に、分注ノズル内の検体2を吐出する。
試薬分注機構42は、試薬ディスク30と反応ディスク20との間に設置されている。試薬分注機構42は、試薬ディスク30の試薬吸入位置の試薬ボトル35から試薬4を吸入し、反応ディスク20の試薬吐出位置の反応容器25に吐出する動作である試薬分注動作を行う。分注される試薬4は、対象の検体2に対応して設定された分析項目(検査項目等とも呼ばれる)である目的成分物質の定量に用いられる試薬である。試薬分注機構42は、同様に、可動アームや分注ノズルを備える。試薬分注機構42は、試薬分注動作の際、分注ノズルを試薬ディスク30上の試薬吸入位置に移動させ、試薬吸入位置に配置された試薬ボトル35から分注ノズル内に所定量の試薬4を吸入して収容する。その後、試薬分注機構42は、分注ノズルを反応ディスク20上の試薬吐出位置に移動させて、試薬吐出位置に配置された反応容器25内に、分注ノズル内の試薬4を吐出する。
検体分注機構41および試薬分注機構42には、異なる種類の検体2あるいは試薬4の分注に備えて、それぞれ、洗浄槽46が設けられている。洗浄槽46は、分注ノズルを洗浄するための機構である。各分注機構は、各分注ノズルを、分注動作の前後に洗浄槽46で洗浄する。これにより、検体2同士あるいは試薬4同士のコンタミネーションが防止される。また、各分注機構の分注ノズルには、検体2あるいは試薬4の液面を検知するセンサが備え付けられている。これにより、検体2あるいは試薬4の不足による測定異常が監視および検知可能である。加えて、検体分注機構41には、分注ノズルの詰まりを検知する圧力センサが備え付けられている。これにより、検体2に含まれるフィブリン等の不溶性物質が分注ノズルに詰まることで発生する分注異常が監視および検知可能である。分析制御部50は、それらのセンサを含む機構を通じて、測定時の各種の異常等を監視および検知可能である。
撹拌部43は、反応ディスク20上の所定位置である撹拌位置に配置された反応容器25内の検体2と試薬4との混合液を撹拌する。これにより、反応容器25内の混合液は、均一に攪拌されて、その反応が促進され、反応液3として作製される。撹拌部43には、例えば攪拌翼を備える攪拌機、あるいは超音波を用いた攪拌機構を備える。
2種類の光度計における、第1種光度計として1つの吸光光度計44を有し、第2種光度計として1つの散乱光度計45を有する。吸光光度計44および散乱光度計45の各光度計は、基本的な構造として、光源および受光部を有する。各光度計の光源は、例えば、反応ディスク20の内周側に配置されており、各光度計の受光部は、反応ディスク20の外周側に配置されている。各光度計は、分析制御部50と接続されている。
吸光光度計44は、反応ディスク20上の所定位置である測定位置(特に第1測定位置)に配置された反応容器25の反応液3についての測定を行う。散乱光度計45は、反応ディスク20上の所定位置である測定位置(特に第2測定位置)に配置された反応容器25の反応液3についての測定を行う。図1の構成例では、吸光光度計44および散乱光度計45の2つの光度計は、反応ディスク20の周上で、反応ディスク20の回動中心を通る対角線上に対向する所定位置に設置されている。第1測定位置に対して吸光光度計44が、第2測定位置に対して散乱光度計45が配置されている。なお、周上、第1測定位置と第2測定位置との間の所定位置には、撹拌部43や洗浄部46が配置されている。
吸光光度計44は、光源から第1測定位置の反応容器25の反応液3に光を照射する。その際、吸光光度計44は、反応液3から得られる透過光を、受光部によって検出し、単一または複数の波長の透過光の光量または光強度の少なくとも一方(光量/光強度と記載する場合がある)を測定する。また、吸光光度計44は、その測定値に基づいて、所定の計算によって、濃度等の定量値を得てもよい。吸光光度計44は、測定値または計算値を含む信号を出力する。
散乱光度計45は、光源から第2測定位置の反応容器25の反応液3に光を照射する。その際、散乱光度計45は、反応液3から得られる散乱光を、受光部によって検出し、散乱光の光量または光強度の少なくとも一方(光量/光強度)を測定する。また、散乱光度計45は、その測定値に基づいて、所定の計算によって、濃度等の定量値を得てもよい。散乱光度計45は、測定値または計算値を含む信号を出力する。
洗浄部46は、反応ディスク20上の洗浄位置に配置された反応容器25についての洗浄を行う。洗浄部46は、測定および分析が終了した反応容器25から、残っている反応液3を排出し、その反応容器25を洗浄する。洗浄された反応容器25は再使用可能となる。すなわち、その反応容器25には、再び、検体分注機構41から次の検体2が分注され、試薬分注機構42から次の試薬4が分注されることになる。
(散乱角度)
本発明に用いられる散乱光強度測定の散乱角度に特に制限はないが、10°~35°にするのが望ましく、より好ましくは20°~30°である。散乱角度を前記の範囲にすることによって、散乱光を検知するための受光部において透過光の影響を強く受けず、また散乱光を受光する能力に関しても有利となる。
(散乱光強度測定)
本発明に用いられる散乱光強度測定の光源や照射光波長には特に制限はないが、ラテックス粒子の上記体積平均粒子径aの1~10倍が好適である。より好適な範囲としては1.5~5倍である。1倍未満だと、高濃度検体の測定精度が大幅に低下することがある。また10倍より大きくなると散乱光強度測定の利点である最小検出感度能が大幅に低下してしまうことがある。散乱光強度の変化量を測定する2時点の測光間隔に特に制限はなく、一般的には間隔が長い方がより高感度となる。前述の自動分析装置においては、測定対象の目的物質を含む試料溶液と、目的物質との結合パートナーを担持したラテックス粒子を含む溶液との混合直後から、最大1000秒までの任意の2時点における散乱光強度測定と吸光度測定の変化量を、それぞれ測定できるが、混合直後から300秒以内の2時点の散乱光強度の変化量と吸光度の変化量の両方をそれぞれ測定することにより、第一試液、第二試液を通じた一つの測定(一試料)あたりの総測定時間を10分以内とすることができ、市販されている各種自動分析装置の最大検体処理速度の利益を享受することができる。
(吸光度測定)
本発明に用いられる吸光度測定の波長に特に制限はないが、散乱光強度の測定と同様に、用いられるラテックス粒子の体積平均粒子径aの1~10倍が好適である。より好適な範囲としては1.4~8倍である。1倍未満だと、高濃度検体の測定精度が大幅に低下することがある。また10倍より大きくなると最小検出感度能が低下してしまうことがある。また、本発明に用いられる吸光度測定の波長としては、前記の範囲内において1波長測定あるいは、散乱光強度測定に用いる波長と比較して短波長側の主波長と、長波長側の副波長とを組合せた2波長測定を利用することができ、後者の方がより正確で好ましい。吸光度の変化量を測定する2時点の測光間隔に特に制限はなく、一般的には間隔が長い方がより高感度となる。
(変化量)
本発明に用いられる光量(散乱光強度および吸光度)の変化量は、2時点間の差や比、単位時間あたりの換算値など、ラテックス粒子増強免疫凝集測定法に適用可能な算出法であれば特に制限はない。
(目的物質の存在量と関連付ける工程)
本発明のラテックス粒子増強免疫凝集測定法においては、既知濃度の目的物質含有試料を用いて、散乱光強度測定、吸光度測定それぞれの検量線を個別に作成し、目的物質の低濃度域、つまり最小検出感度は高感度な散乱光強度測定の検量線、目的物質の高濃度域測定上限はダイナミックレンジの広い吸光度測定の検量線に基づき濃度を算出する。ダイナミックレンジが広い吸光度測定では、より広い濃度範囲で検量線を作成することができる。
(検出変動係数比)
検出変動係数比は低値標準物質の再現性測定におけるバラツキ度(変動係数)を吸光度測定値と散乱光測定値の比で導出したものとなる。
(高濃度域測定上限)
高濃度域測定上限とは測定可能な最大の目的物質量を意味する。本発明の方法の高濃度域測定上限は、目的物質濃度に比例した光量変化が検出できる範囲となる。必要な場合には、検体を適宜希釈することにより、適切な濃度とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1~3、および比較例1~9)
(調製例:単一粒子径によるCRP測定試薬の調製)
1.第2試液(R2):抗体結合ラテックス溶液の調製
抗CRPウサギポリクローナル抗体(特異抗体量(mg/mL)が抗体液中の総タンパク量(mg/mL)に対して17%含有される抗体液)をポリスチレンラテックス粒子に感作し、グリシン緩衝液中に分散浮遊し試薬を調製した。すなわち、試薬は、緩衝液(グリシン 170mM pH 6.0)中で抗体とポリスチレンラテックス粒子の規定量を混合し、室温で60分間十分に撹拌することにより感作を行い、その後、遠心操作により上清を除き、ウシ血清アルブミンを含むグリシン緩衝液によりポリスチレンラテックス粒子表面の抗体未感作部分のブロッキングを施し再び遠心操作により抗体感作ポリスチレンラテックス粒子を集め、グリシン緩衝液中にラテックス粒子を、ソニケーションを行って充分に分散浮遊させることにより調製し、第2試薬(抗体結合ラテックス溶液:R2)を得た。
2.第一試液(R1)の調製
200mMの塩化ナトリウム、1.0%のBSAを含む170mM グリシン緩衝液を調製し、第一試液とした。
3.標準試料
測定用試料として、ヒトCRP精製抗原を正常ヒト血清で希釈して調製したCRP標準品を用いた。CRP標準品は、血漿蛋白国際標準品CRM470に準拠して値付けされたもので、0.25、0.5、1、2、4、8、16、32、48、67、100mg/dLを用意した。0mg/dLとして生理食塩液を使用した。
(分析装置と測定条件)
特開2013-64705号公報記載の自動分析装置を用いて一つの測定について散乱光強度と吸光度両方の測定をおこなった。散乱光強度測定の各条件は、照射波長700nm、散乱角度20°、および30°とし、吸光度測定の各条件は、主波長570nm、副波長800nmの2波長として測定した。CRPを含む試料1.5μLにR1 122μLを添加撹拌して37℃で約300秒間インキュベーション後、R2 122μLを添加撹拌し、37℃で約300秒間インキュベーションしている間の任意の2時点間の光量の差から散乱光強度ならびに吸光度の変化量を算出した。
(検量線と試料測定)
CRPキャリブレーター(デンカ生研社製)を用いてスプライン演算した散乱光強度、吸光度それぞれに基づく検量線を用いて試料中のCRP濃度をそれぞれ算出した。なお検量線の濃度範囲は各測定条件下におけるダイナミックレンジに応じて都度選択した。
(測定中のラテックス粒子濃度と検体量濃度)
本測定では表1に示す様な粒子径、粒子濃度のラテックス粒子を使用した。また、検体量濃度は、0.62v%であった。
実施例1~3、および比較例1~9で用いた原料および得られた試薬を、以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
[検出変動係数比]
測定の精度管理に用いるCRPのコントロール血清(デンカ生研製)の低値側試料を1/20に生理食塩水で希釈したものを検体として吸光度、並びに散乱光強度それぞれを、各n=20測定した。得られたn=20の標準偏差から変動係数(CV)を測定方法別に求め、吸光度の変動係数(CVabs)を基準に、散乱光強度の変動係数(CVsc)の割合を求め、同値を検出変動係数比とした(式2)。検出変動係数比が1以下であれば、散乱光強度の変動係数が吸光度の変動係数よりも小さいことを表し、散乱光強度の利点である検出感度の向上が期待される指標となる。
Figure 0007327944000002
その結果、比較例1~8のラテックス粒子径60nm、および70nmを用いた試薬では、調整した何れの粒子濃度(0.074~0.350w/v%)でも検出変動係数比が1以上となり、散乱光検出系の利点である低値感度の向上が期待されない試薬組成であることが示唆された。
210nmのラテックス粒子を用いた試薬では、粒子濃度が0.008~0.033w/v%(実施例1~3)の範囲において、検出変動係数比が1以下となり、同粒子径、および濃度範囲においては散乱光検出系の利点である低値感度の向上が期待される試薬組成であることが示唆された。しかしながら、同じ210nmのラテックス径を用いても、粒子濃度が0.004w/v%(比較例9)では、検出変動係数比が1以上となった。
Figure 0007327944000003
Figure 0007327944000004
(実施例4~7)
実施例1~3、および比較例1~9で得られた結果が、CRP測定試薬に特有な結果であるかとの検証を目的に、異なる試薬項目で同様評価を行った。
(実施例4)
ラテックス上に担持する結合パートナーを抗シスタチンC(Cys-C)ポリクローナル抗体に変更し、且つ表3に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に第2試薬(R2)を作製し、測定を行った。得られた結果は表4に示す。検出変動係数比は1以下であり、粒子径、および粒子濃度共にCRP測定試薬中の評価(実施例1~3、および比較例1~9)で得られた範囲と同等であり、矛盾しないことを確認した。
(実施例5)
ラテックス上に担持する結合パートナーを抗ミオグロビン(Mb)ポリクローナル抗体に変更し、且つ表3に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に第2試薬(R2)を作製し、測定を行った。得られた結果は表4に示す。検出変動係数比は1以下であり、粒子径、および粒子濃度共にCRP測定試薬中の評価(実施例1~3、および比較例1~9)で得られた範囲と同等であり、矛盾しないことを確認した。
(実施例6)
ラテックス上に担持する結合パートナーを抗イムノグロブリンE(IgE)モノクローナル抗体に変更し、且つ表3に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に第2試薬(R2)を作製し、測定を行った。得られた結果は表4に示す。検出変動係数比は1以下であり、粒子径、および粒子濃度共にCRP測定試薬中の評価(実施例1~3、および比較例1~9)で得られた範囲と同等であり、矛盾しないことを確認した。
(実施例7)
ラテックス上に担持する結合パートナーを抗ミエロペルオキシダーゼ(MPO)ポリクローナル抗体に変更し、且つ表3に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に第2試薬(R2)を作製し、測定を行った。得られた結果は表4に示す。検出変動係数比は1以下であり、粒子径、および粒子濃度共にCRP測定試薬中の評価(実施例1~3、および比較例1~9)で得られた範囲と同等であり、矛盾しないことを確認した。
Figure 0007327944000005
Figure 0007327944000006
(実施例8~12、比較例10~17)
ラテックス上に担持する結合パートナーを抗CRPポリクローナル抗体にして、2種の異なる粒子径のラテックス粒子を用い、且つ表5に示す通りに各粒子濃度を変更した以外は、実施例1と同様に第2試薬(R2)を作製し、測定を行った。得られた結果は表6に示す。
用いた2種のラテックス粒子の小粒子径(60、70nm)側の濃度が0.35~0.15w/v%の範囲(比較例10~15)では、検出変動係数比が1以上となり、単一粒子系の場合(比較例1~9)と同様に散乱光計測の利点が発揮されない試薬組成であることが示唆された。
ラテックス粒子の小粒子径が100nmで、且つ粒子濃度が0.35~0.15w/v%の場合(比較例16~17、実施例12)、短波長570nm側の吸光度測定値が、測定上限の吸光度3.0を超えてしまい、測定不可(吸光度の変動係数は「ERROR」と表記)となった。よって、同範囲の検出変動係数比は算出不可となった。但し、同吸光度は、測定波長と反比例の関係が成り立ち、測定波長を570nmよりも長い波長で測定することで測定上限の3.0以下となり、検出変動係数比を算出することが可能となる可能性がある。小粒子径の粒子濃度が0.15w/v%の実施例12の散乱光計測の変動係数は、4.2%と十分低い値で有り、吸光度の波長選択により、検出変動係数比が1以下となる可能性は十二分に有ると見なせる。また、小粒子径(60、70、100nm)の粒子濃度が0.074w/v%(実施例8~11)では、検出変動係数比が1以下となり、散乱光検出系の利点が発揮される試薬設計であることが示唆された。
Figure 0007327944000007
Figure 0007327944000008
(実施例13、比較例18)
実施例8~12、および比較例10~17で得られた結果が、CRP測定試薬に特有な結果であるかとの検証を目的に、異なる試薬項目で同様評価を行った。
(実施例13)
ラテックス上に担持する結合パートナーを抗フェリチン(FER)ポリクローナル抗体に変更し、且つ表7に示す通りに変更した以外は、実施例9と同様に第2試薬(R2)を作製し、測定を行った。得られた結果は表8に示す。検出変動係数比は1以下であり、粒子径、および粒子濃度共にCRP測定試薬中の評価(実施例8~12、および比較例10~17)で得られた範囲と同等であり、矛盾しないことを確認した。
(比較例18)
ラテックス上に担持する結合パートナーを抗β2-ミクログロブリン(BMG)ポリクローナル抗体に変更し、且つ表7に示す通りに変更した以外は、実施例9と同様に第2試薬(R2)を作製し、測定を行った。得られた結果は表8に示す。検出変動係数比は1以上であり、粒子径、および粒子濃度共にCRP測定試薬中の評価(実施例8~12、および比較例10~17)で得られた範囲と同等であり、矛盾しないことを確認した。
Figure 0007327944000009
Figure 0007327944000010
(比較例19、実施例14)
実施例9の試薬を基準に、表9に示す通りに検体濃度を変更した以外は、同様に第2試薬(R2)を作製し、測定を行った。ただし、比較例19では、散乱光測定を行わず、吸光度測定のみを行った。本評価では追加の評価項目として、以下を追加した。得られた結果は表10に示す。
[高濃度域測定上限]
高濃度域測定上限は、検量線を得るために測定する目的物質の最大濃度とした。
その結果、実施例14では、比較例19から検体量を0.68割に減量しても、検出変動係数比は1以下であり、且つ高濃度域測定上限が、比較例19(32mg/dL)と比較し1.5倍の47mg/dL相当に増大するという臨床試薬として良好な結果を得た。
(比較例20、実施例15)
実施例14で得られた結果が、CRP測定試薬に特有な結果であるかとの検証を目的に、異なる試薬項目としてFER測定試薬で同様評価を行った。実施例13試薬を基準に、表9に示す通りに検体量を変更した以外は、同様に第2試薬(R2)を作製し、測定を行った。ただし、比較例20では、散乱光測定を行わず、吸光度測定のみを行った。得られた結果は表10に示す。
その結果、比較例20から検体濃度を0.29割に減量しても、検出変動係数比は1以下であり、且つ高濃度域測定上限が、比較例20(1000ng/mL)と比較し3.5倍の3500ng/mL相当に増大すると言う臨床試薬として良好な結果を得た。
Figure 0007327944000011
Figure 0007327944000012
表1~表10の結果から、本発明のラテックス粒子増強免疫凝集測定方法とその試薬は、感度(検出感度比)およびダイナミックレンジ(高濃度域測定上限)に優れることが分かった。
2 検体
3 反応液
4 試薬
10 検体ディスク
11 ディスク本体
12 駆動部
15 検体カップ
20 反応ディスク
21 ディスク本体
22 駆動部
25 反応容器
28 恒温槽
30 試薬ディスク
31 ディスク本体
32 駆動部
35 試薬ボトル
38 試薬保冷庫
41 検体分注機構
42 試薬分注機構
43 撹拌部
44 吸光光度計
45 散乱光度計
46 洗浄部(槽)
50 分析制御部
70 記憶部
71 出力部
72 入力部
100 コンピュータ
101 インタフェース回路

Claims (7)

  1. 感作ラテックス粒子の浮遊液と目的物質とを反応させ、次いで、前記感作ラテックス粒子の凝集を、光学的変化量から測定することを含む、ラテックス凝集法による目的物質の測定方法であって、前記感作ラテックス粒子の感作前の体積平均粒子径が80nm~335nmであり、反応系中の前記感作ラテックス粒子の終濃度が0.005~0.170w/v%であり、前記感作ラテックス粒子の感作前の粒子径が80nm以下の粒子の反応系中の終濃度が0.09w/v%以下であり、前記光学的変化量が、吸光度変化量と散乱光変化量である、方法。
  2. 前記吸光度変化量及び前記散乱光変化量の測定を、前記感作ラテックス粒子の感作前の体積平均粒子径の1~10倍の範囲の波長の光を用いて行う、請求項1記載の方法。
  3. 前記吸光度変化量の測定波長は、500~900nmの範囲内で選択された2つの波長を用い、更に選ばれた2つの測定波長は主波長と、該主波長よりも長い副波長を用い、更に、前期散乱光変化量は500~900nmの範囲内で選択された1つの波長を用いる請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記目的物質について、達成すべき測定値の下限値と上限値が規定により定められている場合、吸光度測定のみで該下限値を達成するために必要な最小の検体量濃度の0.7倍以下の検体量濃度で行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記散乱光変化量の測定における散乱角が10°~30°の範囲内で少なくとも1種の散乱が測定される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 感作ラテックス粒子の浮遊液と前記目的物質とを反応させ、次いで、前記感作ラテックス粒子の凝集を、吸光度変化量と散乱光変化量から測定することを含む、ラテックス凝集法による目的物質の測定試薬であって、前記感作ラテックス粒子の感作前の体積平均粒子径が80nm~335nmであり、反応系中の前記感作ラテックス粒子の終濃度が0.005~0.10w/v%であり、前記感作ラテックス粒子の感作前の粒子径が80nm以下の粒子の反応系中の終濃度が0.09w/v%以下である、試薬。
  7. 感作前の前記感作ラテックス粒子の体積平均粒子径が前記吸光度変化量及び前記散乱光変化量の測定波長の1~1/10の範囲である、請求項6に記載の試薬。
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