JP2005283250A - 金コロイド凝集反応の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金コロイド凝集反応を利用する測定において、自動分析装置での測定の測定精度および正確性を向上させる方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の金コロイド凝集反応の測定方法は、被測定物質と、該被測定物質と特異的に結合し得る物質が結合した金コロイド粒子とを溶液中で反応させ、反応開始後の吸光度変化を、610nm〜800nmで測定する工程を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金コロイド凝集反応の測定方法、すなわち感作金コロイド粒子と被測定物質との反応により金コロイド凝集を生じさせ、その反応の吸光度変化を測定する方法の改良法に関する。
近年、臨床検査などの各種検査では自動化および測定時間の短縮が図られている。その検査の方法として、生体試料中の物質を測定するために免疫反応を利用する測定方法が広く用いられている。免疫測定方法としては、RIA法、EIA法、免疫比濁法、ラテックス凝集法、金コロイド凝集法、イムノクロマト法などの多くの方法がある。その中でもラテックス凝集法や金コロイド凝集法は、反応液の分離や洗浄操作を必要としないため、測定の自動化や短時間での測定に適している。一般に測定に用いられる金コロイド粒子は5nm〜100nmの大きさであり、これはラテックス粒子より小さいため、より微量物質の測定に利用可能と思われる。
金コロイド凝集法を用いる測定は、種々知られており、生体試料の各種物質が測定されている(特許文献1および2、非特許文献1〜3)。これらの金コロイド凝集反応の測定では、いずれも、金コロイドの最大吸収を示す540nm付近の波長を測定波長としている。しかし、現在、それらの技術を用い、かつ臨床検査分野で普及している自動分析装置を利用して、10分間での測定が行われているが、さらに測定の感度や測定精度の面での向上が求められている。特に微量物質の測定を行う場合には、臨床的に求められる低濃度域での測定精度を向上させることが重要である。
特開平6−94719号公報 特開平6−118083号公報 Leuvering JH,Thal PJ,Van der Waart M,およびSchuurs AH,J.Immuno.Metho.,1981年,45巻,183−194頁 Leuvering JH,Thal PJ,White DD,およびSchuurs AH,J.Immuno.Metho.,1983年,62巻,163−174頁 Wielaard F,Denissen A,Van der Veen L,およびRutjes I,J.Virolo.Metho.,1987年,17巻,149−158頁
本発明は、金コロイド凝集反応を利用する測定において、自動分析装置での測定の測定精度および正確性を向上させる方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、金コロイド凝集反応の反応開始後の吸光度変化を、金コロイドの最大吸収波長である540nm付近の波長で測定することなく、610nm〜800nmで測定することにより、測定精度および正確性を向上させ得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、被測定物質と、該被測定物質と特異的に結合し得る物質が結合した金コロイド粒子とを溶液中で反応させ、反応開始後の吸光度変化を610nm〜800nmで測定する工程を含む、金コロイド凝集反応の測定方法を提供する。この測定波長610nm〜800nmは、金コロイドの最大吸収のピークから大きく長波長側に離れた波長域であり、このような波長での一波長測定は、これまでに行われたことがない。
好適な実施態様では、上記反応開始後の吸光度変化を、610nm〜800nmおよび360nm〜510nmの二波長で測定する。この360nm〜510nmの波長は、金コロイドの最大吸収付近の波長よりも短波長側である。
より好適な実施態様では、上記被測定物質と特異的に結合し得る物質は、抗体または抗原である。
本発明はまた、被測定物質と、該被測定物質と特異的に結合し得る物質が結合した金コロイド粒子とを溶液中で反応させ、反応開始後の吸光度変化を610nm〜800nmで測定することにより、該被測定物質を測定する工程を含む、被測定物質の測定方法を提供する。
本発明の方法によれば、金コロイド凝集反応に伴う吸光度変化を610nm〜800nmの波長で測定する。そのため、従来行われているような金コロイドの最大吸収波長である540nm付近の波長を主とした測定と比較して、被測定物質の低濃度域での吸光度変化量が大きくなり、さらに吸光度変化のばらつきが少なくなるので、測定精度が改善される。また、本発明の方法では610nm〜800nmの一波長測定または610nm〜800nmと360nm〜510nmとの二波長測定を行うため、従来のような540nm付近の波長による一波長または二波長測定と比較して、血清や血漿中のヘモグロビンの影響が少なくなり、より正確な測定ができる。
本発明の方法の被測定物質は、該被測定物質と特異的に結合し得る物質が存在し、そして該特異的に結合し得る物質が金コロイド粒子に結合し得るものであれば、特に限定されない。
測定に供する被測定物質を含む検体としては、血液、血漿、血清、尿、糞便(懸濁液)、髄液、腹水などの生体試料;環境中より得られたサンプルまたはその抽出物などが挙げられる。被測定物質としては、例えば、アルブミン、ヘモグロビン、ヘモグロビンA1c、ミオグロビン、トランスフェリン、ラクトフェリン、シスタチンC、フェリチン、α−フェトプロテイン、癌胎児性抗原、CA19−9、前立腺特異抗原、C反応性蛋白質(CRP)、繊維素分解産物(FDP)、ペプシノーゲンIおよびII、コラーゲンなどの蛋白質;高比重リポ蛋白質、低比重リポ蛋白質、超低比重リポ蛋白質などの脂質蛋白質;デオキシリボ核酸、リボ核酸などの核酸;アルカリ性ホスファターゼ、乳酸脱水素酵素、リパーゼ、アミラーゼなどの酵素;IgG、IgM、IgA、IgD、IgEなどの免疫グロブリン;B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヘリコバクターピロリ、これらに対する抗体などの感染症に関する抗原や抗体;ハロペリドール、ブロムペリドールなどの薬物;性ホルモンなどのホルモンが挙げられる。
被測定物質と特異的に結合し得る物質は、金コロイド粒子に結合し得るものであれば特に限定されない。特異的に結合し得る物質としては、被測定物質に対する抗体あるいは抗原;レセプターやレクチンなどの結合親和性を有する物質などが挙げられる。
本発明の方法に用いられる金コロイド粒子は、市販されているものを用いてもよく、あるいは当業者が通常用いる方法(例えば、塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法)により調製したものを用いてもよい。金コロイドの粒子の粒径は、通常10nm〜100nm、好ましくは30nm〜60nmの範囲である。
本発明の方法に用いられる被測定物質と特異的に結合し得る物質が結合した金コロイド粒子(以下、感作金コロイド粒子と略記する)は、例えば、以下のように調製し得る:調製金コロイド粒子溶液(540nmにおける吸光度が約2.0)1Lに対して、通常、0.1mg〜100mg、好ましくは1mg〜10mgの被測定物質と特異的に結合し得る物質(例えば、抗体)を添加し、冷蔵または室温下で5分〜24時間撹拌する。次いで、牛血清アルブミン(BSA)などでブロッキングし、遠心分離などを行うことにより、目的の感作金コロイド粒子を得ることができる。得られた感作金コロイド粒子は、測定に必要な濃度となるように緩衝液に分散させる。緩衝液のpHは、4.5〜9.5、好ましくは5.5〜8.5の範囲である。緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩液、コハク酸緩衝液、あるいはグリシルグリシン、MES(2−(N−モノホリノ)エタンスルホン酸)、HEPES(N−2−ヒドロキシエチル−ピペラジン−N’−エタンスルホン酸)、TES(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸)、MOPS(3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸))、Bis−Tris(ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン)などのグッド緩衝液が好適に用いられる。緩衝液の濃度は、1〜200mM、好ましくは5〜20mMである。緩衝液は、必要に応じて、アジ化ナトリウム、BSA、塩化ナトリウムなどの塩類、糖類、アミノ酸類、EDTAなどのキレート剤などを含有してもよい。
被測定物質と感作金コロイド粒子との凝集反応において、反応温度、pH、緩衝液の種類、共存する塩の種類や濃度、その他の共存物質などの反応条件については、従来の免疫学的反応と同様である。例えば、一般的に行われているように、反応促進の目的で、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、デキストラン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどの水溶性高分子を反応系に添加してもよい。
本発明の方法は、例えば、以下のように行われる:上記のように得られた感作金コロイド粒子と、被測定物質を含む検体または該検体を緩衝液などで適切に希釈したものなどとを混合することにより、被測定物質と感作金コロイド粒子とが反応し、金コロイド凝集反応が生じる。この金コロイド凝集反応に起因する所定の波長における吸光度変化を測定する。測定結果を、予め作成しておいた金コロイド凝集反応の吸光度変化と被測定物質の量との関係を表す検量線に当てはめることにより、容易に検体中の被測定物質の量を求めることができる。なお、吸光度変化が一定値以下であれば陰性、一定値以上であれば陽性として判定を行う、定性および半定量をすることも可能である。
本発明における反応開始後の吸光度変化は、一波長測定であっても二波長測定であってもよい。一波長測定の場合は、測定波長は、610nm〜800nm、好ましくは630nm〜750nmである。二波長測定の場合は、測定波長は、第一波長610nm〜800nm、好ましくは630nm〜750nmと、第二波長360nm〜510nm、好ましくは400nm〜500nmである。本発明の方法において吸光度変化とは、以下の2通りの測定により得られた値であり、いずれであってもよい:
(1)反応開始後に反応液の吸光度を適当な間隔で2回測定し、その差を吸光度変化とする;または
(2)反応開始後に反応液の吸光度を連続的に測定し、時間当たりの吸光度変化率(その最大変化率を用いる場合もある)を吸光度変化とする。
上記測定には、分光光度計、マイクロプレートリーダー、生化学自動分析装置などが利用できる。特に、本発明の方法を生化学自動分析装置での測定にに適用することにより、多数の検体を短時間に測定することが可能である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1:金コロイド液の調製)
95℃の蒸留水1Lに10%塩化金酸溶液2mLを撹拌しながら加え、1分後に2%クエン酸ナトリウム溶液10mLを加え、さらに20分間撹拌した後、30℃に冷却した。冷却後、0.1%炭酸カリウムでpH7.1に調節した。
(実施例2:抗シスタチンC抗体結合金コロイド試薬の調製)
抗シスタチンC抗体(ダコ・サイトメーション株式会社)を、0.05%アジ化ナトリウムを含む10mM HEPES(pH7.1)で希釈して50μg/mLの濃度にした。この液の100mLを上記実施例1で調製した金コロイド液約1Lに加え、冷蔵下で2時間撹拌した。5.46%マンニトール、0.5%BSA、および0.05%アジ化ナトリウムを含む10mM HEPES(pH7.1)を110mL添加し、37℃で90分撹拌した。8000回転で40分間遠心分離し、上清を除去した。残渣に、3%マンニトール、0.1%BSA、および0.05%アジ化ナトリウムを含む5mM HEPES(pH7.5)(A溶液)約1Lを加えて抗体結合金コロイドを分散させた後、8000回転で40分間遠心分離して上清を除去し、A溶液を加えて抗体感作金コロイドを分散させ、全量を160mLとし、抗シスタチンC抗体感作金コロイド試薬を調製した。
(実施例3:シスタチンC測定における金コロイドの凝集反応に伴う吸収スペクトル変化の測定)
シスタチンC濃度8mg/Lの検体30μLに、5%塩化ナトリウム、0.2%EDTA、0.2%アルキルフェニルジスルホン酸ナトリウム塩、0.35%ポリオキシエチレンラウリルエーテル、および2.5%ポリエチレングリコールを含む0.5M Bis−Tris(pH6.7)溶液(B溶液)2.4mLを添加し、37℃で約5分間加温した。これに、上記実施例2で調製した抗シスタチンC抗体感作金コロイド試薬0.6mLを加えて反応を開始し、反応開始後2分毎に吸収スペクトルの変化を島津UV−2200で測定した。その結果を図1に示す。
金コロイドの凝集反応に伴って、金コロイドの最大吸収を示す540nm付近の吸光度の減少が認められた以外に、610〜800nmの波長域での吸光度の上昇が認められた。この610〜800nmの波長域での吸光度変化量は、金コロイドの最大吸収を示す540nm付近の変化量と同程度あるいはそれ以上であった。また、金コロイドの最大吸収波長よりも短波長側の510〜360nm波長でも、吸光度の減少が認められた。このことから、金コロイドの最大吸収波長付近よりも長波長側の610〜800nmの波長の単一波長、あるいは、610〜800nmの波長と金コロイドの最大吸収波長よりも短波長側の510〜360nmの波長との二波長における吸光度変化量を測定することにより、金コロイドの最大吸収波長付近の波長を測定することなしに、金コロイドの凝集反応の過程を把握することができると考えられる。
(実施例4:一波長測定の検討)
シスタチンC濃度0mg/L、1mg/L、2mg/L、および4mg/Lのそれぞれの検体3μLに、B溶液をR1試薬として240μL添加した。37℃で約5分間加温した後、R2試薬として上記実施例2で調製した抗シスタチンC抗体感作金コロイド試薬60μLを加えて37℃で反応させ、日立7070自動分析装置により、種々の波長(450、480、505、546、660、および700nm)での測光ポイントとして18から31ポイントにおける吸光度変化量を測定した。シスタチンC濃度1mg/L、2mg/L、および4mg/L検体の各波長における吸光度変化量を表1に示す。なお、シスタチンC濃度0mg/Lの検体をブランクとした。
Figure 2005283250
金コロイドの最大吸収付近よりも大きく長波長側に外れた660および700nmの吸光度変化量は、金コロイドの最大吸収付近の546nm、ならびに金コロイドの最大吸収付近よりも短波長側の505、480、および450nmでの吸光度変化量よりも大きかった。このことより、単一波長測定を行う場合、金コロイドの最大吸収付近の波長域、あるいは金コロイドの最大吸収よりも大きく短波長側に外れた505、480、および450nm波長を測定するよりも、金コロイドの最大吸収付近よりも大きく長波長側に外れた660nmまたは700nmの波長域を測定することにより、被測定物質を感度良く測定できる。
(実施例5:二波長測定の検討)
シスタチンC濃度0mg/L、0.5mg/L、1mg/L、2mg/L、および4mg/Lのそれぞれの検体3μLに、B溶液をR1試薬として240μL添加した。37℃で約5分間加温した後、R2試薬として上記実施例2で調製した抗シスタチンC抗体感作金コロイド試薬60μLを加えて37℃で反応させ、日立7070自動分析装置により、一方の波長を660nmで、もう一方の波長を金コロイドの最大吸収波長付近の546nm、あるいは、金コロイドの最大吸収波長付近より短波長側に大きく外れた505、480、または450nmのいずれかの波長で、測光ポイントとして18から31ポイントにおける吸光度変化を測定し、660nmでの吸光度変化から上記のいずれかの波長での吸光度変化を差し引いた値の絶対値を、二波長測定の吸光度変化量とした。シスタチンC濃度1mg/L、2mg/L、および4mg/L検体の各波長における吸光度変化量を表2に示す。なお、シスタチンC濃度0mg/Lの検体をブランクとした。
Figure 2005283250
シスタチンCが高濃度である4mg/Lの場合、660nmと金コロイドの最大吸収波長付近の546nmとの組み合わせによる二波長測定の吸光度変化量は、他の二波長測定と比して大きかった。しかし、シスタチンC濃度が低濃度になるに従って、660nmと短波長側の505、480、または450nmとの組み合わせを用いた二波長測定の吸光度変化量が、660nmと546nmとの組み合わせによる二波長測定の吸光度変化量よりも大きくなった。このことより、二波長測定を行う場合、一方を660nmとし、他方をあえて金コロイドの最大吸収波長付近より短波長側に外れた505、480、450nmの波長とすることにより、金コロイドの最大吸収波長の540nm付近の波長を用いた二波長測定より、低濃度領域で感度良く測定できることがわかる。
(実施例6:血清における一波長測定)
シスタチンC濃度が1mg/L以下の3種類の血清検体を、上記実施例3に記載のように、検体量:R1量:R2量比が3:240:60となるように調製した。これらの試料について、日立7070自動分析装置で、各波長(480、505、546、660、700、および750nm)における単一波長測定を20回行い、その測定値の各波長におけるばらつきを比較した。各波長における20回測定のばらつきの指標であるSD値およびCV値を表3に示す。
Figure 2005283250
金コロイドの最大吸収付近よりも長波長側に外れた660、700、および750nmでの測定は、金コロイドの最大吸収付近の546nm、短波長側の505および480nmでの測定と比して、SD値およびCV値が非常に小さかった。このことより、単一波長測定を行う場合、金コロイドの最大吸収付近よりも大きく長波長側に外れた660、700、または750nmでの測定を行うことより、被測定物質を非常に精度よく測定できることがわかる。
(実施例7:血清における二波長測定−1)
シスタチンC濃度1mg/L以下の3種類の血清検体を、上記実施例4に記載のように、検体量:R1量:R2量比が3:240:60となるように調製した。これらの試料について、日立7070自動分析装置で、一方の波長を660nmとし、もう一方の波長を金コロイドの最大吸収波長付近の546nm、短波長側の505または480nmとした二波長による測定を20回行い、その測定値の各二波長測定におけるばらつきを比較した。各二波長測定における20回測定のばらつきの指標であるSD値およびCV値を表4に示す。
Figure 2005283250
一方の波長を660nmとした場合、もう一方の波長を金コロイドの最大吸収波長付近より短波長側に大きく外れた505または480nmを用いた二波長測定のSD値およびCV値は、金コロイドの最大吸収波長付近の546nmを用いる場合と比して、シスタチンC濃度が0.79mg/Lの血清3においては同等あるいは小さい値を示した。さらに、シスタチンC濃度が低濃度になるに従って明らかに小さい値を示した。このことより、一方を660nm付近の波長を用いる二波長測定を行う場合、もう一方の波長には、金コロイドの最大吸収の540nm波長付近よりも短波長側に大きく外れた505または480nm付近の波長を用いるほうが、特に低濃度の被測定物質を精度よく測定できることがわかる。
(実施例8:血清における二波長測定−2)
シスタチンC濃度0.7mg/L以下の3種類の血清検体を、上記実施例4に記載のように、検体量:R1量:R2量比が3:240:60となるように調製した。これらの試料について、Poly−Chem自動分析装置で、一方の波長を660nmとし、もう一方の波長を金コロイドの最大吸収波長付近の546nmまたは短波長側の510nmとした二波長による測定を20回行い、その測定値の各二波長測定におけるばらつきを比較した。各二波長測定における20回測定のばらつきの指標であるSD値およびCV値を表5に示す。
Figure 2005283250
一方の波長を660nmとした場合、もう一方の波長を金コロイドの最大吸収波長付近より短波長側に外れた510nmを用いた二波長測定のSD値およびCV値は、金コロイドの最大吸収波長付近の546nmを用いる場合と比して、明らかに小さい値を示した。また、それはシスタチンC濃度が低濃度になるに従って顕著になった。このことより、一方を660nm付近の波長を用いた二波長による測定を行う場合、もう一方の波長には、金コロイドの最大吸収の540nm波長付近よりも短波長側に外れた波長を用いるほうが、特に低濃度の被測定物質を精度よく測定できることがわかる。
(実施例9:ヘモグロビンの影響の検討)
血清検体にヘモグロビンを500mg/dLになるように添加し、上記実施例4に記載のように、検体量:R1量:R2量比が3:240:60となるように調製した。この試料について、日立7070自動分析装置で、第一波長を660または700nmとし、第二波長を金コロイドの最大吸収波長付近の546nm、短波長側の505または480nmとした二波長による測定を行った。結果を表6に示す。
Figure 2005283250
第二波長を金コロイドの最大吸収波長付近の546nmに設定した場合、ヘモグロビンを500mg/L添加することにより、測定値が5%以上の正の影響を受けた。しかし、第二波長を金コロイドの最大吸収波長付近より短波長側に大きく外れた505または480nmに設定した場合、ヘモグロビン添加による測定値へ影響は3%未満であり、ヘモグロビンの影響はほとんど受けなかった。このことより、第一波長として660または700nm付近の波長を用いた二波長による測定を行う場合、第二波長として、金コロイドの最大吸収の540nm波長付近よりも短波長側に大きく外れた505または480nm付近の波長を用いて測定するほうが、溶血ヘモグロビンの影響を受けることなく被測定物質を正確に測定できることがわかる。
(実施例10:抗フェリチン抗体結合金コロイド試薬の調製)
抗フェリチン抗体(ダコ・サイトメーション株式会社)と上記実施例1で調製した金コロイド液とを用いて、実施例2に記載のように抗フェリチンC抗体感作金コロイド試薬を調製した。
(実施例11:フェリチン測定におけるヘモグロビンの影響)
5%塩化ナトリウム、0.5%EDTA、0.35%ポリオキシエチレンラウリルエーテル、および2.0%ポリエチレングリコールを含む0.2M PIPES(pH6.5)溶液(C溶液)を調製した。ヘモグロビンを500mg/dLになるように添加した血清検体を、C溶液をR1とし、上記実施例10で調製した抗フェリチンC抗体感作金コロイド試薬をR2として、検体量:R1量:R2量比が10:160:80となるように調製した。この試料について、日立7070自動分析装置で、第一波長を700nmとし、第二波長を金コロイドの最大吸収波長付近の546nm、短波長側の505または480nmとした二波長による測定を行った。結果を表7に示す。
Figure 2005283250
第二波長を金コロイドの最大吸収波長付近の546nmに設定した場合、ヘモグロビンを500mg/L添加することにより、測定値において10%以上の正の影響を受けた。しかし、第二波長を金コロイドの最大吸収波長付近よりも短波長側に大きく外れた505または480nmに設定した場合、ヘモグロビン添加による測定値へ影響は3%未満であり、影響をほとんど受けなかった。このことより、第一波長として700nm付近の波長を用いる二波長による測定を行う場合、第二波長として、金コロイドの最大吸収の540nm波長付近よりも短波長側に大きく外れた505または480nm付近の波長を用いて測定するほうが、溶血ヘモグロビンの影響を受けることなく被測定物質を正確に測定できることがわかる。
本発明の方法によれば、臨床検査分野で普及している自動分析装置を利用して、低濃度の被測定物質を、短時間でより精度よく測定することができる。また、血清や血漿中のヘモグロビンの影響が少なくなり、より正確な測定ができる。
シスタチンCと抗シスタチンC抗体感作金コロイド試薬との反応開始後2分毎の吸収スペクトル図である。

Claims (4)

  1. 被測定物質と、該被測定物質と特異的に結合し得る物質が結合した金コロイド粒子とを溶液中で反応させ、反応開始後の吸光度変化を、610nm〜800nmで測定する工程を含む、金コロイド凝集反応の測定方法。
  2. 前記反応開始後の吸光度変化を、610nm〜800nmおよび360nm〜510nmの二波長で測定する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記被測定物質と特異的に結合し得る物質が、抗体または抗原である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 被測定物質と、該被測定物質と特異的に結合し得る物質が結合した金コロイド粒子とを溶液中で反応させ、反応開始後の吸光度変化を、610nm〜800nmで測定することにより、該被測定物質を測定する工程を含む、被測定物質の測定方法。
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