JP7313766B2 - 搬送機構、被加工物の搬送方法及び加工装置 - Google Patents

搬送機構、被加工物の搬送方法及び加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、被加工物を搬送する搬送機構、該搬送機構を用いた被加工物の搬送方法、及び該搬送機構を備える加工装置に関する。
半導体ウェーハやパッケージ基板に代表される各種の被加工物に対して切削、研削、研磨等の加工を施す際には、被加工物を保持するチャックテーブル(保持テーブル)と、チャックテーブルによって保持された被加工物を加工する加工ユニットとを備えた加工装置が用いられる。加工装置のチャックテーブルは、例えば吸引源と接続された保持面を備えており、保持面上に配置された被加工物に吸引源の負圧を作用させることにより、被加工物を吸引保持する(例えば、特許文献1参照)。
また、加工装置には、被加工物を搬送する搬送機構が備えられる。搬送機構は、例えば上記のチャックテーブルと同様に吸引源と接続された保持面を備えており、この保持面で被加工物を吸引保持した状態で被加工物を搬送する(例えば、特許文献2参照)。搬送機構によって、加工前の被加工物のチャックテーブルへの搬送や、加工後の被加工物のチャックテーブルからの搬送が行われる。
特開2011-49193号公報 特開2013-198953号公報
上記のような加工装置を用いて被加工物を加工する際には、被加工物がチャックテーブルや搬送機構によって吸引保持される。ここで、チャックテーブルや搬送機構の保持面に吸引源の負圧を作用させると、保持面に異物が吸引され、この異物がチャックテーブルや搬送機構に保持される被加工物に付着することがある。また、例えば貫通孔が設けられた被加工物をチャックテーブルや搬送機構で吸引保持すると、吸引源の負圧によって異物が被加工物に吸い寄せられ、貫通孔の内部に付着することがある。
被加工物への異物の付着は、被加工物の加工によって得られるチップ等(例えば、デバイスチップやパッケージデバイス)の品質及び歩留まりが低下する原因となる。また、チャックテーブルや搬送機構の保持面に異物が付着した状態で被加工物を保持すると、被加工物が異物と接触して被加工物に応力がかかり、被加工物が破損する恐れがある。そのため、加工装置で被加工物を加工する際には、異物の付着が極力低減されることが望まれる。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、被加工物の加工によって得られるチップ等の品質及び歩留まりの低下を抑制することが可能な搬送機構、該搬送機構を用いた被加工物の搬送方法、及び該搬送機構を備える加工装置の提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、被加工物を搬送する搬送機構であって、移動機構に接続された搬送アームと、該搬送アームに接続された搬送ヘッドと、を備え、該搬送ヘッドは、該被加工物の外周部を下面側から保持する保持位置と、該被加工物を保持しない非保持位置との間で移動可能に構成された一対の保持部材と、該保持部材によって保持されている該被加工物の上面側には接触せず該保持部材による該被加工物の保持が解除される際に該被加工物の上面側を押圧する押圧ピンと、を備え、該被加工物を保持する保持面と、該保持部材に対応する領域に設けられ、該搬送ヘッドを該保持面に接近させた際に該保持部材の下端部が配置される切り欠き部と、該被加工物の外周部を上面側から押圧する押圧位置と、該被加工物を押圧しない非押圧位置との間で移動可能に構成された一対のクランプ部と、を備えるチャックテーブルへ、又は該チャックテーブルから、該被加工物を搬送する搬送機構が提供される。
なお、好ましくは、該搬送ヘッドは、該クランプ部に対応する領域に設けられ、該クランプ部が該非押圧位置から該押圧位置に移動する際に該クランプ部が通過する切り欠き部を更に備える。また、好ましくは、該搬送ヘッドは、該被加工物の位置決めを行うための位置決めピンを更に備える。
また、本発明の一態様によれば、搬送機構を用いて被加工物をチャックテーブルへ搬送する被加工物の搬送方法であって、該搬送機構は、移動機構に接続された搬送アームと、該搬送アームに接続された搬送ヘッドと、を備え、該搬送ヘッドは、該被加工物の外周部を下面側から保持する保持位置と該被加工物を保持しない非保持位置との間で移動可能に構成された一対の保持部材を備え、該チャックテーブルは、該被加工物を保持する保持面と、該保持部材に対応する領域に設けられ該搬送ヘッドを該保持面に接近させた際に該保持部材の下端部が配置される切り欠き部と、該被加工物の外周部を上面側から押圧する押圧位置と、該被加工物を押圧しない非押圧位置との間で移動可能に構成された一対のクランプ部と、を備え、該保持部材によって該被加工物を保持した該搬送ヘッドを下降させ、該被加工物を該チャックテーブルに載置する載置ステップと、該載置ステップの後、該クランプ部を該押圧位置に配置することにより、該被加工物の外周部を上面側から押圧する押圧ステップと、該押圧ステップの後、該保持部材を該非保持位置に配置することにより、該保持部材を該被加工物の外側に配置する保持部材配置ステップと、該保持部材配置ステップの後、該搬送ヘッドを上昇させる搬送ヘッド上昇ステップと、を含む被加工物の搬送方法が提供される。
また、本発明の一態様によれば、搬送機構を用いて被加工物をチャックテーブルから搬送する被加工物の搬送方法であって、該搬送機構は、移動機構に接続された搬送アームと、該搬送アームに接続された搬送ヘッドと、を備え、該搬送ヘッドは、該被加工物の外周部を下面側から保持する保持位置と該被加工物を保持しない非保持位置との間で移動可能に構成された一対の保持部材を備え、該チャックテーブルは、該被加工物を保持する保持面と、該保持部材に対応する領域に設けられ該搬送ヘッドを該保持面に接近させた際に該保持部材の下端部が配置される切り欠き部と、該被加工物の外周部を上面側から押圧する押圧位置と、該被加工物を押圧しない非押圧位置との間で移動可能に構成された一対のクランプ部と、を備え、該クランプ部によって押圧された状態の該被加工物の上方に位置付けた該搬送ヘッドを下降させる搬送ヘッド下降ステップと、該搬送ヘッド下降ステップの後、該保持部材を該保持位置に配置することにより、該保持部材を該被加工物の外周部と重なる位置に配置する保持部材配置ステップと、該保持部材配置ステップの後、該クランプ部を該非押圧位置に配置することにより、該クランプ部による該被加工物の押圧を解除する押圧解除ステップと、該押圧解除ステップの後、該搬送ヘッドを上昇させる搬送ヘッド上昇ステップと、を含む被加工物の搬送方法が提供される。
また、本発明の一態様によれば、該搬送機構及び該チャックテーブルと、該チャックテーブルで保持された該被加工物を加工する加工ユニットと、を含む加工装置が提供される。
なお、好ましくは、該加工ユニットには、該被加工物を切削する切削ブレードが装着され、該チャックテーブルは、該被加工物の分割予定ラインに対応する領域に、該切削ブレードの下端部が挿入される溝を有する。
本発明の一態様に係る搬送機構は、保持部材で被加工物の外周部を下面側から保持することにより、被加工物を搬送する。そのため、被加工物を吸引保持する機構を用いることなく被加工物を搬送でき、被加工物を吸引保持することによって生じる被加工物への異物の付着等が回避される。これにより、被加工物の加工によって得られるチップ等の品質及び歩留まりの低下を抑制することができる。
被加工物を示す斜視図である。 チャックテーブル及び搬送機構を示す斜視図である。 図3(A)は開状態のクランプ部を示す斜視図であり、図3(B)は開状態のクランプ部を模式的に示す断面図である。 図4(A)は閉状態のクランプ部を示す斜視図であり、図4(B)は閉状態のクランプ部を模式的に示す断面図である。 図5(A)は搬送ヘッドの上面側を示す斜視図であり、図5(B)は搬送ヘッドの下面側を示す斜視図である。 図6(A)は閉状態の保持部材を模式的に示す断面図であり、図6(B)は開状態の保持部材を模式的に示す断面図である。 被加工物と押圧ピン及び位置決めピンとの位置関係を模式的に示す底面図である。 載置ステップでのチャックテーブル及び搬送機構を示す斜視図である。 押圧ステップでのチャックテーブル及び搬送機構を示す斜視図である。 保持部材配置ステップでのチャックテーブル及び搬送機構を示す斜視図である。 図11(A)は保持部材配置ステップ前のチャックテーブル及び搬送ヘッドを模式的に示す断面図であり、図11(B)は保持部材配置ステップ後のチャックテーブル及び搬送ヘッドを模式的に示す断面図である。 切削装置を示す斜視図である。 変形例に係るチャックテーブル及び搬送機構を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る搬送機構によって搬送することが可能な被加工物の構成例について説明する。図1は、被加工物11を示す斜視図である。
被加工物11は、樹脂や金属等の材料を用いて板状に形成され、上面(表面)11a、下面(裏面)11b、及び外周縁11cを備える。例えば、被加工物11は平面視で矩形状に形成され、被加工物11の上面11a側にはIC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等のデバイスを含む複数の矩形状のデバイス領域13が形成されている。なお、デバイス領域13に含まれるデバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等に制限はない。
被加工物11は、被加工物11の上面11a側に設定された分割予定ライン(ストリート)15によって複数の領域に区画されている。分割予定ライン15に沿って被加工物11を切断すると、被加工物11はデバイス領域13を含む複数のチップに分割される。
なお、被加工物11の種類、材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば被加工物11としては、半導体(Si、GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等の材料でなるウェーハや、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat Non-leaded Package)等のパッケージデバイスに分割される矩形状のパッケージ基板等を用いることができる。また、被加工物11は、プリンタヘッド等のパーツに分割される基板であってもよい。
被加工物11に対しては、例えば、切削、研削、研磨、レーザー加工等の加工が施される。被加工物11の加工には、切削装置、研削装置、研磨装置、レーザー加工装置等の各種の加工装置が用いられる。このような加工装置には、被加工物11を保持するチャックテーブルと、被加工物11を搬送する搬送機構とが備えられている。
図2は、加工装置に搭載されるチャックテーブル2及び搬送機構(搬送ユニット)12を示す斜視図である。チャックテーブル2は、被加工物11を保持する保持テーブルである。また、搬送機構12は、被加工物11のチャックテーブル2への搬送、又は、被加工物11のチャックテーブル2からの搬送を行う。
チャックテーブル2は、被加工物11の形状に対応して平面視で矩形状に形成された支持台4を備える。この支持台4の上面は、被加工物11を保持する保持面4aを構成する。また、支持台4は、下面4bと、一対の第1側面4cと、一対の第2側面4dとを備える。
一対の第1側面4cは、支持台4の長手方向に沿って互いに平行に配置され、保持面4a及び下面4bと接続されている。また、一対の第2側面4dは、支持台4の長手方向と垂直な方向に沿って互いに平行に配置され、保持面4a及び下面4bと接続されている。図2では、第1側面4cがX軸方向(加工送り方向、前後方向)に沿い、第2側面4dがY軸方向(割り出し送り方向、左右方向)に沿うように配置されたチャックテーブル2を示している。
一方の第1側面4c側及び他方の第1側面4c側にはそれぞれ、支持台4を挟んで互いに対向するように配置された一対のクランプ部6が設けられている。図2では、一方の第2側面4d側(前方側)と他方の第2側面4d側(後方側)のそれぞれに一対のクランプ部6(すなわち、計4個のクランプ部6)が設けられた構造を示す。ただし、クランプ部6の数に制限はない。
クランプ部6はそれぞれ、支持台4の長手方向と概ね平行に配置された板状の接触部6aと、支持台4の長手方向と概ね平行で且つ接触部6aと概ね垂直に配置された板状の支持部6bとを備える。また、支持台4とクランプ部6との間にはそれぞれ、支持台4とクランプ部6とを接続するクランプ部駆動機構8が設けられている。クランプ部駆動機構8は、例えばクランプ部6の支持部6bと接続されており、クランプ部6を支持台4の長手方向と概ね平行な回転軸の周りに約90°回転させる。
クランプ部6は、クランプ部駆動機構8によって、保持面4a上に配置された被加工物11の外周部を上面11a側から押圧する位置(押圧位置)と、被加工物11を押圧しない位置(非押圧位置)との間で移動可能に構成されている。なお、本明細書では、押圧位置に配置されたクランプ部6を「閉状態のクランプ部6」、非押圧位置に配置されたクランプ部6を「開状態のクランプ部6」とも表記する。
図3(A)は開状態のクランプ部6を示す斜視図であり、図3(B)は開状態のクランプ部6を模式的に示す断面図である。クランプ部6が開状態のとき、接触部6aは第1側面4cに対向し、支持部6bは下面4bと対向する。クランプ部6が開状態であると、チャックテーブル2の保持面4a上に被加工物11が配置されていても、被加工物11とクランプ部6とは接触せず、被加工物11はクランプ部6によって押圧されない(図3(B)参照)。
図4(A)は閉状態のクランプ部6を示す斜視図であり、図4(B)は閉状態のクランプ部6を模式的に示す断面図である。クランプ部6が閉状態のとき、接触部6aは保持面4aに対向し、支持部6bは第1側面4cと対向する。チャックテーブル2の保持面4a上に被加工物11が配置された状態でクランプ部6が閉状態になると、接触部6aが被加工物11の外周部の上面11aに接触し、被加工物11がクランプ部6によって保持面4a側に押圧される(図4(B)参照)。これにより、被加工物11が保持面4aとクランプ部6に挟まれて固定される。
また、図2に示すように、チャックテーブル2の上方には被加工物11を搬送する搬送機構12が配置される。搬送機構12は、移動機構と接続された搬送アーム(図12の搬送アーム56及び搬送アーム78参照)に接続された搬送ヘッド14を備える。
図5(A)は搬送ヘッド14の上面側を示す斜視図であり、図5(B)は搬送ヘッド14の下面側を示す斜視図である。搬送ヘッド14は、被加工物11の形状に対応して平面視で矩形状に形成された基台16を備える。
基台16は、上面16aと、下面16bと、一対の第1側面16cと、一対の第2側面16dとを備える。一対の第1側面16cは、基台16の長手方向に沿って互いに平行に配置され、上面16a及び下面16bと接続されている。また、一対の第2側面16dは、基台16の長手方向と垂直な方向に沿って互いに平行に配置され、上面16a及び下面16bと接続されている。搬送ヘッド14は、第1側面16cがX軸方向に沿い、第2側面16dがY軸方向に沿うように配置される。
基台16の上面16a側には、基台16と搬送アーム(図12の搬送アーム56及び搬送アーム78参照)とを接続する筒状の接続部材18が設けられている。接続部材18の上端側は搬送アームに接続され、下端側は基台16の上面16a側に接続される。接続部材18は、例えばサスペンションを用いて構成される。この場合、搬送アームから基台16に伝達される振動や衝撃が接続部材18によって緩和される。なお、接続部材18の数及び配置に制限はない。
一方の第1側面16c側及び他方の第1側面16c側にはそれぞれ、基台16を挟んで互いに対向するように配置された一対の保持部材20が設けられている。保持部材20は、チャックテーブル2に搬送される加工前の被加工物11や、チャックテーブル2から搬送される加工後の被加工物11を保持する。なお、本実施形態では、一方の第2側面16d側(前方側)と他方の第2側面16d側(後方側)のそれぞれに一対の保持部材20(すなわち、計4個の保持部材20)が設けられた構造について説明するが、保持部材20の数に制限はない。
保持部材20はそれぞれ、第1側面16cと概ね平行に配置された板状の側壁部20aと、側壁部20aの上端部と接続され基台16の上面16aと対向するように配置された板状の上壁部20bとを備える。側壁部20aと上壁部20bとは、互いに概ね直角に配置されている。
側壁部20aの下端側は、2つの領域に分岐している。また、基台16の第1側面16c側には複数の切り欠き部16eが形成されており、側壁部20aの分岐した領域はそれぞれ、この切り欠き部16eの内部に配置されている。さらに、側壁部20aの下端部には、側壁部20aから基台16の内側に向かって突出する一対の保持部20cが設けられている。この保持部20cは、搬送ヘッド14で被加工物11を搬送する際、被加工物11の下面11b側を保持する。
また、上壁部20bの先端部(基台16の内側の端部)は2つの領域に分岐しており、この先端部には、上壁部20bから下方に向かって突出する一対の板状の突出部20dが設けられている。突出部20dは、側壁部20a及び上壁部20bと概ね垂直に配置されている。
また、基台16の上面16a側には、保持部材20と対向するように配置された複数の保持部材駆動機構22が設けられている。保持部材駆動機構22はそれぞれ、保持部材20を基台16の長手方向と垂直な方向(Y軸方向)に沿って移動させる。例えば、保持部材駆動機構22はエアシリンダを備えており、保持部材20の側壁部20aに接続されている。
さらに、基台16の上面16a側には複数のガイド部24が設けられている。ガイド部24はそれぞれ、保持部材20が備える突出部20dの近傍に配置されており、突出部20dを前後方向(X軸方向)から挟むように設けられた一対の凸部24aを備える。一対の凸部24aは、一対の凸部24aの間に突出部20dの厚さよりも幅の広い空間が形成されるように配置されており、突出部20dはこの空間に配置される。ガイド部24によって、基台16の長手方向(X軸方向)における保持部材20の移動が制限される。
保持部材20は、保持部材駆動機構22によって、被加工物11の外周部を下面11b側から保持する位置(保持位置)と、被加工物11を保持しない位置(非保持位置)との間で移動可能に構成されている。なお、本明細書では、保持位置に配置された保持部材20を「閉状態の保持部材20」、非保持位置に配置された保持部材20を「開状態の保持部材20」とも表記する。
図6(A)は閉状態の保持部材20を模式的に示す断面図であり、図6(B)は開状態の保持部材20を模式的に示す断面図である。保持部材20が閉状態になると、一対の保持部材20が備える保持部20cの間の距離が被加工物11の幅よりも小さくなり、保持部20cの上面で被加工物11の外周部の下面11b側を保持可能となる。一方、保持部材20が開状態になると、保持部20cの間の距離が被加工物11の幅よりも大きくなる。
また、図5(A)及び図5(B)に示すように、基台16の外周部には被加工物11の上面11a側を押圧する複数の押圧ピン26が設けられている。具体的には、基台16の外周部には、基台16を上面16aから下面16bまで貫通する複数の貫通孔が形成されており、この貫通孔に押圧ピン26が挿入されている。なお、複数の押圧ピン26はそれぞれ、被加工物11の外周部に対応する位置に配置されている。
押圧ピン26は、その下端部が基台16の下面16bから下方に突出するように基台16に固定されている。押圧ピン26の下端部は、例えば樹脂やゴム等の柔軟な材料でなり、被加工物11の上面11a側と接触する。
さらに、基台16の下面16b側には、被加工物11の位置決めを行うための複数の位置決めピン28が設けられている。位置決めピン28は、下面16bから下方に突出するように設けられており、被加工物11の外周縁11cに対応する位置に配置されている。なお、基台16の一対の第2側面16d側に配置された位置決めピン28の下端部は、下方に向かって径が小さくなる円錐状に形成されている。
図7は、被加工物11と押圧ピン26及び位置決めピン28との位置関係を模式的に示す底面図である。押圧ピン26は、搬送ヘッド14で被加工物11を保持した際に、底面視で被加工物11の外周部と重なる位置に設けられている。一方、位置決めピン28は、搬送ヘッド14で被加工物11を保持した際に、被加工物11の外周縁11cと接触する位置に設けられている。位置決めピン28によって、被加工物11の基台16に対する位置が決定される。
また、図2に示すように、支持台4の保持部材20に対応する領域には、切り欠き部4eが形成されている。切り欠き部4eは、搬送ヘッド14をチャックテーブル2上に配置した際に、保持部材20の下端部(保持部20c)と重なる位置に設けられている。搬送ヘッド14を下降させて支持台4の保持面4aに接近させると、保持部材20の下端部が切り欠き部4eに配置される。これにより、保持部材20と支持台4との接触が回避される。
さらに、クランプ部6が備える接触部6aの保持部材20に対応する領域には、切り欠き部6cが形成されている。切り欠き部6cは、クランプ部6を閉状態(図4(A)参照)とし、且つ搬送ヘッド14をチャックテーブル2上に配置した際に、保持部材20の下端部(保持部20c)と重なる位置に設けられている。搬送ヘッド14を下降させて支持台4の保持面4aに接近させると、保持部材20の下端部が切り欠き部6cに配置される。これにより、保持部材20とクランプ部6との接触が回避される。
また、支持台4の保持面4a側には、位置決めピン28に対応する位置に配置された開口4fが形成されている。開口4fは、搬送ヘッド14をチャックテーブル2上に配置した際に、位置決めピン28と重なる位置に設けられている。搬送ヘッド14を下降させて支持台4の保持面4aに接近させると、位置決めピン28の下端部が開口4fに挿入される。これにより、位置決めピン28と支持台4の保持面4aとの接触が回避される。
さらに、支持台4の保持面4a側には、線状の溝4gが形成されている。この溝4gは、被加工物11の分割予定ライン15(図1参照)に対応する領域に設けられており、被加工物11をチャックテーブル2によって保持した際に分割予定ライン15と重なる。
溝4gは、被加工物11を環状の切削ブレードで切削する際、切削ブレードの下端部が挿入される逃げ溝として機能する。溝4gを設けることにより、チャックテーブル2によって保持された被加工物11を切削ブレードで切削する際、切削ブレードと支持台4との接触が回避される。なお、切削ブレードを用いた被加工物11の加工の詳細については後述する(図12参照)。
次に、搬送機構12を用いた被加工物11の搬送方法の具体例について説明する。以下、被加工物11をチャックテーブル2に搬送する手順と、被加工物11をチャックテーブル2から搬送する手順とについて説明する。
搬送機構12を用いて被加工物11をチャックテーブル2へと搬送する際は、まず、搬送ヘッド14の保持部材20によって被加工物11を保持する。具体的には、一対の保持部材20の内側に被加工物11が配置された状態で保持部材20を閉状態とし、その後、搬送ヘッド14を上昇させる。これにより、被加工物11の外周部の下面11b側が保持部20cによって保持される(図6(A)参照)。
なお、被加工物11には、その製造過程において反りが発生することがある。そして、例えば被加工物11の搬送に被加工物11を吸引保持する機構を用いる場合、反りを有する被加工物11と吸引源の負圧が作用する搬送機構の保持面とが適切に密着せずに負圧がリークし、被加工物11が適切に保持されない場合がある。一方、本実施形態では、被加工物11を保持部材20で支持して保持するため、被加工物11が反っていても被加工物11を適切に搬送できる。
次に、保持部材20によって被加工物11を保持した搬送ヘッド14を、チャックテーブル2の支持台4の上方に配置する。このとき、チャックテーブル2のクランプ部6は開状態となっている。この状態で、搬送ヘッド14を支持台4の保持面4aに向かって下降させる。これにより、被加工物11の下面11b側が支持台4の保持面4aと接触し、被加工物11がチャックテーブル2に載置される(載置ステップ)。
図8は、載置ステップでのチャックテーブル2及び搬送機構12を示す斜視図である。なお、載置ステップでは、保持部材20の下端部(保持部20c)が切り欠き部4eの内部に配置される。そのため、保持部材20が支持台4と接触して被加工物11の載置が阻害されることはない。
搬送ヘッド14の下降によって保持部20cの上面が保持面4aよりも下方に配置されると(図11(A)参照)、被加工物11の下面11bと保持部20cとが非接触の状態となり、保持部材20による被加工物11の保持が解除される。また、押圧ピン26によって被加工物11の外周部の上面11a側が保持面4aに向かって押圧される。なお、被加工物11が反りを有する場合には、押圧ピン26の押圧によって被加工物11の形状が保持面4aに沿うように矯正される。
次に、クランプ部6で被加工物11の外周部を上面11a側から押圧する(押圧ステップ)。図9は、押圧ステップでのチャックテーブル及び搬送機構を示す斜視図である。押圧ステップでは、被加工物11がチャックテーブル2に載置された状態で、クランプ部駆動機構8によってクランプ部6を押圧位置に配置し、閉状態とする。
これにより、クランプ部6の接触部6aが被加工物11の上面11aと接触し、被加工物11の外周部が上面11a側から押圧される(図4(B)参照)。その結果、被加工物11が支持台4の保持面4aと接触部6aとによって上下から挟まれ、固定される。
なお、クランプ部6の接触部6aは、保持部材20の保持部20cに対応する領域に切り欠き部6cを備えている。そのため、クランプ部6を非押圧位置から押圧位置に移動させても、クランプ部6と保持部材20とは互いに接触しない。
次に、保持部材20を非保持位置に配置することにより、保持部材20を被加工物11の外側に配置する(保持部材配置ステップ)。図10は、保持部材配置ステップでのチャックテーブル2及び搬送機構12を示す斜視図である。保持部材配置ステップでは、保持部材駆動機構22によって保持部材20を保持位置から非保持位置に移動させ、開状態とする。
図11(A)は保持部材配置ステップ前のチャックテーブル2及び搬送ヘッド14を模式的に示す断面図であり、図11(B)は保持部材配置ステップ後のチャックテーブル2及び搬送ヘッド14を模式的に示す断面図である。保持部材配置ステップを実施すると、保持部材20は被加工物11の外側に移動し、被加工物11の外周部と重ならない状態となる。
次に、搬送ヘッド14を上昇させる(搬送ヘッド上昇ステップ)。このとき、保持部材20は開状態であり、保持部20cは被加工物11と重ならない位置に配置されている。そのため、搬送ヘッド14を上昇させても保持部20cは被加工物11と接触しない。このようにして、被加工物11が搬送機構12によってチャックテーブル2に搬送される。
一方、被加工物11をチャックテーブル2から搬送する場合は、まず、チャックテーブル2に載置された被加工物11の上方に搬送ヘッド14を位置付けて、搬送ヘッド14を下降させる(搬送ヘッド下降ステップ)。このとき、保持部材20は開状態であり、搬送ヘッド14は保持部材20の保持部20cの上面が支持台4の保持面4aよりも下方に配置される高さまで下降する(図10、図11(B)参照)。
次に、保持部材20を保持位置に配置することにより、保持部材20を被加工物11の外周部と重なる位置に配置する(保持部材配置ステップ)。保持部材配置ステップでは、保持部材駆動機構22によって保持部材20を非保持位置から保持位置に移動させ、閉状態とする。これにより、保持部材20が被加工物11側に向かって移動し、保持部20cが被加工物11の外周部と重なる状態となる(図9、図11(A)参照)。
次に、クランプ部6を非押圧位置に配置することにより、クランプ部6による被加工物11の押圧を解除する(押圧解除ステップ)。押圧解除ステップでは、クランプ部駆動機構8によってクランプ部6を押圧位置から非押圧位置に移動させ、開状態とする。これにより、クランプ部6の接触部6aが被加工物11の外周部の上面11a側から離れ、クランプ部6による被加工物11の押圧が解除される(図3(B)参照)。
次に、搬送ヘッド14を上昇させる(搬送ヘッド上昇ステップ)。このとき、保持部材20は閉状態であり、保持部20cは被加工物11の外周部と重なる位置に配置されている。そのため、搬送ヘッド14を上昇させると、保持部20cが被加工物11の外周部の下面11b側と接触し、被加工物11が保持部材20によって支持される。その後、被加工物11を保持した搬送ヘッド14を所望の位置に移動させることにより、被加工物11が搬送される。
上記のように、チャックテーブル2は、クランプ部6によって被加工物11を押さえることにより、被加工物11を保持面4a上に固定する。また、搬送機構12は、保持部材20の保持部20cで被加工物11を保持して被加工物11を搬送する。従って、チャックテーブル2及び搬送機構12を用いることにより、被加工物11を吸引保持する機構を用いることなく被加工物11の保持及び搬送を行うことができ、被加工物11を吸引保持することによって生じる被加工物11への異物の付着等を回避できる。
本実施形態に係るチャックテーブル2及び搬送機構12は、例えば被加工物11を加工する加工装置に搭載される。なお、チャックテーブル2及び搬送機構12が搭載される加工装置の種類に制限はない。
例えば、加工装置は、被加工物11を切削するための切削ブレードが装着される加工ユニット(切削ユニット)、被加工物11を研削するための研削砥石が装着される加工ユニット(研削ユニット)、被加工物11を研磨するための研磨パッドが装着される加工ユニット(研磨ユニット)、又はレーザービームの照射によって被加工物11を加工する加工ユニット(レーザー照射ユニット)を備える。この場合、加工装置はそれぞれ、切削装置、研削装置、研磨装置、レーザー加工装置として機能する。
以下、被加工物11を切削ブレードで切削する加工装置(切削装置)にチャックテーブル2及び搬送機構12を搭載した例について説明する。図12は、切削装置40を示す斜視図である。
切削装置40は、切削装置40を構成する各構成要素が搭載される基台42を備える。基台42は、水平方向(XY平面方向)に沿って配置された第1面42aと、第1面42aの後端から鉛直方向(Z軸方向)の上方に向かって配置された第2面42bと、第1面42aの前端から鉛直方向の下方に向かって配置された第3面42cと、を備える階段状に形成されている。
第2面42bの左右方向(Y軸方向)の一端側には開口42dが形成されており、開口42dの内部にはカセットエレベータ44が配置されている。カセットエレベータ44は昇降機構(不図示)に連結されており、この昇降機構はカセットエレベータ44を鉛直方向に沿って昇降させる。また、カセットエレベータ44の上面には、複数の被加工物11(図1参照)を収容可能なカセット46が搭載される。
開口42dの前方には、被加工物11を仮置きするための仮置きユニット48が設けられている。仮置きユニット48は、互いに平行な状態を維持しながら接近及び離隔する一対のガイドレール50a,50bを備える。また、ガイドレール50a,50bの近傍には、カセット46に収容されている被加工物11を把持して引き出す搬出機構52が配置されている。
搬出機構52は、被加工物11を把持する把持部52aをカセットエレベータ44側に備え、基台42の第1面42aに沿って前後方向(X軸方向)に移動する。また、ガイドレール50a,50bは、搬出機構52によってカセット46から引き出された被加工物11を挟み込み、被加工物11の位置合わせを行う。
仮置きユニット48上方には、被加工物11を搬送する搬送機構54が設けられている。この搬送機構54として、前述の搬送機構12(図2等参照)を用いることができる。搬送機構54は搬送アーム56を備えており、搬送アーム56は、長さ方向がY軸方向に沿うように開口42dの上方に形成されたスリット42eの内部に挿入されている。搬送アーム56の基端側(後端側)は移動機構(不図示)に接続されており、この移動機構は搬送アーム56をY軸方向に沿って移動させる。
搬送アーム56の先端部(前端部)には、エアシリンダ等でなる昇降機構58を介して、搬送ヘッド60及び撮像ユニット62が接続されている。なお、この搬送ヘッド60として、前述の搬送ヘッド14(図2等参照)を用いることができる。撮像ユニット62は、カメラ等でなり、搬送ヘッド60によって保持された被加工物11が搬送される位置を調整するための画像等を取得する。ただし、撮像ユニット62は省略することもできる。
第1面42aの中央部には、第1面42aの前方から後方に向かって形成された平面視で矩形状の開口42fが設けられている。この開口42fの内部には、X軸移動テーブル64と、X軸移動テーブル64をX軸方向に移動させるX軸移動機構(不図示)と、X軸移動機構を覆う蛇腹状の防塵防滴カバー66とが配置されている。
X軸移動テーブル64上には、被加工物11を保持するチャックテーブル68が配置されている。このチャックテーブル68として、前述のチャックテーブル2(図2等参照)を用いることができる。チャックテーブル68は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、Z軸方向(鉛直方向)に概ね平行な回転軸の周りに回転する。また、チャックテーブル68はX軸移動テーブル64とともにX軸方向に沿って移動する。
チャックテーブル68の上方には、被加工物11を切削する円環状の切削ブレード72が装着される加工ユニット(切削ユニット)70が配置されている。加工ユニット70は移動機構(不図示)によって支持されており、この移動機構は加工ユニット70をY軸方向及びZ軸方向に沿って移動させる。なお、図12には切削装置40が1組の加工ユニット70を備える例を示しているが、切削装置40には2組以上の加工ユニット70が設けられていてもよい。
加工ユニット70は、チャックテーブル68の上面(保持面)に対して概ね平行な方向に軸心をとるスピンドル(不図示)を備えており、このスピンドルの先端部に切削ブレード72が装着される。スピンドルはモータ等の回転駆動源と連結されており、スピンドルに装着された切削ブレード72は回転駆動源から伝わる力によって回転する。
切削ブレード72は、例えばダイヤモンド等でなる砥粒をボンド材で固定して形成される。ボンド材としては、例えばメタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンドなどが用いられる。切削ブレード72を回転させ、チャックテーブル68上に配置された被加工物11に切り込ませることにより、被加工物11が切削され、複数のチップ等(例えば、デバイスチップやパッケージデバイス)に分割される。
被加工物11を加工する際は、まず、カセット46に収容された加工前の被加工物11を搬出機構52の把持部52aで把持して引き出し、ガイドレール50a,50b上に配置する。そして、ガイドレール50a,50bで被加工物11を挟み込むことによって被加工物11の位置合わせを行った後、搬送機構54によって被加工物11をチャックテーブル68に搬送する。なお、被加工物11を搬送する際のチャックテーブル68及び搬送機構54の動作は、前述のチャックテーブル2及び搬送機構12の動作(図8~図10等参照)と同様である。
その後、チャックテーブル68によって保持された被加工物11に対し、加工ユニット70によって所定の切削加工が施される。例えば、チャックテーブル68を回転させて分割予定ライン15(図1参照)の長さ方向を加工送り方向(X軸方向)に合わせるとともに、加工ユニット70が備える切削ブレード72の下端を被加工物11の下面11bよりも下方に位置付けた状態で、切削ブレード72を回転させて分割予定ライン15に沿って被加工物11に切り込ませる。これにより、被加工物11が分割予定ライン15に沿って分割される。
なお、図2等に示すように、支持台4の保持面4a側には、被加工物11の分割予定ライン15に対応する溝4gが形成されている。被加工物11を分割する際には、切削ブレード72の下端部がこの溝4gに挿入され、切削ブレード72と支持台4との接触が回避される。
チャックテーブル68の上方には、洗浄ユニット74が配置されている。洗浄ユニット74は、加工ユニット70によって加工された被加工物11の上面11a側に純水等の洗浄液を供給して、被加工物11を洗浄する。ただし、被加工物11の上面11a側の洗浄は、例えば加工ユニット70に備えられた洗浄ノズル(不図示)から洗浄液を供給することによって実施してもよい。この場合、洗浄ユニット74は省略することもできる。
また、チャックテーブル68の上方には、被加工物11を搬送する搬送機構76が設けられている。この搬送機構76としては、前述の搬送機構12(図2等参照)を用いることができる。搬送機構76は搬送アーム78を備えており、搬送アーム78は、長さ方向がY軸方向に沿うようにスリット42eの斜め上方に形成されたスリット42gの内部に挿入されている。搬送アーム78の基端側(後端側)は移動機構(不図示)に接続されており、この移動機構は搬送アーム78をY軸方向に沿って移動させる。
搬送アーム78の先端部(前端部)には、エアシリンダ等でなる昇降機構80を介して搬送ヘッド82が接続されている。この搬送ヘッド82としては、前述の搬送ヘッド14(図2等参照)を用いることができる。
開口42fの側方(左右方向の他端側)には、加工後の被加工物11の下面11bに純水等の洗浄液を供給して被加工物11を洗浄する洗浄ユニット84が設けられている。また、洗浄ユニット84の側方(左右方向の他端側)には、加工後の被加工物11の下面11b側を乾燥させる下面乾燥機構86が配置されている。下面乾燥機構86は、上方に開口する複数の噴出孔を備えており、この噴出孔から上方に向かってエアーが噴出される。
下面乾燥機構86の上方には、上面乾燥機構88が設けられている。上面乾燥機構88はアーム90を備えており、アーム90は、長さ方向がY軸方向に沿うようにスリット42gの下方に形成されたスリット42hの内部に挿入されている。アーム90の基端側(後端側)には移動機構(不図示)が接続されており、この移動機構はアーム90をY軸方向に沿って移動させる。
アーム90の先端部(前端部)には、エアシリンダ等でなる昇降機構92を介して噴出ノズル94が接続されている。噴出ノズル94は、下方に開口する複数の噴出孔を備えており、この噴出孔から下方に向かってエアーが噴出される。
第2面42bの左右方向(Y軸方向)の他端側には開口42iが形成されており、開口42iの内部にはカセットエレベータ96が配置されている。カセットエレベータ96は昇降機構(不図示)に連結されており、この昇降機構はカセットエレベータ96を鉛直方向に沿って昇降させる。また、カセットエレベータ96の上面には、複数の被加工物11を収容可能なカセット98が搭載される。
開口42iの前方には、被加工物11を仮置きするための仮置きユニット100が設けられている。仮置きユニット100は、互いに平行な状態を維持しながら接近及び離隔する一対のガイドレール102a,102bを備える。ガイドレール102a,102bは、搬送機構76によって搬送された被加工物11を挟み込み、被加工物11の位置合わせを行う。
また、ガイドレール102a,102bの近傍には、仮置きユニット100に仮置きされた被加工物11を把持してカセット98に収容する搬入機構104が配置されている。搬入機構104は、被加工物11を把持する把持部104aをカセットエレベータ96側に備え、基台42の第1面42aに沿って前後方向(X軸方向)に移動する。
加工ユニット70によって加工された被加工物11は、その上面11a側が洗浄ユニット74によって洗浄された後、搬送機構76によってチャックテーブル68から搬送される。なお、被加工物11を搬送する際のチャックテーブル68及び搬送機構76の動作は、前述のチャックテーブル2及び搬送機構12の動作と同様である。
搬送機構76によって保持された被加工物11は、その下面11b側が洗浄ユニット84によって洗浄された後、下面乾燥機構86の上方に配置される。そして、下面乾燥機構86から噴出されるエアーによって、被加工物11の下面11b側に付着した洗浄水等が吹き飛ばされ、被加工物11の乾燥が行われる。
被加工物11の下面11b側の乾燥が完了すると、搬送機構76は被加工物11を下面乾燥機構86上に載置する。また、上面乾燥機構88が被加工物11の上方に配置される。そして、噴出ノズル94から噴出されるエアーによって、被加工物11の上面11a側に付着した洗浄水等が吹き飛ばされ、被加工物11の乾燥が行われる。
なお、下面乾燥機構86の代わりに被加工物11を保持する保持テーブルを設け、洗浄ユニット84と保持テーブルとの間に、上方に向かってエアーを噴出するノズルを設けてもよい。この場合、被加工物11が洗浄ユニット84から保持テーブルに搬送される際に、被加工物11の下面11b側の洗浄を実施することができる。
上面11a側及び下面11b側が乾燥された被加工物11は、搬送機構76によって保持され、ガイドレール102a,102b上に搬送される。そして、被加工物11はガイドレール102a,102bによって挟み込まれて位置合わせが行われた後、搬入機構104によってカセット98に収容される。
なお、例えば加工ユニット70によって被加工物11を2つの部品に分割した場合は、ガイドレール102a,102b上に該部品が1つずつ配置され、カセット98に収容される。搬送機構76は、一対の保持部材20(図2等参照)を2組備えているため、該部品を1つずつガイドレール102a,102b上に載置することができる。
また、基台42の第3面42c側には、切削装置40に対する指示等を入力するための操作パネル106が設置されている。操作パネル106には、加工の条件などの情報が入力される。
以上の通り、本実施形態に係る搬送機構12は、保持部材20で被加工物11の外周部を下面11b側から保持することにより、被加工物11を搬送する。そのため、被加工物11を吸引保持する機構を用いることなく被加工物11を搬送でき、被加工物11を吸引保持することによって生じる被加工物11への異物の付着等が回避される。これにより、被加工物11の加工によって得られるチップ等の品質及び歩留まりの低下を抑制することができる。
なお、本実施形態で説明したチャックテーブル2及び搬送機構12の構造の細部は、被加工物11の搬送が可能な範囲で適宜変更できる。図13は、変形例に係るチャックテーブル2及び搬送機構12を示す斜視図である。
図13に示すように、搬送ヘッド14の基台16は、図2に示す切り欠き部16eとは異なる形状の切り欠き部16fを備えていてもよい。切り欠き部16fは、チャックテーブル2のクランプ部6に対応する領域に形成されている。クランプ部6を閉状態(図4(A)参照)とし、搬送ヘッド14をチャックテーブル2上に配置すると、切り欠き部16fはクランプ部6の接触部6aと重なるように配置される。
チャックテーブル2と搬送ヘッド14との距離や、クランプ部6の大きさ等によっては、クランプ部6を開状態(図3(A)参照)から閉状態(図4(A)参照)に切り替える際、クランプ部6の接触部6aが基台16と接触し、クランプ部6による被加工物11の押圧が妨げられる可能性がある。しかしながら、切り欠き部16fが設けられていると、搬送ヘッド14をチャックテーブル2に接近させた状態でクランプ部6を非押圧位置から押圧位置に移動させる際、接触部6aが切り欠き部16fの内側を通過するため、クランプ部6と基台16との接触が回避される。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 上面(表面)
11b 下面(裏面)
11c 外周縁
13 デバイス領域
15 分割予定ライン(ストリート)
2 チャックテーブル
4 支持台
4a 保持面
4b 下面
4c 第1側面
4d 第2側面
4e 切り欠き部
4f 開口
4g 溝
6 クランプ部
6a 接触部
6b 支持部
6c 切り欠き部
8 クランプ部駆動機構
12 搬送機構(搬送ユニット)
14 搬送ヘッド
16 基台
16a 上面
16b 下面
16c 第1側面
16d 第2側面
16e 切り欠き部
16f 切り欠き部
18 接続部材
20 保持部材
20a 側壁部
20b 上壁部
20c 保持部
20d 突出部
22 保持部材駆動機構
24 ガイド部
24a 凸部
26 押圧ピン
28 位置決めピン
40 切削装置
42 基台
42a 第1面
42b 第2面
42c 第3面
42d,42f,42i 開口
42e,42g,42h スリット
44 カセットエレベータ
46 カセット
48 仮置きユニット
50a,50b ガイドレール
52 搬出機構
52a 把持部
54 搬送機構
56 搬送アーム
58 昇降機構
60 搬送ヘッド
62 撮像ユニット
64 X軸移動テーブル
66 防塵防滴カバー
68 チャックテーブル
70 加工ユニット(切削ユニット)
72 切削ブレード
74 洗浄ユニット
76 搬送機構
78 搬送アーム
80 昇降機構
82 搬送ヘッド
84 洗浄ユニット
86 下面乾燥機構
88 上面乾燥機構
90 アーム
92 昇降機構
94 噴出ノズル
96 カセットエレベータ
98 カセット
100 仮置きユニット
102a,102b ガイドレール
104 搬入機構
104a 把持部
106 操作パネル

Claims (7)

  1. 被加工物を搬送する搬送機構であって、
    移動機構に接続された搬送アームと、
    該搬送アームに接続された搬送ヘッドと、を備え、
    該搬送ヘッドは、該被加工物の外周部を下面側から保持する保持位置と、該被加工物を保持しない非保持位置との間で移動可能に構成された一対の保持部材と、該保持部材によって保持されている該被加工物の上面側には接触せず該保持部材による該被加工物の保持が解除される際に該被加工物の上面側を押圧する押圧ピンと、を備え、
    該被加工物を保持する保持面と、
    該保持部材に対応する領域に設けられ、該搬送ヘッドを該保持面に接近させた際に該保持部材の下端部が配置される切り欠き部と、
    該被加工物の外周部を上面側から押圧する押圧位置と、該被加工物を押圧しない非押圧位置との間で移動可能に構成された一対のクランプ部と、を備えるチャックテーブルへ、又は該チャックテーブルから、該被加工物を搬送することを特徴とする搬送機構。
  2. 該搬送ヘッドは、該クランプ部に対応する領域に設けられ、該クランプ部が該非押圧位置から該押圧位置に移動する際に該クランプ部が通過する切り欠き部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の搬送機構。
  3. 該搬送ヘッドは、該被加工物の位置決めを行うための位置決めピンを更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送機構。
  4. 搬送機構を用いて被加工物をチャックテーブルへ搬送する被加工物の搬送方法であって、
    該搬送機構は、移動機構に接続された搬送アームと、該搬送アームに接続された搬送ヘッドと、を備え、
    該搬送ヘッドは、該被加工物の外周部を下面側から保持する保持位置と該被加工物を保持しない非保持位置との間で移動可能に構成された一対の保持部材を備え、
    該チャックテーブルは、該被加工物を保持する保持面と、該保持部材に対応する領域に設けられ該搬送ヘッドを該保持面に接近させた際に該保持部材の下端部が配置される切り欠き部と、該被加工物の外周部を上面側から押圧する押圧位置と、該被加工物を押圧しない非押圧位置との間で移動可能に構成された一対のクランプ部と、を備え、
    該保持部材によって該被加工物を保持した該搬送ヘッドを下降させ、該被加工物を該チャックテーブルに載置する載置ステップと、
    該載置ステップの後、該クランプ部を該押圧位置に配置することにより、該被加工物の外周部を上面側から押圧する押圧ステップと、
    該押圧ステップの後、該保持部材を該非保持位置に配置することにより、該保持部材を該被加工物の外側に配置する保持部材配置ステップと、
    該保持部材配置ステップの後、該搬送ヘッドを上昇させる搬送ヘッド上昇ステップと、を含むことを特徴とする被加工物の搬送方法。
  5. 搬送機構を用いて被加工物をチャックテーブルから搬送する被加工物の搬送方法であって、
    該搬送機構は、移動機構に接続された搬送アームと、該搬送アームに接続された搬送ヘッドと、を備え、
    該搬送ヘッドは、該被加工物の外周部を下面側から保持する保持位置と該被加工物を保持しない非保持位置との間で移動可能に構成された一対の保持部材を備え、
    該チャックテーブルは、該被加工物を保持する保持面と、該保持部材に対応する領域に設けられ該搬送ヘッドを該保持面に接近させた際に該保持部材の下端部が配置される切り欠き部と、該被加工物の外周部を上面側から押圧する押圧位置と、該被加工物を押圧しない非押圧位置との間で移動可能に構成された一対のクランプ部と、を備え、
    該クランプ部によって押圧された状態の該被加工物の上方に位置付けた該搬送ヘッドを下降させる搬送ヘッド下降ステップと、
    該搬送ヘッド下降ステップの後、該保持部材を該保持位置に配置することにより、該保持部材を該被加工物の外周部と重なる位置に配置する保持部材配置ステップと、
    該保持部材配置ステップの後、該クランプ部を該非押圧位置に配置することにより、該クランプ部による該被加工物の押圧を解除する押圧解除ステップと、
    該押圧解除ステップの後、該搬送ヘッドを上昇させる搬送ヘッド上昇ステップと、を含むことを特徴とする被加工物の搬送方法。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の搬送機構及びチャックテーブルと、
    該チャックテーブルで保持された該被加工物を加工する加工ユニットと、を含むことを特徴とする加工装置。
  7. 該加工ユニットには、該被加工物を切削する切削ブレードが装着され、
    該チャックテーブルは、該被加工物の分割予定ラインに対応する領域に、該切削ブレードの下端部が挿入される溝を有することを特徴とする請求項6に記載の加工装置。
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