JP7268610B2 - シート空調装置 - Google Patents
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Description
本開示は、シート空調装置に関する。
従来、シートバックに対してシート表面を換気するためのシート空調装置が設けられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のシートバックは、バックパッドのうち着座者を支える部位の全体に複数の通風穴が形成され、シート表面の略全体を換気する構造になっている。
しかしながら、特許文献1の記載のシートバックのように、シート表面の略全体を換気する構造では、例えば、着座者の身体のうち冷えに鈍感な部位付近も換気することになり効率が悪い。このことは、本発明者らの検討の末に見出された。
本開示は、効率よく着座者に快適性を与えることが可能なシート空調装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
シート空調装置であって、
気流を発生させる送風機(11)と、
着座者の上半身を支持するシートバック(5)と、を備え、
シートバックは、
着座者の上半身の支持面となる表側に配置された通気性を有する表皮(52)と、
表側に送風機で誘起された気流が通過する通風穴(510)が複数形成されるとともに、複数の通風穴に連なる通風路(511)が形成されたバックパッド(51)と、を含んでおり、
シートバックのうち着座者側に露出する部位を下方側から順に第1バック部(P1)、第2バック部(P2)、第3バック部(P3)、第4バック部(P4)、第5バック部(P5)、第6バック部(P6)といった6つの部位に均等に分けたとき、
バックパッドは、第3バック部および第4バック部に対応する胸椎対応部(51D)における単位面積あたりの通風穴の占有面積が胸椎対応部以外の他の部位での通風穴の占有面積に比べて大きくなっている。
シート空調装置であって、
気流を発生させる送風機(11)と、
着座者の上半身を支持するシートバック(5)と、を備え、
シートバックは、
着座者の上半身の支持面となる表側に配置された通気性を有する表皮(52)と、
表側に送風機で誘起された気流が通過する通風穴(510)が複数形成されるとともに、複数の通風穴に連なる通風路(511)が形成されたバックパッド(51)と、を含んでおり、
シートバックのうち着座者側に露出する部位を下方側から順に第1バック部(P1)、第2バック部(P2)、第3バック部(P3)、第4バック部(P4)、第5バック部(P5)、第6バック部(P6)といった6つの部位に均等に分けたとき、
バックパッドは、第3バック部および第4バック部に対応する胸椎対応部(51D)における単位面積あたりの通風穴の占有面積が胸椎対応部以外の他の部位での通風穴の占有面積に比べて大きくなっている。
これによると、シートバックにおける身体の冷点密度および発汗率が高い胸椎部に対応する第3バック部および第4バック部での換気能力が高まる。特に、第3バック部および第4バック部は、胸椎部と同様に身体の冷点密度および発汗率が高い腰部に対応する第2バック部に比べて、シートバックにおける座圧が低く、気流の流通が阻害され難いので、効率よく着座者に快適性を与えることができる。
請求項3に記載の発明は、
シート空調装置であって、
気流を発生させる送風機(11)と、
着座者の上半身を支持するシートバック(5)と、を備え、
シートバックは、
着座者の上半身の支持面となる表側に配置された通気性を有する表皮(52)と、
表側に送風機で誘起された気流の通風穴(510)が複数形成されるとともに、複数の通風穴に連なる通風路(511)が形成されたバックパッド(51)と、を含んでおり、
着座者の人体モデルであるAM50型のダミー(DP)の上半身をシートバックに支持させたとき、
バックパッドは、ダミーの肩下から腰上に対応する胸椎対応部(51D)における単位面積あたりの通風穴の占有面積が、胸椎対応部以外の他の部位での通風穴の占有面積に比べて、大きくなっている。
シート空調装置であって、
気流を発生させる送風機(11)と、
着座者の上半身を支持するシートバック(5)と、を備え、
シートバックは、
着座者の上半身の支持面となる表側に配置された通気性を有する表皮(52)と、
表側に送風機で誘起された気流の通風穴(510)が複数形成されるとともに、複数の通風穴に連なる通風路(511)が形成されたバックパッド(51)と、を含んでおり、
着座者の人体モデルであるAM50型のダミー(DP)の上半身をシートバックに支持させたとき、
バックパッドは、ダミーの肩下から腰上に対応する胸椎対応部(51D)における単位面積あたりの通風穴の占有面積が、胸椎対応部以外の他の部位での通風穴の占有面積に比べて、大きくなっている。
これによると、シートバックにおける身体の冷点密度および発汗率が高い肩下から腰上の胸椎部を支持する部位での換気能力が高まる。特に、身体の肩下から腰上までの胸椎部は、胸椎部と同様に身体の冷点密度および発汗率が高い腰部に比べて、シートバックにおける座圧が低く、気流の流通が阻害され難いので、効率よく着座者に快適性を与えることができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態について図1~図7を参照しつつ説明する。本実施形態では、本開示のシート空調装置10を自動車の前席に設置されるシート1に適用した例について説明する。各図に付された方向を示すDR1、DR2、DR3等は、各図相互の関係を理解し易くするために示したものである。各方向DR1、DR2、DR3は、実施形態に係るシート1を自動車に設置した状態における上下、左右、前後の各方向を示している。なお、本開示のシート空調装置10等の設置状態は、各図に付された方向に限定されない。
本開示の第1実施形態について図1~図7を参照しつつ説明する。本実施形態では、本開示のシート空調装置10を自動車の前席に設置されるシート1に適用した例について説明する。各図に付された方向を示すDR1、DR2、DR3等は、各図相互の関係を理解し易くするために示したものである。各方向DR1、DR2、DR3は、実施形態に係るシート1を自動車に設置した状態における上下、左右、前後の各方向を示している。なお、本開示のシート空調装置10等の設置状態は、各図に付された方向に限定されない。
[シート1の概要]
図1および図2に示すように、シート1は、着座者Pが座る座部を構成するシートクッション2、着座者Pの頭部を支持するヘッドレスト3、着座者Pの背もたれとなるシートバック5を備える。なお、着座者Pは、シート1の利用者であり、現実にシート1に着座していない者も含まれる。各図に示す着座者Pは、AM50型のダミーDPである。AM50型のダミーは、米国人成人男性の50パーセンタイルのダミー人形である。
図1および図2に示すように、シート1は、着座者Pが座る座部を構成するシートクッション2、着座者Pの頭部を支持するヘッドレスト3、着座者Pの背もたれとなるシートバック5を備える。なお、着座者Pは、シート1の利用者であり、現実にシート1に着座していない者も含まれる。各図に示す着座者Pは、AM50型のダミーDPである。AM50型のダミーは、米国人成人男性の50パーセンタイルのダミー人形である。
シートクッション2は、着座者Pの下半身のうち主に臀部を支持する部位である。シートクッション2は、図示しないが、クッションパッド、表皮等を有している。クッションパッドは、発泡ウレタン等の弾性変形可能な材料で構成された緩衝材である。表皮は、クッションパッドの表側を覆う部材である。
ヘッドレスト3は、着座者Pの頭部を支持する部位である。ヘッドレスト3は、図示しないが、ヘッドパッド、表皮等を有している。ヘッドパッドは、発泡ウレタン等の弾性変形可能な材料で構成された緩衝材である。表皮は、ヘッドパッドの表側を覆う部材である。
シートバック5は、着座者Pのうち頭部を除く上半身を支持する部位である。本実施形態は、シートバック5のうち着座者側に露出する部位を6つに均等に区分するとともに、当該6つの部位を下方側から順に第1バック部P1、第2バック部P2、第3バック部P3、第4バック部P4、第5バック部P5、第6バック部P6としている。
シートバック5は、第1バック部P1が身体の臀部を支持する支持部位を構成し、第2バック部P2が身体の腰部を支持する支持部位を構成する。また、シートバック5は、第3バック部P3および第4バック部P4が身体の胸椎部を支持する支持部位を構成する。そして、シートバック5は、第5バック部P5が身体の肩部を支持する支持部位を構成し、第6バック部P6が身体の頸椎部を支持する支持部位を構成する。身体の胸椎部は、ダミーDPにおける肩下から腰上に相当している。また、身体の肩部は、例えば、ダミーDPにおける鎖骨から肩甲骨の上端に位置する肩甲上腕関節までの範囲を想定している。
シートバック5の下端部は、図示しないリクライニング機構を介してシートクッション2の後端部に連結されている。また、シートバック5の上端部には、ヘッドレスト3が連結されている。シートバック5は、図2に示すように、バックパッド51、表皮52、バックフレーム53等を有している。
バックパッド51は、発泡ウレタン等の弾性変形可能な材料で構成された緩衝材である。図3に示すように、バックパッド51には、表側に後述の送風機11で誘起された気流が通過する通風穴510が複数形成されている。通風穴510はバックパッド51の表裏を貫通する貫通孔で構成されている。複数の通風穴510の形成位置は後述する。
バックパッド51の裏側には、複数の通風穴510に連なる通風路511が形成されている。通風路511は、バックパッド51の裏側に形成された通風溝511aおよびバックパッド51の裏側から通風溝511aを覆う封止部材511bで構成されている。この封止部材511bは、例えば、フェルトで構成されている。
通風路511は、バックパッド51の裏側に形成されるマニホールド512に接続されている。マニホールド512は、通風路511を流れる気流を集合させて後述の送風機11に導く空間である。
ここで、シートバック5は、図1に示すように、着座者Pをシートバック5の幅方向から支える一対のサイドサポート5A、5Bと、一対のサイドサポート5A、5Bの間に配置されるセンタサポート5Cと、を有する。一対のサイドサポート5A、5Bは、シートバック5の幅方向から着座者を支持可能なように、センタサポート5Cに比べて着座者側に向けて突き出ている。
バックパッド51は、図4に示すように、一対のサイドサポート5A、5Bに対応するサイド部位51A、51B、センタサポート5Cに対応するセンタ部位51Cを有している。
バックパッド51の表側には、一対の縦吊溝513、514が形成され、一対の縦吊溝513、514と交差する一対の横吊溝515、516が形成されている。一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516は、表皮52の継ぎ目が収容される部位である。
一対の縦吊溝513、514は、シート1の座り心地に影響しないように、サイド部位51A、51Bとセンタ部位51Cとの間に形成されている。一対の縦吊溝513、514は、バックパッド51の下端側から上端側に向かって延びている。
一対の横吊溝515、516は、シート1の座り心地に影響しないように、着座者Pの肩下付近に対応する部位および腰上付近に対応する部位に対して設けられている。換言すれば、一対の横吊溝515、516は、シートバック5における第2バック部P2と第3バック部P3との間、第4バック部P4と第5バック部P5との間に設定されている。一対の横吊溝515、516は、一対の縦吊溝513、514と略直交するように、一対の縦吊溝513、514の一方から他方に向かって延びている。
表皮52は、バックパッド51の表側を覆う部材である。具体的には、表皮52は、シートバック5において着座者Pの上半身の支持面となる表側に配置されている。表皮52は、通気性を有する材料で構成されている。
バックフレーム53は、シートバック5の骨格をなす枠状の部材である。バックフレーム53には、バックパッド51が取り付けられている。バックフレーム53とバックパッド51との間には、後述の送風機11等を設置するための設置スペースが形成されている。バックフレーム53には、ランバーサポートが追加されていてもよい。ランバーサポートは、身体の腰付近を保持して姿勢を適正化させるものである。
[シート空調装置10の概要]
シート空調装置10は、シート1からの送風で人体を直接冷やすSVSとして構成されている。なお、SVSは、Seat Ventilation System の略称である。シート空調装置10は、前述のシートバック5および送風機11を備える。
シート空調装置10は、シート1からの送風で人体を直接冷やすSVSとして構成されている。なお、SVSは、Seat Ventilation System の略称である。シート空調装置10は、前述のシートバック5および送風機11を備える。
送風機11は、バックフレーム53とバックパッド51との間に配置されている。送風機11は、バックフレーム53に対して固定されている。具体的には、送風機11は、送風機11の少なくとも一部がシートバック5の厚み方向において後述の胸椎対応部51Dに重なり合う位置に配置されている。換言すれば、送風機11は、バックパッド51のうち通風穴510の占有面積が大きい部位の裏側に配置されている。
送風機11は、マニホールド512に接続されている。これにより、送風機11が駆動されると、気流がマニホールド512を通過する。具体的には、送風機11は、空気の吸込口がマニホールド512に接続されている。
シート空調装置10は、送風機11がマニホールド512から空気を吸い込むことにより、送風機11で誘起された気流が複数の通風穴510を通過する。このように構成されるシート空調装置10では、従来技術のように、シートバック5表面の略全体を換気する構造とすると、着座者の身体のうち冷えに鈍感な部位付近も換気することになり効率が悪い。
これに対して、本実施形態のシート空調装置10は、バックパッド51の座圧の分布、着座者の身体の冷点密度の分布、発汗率の分布を加味して、バックパッド51における通風穴510の形成位置を設定している。以下、バックパッド51の座圧の分布、着座者の身体の冷点密度の分布、発汗率の分布について説明した後、通風穴510の形成位置を説明する。
[バックパッド51の座圧の分布]
着座者Pが標準的な姿勢でシート1に着座した際にシートバック5のうち着座者側に露出する部位に作用する圧力(すなわち、座圧)は、バックパッド51の全体で一様となるわけではない。バックパッド51の座圧は、図5に示すように、着座者PのヒップポイントHからの距離が100mmから200mmまでの範囲、すなわち、HP100~HP200までの範囲で最大となる。
着座者Pが標準的な姿勢でシート1に着座した際にシートバック5のうち着座者側に露出する部位に作用する圧力(すなわち、座圧)は、バックパッド51の全体で一様となるわけではない。バックパッド51の座圧は、図5に示すように、着座者PのヒップポイントHからの距離が100mmから200mmまでの範囲、すなわち、HP100~HP200までの範囲で最大となる。
バックパッド51の表側におけるHP100~HP200付近では、着座者Pとバックパッド51とが密着し、バックパッド51の変形が生じ易いことで、通風穴510および通風路511における気流の流通が阻害され易い。
一方、バックパッド51の座圧は、着座者PのヒップポイントHからの距離が400mm以上となる範囲で小さい。特に、着座者PのヒップポイントHからの距離が500mm以上では、着座者Pの身体がシートバック5から離れることで座圧が略ゼロとなる。
着座者PのヒップポイントHからの距離が400mm以上となる範囲では、座圧が小さく、バックパッド51の通風穴510と着座者Pとが離間し易くなることで、送風機11で誘起される気流が着座者Pから離れ易い。つまり、着座者PのヒップポイントHからの距離が400mm以上となる範囲では、通風穴510および通風路511における気流の流通が阻害され難いものの、送風機11で誘起される気流が着座者Pから遠ざかることで換気による快適性が得られ難い。なお、着座者PのヒップポイントHからの距離が400mmから600mmまでの範囲は、図5に示すHP400~HP600に対応している。
したがって、バックパッド51の座圧の観点では、HP100からHP200までの範囲、HP400からHP600までの範囲を避けて換気することで、空調の効率向上を図ることが期待できる。
ここで、図5に示す「HP」の後に付した数字は、着座者PのヒップポイントHからの距離(単位:[mm])を示している。ヒップポイントHは、シート1に着座した際の基準である。ヒップポイントHは、例えば、シート1に着座させてAM50型のダミーの胴部と大腿部とを結ぶ回転中心点と解釈することができる。
具体的には、HP0~HP100は、シートバック5において身体の臀部を支持する第1バック部P1となる範囲を想定している。HP100~HP200は、シートバック5において身体の腰部を支持する第2バック部P2となる範囲を想定している。HP200~HP300は、シートバック5において身体の上部胸椎部を支持する第3バック部P3となる範囲を想定している。HP300~HP400は、シートバック5において身体の下部胸椎部を支持する第4バック部P4となる範囲を想定している。HP400~HP500は、シートバック5において身体の肩部を支持する第5バック部P5となる範囲を想定している。HP500~HP600は、シートバック5において身体の頸椎部を支持する第6バック部P6となる範囲を想定している。より詳しくは、本実施形態の上部胸椎部は、身体における第3胸椎から第7胸椎までの範囲を想定している。また、下部胸椎部は、身体における第8胸椎から第12胸椎までの範囲を想定している。
[冷点密度の分布]
着座者Pの身体の背面では、冷えを感じる冷点が一様に分布しているわけではなく、例えば、図6に示すように、身体の背面において偏りがある。なお、冷点密度は、単位面積あたりの冷点の個数である。
着座者Pの身体の背面では、冷えを感じる冷点が一様に分布しているわけではなく、例えば、図6に示すように、身体の背面において偏りがある。なお、冷点密度は、単位面積あたりの冷点の個数である。
図6によれば、冷点密度は、身体の頸椎部A1、肩部A2、上部胸椎部A3、下部胸椎部A4、腰A5で大きく、上腕部A6、肘部A7、手部A8、大腿部A9、膝部A10、脚部A11が小さい傾向がある。
このため、冷点密度の観点では、身体の頸椎部A1、肩部A2、上部胸椎部A3、下部胸椎部A4、腰A5を重点的に換気することで、空調の効率向上を図ることが期待できる。換言すれば、冷点密度の観点では、ヒップポイントHからの距離が100mm以上となる範囲で換気することで、空調の効率向上を図ることが期待できる。
[発汗率の分布]
着座者の身体の背面では、発汗率が一様に分布しているわけではなく、例えば、図7に示すように、身体の背面において偏りがある。なお、発汗率は、所定の環境条件下での単位面積あたりの発汗量である。
着座者の身体の背面では、発汗率が一様に分布しているわけではなく、例えば、図7に示すように、身体の背面において偏りがある。なお、発汗率は、所定の環境条件下での単位面積あたりの発汗量である。
図7によれば、発汗率は、身体の肩の上部B1、肩の中間部B2、肩の下部B3、上部胸椎部B4、下部胸椎部B5、腰B6で大きく、臀部B7、大腿部B11で標準となり、上腕部B8、肘部B9、手部B10、膝部B12、脚部A13が小さい傾向がある。
このため、発汗率の観点では、肩の中間部B2、肩の下部B3、上部胸椎部B4、下部胸椎部B5、腰B6を重点的に換気することで、空調の効率向上を図ることが期待できる。換言すれば、発汗率の観点では、ヒップポイントHからの距離が100mm以上となる範囲で換気することで、空調の効率向上を図ることが期待できる。
[通風穴510の形成位置]
本実施形態の通風穴510は、上述のバックパッド51の座圧の分布、冷点密度の分布、発汗率の分布を加味して、バックパッド51におけるHP200~HP400の範囲に偏って形成されている。すなわち、バックパッド51は、第3バック部P3および第4バック部P4に対応する胸椎対応部51Dにおける単位面積あたりの通風穴510の占有面積が胸椎対応部51D以外の他の部位での通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。換言すれば、バックパッド51は、ダミーDPの肩下から腰上に対応する胸椎対応部51Dにおける単位面積あたりの通風穴510の占有面積が、胸椎対応部51D以外の他の部位での通風穴510の占有面積に比べて、大きくなっている。本実施形態にて「通風穴510の占有面積」とは、バックパッド51の表面において単位面積あたりで通風穴510が占有する面積を意味する。
本実施形態の通風穴510は、上述のバックパッド51の座圧の分布、冷点密度の分布、発汗率の分布を加味して、バックパッド51におけるHP200~HP400の範囲に偏って形成されている。すなわち、バックパッド51は、第3バック部P3および第4バック部P4に対応する胸椎対応部51Dにおける単位面積あたりの通風穴510の占有面積が胸椎対応部51D以外の他の部位での通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。換言すれば、バックパッド51は、ダミーDPの肩下から腰上に対応する胸椎対応部51Dにおける単位面積あたりの通風穴510の占有面積が、胸椎対応部51D以外の他の部位での通風穴510の占有面積に比べて、大きくなっている。本実施形態にて「通風穴510の占有面積」とは、バックパッド51の表面において単位面積あたりで通風穴510が占有する面積を意味する。
具体的には、バックパッド51には、第2バック部P2に対応する腰対応部51Eおよび第5バック部P5に対応する肩対応部51Fそれぞれに2つの通風穴510A、510Bが形成されている。
これに対して、バックパッド51の胸椎対応部51Dには、上述の通風穴510A、510Bと同程度の開口面積を有する8つの通風穴510C、510Dが形成されている。より具体的には、バックパッド51は、第4バック部P4に略6つの通風穴510Cが形成され、第3バック部P3に略2つの通風穴510Dが形成されている。これにより、バックパッド51は、第4バック部P4での通風穴510の占有面積が第3バック部P3での通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。
また、バックパッド51は、センタサポート5Cに対応するセンタ部位51Cにおける単位面積あたりの通風穴510の占有面積が一対のサイドサポート5A、5Bに対応するサイド部位51A、51Bでの通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。本実施形態の複数の通風穴510は、センタ部位51Cに形成され、サイド部位51A、51Bに形成されていない。
また、本実施形態の複数の通風穴510は、センタ部位51Cのうち、センタ部位51Cの中央位置CLよりもサイド部位51A、51Bに近い位置に偏って形成されている。
具体的には、バックパッド51には、上方側の縦吊溝513に沿って4つの通風穴510が形成されるとともに、3つの通風穴510が横吊溝515、516それぞれに沿って並んで形成されている。
縦吊溝513に沿って形成される4つの通風穴510は、少なくとも一部が、例えば、縦吊溝513から20mm離れた位置までの範囲に重なるように形成される。また、横吊溝515、516に沿って形成される3つの通風穴510は、少なくとも一部が、例えば、横吊溝515、516から20mm離れた位置までの範囲に重なるように形成される。横吊溝515、516に沿って形成される3つの通風穴510は、穴形状が長円となっているものが多く含まれている。
ここで、バックパッド51の裏側に形成された通風路511は、複数の通風穴510に対応して、胸椎対応部51D以外の他の部位よりもバックパッド51の胸椎対応部51D付近に集中して形成されている。
[シート空調装置10の作動]
このように構成されるシート空調装置10は、送風機11が駆動されると、図2および図3に示すように、マニホールド512側から空気が吸い込まれる。これにより、シートバック5の表側の空気は、複数の通風穴510および通風路511を介してマニホールド512に集合した後、送風機11に吸い込まれてシートバック5の外側に放出される。
このように構成されるシート空調装置10は、送風機11が駆動されると、図2および図3に示すように、マニホールド512側から空気が吸い込まれる。これにより、シートバック5の表側の空気は、複数の通風穴510および通風路511を介してマニホールド512に集合した後、送風機11に吸い込まれてシートバック5の外側に放出される。
このように、シートバック5の表側から空気を吸い込む方式とすれば、着座者の乗車初期に熱くなっているシートバック5の熱が身体に吹き付けられなくなるので、身体の冷却効果を向上させることができる。加えて、車両の前部のインストルメントパネルから送風される冷風が着座者の身体に沿って吸い込まれることで、身体の冷却効果を一層向上させることができる。
以上説明したように、シート空調装置10は、バックパッド51の第3バック部P3および第4バック部P4に対応する胸椎対応部51Dでの通風穴510の占有面積が胸椎対応部51D以外の他の部位での通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。換言すれば、バックパッド51は、ダミーDPの肩下から腰上に対応する胸椎対応部51Dにおける通風穴510の占有面積が、胸椎対応部51D以外の他の部位での通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。
これによると、シートバック5における身体の冷点密度および発汗率が高い肩下から腰上の胸椎部を支持する部位での換気能力が高まる。特に、身体の肩下から腰上までの胸椎部に対応する胸椎対応部51Dは、胸椎部と同様に身体の冷点密度および発汗率が高い腰部に対応する腰対応部51Eに比べて、シートバック5における座圧が低く、気流の流通が阻害され難い。また、胸椎対応部51Dは、肩部に対応する肩対応部51F比べて、シートバック5に近接しており、気流を直接的に身体に作用させ易い。これらにより、本実施形態のシート空調装置10によれば、効率よく着座者に快適性を与えることができる。
具体的には、バックパッド51は、第4バック部P4での通風穴510の占有面積が第3バック部P3での通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。第4バック部P4は、第3バック部P3に比べて、シートバック5における座圧が低く、気流の流通が阻害され難い。このため、第4バック部P4での通風穴510の占有面積を大きくすることで、効率よく着座者に快適性を与えることができる。
特に、第4バック部P4は、第3バック部P3に比べて身体の頭部に近い。このため、通風穴510を第4バック部P4に集中させれば、冷点が多く分布する額、頬、顎を含む顔付近に間接的な気流が生じ易くなるので、着座者Pに対して更なる冷熱感を付与することができる。
また、バックパッド51は、センタサポート5Cに対応するセンタ部位51Cでの通風穴510の占有面積が一対のサイドサポート5A、5Bに対応するサイド部位51A、51Bでの通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。サイド部位51A、51Bで支持する身体の上腕部、肘部は、センタ部位51Cで支持する身体の胸椎部に比べて冷点密度および発汗率が小さい。このため、センタ部位51Cでの通風穴510の占有面積をサイド部位51A、51Bでの通風穴510の占有面積よりも大きくすることで、効率よく着座者に快適性を与えることができる。
具体的には、複数の通風穴510は、センタ部位51Cに形成され、サイド部位51A、51Bに形成されていない。このように、複数の通風穴510をセンタ部位51Cに集中させることで、エネルギ損失を抑えた効率よい空調を実現することができる。
本実施形態の複数の通風穴510は、センタ部位51Cのうち、センタ部位51Cの中央位置CLよりもサイド部位51A、51Bに近い位置に偏って形成されている。センタ部位51Cでは、センタ部位51Cの中央位置CLよりもサイド部位51A、51Bの近くの方が、シートバック5における座圧が低く、気流の流通が阻害され難い。このため、複数の通風穴510をセンタ部位51Cのうちサイド部位51A、51Bの近くに集中させることで、エネルギ損失を抑えた効率よい空調を実現することができる。
また、複数の通風穴510をセンタ部位51Cのうちサイド部位51A、51Bの近くに集中させることで、身体において汗腺が集中して多い脇下付近に気流が生じ易くなるので、着座者に対してより一層の快適性を与えることができる。
さらに、本実施形態の送風機11は、送風機11の少なくとも一部がシートバック5の厚み方向において胸椎対応部51Dに重なり合う位置に配置されている。これによると、送風機11が通風穴510の占有面積が大きい胸椎対応部51Dと近づき、通風路511が短縮されるので、通風路511における圧力損失を抑えてエネルギ損失を抑えた効率よい空調を実現することができる。
また、複数の通風路51がバックパッド51の一部に偏って形成される構成になっていれば、通風路51を形成するためにバックパッド51全体の厚みを大きくする必要がないので、軽量化を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態について図8を参照しつつ説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
次に、本開示の第2実施形態について図8を参照しつつ説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
図8に示すように、本実施形態の通風穴510は、バックパッド51におけるHP200~HP400の範囲に集中して形成されている。具体的には、通風穴510は、バックパッド51のうち、第3バック部P3および第4バック部P4に対応する胸椎対応部51Dに形成され、胸椎対応部51D以外の他の部位に形成されていない。換言すれば、通風穴510は、ダミーの肩下から腰上に対応する胸椎対応部51Dに形成され、胸椎対応部51D以外の他の部位に形成されていない。
その他の構成は第1実施形態と同様である。本実施形態のシート空調装置10は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
特に、本実施形態のシート空調装置10は、複数の通風穴510の形成位置を胸椎対応部51Dに制限しているので、着座者に快適性を提供しつつ、エネルギ損失を大幅に抑制することができる。
(第2実施形態の変形例)
上述の第2実施形態では、通風穴510が第3バック部P3および第4バック部P4それぞれに形成されているものを例示したが、通風穴510の形成位置は、これに限定されない。通風穴510は、例えば、図9に示すように、第3バック部P3および第4バック部P4のうち第4バック部P4だけに形成されていてもよい。これによると、複数の通風穴510の形成位置を胸椎対応部51Dのうち第4バック部P4に対応する部位に制限しているので、着座者に快適性を提供しつつ、エネルギ損失を大幅に抑制することができる。
上述の第2実施形態では、通風穴510が第3バック部P3および第4バック部P4それぞれに形成されているものを例示したが、通風穴510の形成位置は、これに限定されない。通風穴510は、例えば、図9に示すように、第3バック部P3および第4バック部P4のうち第4バック部P4だけに形成されていてもよい。これによると、複数の通風穴510の形成位置を胸椎対応部51Dのうち第4バック部P4に対応する部位に制限しているので、着座者に快適性を提供しつつ、エネルギ損失を大幅に抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態の如く、バックパッド51は、第4バック部P4での通風穴510の占有面積が第3バック部P3での通風穴510の占有面積に比べて大きくなっていることが望ましいが、通風穴510の形成位置は、これに限定されない。通風穴510は、例えば、第4バック部P4での通風穴510の占有面積と第3バック部P3での通風穴510の占有面積とが同等になっていてもよい。
上述の実施形態の如く、バックパッド51は、センタ部位51Cにおける通風穴510の占有面積がサイド部位51A、51Bでの通風穴510の占有面積に比べて大きくなっていることが望ましいが、バックパッド51は、これに限定されない。バックパッド51は、例えば、センタ部位51Cにおける通風穴510の占有面積がサイド部位51A、51Bでの通風穴510の占有面積と同等になっていてもよい。
上述の実施形態の如く、複数の通風穴510は、センタ部位51Cのうち、センタ部位51Cの中央位置CLよりもサイド部位51A、51Bに近い位置に偏って形成されていることが望ましいが、通風穴510の形成位置は、これに限定されない。通風穴510は、例えば、センタ部位51Cのうち、サイド部位51A、51Bよりも中央位置CLに近い位置に偏って形成されていてもよい。
上述の実施形態の如く、送風機11は、送風機11の少なくとも一部がシートバック5の厚み方向において胸椎対応部51Dに重なり合う位置に配置されていることが望ましいが、送風機11の配置は、これに限定されない。送風機11は、例えば、シートバック5の厚み方向において胸椎対応部51Dに重なり合わない位置に配置されていてもよい。
上述の実施形態では、バックパッド51の一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516に表皮52の継ぎ目が収容されるものを例示したが、シートバック5は、これに限定されない。シートバック5は、例えば、表皮52の内側にバックパッド51の構成材料を発泡させて表皮52とバックパッド51とが一体に成形されていてもよい。
上述の実施形態では、シート空調装置10は、シートバック5の表側から空気を吸い込む方式となっているものを例示したが、シート空調装置10は、これに限定されない。シート空調装置10は、例えば、図10に示すように、シートバック5の表側に空気を吹き出す方式となっていてもよい。
上述の実施形態では、本開示のシート空調装置10を車両に設置されたシート1に適用した例について説明したが、シート空調装置10の適用対象は、これに限定されない。シート空調装置10は、例えば、劇場や家庭名等で利用される据え置き型のシート等にも広く適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、シート空調装置は、送風機と、着座者の上半身を支持するシートバックと、を備える。
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、シート空調装置は、送風機と、着座者の上半身を支持するシートバックと、を備える。
シートバックは、着座者の上半身の支持面となる表側に配置された通気性を有する表皮と、表側に送風機で誘起された気流が通過する通風穴が複数形成されるとともに、複数の通風穴に連なる通風路が形成されたバックパッドと、を含んでいる。バックパッドは、シートバックのうち第3バック部および第4バック部に対応する胸椎対応部における単位面積あたりの通風穴の占有面積が胸椎対応部以外の他の部位での通風穴の占有面積に比べて大きくなっている。
第2の観点によれば、バックパッドは、第4バック部での通風穴の占有面積が第3バック部での通風穴の占有面積に比べて大きくなっている。第4バック部は、第3バック部に比べて、シートバックにおける座圧が低く、気流の流通が阻害され難い。このため、第4バック部での通風穴の占有面積を大きくすることで、効率よく着座者に快適性を与えることができる。
第3の観点によれば、シート空調装置は、気流を発生させる送風機と、着座者の上半身を支持するシートバックと、を備える。シートバックは、着座者の上半身の支持面となる表側に配置された通気性を有する表皮と、表側に送風機で誘起された気流の通風穴が複数形成されるとともに、複数の通風穴に連なる通風路が形成されたバックパッドと、を含んでいる。バックパッドは、着座者の人体モデルであるAM50型のダミーの肩下から腰上に対応する胸椎対応部における単位面積あたりの通風穴の占有面積が、胸椎対応部以外の他の部位での通風穴の占有面積に比べて大きくなっている。
第4の観点によれば、複数の通風穴は、胸椎対応部に形成され、他の部位に形成されていない。このように、複数の通風穴を胸椎対応部に集中させることで、エネルギ損失を抑えた効率よい空調を実現することができる。
第5の観点によれば、シートバックは、着座者をシートバックの幅方向から支える一対のサイドサポートと、一対のサイドサポートの間に配置されるセンタサポートと、を有する。バックパッドは、センタサポートに対応するセンタ部位における単位面積あたりの通風穴の占有面積が一対のサイドサポートに対応するサイド部位での通風穴の占有面積に比べて大きくなっている。サイド部位で支持する身体の上腕部、肘部は、センタ部位で支持する身体の胸椎部に比べて冷点密度および発汗率が小さい。このため、センタ部位での通風穴の占有面積を大きくすることで、効率よく着座者に快適性を与えることができる。
第6の観点によれば、複数の通風穴は、センタ部位に形成され、サイド部位に形成されていない。このように、複数の通風穴をセンタ部位に集中させることで、エネルギ損失を抑えた効率よい空調を実現することができる。
第7の観点によれば、複数の通風穴は、センタ部位のうち、センタ部位の中央位置よりもサイド部位に近い位置に偏って形成されている。センタ部位では、センタ部位の中央位置よりもサイド部位の近くの方が、シートバックにおける座圧が低く、気流の流通が阻害され難い。このため、複数の通風穴をセンタ部位のうちサイド部位の近くに集中させることで、エネルギ損失を抑えた効率よい空調を実現することができる。
第8の観点によれば、送風機は、送風機の少なくとも一部がシートバックの厚み方向において胸椎対応部に重なり合う位置に配置されている。これによると、送風機が通風穴の占有面積が大きい胸椎対応部と近づき、通風路が短縮されるので、通風路における圧力損失を抑えてエネルギ損失を抑えた効率よい空調を実現することができる。
5 シートバック
51 バックパッド
51D 胸椎対応部
510 通風穴
511 通風路
10 シート空調装置
11 送風機
51 バックパッド
51D 胸椎対応部
510 通風穴
511 通風路
10 シート空調装置
11 送風機
Claims (8)
- シート空調装置であって、
気流を発生させる送風機(11)と、
着座者の上半身を支持するシートバック(5)と、を備え、
前記シートバックは、
前記着座者の上半身の支持面となる表側に配置された通気性を有する表皮(52)と、
前記表側に前記送風機で誘起された気流が通過する通風穴(510)が複数形成されるとともに、複数の前記通風穴に連なる通風路(511)が形成されたバックパッド(51)と、を含んでおり、
前記シートバックのうち前記着座者側に露出する部位を下方側から順に第1バック部(P1)、第2バック部(P2)、第3バック部(P3)、第4バック部(P4)、第5バック部(P5)、第6バック部(P6)といった6つの部位に均等に分けたとき、
前記バックパッドは、前記第3バック部および前記第4バック部に対応する胸椎対応部(51D)における単位面積あたりの前記通風穴の占有面積が前記胸椎対応部以外の他の部位での前記通風穴の占有面積に比べて大きくなっているシート空調装置。 - 前記バックパッドは、前記第4バック部での前記通風穴の占有面積が前記第3バック部での前記通風穴の占有面積に比べて大きくなっている請求項1に記載のシート空調装置。
- シート空調装置であって、
気流を発生させる送風機(11)と、
着座者の上半身を支持するシートバック(5)と、を備え、
前記シートバックは、
前記着座者の上半身の支持面となる表側に配置された通気性を有する表皮(52)と、
前記表側に前記送風機で誘起された気流の通風穴(510)が複数形成されるとともに、複数の前記通風穴に連なる通風路(511)が形成されたバックパッド(51)と、を含んでおり、
前記着座者の人体モデルであるAM50型のダミー(DP)の上半身を前記シートバックに支持させたとき、
前記バックパッドは、前記ダミーの肩下から腰上に対応する胸椎対応部(51D)における単位面積あたりの前記通風穴の占有面積が前記胸椎対応部以外の他の部位での前記通風穴の占有面積に比べて大きくなっているシート空調装置。 - 複数の前記通風穴は、前記胸椎対応部に形成され、前記他の部位に形成されていない請求項1ないし3のいずれか1つに記載のシート空調装置。
- 前記シートバックは、前記着座者を前記シートバックの幅方向から支える一対のサイドサポート(5A、5B)と、一対の前記サイドサポートの間に配置されるセンタサポート(5C)と、を有し、
前記バックパッドは、前記センタサポートに対応するセンタ部位(51C)における単位面積あたりの前記通風穴の占有面積が一対の前記サイドサポートに対応するサイド部位(51A、51B)での前記通風穴の占有面積に比べて大きくなっている請求項1ないし4のいずれか1つに記載のシート空調装置。 - 複数の前記通風穴は、前記センタ部位に形成され、前記サイド部位に形成されていない請求項5に記載のシート空調装置。
- 複数の前記通風穴は、前記センタ部位のうち、前記センタ部位の中央位置よりも前記サイド部位に近い位置に偏って形成されている請求項5または6に記載のシート空調装置。
- 前記送風機は、前記送風機の少なくとも一部が前記シートバックの厚み方向において前記胸椎対応部に重なり合う位置に配置されている請求項5または6に記載のシート空調装置。
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