JP2021168756A - シート空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率よく着座者に快適性を与えることが可能なシート空調装置を提供する。【解決手段】シート空調装置は、着座者を支持するシートと、気流を発生させる送風機11とを備える。シートは、送風機11で誘起された気流が着座者の支持面となる表側を通過するシートパッドと、気流が通過する表側の通風面積を増減させる通風調整機構6とを含んでいる。送風機11は、送風能力を変化させることが可能である。通風調整機構6は、送風機11の送風能力が増加すると通風面積を増加させ、送風機11の送風能力が減少すると通風面積を減少させる。【選択図】図4
Description
本開示は、シート空調装置に関する。
従来、気流を発生させる送風機と、送風機が発生させた気流が流れる複数の流路および流路を流れる気流が通過する複数の通気孔が設けられたシートパッドとを備えるシートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、着座者を冷却するシート空調装置に用いられるシートは、シートパッドの表側における通風面積が大きいほど、着座者を効率よく冷却することができる。しかしながら、特許文献1に記載のシートにおいて、通気孔の個数を増加させて通風面積を大きくすると、送風機が発生させた気流が全ての通気孔を通過するため、シート空調装置は、送風機の送風能力を小さく設定しても着座者を過度に冷却してしまう虞がある。これに対して、着座者が過度に冷却されることを回避するため、通気孔の個数を減少させると、シート空調装置は、送風機の送風能力を大きく設定しても、通気孔に気流を充分に流すことが難しくなり、着座者を充分に冷却できない虞がある。
このように、送風機の送風能力に関わらずシートパッドの表側における通風面積が一定であるシートを用いたシート空調装置の構成では、送風機の設定能力を調整させても、効率よく着座者に快適性を与えることが難しい。
本開示は、効率よく着座者に快適性を与えることが可能なシート空調装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
シート空調装置であって、
着座者を支持するシート(1)と、
気流を発生させる送風機(11)とを備え、
シートは、送風機で誘起された気流が着座者の支持面となる表側を通過するシートパッド(4)と、気流が通過する表側の通風面積を増減させる通風調整機構(6)とを含んでおり、
送風機は、送風能力を変化させることが可能であって、
通風調整機構は、送風機の送風能力が増加すると通風面積を増加させ、送風機の送風能力が減少すると通風面積を減少させる。
シート空調装置であって、
着座者を支持するシート(1)と、
気流を発生させる送風機(11)とを備え、
シートは、送風機で誘起された気流が着座者の支持面となる表側を通過するシートパッド(4)と、気流が通過する表側の通風面積を増減させる通風調整機構(6)とを含んでおり、
送風機は、送風能力を変化させることが可能であって、
通風調整機構は、送風機の送風能力が増加すると通風面積を増加させ、送風機の送風能力が減少すると通風面積を減少させる。
これによれば、シート空調装置は、送風機の送風能力が増加すると、シートパッドの表側の通風面積を増加させることができるので、着座者を効率よく冷却できる。また、シート空調装置は、送風機の送風能力が減少するとシートパッドの表側の通風面積を減少させることができるので、着座者が過度に冷却されることを抑制することができる。このため、シート空調装置は、効率よく着座者に快適性を与えることができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態について図1〜図12を参照しつつ説明する。本実施形態では、本開示のシート空調装置10を自動車の前席に設置されるシート1に適用した例について説明する。各図に付された方向を示すDR1、DR2、DR3等は、各図相互の関係を理解し易くするために示したものである。各方向DR1、DR2、DR3は、実施形態に係るシート1を自動車に設置した状態における上下、左右、前後の各方向を示している。なお、本開示のシート空調装置10等の設置状態は、各図に付された方向に限定されない。
本開示の第1実施形態について図1〜図12を参照しつつ説明する。本実施形態では、本開示のシート空調装置10を自動車の前席に設置されるシート1に適用した例について説明する。各図に付された方向を示すDR1、DR2、DR3等は、各図相互の関係を理解し易くするために示したものである。各方向DR1、DR2、DR3は、実施形態に係るシート1を自動車に設置した状態における上下、左右、前後の各方向を示している。なお、本開示のシート空調装置10等の設置状態は、各図に付された方向に限定されない。
[シート1の概要]
図1および図2に示すように、シート1は、着座者Pが座る座部を構成するシートクッション2、着座者Pの頭部を支持するヘッドレスト3、着座者Pの背もたれとなるシートバック5、緩衝材であるシートパッド4を備える。各図に示す着座者Pは、AM50型のダミーである。AM50型のダミーは、米国人成人男性の体格の50パーセンタイルに相当するダミー人形である。
図1および図2に示すように、シート1は、着座者Pが座る座部を構成するシートクッション2、着座者Pの頭部を支持するヘッドレスト3、着座者Pの背もたれとなるシートバック5、緩衝材であるシートパッド4を備える。各図に示す着座者Pは、AM50型のダミーである。AM50型のダミーは、米国人成人男性の体格の50パーセンタイルに相当するダミー人形である。
シートクッション2は、着座者Pの下半身のうち主に臀部を支持する部位である。シートクッション2は、図示しないが、クッションパッド、表皮等を有している。クッションパッドは、発泡ウレタン等の弾性変形可能な材料で構成された緩衝材であって、シートパッド4のうち、シートクッション2の内部に設けられる部材である。表皮は、クッションパッドの表側を覆う部位である。
ヘッドレスト3は、着座者Pの頭部を支持する部位である。ヘッドレスト3は、図示しないが、ヘッドパッド、表皮等を有している。ヘッドパッドは、発泡ウレタン等の弾性変形可能な材料で構成された緩衝材であって、シートパッド4のうち、ヘッドレスト3の内部に設けられる部位である。表皮は、ヘッドパッドの表側を覆う部材である。
シートバック5は、着座者Pのうち頭部を除く上半身を支持する部位である。本実施形態は、シートバック5のうち着座者P側に露出する部位を6つに均等に区分するとともに、当該6つの部位を下方側から順に第1バック部P1、第2バック部P2、第3バック部P3、第4バック部P4、第5バック部P5、第6バック部P6としている。
シートバック5は、第1バック部P1が身体の臀部を支持する支持部位を構成し、第2バック部P2が身体の腰部を支持する支持部位を構成する。また、シートバック5は、第3バック部P3および第4バック部P4が身体の胸椎部を支持する支持部位を構成する。そして、シートバック5は、第5バック部P5が身体の肩部を支持する支持部位を構成し、第6バック部P6が身体の頸椎部を支持する支持部位を構成する。身体の胸椎部は、ダミーDPにおける肩下から腰上に相当している。また、身体の肩部は、例えば、ダミーDPにおける鎖骨から肩甲骨の上端に位置する肩甲上腕関節までの範囲を想定している。
シートバック5の下端部は、図示しないリクライニング機構を介してシートクッション2の後端部に連結されている。また、シートバック5の上端部には、ヘッドレスト3が連結されている。シートバック5は、図2に示すように、バックパッド51、表皮52、バックフレーム53等を有している。
バックパッド51は、発泡ウレタン等の弾性変形可能な材料で構成された緩衝材であって、シートパッド4のうち、シートバック5の内部に設けられる部位である。図3に示すように、バックパッド51には、表側に後述の送風機11で誘起された気流が通過する通風穴510が複数形成されている。複数の通風穴510の形成位置は後述する。
バックパッド51の内部には、複数の通風穴510のそれぞれに連なる通風路511が複数形成されている。通風路511は、バックパッド51の裏側に形成された複数の通風溝54およびバックパッド51の裏側から全ての通風溝54を覆う封止部材55で構成されている。
複数の通風溝54のそれぞれは、バックパッド51の厚み方向にバックパッド51を貫通し、通風穴510に連通している。また、複数の通風溝54のそれぞれは、シートバック5の裏面に沿って、シートバック5の中心に向かって延びるとともに、後述する送風機11に向かって、上下方向に延びて形成されている。また、複数の通風溝54のそれぞれは、通風溝54に直交する方向の断面が矩形状に形成されている。封止部材55は、例えば、板状のプレート材で構成されている。また、複数の通風路511のうち、後述する通風路511Eには、バックパッド51の表側の送風面積を増減させる後述する通風調整機構6が設けられている。
通風路511のそれぞれは、バックパッド51の裏側に形成されるマニホールド512に接続されている。マニホールド512は、通風路511を流れる気流を集合させて後述の送風機11に導く空間である。
また、シートバック5は、図1に示すように、着座者Pをシートバック5の幅方向から支える一対のサイドサポート5A、5Bと、一対のサイドサポート5A、5Bの間に配置されるセンタサポート5Cとを有する。一対のサイドサポート5A、5Bは、シートバック5の幅方向から着座者Pを支持可能なように、センタサポート5Cに比べて着座者P側に向けて突き出ている。
バックパッド51は、図4に示すように、一対のサイドサポート5A、5Bに対応するサイド部位51A、51B、センタサポート5Cに対応するセンタ部位51Cを有している。
バックパッド51の表側には、一対の縦吊溝513、514が形成され、一対の縦吊溝513、514と交差する一対の横吊溝515、516が形成されている。一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516は、表皮52の継ぎ目が収容される部位である。一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516は、バックパッド51において、着座者Pの上半身を支持する部位に対して所定の深さを有する。なお、一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516は、バックパッド51の裏側および通風溝54まで貫通していない。本実施形態では、一対の縦吊溝513、514および一対の縦吊溝513、514によって、吊溝が構成されている。
一対の縦吊溝513、514は、シート1の座り心地に影響しないように、サイド部位51A、51Bとセンタ部位51Cとの間に形成されている。一対の縦吊溝513、514は、バックパッド51の下端側から上端側に向かって延びている。
一対の横吊溝515、516は、シート1の座り心地に影響しないように、着座者Pの肩下付近に対応する部位および腰上付近に対応する部位に対して設けられている。具体的に、一対の横吊溝515、516は、上側の横吊溝515が第4バック部P4の上端に設けられており、下側の横吊溝516が第3バック部P3の下端に設けられている。一対の横吊溝515、516は、一対の縦吊溝513、514と略直交するように、一対の縦吊溝513、514の一方から他方に向かって延びている。また、一対の横吊溝515、516は、一対の縦吊溝513、514と連通している。なお、以下の説明において、一対の横吊溝515、516のうち、上側の横吊溝515を上横吊溝515、下側の横吊溝516を下横吊溝516とも呼ぶ。
表皮52は、バックパッド51の表側を覆うシート状の部材である。具体的には、表皮52は、シートバック5において着座者Pの上半身の支持面となる表側に配置されている。表皮52は、通気性を有する材料で構成されている。また、表皮52の裏側には、図5に示すように、表皮52をバックパッド51に取り付けるための被係止部材521および吊り込み部材522が設けられている。表皮52は、被係止部材521および吊り込み部材522を介して一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516のそれぞれに取り付けられる。
ここで、表皮52を一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516のそれぞれに取り付ける構成について、図5を参照して説明する。一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516のそれぞれに表皮52を取り付ける基本的な構成は同じである。このため、本実施形態では、上横吊溝515に表皮52を固定する構成について詳細を説明し、一対の縦吊溝513、514および下横吊溝516に表皮52を固定する構成の詳細な説明を省略する。
表皮52は、吊り込み部材522が被係止部材521を介してバックパッド51に取り付けられる。表皮52は、固定リング56によって、バックパッド51に設けられる係止部材57に連結される。
吊り込み部材522は、表皮52と被係止部材521を連結するためのものであって、シート状の部材で構成されている。吊り込み部材522は、被係止部材521を吊り込み部材522の内側に折り込んだ状態で上横吊溝515の内部で折り畳まれており、表皮52の継ぎ目に固定される。また、吊り込み部材522には、被係止部材521を露出させるための切り掛け部523が被係止部材521に沿って所定の間隔毎に形成されている。
被係止部材521は、ワイヤ状の部材であって、上横吊溝515に沿って設けられる。被係止部材521は、切り掛け部523によって吊り込み部材522から露出する部位に固定リング56が取り付けられる。
係止部材57は、表皮52を固定するための部材として、バックパッド51の内部に埋め込まれている。係止部材57は、被係止部材521と対を成すものであって、被係止部材521と同じワイヤ状の部材によって構成されている。また、係止部材57は、被係止部材521に対向する位置に上横吊溝515に沿って設けられている。係止部材57の一部は、バックパッド51の表側に形成されたリング溝517によって露出している。係止部材57には、固定リング56が取り付けられる。
リング溝517は、係止部材57をバックパッド51から露出させるものであって、バックパッド51の表側に形成されている。リング溝517は、上横吊溝515に沿って、所定の間隔毎にバックパッド51が切り欠けられることによって形成されている。すなわち、リング溝517は、バックパッド51の厚み方向において、上横吊溝515と重なる位置に形成されている。また、リング溝517は、切り掛け部523に対向する位置に形成されている。
本実施形態では、一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516のそれぞれにリング溝517が2つずつ形成されている。また、一対の縦吊溝513、514のそれぞれに形成される2つのリング溝517は、第3バック部P3および第4バック部P4に1つずつ形成されている。
固定リング56は、被係止部材521を係止部材57に連結するためのものであって、被係止部材521と係止部材57とを同時に留めている。固定リング56は、被係止部材521のうち吊り込み部材522から露出する部位と、係止部材57のうちバックパッド51から露出する部位とに取り付けられる。
バックフレーム53は、シートバック5の骨格をなす枠状の部材である。バックフレーム53には、バックパッド51が取り付けられている。バックフレーム53とバックパッド51との間には、後述の送風機11等を設置するための設置スペースが形成されている。バックフレーム53には、ランバーサポートが追加されていてもよい。ランバーサポートは、身体の腰付近を保持して姿勢を適正化させるものである。
[シート空調装置10の概要]
シート空調装置10は、シート1からの送風で人体を直接冷やすSVSとして構成されている。なお、SVSは、Seat Ventilation Systemの略称である。シート空調装置10は、前述のシート1および送風機11を備える。
シート空調装置10は、シート1からの送風で人体を直接冷やすSVSとして構成されている。なお、SVSは、Seat Ventilation Systemの略称である。シート空調装置10は、前述のシート1および送風機11を備える。
送風機11は、バックフレーム53とバックパッド51との間に配置されている。送風機11は、バックフレーム53に対して固定されている。具体的には、送風機11は、送風機11の少なくとも一部がバックパッド51の厚み方向において後述の胸椎対応部51Dに重なり合う位置に配置されている。換言すれば、送風機11は、バックパッド51のうち通風穴510の占有面積が大きい部位の裏側に配置されている。
送風機11は、マニホールド512に接続されている。これにより、送風機11が駆動されると、気流がマニホールド512を通過する。具体的には、送風機11は、空気の吸込口がマニホールド512に接続されている。
また、送風機11は、図示しない電源装置に接続されており、電源装置からから送信される電力によって、送風能力が変化する。具体的に、送風機11は、電源装置から供給される電力が大きくなると、送風機11に設けられたファンの回転速度が大きくなることで送風能力が増加し、供給される電力が小さくなるとファンの回転速度が小さくなることで送風能力が減少する。送風機11の送風能力とは、ファンの回転速度と解釈することができる。
本実施形態において、送風機11は、作動する際の動作モードを送風能力が高い高出力モードと、送風能力が高出力モードより低い低出力モードに切り替え可能に構成されている。また、送風機11は、図示しない操作パネルに電気的に接続されている。送風機11は、着座者Pが操作パネルを操作することによって送風機11の動作モードが切替可能に構成されている。
シート空調装置10は、送風機11がマニホールド512から空気を吸い込むことにより、送風機11で誘起された気流が複数の通風路511およびそれぞれの通風路511に連なる通風穴510を通過する。これにより、シート空調装置10は、シートバック5の表側の空気を吸い込むことで、着座者Pを冷却することができる。
ところで、このように構成されるシート空調装置10では、従来技術のように、送風機11の送風能力に関わらず、バックパッド51の表側における通風面積が一定となる構造とすると、効率よく着座者Pに快適性を与えることが難しい。
これに対して、本実施形態のシート空調装置10は、後述の通風調整機構6を備えており、送風機11の送風能力に応じて、バックパッド51の表側の通風面積を増減させることができる。以下、バックパッド51の座圧の分布、着座者Pの身体の冷点密度の分布、発汗率の分布を加味した通風穴510の形成位置について説明した後、バックパッド51の表側の通風面積を増減させる構成について説明する。
[バックパッド51の座圧の分布]
着座者Pが標準的な姿勢でシート1に着座した際にシートバック5のうち着座者P側に露出する部位に作用する圧力(すなわち、座圧)は、バックパッド51の全体で一様となるわけではない。バックパッド51の座圧は、図6に示すように、着座者PのヒップポイントHからの距離が100mmから200mmまでの範囲、すなわち、HP100〜HP200までの範囲で最大となる。
着座者Pが標準的な姿勢でシート1に着座した際にシートバック5のうち着座者P側に露出する部位に作用する圧力(すなわち、座圧)は、バックパッド51の全体で一様となるわけではない。バックパッド51の座圧は、図6に示すように、着座者PのヒップポイントHからの距離が100mmから200mmまでの範囲、すなわち、HP100〜HP200までの範囲で最大となる。
バックパッド51の表側におけるHP100〜HP200付近では、着座者Pとバックパッド51とが密着し、バックパッド51の変形が生じ易いことで、通風穴510および通風路511における気流の流通が阻害され易い。
一方、バックパッド51の座圧は、着座者PのヒップポイントHからの距離が400mm以上となる範囲で小さい。特に、着座者PのヒップポイントHからの距離が500mm以上では、着座者Pの身体がシートバック5から離れることで座圧が略ゼロとなる。
着座者PのヒップポイントHからの距離が400mm以上となる範囲では、座圧が小さく、バックパッド51の通風穴510と着座者Pとが離隔し易くなることで、送風機11で誘起される気流が着座者Pから離れ易い。つまり、着座者PのヒップポイントHからの距離が400mm以上となる範囲では、通風穴510および通風路511における気流の流通が阻害され難いものの、送風機11で誘起される気流が着座者Pから遠ざかることで換気による快適性が得られ難い。なお、着座者PのヒップポイントHからの距離が400mmから600mmまでの範囲は、図6に示すHP400〜HP600に対応している。
したがって、バックパッド51の座圧の観点では、HP100からHP200までの範囲、HP400からHP600までの範囲を避けて換気することで、空調の効率向上を図ることが期待できる。
ここで、図6に示す「HP」の後に付した数字は、着座者PのヒップポイントHからの距離(単位:[mm])を示している。ヒップポイントHは、シート1に着座した際の基準である。ヒップポイントHは、例えば、シート1に着座させてAM50型のダミーの胴部と大腿部とを結ぶ回転中心点と解釈することができる。
具体的には、HP0〜HP100は、シートバック5において身体の臀部を支持する第1バック部P1となる範囲を想定している。HP100〜HP200は、シートバック5において身体の腰部を支持する第2バック部P2となる範囲を想定している。HP200〜HP300は、シートバック5において身体の下部胸椎部を支持する第3バック部P3となる範囲を想定している。HP300〜HP400は、シートバック5において身体の上部胸椎部を支持する第4バック部P4となる範囲を想定している。HP400〜HP500は、シートバック5において身体の肩部を支持する第5バック部P5となる範囲を想定している。HP500〜HP600は、シートバック5において身体の頸椎部を支持する第6バック部P6となる範囲を想定している。
より詳しくは、本実施形態の下部胸椎部は、身体における第8胸椎から第12胸椎までの範囲を想定している。また、上部胸椎部は、身体における第3胸椎から第7胸椎までの範囲を想定している。
[冷点密度の分布]
着座者Pの身体の背面では、冷えを感じる冷点が一様に分布しているわけではなく、例えば、図7に示すように、身体の背面において偏りがある。なお、冷点密度は、単位面積あたりの冷点の個数である。
着座者Pの身体の背面では、冷えを感じる冷点が一様に分布しているわけではなく、例えば、図7に示すように、身体の背面において偏りがある。なお、冷点密度は、単位面積あたりの冷点の個数である。
図7によれば、冷点密度は、身体の頸椎部A1、肩部A2、上部胸椎部A3、下部胸椎部A4、腰A5で大きく、上腕部A6、肘部A7、手部A8、大腿部A9、膝部A10、脚部A11が小さい傾向がある。
このため、冷点密度の観点では、身体の頸椎部A1、肩部A2、上部胸椎部A3、下部胸椎部A4、腰A5を重点的に換気することで、空調の効率向上を図ることが期待できる。換言すれば、冷点密度の観点では、ヒップポイントHからの距離が100mm以上となる範囲で換気することで、空調の効率向上を図ることが期待できる。
[発汗率の分布]
着座者Pの身体の背面では、発汗率が一様に分布しているわけではなく、例えば、図8に示すように、身体の背面において偏りがある。なお、発汗率は、所定の環境条件下での単位面積あたりの発汗量である。
着座者Pの身体の背面では、発汗率が一様に分布しているわけではなく、例えば、図8に示すように、身体の背面において偏りがある。なお、発汗率は、所定の環境条件下での単位面積あたりの発汗量である。
図8によれば、発汗率は、身体の肩の上部B1、肩の中間部B2、肩の下部B3、上部胸椎部B4、下部胸椎部B5、腰B6で大きく、臀部B7、大腿部B11で標準となり、上腕部B8、肘部B9、手部B10、膝部B12、脚部B13が小さい傾向がある。
このため、発汗率の観点では、身体の肩の上部B1、肩の中間部B2、肩の下部B3、上部胸椎部B4、下部胸椎部B5、腰B6を重点的に換気することで、空調の効率向上を図ることが期待できる。換言すれば、発汗率の観点では、ヒップポイントHからの距離が100mm以上となる範囲で換気することで、空調の効率向上を図ることが期待できる。
[通風穴510の形成位置]
本実施形態の通風穴510は、図6に示すように、バックパッド51におけるHP100〜HP500の範囲に形成されている。また、通風穴510は、上述のバックパッド51の座圧の分布、冷点密度の分布、発汗率の分布を加味して、HP200〜HP400の範囲に偏って形成されている。すなわち、バックパッド51は、第3バック部P3および第4バック部P4に対応する胸椎対応部51Dにおける単位面積あたりの通風穴510の占有面積が胸椎対応部51D以外の他の部位での通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。換言すれば、バックパッド51は、ダミーDPの肩下から腰上に対応する胸椎対応部51Dにおける単位面積あたりの通風穴510の占有面積が、胸椎対応部51D以外の他の部位での通風穴510の占有面積に比べて、大きくなっている。本実施形態にて「通風穴510の占有面積」とは、バックパッド51の表面において単位面積あたりで通風穴510が占有する面積を意味する。
本実施形態の通風穴510は、図6に示すように、バックパッド51におけるHP100〜HP500の範囲に形成されている。また、通風穴510は、上述のバックパッド51の座圧の分布、冷点密度の分布、発汗率の分布を加味して、HP200〜HP400の範囲に偏って形成されている。すなわち、バックパッド51は、第3バック部P3および第4バック部P4に対応する胸椎対応部51Dにおける単位面積あたりの通風穴510の占有面積が胸椎対応部51D以外の他の部位での通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。換言すれば、バックパッド51は、ダミーDPの肩下から腰上に対応する胸椎対応部51Dにおける単位面積あたりの通風穴510の占有面積が、胸椎対応部51D以外の他の部位での通風穴510の占有面積に比べて、大きくなっている。本実施形態にて「通風穴510の占有面積」とは、バックパッド51の表面において単位面積あたりで通風穴510が占有する面積を意味する。
具体的には、バックパッド51には、第2バック部P2に対応する腰対応部51Eに2つの通風穴510Aが形成されている。また、バックパッド51には、第5バック部P5に対応する肩対応部51Fに3つの通風穴510Bが形成されている。
これに対して、バックパッド51の胸椎対応部51Dには、上述の通風穴510A、510Bと同程度の開口面積を有する7つの通風穴510C、510D、510Eが形成されている。より具体的には、バックパッド51の第3バック部P3には、3つの通風穴510Dが形成されている。また、バックパッド51の第4バック部P4には、第4バック部P4の範囲を上下に2分割した場合の下側の部位に2つの通風穴510Cが形成されており、上側の部位に2つの通風穴510Eが形成されている。これにより、バックパッド51は、第4バック部P4での通風穴510の占有面積が第3バック部P3での通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。なお、第4バック部P4の範囲を上下に2分割した場合の上側の部位は、シートバック5において、上部胸椎部のうち、身体の脇下を支持する範囲を想定している。
また、バックパッド51には、図4および図9に示すように、2つの通風穴510Aに対応する2つの通風路511Aと、3つの通風穴510Bに対応する3つの通風路511Bと、2つの通風穴510Cに対応する2つの通風路511Cが形成されている。さらに、バックパッド51には、2つの通風穴510Dに対応する2つの通風路511Dと、2つの通風穴510Eに対応する2つの通風路511Eが形成されている。2つの通風路511Eのそれぞれには、後述する通風調整機構6を取り付けるための後述する連結溝518が設けられており、連結溝518に通風調整機構6が取り付けられている。
また、バックパッド51は、センタサポート5Cに対応するセンタ部位51Cにおける単位面積あたりの通風穴510の占有面積が一対のサイドサポート5A、5Bに対応するサイド部位51A、51Bでの通風穴510の占有面積に比べて大きくなっている。本実施形態の複数の通風穴510は、センタ部位51Cに形成され、サイド部位51A、51Bに形成されていない。
また、本実施形態の複数の通風穴510は、センタ部位51Cのうち、センタ部位51Cの中央位置CLよりもサイド部位51A、51Bに近い位置に偏って形成されている。
具体的には、バックパッド51には、上横吊溝515に沿って2つの通風穴510Eが形成される。また、バックパッド51には、一対の縦吊溝513、514のそれぞれに沿って通風穴510C、510D、510Eが並んで形成されている。
上横吊溝515に沿って形成される2つの通風穴510Eは、少なくとも一部が、例えば、上横吊溝515から20mm離れた位置までの範囲に重なるように形成される。また、一対の縦吊溝513、514に沿って形成される通風穴510C、510D、510Eは、少なくとも一部が、例えば、縦吊溝513、514のそれぞれから20mm離れた位置までの範囲に重なるように形成される。すなわち、複数の通風穴510は、いずれも一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516と重なる位置に形成されていない。
ここで、バックパッド51の裏側に形成された通風路511は、複数の通風穴510に対応して、胸椎対応部51D以外の他の部位よりもバックパッド51の胸椎対応部51D付近に集中して形成されている。
[通風調整機構6の構成]
通風調整機構6は、通風穴510Eに連なる通風路511Eの開度を調整することで、バックパッド51の表側の通風面積を増減させるものである。なお、本実施形態において「バックパッド51の表側の通風面積」とは、バックパッド51の表側に形成された通風穴510の全ての開口面積のうち、気流が通過する通風穴510の開口面積の合計を意味する。
通風調整機構6は、通風穴510Eに連なる通風路511Eの開度を調整することで、バックパッド51の表側の通風面積を増減させるものである。なお、本実施形態において「バックパッド51の表側の通風面積」とは、バックパッド51の表側に形成された通風穴510の全ての開口面積のうち、気流が通過する通風穴510の開口面積の合計を意味する。
通風調整機構6は、例えば、ゴムやエラストマ等の弾性部材で構成されており、外部から力が加えられることによって、弾性変形可能に構成されている。通風調整機構6は、図9および図10に示すように、通風路511Eのうち、気流が左右方向に流れる部位に設けられている。また、通風調整機構6は、板状の板面部61と、板面部61を通風路511Eに連結させる連結部62を有する。
板面部61は、板面が矩形状に形成されており、通風路511Eを塞ぐ大きさを有する。板面部61は、板厚方向の大きさが全体に亘って略均一となっている。また、板面部61は、板厚方向が空気流れ方向となるように通風路511Eに設けられる。
連結部62は、板面部61の上端から突出して形成されている。連結部62は、板面部61における上下方向および板厚方向に直交する方向(すなわち、本実施形態の前後方向)の一方側の端部から他方側の端部まで板面部61の上端部に沿って設けられている。また、連結部62は、前後方向の断面形状が三角形であって、板面部61の上端から離れるにしたがい、板厚方向の大きさが小さくなっている。連結部62は、通風路511Eの連結溝518に固定される。
連結溝518は、通風調整機構6を通風路511Eに取り付けるための溝である。連結溝518は、通風路511Eのうち、気流が左右方向に流れる部位に設けられている。また、連結溝518は、通風路511Eの上側の内壁部において、前後方向の一方側の端部から他方側の端部まで当該内壁部に沿って形成されている。
連結溝518は、連結部62と同様に、前後方向の断面形状が三角形である。また、連結溝518は、連結部62の大きさより僅かに小さく形成されており、連結部62が圧入されることによって通風調整機構6を固定する。すなわち、通風調整機構6は、板面部61の上端側の部位が通風路511Eに固定されており、下端側の部位および前後方向の両端側の部位が通風路511Eに固定されていない。
ところで、このように構成される通風調整機構6が設けられる通風路511Eは、板面部61によって通風路511Eが塞がれると、送風機11によって誘起された気流が流れない状態となる。このため、送風機11がマニホールド512を介して通風路511Eの空気を吸い込むと、通風路511Eは、通風調整機構6より通風穴510E側の大気圧に比較して、送風機11側の大気圧が小さくなる。すなわち、通風路511Eは、送風機11が作動すると、通風調整機構6より空気流れ上流側と空気流れ下流側との間に気圧差が生じる。
また、当該気圧差は、送風機11の送風能力が高いほど大きくなる。このため、通風路511Eの気圧差は、送風機11が低出力モードで作動する場合に比較して、送風機11が高出力モードで作動する場合のほうが大きくなる。
本実施形態において、通風調整機構6は、送風機11が低出力モードで作動する場合に生じる通風路511Eの気圧差によって板面部61が弾性変形しないように形成されている。これに対して、通風調整機構6は、送風機11が高出力モードで作動する場合に生じる通風路511Eの気圧差によって板面部61が加圧されて、連結部62を支点として連結部62より下側の部位が空気流れ下流側に向かって弾性変形するように形成されている。通風調整機構6は、送風機11が高出力モードで作動する場合に、板面部61の上端部を支点として弾性変形するように形成されている。
通風調整機構6は、送風機11の送風能力に応じて、通風穴510Eに連なる通風路511Eの開閉を行う開閉弁として構成されている。換言すれば、通風調整機構6は、送風機11の送風能力によって変化する通風路511Eの気圧差に応じて、通風路511Eの開度を調整する開度調整弁として構成されている。通風調整機構6は、通風路511Eの開閉を行うことで、気流が通過する通風穴510の個数を増減させることが可能に構成されている。
[シート空調装置10の作動]
このように構成されるシート空調装置10は、送風機11が駆動されると、図2および図3に示すように、マニホールド512側から空気が吸い込まれる。これにより、シートバック5の表側の空気は、複数の通風穴510から吸い込まれて複数の通風路511を通過後、シートバック5の外側に放出される。
このように構成されるシート空調装置10は、送風機11が駆動されると、図2および図3に示すように、マニホールド512側から空気が吸い込まれる。これにより、シートバック5の表側の空気は、複数の通風穴510から吸い込まれて複数の通風路511を通過後、シートバック5の外側に放出される。
ここで、送風機11が低出力モードで作動する場合、通風調整機構6が弾性変形しないため、図11に示すように、通風路511Eは、通風調整機構6によって閉じられる。このため、送風機11が低出力モードで作動すると、シートバック5の表側の空気は、通風穴510A〜通風穴510Eのうち、通風路511Eに連通する通風穴510E以外の通風穴510A〜通風穴510Dから吸い込まれる。
また、例えば、着座者Pが操作パネルを操作することによって、送風機11の動作モードが高出力モードに切り替えられると、図12に示すように、通風路511Eは、板面部61が弾性変形することで、開放状態となる。これにより、通風穴510Eは、マニホールド512に連通し、送風機11で誘起された気流が通過する。すなわち、気流が通過する通風穴510の個数が増加する。このため、シートバック5の表側の空気は、通風穴510Eを含む全ての通風穴510A〜通風穴510Eから吸い込まれる。この場合、バックパッド51の表側の通風面積は、送風機11が低出力モードで作動する場合に比較して増加する。
また、着座者Pが操作パネルを操作することによって、送風機11の動作モードが再び低出力モードに切り替えられると、板面部61の弾性変形が解除されるため、通風路511Eは、通風調整機構6によって閉じられる。このため、気流が通過する通風穴510の個数が減少する。すなわち、バックパッド51の表側の通風面積は、送風機11が高出力モードで作動する場合に比較して減少する。
以上説明したシート空調装置10によれば、送風機11の送風能力が増加すると、バックパッド51の表側の通風面積を増加させることができるので、着座者Pを効率よく冷却できる。また、送風機11の送風能力が減少するとバックパッド51の表側の通風面積を減少させることができるので、着座者Pが過度に冷却されることを抑制することができる。このため、シート空調装置10は、効率よく着座者Pに快適性を与えることができる。
また、通風調整機構6は、胸椎対応部51Dのうち、上部胸椎部を支持する第4バック部P4に形成された通風穴510Eに連なる通風路511Eに設けられている。これによれば、送風機11の送風能力が増加すると、シートバック5における身体の冷点密度および発汗率が高い上部胸椎部を支持する部位の通風面積を増加させることができる。具体的に、上部胸椎部と同様に身体の冷点密度および発汗率が高い腰部に対応する腰対応部51Eに比べて、シートバック5における座圧が低く、気流の流通が阻害され難い上部胸椎部を支持する第4バック部P4の通風面積を増加させることができる。このため、シート空調装置10は、通風調整機構6が胸椎対応部51D以外の部位に形成される通風穴510Aまたは通風穴510Bに連通する通風路511A、通風路511Bに設けられる場合に比較して、効率よく着座者Pに快適性を与えることができる。
さらに、シート空調装置10をシートバック5の表側から空気を吸い込む方式とすることで、通風穴510から空気を吸い込み、着座者Pの汗を気化させることで、効率よく着座者Pに快適性を与えることができる。加えて、着座者Pの乗車初期に熱くなっているシートバック5の熱が身体に吹き付けられなくなるので、身体の冷却効果を向上させることができる。
また、通風調整機構6は、弾性部材で構成されるとともに、送風機11の送風能力によって変化する通風路511Eの気圧差によって、板面部61が弾性変形し、通風路511Eを開閉させることができる。このため、シート空調装置10は、通風調整機構6を作動させるための電源や通風調整機構6の作動を制御するための制御機器が不要となる。加えて、通風調整機構6が弾性部材と異なる部材で構成される場合に比較して、通風路511Eの気圧差で作動する通風調整機構6を簡易に実現することができる。
(第1実施形態の第1の変形例)
上述の第1実施形態では、通風調整機構6が通風路511Eに生じる気圧差で弾性変形する弾性部材で構成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、通風調整機構6は、通風路511に生じる気圧差によって回転する弁体を有するバタフライ弁であって、当該弁体が通風路511を開閉することでバックパッド51の表側の通風面積を増減する構成でもよい。
上述の第1実施形態では、通風調整機構6が通風路511Eに生じる気圧差で弾性変形する弾性部材で構成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、通風調整機構6は、通風路511に生じる気圧差によって回転する弁体を有するバタフライ弁であって、当該弁体が通風路511を開閉することでバックパッド51の表側の通風面積を増減する構成でもよい。
(第1実施形態の第2の変形例)
上述の第1実施形態では、通風調整機構6が通風路511Eに生じる気圧差によって動作する例について説明したが、これに限定されない。例えば、通風調整機構6は、通風路511Eに生じる気圧差によって動作可能に加えて、着座者Pの操作によっても動作可能に構成されていてもよい。
上述の第1実施形態では、通風調整機構6が通風路511Eに生じる気圧差によって動作する例について説明したが、これに限定されない。例えば、通風調整機構6は、通風路511Eに生じる気圧差によって動作可能に加えて、着座者Pの操作によっても動作可能に構成されていてもよい。
具体的に、通風調整機構6は、モータ等の駆動源を有するアクチュエータで構成されるとともに、図示しない操作パネルに電気的に接続されており、着座者Pの操作パネルの操作によってモータが駆動することで通風路511Eの開閉を行う構成であってもよい。また、通風調整機構6は、回転式ドアと当該回転式ドアを回転させるための操作用ワイヤとを備える構成であって、着座者Pが操作用ワイヤを引っ張ることによって回転式ドアが回転することで、通風路511Eの開閉を行う構成であってもよい。
(第1実施形態の第3の変形例)
上述の第1実施形態では、通風調整機構6が通風路511Eに設けられている例について説明したが、これに限定されない。通風調整機構6は、通風路511E以外の他の通風路511A〜通風路511Dに設けられていてもよい。
上述の第1実施形態では、通風調整機構6が通風路511Eに設けられている例について説明したが、これに限定されない。通風調整機構6は、通風路511E以外の他の通風路511A〜通風路511Dに設けられていてもよい。
(第1実施形態の第4の変形例)
上述の第1実施形態では、通風調整機構6が通風路511Eの内壁部に設けられる例について説明したが、これに限定されない。例えば、通風調整機構6は、封止部材55の通風溝54側の面に設けられており、封止部材55から通風溝54に向かって突出して構成されていてもよい。
上述の第1実施形態では、通風調整機構6が通風路511Eの内壁部に設けられる例について説明したが、これに限定されない。例えば、通風調整機構6は、封止部材55の通風溝54側の面に設けられており、封止部材55から通風溝54に向かって突出して構成されていてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図13〜図15を参照して説明する。本実施形態では、通風穴510および通風路511の個数、形成位置が第1実施形態と相違している。具体的には、バックパッド51の第4バック部P4に形成される通風穴510および通風路511が第1実施形態と異なっている。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第2実施形態について、図13〜図15を参照して説明する。本実施形態では、通風穴510および通風路511の個数、形成位置が第1実施形態と相違している。具体的には、バックパッド51の第4バック部P4に形成される通風穴510および通風路511が第1実施形態と異なっている。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図13に示すように、第4バック部P4の範囲を上下に2分割した場合の下側の部位には、通風穴510Cおよび通風路511Cが形成されておらず、上側の部位に2つの通風穴510Cおよび2つの通風路511Cが形成されている。
また、第4バック部P4には、第4バック部P4の範囲を上下に2分割した場合の上側の部位に形成された2つの通風穴510Eに加えて、下側の部位にも2つの通風穴510Eが形成されている。具体的に、第4バック部P4の範囲を上下に2分割した場合の上側の部位に形成された2つの通風穴510Eは、上横吊溝515に形成された2つのリング溝517に形成されている。また、第4バック部P4の範囲を上下に2分割した場合の下側の部位に形成された2つの通風穴510Eは、一対の縦吊溝513、514それぞれに形成されたリング溝517に形成されている。
また、第4バック部P4には、4つの通風穴510Eに対応する通風路511Eが4つ形成されている。4つの通風路511Eのそれぞれは、通風穴510Eが形成されるリング溝517に連通している。
すなわち、本実施形態では、4つの通風路511Eは、リング溝517を介して、一対の縦吊溝513、514および上横吊溝515に連通している。また、4つの通風路511Eのそれぞれには、通風調整機構6が設けられている。通風調整機構6は、第1実施形態で説明した構成と同じ構成であって、送風機11の送風能力によって変化する通風路511Eの気圧差によって、通風路511Eを開閉させる。
ここで、本実施形態における通風穴510Eおよび4つの通風路511Eの詳細な構成について、図14および図15を参照して説明する。なお、4つの通風路511Eの基本的な構成は同じである。このため、本実施形態では、上横吊溝515に形成されたリング溝517に連なる2つの通風路511Eのうち、1つの通風路511Eの構成について詳細を説明し、その他の構成の詳細な説明を省略する。
本実施形態において、通風路511Eは、図14および図15に示すように、リング溝517に連なっている。具体的に、通風路511Eは、バックパッド51のうち、バックパッド51の厚み方向にリング溝517および上横吊溝515に重なる位置に、バックパッド51を貫通して形成されている。通風路511Eは、リング溝517を介して上横吊溝515に連通している。
本実施形態では、上横吊溝515に形成された2つのリング溝517と、一対の縦吊溝513、514に形成された2つのリング溝517のそれぞれに通風路511Eが連なっている。また、一対の横吊溝515、516は、一対の縦吊溝513、514と連通している。
このように構成されるシート空調装置10は、送風機11が駆動されると、シートバック5の表側の空気を通風穴510A〜通風穴510Dから吸い込むことができる。さらに、シート空調装置10は、送風機11が高出力モードで作動すると、通風路511Eが形成された4つのリング溝517を吸込み口として、一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516に沿って空気を吸い込むことができる。このため、シート空調装置10は、送風機11の送風能力に応じてバックパッド51の表側の通風面積を増減させることができるので、効率よく着座者Pに快適性を与えることができる。
また、シート空調装置10は、一対の縦吊溝513、514および一対の縦吊溝513、514に連通する一対の横吊溝515、516を送風機11が誘起した気流が流れる流路として利用することができる。このため、一対の縦吊溝513、514および一対の横吊溝515、516に送風機11が誘起した気流を流すことで、着座者Pの背面の一部を囲んで冷却することができるので、効率よく着座者Pを冷却することができる。
また、通風穴510Eは、バックパッド51において、着座者Pの上半身を支持する部位よりも内側に設けられたリング溝517に形成されている。このため、バックパッド51における着座者Pを支持する部位に形成される通風穴510の個数を減らすことができるので、通風穴510Eが着座者Pを支持する部位に形成される場合に比較して、シート1の座り心地を向上させることができる。
また、通風路511Eは、バックパッド51の厚み方向においてリング溝517に重なる位置にバックパッド51を貫通して形成されている。
このため、バックパッド51は、通風路511Eがバックパッド51の厚み方向においてリング溝517と重ならない位置に形成される場合に比較して、バックパッド51において、通風路511Eが形成される部位を小さくすることができる。したがって、シート空調装置10は、バックパッド51に通風路511Eを設けた場合であっても、バックパッド51の弾力が減少することを抑制することができる。
(第2実施形態の変形例)
上述の第2実施形態では、通風穴510Eがリング溝517に形成されており、通風路511Eがバックパッド51の厚み方向においてリング溝517に重なる位置に形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、通風穴510Eは、上横吊溝515および一対の縦吊溝513、514において、リング溝517が形成されていない部位に形成されていてもよい。また、通風路511Eは、バックパッド51の厚み方向においてリング溝517に重ならない位置にバックパッド51を貫通して形成されており、リング溝517を介さずに、上横吊溝515および一対の縦吊溝513、514に連通する構成であってもよい。
上述の第2実施形態では、通風穴510Eがリング溝517に形成されており、通風路511Eがバックパッド51の厚み方向においてリング溝517に重なる位置に形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、通風穴510Eは、上横吊溝515および一対の縦吊溝513、514において、リング溝517が形成されていない部位に形成されていてもよい。また、通風路511Eは、バックパッド51の厚み方向においてリング溝517に重ならない位置にバックパッド51を貫通して形成されており、リング溝517を介さずに、上横吊溝515および一対の縦吊溝513、514に連通する構成であってもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図16を参照して説明する。本実施形態では、板面部61に板厚方向の大きさが他の部位より小さい薄肉部63が形成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第3実施形態について、図16を参照して説明する。本実施形態では、板面部61に板厚方向の大きさが他の部位より小さい薄肉部63が形成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
通風調整機構6は、図16に示すように、板面部61に板面部61の板厚方向の大きさを他の部位に比較して小さくする薄肉部63が形成されている。すなわち、板面部61は、薄肉部63が形成されていない部位に比較して薄肉部63が形成されている部位の板厚方向の大きさが小さくなっている。
具体的に、薄肉部63は、板面部61の一方側の板面および他方側の板面に設けられた一対の溝部63a、63bと、一対の溝部63a、63bに挟まれる薄板部63cによって構成されている。
一対の溝部63a、63bは、板面部61における一方側の板面および他方側の板面に窪んで形成されている。一対の溝部63a、63bは、板面部61における上下方向および板厚方向に直交する方向の一方側から他方側まで直線状に形成されている。また、一対の溝部63a、63bは、板面部61において、板厚方向に重なる位置に形成されている。一対の溝部63a、63bは、板面部61の一方側の板面および他方側の板面のそれぞれの上端部から僅かに離れた部位に形成されている。
薄板部63cは、一対の溝部63a、63bに沿って、板面部61における上下方向および板厚方向に直交する方向の一方側から他方側まで直線状に形成されている。薄板部63cの板厚方向の大きさは、板面部61における薄板部63cが形成されていない部位の板厚方向の大きさより小さい。
このように構成される通風調整機構6は、薄肉部63の弾性係数が、薄肉部63が形成されていない部位の弾性係数に比較して小さくなる。このため、送風機11が駆動された際に、薄肉部63が形成されている板面部61の略上端部を支点として、通風路511Eの気圧差によって板面部61を弾性変形させ易くできる。このため、例えば、大きい送風能力を得ることが難しい小型の送風機11であっても、シート空調装置10に適用することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図17を参照して説明する。本実施形態では、薄肉部63が形成されている位置が第3実施形態と相違している。本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第4実施形態について、図17を参照して説明する。本実施形態では、薄肉部63が形成されている位置が第3実施形態と相違している。本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
本実施形態において、薄肉部63は、図17に示すように、板面部61において上下方向の略中央に形成されている。
また、本実施形態の送風機11は、高出力モードおよび低出力モードに加えて、送風能力が高出力モードより低く、低出力モードより高い中出力モードで作動可能に構成されている。送風機11が中出力モードで作動することによって生じる通風路511Eの気圧差は、送風機11が高出力モードで作動する場合に生じる気圧差より小さく、送風機11が低出力モードで作動する気圧差より大きい。
また、本実施形態の通風調整機構6は、送風機11が中出力モードで作動する場合に生じる通風路511Eの気圧差によって板面部61が薄肉部63を支点として弾性変形し、連結部62を支点として弾性変形しないように形成されている。また、通風調整機構6は、送風機11が高出力モードで作動する場合に生じる通風路511Eの気圧差によって連結部62が設けられている板面部61の上端部を支点として弾性変形するように形成されている。すなわち、通風調整機構6は、弾性変形する部位が、通風路511Eの気圧差に応じて連結部62または薄肉部63に変化可能に構成されている。
さらに、通風調整機構6は、送風機11が低出力モードで作動する場合に生じる通風路511Eの気圧差によって、薄肉部63および連結部62のどちらを支点にしても板面部61が弾性変形しないように形成されている。
このように構成されるシート空調装置10によれば、例えば、送風機11が中出力モードで作動する場合、板面部61が薄肉部63を支点として弾性変形することで、通風路511Eは、通風路511Eにおける一部の範囲が開放状態となる。ここで、板面部61が薄肉部63を支点として弾性変形する場合、板面部61は、連結部62を支点として弾性変形する場合に比較して、連結部62より下側の部位を支点として変形するため、変形する範囲が小さい。
具体的に、板面部61は、薄肉部63が形成されている板面部61の上下方向の略中央を支点に弾性変形するため、連結部62を支点として弾性変形する場合に比較して、変形する範囲が略半分になる。このため、通風路511Eは、送風機11が高出力モードで作動する場合に比較して、通風路511Eにおける空気が通過可能な範囲が小さい。通風路511Eの空気が通過可能な範囲は、送風機11が高出力モードで作動する場合の略半分になる。
これに対して、送風機11が高出力モードで作動する場合、連結部62が設けられている板面部61の上端部を支点として弾性変形するため、板面部61は、薄肉部63を支点として弾性変形する場合に比較して、変形する範囲が大きい。このため、通風路511Eは、送風機11が中出力モードで作動する場合に比較して、通風路511Eにおける空気が通過可能な範囲が大きい。このため、送風機11が高出力モードで作動する場合に通風穴510Eから吸い込む空気の量は、送風機11が中出力モードで作動する場合に比較して増加する。
このように、シート空調装置10は、送風機11の送風能力に応じて、通風路511Eの開度を段階的に調整することで、通風穴510Eを通過する空気の量を段階的に調整することができる。
(第4実施形態の変形例)
上述の第4実施形態では、薄肉部63が板面部61の上下方向の略中央に形成されている例について説明したが、これに限定されない。薄肉部63の形成位置は、通風穴510Eを通過させる空気の量に応じて適宜設定することが望ましい。
上述の第4実施形態では、薄肉部63が板面部61の上下方向の略中央に形成されている例について説明したが、これに限定されない。薄肉部63の形成位置は、通風穴510Eを通過させる空気の量に応じて適宜設定することが望ましい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図18を参照して説明する。本実施形態では、通風路511Eに通風調整機構6が設けられておらず、バックパッド51の表側の通風面積を増減させる補助送風機12が通風調整機構6として設けられている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第5実施形態について、図18を参照して説明する。本実施形態では、通風路511Eに通風調整機構6が設けられておらず、バックパッド51の表側の通風面積を増減させる補助送風機12が通風調整機構6として設けられている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
本実施形態において、通風路511Eには、通風調整機構6が設けられていない。このため、通風穴510Eは、通風路511Eを介してマニホールド512に常に連通している。
また、バックパッド51における肩対応部51Fには、3つの通風穴510Bの代わりに、補助送風機12で誘起された気流が通過する3つの補助通風穴580が形成されている。補助通風穴580は、通風穴510A、通風穴510C、通風穴510D、通風穴510Eと異なる位置に形成されており、それぞれの通風穴510A、510C、510D、510Eとは独立している。補助通風穴580には、送風機11が誘起した気流が通過しない。
また、バックパッド51の内部には、3つの補助通風穴580のそれぞれに連なる3つの補助通風路581が形成されている。補助通風路581は、図18に示すように、バックパッド51の厚み方向にバックパッド51を貫通して形成されており、マニホールド512に連通していない。すなわち、補助通風路581は、通風路511A、通風路511C、通風路511D、通風路511Eに連通しておらず、それぞれの通風路511A、511C、511D、511Eとは独立している。すなわち、3つの補助通風路581には、送風機11が接続されておらず、送風機11が誘起した気流が通過しない。3つの補助通風路581には、補助送風機12がそれぞれ接続されている。
3つの補助送風機12のそれぞれは、送風機11と別体で構成されており、補助通風穴580および補助通風路581を通過する気流を発生させる送風ファンである。補助送風機12は、バックパッド51の裏側に埋め込まれており、空気の吸込口が補助通風路581に接続されている。なお、補助送風機12が誘起した気流は、通風路511A、511C、511D、511Eを通過しない。
また、それぞれの補助送風機12は、送風機11に電気的に接続されており、送風機11の作動に連動して作動する構成になっている。具体的に、補助送風機12は、送風機11の動作モードが低出力モードで作動する場合に作動せず、送風機11が高出力モードで作動する場合に作動する構成となっている。
このように構成されるシート空調装置10は、送風機11が駆動されることで、シートバック5の表側の空気を、通風穴510A、通風穴510C、通風穴510D、通風穴510Eから吸い込むことができる。
ここで、送風機11が低出力モードで作動する場合、補助送風機12は作動しない。このため、シート空調装置10は、シートバック5の表側の空気を、補助通風穴580から吸い込むことができない。これに対し、送風機11が高出力モードで作動する場合、補助送風機12は駆動する。このため、シート空調装置10は、シートバック5の表側の空気を、通風穴510A、通風穴510C、通風穴510D、通風穴510E、補助通風穴580から空気を吸い込むことができる。
したがって、シート空調装置10は、送風機11の送風能力が増加するとバックパッド51の通風面積を増加させることができるので、送風機11の送風能力が増加する前に比較して、着座者Pを効率よく冷却できる。また、送風機11の送風能力が減少するとバックパッド51の通風面積を減少させることができるので、送風機11の送風能力が減少する前に比較して、着座者Pが過度に冷却されることを抑制できる。このため、シート空調装置10は、効率よく着座者Pに快適性を与えることができる。
(第5実施形態の変形例)
上述の第5実施形態では、シート空調装置10は、補助通風穴580が肩対応部51Fに形成されており、補助送風機12によって肩対応部51Fの通風面積を増減させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、シート空調装置10は、補助通風穴580が胸椎対応部51Dや腰対応部51Eに形成されており、補助送風機12によって、胸椎対応部51Dや腰対応部51Eの通風面積を増減させる構成であってもよい。
上述の第5実施形態では、シート空調装置10は、補助通風穴580が肩対応部51Fに形成されており、補助送風機12によって肩対応部51Fの通風面積を増減させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、シート空調装置10は、補助通風穴580が胸椎対応部51Dや腰対応部51Eに形成されており、補助送風機12によって、胸椎対応部51Dや腰対応部51Eの通風面積を増減させる構成であってもよい。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、通風調整機構6がバックパッド51の表側の通風面積を増減させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、通風調整機構6は、クッションパッドやヘッドパッドの表側の通風面積を増減させる構成であってもよい。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、シート空調装置は、着座者を支持するシートと、気流を発生させる送風機とを備える。シートは、送風機で誘起された気流が着座者の支持面となる表側を通過するシートパッドと、気流が通過する表側の通風面積を増減させる通風調整機構とを含んでいる。送風機は、送風能力を変化させることが可能である。通風調整機構は、送風機の送風能力が増加すると通風面積を増加させ、送風機の送風能力が減少すると通風面積を減少させる。
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、シート空調装置は、着座者を支持するシートと、気流を発生させる送風機とを備える。シートは、送風機で誘起された気流が着座者の支持面となる表側を通過するシートパッドと、気流が通過する表側の通風面積を増減させる通風調整機構とを含んでいる。送風機は、送風能力を変化させることが可能である。通風調整機構は、送風機の送風能力が増加すると通風面積を増加させ、送風機の送風能力が減少すると通風面積を減少させる。
第2の観点によれば、シートは、着座者の上半身を支持するシートバックを含む。シートバックのうち着座者側に露出する部位を下方側から順に第1バック部、第2バック部、第3バック部、第4バック部、第5バック部、第6バック部といった6つの部位に均等に分けるとする。シートパッドは、シートバックの内部に設けられるバックパッドを含んでおり、送風機で誘起された気流の少なくとも一部がバックパッドおいて、第3バック部および第4バック部に対応する胸椎対応部を通過可能に形成されている。通風調整機構は、前記表側のうち、胸椎対応部の通風面積を増減させる。
これによると、送風機の送風能力が増加すると、シートバックにおける身体の冷点密度および発汗率が高い肩下から腰上の胸椎部を支持する部位の通風面積を増加させることができる。具体的に、胸椎部と同様に身体の冷点密度および発汗率が高い腰部に対応する腰対応部に比べて、シートバックにおける座圧が低く、気流の流通が阻害され難い胸椎対応部の通風面積を増加させることができる。このため、シート空調装置は、通風調整機構が胸椎対応部以外の部位に形成される通風穴に連通する通風路に設けられる場合に比較して、効率よく着座者に快適性を与えることができる。
第3の観点によれば、シートパッドは、表側に送風機で誘起された気流が通過する複数の通風穴が形成されるとともに、複数の通風穴に連なり、送風機で誘起された気流が通過する複数の通風路が形成されている。通風調整機構は、複数の通風路のうち、所定の通風路に設けられており、送風機の送風能力に応じて所定の通風路の開度を調整することで、通風面積を増減させる。
これによると、送風機の送風能力に応じて所定の通風路の開度を調整することで、所定の通風路に連なる通風穴に気流を通過させるか否かを切り替えることができる。
第4の観点によれば、通風調整機構は、送風機の送風能力によって変化する所定の通風路における通風調整機構より空気流れ上流側と通風調整機構より空気流れ下流側との気圧差に応じて所定の通風路の開度を調整する。
これによると、シート空調装置は、通風調整機構を駆動させるための電源や通風調整機構の駆動を制御するための制御機器が不要となる。
第5の観点によれば、通風調整機構は、弾性部材で構成されるとともに、気圧差によって加圧されることで所定の通風路における空気流れ下流側に弾性変形する。
これによると、シート空調装置は、通風調整機構が弾性部材と異なる部材で構成される場合に比較して、通風路の気圧差で作動する通風調整機構を簡易に実現することができる。
第6の観点によれば、通風調整機構は、所定の通風路を塞ぐ板面部を有する。板面部は、所定の通風路における気流の流れ方向が板厚方向となるように設けられるとともに、板厚方向の大きさが他の部位に比較して小さい薄肉部が形成されている。
これによると、通風調整機構は、薄肉部が形成されている部位の弾性係数が、薄肉部が形成されていない部位の弾性係数に比較して小さくなる。このため、送風機が駆動した際に、薄肉部を支点として、通風路の気圧差によって板面部を弾性変形させ易くできる。
第7の観点によれば、通風調整機構は、薄肉部と異なる部位に、通風調整機構を所定の通風路の内壁部の一部に連結させる連結部を有するとともに、弾性変形する部位が、気圧差に応じて連結部または薄肉部に変化する。
これによると、シート空調装置は、送風機の送風能力に応じて通風路の開度を段階的に調整することができるので、送風機の送風能力に応じて通風穴を通過させる空気の量を調整することができる。
第8の観点によれば、シートは、表側に配置される通気性を有する表皮を有する。シートパッドは、表側に表皮の一部が収容される吊溝が形成される。所定の通風路は、吊溝に連なっている。
これによるとシート空調装置は、吊溝を送風機が誘起した気流が流れる流路として利用することができる。
第9の観点によれば、所定の通風路は、シートパッドの厚み方向において、吊溝と重なる位置にシートパッドを貫通して形成されている。
これによると、バックパッドは、通風路がバックパッドの厚み方向において吊溝と重ならない位置に形成される場合に比較して、バックパッドにおいて、通風路が形成される部位を小さくすることができる。このため、シート空調装置は、バックパッドに通風路を設けた場合であっても、バックパッドの弾力が減少することを抑制することができる。
第10の観点によれば、通風調整機構は、送風機とは独立して気流を発生させる補助送風機である。シートパッドは、送風機で誘起された気流が通過する通風穴と、補助送風機で誘起された気流が通過する補助通風穴と、通風穴に連なり送風機で誘起された気流が通過する通風路と、補助通風穴に連なり補助送風機で誘起された気流が通過する補助通風路とを有する。通風穴および補助通風穴は、シートパッドの表側に形成されるとともに、互いに独立して構成されている。通風路および補助通風路は、互いに独立して構成されている。補助送風機は、送風機の送風能力が増加すると作動することで補助通風路に気流を通過させ、送風機の送風能力が減少すると作動を停止する。
これによると、シート空調装置は、送風機の送風能力が増加するとシートパッドの表側の通風面積を増加させることができるので、着座者を効率よく冷却できる。また、シート空調装置は、送風機の送風能力が減少するとシートパッドの表側の通風面積を減少させることができるので、着座者が過度に冷却されることを抑制できる。このため、シート空調装置は、効率よく着座者に快適性を与えることができる。
1 シート
4 シートパッド
6、12 通風調整機構
11 送風機
4 シートパッド
6、12 通風調整機構
11 送風機
Claims (10)
- シート空調装置であって、
着座者を支持するシート(1)と、
気流を発生させる送風機(11)とを備え、
前記シートは、前記送風機で誘起された気流が前記着座者の支持面となる表側を通過するシートパッド(4)と、気流が通過する前記表側の通風面積を増減させる通風調整機構(6、12)とを含んでおり、
前記送風機は、送風能力を変化させることが可能であって、
前記通風調整機構は、前記送風機の送風能力が増加すると前記通風面積を増加させ、前記送風機の送風能力が減少すると前記通風面積を減少させるシート空調装置。 - 前記シートは、前記着座者の上半身を支持するシートバック(5)を含み、
前記シートパッドは、前記シートバックの内部に設けられるバックパッド(51)を含んでおり、
前記シートバックのうち前記着座者側に露出する部位を下方側から順に第1バック部(P1)、第2バック部(P2)、第3バック部(P3)、第4バック部(P4)、第5バック部(P5)、第6バック部(P6)といった6つの部位に均等に分けたとき、
前記送風機で誘起された気流の少なくとも一部が前記バックパッドおいて、前記第3バック部および前記第4バック部に対応する胸椎対応部(51D)を通過可能に形成されており、
前記通風調整機構は、前記表側のうち、前記胸椎対応部の前記通風面積を増減させる請求項1に記載のシート空調装置。 - 前記シートパッドは、前記表側に前記送風機で誘起された気流が通過する複数の通風穴(510)が形成されるとともに、複数の前記通風穴に連なり、前記送風機で誘起された気流が通過する複数の通風路(511)が形成されており、
前記通風調整機構は、複数の前記通風路のうち、所定の通風路に設けられており、前記送風機の送風能力に応じて前記所定の通風路の開度を調整することで、前記通風面積を増減させる請求項1または2に記載のシート空調装置。 - 前記通風調整機構は、前記送風機の送風能力によって変化する前記所定の通風路における前記通風調整機構より空気流れ上流側と前記通風調整機構より空気流れ下流側との気圧差に応じて前記所定の通風路の開度を調整する請求項3に記載のシート空調装置。
- 前記通風調整機構は、弾性部材で構成されるとともに、前記気圧差によって加圧されることで前記所定の通風路における空気流れ下流側に弾性変形する請求項4に記載のシート空調装置。
- 前記通風調整機構は、前記所定の通風路を塞ぐ板面部(61)を有し、
前記板面部は、前記所定の通風路における気流の流れ方向が板厚方向となるように設けられるとともに、前記板厚方向の大きさが他の部位に比較して小さい薄肉部(63)が形成されている請求項5に記載のシート空調装置。 - 前記通風調整機構は、前記薄肉部と異なる部位に、前記通風調整機構を前記所定の通風路の内壁部の一部に連結させる連結部(62)を有するとともに、弾性変形する部位が、前記気圧差に応じて前記連結部または前記薄肉部に変化する請求項6に記載のシート空調装置。
- 前記シートは、前記表側に配置される通気性を有する表皮(52)を有し、
前記シートパッドは、前記表側に前記表皮の一部が収容される吊溝(513、514、515、516)が形成されており、
前記所定の通風路は、前記吊溝に連なっている請求項3ないし7のいずれか1つに記載のシート空調装置。 - 前記所定の通風路は、前記シートパッドの厚み方向において、前記吊溝と重なる位置に前記シートパッドを貫通して形成されている請求項8に記載のシート空調装置。
- 前記通風調整機構は、前記送風機とは互いに別体として構成され、前記送風機の作動と連動して気流を発生させる補助送風機(12)であって、
前記シートパッドは、前記送風機で誘起された気流が通過する通風穴(510)と、前記補助送風機で誘起された気流が通過する補助通風穴(580)と、前記通風穴に連なり、前記送風機で誘起された気流が通過する通風路(511)と、前記補助通風穴に連なり、前記補助送風機で誘起された気流が通過する補助通風路(581)とを有し、
前記通風穴および前記補助通風穴は、前記シートパッドの表側において、互いに異なる位置に形成され、
前記通風路および前記補助通風路は、互いに独立して構成され、
前記補助送風機は、前記送風機の送風能力が増加すると作動することで前記補助通風路に気流を通過させ、前記送風機の送風能力が減少すると作動を停止する請求項1または2に記載のシート空調装置。
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- 2020-04-14 JP JP2020072284A patent/JP2021168756A/ja active Pending
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