以下、この開示をより詳細に説明するために、この開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る駐車支援装置を含む駐車支援システムの要部を示すブロック図である。図1を参照して、実施の形態1に係る駐車支援装置を含む駐車支援システムについて説明する。
図1に示す如く、車両1は、駐車支援システム2を有している。駐車支援システム2は、第1センサ類3、第2センサ類4、測距センサ5及び出力装置6を含むものである。また、駐車支援システム2は、物体検知装置7、駐車支援装置8及び車両制御装置9を含むものである。
第1センサ類3は、車両1の速度Vrの検出に用いられるものである。第1センサ類3は、1種類のセンサ又は複数種類のセンサを含むものである。具体的には、例えば、第1センサ類3は、車輪速センサ及びシフトポジションセンサを含むものである。
第2センサ類4は、車両1の位置の検出に用いられるものである。ここで、車両1の位置は、車両1の向きを含むものである。第2センサ類4は、1種類のセンサ又は複数種類のセンサを含むものである。具体的には、例えば、第2センサ類4は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、ジャイロセンサ及びヨーレートセンサを含むものである。
測距センサ5は、ToF(Time оf Flight)方式の測距センサにより構成されている。具体的には、例えば、測距センサ5は、超音波センサ、ミリ波レーダ、レーザレーダ、ライダ又は赤外線センサにより構成されている。以下、測距センサ5による送信及び受信の対象となる波(例えば超音波、ミリ波、レーザ光又は赤外線)を総称して「探査波」ということがある。
測距センサ5は、車両1の左側部に設けられている。または、測距センサ5は、車両1の右側部に設けられている。または、測距センサ5は、車両1の左側部及び車両1の右側部の各々に設けられている。
以下、測距センサ5が超音波センサにより構成されている場合の例を中心に説明する。また、実施の形態1及び実施の形態2においては、車両1の左側部に測距センサ5が設けられている場合の例を中心に説明する。また、実施の形態3においては、車両1の左側部及び車両1の右側部の各々に測距センサ5が設けられている場合の例を中心に説明する。
出力装置6は、スピーカ(以下「第1スピーカ」ということがある。)を含むものである。第1スピーカは、例えば、車両1のダッシュボードに設けられている。
または、出力装置6は、他のスピーカ(以下「第2スピーカ」ということがある。)を含むものである。第2スピーカは、車両1の車室内の前半部に設けられたスピーカ(以下「前スピーカ」という。)を含むものである。また、第2スピーカは、車両1の車室内の後半部に設けられたスピーカ(以下「後スピーカ」という。)を含むものである。
または、出力装置6は、ディスプレイ(以下「第1表示器」ということがある。)を含むものである。第1表示器は、例えば、車両1のダッシュボードに設けられている。第1表示器は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイにより構成されている。
または、出力装置6は、インジケータ(以下「第2表示器」ということがある。)を含むものである。第2表示器は、例えば、車両1のダッシュボードに設けられている。第2表示器は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を用いたものである。以下、第1表示器又は第2表示器を総称して「表示器」ということがある。
または、出力装置6は、第1スピーカ及び表示器を含むものである。または、出力装置6は、第2スピーカ及び表示器を含むものである。
物体検知装置7は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)により構成されている。物体検知装置7は、速度判断部11、距離演算部12及び位置演算部13を含むものである。
速度判断部11は、第1センサ類3を用いて、車両1が所定速度Vth以下の速度Vrにて走行中であるか否かを判断するものである。所定速度Vthは、例えば、30キロメートル毎時に設定されている。
距離演算部12は、車両1が所定速度Vth以下の速度Vrにて走行しているとき、測距センサ5を用いて、ToFによる距離値dを演算するものである。
すなわち、測距センサ5は、車両1が所定速度Vth以下の速度Vrにて走行しているとき、所定の時間間隔にて探査波を送信する。側方領域(より具体的には左方領域)に物体が存在する場合、当該送信された探査波は、かかる物体に照射される。当該照射された探査波は、かかる物体により反射される。当該反射された探査波(以下「反射波」ということがある。)は、測距センサ5により受信される。
距離演算部12は、測距センサ5により探査波が送信された時刻及び測距センサ5により反射波が受信された時刻に基づき、かかる探査波の往復伝搬時間Tpを演算する。また、空気中の探査波の伝搬速度Vpを示す情報が予め用意されている。距離演算部12は、伝搬速度Vp及び往復伝搬時間Tpに基づき、以下の式(1)により距離値dを演算する。
d=(Vp×Tp)/2 (1)
このようにして、Tofによる距離値dが演算される。すなわち、車両1が所定速度Vth以下の速度Vrにて走行しているとき、複数個の距離値dが順次演算される。
位置演算部13は、距離演算部12により演算された距離値dを用いて、測距センサ5により送信された探査波が物体により反射された地点(以下「反射点」という。)の位置(以下「反射位置」という。)Prを演算するものである。反射位置Prの演算は、例えば、いわゆる「二円交点処理」又は「合成開口処理」によるものである。
すなわち、車両1における測距センサ5の設置位置を示す情報(以下「設置位置情報」という。)が予め用意されている。位置演算部13は、第2センサ類4を用いて、測距センサ5により探査波が送信された時刻又は測距センサ5により反射波が受信された時刻における車両1の位置(以下「車両位置」という。)を検出する。以下、かかる時刻を「対象時刻」という。位置演算部13は、当該検出された車両位置及び設置位置情報が示す設置位置に基づき、個々の対象時刻における測距センサ5の位置(以下「センサ位置」という。)Psを演算する。
位置演算部13は、距離演算部12により演算された複数個の距離値dのうちの任意の2個の距離値d_1,d_2を選択する。位置演算部13は、当該選択された各2個の距離値d_1,d_2について、第1の距離値d_1に対応する円C_1を演算するとともに、第2の距離値d_2に対応する円C_2を演算する。円C_1は、対応する距離値d_1に対応する半径を有するものであり、かつ、対応するセンサ位置Ps_1に対応する中心を有するものである。円C_2は、対応する距離値d_2に対応する半径を有するものであり、かつ、対応するセンサ位置Ps_2に対応する中心を有するものである。
位置演算部13は、2個の円C_1,C_2による交点の位置を演算する。これにより、対応する反射位置Prが演算される。
図2は、距離値d_1、距離値d_2、センサ位置Ps_1、センサ位置Ps_2、円C_1、円C_2及び反射位置Prの例を示している。図中、矢印Aは、車両1の進行方向を示している。また、x軸は、車両1の左右方向(すなわち車両1の進行方向に対する直行方向)に沿う仮想的な軸である。また、y軸は、車両1の前後方向(すなわち車両1の進行方向)に沿う仮想的な軸である。図2に示す如く、位置演算部13による演算は、x軸及びy軸による2軸の座標系にて実行されるものである。
このようにして、反射位置Prが演算される。すなわち、車両1が所定速度Vth以下の速度Vrにて走行しているとき、複数個の反射点に対応する複数個の反射位置Prが順次演算される。
物体検知装置7は、位置演算部13により演算された反射位置Prを示す情報(以下「反射位置情報」という。)を駐車支援装置8に出力する機能を有している。以下、物体検知装置7により駐車支援装置8に出力される情報を総称して「物体検知情報」ということがある。すなわち、物体検知情報は、反射位置情報を含むものである。
駐車支援装置8は、例えば、ECUにより構成されている。駐車支援装置8は、駐車スペース検知部21、検知状況判断部22及び報知制御部23を含むものである。
駐車スペース検知部21は、物体検知装置7により出力された物体検知情報に含まれる反射位置情報を取得するものである。駐車スペース検知部21は、当該取得された反射位置情報を用いて、車両1用の駐車スペースPSを検知するものである。
ここで、図3~図6を参照して、駐車スペース検知部21による駐車スペースPSの検知方法について説明する。また、駐車スペース検知部21による駐車スペースPSの検知状況(以下単に「検知状況」ということがある。)の推移について説明する。
図3~図6に示す如く、側方領域(より具体的には左方領域)において、いわゆる「縦列駐車」により2台の駐車車両V_1,V_2が駐車中である。駐車車両V_1,V_2間にスペースSが存在する。車両1は、所定速度Vth以下の速度Vrにて走行中である。測距センサ5は、所定の時間間隔にて探査波を送信する。
第一に、測距センサ5により送信された探査波が駐車車両V_1に照射される状態が発生する。かかる状態においては、駐車車両V_1に対応する反射位置情報が物体検知装置7により駐車支援装置8に出力される。より具体的には、駐車車両V_1に対応する複数個の反射点について、対応する複数個の反射位置Prを示す反射位置情報が順次出力される。駐車スペース検知部21は、当該出力された反射位置情報を取得する。
以下、かかる状態に対応する検知状況を「第1検知状況」という。すなわち、第1検知状況は、駐車スペース検知部21が駐車車両V_1に対応する反射位置情報を取得しているときの状態に対応するものである。図3は、第1検知状況の例を示している。
第二に、駐車車両V_1に対応する反射位置情報の取得が完了したとき、駐車スペース検知部21は、これらの反射位置情報を用いて、駐車車両V_1の端部の位置(以下「端部位置」という。)X_1を演算する。図3~図6に示す例においては、駐車車両V_1の前端部に対応する端部位置X_1が演算される。
これにより、端部位置X_1が演算された状態が発生する。以下、かかる状態に対応する検知状況を「第2検知状況」という。図4は、第2検知状況の例を示している。第2検知状況においては、測距センサ5により送信された探査波が駐車車両V_1,V_2に照射されないものである。
第三に、測距センサ5により送信された探査波が駐車車両V_2に照射される状態が発生する。かかる状態においては、駐車車両V_2に対応する反射位置情報が物体検知装置7により駐車支援装置8に出力される。より具体的には、駐車車両V_2に対応する複数個の反射点について、対応する複数個の反射位置Prを示す反射位置情報が順次出力される。駐車スペース検知部21は、当該出力された反射位置情報を取得する。
以下、かかる状態に対応する検知状況を「第3検知状況」という。すなわち、第3検知状況は、駐車スペース検知部21が駐車車両V_2に対応する反射位置情報を取得しているときの状態に対応するものである。図5は、第3検知状況の例を示している。
第四に、駐車スペース検知部21は、当該取得された反射位置情報を用いて、駐車車両V_2の端部の位置(以下「端部位置」という。)X_2を演算する。図3~図6に示す例においては、駐車車両V_2の後端部に対応する端部位置X_2が演算される。
次いで、駐車スペース検知部21は、端部位置X_1,X_2間の間隔Dを演算する。駐車スペース検知部21は、当該演算された間隔Dに基づき、スペースSの幅Lsを推定する。ここで、車両1の幅(より具体的には車両1の全長)Lvを示す情報が予め用意されている。駐車スペース検知部21は、幅Lsを幅Lvと比較することにより、スペースSに対する車両1の駐車の可否を判断する。換言すれば、駐車スペース検知部21は、スペースSが駐車スペースPSであるか否かを判断する。
図3~図6に示す例においては、幅Lsが幅Lvに対して十分に大きい。これにより、駐車スペース検知部21は、スペースSに対する車両1の駐車が可能であると判断する。換言すれば、駐車スペース検知部21は、スペースSが駐車スペースPSであると判断する。
この結果、スペースSに対する車両1の駐車が可能であると判断された状態が発生する。以下、かかる状態に対応する検知状況を「第4検知状況」という。図6は、第4検知状況の例を示している。
このように、駐車スペース検知部21による駐車スペースPSの検知状況は、第1検知状況、第2検知状況、第3検知状況、第4検知状況の順に推移する。換言すれば、複数個の検知状況(第1検知状況、第2検知状況、第3検知状況及び第4検知状況を含む。)が時間的に連続するものである。
なお、駐車スペース検知部21による駐車スペースPSの検知には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。例えば、駐車スペース検知部21は、特許文献1に記載された技術と同様の技術を用いて駐車スペースPSを検知するものであっても良い。
検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21による駐車スペースPSの検知状況を判断するものである。より具体的には、検知状況判断部22は、現在の検知状況が第1検知状況、第2検知状況、第3検知状況及び第4検知状況のうちのいずれであるかを判断するものである。
すなわち、まず、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21が駐車車両V_1に対応する反射位置情報を取得中であるか否かを判断する。駐車スペース検知部21が駐車車両V_1に対応する反射位置情報を取得中である場合、検知状況判断部22は、現在の検知状況が第1検知状況であると判断する。
次いで、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21により端部位置X_1が演算されたか否かを判断する。端部位置X_1が演算済みである場合、検知状況判断部22は、検知状況が第1検知状況から第2検知状況に推移したと判断する。すなわち、検知状況判断部22は、現在の検知状況が第2検知状況であると判断する。
次いで、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21が駐車車両V_2に対応する反射位置情報を取得中であるか否かを判断する。駐車スペース検知部21が駐車車両V_2に対応する反射位置情報を取得中である場合、検知状況が第2検知状況から第3検知状況に推移したと判断する。すなわち、検知状況判断部22は、現在の検知状況が第3検知状況であると判断する。
次いで、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21により端部位置X_2が演算されたか否かを判断する。次いで、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21により幅Lsが演算されたか否かを判断する。次いで、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21によりスペースSに対する車両1の駐車が可能であると判断されたか否かを判断する。かかる駐車が可能であると判断された場合、検知状況判断部22は、検知状況が第3検知状況から第4検知状況に推移したと判断する。すなわち、検知状況判断部22は、現在の検知状況が第4検知状況であると判断する。
報知制御部23は、検知状況判断部22による判断結果に基づき、検知状況に応じてシーケンシャルに変化する報知を出力する制御を実行するものである。かかる報知は、出力装置6により出力される。すなわち、かかる報知は、車両1の搭乗者(車両1の運転者を含む。)に対する報知である。以下、かかる報知の具体例について説明する。
〈第1スピーカを用いた報知の具体例〉
第1検知状況において、報知制御部23は、第1スピーカを用いて報知用の音(以下「第1報知音」ということがある。)を出力する制御を実行する。次いで、第2検知状況において、報知制御部23は、第1スピーカを用いて報知用の他の音(以下「第2報知音」ということがある。)を出力する制御を実行する。次いで、第3検知状況において、報知制御部23は、第1スピーカを用いて報知用の他の音(以下「第3報知音」ということがある。)を出力する制御を実行する。次いで、第4検知状況において、報知制御部23は、第1スピーカを用いて報知用の他の音(以下「第4報知音」ということがある。)を出力する制御を実行する。
これにより、検知状況が推移するにつれて、第1スピーカにより出力される音がシーケンシャルに変化する。より具体的には、当該出力される音が第1報知音、第2報知音、第3報知音、第4報知音の順に変化する。
ここで、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音は、その態様が互いに異なるものである。以下、かかる態様を「第1態様」ということがある。
具体的には、例えば、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音は、その間隔Δが互いに異なるものである。すなわち、第1報知音は、所定の間隔Δ_1による断続音により構成されている。第2報知音は、かかる間隔Δ_1よりも小さい間隔Δ_2による断続音により構成されている(Δ_2<Δ_1)。第3報知音は、かかる間隔Δ_2よりも小さい間隔Δ_3による断続音により構成されている(Δ_3<Δ_2)。第4報知音は、連続音により構成されている(Δ_4=0)。
または、例えば、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音は、その高さが互いに異なるものである。すなわち、第1報知音は、所定の高さを有する音により構成されている。第2報知音は、第1報知音よりも高い音により構成されている。第3報知音は、第2報知音よりも高い音により構成されている。第4報知音は、第3報知音よりも高い音により構成されている。
または、例えば、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音は、その音量が互いに異なるものである。すなわち、第1報知音は、所定の大きさを有する音により構成されている。第2報知音は、第1報知音よりも大きい音により構成されている。第3報知音は、第2報知音よりも大きい音により構成されている。第4報知音は、第3報知音よりも大きい音により構成されている。
〈第2スピーカを用いた報知の具体例〉
上記のとおり、第2スピーカは、前スピーカ及び後スピーカを含むものである。図7は、車両1における前スピーカ及び後スピーカの設置位置の例を示している。図中、FSは、前スピーカを示している。また、RSは、後スピーカを示している。
報知制御部23は、前スピーカを用いて報知用の音(以下「前報知音」ということがある。)を出力する制御を実行する。また、報知制御部23は、後スピーカを用いて報知用の音(以下「後報知音」ということがある。)を出力する制御を実行する。
このとき、報知制御部23は、検知状況に応じて前報知音及び後報知音の各々の音量を変化させる。これにより、前報知音の音量が検知状況に応じてシーケンシャルに変化するとともに、後報知音の音量が検知状況に応じてシーケンシャルに変化する。すなわち、前報知音及び後報知音の各々の音量が第1態様に対応するものである。
第1検知状況においては、前報知音の音量が後報知音の音量に比して大きい値に設定される。換言すれば、後報知音の音量が前報知音の音量に比して小さい値に設定される。次いで、第2検知状況においては、前報知音の音量が低下するとともに、後報知音の音量が上昇する。これにより、前報知音の音量と後報知音の音量とが互いに同等の値に設定される。次いで、第3検知状況においては、前報知音の音量が更に低下するとともに、後報知音の音量が更に上昇する。これにより、前報知音の音量が後報知音の音量に比して小さい値に設定される。換言すれば、後報知音の音量が前報知音の音量に比して大きい値に設定される。
かかる音量の設定は、車両1とスペースSとの位置関係に対応している。すなわち、第1検知状況において、スペースSは、車両1に対する左斜め前方(又は車両1に対する右斜め前方)に位置している。このとき、前報知音の音量が後報知音の音量に比して大きい値に設定される。次いで、第2検知状況において、スペースSは、車両1に対する左方(又は車両1に対する右方)に位置している。このとき、前報知音の音量と後報知音の音量とが互いに同等の値に設定される。次いで、第3検知状況において、スペースSは、車両1に対する左斜め後方(又は車両1に対する右斜め後方)に位置している。このとき、後報知音の音量が前報知音の音量に比して大きい値に設定される。
〈第1表示器を用いた報知の具体例〉
第1検知状況において、報知制御部23は、第1表示器を用いて報知用の画像(以下「第1報知画像」ということがある。)I_1を表示する制御を実行する。次いで、第2検知状況において、報知制御部23は、第1表示器を用いて報知用の他の画像(以下「第2報知画像」ということがある。)I_2を表示する制御を実行する。次いで、第3検知状況において、報知制御部23は、第1表示器を用いて報知用の他の画像(以下「第3報知画像」ということがある。)I_3を表示する制御を実行する。次いで、第4検知状況において、報知制御部23は、第1表示器を用いて報知用の他の画像(以下「第4報知画像」ということがある。)I_4を表示する制御を実行する。
図8は、第1報知画像I_1の例を示している。図9は、第2報知画像I_2の例を示している。図10は、第3報知画像I_3の例を示している。図11は、第4報知画像I_4の例を示している。
図8~図11に示す如く、第1報知画像I_1、第2報知画像I_2、第3報知画像I_3及び第4報知画像I_4の各々は、車両1に対応する画像I_Vを含むものである。また、第1報知画像I_1、第2報知画像I_2、第3報知画像I_3及び第4報知画像I_4の各々は、スペースSに対応する画像I_Sを含むものである。
図8に示す如く、第1報知画像I_1は、第1検知状況における車両1とスペースSとの位置関係を示すものである。より具体的には、第1報知画像I_1は、第1検知状況における車両1に対するスペースSの位置を示すものである。
図9に示す如く、第2報知画像I_2は、第2検知状況における車両1とスペースSとの位置関係を示すものである。より具体的には、第2報知画像I_2は、第2検知状況における車両1に対するスペースSの位置を示すものである。
図10に示す如く、第3報知画像I_3は、第3検知状況における車両1とスペースSとの位置関係を示すものである。より具体的には、第3報知画像I_3は、第3検知状況における車両1に対するスペースSの位置を示すものである。
図11に示す如く、第4報知画像I_4は、第4検知状況における車両1とスペースSとの位置関係を示すものである。より具体的には、第4報知画像I_4は、第4検知状況における車両1に対するスペースSの位置を示すものである。
ここで、第1報知画像I_1、第2報知画像I_2及び第3報知画像I_3の各々においては、スペースSに対応する画像I_Sが破線により表現されている。これは、スペースSに対する車両1の駐車の可否が未判断であることを示している。換言すれば、これは、スペースSが駐車スペースPSであるか否かが不明であることを示している。
他方、第4報知画像I_4においては、スペースSに対応する画像I_Sが実線により表現されている。これは、スペースSに対する車両1の駐車が可能であると判断されたことを示している。換言すれば、これは、スペースSが駐車スペースPSであることを示している。
〈第2表示器を用いた報知の具体例〉
第2表示器は、第1報知画像I_1、第2報知画像I_2、第3報知画像I_3及び第4報知画像I_4の各々における画像I_Vに対応するインジケータ(以下「第1インジケータ」ということがある。)を含むものである。また、第2表示器は、第1報知画像I_1における画像I_Sに対応するインジケータ(以下「第2インジケータ」ということがある。)を含むものである。また、第2表示器は、第2報知画像I_2における画像I_Sに対応するインジケータ(以下「第3インジケータ」ということがある。)を含むものである。また、第2表示器は、第3報知画像I_3における画像I_Sに対応するインジケータ(以下「第4インジケータ」ということがある。)を含むものである。また、第2表示器は、第4報知画像I_4における画像I_Sに対応するインジケータ(以下「第5インジケータ」ということがある。)を含むものである。
第1検知状況において、報知制御部23は、第1インジケータ及び第2インジケータを点灯する制御を実行する。次いで、第2検知状況において、報知制御部23は、第1インジケータ及び第3インジケータを点灯する制御を実行する。次いで、第3検知状況において、報知制御部23は、第1インジケータ及び第4インジケータを点灯する制御を実行する。次いで、第4検知状況において、報知制御部23は、第1インジケータ及び第5インジケータを点灯する制御を実行する。
このようにして、駐車支援装置8の要部が構成されている。
第4検知状況に対応する報知が出力されたとき、車両1の運転者は、車両1を停止させる。次いで、車両1の運転者は、操作入力装置(不図示)を用いて、自動駐車による車両1の駐車の開始を指示する操作を入力する。すなわち、車両1の運転者は、駐車開始手続を実行する。これに対して、車両制御装置9は、車両1を操作することにより車両1を駐車スペースPSに駐車させる制御を実行するものである。車両制御装置9は、例えば、ECUにより構成されている。
車両1を駐車スペースPSに駐車させる制御には、自動駐車に係る公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
以下、速度判断部11により実行される処理を総称して「速度判断処理」ということがある。また、距離演算部12により実行される処理を総称して「距離演算処理」ということがある。また、位置演算部13により実行される処理を総称して「位置演算処理」ということがある。また、駐車スペース検知部21により実行される処理を総称して「駐車スペース検知処理」ということがある。また、検知状況判断部22により実行される処理を総称して「検知状況判断処理」ということがある。また、報知制御部23により実行される処理及び制御を総称して「報知制御」ということがある。
以下、駐車スペース検知部21が有する機能を総称して「駐車スペース検知機能」ということがある。また、検知状況判断部22が有する機能を総称して「検知状況判断機能」ということがある。また、報知制御部23が有する機能を総称して「報知制御機能」ということがある。
以下、駐車スペース検知機能に「F1」の符号を用いることがある。また、検知状況判断機能に「F2」の符号を用いることがある。また、報知制御機能に「F3」の符号を用いることがある。
次に、図12~図14を参照して、駐車支援装置8の要部のハードウェア構成について説明する。
図12に示す如く、駐車支援装置8は、プロセッサ31及びメモリ32を有している。メモリ32には、複数個の機能(駐車スペース検知機能、検知状況判断機能及び報知制御機能を含む。)F1~F3に対応するプログラムが記憶されている。プロセッサ31は、メモリ32に記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、複数個の機能F1~F3が実現される。
または、図13に示す如く、駐車支援装置8は、処理回路33を有している。処理回路33は、複数個の機能F1~F3に対応する処理を実行する。これにより、複数個の機能F1~F3が実現される。
または、図14に示す如く、駐車支援装置8は、プロセッサ31、メモリ32及び処理回路33を有している。メモリ32には、複数個の機能F1~F3のうちの一部の機能に対応するプログラムが記憶されている。プロセッサ31は、メモリ32に記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、かかる一部の機能が実現される。また、処理回路33は、複数個の機能F1~F3のうちの残余の機能に対応する処理を実行する。これにより、かかる残余の機能が実現される。
プロセッサ31は、1個以上のプロセッサにより構成されている。個々のプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
メモリ32は、1個以上の不揮発性メモリにより構成されている。または、メモリ32は、1個以上の不揮発性メモリ及び1個以上の揮発性メモリにより構成されている。すなわち、メモリ32は、1個以上のメモリにより構成されている。個々のメモリは、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクを用いたものである。より具体的には、個々の揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を用いたものである。また、個々の不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ソリッドステートドライブ又はハードディスクドライブを用いたものである。
処理回路33は、1個以上のデジタル回路により構成されている。または、処理回路33は、1個以上のデジタル回路及び1個以上のアナログ回路により構成されている。すなわち、処理回路33は、1個以上の処理回路により構成されている。個々の処理回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)又はシステムLSI(Large Scale Integration)を用いたものである。
ここで、プロセッサ31が複数個のプロセッサにより構成されているとき、複数個の機能F1~F3と複数個のプロセッサとの対応関係は任意である。すなわち、複数個のプロセッサの各々は、複数個の機能F1~F3のうちの対応する1個以上の機能に対応するプログラムを読み出して実行するものであっても良い。プロセッサ31は、個々の機能F1~F3に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。
また、メモリ32が複数個のメモリにより構成されているとき、複数個の機能F1~F3と複数個のメモリとの対応関係は任意である。すなわち、複数個のメモリの各々は、複数個の機能F1~F3のうちの対応する1個以上の機能に対応するプログラムを記憶するものであっても良い。メモリ32は、個々の機能F1~F3に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。
また、処理回路33が複数個の処理回路により構成されているとき、複数個の機能F1~F3と複数個の処理回路との対応関係は任意である。すなわち、複数個の処理回路の各々は、複数個の機能F1~F3のうちの対応する1個以上の機能に対応する処理を実行するものであっても良い。処理回路33は、個々の機能F1~F3に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
次に、図15に示すフローチャートを参照して、物体検知装置7の動作について説明する。図15に示す処理は、所定の条件が満たされているとき(例えば車両1におけるイグニッション電源の状態がオン状態であるとき)、繰り返し実行される。
まず、速度判断部11が速度判断処理を実行する(ステップST1)。車両1が所定速度Vth以下の速度Vrにて走行中であると判断された場合(ステップST2“YES”)、距離演算部12が距離演算処理を開始して(ステップST3)、位置演算部13が位置演算処理を開始する(ステップST4)。
次いで、速度判断部11が速度判断処理を実行する(ステップST5)。車両1が停止中である場合又は車両1が所定速度Vthを超える速度Vrにて走行中である場合(ステップST6“NO”)、距離演算部12が距離演算処理を終了して(ステップST7)、位置演算部13が位置演算処理を終了する(ステップST8)。
次に、図16に示すフローチャートを参照して、駐車支援装置8の動作について説明する。図16に示す処理は、距離演算処理及び位置演算処理に対して並行して実行される。すなわち、図16に示す処理は、ステップST2“YES”と判断された時点からステップST6“NO”と判断される時点までの期間に実行される。
図16に示す如く、駐車スペース検知部21が駐車スペース検知処理を実行する(ステップST11)。また、検知状況判断部22が検知状況判断処理を実行する(ステップST12)。また、報知制御部23が報知制御を実行する(ステップST13)。
次に、図17に示すフローチャートを参照して、駐車スペース検知部21の動作について説明する。すなわち、ステップST11にて実行される処理について説明する。
まず、駐車スペース検知部21は、駐車車両V_1に対応する反射位置情報を取得する(ステップST21)。これにより、駐車車両V_1に対応する複数個の反射点について、対応する複数個の反射位置Prを示す反射位置情報が順次取得される。
次いで、駐車スペース検知部21は、ステップST21にて取得された反射位置情報を用いて、駐車車両V_1の端部位置X_1を演算する(ステップST22)。
次いで、駐車スペース検知部21は、駐車車両V_2に対応する反射位置情報を取得する(ステップST23)。これにより、駐車車両V_2に対応する複数個の反射点について、対応する複数個の反射位置Prを示す反射位置情報が順次取得される。
次いで、駐車スペース検知部21は、ステップST23にて取得された反射位置情報を用いて、駐車車両V_2の端部位置X_2を演算する(ステップST24)。
次いで、駐車スペース検知部21は、ステップST22にて演算された端部位置X_1とステップST24にて演算された端部位置X_2との間隔Dを演算する(ステップST25)。これにより、スペースSの幅Lsが推定される。
次いで、駐車スペース検知部21は、ステップST25にて推定された幅Lsに基づき、スペースSに対する車両1の駐車の可否を判断する(ステップST26)。
次に、図18に示すフローチャートを参照して、検知状況判断部22の動作について説明する。すなわち、ステップST12にて実行される処理について説明する。
まず、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21が駐車車両V_1に対応する反射位置情報を取得中であるか否かを判断する(ステップST31)。すなわち、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21がステップST21の処理を実行中であるか否かを判断する。駐車スペース検知部21が駐車車両V_1に対応する反射位置情報を取得中である場合(ステップST31“YES”)、検知状況判断部22は、現在の検知状況が第1検知状況であると判断する(ステップST32)。
次いで、検知状況判断部22は、端部位置X_1が演算されたか否かを判断する(ステップST33)。すなわち、検知状況判断部22は、ステップST22の処理が実行されたか否かを判断する。端部位置X_1が演算済みである場合(ステップST33“YES”)、検知状況判断部22は、検知状況が第1検知状況から第2検知状況に推移したと判断する(ステップST34)。すなわち、検知状況判断部22は、現在の検知状況が第2検知状況であると判断する。
次いで、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21が駐車車両V_2に対応する反射位置情報を取得中であるか否かを判断する(ステップST35)。すなわち、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21がステップST23の処理を実行中であるか否かを判断する。駐車スペース検知部21が駐車車両V_2に対応する反射位置情報を取得中である場合(ステップST35“YES”)、検知状況判断部22は、検知状況が第2検知状況から第3検知状況に推移したと判断する(ステップST36)。すなわち、検知状況判断部22は、現在の検知状況が第3検知状況であると判断する。
次いで、検知状況判断部22は、端部位置X_2が演算されたか否かを判断する(ステップST37)。すなわち、検知状況判断部22は、ステップST24の処理が実行されたか否かを判断する。端部位置X_2が演算済みである場合(ステップST37“YES”)、検知状況判断部22は、スペースSの幅Lsが推定されたか否かを判定する(ステップST38)。すなわち、検知状況判断部22は、ステップST25の処理が実行されたか否かを判断する。幅Lsが推定済みである場合(ステップST38“YES”)、検知状況判断部22は、ステップST26にて車両1の駐車が可能であると判断されたか否かを判断する(ステップST39)。
かかる駐車が可能であると判断された場合(ステップST39“YES”)、検知状況判断部22は、検知状況が第3検知状況から第4検知状況に推移したと判断する(ステップST40)。すなわち、検知状況判断部22は、現在の検知状況が第4検知状況であると判断する。
次に、図19に示すフローチャートを参照して、報知制御部23の動作について説明する。すなわち、ステップST13にて実行される処理及び制御について説明する。
まず、検知状況判断部22により現在の検知状況が第1検知状況であると判断されたとき(ステップST51“YES”)、すなわちステップST32の処理が実行されたとき、報知制御部23は、第1検知状況に対応する報知を出力する制御を開始する(ステップST52)。
次いで、検知状況判断部22により現在の検知状況が第2検知状況であると判断されたとき(ステップST53“YES”)、すなわちステップST34の処理が実行されたとき、報知制御部23は、第2検知状況に対応する報知を出力する制御を開始する(ステップST54)。このとき、報知制御部23は、第1検知状況に対応する報知を出力する制御を終了する。
次いで、検知状況判断部22により現在の検知状況が第3検知状況であると判断されたとき(ステップST55“YES”)、すなわちステップST36の処理が実行されたとき、報知制御部23は、第3検知状況に対応する報知を出力する制御を開始する(ステップST56)。このとき、報知制御部23は、第2検知状況に対応する報知を出力する制御を終了する。
次いで、検知状況判断部22により現在の検知状況が第4検知状況であると判断されたとき(ステップST57“YES”)、すなわちステップST40の処理が実行されたとき、報知制御部23は、第4検知状況に対応する報知を出力する制御を開始する(ステップST58)。このとき、報知制御部23は、第3検知状況に対応する報知を出力する制御を終了する。第4検知状況に対応する報知を出力する制御は、所定の条件が満たされたとき(例えば駐車開始手続が実行されたとき)に終了する。
次に、駐車支援装置8を用いることによる効果について説明する。
駐車支援装置8を用いることにより、検知状況に応じてシーケンシャルに変化する報知が出力される。かかる報知により、車両1の運転者は、現在の検知状況が第1検知状況、第2検知状況、第3検知状況及び第4検知状況のうちのいずれであるかを認識することができる。また、車両1の運転者は、検知状況の推移を認識することができる。この結果、車両1が所定速度Vth以下の速度Vrにて走行しているとき、車両1の運転者は、駐車開始手続の実行タイミングの到来時期を予測することができる。
次に、駐車支援システム2の変形例について説明する。より具体的には、第1スピーカを用いた報知に係る変形例について説明する。
物体検知装置7は、個々の反射点について、対応するセンサ位置Psと対応する反射位置Prとの距離を演算するものであっても良い。物体検知情報は、当該演算された距離に対応する距離値VDを示す情報(以下「距離情報」という。)を含むものであっても良い。報知制御部23は、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音の各々の態様を物体検知情報に含まれる距離値VDに応じて異ならしめるものであっても良い。以下、かかる態様を「第2態様」ということがある。
ここで、第2態様は、第1態様と異なるものである。具体的には、例えば、第1態様が間隔Δである場合、第2態様は高さ又は音量である。また、例えば、第1態様が高さである場合、第2態様は間隔Δ又は音量である。また、例えば、第1態様が音量である場合、第2態様は間隔Δ又は高さである。
すなわち、報知制御部23は、物体検知情報に含まれる距離値VDが大きいほど、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音の各々の間隔Δを大きくする。換言すれば、報知制御部23は、かかる距離値VDが小さいほど、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音の各々の間隔Δを小さくする。
または、報知制御部23は、物体検知情報に含まれる距離値VDが大きいほど、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音の各々を低くする。換言すれば、報知制御部23は、かかる距離値VDが小さいほど、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音の各々を高くする。
または、報知制御部23は、物体検知情報に含まれる距離値VDが大きいほど、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音の各々の音量を小さくする。換言すれば、報知制御部23は、かかる距離値VDが小さいほど、第1報知音、第2報知音、第3報知音及び第4報知音の各々の音量を大きくする。
車両1と駐車車両V間の距離が大きすぎる場合(例えば当該距離が2メートル以上である場合)、駐車支援装置8により駐車スペースPSが正常に検知されないことがある。これに対して、かかる報知により、車両1の運転者は、車両1と駐車車両V間の距離を認識することができる。この結果、車両1の運転者は、当該距離が駐車スペースPSの検知に適した距離であるか否かを認識することができる。
次に、駐車支援システム2の他の変形例について説明する。
駐車支援装置8は、物体検知情報を用いて、駐車車両V_1,V_2の駐車形態を判断するものであっても良い。すなわち、駐車支援装置8は、いわゆる「並列駐車」により駐車車両V_1,V_2が駐車中であるか、又は縦列駐車により駐車車両V_1,V_2が駐車中であるかを判断するものであっても良い。かかる駐車形態の判断には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
駐車スペース検知部21は、駐車車両V_1,V_2の駐車形態に応じて、スペースSに対する駐車の可否の判断に用いられる幅Lvの値を異ならしめるものであっても良い。すなわち、駐車車両V_1,V_2の駐車形態が縦列駐車である場合、車両1の全長に対応する幅Lvが用いられる。他方、駐車車両V_1,V_2の駐車形態が並列駐車である場合、車両1の全幅に対応する幅Lvが用いられる。
これにより、駐車車両V_1,V_2の駐車形態にかかわらず、駐車スペースPSの検知を実現することができる。
次に、駐車支援システム2の他の変形例について説明する。
図20に示す如く、駐車支援装置8は、物体検知装置7を含むものであっても良い。すなわち、速度判断部11、距離演算部12、位置演算部13、駐車スペース検知部21、検知状況判断部22及び報知制御部23により駐車支援装置8の要部が構成されているものであっても良い。
以上のように、実施の形態1に係る駐車支援装置8は、車両1に設けられた測距センサ5による物体検知情報を用いて、車両1用の駐車スペースPSを検知する駐車スペース検知部21と、駐車スペース検知部21による検知状況が時間的に連続する複数個の検知状況のうちのいずれの検知状況であるかを判断する検知状況判断部22と、検知状況判断部22による判断結果に基づき、駐車スペース検知部21による検知状況に応じてシーケンシャルに変化する報知を出力する制御を実行する報知制御部23と、を備える。これにより、車両1の運転者は、現在の検知状況を認識することができるとともに、検知状況の推移を認識することができる。この結果、車両1の運転者は、駐車開始手続の実行タイミングの到来時期を予測することができる。
また、報知は、音によるものであり、駐車スペース検知部21による検知状況に応じて音の第1態様がシーケンシャルに変化するものである。これにより、車両1の運転者は、現在の検知状況を聴覚的に認識することができるとともに、検知状況の推移を聴覚的に認識することができる。
また、物体検知情報に含まれる距離値VDに応じて音の第2態様が異なる。これにより、車両1の運転者は、車両1と駐車車両V間の距離を認識することができる。この結果、車両1の運転者は、当該距離が駐車スペースPSの検知に適した距離であるか否かを認識することができる。
また、音は、車両1に設けられた前スピーカにより出力されるとともに、車両1に設けられた後スピーカにより出力されるものであり、第1態様は、前スピーカ及び前記後スピーカの各々に対応する音量である。これにより、報知の臨場感を向上することができる。また、車両1の運転車は、車両1とスペースSとの位置関係を聴覚的に認識することができる。
また、報知は、表示器によるものである。これにより、車両1の運転者は、現在の検知状況を視覚的に認識することができるとともに、検知状況の推移を視覚的に認識することができる。
実施の形態2.
図21は、実施の形態2に係る駐車支援装置を含む駐車支援システムの要部を示すブロック図である。図21を参照して、実施の形態2に係る駐車支援装置を含む駐車支援システムについて説明する。なお、図21において、図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
図21に示す如く、駐車支援システム2aは、第1センサ類3、第2センサ類4、測距センサ5及び出力装置6を含むものである。また、駐車支援システム2aは、物体検知装置7a、駐車支援装置8a及び車両制御装置9を含むものである。
物体検知装置7aは、速度判断部11、距離演算部12及び位置演算部13を含むものである。これに加えて、物体検知装置7aは、グループ化部14及び幅演算部15を含むものである。
グループ化部14は、位置演算部13により演算された反射位置Prを示す情報(すなわち反射位置情報)を取得するものである。グループ化部14は、当該取得された反射位置情報を用いて、複数個の反射点を対応する物体毎にグループ化するものである。
具体的には、例えば、グループ化部14は、複数個の反射点のうちの互いに隣接する各2個の反射点について、当該2個の反射点間の距離ΔLを演算する。当該演算された距離ΔLが所定値未満である場合、グループ化部14は、当該2個の反射点を同一のグループに含める。他方、当該演算された距離ΔLが所定値以上である場合、グループ化部14は、当該2個の反射点を互いに異なるグループに含める。
かかるグループ化により、側方領域(より具体的には左方領域)に存在する複数個の物体(駐車車両V_1,V_2を含む。)について、個々の物体に対応するグループが設定される。以下、かかるグループを「反射点群」ということがある。
幅演算部15は、個々の反射点群に対応する物体の幅Loを演算するものである。以下、図22を参照して、幅Loの演算方法の具体例について説明する。
図22に示す如く、側方領域(より具体的には左方領域)に4個の物体O_1,O_2,O_3,O_4が存在する。物体O_1は、ロードコーンである。物体O_2は、人である。物体O_3は、駐車車両V_1である。物体O_4は、駐車車両V_2である。
物体O_1に対応する反射点群G_1は、3個の反射点を含むものである。当該3個の反射点について、グループ化部14により距離ΔL_1_1,ΔL_1_2が演算される。幅演算部15は、距離ΔL_1_1,ΔL_1_2の合計値を演算することにより、物体O_1の幅Lo_1を演算する。
物体O_2に対応する反射点群G_2は、3個の反射点を含むものである。当該3個の反射点について、グループ化部14により距離ΔL_2_1,ΔL_2_2が演算される。幅演算部15は、距離ΔL_2_1,ΔL_2_2の合計値を演算することにより、物体O_2の幅Lo_2を演算する。
物体O_3に対応する反射点群G_3は、5個の反射点を含むものである。当該5個の反射点について、グループ化部14により距離ΔL_3_1~ΔL_3_4が演算される。幅演算部15は、距離ΔL_3_1~ΔL_3_4の合計値を演算することにより、物体O_3の幅Lo_3を演算する。
物体O_4に対応する反射点群は、5個の反射点を含むものである。当該5個の反射点について、グループ化部14により距離ΔL_4_1~ΔL_4_4が演算されている。幅演算部15は、距離ΔL_4_1~ΔL_4_4の合計値を演算することにより、物体O_4の幅Lo_4を演算する。
物体検知装置7aは、物体検知情報を駐車支援装置8aに出力する。ここで、物体検知情報は、反射位置情報を含むものである。これに加えて、物体検知情報は、幅演算部15により演算された幅Loを示す情報(以下「幅情報」という。)を含むものである。
駐車支援装置8aは、駐車スペース検知部21、検知状況判断部22及び報知制御部23を含むものである。これに加えて、駐車支援装置8aは、ノイズ判断部24を含むものである。
ノイズ判断部24は、物体検知装置7aにより出力された物体検知情報に含まれる幅情報を取得するものである。ノイズ判断部24は、当該取得された幅情報を用いて、個々の物体Oの幅Loが所定の閾値Lth以下であるか否かを判断するものである。ノイズ判断部24は、閾値Lth以下の幅Loに対応する物体Oが報知におけるノイズであると判断するものである。これにより、ノイズ判断部24は、かかる物体Oを報知の対象から除外するものである。すなわち、ノイズ判断部24は、かかる物体Oを検知状況判断処理及び報知制御の対象から除外するものである。
ここで、閾値Lthは、駐車車両Vと駐車車両Vよりも小さい物体(例えば人、ロードコーン又はポール)とを識別可能な値に設定されている。このため、図22に示す例においては、物体O_1の幅Lo_1が閾値Lth以下であると判断される。また、物体O_2の幅Lo_2が閾値Lth以下であると判断される。また、物体O_3の幅Lo_3が閾値Lthよりも大きいと判断される。また、物体O_4の幅Lo_4が閾値Lthよりも大きいと判断される。
図22に示す例においては、駐車車両V_1に対応する反射位置情報が取得されるよりも先に、物体O_1,O_2に対応する反射位置情報が取得される。仮にノイズ判断部24が設けられていない場合、検知状況判断部22は、駐車スペース検知部21が物体O_1,O_2に対応する反射位置情報を取得しているとき、駐車スペース検知部21が駐車車両V_1に対応する反射位置情報を取得中であると誤判断する可能性がある。
これにより、現在の検知状況が第1検知状況でないにもかかわらず、現在の検知状況が第1検知状況であると誤判断される。この結果、現在の検知状況が第1検知状況でないにもかかわらずm第1検知状況に対応する報知を出力する制御が実行される。
これに対して、ノイズ判断部24が設けられていることにより、このような問題が発生するのを回避することができる。すなわち、駐車車両V_1,V_2と異なる物体O_1,O_2により報知が乱れるのを回避することができる。
以下、グループ化部14により実行される処理を総称して「グループ化処理」ということがある。また、幅演算部15により実行される処理を総称して「幅演算処理」ということがある。また、ノイズ判断部24により実行される処理を総称して「ノイズ判断処理」ということがある。また、ノイズ判断部24が有する機能を総称して「ノイズ判断機能」ということがある。また、ノイズ判断機能に「F4」の符号を用いることがある。
駐車支援装置8aの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図12~図14を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
すなわち、駐車支援装置8aは、複数個の機能(駐車スペース検知機能、検知状況判断機能、報知制御機能及びノイズ判断機能を含む。)F1~F4を有している。複数個の機能F1~F4の各々は、プロセッサ31及びメモリ32により実現されるものであっても良く、又は処理回路33により実現されるものであっても良い。プロセッサ31は、個々の機能F1~F4に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。メモリ32は、個々の機能F1~F4に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。処理回路33は、個々の機能F1~F4に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
物体検知装置7aにおける速度判断部11、距離演算部12及び位置演算部13の動作は、実施の形態1にて図15を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
次に、図23に示すフローチャートを参照して、物体検知装置7aにおけるグループ化部14及び幅演算部15の動作について説明する。
図23に示す処理は、距離演算処理及び位置演算処理に対して並行して実行される。すなわち、図23に示す処理は、ステップST2“YES”と判断された時点からステップST6“NO”と判断される時点までの期間に実行される。また、図23に示す処理は、かかる期間中に繰り返し実行される。
まず、グループ化部14がグループ化処理を実行する(ステップST61)。次いで、幅演算部15が幅演算処理を実行する(ステップST62)。
次に、図24に示すフローチャートを参照して、駐車支援装置8aの動作について説明する。なお、図24において、図16に示すステップと同様のステップには同一符号を付している。
図24に示す如く、駐車スペース検知部21が駐車スペース検知処理を実行する(ステップST11)。また、検知状況判断部22が検知状況判断処理を実行する(ステップST12)。また、報知制御部23が報知制御を実行する(ステップST13)。また、ノイズ判断部24がノイズ判断処理を実行する(ステップST14)。
駐車スペース検知処理は、実施の形態1にて図17を参照して説明したものと同様である。検知状況判断処理は、実施の形態1にて図18を参照して説明したものと同様である。報知制御は、実施の形態1にて図19を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
次に、図25に示すフローチャートを参照して、ノイズ判断部24の動作について説明する。すなわち、ステップST14にて実行される処理について説明する。
まず、ノイズ判断部24は、幅情報を取得する(ステップST71)。次いで、ノイズ判断部24は、ステップST71にて取得された幅情報を用いて、対応する物体Oの幅Loが閾値Lth以下であるか否かを判断する(ステップST72)。幅Loが閾値Lth以下である場合(ステップST72“YES”)、ノイズ判断部24は、対応する物体Oを報知の対象から除外する(ステップST73)。
次に、駐車支援システム2aの変形例について説明する。
駐車支援システム2aは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例を採用することができる。例えば、図26に示す如く、駐車支援装置8aは、物体検知装置7aを含むものであっても良い。すなわち、速度判断部11、距離演算部12、位置演算部13、グループ化部14、幅演算部15、駐車スペース検知部21、検知状況判断部22、報知制御部23及びノイズ判断部24により駐車支援装置8aの要部が構成されているものであっても良い。
以上のように、実施の形態2に係る駐車支援装置8aは、閾値Lth以下の幅Loに対応する物体Oを報知の対象から除外するノイズ判断部24を備える。これにより、かかる物体Oにより報知が乱れるのを回避することができる。
実施の形態3.
図27は、実施の形態3に係る駐車支援装置を含む駐車支援システムの要部を示すブロック図である。図27を参照して、実施の形態3に係る駐車支援装置を含む駐車支援システムについて説明する。なお、図27において、図21に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
図27に示す如く、駐車支援システム2bは、第1センサ類3、第2センサ類4、測距センサ5及び出力装置6を含むものである。また、駐車支援システム2bは、物体検知装置7b、駐車支援装置8b及び車両制御装置9を含むものである。
物体検知装置7bは、速度判断部11、距離演算部12、位置演算部13、グループ化部14及び幅演算部15を含むものである。これに加えて、物体検知装置7bは、評価値演算部16を含むものである。
評価値演算部16は、個々の反射点に対応する距離値VDを演算するものである。評価値演算部16は、個々の反射点群に含まれる複数個の反射点に対応する複数個の距離値VDについて、当該複数個の距離値VDに対する統計処理を実行するものである。これにより、個々の反射点群に対応する評価値Eが演算される。
ここで、評価値Eは、左方領域における反射点群に対応する評価値E_Lを含むものである。また、評価値Eは、右方領域における反射点群に対応する評価値E_Rを含むものである。以下、図28を参照して、評価値E_L,E_Rの演算方法の具体例について説明する。
図28に示す如く、左方領域に駐車車両V_1_Lが駐車しており、かつ、右方領域に駐車車両V_1_Rが駐車している。
グループ化部14により、駐車車両V_1_Lに対応する反射点群G_Lが設定される。また、グループ化部14により、反射点群G_Lに対応する距離ΔL_L_1~ΔL_L_6が演算される。すなわち、反射点群G_Lは、7個の反射点を含むものである。評価値演算部16は、当該7個の反射点のうちの第1の反射点を除く6個の反射点について、当該6個の反射点に対応する6個の距離値VD_L_1~VD_L_6を演算する。
グループ化部14により、駐車車両V_1_Rに対応する反射点群G_Rが設定される。また、グループ化部14により、反射点群G_Rに対応する距離ΔL_R_1~ΔL_R_6が演算される。すなわち、反射点群G_Rは、7個の反射点を含むものである。評価値演算部16は、当該7個の反射点のうちの第1の反射点を除く6個の反射点について、当該6個の反射点に対応する6個の距離値VD_R_1~VD_R_6を演算する。
〈評価値E_L,E_Rの演算方法の第1具体例〉
評価値演算部16は、距離値VD_L_1~VD_L_6のうちの最小値を選択する。評価値演算部16は、当該選択された最小値を評価値E_Lに用いる。また、評価値演算部16は、距離値VD_R_1~VD_R_6のうちの最小値を選択する。評価値演算部16は、当該選択された最小値を評価値E_Rに用いる。
〈評価値E_L,E_Rの演算方法の第2具体例〉
評価値演算部16は、距離値VD_L_1~VD_L_6の平均値を演算する。評価値演算部16は、当該演算された平均値を評価値E_Lに用いる。すなわち、評価値演算部16は、以下の式(2)により評価値E_Lを演算する。
E_L=(VD_L_1+VD_L_2+VD_L_3+VD_L_4
+VD_L_5+VD_L_6)/6 (2)
また、評価値演算部16は、距離値VD_R_1~VD_R_6の平均値を演算する。評価値演算部16は、当該演算された平均値を評価値E_Rに用いる。すなわち、評価値演算部16は、以下の式(3)により評価値E_Rを演算する。
E_R=(VD_R_1+VD_R_2+VD_R_3+VD_R_4
+VD_R_5+VD_R_6)/6 (3)
〈評価値E_L,E_Rの演算方法の第3具体例〉
評価値演算部16は、距離値VD_L_1~VD_L_6の中央値を演算する。評価値演算部16は、当該演算された中央値を評価値E_Lに用いる。また、評価値演算部16は、距離値VD_R_1~VD_R_6の中央値を演算する。評価値演算部16は、当該演算された中央値を評価値E_Rに用いる。
〈評価値E_L,E_Rの演算方法の第4具体例〉
評価値演算部16は、距離値VD_L_1~VD_L_6の加重平均値を演算する。評価値演算部16は、当該演算された加重平均値を評価値E_Lに用いる。すなわち、評価値演算部16は、以下の式(4)により評価値E_Lを演算する。
E_L=(VD_L_1*ΔL_L_1+VD_L_2*ΔL_L_2
+VD_L_3*ΔL_L_3+VD_L_4*ΔL_L_4
+VD_L_5*ΔL_L_5+VD_L_6*ΔL_L_6)
/(ΔL_L_1+ΔL_L_2+ΔL_L_3+ΔL_L_4
+ΔL_L_5+ΔL_L_6) (4)
また、評価値演算部16は、距離値VD_R_1~VD_R_6の加重平均値を演算する。評価値演算部16は、当該演算された加重平均値を評価値E_Rに用いる。すなわち、評価値演算部16は、以下の式(5)により評価値E_Lを演算する。
E_R=(VD_R_1*ΔL_R_1+VD_R_2*ΔL_R_2
+VD_R_3*ΔL_R_3+VD_R_4*ΔL_R_4
+VD_R_5*ΔL_R_5+VD_R_6*ΔL_R_6)
/(ΔL_R_1+ΔL_R_2+ΔL_R_3+ΔL_R_4
+ΔL_R_5+ΔL_R_6) (5)
〈評価値E_L,E_Rの演算方法の第5具体例〉
評価値演算部16は、個々の距離ΔL_Lを対応する距離値VD_Lにより除してなる値を演算して、当該演算された値の合計値を演算する。評価値演算部16は、当該演算された合計値を評価値E_Lに用いる。すなわち、評価値演算部16は、以下の式(6)により評価値E_Lを演算する。
E_L=(ΔL_L_1/VD_L_1+ΔL_L_2/VD_L_2
+ΔL_L_3/VD_L_3+ΔL_L_4/VD_L_4
+ΔL_L_5/VD_L_5+ΔL_L_6/VD_L_6) (6)
また、評価値演算部16は、個々の距離ΔL_Rを対応する距離値VD_Rにより除してなる値を演算して、当該演算された値の合計値を演算する。評価値演算部16は、当該演算された合計値を評価値E_Rに用いる。すなわち、評価値演算部16は、以下の式(7)により評価値E_Rを演算する。
E_R=(ΔL_R_1/VD_R_1+ΔL_R_2/VD_R_2
+ΔL_R_3/VD_R_3+ΔL_R_4/VD_R_4
+ΔL_R_5/VD_R_5+ΔL_R_6/VD_R_6) (7)
物体検知装置7bは、物体検知情報を駐車支援装置8bに出力する。ここで、物体検知情報は、反射位置情報及び幅情報を含むものである。これに加えて、物体検知情報は、評価値演算部16により演算された評価値E_L,E_Rを示す情報(以下「評価値情報」という。)を含むものである。
駐車支援装置8bは、駐車スペース検知部21、検知状況判断部22、報知制御部23及びノイズ判断部24を含むものである。これに加えて、駐車支援装置8bは、方向設定部25を含むものである。
方向設定部25は、物体検知装置7bにより出力された物体検知情報に含まれる評価値情報を取得するものである。方向設定部25は、当該取得された評価値情報を用いて、評価値E_L,E_Rの大小関係を判断するものである。
評価値E_Lが評価値E_Rよりも小さい場合、方向設定部25は、左方領域を報知の対象に設定するとともに、右方領域を報知の対象から除外するものである。すなわち、方向設定部25は、左方領域を検知状況判断処理及び報知制御の対象に設定するとともに、右方領域を検知状況判断処理及び報知制御の対象から除外するものである。
他方、評価値E_Rが評価値E_Lよりも小さい場合、方向設定部25は、右方領域を報知の対象に設定するとともに、左方領域を報知の対象から除外するものである。すなわち、方向設定部25は、右方領域を検知状況判断処理及び報知制御の対象に設定するとともに、左方領域を検知状況判断処理及び報知制御の対象から除外するものである。
図28に示す例においては、評価値E_Lが評価値E_Rよりも小さくなる。このため、方向設定部25は、左方領域を報知の対象に設定するとともに、右方領域を報知の対象から除外する。
これにより、左方領域に対応する報知及び右方領域に対応する報知の両方が出力されるのを回避することができる。この結果、例えば、車両1の運転者の注意が左方領域及び右方領域の両方に向けられるのを回避することができる。換言すれば、車両1の運転車が注意を向ける方向を絞ることができる。
以下、評価値演算部16により実行される処理を総称して「評価値演算処理」ということがある。また、方向設定部25により実行される処理を総称して「方向設定処理」ということがある。また、方向設定部25が有する機能を総称して「方向設定機能」ということがある。また、方向設定機能に「F5」の符号を用いることがある。
駐車支援装置8bの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図12~図14を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
すなわち、駐車支援装置8bは、複数個の機能(駐車スペース検知機能、検知状況判断機能、報知制御機能、ノイズ判断機能及び方向設定機能を含む。)F1~F5を有している。複数個の機能F1~F5の各々は、プロセッサ31及びメモリ32により実現されるものであっても良く、又は処理回路33により実現されるものであっても良い。プロセッサ31は、個々の機能F1~F5に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。メモリ32は、個々の機能F1~F5に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。処理回路33は、個々の機能F1~F5に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
物体検知装置7bにおける速度判断部11、距離演算部12及び位置演算部13の動作は、実施の形態1にて図15を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
次に、図29に示すフローチャートを参照して、物体検知装置7bにおけるグループ化部14、幅演算部15及び評価値演算部16の動作について説明する。なお、図29において、図23に示すステップと同様のステップには同一符号を付している。
まず、グループ化部14がグループ化処理を実行する(ステップST61)。次いで、幅演算部15が幅演算処理を実行する(ステップST62)。次いで、評価値演算部16が評価値演算処理を実行する(ステップST63)。
次に、図30に示すフローチャートを参照して、駐車支援装置8bの動作について説明する。なお、図30において、図24に示すステップと同様のステップには同一符号を付している。
図30に示す如く、駐車スペース検知部21が駐車スペース検知処理を実行する(ステップST11)。また、検知状況判断部22が検知状況判断処理を実行する(ステップST12)。また、報知制御部23が報知制御を実行する(ステップST13)。また、ノイズ判断部24がノイズ判断処理を実行する(ステップST14)。また、方向設定部25が方向設定処理を実行する(ステップST15)。
駐車スペース検知処理は、実施の形態1にて図17を参照して説明したものと同様である。検知状況判断処理は、実施の形態1にて図18を参照して説明したものと同様である。報知制御は、実施の形態1にて図19を参照して説明したものと同様である。ノイズ判断処理は、実施の形態2にて図25を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
次に、図31に示すフローチャートを参照して、方向設定部25の動作について説明する。すなわち、ステップST15にて実行される処理について説明する。
まず、方向設定部25は、評価値情報を取得する(ステップST81)。次いで、方向設定部25は、ステップST81にて取得された評価値情報を用いて、左方領域又は右方領域を選択的に報知の対象に設定する(ステップST82)。すなわち、方向設定部25は、評価値E_L,E_Rの大小関係に応じて、左方領域又は右方領域を選択的に報知の対象に設定する。
次に、駐車支援システム2bの変形例について説明する。
駐車支援システム2bは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例を採用することができる。例えば、図32に示す如く、駐車支援装置8bは、物体検知装置7bを含むものであっても良い。すなわち、速度判断部11、距離演算部12、位置演算部13、グループ化部14、幅演算部15、評価値演算部16、駐車スペース検知部21、検知状況判断部22、報知制御部23、ノイズ判断部24及び方向設定部25により駐車支援装置8bの要部が構成されているものであっても良い。
以上のように、実施の形態3に係る駐車支援装置8bは、左方領域及び右方領域のうちのより小さい距離値VD(評価値E)に対応する領域を報知の対象に設定する方向設定部25を備える。これにより、車両1の運転者による注意の対象を左方領域又は右方領域のうちのいずれかに絞ることができる。
なお、本願開示はその開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。