JP3778166B2 - 車間距離制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車間距離制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、先行車両との車間距離や相対速度を測定して車間距離を一定に保つ車間距離制御装置において、先行車両が自車両と同一車線上にいる確率を求め、この確率に基づいて車間距離制御すべき先行車両を選択するものがある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されている車間距離制御装置によれば、例えば、複数の物体が検出された場合に、物体毎の位置を予め実測により設定された自車線確率マップ上に配置して、各物体が自車両と同じ車線上に存在する確率(言い換えれば、車間距離制御の対象として優先する割合)を求め、その確率が最も高い物体を車間距離制御すべき先行車両として選択する。そして、選択した先行車両との車間距離を一定に保つように車間距離の制御を行う。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−279099号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した、従来の車間距離制御装置に用いられる自車線確率マップは、複数の領域によって構成され、領域毎に自車両と同一車線上に存在する確率が割当てられている。この自車線確率マップを前方障害物認識処理において認識された停止物と移動物の双方に対して適用すると、次のような問題が発生する。
【0005】
例えば、前方障害物認識処理によって認識された障害物が停止物である場合、停止物は移動しない物体と認識されたものであるため、自車線の外に位置するならば、障害物までの距離によらず自車両と同一車線上に存在する確率を低く設定すればよい。しかし、前方障害物認識処理によって認識された障害物が移動物である場合、自車線の外に位置していても、移動物は自車両の直前へ割り込んでくる可能性がある。そのため、特に、障害物までの距離が短い場合には、自車両と同一車線上に存在する確率をある程度高く設定する必要がある。
【0006】
このように、従来の自車線確率マップは、前方障害物認識処理において認識された停止物と移動物の双方に対して適用していたため、物体の状態に対応した確率が設定されなくなり、その結果、車間距離制御を行うべき物体を正確に選択することができない問題がある。
【0007】
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたもので、車間距離制御を行うべき物体を正確に選択することを可能にする車間距離制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
請求項1に記載の車間距離制御装置は、自車両の周囲に送信波を放射し、その反射波を検出した結果に基づいて反射物体までの距離及び送信波の放射角度を検出する測距手段と、測距手段の検出した距離及び放射角度に基づいて反射物体の自車両に対する相対位置及び相対速度を算出する算出手段と、算出手段の算出した相対速度から反射物体が移動状態であるか停止状態であるかを判定する物体状態判定手段と、物体状態判定手段によって判定された反射物体の移動・停止状態に応じて、算出手段の算出した相対位置に基づいて反射物体に付与する自車両と同一車線上に存在する確率を変更する自車線確率算出手段と、自車線確率算出手段によって付与された確率に基づいて車間距離制御を行うべき先行車両を選択し、その選択した先行車両との車間距離を制御する車間距離制御手段とを備え、
自車線確率算出手段は、
物体状態判定手段により停止状態と判定された反射物体の相対位置に対応する、自車両と同一車線上に存在する確率の分布を示す停止物体確率マップと、
物体状態判定手段により移動状態と判定された反射物体の相対位置に対応する、自車両と同一車線上に存在する確率の分布を示す移動物体確率マップと、
物体状態判定手段によって判定された反射物体の状態に対応する物体確率マップに算出手段により算出された相対位置を当てはめて反射物体が自車両と同一車線上に存在する確率を求める確率検出手段と、
を備えるものであり、
停止物体確率マップ及び移動物体確率マップは、自車両の車幅方向の距離と自車両から前方への距離とによって反射物体の相対位置を規定し、
停止物体確率マップにおいて、同一車線上に存在する確率を付与する範囲は、移動物体確率マップにおいて確率を付与する範囲よりも小さく設定されていることを特徴とする。
【0009】
このように、本発明の車間距離制御装置は、予め反射物体の状態別に自車両と同一車線上に存在する確率マップを用意しておくことで、移動物体及び停止物体に対して、それぞれ適切な確率を付与できるようにし、反射物体の状態に応じて反射物体が自車両と同一車線上に存在する確率を求め、この確率に基づいて車間距離制御を行うべき反射物体、すなわち先行車両を選択する。
これにより、例えば、先行車両が移動している状態なのか、あるいは停止した状態なのかを考慮して自車両と同一車線上に存在する確率を求めることが可能となり、その結果、先行車両の状態に基づいて車間距離制御を行うべき先行車両を正確に選択することができる。
ここで、本発明の停止物体確率マップにおいて、同一車線上に存在する確率を付与する範囲は、移動物体確率マップにおいて確率を付与する範囲よりも小さく設定される。
例えば、移動物体の現在の相対位置が自車両と同一車線上に存在しない場合であっても、移動物体は、将来的に同一車線上に存在する可能性があるため、その確率を付与する範囲は広く設定する必要がある。これに対し、停止物体の現在の相対位置が自車両と同一車線上に位置しない場合には、将来的に自車両と同じ車線上に存在することが考えにくいため、その確率を付与する範囲は、移動物体に対して確率を付与する範囲よりも低く設定すればよい。
このように、停止中の反射物体であるか、移動中の反射物体であるかを判定し、物体の状態別に用意された確率を付与する範囲の異なる確率マップを用いることで、物体の状態に応じた適切な確率を付与することができる。
【0015】
請求項2に記載の車間距離制御装置では、停止物体確率マップは、自車両の走行する車線幅に相当する車幅方向の長さに確率の分布をもち、その確率の分布は、自車両から前方への距離が所定距離から長くなるほど車幅方向の中心に向かって左右が狭まる分布であり、自車両から前方への距離が長くなるほど、かつ、車幅方向の自車両の中心からの距離が長くなるほど低い確率を示すものであることを特徴とする。
【0016】
このように、停止状態の反射物体に対して自車両と同一車線上に存在する確率を求める停止物体確率マップを、自車両から前方及び左右に遠ざかるほど確率が低くなるように設定することで、自車両の直前付近に存在する反射物体のみを自車両と同一車線上に存在する確率を高く設定することができる。また、停止中の反射物体は、基本的に移動することがないと想定されるため、自車両の走行する車線の幅に相当する長さに確率の分布を持つようにすることで、将来的に自車両と同じ車線上に存在することのない反射物体の確率を求めないようにすることができる。
【0017】
請求項3に記載の車間距離制御装置によれば、移動物体確率マップは、自車両の走行する車線幅に相当する車幅方向の長さに自車両の左右の車線幅に相当する車幅方向の長さを加えた長さに確率の分布をもち、その確率の分布は、自車両から前方への距離が長くなるほど車幅方向の中心から左右に広がる分布であり、この車幅方向の中心からの左右への広がりとともに低い確率を示すものであることを特徴とする。
【0018】
このように、移動状態の反射物体に対して自車両と同一車線上に存在する確率を求める移動物体確率マップを、自車両から前方への距離が長くなるほど自車両の車幅方向の中心から左右に広がる分布とし、さらに、自車両の車幅方向の中心からの左右への広がりとともに低い確率を設定することで、自車線の左又は右車線の遠方から自車線へ割り込んでくる先行車両の確率を時間経過とともに段階的に高く設定することが可能となる。また、自車両の走行する車線の幅に左右の車線の幅に相当する長さを加えた距離以内に確率の分布を持つようにすることで、将来的に自車両と同じ車線上に存在する可能性がある、左右車線に位置する反射物体の確率を求めることができる。
【0019】
請求項4に記載の車間距離制御装置では、自車線確率算出手段は、前回算出された確率と確率検出手段によって求められた確率とに基づいて平均処理を行って新しい確率を算出する確率算出手段を備えることを特徴とする。これにより、継続的に測距手段によって検出される反射物体に対して自車両と同一車線上に存在する確率が高く算出されるようになる。
【0020】
請求項5に記載の車間距離制御装置によれば、確率算出手段は、時間平均処理の際、測距手段の検出した反射物体までの距離の長さに応じて前回算出された確率及び確率検出手段によって求められた確率の重み付けを変更することを特徴とする。
【0021】
例えば、距離が短くなるにつれて確率検出手段の求めた確率の重み付けを大きくすることで、自車両に接近する反射物体の自車両と同一車線上に存在する確率を高く設定することができる。
【0022】
請求項6に記載の車間距離制御装置では、車間距離制御手段は、車間距離制御を行うべき先行車両を選択する際、自車線確率算出手段によって求められた確率が最も高い反射物体を車間距離制御を行うべき先行車両として選択することを特徴とする。これにより、優先して車間距離制御を行うべき先行車両との車間距離を制御することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車間距離制御装置について、図面に基づいて説明する。この車両制御装置は、自動車に搭載され、定速走行制御の際に先行車両を捉えると、所定の車間距離を保つ装置である。
【0024】
図1に、車間距離制御装置2の全体構成を示す。車間距離制御装置2は、コンピュータ4を主として構成され、スキャニング測距器6、ステアリングセンサ8、ヨーレートセンサ9、車速センサ10、クルーズコントロールスイッチ12、表示器14、自動変速機制御器16、ブレーキスイッチ18、ブレーキ駆動器19、スロットル開度センサ20、及びスロットル駆動器21を備えている。
【0025】
コンピュータ4は、入出力インターフェース(I/O)および各種の駆動回路を備えている。これらのハード構成は一般的なものであるので詳細な説明は省略する。このコンピュータ4は、先行車両との車間距離を制御する車間距離制御や、先行車両が選択されていない場合には、自車両の車速を設定速度となるように制御する定速走行制御を行う。
【0026】
スキャニング測距器6は、図示しない送受信部と距離・角度演算部を備え、送受信部は、自車両前方へ複数のレーザ光を所定角度の範囲で放射(発光)するとともに、その反射光を検出する。距離・角度演算部は、レーザ光の放射から反射光を捉えるまでの時間に基づいて、自車両前方の反射物体としての先行車両との距離、及びそのレーザ光の照射角度を検出する。なお、スキャニング測距器6は、レーザ光を用いるものの他に、マイクロ波等の電波や超音波等を用いるものであってもよい。
【0027】
ステアリングセンサ8は、ハンドルの操舵角の変更量を検出するものであり、その値から相対的な操舵角を検出するものである。このハンドルの操舵角は、カーブデータを検出する際に参照される。ヨーレートセンサ9は、自車両の鉛直方向周りの角速度を検出するものであり、後述する処理において、カーブデータを算出する際に参照される。
【0028】
車速センサ10は、車輪の回転速度に対応した信号を検出するセンサである。クルーズコントロールスイッチ12は、いずれも図示しない、メインSW、セットSW、リジュームSW、キャンセルSW、タップSWの5つの押しボタンスイッチを備えている。
【0029】
メインSWは、クルーズコントロール(定速走行制御)を開始可能にさせるためのスイッチである。なお、定速走行制御内で車間距離制御も実行される。セットSWは、これを押すことによって、その時の自車両の車速Vnを取り込み、その車速Vnを目標速度Vmとして記憶させるものである。また、この目標速度Vmの設定後、定速走行制御が行われる。
【0030】
リジュームSWは、定速走行制御中でない状態で、目標車速Vmが記憶されているときに押された場合、自車両の車速を現在の車速から目標車速Vmまで復帰させるものである。キャンセルSWは、実行されている定速走行制御を中止させるものであり、このキャンセルSWを押すことで中止処理が実行される。タップSWは、後述する先行車両との目標車間距離を設定するためのもので、ユーザの好みに応じて、所定範囲の距離に限り設定可能なものである。
【0031】
表示器14は、いずれも図示しない設定車速表示器、車間距離表示器、設定車間時間表示器、及びセンサ異常表示器から構成される。設定車速表示器は、定速制御の設定車速を表示し、車間距離表示器は、スキャニング測距器6の測定結果に基づいて、後述する処理により選択された先行車両との車間距離を表示する。設定車間時間表示器は、後述する処理にて車間距離を制御するために時間の次元で設定された車間時間を表示し、センサ異常表示器は、スキャニング測距器6等の各種センサに異常が発生した場合には、その異常発生を表示する。
【0032】
自動変速機制御器16は、コンピュータ4からの指示により、自車両の速度を制御する上で必要な、自動変速機のギヤ位置を選択するものである。ブレーキスイッチ18は、運転者によるブレーキペダルの踏み込みを検出し、ブレーキ駆動器19は、コンピュータ4の指示に応じてブレーキ圧力を調節する。
【0033】
スロットル開度センサ20は、スロットルバルブの開度を検出し、スロットル駆動器21は、コンピュータ4の指示に応じてスロットルバルブの開度を調節し、内燃機関の出力を制御する。なお、このスロットル開度と車速とを比較することにより、例えば、降坂走行か否かを判定することができる。
【0034】
コンピュータ4は、図示しない電源SWを備え、この電源SWがオンされることにより、電源が供給されて所定の処理を開始する。コンピュータ4は、このように構成されていることにより、後述する車間距離制御処理や定速走行制御処理を実行している。
【0035】
図2に、コンピュータ4の制御ブロック図を示す。スキャニング測距器6から出力された距離と角度のデータは、座標変換部4aにより自車両のスキャニング測距器6中心を原点(0、0)とし、車幅方向をX軸、車両前方方向をZ軸とするXZ直交座標に変換される。また、センサ異常検出部4bにより、この変換結果の値が異常な範囲を示していれば、表示器14のセンサ異常表示器にその旨の表示がなされる。
【0036】
物体認識部4dでは、このXZ直交座標に変換された距離と角度のデータに基づいて、自車両の前方の反射物体の中心位置座標(X、Z)、大きさ(W、D)を求めるとともに、中心位置(X、Z)の時間的変化に基づいて、自車両位置を基準とする反射物体の相対速度(Vx、Vz)を求める。さらに、この相対速度(Vx、Vz)の時間経過による変化量や、この相対速度と車速演算部4cにて算出された自車両の車速Vnとの変化量等から、反射物体が停止物体であるか移動物体であるかの認識種別が求められる。なお、反射物体の大きさを示す(W、D)は、それぞれ(横幅、奥行き)である。
【0037】
また、ステアリングセンサ8からの信号に基づいて操舵角演算部4eにて操舵角が求められ、ヨーレートセンサ9からの信号に基づいてヨーレート演算部4jにてヨーレートが演算される。カーブ半径(曲率半径)算出部4fでは、車速演算部4cからの車速Vnと操舵角演算部4eからの操舵角、及びヨーレート演算部4jからのヨーレートとに基づいて、カーブ半径(曲率半径)Rを算出する。
【0038】
自車線確率演算部4gでは、カーブ半径算出部4fにおいて算出されたカーブ半径R、物体認識部4dにて求められた中心位置座標(X、Z)、反射物体の大きさ(W、D)、相対速度(Vx、Vz)に基づいて、先行車両の自車線確率を認識種別毎に算出する。
【0039】
先行車両選択部4hでは、自車線確率及び反射物体の中心位置のZ座標から車間距離の制御をすべき先行車両が選択され、その先行車両に対する距離Z及び相対速度Vzが求められる。
【0040】
この先行車両との距離Z及び相対速度Vz、自車速Vn、クルーズコントロールスイッチ12の設定状態、ブレーキスイッチ18の踏み込み状態に基づいて、車間制御部4iにて、ブレーキ駆動器19、スロットル駆動器21、自動変速機制御器16に、先行車両との車間距離を調整するための制御信号を出力するとともに、表示器14に対して必要な表示信号を出力して、状況を運転者に告知している。
【0041】
車間制御部は、例えば、次のような処理を経てスロットル開度とブレーキの制御を行う。まず、クルーズコントロールスイッチ12の設定状態と車速Vnとから、目標車間距離が演算される。なお、本実施形態では、予め設定された目標車間時間(例えば、3.0秒等)に車速Vnを乗じることで目標車間距離を求めている。この目標車間距離、クルーズコントロールスイッチ12の設定状態および先行車両との距離・相対速度に基づいて目標とする加速度又は減速度(以下、目標加減速度と呼ぶ)が求められる。この目標加減速度、車速Vn、クルーズコントロールスイッチ12の設定状態から目標車速Vmを求める。
【0042】
この目標車速Vmと実際の車速Vnとに基づいて、スロットル開度を制御すべきか、自動変速機のギヤ位置を変更すべきか、あるいはブレーキの制御をすべきか等の制御方法の判断が行われる。そして、制御方法、目標車速Vm、車速Vn、クルーズコントロールスイッチ12の設定状態およびブレーキスイッチ18の状態に基づいて、スロットル駆動器21を駆動してスロットル開度を制御したり、自動変速機制御器16を作動して自動変速機のギヤ位置を制御したり、あるいは、ブレーキ駆動器19を駆動してブレーキ圧力を制御したりすることで、自車両と先行車両との車間距離が目標車間距離に保たれる。また、表示器14にはリアルタイムな状態が表示される。
【0043】
次に、車間距離制御処理について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。図3は、車間距離制御処理の全体の流れを示している。この車間距離制御処理は、0.2秒の制御周期で繰り返し実行される。
【0044】
先ず、ステップS1では、スキャニング測距器6による距離・角度の計測データが読み込まれる。ステップS2では、前方障害物の認識が実行される。このステップS2における前方障害物の認識処理は、自車両の車速Vnと前方の物体がスキャニングされた結果に基づいて、自車両の前方に位置する物体の中心位置座標(X、Z)、大きさ(W、D)、相対速度(Vx、Vz)、及び認識種別が求められる。
【0045】
認識種別は、例えば、自車両が走行しているにもかかわらず、物体の相対位置がほとんど移動していない場合は移動物体と認識できる。また、次第に自車両から遠ざかる物体も移動物体と認識できる。一方、物体の相対位置が自車両に対して車速Vnと同じ速度(絶対値)で近づく場合は停止物体と認識できる。この他、例えば、現れてから認識できるほどの時間が経過していない物体等は、不明物体として認識している。なお、この前方障害物の認識処理は、当業者には良く知られた内容であり、その認識方法は特に限定されるものではない。
【0046】
ステップS3では、カーブ検出処理が実行される。このカーブ検出処理は、自車両の走行している道路の曲率半径(カーブ半径R)を算出し、この算出したカーブ半径Rは、後述する自車線確率算出処理において、上述した物体の中心位置座標(X、Z)及び横幅Wに対して、直線路を走行しているときに取得される値に換算する際の補正値として用いられる。なお、カーブ半径の符号として、右カーブの場合には「+」、左カーブの場合には「−」とする。
【0047】
このカーブ半径Rの算出方法についても、当業者には良く知られた内容であるため、その算出方法の詳細な説明を省略するが、上述した車速Vn、操舵角及びヨーレートに基づいてカーブ半径Rを算出する方法に限定されるものではない。例えば、自車両の前方の走行車線をCCD(Charge Coupled Device)カメラ等によって撮像し、その撮像した画像から走行車線を認識してカーブ半径Rを推定したり、衛星波を使ったグローバルポジショニングシステム(GPS)を有するナビゲーションシステムを備えている場合には、このGPSにて自車両の現在位置を確認し、ナビゲーションシステムのマップ情報から自車両の現在位置におけるカーブ半径Rを取得したりしてもよい。
【0048】
このステップS1〜ステップS3までの処理により、自車両の前方に位置する物体の中心位置座標(X、Z)、大きさ(W、D)、相対速度(Vx、Vz)、及び認識種別(移動物体又は停止物体)及びカーブ半径Rの各データが求められる。
【0049】
ステップS4では、後述する自車線確率算出処理を実行し、認識種別毎の物体の自車線確率Pを算出し、ステップS5では、後述する先行車両選択処理を実行し、車間距離制御をすべき先行車両を選択する。そして、ステップS6において、
上述したように、選択した先行車両との車間距離を目標とする車間距離に保つ制御が実行される。
【0050】
次に、本実施形態の特徴部分に係わる、ステップS4における自車線確率算出処理について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。先ず、ステップS10では、ステップS2の前方障害物認識処理にて得られた全ての物体の中心位置座標(X、Z)と横幅(W)に対して、直線の道路を走行しているときに取得される値に変換する。
【0051】
すなわち、ステップS3のカーブ検出処理にて得られたカーブ半径Rに基づいて、カーブ路において取得した物体の中心位置座標(X、Z)と横幅(W)を、直線路にて取得した場合の値に変換する。これにより、自車両の走行する道路のカーブ半径Rが異なっても、後述する変換により、直線の道路に換算した物体の中心位置座標及び横幅を取得することができる。この直線道路に換算する処理について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この換算処理では、実質的には物体の中心位置座標Xのみ変換し、物体の中心位置座標Z及び横幅Wは変換の対象としない。
【0052】
図5のステップS100では、ステップS3にて求められたカーブ半径Rは、10mを越え6500m未満の値であるか否かを判定する。なお、ここでは、カーブ半径Rに付される符号(右カーブ「+」、左カーブ「−」)は考慮しない。ここで、肯定判定された場合には、ステップS120へ処理を進め、否定判定された場合には、ステップS110にて、直線道路換算後の物体の中心位置座標XrにXの値を代入する。
【0053】
すなわち、否定判定された場合には、物体の中心位置座標Xの変換を実質的に行わないようにする。これは、物体の中心位置座標Xの換算を厳密に行おうとすると、カーブ半径Rの値が限りなく0に近い値を取る場合や、直線道路のカーブ半径Rの値が無限大を取る場合に計算上の不具合が生じるためである。
【0054】
ステップS120では、カーブ半径Rが300mを越える値であるか否かを判定する。ここで、肯定判定された合には、ステップS130へ処理を移行し、否定判定された場合には、ステップS140へ処理を進める。
【0055】
ステップS130では、次式により直線道路換算後の物体の中心位置座標Xrを求める。なお、この式は、半径の大きさをRとする円の方程式から導き出される。
【0056】
【数1】
Xr=X−(Z+Zoffset)/2×R
上記式中のZoffsetは、自車両の後輪車軸30とスキャニング測距器6の設置位置との間隔である。すなわち、上記の式は、図12に示すように、自車両は後輪車軸30を軸として半径Rの円を旋回していると想定した場合に導き出されるものであるため、自車両の後輪車軸30とスキャニング測距器6との間隔分の距離を上記式へ代入する必要がある。
【0057】
ステップS140では、中心位置座標ZにZoffsetを加えた値とカーブ半径Rとの比率が所定値(0.9)を越える値となるか否かを判定し、肯定判定された場合にはステップS150へ処理を進め、否定判定された場合には、ステップS160へ処理を進める。
【0058】
ステップS150では、次式により直線道路換算後の物体の中心位置座標Xrを求める。なお、次式の係数は、予め求められる近似値である。
【0059】
【数2】
Xr=X−(R×0.564)
ステップS160では、次式により直線道路換算後の物体の中心位置座標Xrを求める。
【0060】
【数3】
Xr=X−R×(1−cos(sin−1((Z+Zoffset)/R)))
なお、上記式の算出には、制御周期に影響を与える程度の計算時間を要することがあるため、式中の「(Z+Zoffset)/R」の項については、ZとRの値から導き出されるマップを予め用意しておくとよい。
【0061】
このようにして、カーブ半径Rの大きさを考慮して、直進道路に換算して得られた物体の中心位置座標(Xr、Z)、大きさ(W、D)、相対速度(Vx、Vz)、及び認識種別(移動物体又は停止物体)を用いて以降の処理を行う。
【0062】
ステップS11では、認識識別が移動物体であるか否かを判定し、移動物体と判定された場合にはステップS12へ処理を進め、否定判定された場合には、ステップS13へ処理を進める。
【0063】
ステップS12では、図7に示す移動物体に対する自車線確率マップ上に物体の中心位置座標(Xr、Z)、横幅(W)を配置して、各移動物体の瞬時自車線確率、すなわち、その時点で自車線に存在する確率を求める。確率として存在するのは、カーブ検出処理において、操舵角とヨーレートから求めるカーブ半径Rと実際のカーブ半径との間に誤差が存在するからであり、その誤差を考慮した制御をするために、ここで各物体の瞬時自車線確率(Pi)を求める。
【0064】
図7は、横軸にX軸、すなわち自車両の車幅方向を示し、縦軸にZ軸、すなわち自車両の前方を示している。本実施形態では、車幅中心から左右に5m、前方140mまでの領域を示している。ここで領域は、領域a(Pi=80%)、領域b(Pi=60%)、領域c(Pi=30%)、領域d(Pi=100%)、領域e(Pi=10%)、それ以外の領域(Pi=0%)に分割されている。この領域の設定は、実測により定めたものである。
【0065】
各領域a、b、c、d、eを区切る境界線La、Lb、Lc、Ld、Le、Lfは、例えば次の式で与えられるものである。なお、境界線La′、Lb′、Lc′、Ld′、Le′、Lf′は、それぞれ境界線La、Lb、Lc、Ld、Le、LfとZ軸を中心に対称の関係にある。
【0066】
【数4】
La:X=0.7+(1.75−0.7)×(Z/120)2
但し、上式においてZが120mを越える場合には、Xは1.75m固定である。
【0067】
【数5】
Lb:X=1.3+(2.75−1.3)×(Z/120)2
但し、上式においてZが120mを越える場合には、Xは2.75m固定である。
【0068】
【数6】
Lc:X=1.0+(5.0−1.0)×(Z/120)2
但し、上式においてZが120mを越える場合には、Xは2.75m固定である。
【0069】
【数7】
Ld:X=1.0−Z2/(2×2250)
【0070】
【数8】
Le:X=1.5
【0071】
【数9】
Lf:X=5
このように、移動物体に対して自車両と同一車線上に存在する確率を求める移動物体マップを、自車両から前方への距離が長くなるほど自車両の車幅方向の中心から左右に広がる分布とし、さらに、自車両の車幅方向の中心からの左右への広がりとともに低い確率を設定することで、自車線の左又は右車線の遠方から自車線へ割り込んでくる先行車両の確率を時間経過とともに段階的に高く設定することが可能となる。
【0072】
また、一般道路や高速道路における車線幅は約3.0〜3.5m程度であるため、移動物体マップにZ軸中心から左右にそれぞれ5mの領域をもたせることで、自車線だけでなく左右の車線に位置する先行車両の瞬時自車線確率を求めることができる。これにより、将来的に自車両と同じ車線上に存在する可能性がある、左右車線に位置する反射物体の瞬時自車線確率を求めることができる。
【0073】
なお、移動物体は、図9に示す条件に基づいて瞬時自車線確率Piが決定される。
▲1▼領域dを少しでも有する移動物体(Pi=100%)
▲2▼領域a内に中心が存在する移動物体(Pi=80%)
▲3▼領域b内に中心が存在する移動物体(Pi=60%)
▲4▼領域c内に中心が存在する移動物体(Pi=30%)
▲5▼領域e内に中心が存在する移動物体(Pi=10%)
▲6▼上記▲1▼〜▲5▼を満たさない移動物体(Pi=0%)
そして、最終的に移動物体の瞬時自車線確率Piが得られると、ステップS15へ処理を以降する。
【0074】
ステップS13では、認識識別が停止物体であるか否かを判定し、移動物体と判定された場合にはステップS14へ処理を進め、否定判定された場合には、認識識別は不明物体であるため、瞬時自車線確率を求めることなく、ステップS5へ処理を以降する。
【0075】
ステップS14では、図8に示す停止物体に対する自車線確率マップ上に停止物体の中心位置座標(Xr、Z)、横幅(W)を配置して、各停止物体の瞬時自車線確率(Pi)を求める。
【0076】
図8は、横軸にX軸、すなわち自車両の車幅方向を示し、縦軸にZ軸、すなわち自車両の前方を示している。本実施形態では、車幅中心から左右に2m、前方140mまでの領域を示している。ここで領域は、領域a(Pi=100%)、領域b(Pi=80%)、領域c(Pi=60%)、領域d(Pi=40%)、領域e(Pi=10%)、それ以外の領域(Pi=0%)に分割されている。この領域の設定は、実測により定めたものである。
【0077】
各領域a、b、c、d、eを区切る境界線La、Lb、Lc、Ldは、例えば次の式で与えられるものである。なお、境界線La′、Lb′、Lc′、Ld′は、それぞれ境界線La、Lb、Lc、LdとZ軸を中心に対称の関係にある。
【0078】
【数10】
La:X=0.5−Z2/(2×2250)
但し、上式におけるZは50m以下の値をとる。
【0079】
【数11】
Lb:X=1
【0080】
【数12】
Lc:X=1.5
【0081】
【数13】
Ld:X=2.0
このように、停止物体に対して自車両と同一車線上に存在する確率を求める停止物体確率マップを、自車両から前方及び左右に遠ざかるほど確率が低くなるように設定することで、自車両の直前付近に存在する反射物体のみを自車両と同一車線上に存在する確率を高く設定することができる。
【0082】
また、停止物体は、原則的に移動することがないと想定されるため、一般道路や高速道路における車線幅(約3.0〜3.5m程度)の略半分の距離である左右2mの距離以内に確率の分布を持つようにすることで、将来的に自車両と同じ車線上に存在することのない停止物体の瞬時自車線確率を求めないようにすることができる。
【0083】
なお、停止物体は、図10に示す条件に基づいて瞬時自車線確率Piが決定される。
▲1▼領域aのZ軸方向距離0〜50m内を少しでも有する移動物体(Pi=100%)
▲2▼領域bのZ軸方向距離0〜60m内に中心が存在する移動物体(Pi=80%)
▲3▼領域cのZ軸方向距離61〜100m内に中心が存在する移動物体(Pi=60%)
▲4▼領域dのZ軸方向距離0〜140m内に中心が存在する移動物体(Pi=40%)
▲5▼領域eのZ軸方向距離0〜100m内に中心が存在する移動物体(Pi=10%)
▲6▼上記▲1▼〜▲5▼を満たさない移動物体(Pi=0%)
そして、最終的に移動物体の瞬時自車線確率Piが得られると、ステップS15へ処理を以降する。
【0084】
ステップS15では、このようにして得られた各物体の瞬時自車線確率Piを次式により時間平均して自車線確率Pを求める。なお、自車線確率Pの初期値は「0%」である。
【0085】
【数14】
P=(前回の瞬時自車線確率Pi×WAve)+(瞬時自車線確率Pi×(1−WAve))
但し、上式中の加重平均値WAveは、図11に示す物体の中心位置座標Zの値の該当するWAveが抽出される。このように、時間平均処理を行うことで、継続的に検出される物体の自車線確率Pが高く算出されるようになる。また、例えば、自車両からの距離が短くなるにつれて重み付けを大きくすることで、自車両に接近する物体の自車線確率を高く設定することができる。その結果、自車線に継続的に存在し、自車両に接近している先行車両の自車線確率が高く設定され、後述する先行車両選択処理において、車間距離を制御すべき車両として選択され易くなる。
【0086】
以上のようして、ステップS4にて各物体の自車線確率Pが求められる。次に、ステップS5において、自車線確率Pを求めた物体のなかから先行車両が選択される。この先行車両選択処理を図6のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理では、移動物体と停止物体とに分けて処理を実行する。
【0087】
先ず、ステップS20において移動物体から移動中の先行車両を全て抽出し、自車線確率Pが最大値である先行車両を抽出する。なお、複数の先行車両が抽出させた場合には、物体の中心位置座標Zの値が最も小さい、すなわち、自車両に最も近い先行車両を最終的に抽出する。また、先行車両が抽出されない場合には、移動中の先行車両は無しとする。
【0088】
次に、ステップS21において、停止物体から停止中の先行車両を全て抽出し、自車線確率Pが最大である停止物体を停止中の先行車両として抽出する。なお、複数の先行車両が抽出させた場合には、自車両に最も近い先行車両を最終的に抽出する。抽出されなければ、停止中の先行車両は無しとする。
【0089】
ステップS22では、ステップS20及びステップS21における抽出結果から、次の条件に基づいて車間距離の制御をすべき先行車両を1台選択する。
▲1▼移動中の先行車両も停止中の先行車両もいずれも存在しない場合は、先行車無しとする。
▲2▼移動中の先行車両及び停止中の先行車両のいずれか一方が存在する場合、それを車間距離制御すべき先行車両とする。
▲3▼移動中の先行車両及び停止中の先行車両のいずれも存在する場合、自車両に近い方を車間距離制御すべき先行車両とする。
【0090】
こうして選択された先行車両に対して、ステップS6において車間制御が実行される。これにより、優先して車間距離制御を行うべき先行車両との車間距離を制御することが可能となる。
【0091】
このように、本実施形態における車間距離制御装置は、反射物体が移動物体であるか停止物体であるかを判定し、物体の状態別に反射物体が自車両と同一車線上に存在する確率を求め、この確率に基づいて車間距離制御を行うべき反射物体、すなわち先行車両を選択する。これにより、例えば、先行車両が移動しているのか、あるいは停止しているのかを考慮して自車両と同一車線上に存在する確率を求めることが可能となる。
【0092】
また、反射物体の状態別の瞬時自車線確率マップを予め用意し、反射物体の相対位置をそのマップに当てはめることで、移動中の反射物体と停止中の反射物体とを区別して自車両と同一車線上に存在する確率を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる、車間距離制御装置2の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係わる、コンピュータ4の制御ブロック図を示す。
【図3】本発明の実施形態に係わる、車間距離制御処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係わる、自車線確率算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係わる、直線道路換算処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係わる、先行車両選択処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係わる、移動物体に対する自車線確率マップを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係わる、停止物体に対する自車線確率マップを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係わる、移動物体に対する自車線確率マップから瞬時自車線確率を求める際の条件を示した図である。
【図10】本発明の実施形態に係わる、停止物体に対する自車線確率マップから瞬時自車線確率を求める際の条件を示した図である。
【図11】本発明の実施形態に係わる、自車両からの距離の長さに応じた加重平均値を抽出する際のイメージ図である。
【図12】本発明の実施形態に係わる、スキャニング測距器6と後輪車軸30間の距離を示すイメージ図である。
【符号の説明】
2 車間距離制御装置
4 コンピュータ
4d 物体認識部
4f カーブ半径算出部
4g 自車線確率演算部
4h 先行車両選択部
4i 車間制御部
6 スキャニング測距器
10 車速センサ
Claims (6)
- 自車両の周囲に送信波を放射し、その反射波を検出した結果に基づいて反射物体までの距離及び送信波の放射角度を検出する測距手段と、
前記測距手段の検出した距離及び放射角度に基づいて前記反射物体の自車両に対する相対位置及び相対速度を算出する算出手段と、
前記算出手段の算出した相対速度から前記反射物体が移動状態であるか停止状態であるかを判定する物体状態判定手段と、
該物体状態判定手段によって判定された反射物体の移動・停止状態に応じて、前記算出手段の算出した相対位置に基づいて前記反射物体に付与する自車両と同一車線上に存在する確率を変更する自車線確率算出手段と、
該自車線確率算出手段によって付与された確率に基づいて車間距離制御を行うべき先行車両を選択し、その選択した先行車両との車間距離を制御する車間距離制御手段とを備え、
前記自車線確率算出手段は、
前記物体状態判定手段により停止状態と判定された反射物体の相対位置に対応する、自車両と同一車線上に存在する確率の分布を示す停止物体確率マップと、
前記物体状態判定手段により移動状態と判定された反射物体の相対位置に対応する、自車両と同一車線上に存在する確率の分布を示す移動物体確率マップと、
前記物体状態判定手段によって判定された反射物体の状態に対応する物体確率マップに前記算出手段により算出された相対位置を当てはめて前記反射物体が自車両と同一車線上に存在する確率を求める確率検出手段と、
を備えるものであり、
前記停止物体確率マップ及び前記移動物体確率マップは、自車両の車幅方向の距離と自車両から前方への距離とによって反射物体の相対位置を規定し、
前記停止物体確率マップにおいて、同一車線上に存在する確率を付与する範囲は、前記移動物体確率マップにおいて確率を付与する範囲よりも小さく設定されていることを特徴とする車間距離制御装置。 - 前記停止物体確率マップは、前記自車両の走行する車線幅に相当する車幅方向の長さに前記確率の分布をもち、その確率の分布は、前記自車両から前方への距離が所定距離から長くなるほど前記車幅方向の中心に向かって左右が狭まる分布であり、前記自車両から前方への距離が長くなるほど、かつ、車幅方向の自車両の中心からの距離が長くなるほど低い確率を示すものであることを特徴とする請求項1記載の車間距離制御装置。
- 前記移動物体確率マップは、前記自車両の走行する車線幅に相当する車幅方向の長さに前記自車両の左右の車線幅に相当する車幅方向の長さを加えた長さに前記確率の分布をもち、その確率の分布は、前記自車両から前方への距離が長くなるほど前記車幅方向の中心から左右に広がる分布であり、この車幅方向の中心からの左右への広がりとともに低い確率を示すものであることを特徴とする請求項1記載の車間距離制御装置。
- 前記自車線確率算出手段は、前回算出された確率と前記確率検出手段によって求められた確率とに基づいて平均処理を行って新しい確率を算出する確率算出手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車間距離制御装置。
- 前記確率算出手段は、前記平均処理の際、前記測距手段の検出した反射物体までの距離の長さに応じて前記前回算出された確率及び前記確率検出手段によって求められた確率の重み付けを変更することを特徴とする請求項4記載の車間距離制御装置。
- 前記車間距離制御手段は、車間距離制御を行うべき先行車両を選択する際、前記自車線確率算出手段によって求められた確率が最も高い反射物体を車間距離制御を行うべき先行車両として選択することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車間距離制御装置。
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