JP7207190B2 - 車両用ドア操作装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ドア操作装置に関するものである。
通常、車両用のドアロック装置は、ストライカに対する係合力に基づき車両のドアを開閉動作不能に拘束するラッチ機構を備えている。そして、このようなドアロック装置には、モータ等の駆動源を有して、そのラッチ機構をリリース動作させるリリース機能を有したドアロックアクチュエータを備えたものがある。
例えば、特許文献1に記載のスライドドアには、前側ドアロック装置、後側ドアロック装置、及び全開ドアロック装置が設けられている。また、この従来例のスライドドアにおいては、その後側ドアロック装置に、上記ドアロックアクチュエータに相当する駆動部が設けられている。尚、この駆動部は、併せて、そのラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移行させるクローザー機能を有している。更に、この駆動部が発生するリリース動作の駆動力は、リリースケーブルを介して、そのドアハンドルとともにドア操作装置を構成するリモコン装置に伝達される。そして、これにより、このリモコン装置から延びる独立した二本のオープンケーブルが牽引されることで、これらの各オープンケーブルに接続された前側ドアロック装置のラッチ機構及び後側ドアロック装置の各ラッチ機構が、それぞれリリース動作する構成になっている。
このように、ワイヤーケーブル等の伝達部材を介して接続されたドア操作装置が、そのリリース動作の駆動力を中継することにより、複数のラッチ機構を同時にリリース動作させることができる。ところが、このとき、ドアロックアクチュエータの故障等により、その入力側の伝達部材がドア操作装置に駆動力を入力する状態が維持された場合、例えば、上記従来例ではリリースケーブルがドアロックアクチュエータに牽引されたままになることで、そのラッチ機構のリリース動作が固着してしまう可能性がある。そして、これにより、そのドアを全閉位置に保持できなくなるおそれがある。
この点を踏まえ、上記従来例では、後側ドアロック装置に対し、そのドアロックアクチュエータを構成する駆動部とリリースケーブルとの間の伝達経路を遮断するキャンセル機構が設けられている。更に、このキャンセル機構は、キャンセルケーブルを介してリモコン装置に接続されている。そして、これにより、そのリモコン装置に連結されたドアハンドルを操作することで、上記のようなラッチ機構のリリース動作が固着した所謂リリースエマージェンシー状態を解消することが可能になっている。
特開2015-4217号公報
しかしながら、上記従来技術の構成では、キャンセル機構の追加によりドアロック装置及びリモコン装置の構造が複雑化するとともに、キャンセルケーブルの配索が必要となる。そして、これにより、そのスライドドアに対する搭載性、及び組付け性が低下するおそれがあることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡素な構成にて、ラッチ機構のリリース固着を解消することのできる車両用ドア操作装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用ドア操作装置は、第1伝達部材を介して入力される駆動力に基づき第1方向に回動するリリースレバーと、前記リリースレバーと同軸に軸支された状態で前記第1方向に回動することにより第2伝達部材を介して接続されたラッチ機構をリリース動作させるオープンレバーと、前記リリースレバー及び前記オープンレバーと同軸に軸支された状態で回動操作される操作レバーと、前記リリースレバー、前記オープンレバー、及び操作レバーを軸支する第1回動軸とは異なる第2回動軸に軸支された状態で前記操作レバーの回動操作に連動して回動するキャンセルレバーと、を備え、前記オープンレバーには、前記第1回動軸の径方向に延びる長孔と、該長孔に嵌合する係合部材と、が設けられ、前記リリースレバーは、前記第1方向に回動することにより前記係合部材に係合するとともに、該係合した係合部材を前記第1回動軸の周方向に押圧することにより前記オープンレバーを前記第1方向に回動させ、前記キャンセルレバーは、前記操作レバーの回動操作に連動して回動することにより前記係合部材に係合するとともに、該係合した係合部材を前記第1回動軸の径方向に押圧して前記長孔に対する前記係合部材の嵌合位置を変更することにより、該係合部材と前記リリースレバーとの係合を解除する。
即ち、オープンレバーに設けられた長孔に対する係合部材の嵌合位置を変更して、この係合部材を介したオープンレバーとリリースレバーとの係合を解除することにより、そのリリースレバーから独立したオープンレバーの回動が許容される。そして、上記構成によれば、これらのリリースレバー及びオープンレバーと同軸に軸支された操作レバーを回動操作する簡素な構成にて、例えば、駆動源となるアクチュエータの故障等、その第1伝達部材を介して駆動力が入力されるリリースレバーが回動不能となることにより生じたラッチ機構のリリース固着を解消することができる。
また、自動化が進んだ車両においては、そのドアにハンドルを装備しない構成も考えられる。しかしながら、このような構成においても、従来技術に見られるようなリモコン装置に代えて上記ドア操作装置を設けることで、手動により、その自動化された車両のドアに生じたラッチ機構のリリース固着を解消することができる。そして、上記構成には、これに加え、例えば、スライドドアやグライドドア、或いはスイングドアや跳ね上げ式のドアの他、ドーム状の風防形状を有した所謂キャノピー型のドア等、そのドアの種類を問わず設置可能という利点がある。
上記課題を解決する車両用ドア操作装置において、前記操作レバーは、前記第1方向に回動操作されることにより前記オープンレバーに係合して該オープンレバーを一体に回動させることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、手動によりラッチ機構をリリース動作させることが可能なアンロック装置を形成することができる。
上記課題を解決する車両用ドア操作装置において、前記キャンセルレバーは、前記第1方向に回動操作された前記操作レバーが前記オープンレバーに係合する前に、前記係合部材に係合して該係合部材を前記押圧することにより前記長孔に対する前記嵌合位置を変更することが好ましい。
上記構成によれば、操作レバーを用いてラッチ機構のリリース固着を解消するためのリリースキャンセル操作を行う場合の操作方向と、同じく操作レバーを用いてアンロック操作を行う場合の操作方向と、を一致させることができる。更に、操作レバーがオープンレバーに係合する前に、その長孔に対する係合部材の嵌合位置を変更して、この係合部材を介したオープンレバーとリリースレバーとの係合を解除することができる。そして、これにより、そのリリースレバーがオープンレバーの回動を阻害しないようにすることで、容易かつ円滑に、その操作レバーを用いて、手動によるリリースキャンセル操作及びアンロック操作を行うことができる。
上記課題を解決する車両用ドア操作装置において、前記キャンセルレバーは、前記係合部材を内側に配置する係合孔を有して前記係合部材に係合するとともに、前記係合孔は、前記操作レバーの回動操作に連動して前記キャンセルレバーが回動する前の初期位置において前記第1回動軸の周方向に延びる円弧形状を有することが好ましい。
上記構成によれば、操作レバーの回動操作に連動して回動するキャンセルレバーが、速やかに、オープンレバーに設けられた係合部材に係合して、この係合部材を押圧する。そして、これにより、円滑に、その係合部材の嵌合位置を変更して、この係合部材を介したオープンレバーとリリースレバーとの係合を解除することができる。
また、キャンセルレバーが初期位置にある状態でリリースレバーとともにオープンレバーが回動する通常のリリース作動時には、円弧形状を有した係合孔の長手方向に沿って、この係合孔内を係合部材が移動する。そして、これにより、キャンセルレバーがオープンレバーの回動を阻害しないようにすることで、円滑に、そのオープンレバーの回動により第2伝達部材を介して接続されたラッチ機構をリリース動作させることができる。
上記課題を解決する車両用ドア操作装置は、リンク部材を介して前記操作レバー及び前記キャンセルレバーが連結されることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、操作レバーとキャンセルレバーとの間の回転伝達可能な連結状態を確保しつつ、そのリリースレバー、オープンレバー、及び操作レバーを軸支する第1回動軸とキャンセルレバーを軸支する第2回動軸との間隔を広げることができる。そして、これにより、操作レバーの回動操作に連動して回動するキャンセルレバーが、効率よく、そのオープンレバーに設けられた係合部材を押圧可能となることで、円滑に、その操作レバーを用いたリリースキャンセル操作を行うことができる。
本発明によれば、簡素な構成にて、ラッチ機構のリリース固着を解消することができる。
車両のドアに設けられたドアロック装置及びドア操作装置の概略構成図。 ラッチ機構の平面図。 ラッチ機構の平面図。 ラッチ機構の平面図。 ラッチ機構の平面図。 ドア操作装置の正面図。 ドア操作装置の断面図。 操作レバー及びキャンセルレバーの正面図。 リリースレバー及びオープンレバーの正面図。 オープンレバー及びキャンセルレバーの正面図。 ドア操作装置の断面図。 操作レバー及びオープンレバーの正面図。 ドア操作装置の作用説明図。 ドア操作装置の作用説明図。 ドア操作装置の作用説明図。 ドア操作装置の作用説明図。 ドア操作装置の作用説明図。
以下、車両用ドア操作装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のドア1には、互いに独立した複数のドアロック装置10が設けられている。また、これらの各ドアロック装置10は、それぞれ、その車体側に設けられたストライカに係合するラッチ機構20を備えている。即ち、本実施形態のドアロック装置10は、それぞれ、そのラッチ機構20の係合力に基づいて、ドア1を車体に拘束する。そして、本実施形態のドア1は、これにより、そのドア1が設けられたドア開口部を閉塞する全閉位置に保持される構成になっている。
詳述すると、図2~図5に示すように、本実施形態のラッチ機構20は、それぞれ、その支軸21x,22x周りに回動可能に軸支されたラッチ21及びポール22を備えている。本実施形態のラッチ21は、外周面に開口するストライカ係合溝23を備えた略平板状の外形を有している。そして、本実施形態のラッチ機構20は、このラッチ21を各図中、反時計回り方向に付勢するラッチ付勢バネ24を備えている。
また、図2に示すように、本実施形態のラッチ機構20は、ドア1が開状態にある場合には、ラッチ21を図示しないストッパに当接させることにより、そのラッチ付勢バネ24の付勢力に基づいた同図中、反時計回り方向の回動を規制する。更に、本実施形態のラッチ21は、この回動位置において、そのストライカ係合溝23の開口端が、車体側に設けられたストライカ25の進入方向に臨むように構成されている。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これにより、ドア1の全閉動作に基づいて、そのラッチ21のストライカ係合溝23に車体側のストライカ25が係合する構成になっている。
また、図2~図5に示すように、本実施形態のラッチ機構20は、そのポール22を各図中、時計回り方向に付勢するポール付勢バネ26を備えている。そして、本実施形態のポール22は、これにより、その先端部22aがラッチ21の外周面に摺接する構成になっている。
更に、図3及び図4に示すように、本実施形態のラッチ21は、そのストライカ係合溝23にストライカ25が係合した状態において、このポール22の先端部22aが係合する第1係合部27及び第2係合部28を備えている。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これにより、そのラッチ21のストライカ係合溝23に対してストライカ25が係合する状態を保持することが可能になっている。
即ち、ストライカ係合溝23に係合したストライカ25は、ラッチ21を押圧しつつ、そのストライカ係合溝23内を奥側に向かって相対移動する。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これにより、そのラッチ21が、ラッチ付勢バネ24の付勢力に抗して、各図中、時計回り方向に回動する構成になっている。
また、このとき、ポール22の先端部22aは、ポール付勢バネの付勢力に基づきラッチ21の外周面に押し当てられた状態で、見かけ上、その外周面上を摺動する。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これにより、そのラッチ21の第1係合部27にポール22の先端部22aが係合する構成になっている。
即ち、本実施形態のラッチ機構20は、このラッチ21の第1係合部27とポール22の先端部22aとの係合力に基づいて、そのラッチ付勢バネ24の付勢力に基づいたラッチ21の回動、つまりは、そのストライカ係合溝23からストライカ25が排出される各図中、反時計回り方向の回動を規制する。そして、これにより、そのラッチ21とストライカ25との係合状態が保持されたハーフラッチ状態に移行する構成となっている。
更に、本実施形態のラッチ機構20は、このようなハーフラッチ位置から、そのラッチ21が、ラッチ付勢バネ24の付勢力に抗して更に回動する構成になっている。即ち、本実施形態のラッチ21は、このハーフラッチ位置を超える回動により、その第2係合部28に対してポール22の先端部22aが係合する。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これにより、そのラッチ21のストライカ係合溝23に係合するストライカ25を相対移動不能に拘束するフルラッチ状態に移行する構成になっている。
また、図5に示すように、本実施形態のラッチ機構20は、そのポール付勢バネ26の付勢力に抗して、同図中、反時計回り方向にポール22を回動させることが可能になっている。即ち、このポール付勢バネ26の付勢力に抗した回動により、そのポール22とラッチ21との係合が解除される。更に、これにより、そのラッチ付勢バネ24の付勢力に基づいて、図5中、反時計回り方向に、ラッチ21が回動する。そして、本実施形態のラッチ機構20は、このリリース動作によって、そのラッチ21のストライカ係合溝23からストライカ25を排出することにより、図2に示すようなアンラッチ状態に復帰する構成になっている。
さらに詳述すると、図1に示すように、本実施形態のドア1には、そのドアロック装置10として、第1ドアロック11及び第2ドアロック12が設けられている。また、本実施形態のドア1には、これらの第1ドアロック11及び第2ドアロック12と伝達部材30を介して接続されたドア操作装置40が設けられている。更に、本実施形態の第1ドアロック11には、モータ50mを駆動源として各ドアロック装置10のラッチ機構20をリリース動作させるための駆動力を発生するドアロックアクチュエータ50が設けられている。そして、本実施形態のドア1においては、このドアロックアクチュエータ50が発生するリリース動作の駆動力が、その伝達部材30を介して接続されたドア操作装置40を経由して第1ドアロック11及び第2ドアロック12の各ラッチ機構20に伝達される構成になっている。
具体的には、本実施形態のドアロックアクチュエータ50は、ドアECU51が出力する制御信号Scに基づき作動する。尚、本実施形態のドアロックアクチュエータ50は、上記リリース機能に加え、その第1ドアロック11のラッチ機構20をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移行させるクローザー機能を有している。そして、本実施形態のドア1が設けられた車両においては、車室内に設けられた操作スイッチや車両の乗員が保持する携帯機等のドアロック操作部52に入力された作動要求に基づいて、そのドアECU51が、ドアロックアクチュエータ50の制御信号Scを生成する構成になっている。
また、本実施形態のドア1において、ドアロックアクチュエータ50が発生するリリース動作の駆動力は、第1伝達部材31としてのリリースケーブル55を介してドア操作装置40に伝達される。尚、本実施形態のドアロックアクチュエータ50は、そのリリースケーブル55を牽引することにより、そのリリース動作の駆動力をドア操作装置40に伝達する。更に、本実施形態のドア操作装置40は、第2伝達部材32としてのオープンケーブル57,58を介して、そのドアロックアクチュエータ50から入力されたリリース動作の駆動力を第1ドアロック11及び第2ドアロック12に伝達する。そして、本実施形態のドア1においては、これにより、その第1ドアロック11のラッチ機構20及び第2ドアロック12のラッチ機構20がリリース動作する構成になっている。
(ドア操作装置)
次に、本実施形態におけるドア操作装置40の構成について説明する。
図6及び図7に示すように、本実施形態のドア操作装置40は、同軸に軸支されたリリースレバー61、オープンレバー62、及び操作レバー63と、これらの各レバー部材60とは異なる回動軸を有したキャンセルレバー64と、を備えている。
詳述すると、本実施形態のドア操作装置40は、略平板状の外形を有するベース部材65と、このベース部材65に設けられた軸部材67と、を備えている。本実施形態のドア操作装置40において、軸部材67は、そのベース部材65の表面65a側に立設されている。そして、リリースレバー61、オープンレバー62、及び操作レバー63は、この並び順とは逆順、つまりは、操作レバー63、オープンレバー62、リリースレバー61の順に、ベース部材65の表面65a側に積層された状態で、その軸部材67が形成する第1回動軸X1周りに、それぞれ、回動可能に軸支されている。
更に、キャンセルレバー64は、この第1回動軸X1の径方向に離間した位置に設けられた第2回動軸X2周りに回動可能に軸支されている。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これらの第1回動軸X1及び第2回動軸X2周りに回動する上記4つの各レバー部材60が協働して、そのラッチ機構20をリリース動作させるための駆動力を第1ドアロック11及び第2ドアロック12に伝達する構成になっている。
さらに詳述すると、図6~図8に示すように、本実施形態の操作レバー63は、その基端部63bに上記軸部材67が挿通される挿通孔68を有した長尺略平板状の外形を有している。また、この操作レバー63は、その長手方向の中間部分に、クランク状の折曲部69を有している。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、そのベース部材65の表面65aから離間した操作レバー63の先端部63a側の部分を把持部70として、この操作レバー63を回動操作することが可能となっている。
具体的には、本実施形態のドア操作装置40は、その第1回動軸X1を構成する軸部材67に外挿された捩りコイルバネ71を備えている。また、この捩りコイルバネ71は、その第1バネ端部71aが操作レバー63の折曲部69に掛止されるとともに、その第2バネ端部71bがベース部材65の表面65aに立設された掛止片72に対して掛止されている。そして、本実施形態のドア操作装置40は、この捩りコイルバネ71の弾性力に基づいて、その操作レバー63が、図6中、反時計回り方向に付勢された構成となっている。
また、本実施形態のドア操作装置40は、上記掛止片72と同様にベース部材65の表面65aに立設されたストッパ片73を有している。更に、本実施形態の操作レバー63は、このストッパ片73に当接することにより、その捩りコイルバネ71の付勢力に基づいた、図6中、反時計回り方向の回動が規制される。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、把持部70となる先端部63a側が、図6中、上側を向いた状態で、その操作レバー63を初期位置P0に保持する構成になっている。
即ち、本実施形態のドア操作装置40は、図6中、時計回り方向を第1方向として、その捩りコイルバネ71の付勢力に抗して操作レバー63を初期位置P0から回動させることができる。そして、回動操作後は、把持部70に加える操作力を弱めることにより、その捩りコイルバネ71の付勢力に基づいて、この操作レバー63を初期位置P0に復帰させることが可能となっている。
図6及び図8に示すように、本実施形態のキャンセルレバー64は、略円弧状に延びる平板形状を有している。また、このキャンセルレバー64は、長手方向の中間位置が、その第2回動軸X2に軸支されている。更に、このキャンセルレバー64は、その第1端部64a側がリンク部材74を介して操作レバー63と連結されている。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、その操作レバー63の回動操作に連動してキャンセルレバー64が回動する構成になっている。
具体的には、本実施形態の操作レバー63は、この操作レバー63が回動操作される第1方向側に臨む側端部、つまりは図6及び図8中、右側の側端部に、各図中、上側に延びる操作レバー本体63xとの間にV字形状をなすかたちで基端部63bから第1回動軸X1の径方向外側に向かって突出する連結突部75を有している。そして、本実施形態の操作レバー63においては、この連結突部75が、そのキャンセルレバー64との間に介在されるリンク部材74の接続部となっている。
また、本実施形態のドア操作装置40において、キャンセルレバー64を軸支する第2回動軸X2は、図6及び図8中、第1回動軸X1の右下に配置されている。つまり、本実施形態のキャンセルレバー64は、各図中、上側に延びる操作レバー63の延伸方向とは反対方向、且つ、この操作レバー63が回動操作される側にずれた第1回動軸X1の径方向外側位置において、回動可能に軸支されている。そして、本実施形態のドア操作装置40は、操作レバー63の回動操作に連動してキャンセルレバー64が回動する前の初期位置P0において、そのキャンセルレバー64の円弧状が第1回動軸X1の周方向に延在する構成になっている。
即ち、本実施形態のドア操作装置40は、操作レバー63が第1方向に回動操作されることにより、この操作レバー63とリンク部材74との間に介在されたリンク部材74が、そのキャンセルレバー64の第1端部64aを、図6及び図8中、下側に押圧する。そして、本実施形態のキャンセルレバー64は、これにより、この第1端部64aとは反対側の第2端部64bを第1回動軸X1に近づけるかたちで、その第2回動軸X2周りに、各図中、時計回り方向、つまりは操作レバー63と同じく第1方向に回動する構成になっている。
図6、図7、及び図9に示すように、本実施形態のオープンレバー62は、その基端部62bに上記軸部材67が挿通される挿通孔76を有した長尺略平板状の外形を有している。また、このオープンレバー62は、その先端部62aに、伝達部材30の接続孔77,78を有している。更に、本実施形態のドア操作装置40において、一方の接続孔77には、第1ドアロック11に延びるオープンケーブル57が接続されるとともに、他方の接続孔78には、第2ドアロック12に延びるオープンケーブル58が接続される。そして、本実施形態のオープンレバー62は、操作レバー63が回動操作される前の初期位置P0において、これらの各接続孔77,78を有する先端部62aが、図6及び図7中、上側に延びる操作レバー63の延伸方向とは反対方向、つまりは各図中、下側を向く状態で、この操作レバー63と略一直線状に配置される構成になっている。
更に、本実施形態のオープンレバー62には、その長手方向に沿って延在する態様で、第1回動軸X1の径方向に延びる長孔79と、この長孔79に嵌合する係合部材80としての係合ピン81と、が設けられている。そして、本実施形態のオープンレバー62は、その長孔79内を係合ピン81が長手方向に移動するかたちで、この長孔79に対する係合ピン81の嵌合位置を変更可能な構成となっている。
また、本実施形態のリリースレバー61は、第1回動軸X1を構成する軸部材67が挿通される挿通孔82を有した基部83と、この基部83から第1回動軸X1の径方向外側に向かって略V字状に延びる第1レバー部85及び第2レバー部86と、を備えている。更に、このリリースレバー61は、その第1レバー部85の先端部85aに、伝達部材30の接続孔87を有している。そして、本実施形態のリリースレバー61は、この接続孔87に対し、その第1ドアロック11から延びる第1伝達部材31としてのリリースケーブル55が接続される構成になっている。
即ち、本実施形態のドア操作装置40において、このリリースレバー61は、ドアロックアクチュエータ50のリリース作動によって、その第1レバー部85に接続されたリリースケーブル55に牽引される。そして、本実施形態のリリースレバー61は、これにより、その第1回動軸X1周りに、図6及び図9中、時計回り方向、つまりは第1方向に回動する構成になっている。
更に、このリリースレバー61は、操作レバー63が回動操作される前の初期位置P0において、その第1レバー部85の先端部85aが、操作レバー63とキャンセルレバー64とを連結する上記リンク部材74の上方に配置される。そして、本実施形態のリリースレバー61は、その第2レバー部86の先端部86aに、オープンレバー62が配置された第1方向側に向かって、第1回動軸X1の周方向に延びる鉤状部88を有している。
また、図7、図10及び図11に示すように、本実施形態のドア操作装置40において、オープンレバー62の長孔79に嵌合する係合ピン81は、その第1回動軸X1を形成する軸部材67に並行してドア操作装置40の正面側(図7中、右側、図11中、上側)に突出する第1係合部91を備えている。更に、この係合ピン81は、その第1係合部91とは反対に、ドア操作装置40の背面側に突出する第2係合部92を備えている。本実施形態の係合ピン81において、第1係合部91は、略四角柱状の外形を有し、第2係合部92は、略円柱状の外形を有している。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、そのオープンレバー62に設けられた係合ピン81に対し、その第1回動軸X1周りに回動するリリースレバー61、及び第2回動軸X2周りに回動するキャンセルレバー64が、それぞれ係合する構成になっている。
具体的には、図6及び図9に示すように、本実施形態のドア操作装置40は、各レバー部材60が初期位置P0にある場合、オープンレバー62の長孔79に嵌合する係合ピン81が、その先端部62a側(各図中、下側)の端部位置Pxに配置されるように構成されている。更に、本実施形態のリリースレバー61は、このとき、その第2レバー部86に設けられた鉤状部88の先端部88aが、この鉤状部88の延伸方向、つまりは第1回動軸X1の周方向において、その係合ピン81の第1係合部91に対向する。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、リリースレバー61が第1方向に回動することで、その鉤状部88の先端部88aが、係合ピン81の第1係合部91に係合する構成になっている。
また、図7、図8、図10及び図11に示すように、本実施形態のキャンセルレバー64は、第2端部64b側に、その外形に沿って長手方向に延びる円弧状の係合孔94を有している。更に、この係合孔94内には、上記のようにオープンレバー62に設けられた係合ピン81の第2係合部92が挿入されている。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、キャンセルレバー64が第2回動軸X2周りに回動することで、その係合孔94と、この係合孔94内に配置された係合ピン81の第2係合部92と、が係合する構成になっている。
尚、図11に示すように、本実施形態のキャンセルレバー64は、その平板状をなすレバー本体64xから板厚方向(同図中、下側)に突出する軸状部93を有している。そして、本実施形態のドア操作装置40においては、この軸状部93が、そのキャンセルレバー64の回動支点となる第2回動軸X2を形成する構成になっている。
さらに詳述すると、図6及び図12に示すように、本実施形態の操作レバー63は、その基端部63bから突出する態様で設けられた上記連結突部75よりも第1回動軸X1の周方向における第1方向側、つまりは各図中、時計回り方向側の位置に、同じく基端部63bから径方向外側に突出する態様で設けられた係合突部95を備えている。具体的には、本実施形態の操作レバー63において、この係合突部95は、略L字状に形成されることにより、その先端部95aが、各図中、下側、つまりは上側に延びる操作レバー本体63xの延伸方向とは、反対方向に延びている。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、各レバー部材60が初期位置P0にある場合に、この操作レバー63に設けられた係合突部95の先端部95aが、各図中、同じく下側に延びるオープンレバー62に並行して配置される構成となっている。
また、本実施形態のオープンレバー62には、その操作レバー63に設けられた係合突部95に臨む側の側端部に設けられた係合片96を有している。具体的には、この係合片96は、その側端部の一部分をドア操作装置40の背面側、つまりは、操作レバー63が配置される側(図7参照、同図中、左側)に折り曲げるかたちで設けられている。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、操作レバー63が第1方向に回動することで、その係合突部95の先端部95aが、オープンレバー62の係合片96に対して係合する構成になっている。
次に、上記のように構成された本実施形態におけるドア操作装置40の作用について説明する。
(リリース作動時)
図6、図9及び図13に示すように、本実施形態のドア操作装置40は、ドアロックアクチュエータ50のリリース作動時、第1伝達部材31としてのリリースケーブル55を介してリリースレバー61の第1レバー部85に入力されるリリース動作の駆動力に基づいて、このリリースレバー61が第1方向に回動する。そして、この第1方向の回動により、そのリリースレバー61の鉤状部88が、オープンレバー62に設けられた長孔79に嵌合する係合ピン81の第1係合部91に係合して、この係合ピン81を第1回動軸X1の周方向に押圧する。
ここで、係合ピン81が嵌合する長孔79は、そのオープンレバー62を軸支する第1回動軸X1の径方向に延びている。更に、このとき、この係合ピン81の第2係合部92を内側に配置する係合孔94を有したキャンセルレバー64については、その操作レバー63の回動操作に連動して回動する前の初期位置P0にある(図8及び図10参照)。このため、オープンレバー62は、その係合ピン81の第2係合部92が、第1回動軸X1の周方向に延びる円弧形状を有した係合孔94内を長手方向に移動しながら、この係合ピン81の第1係合部91を押圧するリリースレバー61とともに第1方向に回動する。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、オープンレバー62に接続された第2伝達部材32としてのオープンケーブル57,58を牽引することで、そのドアロックアクチュエータ50から入力されたリリース動作の駆動力を、各ドアロック装置10のラッチ機構20に伝達する構成になっている。
即ち、図1及び図5に示すように、本実施形態のドア1に設けられた各ドアロック装置10は、それぞれ、このドア操作装置40がオープンケーブル57,58を牽引する力に基づいて、そのラッチ機構20をリリース動作、つまりは、ポール付勢バネ26の付勢力に抗してポール22を回動させる。そして、これにより、このポール22とラッチ21との係合を解除することで、そのラッチ機構20をアンラッチ状態に移行させる構成になっている。
また、本実施形態のドア操作装置40においては、リリース作動の完了によって、そのドアロックアクチュエータ50がリリースケーブル55を牽引する力よりも、そのポール付勢バネ26の弾性力に基づき各ラッチ機構20がオープンケーブル57,58を牽引する力の方が強くなる。更に、そのオープンケーブル57,58の引張力に基づいて、これらのオープンケーブル57,58が接続されたオープンレバー62が第2方向(図13中、反時計回り方向)に回動するとともに、このオープンレバー62と係合状態にあるリリースレバー61もまた、そのオープンレバー62と一体に回動する。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、これらのリリースレバー61及びオープンレバー62が初期位置P0に復帰することで、そのオープンケーブル57,58を介して接続された各ラッチ機構20のリリース動作が解除される構成になっている。
(リリースキャンセル操作時)
しかしながら、このような各ラッチ機構20のリリース動作が解除される過程において、例えば、ドアロックアクチュエータ50の故障等により、そのリリースケーブル55が牽引されたままとなった場合には、リリースレバー61及びオープンレバー62が第1方向に回動した状態から初期位置P0に復帰できなくなる。そして、これにより、各ドアロック装置10のラッチ機構20がリリース動作したままとなる所謂リリースエマージェンシー状態、つまりは、各ラッチ機構20のリリース固着が発生する可能性がある。
図14及び図15に示すように、本実施形態のドア操作装置40は、このようなリリース固着の発生時、その把持部70を用いて操作レバー63を第1方向に回動させることで、この操作レバー63の回動操作に連動して回動するキャンセルレバー64が、そのオープンレバー62に設けられた長孔79に対する係合ピン81の嵌合位置を変更する。
具体的には、本実施形態のキャンセルレバー64は、このとき、その係合ピン81の第2係合部92を内側に配置する係合孔94が設けられた第2端部64b側を、オープンレバー62が軸支された第1回動軸X1に近づけるかたちで第2回動軸X2周りに回動する。更に、キャンセルレバー64は、この回動により、その係合孔94内に配置された係合ピン81に係合して、この係合ピン81を、そのオープンレバー62に設けられた長孔79の延在方向に押圧する。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、その長孔79に対する係合ピン81の嵌合位置をオープンレバー62の基端部62b側に変更することで、その係合ピン81の第1係合部91とリリースレバー61の鉤状部88との係合を解除することが可能になっている。
即ち、本実施形態のオープンレバー62は、その係合ピン81に対するリリースレバー61の係合が解除されることにより、このリリースレバー61から独立した第2方向への回動が許容される。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、このオープンレバー62が初期位置P0に復帰することで、そのオープンケーブル57,58を介してオープンレバー62に接続された各ラッチ機構20のリリース固着を解消することが可能となっている。
(アンロック操作時)
また、図12、図16、及び図17に示すように、本実施形態のドア操作装置40は、第1方向に回動操作された操作レバー63の係合突部95が、オープンレバー62に設けられた係合片96に係合することで、このオープンレバー62が、その操作レバー63と一体に回動する構成になっている。
具体的には、本実施形態のドア操作装置40においては、操作レバー63を第1方向に回動操作することで、その係合突部95がオープンレバー62の係合片96に係合する前に、この操作レバー63の回動操作に連動したキャンセルレバー64の回動によって、オープンレバー62の長孔79に対する係合ピン81の嵌合位置が変更される。つまり、本実施形態の操作レバー63は、上記のようなリリースキャンセル操作時よりも大きく第1方向に回動操作することにより、その係合片96がオープンレバー62の係合片96に係合して、この係合片96を第1回動軸X1の周方向に押圧するように構成されている。更に、本実施形態のドア操作装置40においては、このように操作レバー63の係合突部95がオープンレバー62の係合片96を押圧する状態においても、このオープンレバー62に設けられた長孔79に対する係合ピン81の嵌合位置を変更しながら、その操作レバー63の回動操作に連動してキャンセルレバー64が回動する。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、その係合孔94内に係合ピン81を配置する状態でオープンレバー62に連結されたキャンセルレバー64が、操作レバー63と一体に回動するオープンレバー62の妨げにならない構成になっている。
即ち、本実施形態のドア操作装置40においては、リリース固着が発生していない通常時、及び、リリースキャンセル操作の実行によるリリース固着の解消後の何れの場合においても、その操作レバー63を回動操作することで、この操作レバー63と一体に、そのオープンレバー62を第1方向に回動させることができる。更に、この第1方向の回動により、オープンレバー62が、その先端部62aに接続されたオープンケーブル57,58を牽引する。そして、本実施形態のドア操作装置40は、これにより、これらのオープンケーブル57,58を介して連結された各ラッチ機構20がアンラッチ状態に移行することで、手動により、そのドア1の各ドアロック装置10をアンロック操作することが可能となっている。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)ドア操作装置40は、第1伝達部材31としてのリリースケーブル55を介して入力される駆動力に基づき第1方向に回動するリリースレバー61を備える。また、ドア操作装置40は、リリースレバー61と同軸に軸支された状態で第1方向に回動することにより第2伝達部材32としてのオープンケーブル57,58を介して接続されたラッチ機構20をリリース動作させるオープンレバー62を備える。そして、ドア操作装置40は、リリースレバー61及びオープンレバー62と同軸に軸支された状態で回動操作される操作レバー63と、これら3つのレバー部材60を軸支する第1回動軸X1とは異なる第2回動軸X2に軸支された状態で操作レバー63の回動操作に連動して回動するキャンセルレバー64と、を備える。オープンレバー62には、第1回動軸X1の径方向に延びる長孔79と、この長孔79に嵌合する係合部材80としての係合ピン81が設けられる。また、リリースレバー61は、第1方向に回動することにより係合部材80に係合するとともに、この係合した係合部材80を第1回動軸X1の周方向に押圧することによりオープンレバー62を第1方向に回動させる。そして、キャンセルレバー64は、操作レバー63の回動操作に連動して回動することにより係合部材80に係合するとともに、この係合した係合部材80を第1回動軸X1の径方向に押圧して長孔79に対する係合部材80の嵌合位置を変更することにより、その係合部材80とリリースレバー61との係合を解除する。
即ち、オープンレバー62に設けられた長孔79に対する係合部材80の嵌合位置を変更して、この係合部材80を介したオープンレバー62とリリースレバー61との係合を解除することにより、そのリリースレバー61から独立したオープンレバー62の回動が許容される。そして、上記構成によれば、これらのリリースレバー61及びオープンレバー62と同軸に軸支された操作レバー63を回動操作する簡素な構成にて、その第1伝達部材31を介して駆動力が入力されるリリースレバー61が回動不能となることにより生じたラッチ機構20のリリース固着を解消することができる。
また、自動化が進んだ車両においては、そのドアにハンドルを装備しない構成も考えられる。しかしながら、このような構成においても、従来技術に見られるようなリモコン装置に代えて上記ドア操作装置40を設けることで、手動により、その自動化された車両のドアに生じたラッチ機構20のリリース固着を解消することができる。そして、上記構成には、これに加え、例えば、スライドドアやグライドドア、或いはスイングドアや跳ね上げ式のドアの他、ドーム状の風防形状を有した所謂キャノピー型のドア等、そのドアの種類を問わず設置可能という利点がある。
(2)操作レバー63は、第1方向に回動操作されることによりオープンレバー62に係合して、このオープンレバー62を一体に回動させる。これにより、簡素な構成にて、手動によりラッチ機構20をリリース動作させることが可能なアンロック装置を形成することができる。
(3)キャンセルレバー64は、第1方向に回動操作された操作レバー63がオープンレバー62に係合する前に、そのオープンレバー62に設けられた係合部材80に係合して、この係合部材80を押圧することにより、その長孔79に対する嵌合位置を変更する。
上記構成によれば、操作レバー63を用いてラッチ機構20のリリース固着を解消するためのリリースキャンセル操作を行う場合の操作方向と、同じく操作レバー63を用いてアンロック操作を行う場合の操作方向と、を一致させることができる。更に、操作レバー63がオープンレバー62に係合する前に、その長孔79に対する係合部材80の嵌合位置を変更して、この係合部材80を介したオープンレバー62とリリースレバー61との係合を解除することができる。そして、これにより、そのリリースレバー61がオープンレバー62の回動を阻害しないようにすることで、容易かつ円滑に、その操作レバー63を用いて、手動によるリリースキャンセル操作及びアンロック操作を行うことができる。
(4)キャンセルレバー64は、係合部材80を内側に配置する係合孔94を有して、その係合部材80に係合する。そして、係合孔94は、操作レバー63の回動操作に連動してキャンセルレバー64が回動する前の初期位置P0において第1回動軸X1の周方向に延びる円弧形状を有する。
上記構成によれば、操作レバー63の回動操作に連動して回動するキャンセルレバー64が、速やかに、オープンレバー62に設けられた係合部材80に係合して、この係合部材80を押圧する。そして、これにより、円滑に、その係合部材80の嵌合位置を変更して、この係合部材80を介したオープンレバー62とリリースレバー61との係合を解除することができる。
また、キャンセルレバー64が初期位置P0にある状態でリリースレバー61とともにオープンレバー62が回動する通常のリリース作動時には、円弧形状を有した係合孔94の長手方向に沿って、この係合孔94内を係合部材80が移動する。そして、これにより、キャンセルレバー64がオープンレバー62の回動を阻害しないようにすることで、円滑に、そのオープンレバー62の回動により第2伝達部材32を介して接続されたラッチ機構20をリリース動作させることができる。
(5)リンク部材74を介して操作レバー63及びキャンセルレバー64が連結される。
上記構成によれば、簡素な構成にて、操作レバー63とキャンセルレバー64との間の回転伝達可能な連結状態を確保しつつ、そのリリースレバー61、オープンレバー62、及び操作レバー63を軸支する第1回動軸X1とキャンセルレバー64を軸支する第2回動軸X2との間隔を広げることができる。そして、これにより、操作レバー63の回動操作に連動して回動するキャンセルレバー64が、効率よく、そのオープンレバー62に設けられた係合部材80を押圧可能となることで、円滑に、その操作レバー63を用いたリリースキャンセル操作を行うことができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、車両のドア1には、第2伝達部材32を介してドア操作装置40に接続されたラッチ機構20を有するドアロック装置10として第1ドアロック11及び第2ドアロック12が設けられることとした。しかし、これに限らず、第2伝達部材32を介してドア操作装置40に接続されたラッチ機構20の数、及び配置については、任意に変更してもよい。
・また、上記実施形態では、第1ドアロック11に設けられたドアロックアクチュエータ50が発生するリリース動作の駆動力が、その第1伝達部材31としてのリリースケーブル55を介してドア操作装置40に伝達されることとした。しかし、これに限らず、リリース動作の駆動力を発生するアクチュエータの構成及び配置は、任意に変更してもよい。そして、第1伝達部材31を介してリリースレバー61に入力される駆動力の発生源が、例えば、油圧や手動により操作されるレバー部材等、モータ駆動以外の構成に適用してもよい。
・更に、上記実施形態では、第1伝達部材31としてのリリースケーブル55、及び第2伝達部材32としてのオープンケーブル57,58は、それぞれ、牽引されることにより駆動力を伝達することとしたが、これらの第1伝達部材31及び第2伝達部材32が、その駆動力として押圧力を伝達する構成であってもよい。
・また、ドア操作装置40の配置は、任意に設定してよい。例えば、その操作レバー63の把持部70が車室内に臨む構成であってもよい。また、ドア操作装置40を覆うカバー部材を設け、使用時には、このカバー部材を取り外す構成としてもよい。更に、トランクや荷室等にドア操作装置40を配置する構成であってもよい。そして、操作レバー63を車外から操作可能な位置に、そのドア操作装置40を配置する構成であってもよい。
・上記実施形態では、第1方向に回動操作された操作レバー63に連動してキャンセルレバー64が第1方向に回動する。更に、この第1方向に回動されたキャンセルレバー64が、オープンレバー62に設けられた長孔79に嵌合する係合部材80としての係合ピン81を押圧する。そして、これにより、その長孔79に対する係合ピン81の嵌合位置が、オープンレバー62の先端部62a側から基端部62b側に変更されることで、この係合ピン81とリリースレバー61との係合が解除されることとした。
しかし、これに限らず、キャンセルレバー64に押圧された係合ピン81が、その長孔79に対する嵌合位置をオープンレバー62の基端部62b側から先端部62a側に変更することで、その係合ピン81とリリースレバー61との係合が解除される構成であってもよい。また、操作レバー63の回動操作に連動して回動するキャンセルレバー64の回動方向が、操作レバー63の回動方向と逆向きとなる構成であってもよい。更に、リリースキャンセル操作を行う場合に、その操作レバー63を第2方向に回動させる構成であってもよい。そして、係合部材80についてもまた、上記実施形態における係合ピン81とは異なる形状を有するものを用いてもよい。
・上記実施形態では、リンク部材74を介して操作レバー63及びキャンセルレバー64が連結されることとしたが、これらの操作レバー63及びキャンセルレバー64を回転伝達可能に連結する構成であれば、その連結構造は任意に変更してもよい。例えば、これらの操作レバー63及びキャンセルレバー64が、互い係合することにより、その操作レバー63に連動してキャンセルレバー64が回動する構成であってもよい。そして、これらの操作レバー63及びキャンセルレバー64が、ギヤ等の回転体を介して連結される構成であってもよい。
・各レバー部材60の形状は、任意に変更してもよい。例えば、キャンセルレバー64が上記実施形態のような円弧状の係合孔94以外の係合部を有して、その係合部材80に係合する構成であってもよい。そして、操作レバー63とオープンレバー62との係合構造についてもまた、任意に変更してもよい。
1…ドア、10…ドアロック装置、11…第1ドアロック、12…第2ドアロック、20…ラッチ機構、21…ラッチ、22…ポール、23…ストライカ係合溝、24…ラッチ付勢バネ、25…ストライカ、26…ポール付勢バネ、30…伝達部材、31…第1伝達部材、32…第2伝達部材、40…ドア操作装置、50…ドアロックアクチュエータ、50m…モータ、51…ドアECU、52…ドアロック操作部、55…リリースケーブル、57,58…オープンケーブル、60…レバー部材、61…リリースレバー、62…オープンレバー、62a…先端部、62b…基端部、63…操作レバー、63a…先端部、63b…基端部、63x…操作レバー本体、64…キャンセルレバー、64a…第1端部、64b…第2端部、64x…レバー本体、65…ベース部材、65a…表面、67…軸部材、68…挿通孔、69…折曲部、70…把持部、71…コイルバネ、71a…第1バネ端部、71b…第2バネ端部、72…掛止片、73…ストッパ片、74…リンク部材、75…連結突部、76…挿通孔、77,78…接続孔、79…長孔、80…係合部材、81…係合ピン、82…挿通孔、83…基部、85…第1レバー部、85a…先端部、86…第2レバー部、86a…先端部、87…接続孔、88…鉤状部、88a…先端部、91…第1係合部、92…第2係合部、93…軸状部、94…係合孔、95…係合突部、95a…先端部、96…係合片、X1…第1回動軸、X2…第2回動軸、P0…初期位置、Px…端部位置。

Claims (5)

  1. 第1伝達部材を介して入力される駆動力に基づき第1方向に回動するリリースレバーと、
    前記リリースレバーと同軸に軸支された状態で前記第1方向に回動することにより第2伝達部材を介して接続されたラッチ機構をリリース動作させるオープンレバーと、
    前記リリースレバー及び前記オープンレバーと同軸に軸支された状態で回動操作される操作レバーと、
    前記リリースレバー、前記オープンレバー、及び操作レバーを軸支する第1回動軸とは異なる第2回動軸に軸支された状態で前記操作レバーの回動操作に連動して回動するキャンセルレバーと、を備え、
    前記オープンレバーには、前記第1回動軸の径方向に延びる長孔と、該長孔に嵌合する係合部材と、が設けられ、
    前記リリースレバーは、前記第1方向に回動することにより前記係合部材に係合するとともに、該係合した係合部材を前記第1回動軸の周方向に押圧することにより前記オープンレバーを前記第1方向に回動させ、
    前記キャンセルレバーは、前記操作レバーの回動操作に連動して回動することにより前記係合部材に係合するとともに、該係合した係合部材を前記第1回動軸の径方向に押圧して前記長孔に対する前記係合部材の嵌合位置を変更することにより、該係合部材と前記リリースレバーとの係合を解除する車両用ドア操作装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ドア操作装置において、
    前記操作レバーは、前記第1方向に回動操作されることにより前記オープンレバーに係合して該オープンレバーを一体に回動させること、を特徴とする車両用ドア操作装置。
  3. 請求項2に記載の車両用ドア操作装置において、
    前記キャンセルレバーは、前記第1方向に回動操作された前記操作レバーが前記オープンレバーに係合する前に、前記係合部材に係合して該係合部材を前記押圧することにより前記長孔に対する前記嵌合位置を変更すること、を特徴とする車両用ドア操作装置。
  4. 請求項1~請求項3の何れか一項に記載の車両用ドア操作装置において、
    前記キャンセルレバーは、前記係合部材を内側に配置する係合孔を有して前記係合部材に係合するとともに、
    前記係合孔は、前記操作レバーの回動操作に連動して前記キャンセルレバーが回動する前の初期位置において前記第1回動軸の周方向に延びる円弧形状を有すること、
    を特徴とする車両用ドア操作装置。
  5. 請求項1~請求項4の何れか一項に記載の車両用ドア操作装置において、
    リンク部材を介して前記操作レバー及び前記キャンセルレバーが連結されること、
    を特徴とする車両用ドア操作装置。
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