JP7200579B2 - 画像形成装置および画像形成システム - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置および画像形成システムに関する。
記録媒体に液滴を吐出して画像を形成する画像形成装置において、記録媒体に付着した液滴の状態を画像形成にとって好ましい状態にする効果を有する処理液を、画像形成前の記録媒体に塗布する処理液塗布機能を備えるものが知られている。また、処理液を塗布する機能に特化した処理液塗布装置と、画像形成機能を備える画像形成装置と、を組み合わせて構成した画像形成システムも知られている。
上記の画像形成装置、画像形成システムにおいて用いられる処理液の塗布量は、記録媒体の種別によって、その最適量が異なる。したがって、画像形成の品質を高めるには、記録媒体に基づいて処理液の量を調整することが望ましい。処理液は、塗布用ローラを介して記録媒体に塗布される。したがって、処理液の塗布量は、記録媒体に対する塗布用ローラの回転速度と相関する。
塗布用ローラによる処理液の塗布量を可変するために、記録媒体を塗布用ローラに圧接させるローラによる圧接力を可変させる技術、および複数台の塗布装置を直列に配置し、処理液の多重塗りをする技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、塗布用ローラは、処理液を塗布しながら搬送する役割もあるので、記録媒体への処理液の塗布量は塗布用ローラによる搬送速度にも関係する。塗布用ローラによる搬送速度を調整することで処理液の塗布量を調整する技術として、処理液の塗布量を可変するために塗布速度を制御する技術も開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、塗布用ローラの回転速度を変化させることで処理液の塗布量の可変にする技術も開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
本発明は、画像形成処理における生産性を下げることなく、処理液の塗布を可変できる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、画像形成装置に関するものであって、記録媒体を搬送しながら液滴を吐出することで画像を形成する画像形成部と、前記画像が形成される前の記録媒体を搬送しながら当該記録媒体に処理液を塗布する処理液塗布部と、前記画像形成部において前記記録媒体が搬送される速度である画像形成搬送速度と、前記処理液塗布部において前記記録媒体が搬送される速度である液塗布搬送速度と、を制御する制御部と、を備え、前記処理液塗布部は、液供給パンに貯えられた処理液に浸された状態で回転し当該処理液を汲み上げる汲み上げローラと、前記汲み上げローラとの間に形成されたニップで前記汲み上げローラから前記処理液を受け取る塗布ローラと、前記塗布ローラとの間に前記記録媒体を介してニップを形成し、前記塗布ローラから当該記録媒体に前記処理液を転写させる転写ローラと、前記塗布ローラを回転駆動させる第一駆動部と、を備え、前記制御部は、前記画像形成搬送速度を一定にする制御をし、前記第一駆動部を制御し、前記塗布ローラが前記第一駆動部からの駆動力に基づいて回転することで前記記録媒体に前記処理液を塗布しながら当該記録媒体を、当該画像形成搬送速度以上の前記液塗布搬送速度で搬送する、ことを特徴とする。
本発明によれば、画像形成処理における生産性を下げることなく、処理液の塗布を記録媒体に応じて可変できる。
本発明に係る画像形成システムの実施形態である印刷システムのシステム構成図。 本発明に係る画像形成システムを構成する処理液塗布装置の内部構造の実施形態を示す構成図。 本実施形態に係る処理液塗布装置における記録媒体の搬送経路を示す図。 本発明に係る画像形成システムを構成する画像形成装置の内部構造の実施形態を示す構成図。 本実施形態に係る処理液塗布装置が備える処理液塗布部の構造の例を示す図。 本実施形態に係る処理液塗布部における動作と処理液塗布量の関係を示すグラフ。 本実施形態に係る処理液塗布部における動作を規定するデータテーブルの例を示す図。 本実施形態に係る処理液塗布部における動作を補正するするデータテーブルの例を示す図。
[本発明の要旨]
本発明は、画像形成材(インク)に作用する処理液を記録媒体の画像形成面に塗布する処理液塗布部と、処理液が塗布された画像形成面に画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置に関するものである。また、本発明は、画像形成面に画像を形成する画像形成装置と、画像形成面に処理液を塗布する処理液塗布装置を連携して構成される画像形成システムに関するものである。
本発明に係る画像形成装置及び画像形成システムにおいて用いられる処理液は、画像形成材(液体インク等)によって画像が形成される記録媒体の画像形成面の状態を、画像形成において好適な状態になるようにする効果を有する液体である。ここで「好適な状態」とは、例えば、画像形成面に付着した画像形成材(インク滴)を凝集させてインクの滲みを防ぐ状態や、裏写りを防止する状態などである。
したがって、処理液の塗布量は画質に重要な影響を与える。そこで、記録媒体に対する処理液の塗布量は最適な量になることが望ましい。記録媒体の種別(種類や銘柄を含む、以下同じ)などによって最適な塗布量は異なるので、記録媒体の種別に応じて塗布量を変化させることができ、さらに、画像形成速度に影響を与えないことが望ましい。
この点、上記にて示した特許文献1に開示されている技術のように、圧接荷重を変化させることで塗布量を可変にするには、その可変範囲が狭くなり、微調しかできないという、という課題があった。塗布量の可変範囲を広げるために複数台の塗布装置を直列に並べて多重塗りする場合は、塗布装置が大型になり、装置コストも高価となるという課題があった。
また、特許文献2に開示されている技術によれば、記録媒体に処理液を塗布するために用いられる塗布用ローラと、記録媒体を搬送させるために用いられる搬送用ローラが連動する。したがって、処理液の塗布量を多くするために塗布用ローラの回転速度を下げて塗布用ローラによる搬送速度を下げると、搬送用ローラの回転速度も下がって搬送速度が下がる。搬送用ローラによる搬送速度が下がると画像形成の速度が下がることになる。すなわち、特許文献1の技術を用いて処理液の塗布量を調整すると画像形成速度(印刷速度)が犠牲になり、画像形成処理における生産性が下がる、という課題があった。
また、特許文献2に開示されている技術のように、塗布用ローラに付着量規制部材を設けることで、当該規制部材の圧接状態によって塗布量を変更する場合、規制部材と塗布用ローラの接触を均一化するための高精度の部品が必要となる。しかも、塗布量を可変できる範囲が狭く、微調しかできないという課題もあった。
さらに、特許文献3に開示されている技術は、給紙から排紙までつながっているロール状のメディア(記録媒体)への塗布に関するものであるため、ヘッドによる印刷の速度と塗布部での用紙速度は同一速度となる。この構成では、回転速度を変更すると塗布ローラの回転速度を変更することになる。したがって、特許文献3に開示されている技術は、塗布用ローラと用紙の間でスリップさせ塗布量を可変する技術となる。この技術によれば、積極的に記録媒体と塗布用ローラをスリップさせることになる。そのため、記録媒体のエッジと塗布用ローラとの接触により、塗布用ローラの摩耗を早めて短寿命となる、という課題があった。
なお、特許文献3に開示されている技術は、給紙から排紙まで連なり張力が付与され続けるロール状メディアを記録媒体とすることができるが、カット紙を記録媒体としても用いるときは、搬送ローラでの用紙の受け渡しにより張力を付与し続けることができないから、張力が解除されたところで異なる速度の塗布ローラと記録媒体が接触してジャムが発生し、搬送不良の原因となる、という課題もあった。
本発明に係る画像形成装置及び画像形成システムは、上記のような従来技術に係る課題を解決しうるものである。記録媒体に処理液を塗布する塗布用ローラによる記憶媒体の搬送速度を、画像形成処理時の記録媒体を搬送する搬送用ローラによる搬送速度に対して、一定の関係を維持するように制御する、ことを要旨の一つとする。ここで「塗布用ローラによる搬送速度を搬送用ローラによる搬送速度に対して一定の関係にする」とは、「塗布用ローラによる搬送速度を、搬送用ローラによる搬送速度以上になるように制御すること」を意味する。
したがって、本発明に係る画像形成装置及び画像形成システムは、処理液の塗布量の調整範囲を広く設定でき、かつ、調整幅も細かく微調ができるものであり、処理液の塗布機構を含む装置の大型化を抑制できるようにする。また、本発明に係る画像形成装置及び画像形成システムは、画像形成処理における搬送速度(印刷速度)を記録媒体の種別によらず、一定にしても、記録媒体の種別に応じた最適な量で処理液を塗布し、かつ、印刷速度に影響を与えないようにできる。したがって、記録媒体として,所定の大きさに切り分けられている「カット紙」を用いることができ、また、処理液の塗布量の可変範囲を拡大できるので、幅広い種別の記録媒体(メディア)に対して最適な量の処理液を塗布し、かつ、画像形成の生産性を維持できる。
また、本発明に係る画像形成装置及び画像形成システムによれば、塗布量過多による処理液の無駄な消費を防止できる。また、処理液の過剰塗布により搬送ローラに対して処理液が付着して生ずる「詰まり(ジャム)」を防止することもできる。さらに、塗布量不足による画質の低下も防止できる。さらに、本発明に係る画像形成装置及び画像形成システムは、従来技術と比較して、小さいスペースに収まる構成を採用でき、製造コストも低減させることが可能であり摩耗による塗布用ローラの品質低下を防止することもできる。
[画像形成システムの実施形態]
まず、本発明に係る画像形成システムの実施形態について説明する。図1は、画像形成システムの実施形態である印刷システム1000の概略を示す概略構成図である。図1に示すように、印刷システム1000は、給送装置100と、処理液塗布装置200と、画像形成装置であるプリンタ300と、媒体排出装置400と、を備える。なお、処理液塗布装置200とプリンタ300を合わせて構成される画像形成装置を、本発明に係る画像形成装置の実施形態とする。
給送装置100は、画像形成処理において画像が形成される画像形成面を有するシート状の記録媒体を、シート搬送経路の下流側に設けられた処理液塗布装置200に供給する記録媒体供給装置である。給送装置100から供給される記録媒体は、例えば、所定の大きさに切り揃えられている「カット紙」である。以下、本実施形態の説明は、記録媒体がカット紙であることを前提にし、「シート8」として表記する。
処理液塗布装置200は、インクを凝集させ、裏写りを防止する作用効果を有する処理液をシート8の画像形成面に塗布する処理液塗布部210を備える。
プリンタ300は、処理液塗布装置200において処理液が塗布されたシート8に、インク滴を吐出して画像形成を施す画像形成部310と、シート8に付着した処理液とインク滴を乾燥させる乾燥部320と、を備える。なお、プリンタ300は、シート8の表裏に印刷する場合、乾燥部320からから画像形成部310へシート8を反転させて戻す搬送経路も備えている。これによって、先に画像が形成されている画像形成面の裏面側にインク滴を吐出して画像を形成し、その後、乾燥部320において新たに画像が形成された面を乾燥し、その後、媒体排出装置400に排出することができる。
媒体排出装置400は、プリンタ300において画像形成処理が行われたシート8を収容する装置である。
[処理液塗布装置200の構成]
次に、本実施形態に係る処理液塗布装置200について、図を用いながら説明する。図2は、処理液塗布装置200の構成を示す構成図である。図2に示すように、処理液塗布装置200は、処理液塗布部210と、制御部220と、処理液供給部230と、搬入部240と、搬出部250と、を有する。
また、処理液塗布装置200は、複数の搬送ローラや複数のペーパガイドからなる搬送パス260を有し、さらに、搬出部250の搬送パス260には、シート8の搬送方向を切り替える第一分岐ゲート251と、第二分岐ゲート252と、が配置されている。
また、処理液塗布装置200は、全体の動作を制御する制御部220を有する。制御部220は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリであるNVRAM(Non-Volatie Random Access Memory)などを備え、コンピュータプログラムを実行することで処理機能を実現する情報処理部である。
制御部220は、ROMに記録されている制御プログラムをCPUにおいて実行させることで、処理液塗布装置200が備える動作機構の動作を制御する。制御部220が備えるRAMは、制御プログラムが実行される際のワークエリアとして用いられる。また、制御部220のNVRAMには、後述する処理液塗布制御処理において用いられる各種データが格納されている。すなわち、制御部220は、CPUがROMに格納されている制御プログラムを読み出してRAMの記憶領域に展開し、CPUがNVRAMに格納されている各種データを読み出しながら制御プログラムを実行する。NVRAMが後述する塗布量データテーブルおよび塗布量補正データテーブルを記憶する記憶部を構成する。
制御部220は、処理液塗布部210に含まれる塗布用ローラの動作によるシート8の搬送速度(液塗布搬送速度)を、プリンタ300におけるシート8の搬送速度(画像形成搬送速度)に基づいて制御する。この場合、制御部220は、画像形成搬送速度よりも液塗布搬送速度が速くなるように制御する。具体的には、塗布用ローラを回転させる駆動源の回転速度を、画像形成搬送速度を規定する駆動源の回転速度よりも速くなるように制御し、この制御によって塗布用ローラの回転速度を変化させて、処理液の塗布量を変化させる。したがって、制御部220は、画像形成搬送速度を一定にしたまま、液塗布搬送速度を任意に変更可能となるように制御する。すなわち、画像形成搬送速度を基準として用い、この基準に対する液塗布搬送速度の変化量を制御することによって、液塗布搬送速度を任意に変更し、処理液の塗布量を変化させる。
また、制御部220は、搬送パス260におけるシート8の搬送動作や、第一分岐ゲート251と第二分岐ゲート252の切り替え動作も制御する。
給送装置100から排出された枚葉メディアであるシート8は、搬入部240を介して処理液塗布装置200に搬入されて、搬送パス260によって搬送されて処理液塗布部210に至り、処理液が塗布される。その後、搬送パス260によって搬出部250に搬送されてプリンタ300に向けて搬出される。なお、図2における太線の矢印は、搬送パス260におけるシート8の搬送方向を例示している。
[処理液塗布装置200における搬送の態様]
図3は、処理液塗布装置200においてシート8の両面に処理液を塗布するときのシート8の搬送の様子を例示する図である。シート8の両面に画像形成処理を行う場合、すなわち、両面印刷の場合は、処理液塗布装置200においてシート8の両面に処理液を塗布する必要がある。そこで、制御部220は、図3に示すようにシート8を搬送させるように制御をする。図3においてシート8の搬送順序を、太線矢印(A~J)によって示している。
まず、搬入部240を通過して給送装置100から処理液塗布装置200にシート8が搬入されると、搬送経路A、B、Cの順でシート8が搬送される。これによって、処理液塗布部210にシート8が搬送される。処理液塗布部210では、まず、シート8の片面(表面)に処理液が塗布される。その後、シート8が搬送経路DからEを通過する。ここで、第一分岐ゲート251を制御部330が切り替えることで、シート8は搬送経路Fに搬送される。そして、第二分岐ゲート252を通過して搬送経路Gにシート8が至る。
ここで制御部220が、第二分岐ゲート252を切り替えて、シート8の搬送方向を逆転させる。その後、シート8が搬送経路Hのように、これまでとは逆向きに進み、切り換えられている第二分岐ゲート252を通過して、搬送経路Iから搬送経路Cを介して、再度処理液塗布部210に搬送される。このとき、シート8の裏面に処理液が塗布される。処理液が両面に塗布されたシート8は、その後、搬送経路Dから搬送経路Eを通過する。そして、制御部220が第一分岐ゲート251を再度切り換えることで、シート8は、搬送経路Jを通過して、搬出部250から搬出される。以上の動作により、処理液が両面に塗布されたシート8がプリンタ300に受け渡される。
[プリンタ300の構成]
次に本実施形態に係るプリンタ300について、図を用いながら説明する。図4は、プリンタ300の構成を示す構成図である。図4に示すように、プリンタ300は、画像形成部310と、乾燥部320と、を有する。また、プリンタ300は、複数の搬送ローラや複数のペーパガイドからなる搬送パス340を有し、さらに、搬送パス340には、シート8の搬送方向を切り替える第三分岐ゲート341と、第四分岐ゲート342と、を有する。
また、プリンタ300は、全体の動作を制御する制御部330を有する。制御部330はすでに説明した制御部220と同様の構成であって、CPU、ROM、RAM、NVRAMなどを含む。制御部330は、ROMに記録されている制御プログラムをCPUにおいて実行させることで、プリンタ300を制御するための処理機能を実現する情報処理部である。
制御部330は、画像形成部310に含まれる搬送モータ313の回転速度を制御することで、搬送ローラ312の回転速度を制御する。搬送ローラ312と搬送モータ313は、画像形成部310にシート8を搬送する搬送機構である。したがって、制御部330による搬送モータ313の回転速度の制御により、画像形成部310に対するシート8の搬送速度が制御される。画像形成部310におけるシート8の搬送速度を「画像形成搬送速度」とする。
また、搬送パス340におけるシート8の搬送動作や、第三分岐ゲート341と第四分岐ゲート342の切り替え動作も制御部330が実行する。
なお、制御部330は、処理液塗布装置200の制御部220と連携して動作する。すなわち、制御部330は、制御部220に対して搬送ローラ312の回転速度などシート8の画像形成搬送速度を規定するデータを通知する。処理液塗布装置200の制御部220は、制御部330から通知された画像形成搬送速度に基づいて上述のように、処理液塗布部210に含まれる塗布用ローラを回転させる駆動源の回転速度を制御する。制御部220よって制御される処理液塗布部210におけるシート8の搬送速度を「液塗布搬送速度」とする。
処理液塗布装置200とプリンタ300が一体化した画像形成装置の場合、制御部220と制御部330が実現する機能を合わせて一体となった制御部を備えればよい。
[プリンタ300における搬送の態様]
処理液塗布装置200から排出された枚葉メディアであるシート8は、搬送パス340によって搬送されて画像形成部310に至り、液体吐出ヘッドである記録ヘッド311からインク液が液滴として吐出されて画像が形成される。その後、シート8は搬送パス340によって乾燥部320を通過して、画像形成処理によって着弾した液滴や処理液などが付着した画像形成面を乾燥しながら乾燥部320を通過する。なお、図4における太線の矢印は、搬送パス340におけるシート8の搬送方向を例示している。
処理液塗布装置200から排出されたシート8は、片面のみに画像形成処理を行う場合は、搬送経路Kから搬送経路Lを通過して、画像形成処理後に搬送経路Mから第三分岐ゲート341を通過して搬送経路Oから媒体排出装置400へと排出される。
シート8の両面に処理液を塗布されたシート8が搬送されてきて、両面に画像形成処理を行う場合は、処理液塗布装置200からシート8が搬入されると、搬送経路K、L、Mの順にシート8が搬送された後、第三分岐ゲート341を制御部330が切り替える。これによって、シート8は搬送経路0ではなく搬送経路Pに搬送され、その後、第四分岐ゲート342を通過して搬送経路Qに至る。
ここで制御部330が、第四分岐ゲート342を切り替えて、シート8の搬送方向を逆転させる。その結果、シート8は搬送経路Rのように、これまでとは逆向きに進み、切り換えられている第四分岐ゲート342を通過して、搬送経路Sから搬送経路Tを介して、再度、搬送経路K、Lを通過して画像形成部310に搬送される。このように、シート8の裏面に画像形成処理が実行される。
そして、両面に画像が形成されたシート8は、その後、搬送経路Mを通過しながら、画像形成面の乾燥が行われて、制御部330が第三分岐ゲート341を再度切り換えることで、搬送経路Oを通過して、排出される。以上の動作により、所定の画像が形成されたシート8が媒体排出装置400へと排出される。
[処理液塗布部210の構成]
次に、処理液塗布部210の構成について用いて説明する。図5は、処理液塗布部210と処理液供給部230の詳細な構成を示す図である。図5に示すように、処理液塗布部210は、複数のローラ部材を備えている。処理液塗布部210は、複数のローラ部材として、転写ローラ2201と、塗布ローラ2204と、汲み上げローラ2208と、を備えている。
転写ローラ2201は、中間位置が揺動支点2205によって支持されているTRアーム2202の一端に回転可能な状態で支持されている。TRアーム2202は、この揺動支点2205を境界として、一方の端部と他方の端部が上下方向の反対側に揺動するようになっている。TRアーム2202の他方の端部には、TRバネ2203が接続されている。ので、TRアーム2202の他方の端部が重力方向の逆方向に引っ張られていて、その結果転写ローラ2201は、重力方向に付勢された状態で支持されている。これによって、転写ローラ2201は、重力方向側に配置されている塗布ローラ2204に弾性圧接した状態となる。
シート8が、この転写ローラ2201と塗布ローラ2204の間に形成されているニップを通過するときに、塗布ローラ2204の外周面に付着している処理液がシート8に塗布される。
また、TRアーム2202の他方の端部側(TRバネ2203が接続されている端部側)の上方にはTRカム2206が配置されていて、TRアーム2202の上側面とTRカム2206が接触する状態になっている。このTRカム2206が回転すると、TRカム2206の外周面の位置が変位して、TRカム2206の接触面を重力方向に押し下げるように動作する。そうすると、TRバネ2203の引張力に抗してTRアーム2202の他方の端部側には、重力方向への押される力が加わる。TRカム2206の回転によりTRアーム2202の他方の端部に加えられる力によって、TRアーム2202の一方の端部に支持されている転写ローラ2201は、重力方向の反対方向に移動させられる。これによって、転写ローラ2201が塗布ローラ2204から離間する動作が行えるようになっている。TRカム2206の回転は、カムモータ2207による。すなわち、カムモータ2207の回転に基づいて、転写ローラ2201は、塗布ローラ2204とのニップが制御されるように構成されている。
転写ローラ2201は、塗布ローラ2204との弾性圧接による接触により回転する。なお転写ローラ2201と塗布ローラ2204はギヤで連結することも可能である。
塗布ローラ2204は、処理液塗布部210の筐体側板に回転可能に支持されていて、第一駆動部である第一モータ2225の駆動力を駆動源として回転する。言い換えると、第一モータ2225は、塗布ローラ2204を回転駆動させる。すなわち、第一モータ2225の回転速度に応じて塗布ローラ2204の回転速度は決まる。塗布ローラ2204の支持位置は、転写ローラ2201側を上方向とし、汲み上げローラ2208側を下方向とした場合の上下方向に移動可能になっている。塗布ローラ2204は、転写ローラ2201からの弾性圧接により汲み上げローラ2208に弾性圧接するように構成されている。
汲み上げローラ2208は、供給液室2209の側板に回転可能に支持されていて、第二駆動部である第二モータ2226の駆動力を駆動源として回転する。言い換えると、第二モータ2226は、汲み上げローラ2208を回転駆動させる。すなわち、第二モータ2226の回転速度に応じて汲み上げローラ2208の回転速度は決まる。
なお、液供給パンである供給液室2209は、外側面の一面に設けられている液室揺動支点2213により、処理液塗布部210の筐体に揺動可能に固定されている。また、供給液室2209の外側面であって上記の突起部との反対面には、アーム2210が設けられている。アーム2210は、ピン2211を介して、圧縮バネ2212により供給液室2209を上方向(転写ローラ2201方向)に付勢されている。したがって、供給液室2209は、圧縮バネ2212によって上方向に付勢されている。圧縮バネ2212の付勢により、供給液室2209に固定されている汲み上げローラ2208は塗布ローラ2204に弾性圧接可能となっている。
ピン2211にはカム2214が接触しており、カム2214の回転により、圧縮バネ2212の押し付け力を可変するように構成されている。したがって、カム2214の回転によって、塗布ローラ2204と汲み上げローラ2208のニップ荷重は変更可能となる構成になっている。また、カム2214の回転により、圧縮バネ2212の押し付け力が変化し、供給液室2209の位置が変化する。カム2214の回転動作は、第三モータ2215を駆動源とする。したがって、制御部220(図2参照)が第三モータ2215の駆動を制御することで、塗布ローラ2204と、汲み上げローラ2208との当接および離間を制御することができる。
供給液室2209には、処理液である処理剤液2216が貯留されている。汲み上げローラ2208は一部が処理剤液2216に浸される状態になっている。汲み上げローラ2208は塗布ローラ2204と弾性力により圧接しているので、この汲み上げローラ2208が回転して供給液室2209にある処理剤液2216を外周面に付着させながら回転すると、ニップを介して、汲み上げローラ2208から塗布ローラ2204に処理剤液2216が渡される。塗布ローラ2204は、汲み上げローラ2208から受け取った処理剤液2216を転写ローラ2201とのニップにおいてシート8に塗布しながら、シート8を搬送パス260に乗せて移動させる。
また、供給液室2209には、処理剤液2216の液面を検出する液面センサ2218が設けられている。液面センサ2218は、処理剤液2216が適量となる液位に相当する位置に取り付けられている。この液面センサ2218の出力を監視することで、処理剤液2216が適量であるか否かを監視できるように構成されている。なお、処理剤液2216の適量とは、処理剤液2216の液面が、汲み上げローラ2208の回転中心程度にある状態をいう。
また、供給液室2209の内部には、処理剤液2216の温度を検知するための温度センサ2227が設置されている。温度センサ2227は、処理剤液2216に浸る位置に設置されていてもよいし、供給液室2209の環境温度を計測することで処理剤液2216の温度を算出できる位置に設置されていてもよい。温度センサ2227において計測された温度は、制御部220に通知される。
[処理剤液2216の補充動作]
シート8に処理剤液2216が塗布されると、供給液室2209に蓄えられている処理剤液2216が消費されて液面位が下がることになる。液面センサ2218が処理剤液2216の液面を検出しなくなった時点で、供給弁2219を開けて供給ポンプ2220が駆動するように構成されている。供給ポンプ2220の駆動によって、供給タンク2221に保持されている処理剤液2216が供給液室2209に送り込まれる。
そして、所定の液位になった時点で供給弁2219を閉じて、供給ポンプ2220を停止させる。以上の動作により、処理液塗布部210は、供給液室2209に蓄えられる処理剤液2216の液位が一定に保たれるように構成されている。
また、処理剤液2216は、経時的に特性が変化することがある。例えば、ある程度時間が経過すると、供給液室2209に蓄えられている処理剤液2216が増粘することを考慮しなければならない。そこで、ある程度時間が経過した処理剤液2216を排出する機構として、排液弁2222、排液ポンプ2223ならびに排液タンク2224が設けられている。排液弁2222を開放し、排液ポンプ2223を駆動させることで、供給液室2209内の劣化した処理剤液2216を排液タンク2224へ排出することができる。
[処理剤液2216の塗布プロセス]
次に、本実施形態に係る塗布プロセスについて説明する。すでに説明をした処理液塗布部210の構成において、第二モータ2226が汲み上げローラ2208を回転させると、供給液室2209に蓄えられている処理剤液2216が汲み上げローラ2208により汲み上げられる。この汲み上げられた処理剤液2216は、塗布ローラ2204との接触位置(ニップ)に運ばれる。
処理剤液2216は、汲み上げローラ2208と塗布ローラ2204の接触位置を通過することにより、所定の液量で塗布ローラ2204へと移動する。このとき、移動した処理剤液2216は、塗布ローラ2204の外周面に付着して薄膜化する。これによって、処理剤液2216が所定の量となる。したがって、汲み上げローラ2208と塗布ローラ2204にニップにおいて、シート8に塗布するための処理剤液2216の液量が計量されるように構成されている。
薄膜化している計量後の処理剤液2216が、塗布ローラ2204の回転により、転写ローラ2201との接触位置(ニップ)に運ばれる。塗布ローラ2204と転写ローラ2201の接触位置をシート8が通過することで、塗布ローラ2204の表面の微量液層がシート8に転写される。以上のように塗布プロセスが実行され、供給液室2209に蓄えられている処理剤液2216がシート8に塗布される。
上記の構成において、弾性圧接されている各ローラ間を通過する処理剤液2216の液膜の厚み(通過膜厚)は、各ローラの速度に依存する。一般的に、汲み上げローラ2208の回転速度が速くなればなるほど、塗布ローラ2204に運ばれる処理剤液2216の量が多くなる。すなわち、塗布ローラ2204の表面に形成される液膜の厚みが厚くなる。
したがって、シート8に塗布する処理剤液2216の塗布量を多くしたいときは、第二モータ2226による汲み上げローラ2208の回転速度を速くして塗布ローラ2204に供給する処理剤液2216の量を多くし、塗布ローラ2204がシート8に処理剤液2216を塗布するときには、塗布ローラ2204の回転速度を下げればよい。
[処理剤液2216の塗布量と塗布ローラ2204の回転速度の関係]
次に、本実施形態に係る処理液塗布部210における、シート8への処理剤液2216の塗布量と、塗布ローラ2204の回転速度の関係について、図6のグラフを用いて説明する。図6の示すグラフは、縦軸がシート8への処理剤液2216の塗布量、横軸が塗布ローラ2204と汲み上げローラ2208の「回転速度の比(周速比)」である。
図6には3つのグラフが描かれている。グラフG1、グラフG2、グラフG3はそれぞれ、汲み上げローラ2208の回転速度は一定であり、塗布ローラ2204の回転速度が異なる場合を区別している。グラフG1は、塗布ローラ2204の回転速度が「速度S1」の場合を表している。グラフG2は、塗布ローラ2204の回転速度が「速度S2」の場合を表している。グラフG3は、塗布ローラ2204の回転速度が「速度S3」の場合を表している。
各速度は、「速度S1<速度S2<速度S3」の関係にある。なお塗布ローラ2204の回転速度が、速度S1のとき、搬送ローラ312と塗布ローラ2204の搬送速度は同じとする。すなわち、速度S1のグラフは、液塗布搬送速度と画像形成搬送速度が同じ場合の周速比と塗布量の関係を示している。
第一モータ2225の回転速度を速度S2にすると、塗布ローラ2204の回転速度は搬送ローラ312の回転速度よりも速くなる。すなわち、速度S2のグラフは、液塗布搬送速度が画像形成搬送速度よりも速い場合の周速比と塗布量の関係を表している。
第一モータ2225の回転速度を速度S3にすると、塗布ローラ2204の回転速度は搬送ローラ312の回転速度よりも、さらに速くなる。すなわち、速度S3のグラフは、液塗布搬送速度が画像形成搬送速度よりも、さらに速い場合の、周速比と塗布量の関係を表している。
図6のグラフに示すように、塗布ローラ2204の回転速度を速度S1から速度S3の間で可変することにより、例えば周速比が「周速比:C」の例において、処理剤液2216の塗布量を「範囲A」の間で可変できる。
制御部220は、搬送ローラ312の回転速度に基づいて、塗布ローラ2204の回転速度を可変させ、「画像形成搬送速度≦液塗布搬送速度」となるように、塗布ローラ2204の回転速度を制御する。したがって、制御部220は制御部330から搬送モータ313の回転速度の通知を受ける機能を備えていて、この通知に対して第一モータ2225の回転速度を制御する。これによって、塗布ローラ2204によって処理剤液2216が塗布された搬送されるシート8の搬送速度を、画像形成処理が行われるときの搬送速度以上にし、シート8に最適な塗布量を実現する。処理液塗布部210において処理剤液2216が塗布されたシート8の搬送速度は、画像形成部310に至るまでに減速する。したがって、画像形成処理の速度(印刷速度)は、一定のままで、シート8に対する処理剤液2216の塗布量を変化させることができるので、画像形成処理の生産性に影響を与えずに、シート8に対する適量の処理剤液2216を塗布することができる。
また、本実施形態に係る処理液塗布部210において、塗布ローラ2204の回転速度を一定にした場合(液塗布搬送速度を一定にした場合)、周速比を変更することで、グラフG1の例において処理剤液2216の塗布量を「範囲B」の間で可変することができる。
ここで、周速比が決まる位置は、塗布ローラ2204と汲み上げローラ2208の間となる。つまり、記録媒体であるシート8の端部(エッジ)との接触もなく、処理剤液を2216が存在するローラ間のおける周速の差となるため、処理剤液2216の潤滑効果により塗布ローラ2204と汲み上げローラ2208への摩耗等の影響はなく高耐久性を確保できる。
さらに、本実施形態に係る処理液塗布部210によれば、塗布速度と周速比を組み合わせることにより、「範囲A」と「範囲B」を合わせた範囲において、処理剤液2216の塗布量を可変させることができる。画像形成処理の生産性を維持しつつ、処理剤液2216の塗布量を変化させる幅を大きくすることができる。処理剤液2216の塗布量の可変範囲を拡大することにより、多様な種別からなる様々な記録媒体に対して、それぞれに対して最適な塗布量となる処理剤液2216の塗布処理を実現することができる。
[塗布量データテーブルの例]
本実施形態に係る処理液塗布装置200は、記録媒体であるシート8の種別に応じて、最適な処理剤液2216を塗布するために、制御220が塗布ローラ2204の回転速度制御するときに参照する塗布量データテーブルを制御部220の記憶部に格納している。
図7は、塗布量データテーブルの実施形態である制御テーブルT1である。制御テーブルT1は、シート8の種別に対応する第一モータ2225の回転速度と周速比が紐付けられた構造を有する。この制御テーブルT1に格納されているデータは、シート8の種別に応じた処理剤液2216の塗布量が最適量となるように液塗布搬送速度を規定するためのデータである。
処理液塗布装置200は、搬入部240においてシート8の種別を検知するセンサを備える構成でもよいし、処理液塗布装置200又はプリンタ300が備える操作パネルを介してシート8の種別などの入力を受け付ける構成でもよい。
制御部220が制御プログラムを実行してシート8への処理剤液2216の塗布処理を実行するとき、検知したシート8の種別または予め入力されたシート8の種別に基づいて、制御テーブルT1を読み出して参照し、第一モータ2225の回転速度と、周速比を選択する。例えば、シート8の種別が「P」であれば、第一モータ2225の回転速度は「P1」であり、周速比は「P2」となる。
制御部220は、読み出したP1とP2に基づいて、汲み上げローラ2208の回転速度(第二モータ2226の回転速度)も決定する。
そして制御部220は、回転速度「P1」で第一モータ2225を回転させ、周速比「P2」から算出した回転速度で第二モータ2226が回転するように制御する。これによって、処理剤液2216と塗布するシート8に応じた塗布量で処理剤液2216を塗布することができる。
なお、制御テーブルT1に予め格納されていないシート8の種別に対応する制御データは、処理液塗布装置200が備える操作パネルまたはプリンタ300が備える操作パネルを用いて任意で入力し、制御部220に格納することもできる。
また、処理の都度、操作パネルを介してシート8の種別に基づかない塗布量を指定することもできる。これによって、画像形成処理における品質を重視せずに、処理剤液2216の塗布量を減らして、処理剤液2216の消費量を抑制することもできる。
以上のように、本実施形態に係る処理液塗布装置200は、シート8の種別ごとの塗布量の基本設定を制御テーブルT1として格納するとともに、操作パネルを介して任意に塗布量を設定することもできる。これによって、用紙9の幅広い種別に対応して、処理剤液2216の適切な塗布量を変更できる。
なお、シート8の種別の塗布量の設定としては、処理剤液2216が浸透し易い特性を備えるシート8の場合、例えば普通紙や再生紙の場合は、グラフG1(図6参照)のように、画像形成搬送速度と同じ速度にすればよい。一方、処理剤液2216が浸透しにくい特性を備えるシート8の場合、例えばグロスコート紙や、キャストコート紙、またはフィルム等の場合は、グラフG2またはグラフG3(図6参照)のように、画像形成搬送速度よりも液塗布搬送速度を速くすればよい。これは、シート8への処理剤液2216の浸透性が塗布量に影響し浸透し易い種別のものの方が塗布量は多くなるからである。そこで、塗布量が多くなる種別のシート8に対しては、液塗布搬送速度によって塗布量を抑制することで、シート8の種別のより塗布量の変動を抑制することができる。
[塗布量補正データテーブルの例]
本実施形態に係る処理液塗布部210は、すでに説明をしたとおり、供給液室2209内の処理剤液2216の温度を計測する温度センサ2227を備えている。シート8への最適な塗布量は、シート8の種別の違いによる影響の他に、処理剤液2216の温度によっても影響を受ける。これは、温度により処理剤液2216の粘度が変化するためである。温度が高いほど処理剤液2216の粘度が下がるので、塗布量が減る傾向にある。そこで、温度センサ2227によって処理剤液2216の温度を適宜計測し、計測した結果に基づいて、制御テーブルT1から読み出した値を補正する。
制御部220は、最適な処理剤液2216を塗布するための制御データを処理剤液2216に応じて補正する塗布量補正データテーブルを、記憶部に記憶している。ここで例示する塗布量補正データテーブルは、補正係数を温度補正テーブルとして格納するものである。
図8は、温度補正テーブルの実施形態である補正テーブルT2の例である。補正テーブルT2は、処理剤液2216の温度範囲に対して、第一モータ2225の回転速度を補正する係数と、周速比を補正する係数とが紐付けられた構造を有する。
制御部220は、搬入部240が備えるセンサによってシート8の種別を検知する、または、処理液塗布装置200かプリンタ300が備える操作パネルを介してシート8の種別などの入力を受け付けることで、制御テーブルT1における制御値を特定する。その上で、温度センサ2227によって計測された処理剤液2216の温度に基づいて、補正テーブルT2を参照して補正係数を特定する。
例えば、シート8の種別が「P」であって、計測された温度が「12℃」の場合、第一モータ2225の回転速度「P1」に係数「X1」を乗じた値を、第一モータ2225の回転速度として制御する。また、周速比「P2」に係数「Y1」を乗じた値に基づいて、第二モータ2226の回転速度として制御する。これによって、処理剤液2216の温度が高くなるほど、塗布速度を速くし、周速比を大きくすることができる。
なお、処理液塗布部210は、処理剤液2216の温度を供給液室2209の液中で計測しているが、液近傍の環境温度を計測することでも、同様の制御を実行することができる。これによって、処理剤液2216の温度変化による最適な塗布量の変動にも追従することができる。
以上説明をした本実施形態に処理液塗布装置200とプリンタ300を備える印刷システム1000によれば、画像形成処理の状況に応じて処理剤液2216の塗布量を可変させる範囲を拡大することができる。また、少スペースかつ安価で多様な種別のシート8に対応することができる。さらに、処理剤液2216の塗布量を適量に制御できることで、塗布量過多による無駄な液の消費を防止でき、過剰塗布によるジャムを防止することもできる。
以上説明をした本実施形態に処理液塗布装置200とプリンタ300を備える印刷システム1000によれば、処理剤液2216の塗布量不足による画質の低下を防止できる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
100 :給送装置
200 :処理液塗布装置
210 :搬入部
220 :処理液塗布部
230 :処理液供給部
240 :搬出部
250 :搬送パス
300 :プリンタ
310 :画像形成部
320 :乾燥部
400 :媒体排出装置
1000 :印刷システム
2201 :転写ローラ処理液塗布部
2201 :転写ローラ
2202 :TRアーム
2203 :TRバネ
2204 :塗布ローラ
2205 :揺動支点
2206 :TRカム
2207 :カムモータ
2208 :汲み上げローラ
2209 :供給液室
2210 :アーム
2211 :ピン
2212 :圧縮バネ
2213 :液室揺動支点
2214 :カム
2215 :第三モータ
2216 :処理剤液
2217 :第一計量ローラ
2218 :液面センサ
2225 :第一モータ
2226 :第二モータ
2227 :媒体センサ
2228 :第二計量ローラ
2319 :供給弁
2320 :供給ポンプ
2321 :供給タンク
2322 :排液ポンプ
2323 :排液弁
2324 :排液タンク
特開2012-196955号公報 特開2006-346924号公報 特開2014-34167号公報

Claims (7)

  1. 記録媒体を搬送しながら液滴を吐出することで画像を形成する画像形成部と、
    前記画像が形成される前の記録媒体を搬送しながら当該記録媒体に処理液を塗布する処理液塗布部と、
    前記画像形成部において前記記録媒体が搬送される速度である画像形成搬送速度と、前記処理液塗布部において前記記録媒体が搬送される速度である液塗布搬送速度と、を制御する制御部と、を備え、
    前記処理液塗布部は、
    液供給パンに貯えられた処理液に浸された状態で回転し当該処理液を汲み上げる汲み上げローラと、
    前記汲み上げローラとの間に形成されたニップで前記汲み上げローラから前記処理液を受け取る塗布ローラと、
    前記塗布ローラとの間に前記記録媒体を介してニップを形成し、前記塗布ローラから当該記録媒体に前記処理液を転写させる転写ローラと、
    前記塗布ローラを回転駆動させる第一駆動部と、を備え、
    前記制御部は、前記画像形成搬送速度を一定にする制御をし、前記第一駆動部を制御し、前記塗布ローラが前記第一駆動部からの駆動力に基づいて回転することで前記記録媒体に前記処理液を塗布しながら当該記録媒体を、当該画像形成搬送速度以上の前記液塗布搬送速度で搬送する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記汲み上げローラを回転駆動させる第二駆動部を備え、
    前記制御部は、前記第一駆動部による前記塗布ローラの回転速度に応じて前記第二駆動部による前記汲み上ローラの回転速度を制御する、請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記記録媒体の種別毎の前記処理液の塗布量が最適量なる前記液塗布搬送速度を規定するためのデータである塗布量データを保持する塗布量データテーブルを記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記塗布量データテーブルから読み出した前記塗布量データと前記画像形成搬送速度とに基づいて、前記液塗布搬送速度を制御する、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記記録媒体の種別が前記処理液を浸透させやすいほど前記液塗布搬送速度が遅くなるように制御し、前記記録媒体の種別が前記処理液を浸透させにくいほど前記液塗布搬送速度が速くなるように制御する、請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記処理液の温度を計測する温度センサを備え、
    前記制御部は、前記温度に基づいて前記液塗布搬送速度を制御する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記処理液の温度が高くなるほど前記液塗布搬送速度を速めるように制御する、請求項記載の画像形成装置。
  7. 記録媒体を搬送しながら液滴を吐出することで画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置と、
    前記記録媒体に処理液を塗布する処理液塗布部と当該処理液塗布部の動作を制御する制御部を備える処理液塗布装置と、を有する画像形成システムであって、
    前記処理液塗布部及び前記制御部は請求項1乃至のいずれか一項に記載の処理液塗布部および制御部である、ことを特徴とする画像形成システム。
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