JP7183557B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力源によって駆動されるオイルポンプを備えた車両用駆動装置に関する。
一般に、エンジンと自動変速機を備えた車両には、エンジンの回転によって駆動される機械式のオイルポンプが設けられる。エンジンの駆動中において、オイルポンプで生成された油圧は、変速制御回路を経由して、変速機構を構成する複数の摩擦締結要素の油圧室に選択的に供給される。これにより、自動変速機では、複数の摩擦締結要素が選択的に締結されることで、車両の運転状態に応じた変速段が形成される。
また、オイルポンプから吐出されたオイルは、潤滑系回路を経由して、ギヤの噛み合い部などの被潤滑部、及び、摩擦締結要素の摩擦板などの被冷却部にも供給され、これにより、変速機ケース内の各部の潤滑および冷却が果たされる。
この種のオイルポンプを備えた車両用駆動装置は、特許文献1を含む種々の文献に開示されている。なお、特許文献1の構成では、アップシフト時に、オイルポンプから吐出されるオイルによってアキュムレータが蓄圧され、ダウンシフト時に、アキュムレータからオイルポンプの吸込部にオイルが供給されることで、オイルポンプが、エンジンにトルクを付加するオイルモータとして機能する。
特開2017-154690号公報
図16に示すように、上述のオイルポンプが変速制御回路で果たす仕事率W1は、摩擦締結要素の締結に必要な油圧P1に変速制御回路へのオイル供給流量Q1を乗じた値(P1×Q1)である。通例、変速制御回路に供給される油圧P1は、潤滑系回路に供給される油圧P2よりも著しく高くなる。
一方、オイルポンプが潤滑系回路で果たす仕事率W2は、被潤滑部および被冷却部にオイルを到達させるのに必要な油圧P2に潤滑系回路へのオイル供給流量Q2を乗じた値(P2×Q2)である。通例、潤滑系回路に供給されるオイル流量Q2は、変速制御回路に供給されるオイル流量Q1よりも著しく多くなる。
上記のように変速制御と潤滑に兼用されるオイルポンプは、変速制御回路で必要な油圧P1以上の高圧で、潤滑系回路および変速制御回路で必要な流量(Q1+Q2)以上の大流量のオイルを吐出する必要がある。つまり、オイルポンプは、少なくとも、上記の吐出圧P1に上記の吐出流量(Q1+Q2)を乗じた仕事率W0(=P1×(Q1+Q2))で作動する必要がある。
しかしながら、上記のようにオイルポンプが変速制御回路で果たす仕事率W1と、潤滑系回路で果たす仕事率W2とは、全体の仕事率W0のうちのほんの一部に過ぎないことになる。本願発明者はこの点に着目し、現状のオイルポンプの仕事には無駄が多く、その分だけ大きな負荷がエンジンにかかることから、燃費性能に悪影響を及ぼすという課題を見出した。
また、潤滑専用のオイルポンプと、変速制御専用のオイルポンプとを搭載することで、それぞれのオイルポンプの仕事率を低減することも考えられるが、この場合は、部品点数の増加、重量の増大、構造の複雑化、及び、レイアウト自由度の低下などを招く。特に、一方のオイルポンプが電動式とされる場合には、これを駆動するための高価な電動モータが必要になる。
そこで、本発明は、車両の動力源によって駆動されるオイルポンプが変速制御と潤滑に兼用される車両用駆動装置において、オイルポンプの仕事率を低減することで、動力源の負荷を軽減できる車両用駆動装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両用駆動装置は、次のように構成したことを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明は、
車両を走行させるための動力を発生させる動力源と、
前記動力源によって駆動されるオイルポンプと、
前記動力源の出力を変速して車輪側に伝達する自動変速機と、
前記自動変速機の被潤滑部または被冷却部の少なくとも一方にオイルを供給する潤滑手段と、
前記オイルポンプから吐出されたオイルによって蓄圧される蓄圧器と、
前記蓄圧器に蓄えられた油圧を維持させる閉状態と、前記蓄圧器への蓄圧および前記蓄圧器からのオイルの放出の両方を許容する開状態との間で切り換え可能であるチェック弁と、
前記オイルポンプの吐出部を前記潤滑手段または前記蓄圧器に選択的に接続する切換手段と、
変速が行われていないときに前記チェック弁を前記閉状態にするとともに前記吐出部を前記潤滑手段に接続させ、変速が行われているときに前記チェック弁を前記開状態にし、アップシフトが行われているときに前記吐出部を前記蓄圧器に接続させるように、前記切換手段を制御する切換制御手段と、
前記蓄圧器に蓄えられた油圧を利用して、前記自動変速機の変速を制御する変速制御手段と、を備えたことを特徴とする。


請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記変速制御手段は、前記自動変速機の摩擦締結要素を締結させるための油圧が供給される油圧室と、前記摩擦締結要素の締結状態において前記油圧室を密閉する密閉手段とを備えていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、
前記摩擦締結要素は、押圧によって締結される複数の摩擦板と、該複数の摩擦板を押圧する押圧部材と、該押圧部材との間に前記油圧室を形成する油圧室形成部材とを備え、
前記押圧部材と前記油圧室形成部材とは、変速機ケースに対する回転が規制された非回転部材であることを特徴とする。
なお、ここでいう「押圧部材」には、摩擦板を直接押圧するピストン、及び、ピストンを介して摩擦板を間接的に押圧する部材が含まれるものとする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記切換制御手段は、ダウンシフトが行われているときに前記吐出部を前記潤滑手段に接続させるように前記切換手段を制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、
前記蓄圧器は、前記切換手段を経由して前記オイルポンプの吸込部に接続可能に設けられ、
前記切換制御手段は、ダウンシフトが行われているときに前記蓄圧器を前記吸込部に接続させるように前記切換手段を制御することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、非変速時には、オイルポンプから吐出されたオイルが専ら潤滑手段に供給され、変速制御手段には供給されないため、オイルポンプの吐出圧力の低減を図ることができる。一方、変速時には、変速制御に必要な高い油圧として、蓄圧器に蓄圧された油圧が利用される。なお、この蓄圧器に蓄圧された油圧はアップシフト時の動力源の回転数を低減させるエネルギーにより供給される。この回転数を低下させるエネルギーは従来、摩擦締結要素の摩擦熱等で放熱廃棄されていたものであるため、そのエネルギーを活用することにより、オイルポンプの仕事率を効果的に低減でき、これにより、動力源の負荷軽減、ひいては、燃費性能の向上を図ることができる。
また、1つのオイルポンプを潤滑と変速制御に兼用できるため、仮に潤滑専用のオイルポンプと変速制御専用のオイルポンプを併用する場合に比べて、部品点数の削減、構造の簡素化、及びレイアウト自由度を図る上で有利である。なお、蓄圧器での蓄圧は、アイドルストップ中の油圧制御にも利用できるため、アイドルストップ用の電動式オイルポンプを削減できる利点もある。
さらに、アップシフト時には、蓄圧器への蓄圧が行われることによりオイルポンプの負荷が上昇し、これにより、動力源の回転数の低下が促進される。そのため、アップシフト後の変速比に対応する値まで動力源の回転数を速やかに低下させることができ、これにより、アップシフトに要する時間の短縮を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、非変速中において、締結状態の摩擦締結要素に対応する油圧室が密閉されることで、蓄圧器から油圧室への油圧供給を継続しなくても、摩擦締結要素の締結状態を維持できる。また、蓄圧器は、変速時のみに油圧室に供給可能な程度のオイルを貯留できればよいため、蓄圧器の小容量化を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、摩擦締結要素の油圧室を形成する押圧部材および油圧室形成部材が非回転部材であるため、押圧部材と油圧室形成部材との間に介在されるシール部材を、両部材に対して確実に密着させやすくなる。そのため、密閉手段による油圧室の密閉状態を良好に維持できる。
請求項4に記載の発明によれば、ダウンシフト時において、蓄圧器の蓄圧を利用した変速制御を行いつつ、潤滑手段へのオイルの供給を継続することができる。また、ダウンシフト時において、蓄圧器の蓄圧を利用した変速制御が行われるとともに、オイルポンプから蓄圧器への蓄圧が規制されることで、アップシフト時に比べて、オイルポンプ及び動力源の負荷を効果的に軽減できる。そのため、ダウンシフト中において、動力源の回転数の上昇速度が低下することが抑制され、これにより、ダウンシフトの速やかな完了が図られる。
請求項5に記載の発明によれば、ダウンシフト時において、蓄圧器の蓄圧を、ダウンシフトの変速制御だけでなく、オイルポンプをオイルモータとして動作させることにも利用できる。そのため、ダウンシフトによる動力源の回転数の上昇をオイルモータによってアシストすることができ、これにより、ダウンシフトに要する時間をより効果的に短縮することができる。
本発明の実施形態に係る車両用駆動装置を示す概略構成図。 油圧制御装置の一例を示す油圧回路図。 変速制御回路の一部を示す油圧回路図。 油圧制御装置の制御動作の流れを示すフローチャート。 非変速中のオイルの流れを示す図2と同様の油圧回路図。 アップシフト中のオイルの流れを示す図2と同様の油圧回路図。 ダウンシフト中のオイルの流れを示す図2と同様の油圧回路図。 アップシフトによる各種要素の経時的変化の一例を示すタイムチャート。 ダウンシフトによる各種要素の経時的変化の一例を示すタイムチャート。 油圧制御装置の変形例を示す油圧回路図。 図10に示す油圧制御装置の制御動作の流れを示すフローチャート。 非変速中のオイルの流れを示す図10と同様の油圧回路図。 アップシフト中のオイルの流れを示す図10と同様の油圧回路図。 ダウンシフト中のオイルの流れを示す図10と同様の油圧回路図。 変形例におけるダウンシフトによる各種要素の経時的変化の一例を示すタイムチャート。 オイルポンプの仕事率を説明するための図。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る車両用駆動装置の実施形態を説明する。
[全体構成]
図1に示すように、本実施形態に係る車両用駆動装置1は、車両を走行させるための動力を発生させる動力源としてのエンジン2と、エンジン2の出力を変速して駆動輪側に伝達する自動変速機10とを備えている。
エンジン2は、例えばガソリンエンジン又はディーゼルエンジンなどの内燃機関である。エンジン2の出力は、クランクシャフト3において出力される。自動変速機10の入力軸9は、例えばクラッチ6を介して断接可能にクランクシャフト3に連結されている。クラッチ6は、車両走行中において基本的には締結されており、クラッチ6の締結状態において自動変速機10の変速が行われる。クランクシャフト3には、変速時のショックを低減するためのダンパ4が設けられている。
なお、車両走行中にエンジン2のアイドルストップが行われる場合には、車両走行中であってもクラッチ6が解放されてもよい。また、エンジン2のクランクシャフト3と自動変速機10の入力軸9との間において、ダンパ4とクラッチ6に代えて、トルクコンバータが設けられてもよい。
自動変速機10の入力軸9上には、クラッチ6の締結状態においてエンジン2により駆動される機械式のオイルポンプ8が設けられている。オイルポンプ8は、入力軸9の回転によって駆動される。オイルポンプ8は、エンジン2が駆動され且つクラッチ6が締結された状態ではエンジン2の回転によって駆動され、車両走行中にクラッチ6が解放された状態では駆動輪の回転によって駆動される。オイルポンプ8で生成された油圧は、自動変速機10及びクラッチ6を制御するための油圧制御装置40で使用される。
自動変速機10は、入力軸9上に設けられた変速機構(図示せず)と、変速機構を収容する変速機ケース(図示せず)とを備え、変速機ケースの底部にオイルパン38(図2参照)が設けられている。自動変速機10は、例えば、動力伝達経路を切り換えるための複数の摩擦締結要素20(図3参照)を備えた有段式の変速機である。複数の摩擦締結要素20は、油圧制御装置40による油圧制御によって選択的に締結され、これにより、各変速段が形成される。
[油圧制御装置]
図2に示すように、油圧制御装置40は、上述のオイルポンプ8と、該オイルポンプ8から吐出されたオイルが選択的に供給される潤滑系回路42及び高圧系回路44とを備えている。
オイルポンプ8は、例えば歯車ポンプである。オイルポンプ8の吐出部には出力ライン50が接続されている。エンジン2の駆動中において、オイルポンプ8は、オイルパン38に貯留されたオイルを吸込部から吸い込んで、吐出部から出力ライン50に吐出する。
オイルポンプ8は、可変容量型であることが好ましい。この場合、オイルポンプ8の吐出圧を安定化させるための油圧のフィードバックが行われてもよい。ただし、オイルポンプ8は、固定容量型であってもよい。
出力ライン50の下流側端部は、回路切換弁46を介して、潤滑系回路42の入力部である潤滑ライン51と、高圧系回路の入力部である高圧ライン52とに分岐されている。これにより、オイルポンプ8の吐出部は、回路切換弁46を介して潤滑系回路42又は高圧系回路44の一方に選択的に接続可能となっている。
潤滑系回路42において、潤滑ライン51は、変速機構を構成するギヤの噛み合い部(図示せず)などの被潤滑部、及び、摩擦締結要素20の摩擦板22,24などの被冷却部にオイルを導く複数の油路(図示せず)に分岐されている。潤滑系回路42の複数の油路から被潤滑部および被冷却部に供給されたオイルは、オイルパン38に戻される。
高圧系回路44において、高圧ライン52の下流側端部には、第1パイロットチェック弁58を介してアキュムレータ48が接続されている。第1パイロットチェック弁58は、例えば油圧信号に基づいて、上流側(オイルポンプ8側)から下流側(アキュムレータ48側)に向かう方向のオイルの流れを許容し、逆方向のオイルの流れを規制する閉状態(図5に示す状態)と、両方向のオイルの流れを許容する開状態(図6及び図7に示す状態)との間で切り換え可能となっている。
第1パイロットチェック弁58の閉状態において、アキュムレータ48は、高圧ライン52を経由して供給されるオイルを取り込んで保持することができ、これにより、アキュムレータ48への蓄圧が可能となっている。第1パイロットチェック弁58の開状態では、アキュムレータ48への蓄圧、及び、アキュムレータ48からのオイルの放出が可能となっている。
高圧ライン52には、回路切換弁46と第1パイロットチェック弁58との間の部分において、変速制御回路55の入力部であるメインライン53が接続されている。変速制御回路55では、複数の摩擦締結要素20を選択的に締結するための油圧制御が行われる。
[変速制御回路]
図3に示すように、変速制御回路55は、摩擦締結要素20毎に、締結用の油圧が供給される油圧室30と、油圧室30に対するオイルの給排を制御する締結制御回路部60とを備えている。
図3に示す例において、摩擦締結要素20は、自動変速機10の変速機構を構成する第1動力伝達部材21及び第2動力伝達部材23間を断接可能に連結するクラッチである。第1動力伝達部材21及び第2動力伝達部材23は、それぞれ、入力軸9の軸心周りに回転可能に設けられた回転部材である。
クラッチ20は、第1動力伝達部材21の筒状部の内周面に係合された少なくとも1つの第1摩擦板22と、第2動力伝達部材23の筒状部の外周面に係合された少なくとも1つの第2摩擦板24と、第1摩擦板22及び第2摩擦板24を押圧するピストン26とを備えている。
第1摩擦板22と第2摩擦板24は、軸方向に交互に配置されている。ピストン26は、入力軸9の軸心周りに回転可能かつ軸方向に摺動可能なように、例えば第1動力伝達部材21に支持されている。ピストン26は、軸方向に摺動することで、第1摩擦板22と第2摩擦板24を軸方向に押圧して互いに締結させる。ピストン26の摺動は、油圧室30に対するオイルの給排によって制御される。
図3に示すクラッチ20は、ピストン26を介して摩擦板22,24を押圧する押圧部材31と、押圧部材31との間に油圧室30を形成する油圧室形成部材32とを備えている。押圧部材31と油圧室形成部材32は、変速機ケースに対する回転が規制された非回転部材である。押圧部材31は、変速機ケースとは別の部材である。油圧室形成部材32は、変速機ケースとは別の部材であってもよいし、変速機ケースと一体であってもよい。
押圧部材31は、油圧室30とは軸方向の反対側において、軸受33を介して回転可能にピストン26を支持している。押圧部材31は、油圧室30に対するオイルの給排に応じて、軸方向に摺動可能に設けられている。押圧部材31と油圧室形成部材32との間には、油圧室形成部材32に対する押圧部材31の相対移動を許容しつつ油圧室30を油密状態に保持するシール部材34が介装されている。シール部材34は、例えば、ゴムからなるOリングである。
押圧部材31と油圧室形成部材32は非回転部材であるため、シール部材34は、両部材31,32間の軸方向の相対移動のみを許容すればよく、相対回転を許容する必要はない。そのため、シール部材34は、両部材31,32に対して比較的強い押圧力を作用させることができ、これにより、高いシール性の確保が可能になっている。
締結制御回路部60は、油圧室30に供給される油圧を制御する油圧制御弁として、リニアソレノイド弁64を備えている。リニアソレノイド弁64の入力部には、入力ライン61を介して上記のメインライン53(図2参照)に接続されている。リニアソレノイド弁64の出力部には、出力ライン62が接続されている。
リニアソレノイド弁64は、その開度に応じた流量のオイルを出力ライン62に吐出する。入力ライン61からリニアソレノイド弁64に供給されたオイルのうち、出力ライン62へ吐出されたオイル以外の残りのオイルは、ドレンライン63を経由してオイルパン38に戻される。
出力ライン62の下流側端部には、第2パイロットチェック弁66を介して油圧室30が接続されている。第2パイロットチェック弁66は、例えば油圧信号に基づいて、上流側(リニアソレノイド弁64側)から下流側(油圧室30側)に向かう方向のオイルの流れを許容し、逆方向のオイルの流れを規制する閉状態と、両方向のオイルの流れを許容する開状態との間で切り換え可能となっている。
油圧室30は、上記のシール部材34と、閉状態の第2パイロットチェック弁66とによって密閉され得る。したがって、第2パイロットチェック弁66が閉状態とされている間、油圧室30に供給された油圧を保持可能となっている。油圧室30への油圧供給は、第2パイロットチェック弁66の開状態および閉状態のいずれにおいても可能である。油圧室30からの排油は、第2パイロットチェック弁66の開状態において可能となっている。
油圧室30に油圧が供給されると、押圧部材31は、ピストン26と共に、摩擦板22,24を押圧する方向(締結方向)に摺動する。これにより、摩擦板22,24は、ピストン26によって押圧されて締結され得る。摩擦板22,24が一旦締結されると、閉状態の第2パイロットチェック弁66によって油圧室30の油圧が維持される限り、摩擦板22,24の締結状態が維持される。
第2パイロットチェック弁66の開状態において油圧室30の油圧が低下すると、例えばリターンスプリング(図示せず)の付勢力によって、ピストン26及び押圧部材31が、摩擦板22,24から離反する方向(解放方向)に摺動し、これにより、摩擦板22,24が解放される。
なお、図3は、摩擦締結要素20がクラッチである例を示しているが、回転部材(回転要素)と非回転部材(固定要素)とを連結するブレーキについても、基本的には同様の油圧室30及び締結制御回路部60が設けられる。ただし、ブレーキにおいて、摩擦板を直接押圧するピストンは非回転部材であってもよく、上記の押圧部材31がピストンとして用いられてもよい。
[制御システム]
図1に戻って、油圧制御装置40は、制御装置80からの電気信号によって制御される。制御装置80は、例えばマイクロプロセッサを主要部として構成されている。制御装置80は、中央演算処理装置(CPU)、例えばRAM及びROMを含むメモリ、並びに、入出力インターフェース回路を備えている。
制御装置80には、例えば、車両の速度を検出する車速センサ81、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ82、ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキスイッチ83、自動変速機10のシフトレンジを検出するレンジセンサ84、及び、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数センサ85からの信号が入力される。
なお、これら以外にも、油圧制御装置40に用いられる作動油の温度を検出する油温センサなど、各種機器からの信号が制御装置80に入力されるようにしてもよい。
制御装置80は、各種入力信号に基づき、油圧制御装置40に制御信号を出力して、自動変速機10を制御する。変速制御では、例えば、車速センサ81によって検出される車速、アクセル開度センサ82によって検出されるアクセル開度、及び、所定の変速マップに基づいて、目標変速段が決定される。
目標変速段への変速が行われるときは、いわゆる掛け替えが行われる解放側の摩擦締結要素20及び締結側の摩擦締結要素20のそれぞれに対応する締結制御回路部60が制御される。
図3を参照して具体的に説明すると、変速開始時点で締結されていた解放側の摩擦締結要素20では、第2パイロットチェック弁66が開状態とされ、油圧室30の油圧が低下するようにリニアソレノイド弁64が制御されることで、摩擦締結要素20が解放される。一方、変速開始時点で解放されていた締結側の摩擦締結要素20では、締結用油圧が上昇するようにリニアソレノイド弁64が制御されることで、摩擦締結要素20が締結される。なお、このような締結制御が行われているとき、第2パイロットチェック弁66は開状態とされていてもよいし、閉状態とされていてもよい。
[制御動作]
主として図4に示すフローチャートを参照するとともに、適宜、図3及び図5~図7に示す油圧回路図を併せて参照しながら、油圧制御装置40の制御動作の具体例を説明する。
図4に示すように、先ず、ステップS1では、自動変速機10が変速中であるか否かが判定される。
ステップS1の判定の結果、変速中でなければ、ステップS2において、高圧系回路44の第1パイロットチェック弁58が閉状態とされる(図5参照)。これにより、アキュムレータ48に蓄えられた油圧が維持される。
また、ステップS2では、全ての摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60において、第2パイロットチェック弁66(図3参照)が閉状態とされ、これにより、各摩擦締結要素20の油圧室30の油圧が維持される。したがって、締結状態の摩擦締結要素20では、油圧室30への油圧供給を継続しなくても、締結状態が維持される。
さらに、非変速中には、ステップS3において、オイルポンプ8の出力ライン50が潤滑ライン51に接続されるように、回路切換弁46が制御される(図5参照)。これにより、非変速中において、オイルポンプ8から吐出されたオイルは、潤滑系回路42を経由して自動変速機10の被潤滑部および被冷却部に供給される。
一方、ステップS1の判定の結果、自動変速機10が変速中である場合、ステップS4において、高圧系回路44の第1パイロットチェック弁58が開状態とされる(図6及び図7参照)。これにより、アキュムレータ48から変速制御回路55への油圧供給が可能になる。
また、ステップS4では、変速のための掛け替えが行われる解放側および締結側の各摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60において、第2パイロットチェック弁66(図3参照)が開状態とされ、これにより、油圧室30からの排油が可能になる。したがって、解放側の摩擦締結要素20において解放が促進され、締結側の摩擦締結要素20では、油圧室30の油圧が適切に抑制される。
さらに、ステップS4において、掛け替えが行われない各摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60では、第2パイロットチェック弁66が閉状態に維持される。なお、ステップS4において、締結側の摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60においても、第2パイロットチェック弁66が閉状態に維持されてもよい。
続くステップS5では、変速がアップシフト又はダウンシフトのいずれに該当するかが判定される。
ステップS5の判定の結果、アップシフトである場合、ステップS6において、オイルポンプ8の出力ライン50が高圧ライン52に接続されるように、回路切換弁46が制御される(図6参照)。これにより、アップシフト中において、オイルポンプ8から吐出されたオイルが高圧系回路44に供給される。
アップシフト中において、高圧系回路44では、オイルポンプ8からアキュムレータ48へのオイル供給によって、アキュムレータ48への蓄圧が可能になる。また、アキュムレータ48への蓄圧と並行して、アキュムレータ48及びオイルポンプ8の少なくとも一方から変速制御回路55へのオイル供給が可能になり、これにより、変速制御回路55での変速制御が可能になる。
続くステップS7では、アップシフトのための掛け替えが行われる解放側及び締結側の各摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60(図3参照)において、上述の締結制御および解放制御が行われる。ステップS7において、締結制御には、上記のようにアキュムレータ48及びオイルポンプ8の少なくとも一方から変速制御回路55に供給されるオイルが利用される。
なお、変速制御回路55に供給されたオイルのうち、締結制御で使用されない余剰のオイル、及び、解放制御によって解放側の摩擦締結要素20の油圧室30から排出されたオイルは、ドレンライン63を経由してオイルパン38に戻される。
一方、ステップS5の判定の結果、ダウンシフトである場合、ステップS8において、オイルポンプ8の出力ライン50が潤滑ライン51に接続されるように、回路切換弁46が制御される(図7参照)。これにより、ダウンシフト中において、潤滑系回路42を経由した被潤滑部および被冷却部へのオイル供給を継続できる。
また、ダウンシフト中において、高圧系回路44では、アキュムレータ48から変速制御回路55への油圧供給が可能となっている。これにより、アップシフト時にアキュムレータ48に蓄えられた油圧を利用して、ダウンシフトのための油圧制御が可能となっている。
続くステップS9では、ダウンシフトのための掛け替えが行われる解放側及び締結側の各摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60(図3参照)において、締結制御または解放制御が上記と同様に行われる。
[アップシフトの動作例]
図8に示すタイムチャートを参照しながら、車両走行中において所定の変速段からこれよりも少なくとも1段高い変速段へアップシフトされる場合における各種動作の経時的変化の具体例を説明する。
図8に示す例において、時刻t1までの非変速状態において、オイルポンプ8から吐出されたオイルは、専ら潤滑系回路42で使用されるため(図5参照)、高圧系回路44に油圧を供給する必要がない。これにより、オイルポンプ8の吐出圧の低減が図られる。そのため、図8(g)に示すように、従来のように常に変速制御回路と潤滑系回路の両方にオイルが供給される場合の負荷トルクG2に比べて、オイルポンプ8の負荷トルクG1を低減できる。
時刻t1から時刻t4までのアップシフト中において、オイルポンプ8の吐出部は高圧系回路44に接続され(図4のステップS6及び図8(b)参照)、高圧系回路44の第1パイロットチェック弁58と、掛け替えが行われる摩擦締結要素20に対応する各締結制御回路部60の第2パイロットチェック弁66とは開状態とされる(図4のステップS4、図8(c)、及び図8(d)参照)。
時刻t2から時刻t3にかけて摩擦締結要素20の掛け替えが行われる間、アキュムレータ48及びオイルポンプ8の少なくとも一方から締結側の摩擦締結要素20の油圧室30にオイルが供給される(図8(h)参照)。この間、エンジン回転数E1は次第に低下する(図8(e)参照)。
アップシフト中には、オイルポンプ8からアキュムレータ48への蓄圧が行われ(図8(i)参照)、これにより、オイルポンプ8の負荷トルクG1が増大する(図8(g)参照)。したがって、図8(e)の符号E2に示すように仮にアキュムレータ48への蓄圧が行われない場合に比べて、エンジン回転数E1を、アップシフト後の変速段に対応する値まで速やかに低下させることができ、これにより、アップシフトに要する時間の短縮を図ることができ、かつ、このアキュムレータ48に蓄圧された油圧は、アップシフト時の動力源の回転数を低下させるエネルギーにより供給されるものであり、この回転数を低下させるエネルギーは従来、摩擦締結要素の摩擦熱等で放熱廃棄されていたものであるため、そのエネルギーを活用することにより、オイルポンプ8の仕事率を効果的に低減できる。
なお、従来は、アップシフト中にエンジン2の回転数を速やかに低下させるために、エンジン2の点火タイミングを遅らせることなどによって、図8(f)の符号F2に示すようにエンジン2のトルクを低下させることがある。本実施形態では、そのようなエンジン2のトルクダウンを省略できるため、オイルポンプ8の負荷トルクG1の増大による燃費性能の悪化を抑制できる。
[ダウンシフトの動作例]
図9に示すタイムチャートを参照しながら、車両走行中において所定の変速段からこれよりも少なくとも1段低い変速段へダウンシフトされる場合における各種動作の経時的変化の具体例を説明する。
図9に示す例において、時刻t11から時刻t14までのダウンシフト中には、アップシフトと同様、高圧系回路44の第1パイロットチェック弁58と、掛け替えが行われる摩擦締結要素20に対応する各締結制御回路部60の第2パイロットチェック弁66とは開状態とされる(図4のステップS4、図9(c)、及び図9(d)参照)。
時刻t12から時刻t13にかけて摩擦締結要素20の掛け替えが行われる間、締結側の摩擦締結要素20の油圧室30へのオイル供給(図9(h)参照)には、アキュムレータ48の蓄圧が利用される(図9(i)参照)。この間、エンジン回転数E1は次第に増大する(図9(e)参照)。
ダウンシフト中には、オイルポンプ8の吐出部が潤滑系回路42に接続された状態が継続される(図4のステップS8及び図9(b)参照)。したがって、変速機ケース内の各部の潤滑および冷却を継続しつつ、アキュムレータ48の蓄圧を利用したダウンシフトを行うことができる。
また、ダウンシフト中には、アキュムレータ48を蓄圧したり、変速制御回路55に油圧を供給したりする必要がないことから、非変速中と同様、オイルポンプ8及びエンジン2の負荷を効果的に軽減できる(図9(g)参照)。そのため、ダウンシフト中において、エンジン2の回転数の上昇速度が低下することが抑制され、これにより、ダウンシフトの速やかな完了が図られる。
以上のように、本実施形態によれば、非変速中およびダウンシフト中において、高圧系回路44に油圧を供給する必要がない。また、ダウンシフト中およびアップシフト中において、油圧室30への油圧供給にはアキュムレータ48の蓄圧が利用される。したがって、締結制御に用いられるような高い油圧(図16の符号P1参照)をオイルポンプ8で生成しなくてもよく、かつ、アキュムレータ48に蓄圧された油圧は、アップシフト時の動力源の回転数を低下させるエネルギーより供給されるものであり、この回転数を低下させるエネルギーは従来、摩擦締結要素の摩擦熱等で放熱廃棄されていたものであるため、そのエネルギーを活用することにより、オイルポンプ8の仕事率を効果的に低減できる。
さらに、締結完了後において、油圧室30は閉状態の第2パイロットチェック弁66によって密閉されるため、油圧室30への油圧供給を停止しても締結状態を維持できる。そのため、オイルポンプ8の吐出圧を、潤滑系回路42へのオイル供給を可能にする程度の低い油圧(図16の符号P2参照)に低減できる。
また、オイルポンプ8から吐出されたオイルは、常に、潤滑系回路42又は高圧系回路44のいずれか一方のみに供給されるため、オイルポンプ8の吐出流量を効果的に低減できる。
したがって、吐出圧と吐出流量が低減されることで、オイルポンプ8の仕事率を効果的に低減でき、これにより、エンジン2の負荷軽減、ひいては、燃費性能の向上を図ることができる。
さらに、非変速中には油圧室30が密閉されるため、変速時にアキュムレータ48から油圧室30に供給されるオイルは少量で済む。そのため、アキュムレータ48におけるオイル貯留量の低減、ひいてはアキュムレータ48の小容量化を図ることができる。
また、1つのオイルポンプ8を潤滑と変速制御に兼用できるため、仮に潤滑専用のオイルポンプと変速制御専用のオイルポンプを併用する場合に比べて、部品点数の削減、構造の簡素化、及びレイアウト自由度を図る上で有利である。
さらに、アップシフト時にアキュムレータ48に蓄えられたオイルは、アイドルストップ中の油圧制御にも利用できるため、アイドルストップ用の電動式オイルポンプを削減できる利点もある。
[変形例]
以下、図10~図15を参照しながら、変形例に係る油圧制御装置100の構成を説明する。なお、変形例において、上述の油圧制御装置40と同様の構成については説明を省略するとともに、図10及び図12~図14において同一の符号を付している。
図10に示すように、変形例に係る油圧制御装置100は、オイルポンプ8の機能を、エンジン2又は駆動輪によって駆動されるポンプ機能と、エンジン2(図1参照)の回転を補助するモータ機能との間で切り換える機能切換機構101を備えている。
機能切換機構101は、オイルポンプ8の吸込部に接続された吸込切換弁102と、オイルポンプ8の吐出部に接続された吐出切換弁103とを備えている。吸込切換弁102と吐出切換弁103とは、接続ライン104を介して互いに接続されており、接続ライン104上にオイルポンプ8が設けられている。
吸込切換弁102は、オイルパン38からオイルポンプ8の吸込部へオイルを導くためのポンプ用入力ライン105に、接続ライン104の入力側端部(上流側端部)を接続可能に設けられている。吐出切換弁103は、オイルポンプ8から吐出されたオイルを潤滑系回路42又は高圧系回路44に供給するための供給ライン106に、接続ライン104の出力側端部(下流側端部)を接続可能に設けられている。
供給ライン106の下流側端部は、上述の回路切換弁46に接続されている。すなわち、供給ライン106は、回路切換弁46を介して潤滑系回路42又は高圧系回路44のいずれか一方に選択的に接続される。供給ライン106上には、上流側(オイルポンプ8側)から下流側(回路切換弁46側)に向かう方向のオイルの流れを許容し、逆方向のオイルの流れを規制する逆止弁110が設けられている。
供給ライン106における逆止弁110と回路切換弁46との間の部分には、アキュムレータ48からオイルポンプ8の吸込部にオイルを導くためのモータ用入力ライン107の一端が接続されている。モータ用入力ライン107の他端は、吸込切換弁102を介して接続ライン104に接続可能となっている。すなわち、吸込切換弁102は、オイルポンプ8の吸込部をポンプ用入力ライン105又はモータ用入力ライン107のいずれか一方に選択的に接続させる。
また、油圧制御装置100は、オイルポンプ8から吐出されたオイルを潤滑系回路42及び高圧系回路44のいずれにも供給することなくオイルパン38に戻すドレンライン108を備えている。吐出切換弁103は、オイルポンプ8の吐出部を供給ライン106又はドレンライン108のいずれか一方に選択的に接続させる。
油圧制御装置100におけるその他の構成は、上述した油圧制御装置40と同様であるため、詳細な説明を省略する。油圧制御装置100の各種動作は、上述の制御装置80(図1参照)によって制御される。
[変形例の制御動作]
主として図11に示すフローチャートを参照するとともに、適宜、図10及び図12~図14に示す油圧回路図を併せて参照しながら、変形例に係る油圧制御装置100の制御動作の具体例を説明する。
図11に示すように、先ず、ステップS11では、自動変速機10が変速中であるか否かが判定される。
ステップS11の判定の結果、変速中でなければ、ステップS12において、高圧系回路44の第1パイロットチェック弁58が閉状態とされる(図12参照)。これにより、アキュムレータ48に蓄えられた油圧が維持される。
また、ステップS12では、全ての摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60において、第2パイロットチェック弁66(図3参照)が閉状態とされ、これにより、各摩擦締結要素20の油圧室30の油圧が維持される。したがって、締結状態の摩擦締結要素20では、油圧室30への油圧供給を継続しなくても、締結状態が維持される。
さらに、非変速中には、ステップS13において、接続ライン104の入力側がポンプ用入力ライン105に接続されるように吸込切換弁102が制御されるとともに、接続ライン104の出力側が供給ライン106に接続されるように吐出切換弁103が制御される(図12参照)。
また、ステップS14において、供給ライン106が潤滑ライン51に接続されるように、回路切換弁46が制御される(図12参照)。これにより、非変速中において、オイルポンプ8から吐出されたオイルは、潤滑系回路42を経由して自動変速機10の被潤滑部および被冷却部に供給される。
一方、ステップS11の判定の結果、自動変速機10が変速中である場合、ステップS15において、高圧系回路44の第1パイロットチェック弁58が開状態とされる(図13及び図14参照)。これにより、アキュムレータ48から変速制御回路55への油圧供給が可能になる。
また、ステップS15では、変速のための掛け替えが行われる解放側および締結側の各摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60において、第2パイロットチェック弁66(図3参照)が開状態とされ、これにより、油圧室30からの排油が可能になる。したがって、解放側の摩擦締結要素20において解放が促進され、締結側の摩擦締結要素20では、油圧室30の過剰な油圧上昇が抑制される。
さらに、ステップS15において、掛け替えが行われない各摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60では、第2パイロットチェック弁66が閉状態に維持される。なお、ステップS15において、締結側の摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60においても、第2パイロットチェック弁66が閉状態に維持されてもよい。
続くステップS16では、変速がアップシフト又はダウンシフトのいずれに該当するかが判定される。
ステップS16の判定の結果、アップシフトである場合、ステップS17において、非変速中と同様、接続ライン104の入力側がポンプ用入力ライン105に接続されるように吸込切換弁102が制御されるとともに、接続ライン104の出力側が供給ライン106に接続されるように吐出切換弁103が制御される(図13参照)。
また、ステップS18において、供給ライン106が高圧ライン52に接続されるように、回路切換弁46が制御される(図13参照)。これにより、アップシフト中において、オイルポンプ8から吐出されたオイルが高圧系回路44に供給される。
アップシフト中において、高圧系回路44では、オイルポンプ8からアキュムレータ48へのオイル供給によって、アキュムレータ48への蓄圧が可能になる。また、アキュムレータ48への蓄圧と並行して、アキュムレータ48及びオイルポンプ8の少なくとも一方から変速制御回路55へのオイル供給が可能になり、これにより、変速制御回路55での変速制御が可能になる。
続くステップS19では、アップシフトのための掛け替えが行われる解放側及び締結側の各摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60(図3参照)において、上述の締結制御および解放制御が行われる。ステップS19において、締結制御には、上記のようにアキュムレータ48及びオイルポンプ8の少なくとも一方から変速制御回路55に供給されるオイルが利用される。
なお、変速制御回路55に供給されたオイルのうち、締結制御で使用されない余剰のオイル、及び、解放制御によって解放側の摩擦締結要素20の油圧室30から排出されたオイルは、ドレンライン63を経由してオイルパン38に戻される。
一方、ステップS16の判定の結果、ダウンシフトである場合、ステップS20において、高圧ライン52がモータ用入力ライン107に接続されるように回路切換弁46が制御される(図14参照)。
また、ステップS21において、接続ライン104の入力側がモータ用入力ライン107に接続されるように吸込切換弁102が制御されるとともに、接続ライン104の出力側がドレンライン108に接続されるように吐出切換弁103が制御される(図14参照)。
これにより、ダウンシフト中には、アキュムレータ48に蓄えられた油圧がオイルポンプ8の吸込部に供給されることで、オイルポンプ8は、エンジン2にトルクを付加するオイルモータとして作動することができる。
また、ダウンシフト中において、高圧系回路44では、アキュムレータ48から変速制御回路55への油圧供給が可能となっている。これにより、アップシフト時にアキュムレータ48に蓄えられた油圧を利用して、ダウンシフトのための油圧制御が可能となっている。
続くステップS22では、ダウンシフトのための掛け替えが行われる解放側及び締結側の各摩擦締結要素20に対応する締結制御回路部60(図3参照)において、締結制御または解放制御が上記と同様に行われる。
[変形例におけるダウンシフトの動作例]
図15に示すタイムチャートを参照しながら、変形例に係る油圧制御装置100について、車両走行中において所定の変速段からこれよりも少なくとも1段低い変速段へダウンシフトされる場合における各種動作の経時的変化の具体例を説明する。
図15に示す例において、時刻t21から時刻t24までのダウンシフト中には、高圧系回路44の第1パイロットチェック弁58と、掛け替えが行われる摩擦締結要素20に対応する各締結制御回路部60の第2パイロットチェック弁66とは開状態とされる(図11のステップS15、図15(e)、及び図15(f)参照)。
時刻t22から時刻t23にかけて摩擦締結要素20の掛け替えが行われる間、締結側の摩擦締結要素20の油圧室30へのオイル供給(図15(j)参照)には、アキュムレータ48の蓄圧が利用される(図15(k)参照)。この間、エンジン回転数G11は次第に増大する(図15(g)参照)。
また、ダウンシフト中には、高圧ライン52がモータ用入力ライン107に接続されるように回路切換弁46が制御され(図11のステップS20、図15(b)参照)、接続ライン104の入力側にモータ用入力ライン107が接続されるように吸込切換弁102が制御され(図11のステップS21、及び図15(c)参照)、接続ライン104の出力側がドレンライン108に接続されるように吐出切換弁103が制御される(図11のステップS21、及び図15(d)参照)。
これにより、アキュムレータ48の蓄圧を利用して、オイルポンプ8をオイルモータとして作動させることができる。そのため、仮にオイルポンプ8がオイルモータとして作動させない場合におけるエンジン回転数G12に比べて、エンジン回転数G11の上昇速度が増大する。したがって、ダウンシフトに要する時間を効果的に短縮することができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、有段式の自動変速機10を備えた車両用駆動装置1について説明したが、本発明において、自動変速機は、少なくとも1つの摩擦締結要素を備えた無段変速機であってもよい。
以上のように、本発明によれば、車両の動力源によって駆動されるオイルポンプが変速制御と潤滑に兼用される車両用駆動装置において、オイルポンプの仕事率を低減することで、動力源の負荷を軽減できる車両用駆動装置を提供することが可能となるから、この種の駆動装置が搭載された車両の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 車両用駆動装置
2 エンジン(動力源)
8 オイルポンプ
10 自動変速機
20 摩擦締結要素
26 ピストン
30 油圧室
31 押圧部材
32 油圧室形成部材
34 シール部材
38 オイルパン
40 油圧制御装置
42 潤滑系回路(潤滑手段)
44 高圧系回路
46 回路切換弁(切換手段)
48 アキュムレータ(蓄圧器)
55 変速制御回路(変速制御手段)
58 第1パイロットチェック弁
66 第2パイロットチェック弁(密閉手段)
80 制御装置(切換制御手段)
100 油圧制御装置
101 機能切換機構
102 吸込切換弁
103 吐出切換弁

Claims (5)

  1. 車両を走行させるための動力を発生させる動力源と、
    前記動力源によって駆動されるオイルポンプと、
    前記動力源の出力を変速して車輪側に伝達する自動変速機と、
    前記自動変速機の被潤滑部または被冷却部の少なくとも一方にオイルを供給する潤滑手段と、
    前記オイルポンプから吐出されたオイルによって蓄圧される蓄圧器と、
    前記蓄圧器に蓄えられた油圧を維持させる閉状態と、前記蓄圧器への蓄圧および前記蓄圧器からのオイルの放出の両方を許容する開状態との間で切り換え可能であるチェック弁と、
    前記オイルポンプの吐出部を前記潤滑手段または前記蓄圧器に選択的に接続する切換手段と、
    変速が行われていないときに前記チェック弁を前記閉状態にするとともに前記吐出部を前記潤滑手段に接続させ、変速が行われているときに前記チェック弁を前記開状態にし、アップシフトが行われているときに前記吐出部を前記蓄圧器に接続させるように、前記切換手段を制御する切換制御手段と、
    前記蓄圧器に蓄えられた油圧を利用して、前記自動変速機の変速を制御する変速制御手段と、を備えたことを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 前記変速制御手段は、前記自動変速機の摩擦締結要素を締結させるための油圧が供給される油圧室と、前記摩擦締結要素の締結状態において前記油圧室を密閉する密閉手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記摩擦締結要素は、押圧によって締結される複数の摩擦板と、該複数の摩擦板を押圧する押圧部材と、該押圧部材との間に前記油圧室を形成する油圧室形成部材とを備え、
    前記押圧部材と前記油圧室形成部材とは、変速機ケースに対する回転が規制された非回転部材であることを特徴とする請求項2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記切換制御手段は、ダウンシフトが行われているときに前記吐出部を前記潤滑手段に接続させるように前記切換手段を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記蓄圧器は、前記切換手段を経由して前記オイルポンプの吸込部に接続可能に設けられ、
    前記切換制御手段は、ダウンシフトが行われているときに前記蓄圧器を前記吸込部に接続させるように前記切換手段を制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
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