JP7154574B2 - 歯車機構、及び、内接式遊星歯車減速機 - Google Patents

歯車機構、及び、内接式遊星歯車減速機 Download PDF

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Description

本発明は、歯車機構、及び、内接式遊星歯車減速機に関する。
固定された固定歯車と、前記固定歯車と噛み合い自転中心を中心として自転しつつ公転中心を中心として公転する移動歯車とを備えた歯車機構は、既によく知られている。このような歯車機構は、広く用いられ、例えば、内接式遊星歯車減速機に採用されている(例えば、特許文献1)。
特開2016-133179号公報
従来は、このような歯車機構として、歯車の歯形状がインボリュート曲線で構成されているものが知られていた。このようなインボリュート曲線に係る歯車機構は、歯車の性質の一つである等速性を満たすものの、歯車の噛み合いにおける干渉に起因して高減速比が得られない等の欠点もあり、新たな歯形状を備えた歯車機構が要請されていた。
また、歯形状が半円形状である歯車が知られているが、このような歯車はピッチが大きくなり(一つ一つの歯が大きくなり)、コンパクト化できないという欠点があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンパクト性を備え等速性を満たすように形成された新たな歯形状を有する歯車機構を提供することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、
固定された固定歯車と、前記固定歯車と噛み合い自転中心を中心として自転しつつ公転中心を中心として公転する移動歯車と、を備えた歯車機構であって、
前記固定歯車及び前記移動歯車の一方の歯は、第一歯先部と、前記第一歯先部の両側に位置し、前記固定歯車及び前記移動歯車の他方の歯と接触する一対の第一歯側部と、を有し、
前記一対の第一歯側部の各々は、円弧形状を有し、各々の前記円弧形状の中心位置は、互いに異なっており、
前記他方の歯は、第二歯先部と、前記第二歯先部の両側に位置し、前記一方の歯と接触する一対の第二歯側部と、を有し、
前記一対の第二歯側部の形状は、
前記第一歯側部の前記第二歯側部への接触部における共通法線と、前記公転中心と前記自転中心を結んだ直線と、の交点の移動軌跡が、
前記第一歯側部が前記第二歯側部に接触し始めてから接触し終えるまでの間、前記公転中心を中心とした円軌跡となるように、
形成されていることを特徴とする歯車機構である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本実施の形態に係る内接式遊星歯車減速機10を説明するための説明図である。 図1のA-A断面図である。 外歯42と内歯52を説明するための説明図である。 等速性を満足する条件を説明するための説明図である。 外歯42が内歯52に噛み合い始めてから噛み合い終えるまでの遊星外歯車40及び固定内歯車50の様子を示した図である。 本実施の形態に係る外歯42の形状の優位性を説明するための説明図である。 変形例に係る内接式遊星歯車減速機10を説明するための説明図である。 図7のA-A断面図である。 図7のB-B断面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
固定された固定歯車と、前記固定歯車と噛み合い自転中心を中心として自転しつつ公転中心を中心として公転する移動歯車と、を備えた歯車機構であって、
前記固定歯車及び前記移動歯車の一方の歯は、第一歯先部と、前記第一歯先部の両側に位置し、前記固定歯車及び前記移動歯車の他方の歯と接触する一対の第一歯側部と、を有し、
前記一対の第一歯側部の各々は、円弧形状を有し、各々の前記円弧形状の中心位置は、互いに異なっており、
前記他方の歯は、第二歯先部と、前記第二歯先部の両側に位置し、前記一方の歯と接触する一対の第二歯側部と、を有し、
前記一対の第二歯側部の形状は、
前記第一歯側部の前記第二歯側部への接触部における共通法線と、前記公転中心と前記自転中心を結んだ直線と、の交点の移動軌跡が、
前記第一歯側部が前記第二歯側部に接触し始めてから接触し終えるまでの間、前記公転中心を中心とした円軌跡となるように、
形成されていることを特徴とする歯車機構。
このような歯車機構によれば、コンパクト性を備え等速性を満たすように形成された新たな歯形状を有する歯車機構を提供することが可能となる。
かかる歯車機構であって、
前記固定歯車は、内歯車であり、
前記移動歯車は、外歯車であることとしてもよい。
このような歯車機構によれば、当該歯車機構を内接式遊星歯車減速機等に応用可能となる。
かかる歯車機構であって、
入力軸と、前記入力軸と一体的に設けられた偏心軸と、前記偏心軸を受ける偏心軸受と、を有し、
前記移動歯車は前記偏心軸受を介して前記偏心軸に取り付けられており、
前記入力軸が前記偏心軸と一体的に回転することで前記偏心軸が偏心回転することにより前記移動歯車が自転しつつ公転し、
前記公転中心は、前記入力軸の軸中心であることとしてもよい。
このような歯車機構によれば、コンパクト性を備え等速性を満たすように形成された新たな歯形状を有する歯車機構を簡便に実現することができる。
次に、上記歯車機構を備えたことを特徴とする内接式遊星歯車減速機。
このような内接式遊星歯車減速機によれば、コンパクト性を備え等速性を満たすように形成された新たな歯形状を有する内接式遊星歯車減速機を提供することが可能となる。
===本実施の形態に係る内接式遊星歯車減速機10について===
次に、本実施の形態に係る歯車機構1(具体的には、内接式遊星歯車減速機10)について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る内接式遊星歯車減速機10を説明するための説明図である。図2は、図1のA-A断面図である。
内接式遊星歯車減速機10は、入力軸20と、クランク軸30(偏心軸に相当)と、クランク軸受32(偏心軸受に相当)と、遊星外歯車40(移動歯車に相当)と、固定内歯車50(固定歯車に相当)と、ピン60と、出力軸70と、を備えている。
入力軸20は、ハウジング12に固定された入力軸受22により回転可能に支持されており、不図示の駆動源(モータ等)に接続されている。そして、駆動源の駆動力が入力軸20に伝達されることにより、入力軸20が回転するようになっている。
クランク軸30は、入力軸20の先端部に当該入力軸20と一体的に設けられている。クランク軸30は、所謂偏心軸であり、入力軸20が回転すると偏心回転するようになっている。
クランク軸受32は、クランク軸30を受けるベアリングである。このクランク軸受32は、図2に示すように、クランク軸30の外側に位置している。
遊星外歯車40は、クランク軸受32を介して、クランク軸30に取り付けられている外歯車である。図2に示すように、クランク軸30の外側にクランク軸受32が位置し、クランク軸受32の外側に遊星外歯車40が位置するように、遊星外歯車40がクランク軸30に取り付けられている。すなわち、遊星外歯車40の内部には、クランク軸受32とクランク軸30を収容するための穴部が備えられている。
固定内歯車50は、ハウジング12にネジ14により固定された内歯車である。したがって、この固定内歯車50は移動(回転)不能となっている。
そして、前記遊星外歯車40は当該固定内歯車50と噛み合っている。具体的には、クランク軸30が偏心軸となっているため、クランク軸30の上死点位置で固定内歯車50と遊星外歯車40が噛み合い(接触し、図2における符号A1参照)、クランク軸30の下死点位置で固定内歯車50と遊星外歯車40が噛み合わない(隙間が存在する、図2における符号A2参照)ようになっている。
クランク軸30が偏心回転すると、上死点位置が周方向に沿って移動する。そして、当該上死点位置の移動により、遊星外歯車40は、固定内歯車50との接触位置を変えながら、自転中心を中心として自転しつつ公転中心を中心として公転する。なお、遊星外歯車40の公転中心は、入力軸20の軸中心となっており、固定である。その一方で、自転中心は、遊星外歯車40が公転するため、移動する(公転中心を中心とした円運動を行う)。
ピン60は、遊星外歯車40の自転運動を出力軸70に伝達するためのものである。遊星外歯車40には、図2に示すように、周方向に沿って等間隔に6つのピン穴40aが形成されている。そして、各々のピン穴40aにピン60が入力軸20の軸方向に沿った状態で挿入されている(したがって、6つのピン60が設けられている)。また、各ピン60は、出力軸70に対し、周方向に沿って等間隔に固定されている。したがって、遊星外歯車40が自転運動すると、ピン穴40aによりピン60が押され、出力軸70が回転することとなる。
なお、ピン穴40aの径はピン60の径よりも偏心量の2倍分大きくなっている。すなわち、ピン穴40aとピン60の間には隙間が存在し、この隙間が偏心によるミスアライメントを吸収するようになっている。
出力軸70は、ハウジング12に固定された出力軸受72により回転可能に支持されている。出力軸70の中心軸は、入力軸20の中心軸の延長線上に位置しており、双方の中心軸の軸方向は一致している。
次に、内接式遊星歯車減速機10の動作について説明する。
駆動源の駆動力が入力軸20に伝達されて入力軸20が回転すると、入力軸20と一体的にクランク軸30が偏心回転する。そして、クランク軸30が偏心回転すると、遊星外歯車40が固定内歯車50との接触位置を変えながら、自転運動かつ公転運動を行う。つまり、入力軸20がクランク軸30と一体的に回転することでクランク軸30が偏心回転することにより遊星外歯車40が自転しつつ公転する。
ここで、入力軸20(クランク軸30)が1回転すると、遊星外歯車40は1公転するが、この遊星外歯車40の1公転の間に、遊星外歯車40は、遊星外歯車40と固定内歯車50の歯数差分の自転を行う(遊星外歯車40の歯数をZ1、固定内歯車50の歯数をZ2としたときに、(Z2-Z1)/Z1回の自転)。
本実施の形態においては、遊星外歯車40の歯数が50に対し、固定内歯車50の歯数が51となっている。したがって、遊星外歯車40は、1公転の間に、(51-50)/50=1/50自転する(換言すれば、50公転の間に1自転)。
遊星外歯車40が自転すると、この自転がピン60により出力軸70に伝達され、出力軸70が回転する。遊星外歯車40が1回転すると出力軸70が1回転するので、入力軸20(クランク軸30)が1回転すると、出力軸は(Z2-Z1)/Z1回転(本実施の形態においては1/50)することになる。したがって、内接式遊星歯車減速機10の減速比は、Z1/(Z2-Z1)となる(本実施の形態においては、50)
<<<遊星外歯車40の歯と固定内歯車50の歯の構成について>>>
次に、遊星外歯車40の歯(以下、外歯42と呼ぶ)と固定内歯車50の歯(以下、内歯52と呼ぶ)の構成について、図3乃至図5を用いて説明する。図3は、外歯42と内歯52を説明するための説明図である。図4は、等速性を満足する条件を説明するための説明図である。図5については、後述する。なお、図3及び図4においては、図を分かり易くするために、便宜上、外歯42(内歯52)を一つのみとし、他の外歯42(内歯52)の記載を省略している。
外歯42及び内歯52の一方(本実施の形態においては、外歯42)は、歯車において一般的なインボリュート曲線とは異なる円弧曲線を備えた歯側部を有している。すなわち、外歯42は、外歯先部43(第一歯先部に相当、円弧形状ではない)と、外歯先部43の両側に位置し、内歯52と接触する一対の外歯側部44(第一歯側部に相当)と、を有しており、当該一対の外歯側部44の各々は、円弧形状を有している。そして、各々の当該円弧形状の中心位置C1、C2は、互いに異なっている。
一方で、外歯42及び内歯52の他方(本実施の形態においては、内歯52)は、等速性を満たすように歯側部の形状が決められている(設計されている)。ここで、等速性とは、駆動源によるクランク軸30の偏心回転により遊星外歯車40が公転運動を一定角速度で行ったとしたときに、遊星外歯車40の自転運動もカクつくことなく一定角速度で行われる性質を言う。そして、当該等速性を満たすように、換言すれば、公転角速度と自転角速度の比が一定となるように、歯側部の形状が設計される。
つまり、内歯52は、内歯先部53(第二歯先部に相当)と、内歯先部53の両側に位置し、外歯42と接触する一対の内歯側部54(第二歯側部に相当)と、を有しており、当該一対の内歯側部54の各々の形状は、等速性を満足するように決められている(インボリュート曲線や円弧曲線とは異なる)。
以下では、この内歯側部54の形状がどのようにして決められているかについて、図4及び図5を用いて説明する。
遊星外歯車40の公転角速度をω1、遊星外歯車40の自転角速度をω2、接触点をpとしたとき、接触点pにおける共通接線Tと共通法線Nは図4のように引くことができる。接触点pにおける瞬間的な速度として、遊星外歯車40の公転に伴う速度をvc、遊星外歯車40の自転に伴う速度をvと定義する。このとき、それぞれの速度を法線方向と接線方向に分解すると、vc'、v'およびvc' '、 v' 'として表され、遊星外歯車40と固定内歯車50が常に接触を保つためにはvc'=-v'でなければならない。そこで、vcとvが共通法線Nとなす角をそれぞれα、βとすると、
Figure 0007154574000001
が成立し、
Figure 0007154574000002
となり、公転角速度ω1と自転角速度ω2の速度比は以下のように求められる。
Figure 0007154574000003
ここで、図4に示すように、点qは、共通法線Nと、遊星外歯車40の公転中心O1と自転中心O2を結んだ直線Lと、の交点である。
前述したとおり、遊星外歯車40の公転中心O1は固定である一方で、自転中心O2は移動する(公転中心O1を中心とした円運動を行う)。図5は、外歯42が内歯52に噛み合い始めてから噛み合い終えるまでの(外歯側部44が内歯側部54に接触し始めてから接触し終えるまでの)遊星外歯車40及び固定内歯車50の様子を示した図である。図5の左図は噛み合い始めの図、中央図は途中の図、右図は噛み合い終わりの図である。図5に表されている通り、自転中心O2が公転中心O1を中心とした円運動を行うことにより、直線Lも移動し(公転中心O1を中心として回転し)、それに伴って直線L上の点qも移動する。
そして、上記式によれば、点qが移動しても、O2qとO1qの長さ比が変わらなければ、公転角速度と自転角速度の比が一定となり等速性が満たされることとなる。自転中心O2は公転中心O1を中心とした円運動を行いO12の長さは常に一定なので、O2qとO1qの長さ比が変わらないという条件は、O1qの長さが変わらないという条件に置き換えることができる(このことは、O2q/O1q=(O1q-O12)/O1q=1-O12/O1qから明らかである)。
つまり、直線Lの公転中心O1を中心とした回転に伴って直線L上の交点qが移動しても、O1qの長さが変わらなければ等速性が満たされることとなる。換言すれば、交点qの移動軌跡が公転中心O1を中心とした円軌跡となれば等速性が満たされる。
本実施の形態においては、図5に示すように、この等速性を満足するように、共通法線Nと直線Lとの交点qの移動軌跡が、外歯側部44が内歯側部54に接触し始めて(図5の左図)から接触し終える(図5の右図)までの間、公転中心O1を中心とした円軌跡となるように、内歯先部53の形状が形成されている(決められている)。コンピューター上で、遊星外歯車40を自転及び公転させつつ、共通法線Nと直線Lを引いて交点qを求め、O1qが一定(所定値)となるように、内歯先部53の形状を決めていくことで、かかる形状は容易に設計することができる。
===本実施の形態に係る歯車機構1の有効性について===
上述した通り、本実施の形態に係る歯車機構1は、固定された固定歯車(本実施の形態においては、固定内歯車50)と、固定内歯車50と噛み合い自転中心を中心として自転しつつ公転中心を中心として公転する移動歯車(本実施の形態においては、遊星外歯車40)と、を備えることとした。
また、固定内歯車50及び遊星外歯車40の一方の歯(本実施の形態においては、外歯42)は、外歯先部43と、外歯先部43の両側に位置し、前記固定歯車及び前記移動歯車の他方の歯(本実施の形態においては、内歯52)と接触する一対の外歯側部44と、を有し、一対の外歯側部44の各々は、円弧形状を有し、各々の円弧形状の中心位置は、互いに異なっており、内歯52は、内歯先部53と、内歯先部53の両側に位置し、外歯42と接触する一対の内歯側部54と、を有し、一対の内歯側部54の形状は、外歯側部44の内歯側部54への接触部における共通法線Nと、公転中心01と自転中心02を結んだ直線Lと、の交点qの移動軌跡が、外歯側部44が内歯側部54に接触し始めてから接触し終えるまでの間、前記公転中心01を中心とした円軌跡となるように、形成されていることとした。
従来は、このような歯車機構として、歯車の歯形状がインボリュート曲線で構成されているものが知られていた。このようなインボリュート曲線に係る歯車機構は、等速性を満たすものの、歯車の噛み合いにおける干渉に起因して高減速比が得られない等の欠点もあり、新たな歯形状を備えた歯車機構が要請されていた。
また、歯形状が半円形状である歯車が知られているが、このような歯車はピッチが大きくなり(一つ一つの歯が大きくなり)、コンパクト化できないという欠点があった。
これに対し、本実施の形態に係る歯車機構1においては、先ず、外歯42の歯形状を、半円形状(換言すれば、外歯先部と外歯側部が円弧形状で各々が共通の中心位置を有する形状。図6の左図の歯形状イメージ参照)ではなく、一対の外歯側部44の各々が円弧形状を有し各々の円弧形状の中心位置が互いに異なる形状(図6の右図の歯形状イメージ参照)とした。つまり、外歯42の歯形状を、図6の左図に示した一点鎖線部分を取り去ることにより残された一対の外歯側部44(円弧形状)を短い外歯先部43で繋げる構成とした。そのため、外歯42をコンパクトにし、歯車のピッチを小さくすることが可能となる。なお、図6は、本実施の形態に係る外歯42の歯形状の優位性を説明するための説明図である。
さらに、本実施の形態においては、遊星外歯車40の固定内歯車50と接触する部分が上記のように円弧形状となるため、交点qの移動軌跡を、外歯側部44が内歯側部54に接触し始めてから接触し終えるまでの間、公転中心01を中心とした円軌跡となるようにした。このことにより、等速性を満たすことが可能となる。
つまり、本実施の形態によれば、コンパクト性を備え等速性を満たすように形成された新たな歯形状を有する歯車機構1を提供することが可能となる。
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る歯車機構を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
上記実施の形態においては、外歯42を円弧形状とし内歯52を非円弧形状としたが、逆にしてもよい。
また、上記実施の形態においては、固定歯車は内歯車であり、移動歯車は外歯車であることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、固定歯車と移動歯車の双方が外歯車である歯車機構にも、本発明は適用可能である。
ただし、固定歯車が内歯車で移動歯車が外歯車である場合には、当該歯車機構を内接式遊星歯車減速機等に応用可能な点で望ましい。
また、上記実施の形態においては、入力軸20と、入力軸20と一体的に設けられた偏心軸(クランク軸30)と、偏心軸(クランク軸30)を受ける偏心軸受(クランク軸受32)と、を有し、遊星外歯車40は偏心軸受(クランク軸受32)を介して偏心軸(クランク軸30)に取り付けられており、入力軸20が偏心軸(クランク軸30)と一体的に回転することで偏心軸(クランク軸30)が偏心回転することにより遊星外歯車40が自転しつつ公転し、公転中心は、入力軸20の軸中心であることとした。しかしながら、かかる構成に限定されるものではない。例えば、遊星外歯車40の公転運動を必ずしも偏心軸(クランク軸30)によって作り出す必要はない。
ただし、かかる場合には、公転中心が入力軸20の軸中心となるため、前記交点qの移動軌跡が公転中心を中心とした円軌跡となるように設計を行う際に、公転中心が分かり易くなる。したがって、コンパクト性を備え等速性を満たすように形成された新たな歯形状を有する歯車機構を簡便に実現することができる。かかる点で、上記実施形態の方が望ましい。
また、上記実施の形態の変形例として、以下のような実施形態も考えられる。図7は、変形例に係る内接式遊星歯車減速機10を説明するための説明図である。図8は、図7のA-A断面図である。図9は、図7のB-B断面図である。変形例の上記実施の形態との相違点は、遊星外歯車40が複数(二つ)設けられている点である。そして、当該遊星外歯車40をそれぞれ公転かつ自転させるために、クランク軸30(偏心軸)及びクランク軸受32(偏心軸受)も複数(二つ)備えられている。なお、入力軸20は一つのみ設けられ、二つのクランク軸30が当該入力軸20と一体的に設けられている。また、固定内歯車50も一つのみ設けられ、二つの遊星外歯車40が当該固定内歯車50に噛み合う。二つのクランク軸30は、同様の形状を有しているが、一方の上死点位置が他方の下死点位置となるように入力軸20と一体化されている。したがって、一方の遊星外歯車40が固定内歯車50と噛み合う部分(6時の位置、図8における符号A1参照)においては、他方の遊星外歯車40が固定内歯車50と噛み合わず(6時の位置、図9における符号A2参照)、他方の遊星外歯車40が固定内歯車50と噛み合う部分(12時の位置、図9における符号A1参照)においては、一方の遊星外歯車40が固定内歯車50と噛み合わないようになっている(12時の位置、図8における符号A2参照)。
そして、かかる内接式遊星歯車減速機10の二つの遊星外歯車40と固定内歯車50の歯形状を上述したような形状とすれば、上記実施の形態と同様に、コンパクト性を備え等速性を満たすように形成された新たな歯形状を有する歯車機構を提供することが可能となる。さらに、一方の遊星外歯車40が上死点に位置するとき他方の遊星外歯車40が下死点に位置するように双方の遊星外歯車40が点対称の位置に配置されているため、当該遊星歯車40、クランク軸30(偏心軸)、クランク軸受32(偏心軸受)の偏心による重心のアンバランスを打ち消して、振動を抑制することが出来る。また、遊星外歯車40が複数(2つ)設けられていることから、歯車の噛み合い数も枚数倍(2倍)となるため、出力可能なトルクも枚数倍(2倍)とすることが可能となる。
1 歯車機構
10 内接式遊星歯車減速機
12 ハウジング
14 ネジ
20 入力軸
22 入力軸受
30 クランク軸
32 クランク軸受
40 遊星外歯車
40a ピン穴
42 外歯
43 外歯先部
44 外歯側部
50 固定内歯車
52 内歯
53 内歯先部
54 内歯側部
60 ピン
70 出力軸
72 出力軸受

Claims (4)

  1. 固定された固定歯車と、前記固定歯車と噛み合い自転中心を中心として自転しつつ公転中心を中心として公転する移動歯車と、を備えた歯車機構であって、
    前記固定歯車及び前記移動歯車の一方の歯は、第一歯先部と、前記第一歯先部の両側に位置し、前記固定歯車及び前記移動歯車の他方の歯と接触する一対の第一歯側部と、を有し、
    前記一対の第一歯側部の各々は、円弧形状を有し、各々の前記円弧形状の中心位置は、互いに異なっており、
    前記他方の歯は、第二歯先部と、前記第二歯先部の両側に位置し、前記一方の歯と接触する一対の第二歯側部と、を有し、
    前記一対の第二歯側部の形状は、
    前記第一歯側部の前記第二歯側部への接触部における共通法線と、前記公転中心と前記自転中心を結んだ直線と、の交点の移動軌跡が、
    前記第一歯側部が前記第二歯側部に接触し始めてから接触し終えるまでの間、前記公転中心を中心とした円軌跡となるように、
    形成されていることを特徴とする歯車機構。
  2. 請求項1に記載の歯車機構であって、
    前記固定歯車は、内歯車であり、
    前記移動歯車は、外歯車であることを特徴とする歯車機構。
  3. 請求項2に記載の歯車機構であって、
    入力軸と、前記入力軸と一体的に設けられた偏心軸と、前記偏心軸を受ける偏心軸受と、を有し、
    前記移動歯車は前記偏心軸受を介して前記偏心軸に取り付けられており、
    前記入力軸が前記偏心軸と一体的に回転することで前記偏心軸が偏心回転することにより前記移動歯車が自転しつつ公転し、
    前記公転中心は、前記入力軸の軸中心であることを特徴とする歯車機構。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の歯車機構を備えたことを特徴とする内接式遊星歯車減速機。
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