JP7127409B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置及び液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、流路形成部材と表面処理膜の密着性向上については記載されておらず、検討されていない。
しかし、有機膜では水分の透過を完全に遮断できないため、インクなどに腐食されにくい材料を流路形成部材として使用しなければならないという問題がある。
しかし、表面処理膜としてのSiO2膜は、強いアルカリ性の液体に対して水酸化物に変化し、イオン化されやすくなり、液中に溶け出してしまうため、結果として流路形成部材が損傷するという問題がある。
「液体吐出ヘッド」とは、ノズルから液体を吐出・噴射する機能部品である。
吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
本実施形態に係る液体吐出ヘッドの基本構成を説明する。
図1は本実施形態に係る液体吐出ヘッドの斜視図であり、図2は図1における液室長辺方向の断面模式図、図3は図1における液室短辺方向の断面模式図である。なお、本実施形態の液体吐出ヘッドは圧電型アクチュエータを有する液体吐出ヘッドとしている。
これを繰り返すことにより、液滴(液体)を連続的に吐出でき、液体吐出ヘッドに対向して配置した被記録媒体(用紙)に画像を形成する。
次に、本実施形態の液体吐出ヘッドの詳細について、製造方法を示しつつ説明する。
本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法は、液体の流路において流路形成部材の表面に表面処理膜を形成する工程を有し、必要に応じてその他の工程を有する。流路形成部材は、液体の流路を形成するための部材であり、例えば本実施形態のように、サブフレーム基板200、アクチュエータ基板100、ノズル基板300が挙げられる。
次いで、サブフレーム基板200とアクチュエータ基板100とを接合する。接合方法は、特に制限されるものではなく、適宜変更することが可能である。
また、SiO2の比率はSiの比率(原子数比(atomic%))を示し、Ta2O5の比率はTaの比率(原子数比(atomic%))を示す。
(1)流路形成部材と表面処理膜との密着力改善のため、流路形成部材側ではSiの含有量が遷移金属の含有量よりも原子数比(atomic%)で多くなっている。
(2)インク耐性改善のため、流路形成部材と反対側では遷移金属の含有量がSiの含有量よりも原子数比で多くなっている。
(3)流路形成部材側とその反対側との間は内部応力低減のため、Siと遷移金属の比率が表面処理膜の膜厚方向で単調に又は徐々に変化している。
なお、ノズル基板300を接合した後などの液体吐出ヘッドに対しても同様にEDX分析を行い、定量化することができる。
そして、上記工程で得られたアクチュエータ基板100と接合させる。接合方法は、公知の方法により行うことができる。本実施形態では接着剤を用いて行う。
次に、本発明の液体吐出ユニットについて、図9~図11を用いて説明する。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド404及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
図1~図3に示されるSiからなるアクチュエータ基板100に振動板3、圧電体素子2を形成し、更に層間絶縁膜45、接続孔30、配線パターン42、引き出し配線40、引き出し配線パッド41を形成した。
次いで、Siからなるサブフレーム基板に対して、リソエッチ法により貫通孔部60、空隙部67を形成し、サブフレーム基板200とアクチュエータ基板100とを接合した。次いで、アクチュエータ基板100に対して、ICPエッチャーを用い、CF4ガスを用いてドライエッチングで加工し、加圧液室5を形成した。
また、ALD処理中にALD装置内でO3処理を5分間行った。O3処理は表面処理膜を成膜する前に行い、基板表面にO3処理を実施した。
実施例1において、下記表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様とした。
<スクラッチ強度>
スクラッチ強度については、表面処理膜の密着力評価となり、レスカ社製scratch試験装置(CSR-5000)を用いた。評価するときの圧子状態によっても密着力が異なるため、今回の評価では球形圧子を用いて、スタイラス径は15μmを用いて実施している。50mN以上が好ましく、70mN以上がより好ましい。
インク浸漬試験においては、アルカリ性インクに長時間(7日間)浸漬し、前後での外観状況から判断している。
[評価基準]
○:外観状況の変化なし
×:外観状況の変化あり
信頼性試験については、図13及び図14に示すインクジェット記録装置を用い、HCT(ヒートサイクルテスト)を実施し、-70℃~30℃の温度サイクル(9サイクル)を行った。試験後に吐出評価を実施し、不具合有無について確認している。
[評価基準]
OK:吐出不良の不具合なし
NG:吐出不良の不具合あり
一方、比較例1、3ではスクラッチ試験は比較的良好だが、インク浸漬で不具合が発生し、その後の信頼性試験でもNGが発生している。比較例2、4ではスクラッチ試験での膜密着力が不十分で、その後の信頼性試験でもNGが発生している。
2 圧電体素子
3 振動板
4 加圧液室隔壁
5 加圧液室
6 ノズル孔
7 流体抵抗部
8 個別液滴供給孔
9 共通液滴流路
10 共通電極
11 個別電極
12 圧電体
30 接続孔
40 引き出し配線
41 引き出し配線パッド
42 配線パターン
45 層間絶縁膜
50 パッシベーション膜
52 表面処理膜
60 貫通孔部
61 個別貫通部
66 液滴供給口
67 空隙部
100 アクチュエータ基板
200 サブフレーム基板
300 ノズル基板
401 ガイド部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
405 主走査モータ
406 駆動プーリ
407 従動プーリ
408 タイミングベルト
412 搬送ベルト
413 搬送ローラ
414 テンションローラ
440 液体吐出ユニット
441 ヘッドタンク
442 カバー
443 コネクタ
444 流路部品
456 チューブ
491A、491B 側板
491C 背板
493 主走査移動機構
610 接着剤
Claims (7)
- 液体の流路を形成する流路形成部材を有する液体吐出ヘッドであって、
前記流路形成部材は、液体吐出エネルギー発生手段を備えるアクチュエータ基板と、該アクチュエータ基板と接合され、ノズルが形成されたノズル基板と、を有し、
前記アクチュエータ基板及び前記ノズル基板はSiからなり、
前記流路形成部材における前記液体の流路となる箇所には、基板上に酸化膜が形成され、該酸化膜上に表面処理膜が形成され、
前記表面処理膜は、Siの酸化物と、第4族及び第5族から選ばれる遷移金属の酸化物とを含み、前記流路形成部材側では前記Siの含有量が前記遷移金属の含有量よりも原子数比(atomic%)で多く、前記流路形成部材と反対側では前記遷移金属の含有量が前記Siの含有量よりも原子数比で多く、前記Siと前記遷移金属の比率が前記表面処理膜の膜厚方向で徐々に変化していることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記遷移金属は、Hf、Ta及びZrから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記表面処理膜の膜厚は、30nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記表面処理膜は、Ta-Siの結合状態を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1~4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする液体吐出ユニット。
- 前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを主走査方向に移動させる主走査移動機構の少なくともいずれか一つと前記液体吐出ヘッドとを一体化したことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ユニット。
- 請求項1~4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド、又は、請求項5若しくは6に記載の液体吐出ユニットを備えていることを特徴とする液体を吐出する装置。
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