JP2022032211A - 液体吐出ヘッド、ヘッドモジュール、液体カートリッジ、液体吐出ユニット及び液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、ヘッドモジュール、液体カートリッジ、液体吐出ユニット及び液体吐出装置 Download PDF

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Kazuto Nagahashi
俊顕 益田
Toshiaki Masuda
圭史 三輪
Keiji Miwa
隆彦 黒田
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Abstract

Figure 2022032211000001
【課題】液滴の吐出曲がりを防止できる液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】ノズル16と、液室15と、前記液室内の液体を加圧する圧電体素子と、前記圧電体素子を外部接続する引出配線42と、前記圧電体素子の駆動に寄与しないダミー配線44と、を有する。液体吐出方向から見たとき、前記引出配線42と前記ダミー配線44は前記ノズル16を中心とした対称位置に配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【選択図】図11

Description

本発明は、液体吐出ヘッド、ヘッドモジュール、液体カートリッジ、液体吐出ユニット及び液体吐出装置に関する。
従来から、プリンタ、複写装置等の画像形成装置に用いられるインクジェット式の画像形成装置が知られている。このようなインクジェット式の画像形成装置では液体吐出ヘッドを用いることが知られている。
上記液体吐出ヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する加圧液室(液室などとも称する)と、この加圧液室内のインクを加圧するエネルギー発生手段とを備えている。液体吐出ヘッドにおいては、エネルギー発生手段として薄膜ピエゾアクチュエータを用いるピエゾ式の液体吐出ヘッドが知られている。薄膜ピエゾアクチュエータは、例えば横振動型の薄膜を有する圧電体素子の撓みを利用して加圧液室内のインクを加圧する。圧電体素子は、例えば基板上に形成された下部電極層と、その上に形成された圧電体層であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)層、その上に上部電極層が形成された積層構成を備える。圧電体素子を外部接続させるには、上部電極や下部電極に引出配線を接続する構成が知られている。
従来の液体吐出ヘッドにおいては、液体がノズルの鉛直下向き方向に吐出されるようにするため、圧電体素子と加圧液室の中心部分を一致させ、この中心部分がノズルの形成位置と一致させるものがある。しかし、上述の引出配線を用いる場合、通常、一端部のみに引出配線を形成するため、圧電体素子の変形変位に偏りが生じてしまう。これにより、圧電体素子の変形中心はノズルが形成されている位置からずれてしまい、ノズルから吐出される液体が所定の方向から曲がり、ノズルの鉛直下向き方向に吐出されない問題があった。圧電体素子の変形中心がノズルの中心と一致していない場合、ノズル近傍の液体に対して等方的な圧力が加わらず、吐出曲がりが生じてしまう。
ところで、特許文献1には、アクチュエータ基板の個別電極パッドと同じ面側に、上部電極に電気的に接続された複数のダミー個別電極パッドを形成することが開示されている。特許文献1では、放電により複数の電気機械変換素子(圧電体素子)を一括して均一に分極処理する目的ではあるものの、複数のダミー個別電極パッドを形成することにより、圧電体素子の変形変位に生じる偏りが緩和されるとも考えられ、吐出曲がりが低減されるとも考えられる。
しかしながら、特許文献1においては、対向している個別端子電極の形状に関する言及がなく、圧電体素子を駆動した際に、圧電体素子の変位中心がノズル中心と一致しない。このため、ノズル近傍の液体に対して等方的な圧力が加わらず、ノズルから吐出された液滴が曲がるという問題は解消できていない。従来の液体吐出ヘッドにおいては、液滴の吐出曲がりを十分に抑制できる技術が望まれている。
そこで、本発明は、液滴の吐出曲がりを防止できる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する液室と、前記液室内の液体を加圧する圧電体素子と、前記圧電体素子を外部接続する引出配線と、前記圧電体素子の駆動に寄与しないダミー配線と、を有し、液体吐出方向から見たとき、前記引出配線と前記ダミー配線は前記ノズルを中心とした対称位置に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、液滴の吐出曲がりを防止できる液体吐出ヘッドを提供することができる。
本発明にかかる液体吐出ヘッドの一例の液室短手方向の断面図である。 本発明にかかる液体吐出ヘッドの一例の支持基板の斜視図である。 本発明にかかる液体吐出ヘッドの他の例の外観斜視説明図である。 同じく分解斜視説明図である。 同じく断面斜視説明図である。 同じくフレーム部材を除く分解斜視説明図である。 同じく流路部分の断面斜視説明図である。 同じく流路部分の拡大断面斜視説明図である。 同じく流路部分の平面説明図である。 実施例1にかかる液体吐出ヘッドの断面図である。 実施例1にかかる液体吐出ヘッドの平面図(A)及び要部平面図(B)である。 実施例2にかかる液体吐出ヘッドの平面図である。 実施例3にかかる液体吐出ヘッドの断面図である。 実施例3にかかる液体吐出ヘッドの平面図である。 実施例4にかかる液体吐出ヘッドの平面図である。 比較例1にかかる液体吐出ヘッドの断面図である。 比較例1にかかる液体吐出ヘッドの平面図である。 比較例2にかかる液体吐出ヘッドの断面図である。 比較例2にかかる液体吐出ヘッドの平面図である。 本発明にかかるヘッドモジュールの一例の分解斜視説明図である。 同ヘッドモジュールのノズル面側から見た分解斜視説明図である。 本発明にかかるインクジェット記録装置の一例の斜視図である。 本発明にかかるインクジェット記録装置の一例の側断面図である。 本発明にかかる液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置要部の一例の平面図である。 本発明にかかる液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置要部の一例の側面図である。 本発明の別実施形態にかかる液体吐出ユニットの一例の正面図である。 本発明の別実施形態にかかる液体吐出ユニットの他の例の正面図である。
以下、本発明に係る液体吐出ヘッド、ヘッドモジュール、液体カートリッジ、液体吐出ユニット及び液体吐出装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する液室と、前記液室内の液体を加圧する圧電体素子と、前記圧電体素子を外部接続する引出配線と、前記圧電体素子の駆動に寄与しないダミー配線と、を有し、液体吐出方向から見たとき、前記引出配線と前記ダミー配線は前記ノズルを中心とした対称位置に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する液室と、前記液室内の液体を加圧する圧電体素子と、前記圧電体素子を外部接続する引出配線と、前記圧電体素子の駆動に寄与しないダミー配線と、を有し、液体吐出方向から見たとき、前記ノズルから前記引出配線までの最短距離と、前記ノズルから前記ダミー配線までの最短距離とが略等しいことを特徴とする。
[液体吐出ヘッド]
図1は本発明にかかる液体吐出ヘッドの一例の液室短手方向の断面図であり、図2は同液体吐出ヘッドの一例の支持基板の斜視図である。図示の液体吐出ヘッド1aは、アクチュエータ基板201に、液体吐出エネルギーを発生する圧電体素子12と振動板13を備え、加圧液室隔壁14と加圧液室15を形成している。加圧液室15は、加圧液室隔壁14で仕切られている。なお、引出配線、ダミー配線、第1の保護膜、第2の保護膜等については、後述の図10でも図示している。
圧電体素子12は、例えば共通電極121、個別電極122、圧電体層123を有し、アクチュエータ部160とも称する。圧電体層123は、共通電極121と個別電極122によって挟まれており、各電極層に配線層を積層して電圧を印加する。アクチュエータ基板201とノズル基板203によって加圧液室15が形成されている。そして、これらのアクチュエータ基板201と支持基板202およびノズル基板203を接合することによって、液体吐出ヘッド1aが構成されている。
ここで説明する例では、下部電極を共通電極121とし、上部電極を個別電極122としている。本実施形態はこれに限られるものではなく、下部電極を個別電極とし、上部電極を共通電極としてもよい。
なお、共通液室18と支流液室66を形成するアクチュエータ基板201や支持基板202の基材をシリコンとすることによって、これらのアクチュエータ基板201や支持基板202に十分な剛性を確保することができるとともに、アクチュエータ基板201や支持基板202における共通液室18と支流液室66の加工が容易となる。
以上のように構成された液体吐出ヘッド1aにおいては、各加圧液室15内に液体、例えば記録液(インク)が満たされた状態で、制御部から画像データに基づいて、記録液の吐出を行いたいノズル16に対応する個別電極122に対して、発振回路によりパルス電圧を印加する。発振回路は、引出配線(引き出し配線とも称する)、層間絶縁膜(絶縁膜とも称する)に形成された接続孔を介して例えば20Vのパルス電圧を印加する。このパルス電圧を印加することによって、圧電体層123は、電歪効果によって圧電体層123そのものが振動板13と平行方向に縮むことによって、振動板13が加圧液室15方向に撓む。これによって、加圧液室15内の圧力が急激に上昇し、加圧液室15に連通するノズル16から記録液が吐出する。
次に、パルス電圧印加後は、縮んだ圧電体素子12が元に戻ることから、撓んだ振動板13は元の位置に戻る。このため、加圧液室15内が共通液室18に比べて負圧となり、外部から支流液室66を介して供給されているインクが共通液滴供給路19と共通液室18から流体抵抗部17を介して加圧液室15に供給される。これを繰り返すことによって、液滴を連続的に吐出することができ、液体吐出ヘッド1aに対向して配置された被記録体(用紙)に画像が形成される。
ここで、本発明にかかる液体吐出ヘッド1aの製造方法の一例について説明する。この液体吐出ヘッド1aは、下記(1)~(10)の手順に従って製造される。
(1)アクチュエータ基板201として、面方位(100)のシリコン単結晶基板(例えば、板厚400μm)上に振動板13を膜成形する。なお、この振動板13は、振動板としての機能と後のプロセス整合性を確保していれば、単層と積層膜の何れでも構わない。
例えば、振動板13の材質としては、LP-CVD法によってシリコン酸化膜、ポリシリコン膜、アモルファスシリコン膜、またはシリコン窒化膜として、これらを所望の剛性が得られるように積層に成膜する。プロセス整合性と剛性および振動板13全体の応力を勘案して、積層数は、3~7層程度が好ましい。後の共通電極121との密着性を確保するために振動板13の最上層は、LPCVD法によって形成したシリコン酸化膜とする。その後、例えば、TiOとPtから成る共通電極121の層をスパッタ法で各々10nmと160nmに成膜する。
(2)次に、共通電極121上に圧電体層123としてPZTを例えばスピンコート法によって複数回に分けて成膜し、最終的に2μm厚成膜する。次に、SROとPtから成る個別電極122をスパッタ法によって各々40nmと100nm成膜する。ここで、圧電体素子12の成膜方法としては、スピンコート法に限らず、例えばスパッタ法、イオンプレーティング法、エアーゾル法、ゾルゲル法、インクジェット法などを使用することができる。そして、リソエッチ法によって、後に形成する加圧液室15に対応する位置に圧電体層123と個別電極122を形成する。このようにして圧電体素子12を形成する。なお、接合部48(図1参照)に対応する位置に圧電体素子12を形成してもよい。
(3)次に、圧電体素子12と後に形成する引出配線42とを絶縁するために層間絶縁膜45(絶縁膜)を成膜する。ここで、層間絶縁膜45は、例えばプラズマCVD法によってSiO膜を1000nm成膜することによって形成される。この層間絶縁膜45は、圧電体素子12や電極材料に影響を及ぼさず、絶縁性を有する膜であれば、プラズマCVD法によるSiO膜以外の膜でもよい。
次に、個別電極122と引出配線42とを接続する接続孔(コンタクトホール43とも称する)をリソエッチ法によって形成する。ここで、共通電極121も引出配線42と接続する場合には、同様に接続孔を形成する。
(4)次に、引出配線42として、例えばTiN/Alを各々30nm/3μmをスパッタ法によって成膜する。TiNは、接続孔の底部で、個別電極122、或いは共通電極121の材料であるPtが、引出配線42の材料であるAlが直接接触することによって、後の工程による熱履歴で合金化し、体積変化によるストレスに起因する膜剥がれなどを防止するために、合金化を防ぐバリア層としても適用している。また、後の支持基板202との接合部48となる箇所にも引出配線42を形成してもよい。
引出配線42と同じ工程でダミー配線44を形成する。ダミー配線44の材料としては、適宜選択することが可能であるが、引出配線42と同じ材料を用いることが好ましい。この場合、引出配線42とダミー配線44を同じ形状にしやすくなる。後述するように、引出配線42とダミー配線44とは、液体吐出方向から見たときに同じ形状になるよう形成する。
(5)次に、パッシベーション膜150として、例えばプラズマCVD法によってシリコン窒化膜を1000nm厚成膜する。ここでは、第1の保護膜71と第2の保護膜72をあわせてパッシベーション膜150として説明している。
(6)その後、リソエッチ法によって、引出配線42の引出配線パッド部(電極パッド41)とアクチュエータ部160および共通液滴供給路19の開口を行う。
(7)次に、リソエッチ法によって共通液滴供給路19、後の共通液室18部になる箇所の振動板13を除去する。
(8)次に、圧電体素子12に対応した位置にリソエッチ法によってザグリを設け、支持基板202を作製する。その後、支持基板202とアクチュエータ基板201を、接合部48を介して接着剤49で接合する。このとき、接着剤49は、一般的な薄膜転写装置によって支持基板202側に厚さ1μm程度塗布している。その後、加圧液室15、共通液室18、流体抵抗部17を形成するためにアクチュエータ基板201を所望の厚さ(例えば、厚さ80μm)になるように、公知の技術によって研磨する。この場合、研磨以外にエッチングなどでもよい。
(9)次に、リソエッチ法によって、加圧液室15、共通液室18、流体抵抗部17以外の隔壁部をレジストで被覆する。その後、アルカリ溶液(KOH溶液、或いはTMHA溶液)で異方性ウェットエッチを行い、加圧液室15と共通液室18および流体抵抗部17を形成する。なお、アルカリ溶液による異方性ウェットエッチ以外にICPエッチャーを用いたドライエッチによって加圧液室15と共通液室18および流体抵抗部17を形成してもよい。
(10)次に、別に形成した各加圧液室15に対応した位置にノズル16を開口したノズル基板203を接合することによって液体吐出ヘッド1aが製造される。
次に、本発明にかかる液体吐出ヘッドの他の例について、図3ないし図9を参照して説明する。図3は一実施形態に係る液体吐出ヘッドの外観斜視説明図、図4は同じく分解斜視説明図、図5は同じく断面斜視説明図である。図6は同じくフレーム部材を除く分解斜視説明図、図7は同じく流路部分の断面斜視説明図である。図8は同じく拡大断面斜視説明図、図9は同じく流路部分の平面説明図である。
この液体吐出ヘッド1は、ノズル板10と、流路板(個別流路部材)20と、振動板部材30と、共通流路部材50と、ダンパ部材60と、フレーム部材80と、駆動回路102を実装した基板(フレキシブル配線基板)101などを備えている。
ノズル板10には、液体を吐出する複数のノズル11を有している。複数のノズル11は、二次元状にマトリクス配置され、図9に示すように、第1方向F、第2方向S及び第3方向Tの三方向に並んで配置されている。
個別流路部材20は、複数のノズル11に各々連通する複数の圧力室(個別液室、加圧液室)21と、複数の圧力室21に各々通じる複数の個別供給流路22と、複数の圧力室21に各々通じる複数の個別回収流路23とを形成している。1つの圧力室21及びこれに通じる個別供給流路22と個別回収流路23を併せて個別流路25と称する。
振動板部材30は、圧力室21の変形な可能な壁面である振動板31を形成し、振動板31には圧電素子40が一体に設けられている。また、振動板部材30には、個別供給流路22に通じる供給側開口32と、個別回収流路23に通じる回収側開口33とが形成されている。圧電素子40は、振動板31を変形させて圧力室21内の液体を加圧する圧力発生手段である。
なお、個別流路部材20と振動板部材30とは、部材として別部材であることに限定さるものではない。例えば、SOI(Silicon on Insulator)基板を使用して個別流路部材20及び振動板部材30を同一部材で一体に形成することができる。つまり、シリコン基板上に、シリコン酸化膜、シリコン層、シリコン酸化膜の順に成膜されたSOI基板を使用し、シリコン基板を個別流路部材20とし、シリコン酸化膜、シリコン層及びシリコン酸化膜とで振動板31を形成することができる。この構成では、SOI基板のシリコン酸化膜、シリコン層及びシリコン酸化膜の層構成が振動板部材30となる。このように、振動板部材30は個別流路部材20の表面に成膜された材料で構成されるものを含む。
共通流路部材50は、2以上の個別供給流路22に通じる複数の共通供給流路支流52と、2以上の個別回収流路23に通じる複数の共通回収流路支流53とを、ノズル11の第2方向Sに交互に隣接して形成している。
共通流路部材50には、個別供給流路22の供給側開口32と共通供給流路支流52を通じる供給口54となる貫通孔と、個別回収流路23の回収側開口33と共通回収流路支流53を通じる回収口55となる貫通孔が形成されている。
また、共通流路部材50は、複数の共通供給流路支流52に通じる1又は複数の共通供給流路本流56と、複数の共通回収流路支流53に通じる1又は複数の共通回収流路本流57を形成している。
ダンパ部材60は、共通供給流路支流52の供給口54と対面する(対向する)供給側ダンパ62と、共通回収流路支流53の回収口55と対面する(対向する)回収側ダンパ63を有している。
ここで、共通供給流路支流52及び共通回収流路支流53は、同じ部材である共通流路部材50に交互に並べて配列された溝部を、ダンパ部材60の供給側ダンパ62又は回収側ダンパ63で封止することで構成している。なお、ダンパ部材60のダンパ材料としては、有機溶剤に強い金属薄膜又は無機薄膜を用いることが好ましい。ダンパ部材60の供給側ダンパ62、回収側ダンパ63の部分の厚みは10μm以下が好ましい。
共通供給流路支流52と共通回収流路支流53の内壁面、及び共通供給流路本流56と共通回収流路本流57の内壁面には、流路中を流れる液体(たとえば、インク)に対して内壁面を保護するための保護膜(接液膜とも言う)が形成されている。たとえば、共通供給流路支流52と共通回収流路支流53の内壁面、及び共通供給流路本流56と共通回収流路本流57の内壁面はSi基板が熱処理されることで、表面に酸化シリコン膜が形成される。酸化シリコン膜の上にはインクに対してSi基板の表面を保護するタンタルシリコン酸化膜が形成される。
<実施例1>
次に、本実施形態の一例について説明する。
本実施例1を説明するための図を図10及び図11に示す。図10は、本実施例1を説明するための液室長手方向の断面図である。図11(A)は、図10を上方から見た場合の平面図を模式的に示す図である。なお、図10は、図11(A)のA-A断面に相当する。
図10では、圧電体素子12、引出配線42、電極パッド41、第1の保護膜71、ダミー配線44、第2の保護膜72、層間絶縁膜45(絶縁膜)、貫通孔86、振動板13、加圧液室15(液室)、アクチュエータ基板201(流路基板)、ノズル16、ノズル基板203等が図示されている。
圧電体素子12は、例えば下部電極(共通電極121)、圧電体層123、上部電極(個別電極122)を有している。圧電体素子12は加圧液室15内の液体(例えばインク)を加圧する。
引出配線42は、コンタクトホール43を介して圧電体素子12と接続し、電極パッド41を介して外部接続を行う。なお、図11では、引出配線42とダミー配線44を実線で表し、加圧液室15と圧電体層123を破線で表しているが、表現方法の違いに意味があるものではない。
第1の保護膜71は引出配線42を覆うように形成されており、引出配線42を保護する。第2の保護膜72はダミー配線44を覆うように形成されており、ダミー配線44を保護する。
振動板13の圧電体素子12が設けられている側とは反対側に、アクチュエータ基板201、ノズル基板203が形成されている。アクチュエータ基板201は流体抵抗部17を有している。図10では、流体抵抗部17を2つ図示しているが、これに限られるものではなく、一方を隔壁としてもよい。
貫通孔86は、加圧液室に液体を供給するための流路になる。貫通孔86としては、例えば上述の供給口54、回収口55等が該当し得る。
本実施例1において、それぞれの部位は、CVD法、スパッタリング法、スピンコート法などによりシリコン基板上にそれぞれの薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法により加工した。
本実施例1では、圧電体素子12の駆動に寄与しないダミー配線44を形成している。ダミー配線44を形成することにより、圧電体層123の変形の偏りを減らすことができる。ダミー配線44を形成しない場合、引出配線42が形成されている領域では圧電体層123の変形が抑制されるのに対し、引出配線42が形成されていない領域では圧電体層123の変形が抑制されないため、圧電体層123の変形の偏りが生じてしまう。この場合、液滴の吐出曲がりが大きくなってしまう(後述の比較例1参照)。
本実施例1では、加圧液室15の構造中心と圧電体素子12の構造中心が一致するように配置されており、液体吐出方向から見たとき、加圧液室15の構造中心と圧電体素子12の構造中心は、ノズル16が形成されている領域に位置している。なお、ノズル16が形成されている領域とあるのは、ノズル16の孔内を意味する。また、液体吐出方向は基板の積層方向としてもよい。
構造中心、変位中心を説明するための図を図11(B)に示す。図11(B)は図11(A)の要部を示す図である。図示するように、加圧液室15の構造中心は、平面視した時の加圧液室15の長手方向における中心線と加圧液室15の短手方向における中心線との交点である。また、圧電体素子の構造中心は、平面視した時の圧電素子の長手方向における中心線と圧電素子の短手方向における中心線との交点である。なお、本実施例1では、圧電素子の長手方向及び短手方向における中心線として、圧電体層123の長手方向及び短手方向における中心線としている。また、圧電体素子の変位中心は、圧電体素子の構造中心として考えることができる。
加圧液室15の構造中心と圧電体素子12の構造中心が一致するように配置するには、例えば、加圧液室15や圧電体素子12の形状、位置等を適宜調整する方法が挙げられる。
本実施例1では、図11(A)に示すように、液体吐出方向から見たとき、ノズル16を中心とした対称位置に配置されている。言い換えると、液体吐出方向から見たとき、引出配線42とダミー配線44は互いに同形状であり、ノズル16から引出配線42までの最短距離と、ノズル16からダミー配線44までの最短距離とが略等しくなっている。
このように引出配線42とダミー配線44を形成することにより、圧電体層123の変形の偏りを低減することができる。例えば図10、図11に示す例では、圧電体層123の変形を左右対称にすることができる。
これにより、本実施例によれば、液体吐出方向から見たとき、加圧液室15の構造中心及び圧電体素子12の構造中心、並びに、圧電体素子12の変位中心を一致させることができ、例えばノズル16が形成されている領域に位置させることができる。このため、ノズル16近傍の液体に対して対称の力が加わるため、液滴をノズル16の直下に吐出することができ、液滴の吐出曲がりを防止することができる。
また、本実施例1では、引出配線42とダミー配線44は互いに同形状となるようにしている。これにより、圧電体層123の変形を左右対称にさせやすくなり、液滴の吐出曲がりを抑制することができる。
また、本実施例1では、加圧液室15の短手方向における引出配線42の長さが加圧液室15の一辺よりも小さい大きさであるため、圧電体素子12の変形変位が拘束される箇所を小さくすることができる。これにより、圧電体素子12の変形変位を低下させることなく、吐出電圧の増加を抑え、液滴の吐出曲がりを防止できる。
本実施例1の液体吐出ヘッドについて、液滴の吐出曲がりの評価、圧電体素子を変位させる際の電圧値の評価、駆動回数の評価を行った。結果は、他の実施例、比較例と合わせて後述する。
また本実施例1では、液体吐出方向から見たとき、引出配線42と第1の保護膜71は互いに同形状であり、ダミー配線44と第2の保護膜72は互いに同形状である。これにより、第1の保護膜71及び第2の保護膜72の形成箇所を少なくすることができ、圧電体素子12が変形変位する領域を大きくすることができる。
また本実施例1では、図示されるように、液体吐出方向から見たとき、引出配線42及びダミー配線44は、加圧液室15が形成されている領域の一部及び加圧液室15が形成されていない領域の一部に連続して形成されている。加圧液室15が形成されていない領域にも引出配線42が形成されていることにより、電極パッド41を形成しやすくなる。
また、本実施例1では、図11に示すように、液体吐出方向から見たとき、圧電体層123が形成されている領域は、加圧液室15が形成されている領域よりも小さくなっている。この場合、加圧液室15を形成する隔壁等により圧電体層123の変形が阻害されることを抑制し、圧電体層123が変形変位する領域を大きくすることができる。
<実施例2>
次に、本実施形態の他の例について説明する。上記実施例と同様の事項については説明を省略する。
本実施例2を説明するための図を図12に示す。図12は、本実施例2の液体吐出ヘッドを上方から見た場合の平面図を模式的に示す図であり、図11と同様の図である。なお、本実施例2の液体吐出ヘッドの断面図については、図10と同じになるため、ここでは図示を省略する。
図10に示すように、圧電体素子12と引出配線42との間には層間絶縁膜45が設けられており、圧電体素子12と引出配線42とが接続するための層間絶縁膜45の開口部分をコンタクトホール43としている。また、図11、図12に示すように、液体吐出方向から見たとき、加圧液室15は長手と短手を有している。
本実施例2では、上記実施例1に比べて、加圧液室15の短手方向における引出配線42の長さを小さくしている。本実施例2においては、加圧液室15の短手方向における引出配線42の長さは、加圧液室15の短手方向におけるコンタクトホール43の長さより大きく、加圧液室15の短手方向における加圧液室15の長さの1/2以下であることが好ましい。
なお、以下、加圧液室15の短手方向における引出配線42の長さを、単に引出配線42の幅とも称することがある。
本実施例2のように、引出配線42の幅を小さくし、電気信号の通信を阻害しない程度の寸法にすることで、圧電体素子12上の多層になる面積(変位が制限される面積)を小さくすることができる。引出配線42やダミー配線44を形成することにより、圧電体素子12の拘束箇所が増えるが、本実施例2のように引出配線42の幅を小さくすることで前記拘束箇所を減らすことができる。このため、ダミー配線44を設けた場合における拘束箇所による変位の低下を抑制することができる。これにより、吐出電圧の増加をより抑えることができる。
本実施例2においても、上記実施例1と同様に、液体吐出方向から見たとき、加圧液室15の構造中心及び圧電体素子12の構造中心、並びに、圧電体素子12の変位中心は、ノズル16が形成されている領域に位置している。また、液体吐出方向から見たとき、引出配線42とダミー配線44は互いに同形状であり、ノズル16を中心とした対称位置に配置されている。このため、本実施例2でも、上記実施例1と同様に吐出曲がりを防止することができる。
なお、本実施例2でも上記実施例1と同様に、液体吐出方向から見たとき、引出配線42と第1の保護膜71は互いに同形状であることが好ましい。この場合、第1の保護膜71の形成箇所を少なくすることができ、圧電体素子12が変形変位する領域を大きくすることができる。
<実施例3>
次に、本実施形態の他の例について説明する。上記実施例と同様の事項については説明を省略する。
本実施例3を説明するための図を図13及び図14に示す。図13は、本実施例3を説明するための断面図であり、図10と同様の断面図である。図14は、図13を上方から見た場合の平面図を模式的に示す図である。なお、図13は、図14のB-B断面に相当する。
本実施例3では、液体吐出方向から見たとき、第1の保護膜71及び第2の保護膜72は、外周方向に向かって段階的に厚みが小さくなっている。第1の保護膜71及び第2の保護膜72の厚みが段階的に小さくなっている箇所を図13及び図14では符号aで表している。第1の保護膜71及び第2の保護膜72の厚みを段階的に小さくすることで、圧電体素子12の拘束箇所と変形変位する箇所との境界部分の硬度やヤング率を段階的に変化させ、境界部分の応力集中を緩和することができる。これにより、圧電体素子12の駆動回数を向上させることができる。
本実施例3においても、上記実施例1と同様に、液体吐出方向から見たとき、加圧液室15の構造中心及び圧電体素子12の構造中心、並びに、圧電体素子12の変位中心は、ノズル16が形成されている領域に位置している。また、液体吐出方向から見たとき、引出配線42とダミー配線44は互いに同形状であり、ノズル16を中心とした対称位置に配置されている。このため、本実施例3でも、上記実施例1と同様に吐出曲がりを防止することができる。更に、本実施例3では、引出配線42の幅を上記実施例2と同様の大きさにしているため、上記実施例2と同様に、拘束箇所による変位の低下を抑制することができる。
<実施例4>
次に、本実施形態の他の例について説明する。上記実施例と同様の事項については説明を省略する。
本実施例4を説明するための図を図15に示す。図15は、本実施例4の液体吐出ヘッドを上方から見た場合の平面図を模式的に示す図であり、図11と同様の図である。なお、本実施例4の液体吐出ヘッドの断面図については、図10と同じになるため、ここでは図示を省略する。
本実施例4においても、上記実施例1と同様に、液体吐出方向から見たとき、加圧液室15の構造中心及び圧電体素子12の構造中心、並びに、圧電体素子12の変位中心は、ノズル16が形成されている領域に位置している。また、液体吐出方向から見たとき、引出配線42とダミー配線44は互いに同形状であり、ノズル16を中心とした対称位置に配置されている。このため、本実施例4でも、上記実施例1と同様に吐出曲がりを防止することができる。
本実施例4では、加圧液室15の短手方向における引出配線42の長さが上記実施例1よりも大きくなっており、加圧液室15の一辺を覆うほどの大きさになっている。更に、加圧液室15の短手方向におけるダミー配線44の長さについても、加圧液室15の一辺を覆うほどの大きさになっている。なお、第1の保護膜71は引出配線42と同形状であり、第2の保護膜72はダミー配線44と同形状であり、これらの保護膜は加圧液室15の一辺を覆うほどの大きさになっている。
本実施例4では、液滴の吐出曲がりを防止できるが、圧電体素子12の拘束箇所が大きくなり、圧電体素子12が変形変位する領域が小さくなるため、吐出するための電圧値が大きくなることがある。この点を考慮すると、圧電体素子12の拘束箇所を低減した上記実施例2、3が優位であるといえる。
<比較例1>
次に、本発明に含まれない例について説明する。上記実施例と同様の事項については説明を省略する。
本比較例1を説明するための図を図16及び図17に示す。図16は、本比較例1を説明するための断面図であり、図10と同様の断面図である。図17は、図16を上方から見た場合の平面図を模式的に示す図である。なお、図16は、図17のC-C断面に相当する。
本比較例1では、ダミー配線が形成されていない。また、図17に示すように、加圧液室15の短手方向における引出配線42の長さが上記実施例4と同様に、加圧液室15の一辺を覆うほどの大きさになっている。なお、第1の保護膜71は引出配線42と同形状としており、引出配線42と同様に加圧液室15の一辺を覆うほどの大きさになっている。
本比較例1においても、液体吐出方向から見たときに、加圧液室15の構造中心及び圧電体素子12の構造中心は、ノズル16が形成されている領域に位置している。しかし、本比較例1ではダミー配線が形成されていないため、圧電体素子12の変位中心は左右対称にはならない。そのため、液体吐出方向から見たときに、圧電体素子12の変位中心はノズル16が形成されている領域に位置していないことになる。このようなことから、本比較例1ではノズル16から吐出された液滴が曲がってしまう。
<比較例2>
次に、本発明に含まれない他の例について説明する。上記実施例と同様の事項については説明を省略する。
本比較例2を説明するための図を図18及び図19に示す。図18は、本比較例1を説明するための断面図であり、図10と同様の断面図である。図19は、図18を上方から見た場合の平面図を模式的に示す図である。なお、図18は、図19のD-D断面に相当する。
本比較例2においてもダミー配線が形成されていないため、圧電体素子12の変位中心は左右対称にはならないが、ノズル16の形成位置を変更している。そのため、液体吐出方向から見たときに、圧電体素子12の変位中心はノズル16が形成されている領域に位置するようにしている。しかし、本比較例2では、加圧液室15の構造中心及び圧電体素子12の構造中心は、ノズル16が形成されている領域に位置していない。そのため、上記比較例1に比べて液滴の曲がりが改善されるものの、合格基準を達成することができない。
<評価>
次に、上記実施例、比較例について以下の評価を行った。実施例、比較例の構成にそれぞれ流路部品を組付け、7m電圧でインクを吐出させ、吐出曲がり、吐出電圧、駆動回数の評価を行った。表1に評価結果を示す。
<<吐出曲がり>>
吐出曲がりについては、公知の手法により測定を行った。
実施例1~4では、良好な結果が得られた。これは、圧電体素子の変位中心とノズル形成位置の同軸度が高く、さらに圧電体素子が対称的に変形することで、インクがノズルに対して均等に加圧され、吐出曲がりが低下するためと考えられる。
比較例1では、圧電体素子の変位中心とノズルの形成位置が一致しておらず良好な結果が得られなかった。比較例2では、液室と圧電体素子の構造中心がノズルの形成位置と一致しておらず、良好な結果が得られなかった。比較例1と比較例2を比べると、比較例2では圧電体素子の変位中心をノズルの形成位置にしており、若干結果が良くなった。
<<吐出電圧>>
吐出電圧については以下の方法により測定を行う。各実施形態において同一形状の駆動波形を圧電素子に与えていった。また、与える電圧は徐々に小さくしていき、液体が吐出できなくなったときの直前の電圧(駆動波形における最大電圧)を表1に記載した。
実施例1~3では、良好な結果が得られた。また、実施例2、3では、圧電体素子の拘束箇所を実施例1に比べて小さくしているため、実施例1に比べて更に良好な結果になり、低電圧での吐出が可能であった。圧電体素子の変位が大きくなることで吐出速度が上昇し、低電圧での吐出が可能になると考えられる。実施例1では、加圧液室15の短手方向における引出配線42の長さが、加圧液室15の短手方向における加圧液室15の長さの1/2を超えているため、若干劣る結果となったといえる。
実施例4では、圧電体素子12の拘束箇所が大きくなり、圧電体素子12が変形変位する領域が小さくなるため、吐出するための電圧値が大きくなった。
比較例1、2では、ダミー配線を形成していないため、圧電体素子の拘束箇所が増えず、吐出電圧は増加しない。しかし、上述のように液滴の曲がりが生じてしまう。
<<駆動回数>>
駆動回数については、各液体吐出ヘッドを連続駆動させ、液体が吐出できなくなるまでの回数を測定した。
実施例1~4では、駆動回数の目標値である1.0×1011回を上回っていた。実施例3では、保護膜の膜厚を段階的に変化させており、実施例1、2に比べて良好な結果が得られた。これは、圧電体素子の変形領域と、引出線やダミー配線が設けられた拘束箇所のヤング率が緩やかに変化することで、応力集中が抑制されたためであると考えられる。
比較例1、2では、ダミー配線を形成していないため、圧電体素子の拘束箇所が増えず、駆動回数は多くなる。しかし、上述のように液滴の曲がりが生じてしまう。
Figure 2022032211000002
表1に示すように、実施例1~4では、吐出曲がりを防止できることがわかる。中でも、実施例3では、吐出曲がり、吐出電圧、駆動回数の観点から優位な結果が得られた。
[ヘッドモジュール]
次に、本発明に係るヘッドモジュールの一例について図20及び図21を参照して説明する。図20は同ヘッドモジュールの分解斜視説明図、図21は同ヘッドモジュールのノズル面側から見た分解斜視説明図である。
ヘッドモジュール100は、液体を吐出する液体吐出ヘッドである複数の液体吐出ヘッド1と、複数の液体吐出ヘッド1を保持するベース部材103と、複数の液体吐出ヘッド1のノズルカバーとなるカバー部材113とを備えている。
また、ヘッドモジュール100は、放熱部材104と、複数のヘッドに対して液体を供給する流路を形成しているマニホールド105と、フレキシブル配線部材101と接続するプリント基板(PCB)106と、モジュールケース107とを備えている。
[液体カートリッジおよび液体吐出装置]
次に、本発明にかかる液体カートリッジとこれを備えた液体吐出装置の実施の形態について説明する。以下においては、液体カートリッジと液体吐出装置として、インクを用いたインクカートリッジとインクジェット記録装置について説明する。
図22は本発明に係るインクジェット記録装置の一例の斜視図、図23は同インクジェット記録装置の一例の側断面図であり、図示のインクジェット記録装置90は、装置本体の内部に、走査方向に移動可能なキャリッジ98とこのキャリッジ98に搭載された前述した液体吐出ヘッド1(または、図1の液体吐出ヘッド1aとしてもよい)およびこの液体吐出ヘッド1にインクを供給するためのインクカートリッジ99などで構成された印字機構部91などを収納し、装置本体の下方には、多数枚の用紙92が積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)93が前方側から抜き差し自在に装着されている。
また、インクジェット記録装置90は、用紙92を手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ94を有しており、給紙カセット93或いは手差しトレイ94から給送される用紙92を取り込み、印字機構部91によって用紙92に所要の画像を記録した後、画像が記録された用紙92を後面側に装着された排紙トレイ95に排出する。
印字機構部91は、左右の側板に横架されたガイド部材である主ガイドロッド96と従ガイドロッド97およびキャリッジ98を主走査方向に沿って摺動自在に保持しているが、キャリッジ98においては、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびブラック(K)の各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッド1が、その複数のインク吐出口(ノズル)が主走査方向と交差する方向となるように配列されており、これらの液体吐出ヘッド1は、インク滴吐出方向が下向きとなるように装着されている。また、キャリッジ98には、液体吐出ヘッド1に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ99が交換可能に装着されている。
インクカートリッジ99は、上方に大気に連通する大気口、下方には液体吐出ヘッド1にインクを供給するための供給口がそれぞれ設けられており、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛細管力によって液体吐出ヘッド1に供給されるインクを僅かな負圧に維持している。なお、本実施の形態では、液体吐出ヘッド1としては、各色のものを使用しているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液出ヘッドを用いてもよい。
ここで、キャリッジ98は、後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド96に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)が従ガイドロッド97に摺動自在に載置されている。そして、このキャリッジ98を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ191によって回転駆動される駆動プーリ192と従動プーリ193との間にタイミングベルト194を張架し、このタイミングベルト194をキャリッジ98に固定しており、主走査モータ191の正逆回転によってキャリッジ98が往復駆動される。
一方、インクジェット記録装置90には、給紙カセット93にセットされた用紙92を分離給送する給紙ローラ195およびフリクションパッド196と、用紙92を案内するガイド部材197と、給紙された用紙92を反転させて搬送する搬送ローラ198と、この搬送ローラ198の周面に押し付けられる搬送コロ199および搬送ローラ198からの用紙92の送り出し角度を規定する先端コロ110が設けられている。なお、搬送ローラ198は、副走査モータによってギア列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ98の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ198から送り出された用紙92を液体吐出ヘッド1の下方側で案内するための用紙ガイド部材である印写受け部材111が設けられている。この印写受け部材111の用紙搬送方向下流側には、用紙92を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ112と拍車118が設けられており、さらに用紙92を排紙トレイ95に送り出すための排紙ローラ114と拍車115および排紙経路を形成するガイド部材116,117が配設されている。
以上のように構成されたインクジェット記録装置90における記録時には、キャリッジ98を移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド1を駆動することによって、停止している用紙92にインクを吐出して1行分を記録し、その後、用紙92を所定量だけ搬送した後、次の行の記録を行う。記録終了信号または用紙92の後端が記録領域に到達した信号を受けることによって、記録動作を終了して用紙92を排出する。
また、キャリッジ98の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液体吐出ヘッド1の吐出不良を回復するための回復装置117が配置されている(図22参照)。この回復装置117は、キャップ手段と吸引手段およびクリーニング手段を有している。キャリッジ98は、印字待機中には、この回復装置117側に移動してキャッピン手段によって液体吐出ヘッド1をキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことによって、インク乾燥による吐出不良の発生を防止する。また、記録途中などに記録と関係ないインクを吐出することによって、全ての吐出口のインクの粘度を一定に保ち、安定した吐出状態を維持する。
また、吐出不良が発生した場合などには、キャッピング手段によって液体吐出ヘッド1の吐出出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクと共に気泡などを吸出し、吐出口面に付着したインクやゴミなどは、クリーニング手段によって除去されて吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、本実施の形態にかかるインクジェット記録装置90においては、前述した液体吐出ヘッド1を搭載しているため、安定したインク吐出特性が得られ、画像品質が高められる。
なお、以上はインクジェット記録装置90に液体吐出ヘッド1を使用した場合について説明したが、インク以外の液滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する装置に液体吐出ヘッド1を適用してもよい。
以上の説明で明らかなように、本実施の形態によれば、液体吐出ヘッド1の気泡排出性を高めて液滴の不吐出や吐出速度の低下を防ぐことができ、この液体吐出ヘッド1を備えるインクカートリッジ99およびインクジェット記録装置90によって高品質の画像を安定的に得ることができるという効果が得られる。
[液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置]
次に、本発明にかかる液体吐出ヘッドとこれを備えた液体吐出装置の実施の形態を図24から図27に基づいて以下に説明する。図24は本発明にかかる液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置要部の一例の平面図、図25は同液体吐出装置要部の一例の側面図である。
本実施の形態にかかる液体吐出装置は、シリアル型の装置であって、この装置においては、主走査移動機構493によってキャリッジ403が主走査方向に往復移動する。ここで、主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408などを備えている。また、ガイド部材402は、左右の側板491A,491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407との間に架け渡されたタイミングベルト408を介してキャリッジ403が主走査方向に往復移動する。
上記キャリッジ403には、本発明にかかる液体吐出ヘッド404およびヘッドタンク441を一体化して成る液体吐出ユニット440が搭載されている。液体吐出ヘッド404は、例えば、前述した液体吐出ヘッド1または液体吐出ヘッド1aを用いるとよい。この液体吐出ユニット440に設けられた液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、この液体吐出ヘッド404は、複数のノズルから成るノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置しており、液滴の吐出方向が下方となる向きに装着されている。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を当該液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494によって、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
前記供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452などで構成されている。液体カートリッジ450は、カートリッジホルダ451に着脱可能に装着されている。そして、ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって液体カートリッジ450から液体が供給される。
また、本実施の形態にかかる液体吐出装置は、記録媒体である用紙410を搬送するための搬送機構495を備えており、この搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、該搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を備えている。
上記搬送ベルト412は、用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で用紙410を搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであって、搬送ローラ413とテンションローラ414との間に架け渡されている。なお、この搬送ベルト412による用紙410の吸着は、静電吸着、エアー吸着などによって行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417およびタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側であって、搬送ベルト412の側方には、液体吐出ヘッド404の維持回復を行うための維持回復機構420が配置されている。この維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成されている面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給機構494,維持回復機構420および搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
以上のように構成された液体吐出装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そして、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら、画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することによって、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
このように、本実施の形態にかかる液体吐出装置は、本発明にかかる液体吐出ヘッド404を備えているため、高質画像を安定して形成することができる。
次に、本発明にかかる液体吐出ユニットの他の実施形態を図26に基づいて以下に説明する。
図26は本実施の形態にかかる液体吐出ユニットの一例の正面図であり、図示の液体吐出ユニット440は、前記液体吐出装置を構成している部材のうち、側板491A,491Bおよび背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403および液体吐出ヘッド404によって構成されている。なお、この液体吐出ユニット440の例えば側板491Bに、前記維持回復機構420と供給機構494の少なくとも1つをさらに取り付けてもよい。
また、本発明にかかる液体吐出ユニットのさらに別形態を図27に基づいて以下に説明する。
図27は本実施の形態にかかる液体吐出ユニットの他の例の正面図であり、図示の液体吐出ユニット440は、流路部品444が取り付けられた液体吐出ヘッド404と、流路部品444に接続されたチューブ456によって構成されている。なお、流路部品444は、カバー442の内部に配置されている。ここで、流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444に上部には、液体吐出ヘッド404と電気的接続を行うためのコネクタ443が設けられている。
なお、本発明にかかる液体吐出装置は、液体吐出ヘッド404または液体吐出ユニット440を備え、液体吐出ヘッド404を駆動して液体を吐出させる装置であり、これには、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能である装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。また、この液体吐出装置には、液体が付着可能なものの給送、搬送、排出にかかる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含まれる。
例えば、液体吐出装置として、インクを吐出して用紙に画像を形成する画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出する立体造形装置(三次元造形装置)も含まれる。
また、液体吐出装置は、吐出する液体によって文字や図形などの有意な画像が可視化されるものに限定されることはない。例えば、それ自体意味を持たないパターンなどを形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
前記「液体が付着するもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、液体が付着して固着するもの、液体が付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
また、「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、壁紙や床材などの建材、衣料用のテキスタイルなど、液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」には、インク、処理液、DNA試料、レジスト、パターン材料、結着剤、造形液、または、アミノ酸、たんぱく室、カルシウムを含む溶液および分散液なども含まれる。
また、液体吐出装置は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置に限定されるものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、液体吐出装置としては、他にも用紙の表面を改質などの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
液体吐出ユニットとは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、液体吐出ユニットは、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも1つを液滴吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで「一体化」とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が締結、接着、係合などによって互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものが含まれる。また、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていてもよい。
例えば、液体吐出ヘッドとして、図25に示した液体吐出ユニット440のように、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化しているものがある。また、チューブなどによって互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクとが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ヘッドのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジとが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを、走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジおよび主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定し、液体吐出ヘッドとキャリッジおよび維持回復機構を一体化したものもある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取り付けられた液滴吐出ヘッドにチューブを接続し、液体吐出ヘッドと供給機構を一体化してものがある。
主走査移動機構には、ガイド部材単体も含まれるものとする。また、供給機構には、チューブ単体、装填部単体も含まれるものとする。
また、液体吐出ヘッドは、使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、圧電アクチュエータ(積層型圧電体素子を使用するものでもよい)以外にも、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極から成る静電アクチュエータなどを使用するものでもよい。
なお、以上の説明における「画像形成」、「記録」、「印写」「印刷」、「造形」などの用語は、いずれも同義語とする。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
1、1a、404 液体吐出ヘッド
10 ノズル板
11 ノズル
12 圧電体素子
13 振動板
14 加圧液室隔壁
15 加圧液室
16 ノズル
17 流体抵抗部
18 共通液室
19 共通液滴供給路
20 個別流路部材
21 圧力室
22 個別供給流路
23 個別回収流路
30 振動板部材
40 圧電素子
42 引出配線
43 コンタクトホール
44 ダミー配線
45 層間絶縁膜
50 共通流路部材
52 共通供給流路支流
53 共通回収流路支流
54 供給口
55 回収口
56 共通供給流路本流
57 共通回収流路本流
66 支流液室
68 本流液室
71 第1の保護膜
72 第2の保護膜
86 貫通孔
90 インクジェット記録装置(液体吐出装置)
99 インクカートリッジ(液体カートリッジ)
100 ヘッドモジュール
121 共通電極
122 個別電極
123 圧電体層
160 アクチュエータ部
201 アクチュエータ基板
202 支持基板
203 ノズル基板
403 キャリッジ
420 維持回復機構
440 液体吐出ユニット
441 ヘッドタンク
450 液体カートリッジ
493 主走査移動機構
494 供給機構
440 液体吐出ユニット
特開2016-004869号公報

Claims (16)

  1. 液体を吐出するノズルと、
    前記ノズルに連通する液室と、
    前記液室内の液体を加圧する圧電体素子と、
    前記圧電体素子を外部接続する引出配線と、
    前記圧電体素子の駆動に寄与しないダミー配線と、を有し、
    液体吐出方向から見たとき、前記引出配線と前記ダミー配線は前記ノズルを中心とした対称位置に配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 液体を吐出するノズルと、
    前記ノズルに連通する液室と、
    前記液室内の液体を加圧する圧電体素子と、
    前記圧電体素子を外部接続する引出配線と、
    前記圧電体素子の駆動に寄与しないダミー配線と、を有し、
    液体吐出方向から見たとき、前記ノズルから前記引出配線までの最短距離と、前記ノズルから前記ダミー配線までの最短距離とが略等しいことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 前記引出配線と前記ダミー配線は互いに同形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 液体吐出方向から見たとき、前記液室の構造中心及び前記圧電体素子の構造中心、並びに、前記圧電体素子の変位中心は、前記ノズルが形成されている領域に位置することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記液室の構造中心は、平面視した時の液室の長手方向における中心線と前記液室の短手方向における中心線との交点であり、
    前記圧電体素子の構造中心は、平面視した時の前記圧電素子の長手方向における中心線と前記圧電素子の短手方向における中心線との交点であることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記圧電体素子と前記引出配線との間に絶縁膜が設けられ、前記圧電体素子と前記引出配線とが接続するための前記絶縁膜の開口部分をコンタクトホールとしたとき、
    液体吐出方向から見たとき、前記液室は長手と短手を有し、前記液室の短手方向における前記引出配線の長さは、前記液室の短手方向における前記コンタクトホールの長さより大きく、前記液室の短手方向における前記液室の長さの1/2以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記引出配線を保護する第1の保護膜と、前記ダミー配線を保護する第2の保護膜とを有することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  8. 液体吐出方向から見たとき、前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜は、外周方向に向かって段階的に厚みが小さくなっていることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 液体吐出方向から見たとき、前記引出配線と前記第1の保護膜は互いに同形状であり、前記ダミー配線と前記第2の保護膜は互いに同形状であることを特徴とする請求項7又は8に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 液体吐出方向から見たとき、前記引出配線及び前記ダミー配線は、前記液室が形成されている領域の一部及び前記液室が形成されていない領域の一部に連続して形成されていることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記圧電体素子は、下部電極と、該下部電極上に形成された圧電体層と、該圧電体層上に形成された上部電極と、を有し、
    液体吐出方向から見たとき、前記圧電体層が形成されている領域は、前記液室が形成されている領域よりも小さいことを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  12. 請求項1~11のいずれかに記載の液体吐出ヘッドが、共通のベース部材に複数取り付けられてなるヘッドモジュール。
  13. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと該液体吐出ヘッドに記録液を供給する液体タンクを一体化してなる液体カートリッジにおいて、
    前記液体吐出ヘッドが請求項1~11のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする液体カートリッジ。
  14. 請求項1~11のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする液体吐出ユニット。
  15. 前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載する液体カートリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを主走査方向に移動させる主走査移動機構の少なくともいずれか1つと前記液体吐出ヘッドとを一体化したことを特徴とする請求項14に記載の液体吐出ユニット。
  16. 請求項1~11のいずれかに記載の液体吐出ヘッド、または、請求項14若しくは15に記載の液体吐出ユニットを備えていることを特徴とする液体吐出装置。
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